説明

荷電粒子ビーム装置

【課題】プローブ電流と対物開き角を独立に制御し、対物絞り径に応じて所望のプローブ電流量、対物開き角になる荷電粒子ビーム装置を提供する。
【解決手段】コンデンサレンズ4とコンデンサレンズ7の間に対物絞り6を有する構成とし、所望のプローブ電流量になるよう対物絞り6の径に応じて、第1のコンデンサレンズ設定部60の制御値を算出して設定し、所望の対物開き角になるよう対物絞り6の径とコンデンサレンズ設定部60の制御値に応じて、第2のコンデンサレンズ設定部62の制御値を算出し、算出した制御値を第2のコンデンサレンズ62に設定して、対物開き角43を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路パターンを有する基板製造技術に係り、特に、荷電粒子ビームにより微細な回路パターンを検査する荷電粒子ビーム検査技術に関する。
【背景技術】
【0002】
走査型電子顕微鏡 (Scanning Electron Microscope、以下SEM)は、電子源から放出された一次電子を加速し、対物絞りで一次電子を整形し、対物レンズで集束させ一次電子線を細く絞り、走査偏向器を用いて一次電子線を試料上で走査し、一次電子線の照射で試料から発生する二次信号を検出し、この検出信号強度を観察像として表示させる装置である。
【0003】
大規模集積回路の製造プロセスにおいて,インラインウェハ検査によって検出した欠陥を迅速に解析し,対策に活用するレビュー装置は,歩留まり早期立ち上げ,及び,製造プロセスの安定稼動を実現するために広く利用されている。製造プロセスの微細化に伴い半導体の製造歩留まりに影響を及ぼす欠陥も微細化し,従来の光学式レビュー装置に比べ高分解能でレビューが可能なSEM式レビュー装置に対する需要が高まっている。レビューSEMの構成は基本的に走査型電子顕微鏡と同じである。
【0004】
レビューSEMでは、以下の手順で欠陥を分類する。まず,半導体ウェハをステージに搭載し光学式検査装置から欠陥座標を取り込んだ後,欠陥座標と同じ配線パターンを持つ参照座標に移動しフォーカスを合わせ、参照座標を低倍率で観察する。フォーカスはレーザー測定器でウェハ表面高さを計測し,計測値に基づいて対物レンズの励磁電流を設定する。その後欠陥座標に移動し、参照座標で用いた方法と同様にしてフォーカスを合わせ、欠陥座標を低倍率で観察する。欠陥箇所を詳細に特定するために参照座標の画像と欠陥座標の画像の比較を行い,差異のある箇所を検出し、欠陥を詳細に観察するため高倍率で欠陥箇所の観察像を撮り,観察像を自動的に解析して欠陥や異物を分類する。以上のフローを欠陥画像自動収集機能(Automatic Defect Review,以下ADR)にて繰り返し行い、欠陥の観察像取得と分類を1時間に数千個の欠陥に対して実施する。
【0005】
欠陥箇所の特定に失敗せず高い欠陥検出率を達成するためには、ぼけのない参照座標と欠陥座標の観察像を必要とする。観察像にぼけがあると正しく画像を比較できないからである。しかし、レーザー測定器の計測精度が数 μmであるため、フォーカスも同等の精度となる。そのためレビューSEMでは、フォーカス位置の前後で鮮明な像が得られる距離を表す焦点深度を、レーザー測定器の精度以上に設計している。なお、焦点深度は一次電子線がウェハに入射する角度の半分である対物開き角に反比例する。
【0006】
一方、観察すべき欠陥のサイズは数十nmであり、欠陥を高精細に観察するためには数nmの高い分解能を必要とする。実用的な焦点深度を持つ対物開き角の範囲では、分解能は対物開き角に比例して向上する。
【0007】
レビューSEMはこのような使用目的によって、試料に入射する一次電子線量(以下、プローブ電流)と対物開き角の異なる光学モードを選択できるようになっている。光学モードの代表例として、小プローブ電流かつ分解能を優先したモード(以下、高分解能モード)や、大プローブ電流量かつ、焦点深度と分解能のバランスを取ったモード(以下、レビューモード)、焦点深度を優先したモード(以下、長焦点深度モード)などが挙げられる。
【0008】
プローブ電流量が小さいとsignal-to-noise ratio(以下、S/N)の高い観察像を得るために画像を多く積算する必要がありスループットが低減し、高プローブ電流量にすると積算が少なくすみスループットが大きくなるからである。しかし、高プローブ電流にすると小プローブ電流の時と比べ分解能は劣化する問題がある。
【0009】
光学モードの選択は焦点深度と分解能のバランスとプローブ電流量を選択することであり、レビューSEMの最も重要なパラメータである。そのため、各光学モードにおいて焦点深度と分解能のバランスはシビアに設計しており、その2つの性能を決定付ける対物開き角は精度良く設定されることが求められる。プローブ電流量は対物絞りを通過する一次電子線量で決まる。
【0010】
