荷電装置、それを備えた集塵装置及び脱臭装置
【課題】放電電極に付着した付着物を除去することができ、荷電効率を向上させることができる荷電装置、それを備えた集塵装置及び脱臭装置を得る。
【解決手段】対向電極20と、無端状に形成され、対向電極20の周囲を、所定の間隔を保ちつつ循環移動可能に設けられた放電電極10と、放電電極10と当接して放電電極10の付着物を除去する第1の掃除手段31とを備えた。
【解決手段】対向電極20と、無端状に形成され、対向電極20の周囲を、所定の間隔を保ちつつ循環移動可能に設けられた放電電極10と、放電電極10と当接して放電電極10の付着物を除去する第1の掃除手段31とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、荷電装置、それを備えた集塵装置及び脱臭装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術においては、例えば「少なくとも1組の放電電極と対向電極との間でコロナ放電を生じさせ、このコロナ放電で空気中の粉塵粒子を帯電させて集塵する電気集塵機であって、前記放電電極における少なくともコロナ放電を生じさせる部分の表面を、炭素の含有量が0.2重量%以下の鉄系合金を基材とし、該基材上にAlとCrの酸化層を含む処理皮膜を形成してなることを特徴とする電気集塵機。」が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平7−178350号公報(請求項1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
荷電装置は、放電電極と対向電極との間で例えばコロナ放電を生じさせ、空気中の微粒子を帯電させる。このような荷電装置は、帯電された微粒子を集塵する集塵装置や、放電によって発生するオゾン等の活性酸素を用いた脱臭装置などに使用されている。
【0005】
このような荷電装置は、放電によって放電電極や対向電極の放電箇所が劣化する、という問題点があった。
【0006】
また、放電電極や対向電極にシリカなどの付着物が付着すると、電極間の放電が減少し、荷電効率が悪化する、という問題点があった。また、これにより、集塵性能、活性酸素の生成性能が低下する、という問題点があった。
このような劣化や性能の低下は、荷電装置を長時間稼働することにより、より顕著に現れる。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、少なくとも放電電極に付着した付着物を除去することができ、荷電効率を向上させることができる荷電装置、それを備えた集塵装置及び脱臭装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る荷電装置は、対向電極と、無端状に形成され、前記対向電極の周囲を、所定の間隔を保ちつつ循環移動可能に設けられた放電電極と、前記放電電極と当接して該放電電極の付着物を除去する第1の掃除手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明は、放電電極と当接して該放電電極の付着物を除去する第1の掃除手段を設けているので、放電電極に付着した付着物を除去することができ、荷電効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る荷電装置の概略構成図である。
図2はこの発明の実施の形態1に係る荷電装置の要部正面図及び側面図である。
図3はこの発明の実施の形態1に係る回転軸の構成図である。
【0011】
図において、本実施の形態における荷電装置は、放電電極10と、対向電極20とを有している。この荷電装置は、放電電極10と対向電極20との間で例えばコロナ放電を生じさせ、空気中の微粒子を帯電させるものである。
【0012】
また、荷電装置は、回転軸11と、回転軸21と、絶縁盾40と、第1の掃除手段31と、第2の掃除手段32と、対向電極駆動チェーン100と、スプロケット110と、放電電極駆動チェーン120と、スプロケット130と、トレー300とを有している。
【0013】
放電電極10は、無端状に形成され、対向電極20の周囲を、所定の間隔を保ちつつ循環移動可能に設けられている。