さて、上述したレビューSEMでは、装置の立ち上げ時や、装置を運用している際コンタミネーション等が対物絞りに付着して像劣化を引き起こすため、半年に1回程度対物絞りを交換している。しかし、対物絞りはその径のばらつきとして、約10%以上の製造ばらつきを持っており、対物絞りを交換するとそれに伴って対物開き角とプローブ電流量は10%以上変わってしまう。したがって対物絞り径の製造ばらつきは、各光学モードにおいてシビアに設計した焦点深度と分解能のバランスを乱し、装置個体間の性能差を生み、保証性能を提供できなくなるのである。
【0011】
対物絞りの交換に際して最高分解能となる対物開き角に調整する手段として、コンデンサレンズの調整方法が一般に公開されている。特許文献1では、コンデンサレンズと対物レンズの間に設置された対物絞り径を測定してコンデンサレンズにフィードバックし、対物開き角を調整する技術が開示されている。
【0012】
【特許文献1】特開平08-315761号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、特許文献1の構成において、コンデンサレンズ設定手段にて対物絞り径に応じて対物開き角を調整すると、コンデンサレンズと対物レンズの間に対物絞りが位置しているため、対物絞り径に応じて対物開き角を調整すると対物絞りを通り抜けて試料に到達する一次電子線の量(以下、プローブ電流量)が変化し、画像の明るさが変わってしまう。その結果、選択した光学モードの所望のプローブ電流量で使用できなくなる問題がある。
【0014】
また、特許文献1によると、コンデンサレンズ設定手段に最高分解能となる対物開き角になるよう値を与えるとある。レビューSEMでは、十分な欠陥検出率を得るために必要な焦点深度と分解能のバランスとプローブ電流量を安定に達成する構成を必要としている。特に焦点深度はレーザー測定器の精度以上でなければならないため、レビューSEMにおいて最も重要な性能指標といえる。
【0015】
本発明の目的は、プローブ電流と対物開き角を独立に制御することが可能な荷電粒子ビーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成するため、本発明においては、試料の所望領域を一次荷電粒子ビームで走査する走査部と、一次荷電粒子ビームの照射によりこの領域から二次的に発生する二次荷電粒子を検出して像として表示する表示部とを有する荷電粒子ビーム装置であって、一次荷電粒子ビームを集束させる第1のコンデンサレンズと、第1のコンデンサレンズより試料側に位置する第2のコンデンサレンズと、第1のコンデンサレンズと第2のコンデンサレンズの間に位置する対物絞りと、第1のコンデンサレンズの励磁量を設定する第1のレンズ設定部と、第1のコンデンサレンズの励磁量を設定する第2のレンズ設定部と、任意の対物絞りの径に対応し、所望の対物開き角になるよう第2のコンデンサレンズ設定部を制御する制御部とを備える荷電粒子ビーム装置を提供する。
【0017】
また、本発明の荷電粒子ビーム装置においては、制御部は、一次荷電粒子ビーム量と対物開き角を独立に制御可能であり、制御部は対物絞り径に応じて所望のプローブ電流量になるよう第1のコンデンサレンズ設定部を制御する構成を有する。
【0018】
更に、本発明の荷電粒子ビーム装置においては、複数の光学モードごとに、任意の対物絞りの径に対し試料に入射する一次荷電粒子ビーム量を所望の値になるような第1のコンデンサレンズ設定部の制御値と、任意の第1のコンデンサレンズ設定部の制御値と任意の対物絞りの径に対し、所望の対物開き角になるような第2のコンデンサレンズ設定部の制御値とを記憶する記憶部を有し、制御部は、指定された光学モードでの対物絞り径に対応する制御値を記憶部から読み出し、読み出された制御値に基づき、第1、第2コンデンサレンズ設定部を制御する構成を有する。
【0019】
更にまた、本発明においては、試料の所望領域を一次荷電粒子ビームで走査する走査部と、一次荷電粒子ビームの照射により該領域から二次的に発生する二次荷電粒子を検出して像として表示する表示部とを有する荷電粒子ビーム装置であって、一次荷電粒子ビームを集束させる第1のコンデンサレンズと、
第1のコンデンサレンズより試料側に位置する第2のコンデンサレンズと、第1のコンデンサレンズと第2のコンデンサレンズの間に位置する対物絞りと、第1、第2のコンデンサレンズの励磁量をそれぞれ設定する第1、第2のレンズ設定部と、第1、第2のレンズ設定部を制御する制御部とを備え、制御部は、第2の制御値の初期値によって第2のレンズ設定部を制御し、検出した焦点深度とその設定値の差分値が所望の範囲に収束するよう第2の制御値を制御する荷電粒子ビーム装置を提供する。またこの制御部は、第1の制御値の初期値によって第1のレンズ設定部を制御し、検出したプローブ電流とその設定値の差分値が所望の範囲に収束するよう第1の制御値を制御する。
【発明の効果】
【0020】
欠陥箇所と参照箇所の画像比較を行って欠陥を特定するレビューSEMにおいて、対物絞りを交換した際に、プローブ電流を変えることなく、十分な欠陥検出率を得るために必要な焦点深度と分解能となる対物開き角に精度良く調整できる。その結果、これまで分類困難な微細欠陥を失敗なく見つけることができるようになり、高欠陥検出率を常に達成することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の基本構成について、図面を参照して記述する。なお、以下の説明において制御手段を制御部や制御装置や制御系とするなど、「手段」を「部」や「装置」や「系」と呼ぶ場合がある点に留意されたい。
【0022】
図1は本発明の荷電粒子ビーム装置の基本構成を示す図であり、一次電子線を集束させるコンデンサレンズ4とコンデンサレンズ設定部60と、対物開き角を制御するコンデンサレンズ7とコンデンサレンズ設定部62と、コンデンサレンズ4とコンデンサレンズ7の間に設置された試料に入射する一次電子線量を制限する対物絞り6とを有する。
【0023】
この装置構成において、あらかじめ光学モード毎に所望のプローブ電流量になるよう、対物絞り6の径に応じたコンデンサレンズ設定部60の値を表すテーブル(表)もしくは数式と、所望の対物開き角になるよう、対物絞り6の径とコンデンサレンズ設定部60の値に応じたコンデンサレンズ設定部62の値を表すテーブル(表)もしくは数式を記憶部67に記憶させておく。
【0024】
次に、アライメントコイル13で対物絞り6を二次元走査して二次電子を二次電子検出器32で検出し、その検出信号を測長装置66に入力して対物絞りの径を測定し、測長した対物絞りの径を元に所望の光学モードのプローブ電流量になるようコンデンサレンズ設定部60に与える値を算出してコンデンサレンズ4に入力し、プローブ電流量を所望の値に調整する。その後、測長した対物絞り6の径とコンデンサレンズ設定部60に与えた値とを元に、所望の対物開き角になるようコンデンサレンズ設定部62に与える値を算出してコンデンサレンズ7に入力し、対物開き角43を調整する。
【0025】
なお、画像表示装置65、演算装置68、入力装置69はそれぞれ、通常の計算機のディスプレイなどの表示部、中央処理部(Central Processing Unit:CPU)や専用回路基板などの処理部、キーボードやマウスなどの入力手段で構成することができる。
【実施例1】
【0026】
図1に示した荷電粒子ビーム装置に基づき、第1の実施例であるレビューSEMの構成・動作を説明する。
【0027】
レビューSEMは半導体ウェハの欠陥や異物の検出、分類を行なうことを目的とした、セミインレンズ型の対物レンズを有した走査電子顕微鏡で実施した電子線応用装置であり、電子光学系と電子検出系と制御系で構成される。
【0028】
図1において、電子光学系は、電子源1、引き出し電極2、加速電極3、第1のコンデンサレンズ4、アライメントコイル5、対物絞り6、第2のコンデンサレンズ7、走査偏向器8、対物レンズ上磁極9、対物レンズ10、試料台11、被検査基板(被検査ウェハ)12で構成されている。対物レンズ上磁極9には、電圧可変のブースター電圧電源13が設置されており、試料台11には、電圧可変のリターディング電圧電源14が設置されている。
【0029】
電子検出系は、E×B偏向器30、反射板31、二次電子(SE)検出器32、反射板33、立体像検出器34で構成される。E×B偏向器30は電界と磁界を垂直に重畳する偏向器であり、一次電子線には偏向作用を及ぼさず、電子ビームの照射により試料から出射した二次電子(SE)に偏向作用を及ぼしてSE検出器32に取り込ませるものである。これによりS/Nの高い画像を得ることが出来る。
【0030】
制御系は、コンデンサレンズ設定部60、62と、レンズ設定部制御部61、63と、検出信号処理部(画像処理部)64と、画像表示装置65と、測長装置66と、記憶装置67と、演算装置68と、入力装置69から構成される。なお、本明細書の説明にあって、レンズ設定部制御部61、63を併せて制御部と呼ぶ、更には演算装置68をも含めて制御部と呼ぶ場合がある点に留意されたい。
【0031】
通常、電子光学系の電子源1には拡散補給型の熱電界放出電子源を用いている。一次電子線は引き出し電極2に電圧を印加することで電子銃から引き出される。加速電極3には負電圧−V0が印加されており、一次電子線はエネルギーをV0として加速電極3を通過する。その後、コンデンサレンズ4で集束され、対物絞り6を通過する際に一次電子線量を制限される。対物絞り6を通過した一次電子線はコンデンサレンズ7で集束される。試料台11には一次電子線減速用の高圧電位−Vr(リターディング電位)を可変に出来るよう、電圧可変のリターディング電圧電源14が設置されている。このリターディング電位により、一次電子線は試料台11の上に搭載された被検査基板12のすぐ上で急激に減速されながら、対物レンズ10によって被検査基板12上に集束される。また、通常コンデンサレンズ7と対物レンズ10の間に二段に配置された走査偏向器8によって被検査基板12の上を走査される。
【0032】
被検査基板12に照射される時の一次電子線のエネルギーは(V0−Vr)となる。本実施例ではV0=−2kV、Vr=−1.2kVとしたため、800eVの一次電子線を被検査基板12に照射していることになり、一次電子線の照射によって、被検査基板12からは二次電子が発生する。
【0033】
対物レンズの上磁極9には二次電子引上げ用の正の電位(ブースター電位)を印加できるよう、電圧可変のブースター電圧電源13が設置されている。本実施例ではブースター電位を2kVとした。この電位により二次電子はブースター電位により電子源側に引き上げられ、反射板33に衝突する。この衝突によって反射板からは二次電子が発生し、検出器34で検出される。検出器34は二つの検出器を有しており、両検出器は相対する位置(左右とする)に設置されている。この構造は二次電子を左右に分別して、被検査基板上の欠陥や異物等の観察物を、より立体的に観察するためのものである。
【0034】
反射板33の孔を通過した二次電子は、ブースター電極9の作る引き上げ電界と、対物レンズで作られる磁界により電子源側に巻き上げられながら進行する。巻き上げられた二次電子は反射板31に衝突し、反射板31からは二次電子が発生する。反射板31から発生した二次電子は、E×B偏向器30により偏向され、SE検出器32で検出される。検出器32、34での検出信号は画像処理装置64に送られ、走査SEM画像として画像表示装置65に表示される。
【0035】
さて、前述の通りレビューSEMでは、焦点深度と分解能のバランスと、プローブ電流量を精度良く制御したいとの要請がある。このプローブ電流量はスループット大きく支配する。なぜなら、プローブ電流量が小さいとsignal-to-noise ratio(以下、S/N)の高い観察像を得るために画像を多く積算する必要があり、その結果スループットが低減し、一方、高プローブ電流量にすると積算が少なくすみスループットが大きくなるからである。しかし、高プローブ電流にすると小プローブ電流の時と比べ分解能は劣化する問題がある。プローブ電流量は対物絞り6を通過する一次電子線量、すなわちクロスオーバポイント41の位置によって決まる。クロスオーバポイント41が対物絞り6に近いほどプローブ電流は大きくなる。このクロスオーバポイント41はレンズ設定部60に与える値によって制御される。
【0036】
焦点深度と分解能のバランスは、欠陥検出率と欠陥の詳細観察に影響を与える。前述の通り、レビューSEMではレーザー測定器でウェハ表面高さを計測し,計測値に基づいて対物レンズの励磁電流を設定することでフォーカスを合わせている。欠陥箇所の特定に失敗せず高い欠陥検出率を達成するためには、ぼけのない参照座標と欠陥座標の観察像を必要とする。観察像にぼけがあると正しく画像を比較できないからである。通常、レーザー測定器の計測精度が数 μmであるため、フォーカス位置の前後で鮮明な像が得られる距離を表す焦点深度は、レーザー測定器の精度以上でなければならない。
【0037】
図5に、一次電子線が試料に入射する際の軌道を模式的に表す。図中左側に対物開き角が小さい場合の軌道を、右側に対物開き角が大きい場合の軌道を示す。ビームの径が同等の大きさとなる高さ方向の距離は、対物開き角が小さい方が長いことが理解できよう。焦点深度の長さと対物開き角43に反比例の関係にある。一方、観察すべき欠陥のサイズは数十nmであり、高精細に欠陥を観察するためには数nmの高い分解能を必要とする。実用的な焦点深度を持つ対物開き角の領域において、分解能は回折収差に支配されており、対物開き角43に比例して向上する。焦点深度と分解能はそれぞれ相反するパラメータであるため、レビューSEMではそれぞれのバランスを変えた複数の光学モードを用意している。前述の通り、複数の光学モードとしては、小プローブ電流かつ分解能を優先したモードである高分解能モードや、大プローブ電流量かつ、焦点深度と分解能のバランスを取ったモードであるレビューモード、焦点深度を優先したモードである長焦点深度モードなどが挙げられ、レビューSEMの操作者は検査の目的に応じて、光学モードを選択する。
【0038】
微小な欠陥を高精細に観察するため分解能はなるべく高くしたいという要求と、十分な焦点深度を確保したいという要求がぶつかり合うため、焦点深度と分解能のバランスはシビアに設計する必要があり、その2つの性能を決定付ける対物開き角は精度良く設定されることが求められている。
【0039】
さて、上記レビューSEMでは、装置の立ち上げ時や、装置を運用している際、コンタミネーション等が対物絞りに付着して像劣化を引き起こすため、半年に1回程度対物絞りを交換している。しかし、対物絞りはその径のばらつき約10%以上の製造ばらつきを持っており、対物絞りを交換するとそれに伴ってプローブ電流量と対物開き角が10%以上変わってしまう。したがって対物絞り径の製造ばらつきは、各光学モードにおいてシビアに設計した焦点深度と分解能のバランスを乱し、装置個体間の性能差を生み、保証性能を提供できなくなる。
【0040】
そこで本実施例の荷電粒子ビーム装置では、プローブ電流と対物開き角を独立に制御し、対物絞り径に応じて所望のプローブ電流量になるよう第1のコンデンサレンズ設定手段を自動制御し、かつ所望の対物開き角になるよう第2コンデンサレンズ設定手段を自動制御する。
【0041】
図2は、本実施例のレビューSEMにおいて対物絞り6を交換した際に行う、対物開き角43の調整手順の一例を説明するためのフロー図である。
【0042】
まず、開始後、対物絞り6を交換する(S21)。その後、あらかじめ記憶部67に記憶させておいたクロスオーバポイント41が対物絞り6の位置にくる第1のレンズ設定手段の値をレンズ設定部61に入力し、一次電子線をコンデンサレンズ4で集束させ、アライメントコイル5を用いて一次電子線を対物絞り6上で二次元的に走査する。一次電子線が対物絞り6の孔6‘を通り抜けてウェハ12に到達する場合はSE検出器32で強い信号が得られ、対物絞り6で制限される場合はSE検出器32で信号が得られない。そのため、走査SEM画像を画像表示装置65に表示させると図4のようになり、対物絞り6の孔6’が詳細に観察できる。画像処理装置64から測長装置66へ走査SEM画像情報を入力して明度が高い部分を測長し、測長結果を演算処理装置68に入力する(S22)。対物絞りのSEM画像は、対物絞り6に電流計を接続し、一次電子線の走査に同期して電流計の信号を表示しても良い。その場合、対物絞り6の孔6‘を通過した場合には電流計の信号は得られず、対物絞り6上を走査している場合は信号が得られるため、SEM像は図4のコントラストが反転したものとなる。
【0043】
記憶装置67には、設定したプローブ電流量になるような対物絞り径に応じたコンデンサレンズ設定部60の値と、設定した対物開き角になるような対物絞り径とコンデンサレンズ設定部60の値に応じたコンデンサレンズ設定部62の値を、光学モード毎に記憶させておく。記憶させるものは、図9に示すようなテーブル(表)もしくは数式でも良い。図9の上中下段には、第1、第2、第3の各光学モード毎の対物絞り径とコンデンサレンズ設定部60、62の値を記憶したテーブルの具体例を示した。
【0044】
次に、画像表示装置65上において入力装置69を用いて光学モード群の中から光学モードを指定してテーブル(表)もしくは数式を選択し(S23)、対物絞り径に応じたレンズ設定手段制御部61の値を算出する(S24)。それから、対物絞り径とレンズ設定手段制御部61に応じたレンズ設定手段制御部63の値を表すテーブル(表)もしくは数式を記憶装置67から演算処理装置68に入力し、加えて測長した対物絞り径を測長装置66から演算処理装置68に入力し、レンズ設定手段制御部61、63に与える値を算出させる(S25)。演算装置68に算出させた値をレンズ設定手段制御部61、63に入力し、プローブ電流量と対物開き角の調整を終える。
【実施例2】
【0045】
なお、新品の対物絞りを交換する前に光学顕微鏡で観察するなどして、対物絞りの径をレビューSEMの外で測定してもよい。図3は、レビューSEMにおいて対物絞り6を交換する際、対物絞りの径をSEMの外で測長する場合の、対物開き角43の調整手順の第2の実施例を説明するためのフロー図である。
【0046】
まず、交換する新品の対物絞り6の径6´を、光学顕微鏡等を用いて測長する(S30)。続いて対物絞り6を交換する(S31)。測長した結果は入力装置69を用いて演算処理装置68に入力する(S32)。
【0047】
その後、前述の対物絞り6の径6´をSEM内で測定した場合と同様の方法を用いて、入力された対物絞り6の径6´に応じてレンズ設定手段制御部61の値(第1の制御値)を算出し、対物絞り6の径とレンズ設定手段制御部61の値に応じてコンデンサレンズ設定部63の値(第2の制御値)を算出し、レンズ設定手段制御部61、63に算出値を入力して、プローブ電流量と対物開き角の調整を終える。
【0048】
なお、対物絞り6の径6´に応じたレンズ設定手段制御部61の値を表す光学モードごとのテーブル(表)もしくは数式と、対物絞り6とレンズ設定手段制御部63に応じた対物開き角43の値を表す光学モードごとのテーブル(表)もしくは数式を記憶装置67に持たない場合においても、同様の調整が可能である。
【実施例3】
【0049】
図6は、対物絞り6を交換した際に行う、対物開き角43の調整手順の第3の実施例を説明するためのフロー図である。
【0050】
まず、本実施例において対物絞り6を交換する(S61)。その後、前述と同様の方法で対物絞り6の径6´を測長し(S62)、測長結果を演算処理装置68に入力する。対物絞りの径6´の測定はレビューSEMの内外のどちらで測定してもよい。SEM外で対物絞り6の径6´を測定した場合、入力装置69を用いて径を演算処理装置68に入力する。
【0051】
次に、画像表示装置65上において入力装置69を用いて光学モード群の中から光学モードを指定し(S63)、光学モードの標準的なレンズ設定手段制御部61、63の値(第1、第2の制御値)を記憶装置67から呼び出し、初期値としてレンズ設定手段制御部61、63に入力する(S64)。
【0052】
続いてプローブ電流量を測定し(S65)、測定したプローブ電流量と、選択した光学モードの設定プローブ電流量との差分値が所望の範囲かを判断する(S66)。範囲でない場合は、レンズ設定手段制御部61の値(第1の制御値)に微小量を加えて再設定し(S67)、再度プローブ電流量の測定と比較を行う。測定したプローブ電流量が選択した光学モードの設定プローブ電流量とほぼ同等、すなわち差分値が所望の範囲となったら焦点深度測定フロー(S68)に進む。
【0053】
図7は、焦点深度の測定手順を説明するためのフロー図である。なお、レンズ設定手段制御部63には選択した光学モードの標準値が初期値として入力されている。
【0054】
まず、対物レンズ10で被検査基板にフォーカスを合わせ(S71)、被検査基板の観察領域を撮像する(S72)。次に、Contrast-to-gradient(CG)法(例えば、特開2007-207763号公報参照)などのボケ定量化手法を用いて、画像処理装置64にて取得した画像のボケ量を算出し(S73)、演算装置68にその値を出力する。なお、ボケ定量化手法はCG法に限らない。
【0055】
同時に、あらかじめ記憶させておいた、光学モードごとに設定したボケ量を記憶装置67から演算装置68に入力し、取得画像のボケ量と比較し、ほぼ同等か、すなわち、差分値が所望の範囲かを判断する(S74)。取得画像ボケ量が設定値とほぼ同等でないと判断された場合には、フォーカスを微小量変化させて(S75)再度観察領域を撮像し、画像のボケ量を算出、設定値と比較する。なお、対物レンズ10、ブースター電圧電源13、リターディング電源14のいずれかの強さを変えることでフォーカスを変える。この際、フォーカスの変化量と、対物レンズ10、ブースター電圧電源13、リターディング電源14の変化量は関連付けられている。
【0056】
画像ボケ量が設定値とほぼ同等、すなわち差分値が所望の範囲となったら、その画像を撮った際のフォーカス変化量を2倍し、焦点深度として出力して画像表示装置65上に表示する(S76)。フォーカスを変化させながら画像を取得しボケ量を算出して、フォーカス変化量と画像ボケ量の関係を示した例を図8に示す。図8において、横軸はジャストフォーカス位置を零とした場合のフォーカス変化量(μm)を、縦軸は画像ボケ量を示している。ボケ量が小さいほうが、分解能高い画像であることを示している。設定ボケ量を10.2と仮定すると、焦点深度はフォーカス変化量(ジャストフォーカス位置からの検出フォーカス位置までの距離)の2倍、約13.5μmと算出される。
【0057】
次に、図6に戻り、測定した焦点深度(S68)と選択した光学モードの設定焦点深度を比較し、ほぼ同等かを判断する(S69)。すなわち、両者の差分値が所望の範囲で無い場合は、レンズ設定手段制御部63の値(第2の制御値)に微小量を加えて再設定し(S70)、再度焦点深度測定フローを行い、焦点深度を算出する。
【0058】
測定した焦点深度が選択した光学モードの設定焦点深度とほぼ同等、すなわち差分値が所望の範囲となり次第、対物開き角の調整を終える。
【0059】
対物絞りを交換するごとに、測定もしくは入力した対物絞りの径と、所望のプローブ電流量になるよう調整したコンデンサレンズ設定手段61に与える値と、所望の焦点深度になるよう調整したコンデンサレンズ設定手段63に与える値とを、記憶装置67に記憶させる。対物絞り6の径に応じたコンデンサレンズ設定手段61の値を表す光学モードごとのテーブル(表)もしくは数式と、対物絞り6とコンデンサレンズ設定手段63に応じた対物開き角43の値を表す光学モードごとのテーブル(表)もしくは数式を順次蓄積していく。これにより、次の対物絞りの交換時に、上記テーブル(表)もしくは数式を参照することで、より早く調整を行えるようになる利点がある。
【0060】
なお、本実施例における上述のフローにおいて、対物絞り径の測定もしくは径の入力を省略することが出来る。
【0061】
以上、本発明の種々の実施例について説明した。上記の各実施例では、本発明をレビューSEMに適用した場合を例にとり説明した。しかし、本発明は、これに限定されるものではなく、CD-SEMや汎用SEMを含むSEMおよびイオンビーム照射装置等の他の荷電粒子線応用装置にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】第1の実施例であるレビューSEMの概略構成図である。
【図2】第1の実施例であるレビューSEMでの、対物絞りの径をSEM内で測定する場合の対物開き角調整フロー図である。
【図3】第2の実施例であるレビューSEMでの、対物絞りの径をSEM外で測定する場合の対物開き角調整フロー図である。
【図4】第1の実施例に係わる、SEM画像の画像表示装置への表示例を示す図である。
【図5】各実施例において、一次電子線が試料に入射する際の軌道を模式的に示す図である。
【図6】第3の実施例であるレビューSEMでの、対物絞り径に応じたコンデンサレンズ設定部の値を表すテーブル(表)もしくは数式を持たない場合の、対物開き角調整フロー図である。
【図7】第3の実施例における焦点深度の測定手順を説明するための図である。
【図8】第3の実施例におけるフォーカス変化量と画像ボケ量の関係を示した例を示す図である。
【図9】第1の実施例における光学モード毎の対物絞り径に応じたコンデンサレンズ設定手段の値の関係を示すテーブル(表)を表す図である。
【符号の説明】
【0063】
1…電子源、2…引き出し電極、3…加速電極、4…第1のコンデンサレンズ、5…アライメントコイル、6…対物絞り、7…第2のコンデンサレンズ、8…走査偏向器、9…対物レンズ上磁極、10…対物レンズ、11…試料台、12…被検査基板(被検査ウェハ)、13…ブースター電圧電源、14…リターディング電圧電源、30…E×B偏向器、31…反射板、32…検出器、33…反射板、34…検出器、40…一次荷電ビームの軌道、41…クロスオーバポイント、42…クロスオーバポイント、43…対物開き角、60…レンズ設定部、61…レンズ設定手段制御部、62…レンズ設定部、63…レンズ設定手段制御部、64…検出信号処理装置、65…画像表示装置、66…測長装置、67…記憶装置、68…演算装置、69…入力装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料の所望領域を一次荷電粒子ビームで走査する走査部と、前記一次荷電粒子ビームの照射により前記領域から二次的に発生する二次荷電粒子を検出して像として表示する表示部とを有する荷電粒子ビーム装置であって、
前記一次荷電粒子ビームを集束させる第1のコンデンサレンズと、
前記第1のコンデンサレンズより前記試料側に位置する第2のコンデンサレンズと、
前記第1のコンデンサレンズと前記第2のコンデンサレンズの間に位置する対物絞りと、
前記第1のコンデンサレンズの励磁量を設定する第1のレンズ設定部と、
前記第2のコンデンサレンズの励磁量を設定する第2のレンズ設定部と、
任意の前記対物絞りの径に対応し、所望の対物開き角になるよう前記第2のレンズ設定部を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載の荷電粒子ビーム装置であって、
前記制御部は、前記一次荷電粒子ビーム量と前記対物開き角を独立に制御可能である、
ことを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
【請求項3】
請求項1に記載の荷電粒子ビーム装置であって、
前記制御部は、前記対物絞り径に応じて所望のプローブ電流量になるよう前記第1のレンズ設定部を制御する、
ことを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
【請求項4】
請求項1に記載の荷電粒子ビーム装置であって、
第1、第2の光学モードごとに、任意の前記対物絞りの径に対し前記試料に入射する前記一次荷電粒子ビーム量を所望の値とする前記第1のレンズ設定部の制御値と、任意の前記第1のレンズ設定部の制御値と任意の前記対物絞りの径に対し、所望の前記対物開き角とする前記第2のレンズ設定部の制御値とを記憶する記憶部を更に有し、
前記制御部は、指定された前記光学モードでの前記対物絞り径に対応する前記制御値を前記記憶部から読み出し、読み出された前記制御値に基づき、前記第1、第2のレンズ設定部を制御する、
ことを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
【請求項5】
請求項4に記載の荷電粒子ビーム装置であって、
前記第1、第2の光学モードは、分解能を優先した高分解能モードと、焦点深度を優先した長焦点深度モードである、
ことを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
【請求項6】
請求項1に記載の荷電粒子ビーム装置であって、
前記制御部は、前記試料に入射する前記一次荷電粒子ビーム量を所望の値になるよう前記第1のレンズ設定部を自動制御し、
前記第1のレンズ設定部の制御値と前記対物絞りの径とに対応し、所望の前記対物開き角になるよう前記第2のレンズ設定部を自動制御する、
ことを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
【請求項7】
請求項1に記載の荷電粒子ビーム装置であって、
記憶部を更に有し、
前記記憶部は、複数の焦点深度に対応して、前記対物絞りの径と、前記第2のレンズ設定部を制御する制御値とを記憶するテーブルを有し、
前記制御部は、前記記憶部の前記テーブルに記憶された、選択された前記焦点深度と前記対物絞りの径に対応する前記第2のレンズ設定部の前記制御値に基づき、前記第2のレンズ設定部を制御して選択された前記焦点深度を得る、
ことを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
【請求項8】
請求項4に記載の荷電粒子ビーム装置であって、
入力部を更に有し、
前記制御部は、前記入力部から入力される前記対物絞りの径に対応する前記制御値を前記記憶部から読み出す、
ことを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
【請求項9】
請求項4に記載の荷電粒子ビーム装置であって、
測長装置を更に有し、
前記制御部は、前記測長装置が前記対物絞りの画像情報に基づき算出した前記対物絞り径に対応する前記制御値を前記記憶部から読み出し、前記第1、第2のレンズ設定部を制御する、
荷電粒子ビーム装置。
【請求項10】
請求項7に記載の荷電粒子ビーム装置であって、
測長装置を更に有し、
前記制御部は、前記測長装置が前記対物絞りの画像情報に基づき算出した前記対物絞り径と、選択された前記焦点深度に対応する前記制御値を前記記憶部から読み出し、前記第2のレンズ設定部を制御する、
荷電粒子ビーム装置。
【請求項11】
試料の所望領域を一次荷電粒子ビームで走査する走査部と、前記一次荷電粒子ビームの照射により前記領域から二次的に発生する二次荷電粒子を検出して像として表示する表示部とを有する荷電粒子ビーム装置であって、
前記一次荷電粒子ビームを集束させる第1のコンデンサレンズと、
前記第1のコンデンサレンズより前記試料側に位置する第2のコンデンサレンズと、
前記第1のコンデンサレンズと前記第2のコンデンサレンズの間に位置する対物絞りと、
前記第1、第2のコンデンサレンズの励磁量をそれぞれ設定する第1、第2のレンズ設定部と、
前記第1、第2のレンズ設定部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、第2の制御値の初期値によって前記第2のレンズ設定部を制御し、検出した焦点深度とその設定値の差分値が所望の範囲に収束するよう前記第2の制御値を制御する、
ことを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
【請求項12】
請求項11に記載の荷電粒子ビーム装置であって、
前記制御部は、第1の制御値の初期値によって前記第1のレンズ設定部を制御し、検出したプローブ電流とその設定値の差分値が所望の範囲に収束するよう前記第1の制御値を制御する、
ことを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
【請求項13】
請求項12に記載の荷電粒子ビーム装置であって、
第1、第2の光学モードごとに、前記第1のレンズ設定部の前記第1の制御値と、前記第2のレンズ設定部の前記第2の制御値の前記初期値を記憶する記憶部を更に有し、
前記制御部は、指定された前記光学モードに対応して、前記初期値を前記記憶部から読み出し、読み出された前記初期値に基づき、前記第1、第2のレンズ設定部を制御する、
ことを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
【請求項14】
請求項13に記載の荷電粒子ビーム装置であって、
前記第1、第2の光学モードは、分解能を優先した高分解能モードと、焦点深度を優先した長焦点深度モードとを含む、
ことを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
【請求項15】
請求項13に記載の荷電粒子ビーム装置であって、
前記制御部は、前記第1のレンズ設定部を制御し、前記検出したプローブ電流とその設定値の差分値を所望の範囲に収束させた後、前記第2のレンズ設定部を制御して、前記検出した焦点深度とその設定値の差分値を所望の範囲に収束させる、
ことを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
【請求項16】
請求項11に記載の荷電粒子ビーム装置であって、
前記制御部は、前記第2のレンズ設定部を制御して前記焦点深度を検出する場合、前記試料の画像を取得し、取得した前記画像のボケ量とその設定値との差分値が所望の範囲になるよう制御する、
ことを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
【請求項17】
請求項16に記載の荷電粒子ビーム装置であって、
前記制御部は、前記位置第2のレンズ設定部を制御して前記焦点深度を検出する場合、前記試料の画像を取得し、取得した前記画像のボケ量とその設定値との差分値が所望の範囲になるフォーカス位置を検出し、検出された前記フォーカス位置とジャストフォーカス位置との距離に基づき、前記焦点深度を算出する、
ことを特徴とする荷電粒子ビーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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