この放電電極10は、リン青銅、タングステン、銅、ニッケル、ステンレス、亜鉛、鉄、若しくはこれらの合金、又はこれらの金属の表面に、銀、金、白金若しくはニッケルをメッキ処理して形成される。本実施の形態1においては、例えば、放電電極10の材質をリン青銅とし、更にニッケルメッキの表面処理を行う。
【0014】
放電電極10には、当該放電電極10と対向電極20との間の距離に応じた電圧が印加される。例えば、放電電極10と対向電極20との間の距離を8〜12mmとしたとき、放電電極10には、プラス5.5〜9.5kV、又はマイナス6.5〜10.5kVの電圧が印加される。尚、この設置距離と放電電圧との関係については後述する。
【0015】
更に、放電電極10は、長辺と短辺とを有する断面扁平状に形成され、長辺が対向電極20の幅方向と平行に設置される。例えば、短辺0.05〜0.1mm、長辺0.6〜1.0mmである。尚、放電電極10の形状と電圧電流特性との関係については後述する。
【0016】
対向電極20は、無端状に形成され、放電電極10と所定の間隔を保ちつつ循環移動可能に設けられている。
この対向電極20は、リン青銅、タングステン、銅、ニッケル、ステンレス、亜鉛、若しくは鉄、又はカーボン若しくは金属フィラーを練り込んだ導電性樹脂により形成される。
【0017】
また、対向電極20の幅は、放電電極10と当該対向電極20との間の距離の少なくとも2倍以上である。例えば、対向電極20は、幅17〜25mm、厚み0.1〜0.5mmである。尚、対向電極20の形状と電極間距離との関係については後述する。
【0018】
回転軸11は、放電電極10を支持し、回転駆動されることにより、放電電極10を循環移動させる。
具体的には、図1、図2に示すように、回転軸11は、対向電極20の周囲を所定間隔で囲む長方形の四辺に配設される。
また、図3に示すように、回転軸11は、放電電極10の脱落を防止するガイド溝13が形成されている。このガイド溝13に、扁平形状である放電電極10が配設される。
また、放電電極10との接触面に、当該放電電極10との摩擦力を増加させる表面加工を施している。例えば、高摩擦加工や、導電性のゴムなどを用いる。
また、この回転軸11は、放電電極10の循環方向外側に、図示しない弾性体(バネ等)により押圧されている。これにより、放電電極10は、一定張力が加わり、撓みが少なくなるように張架される。
また、回転軸11には、放電電極駆動チェーン120と、歯合するギア12が一体に形成されている。
【0019】
スプロケット130は、後述する放電電極駆動モータ521により回転駆動される。
このスプロケット130には、放電電極駆動チェーン120が巻掛けられている。そして、スプロケット130が回転駆動されることにより、これと歯合する放電電極駆動チェーン120が循環移動する。
これにより、放電電極駆動チェーン120と歯合する回転軸11が回転駆動される。
【0020】
回転軸21は、対向電極20を支持し、回転駆動されることにより、対向電極20を循環移動させる。
具体的には、図1、図2に示すように、回転軸21は、上下に所定間隔を隔てて配設される。そして、この回転軸21に、無端状の対向電極20が巻掛けられる。
また、図3に示すように、回転軸21は、対向電極20の脱落を防止するガイド溝23が形成されている。このガイド溝23に、対向電極20が配設される。
また、対向電極20との接触面に、当該対向電極20との摩擦力を増加させる表面加工を施している。例えば、高摩擦加工や、導電性のゴムなどを用いる。
また、この回転軸21は、対向電極20の循環方向外側に、図示しない弾性体(バネ等)により押圧されている。これにより、対向電極20は、一定張力が加わり、撓みが少なくなるように張架される。
また、回転軸21には、対向電極駆動チェーン100と、歯合するギア22が一体に形成されている。
【0021】
スプロケット110は、後述する対向電極駆動モータ522により回転駆動される。
このスプロケット110には、対向電極駆動チェーン100が巻掛けられている。そして、スプロケット110が回転駆動されることにより、これと歯合する対向電極駆動チェーン100が循環移動する。
これにより、対向電極駆動チェーン100と歯合する回転軸21が回転駆動される。
【0022】
尚、本実施の形態1では、放電電極駆動チェーン120を循環移動させて回転軸11を回転駆動するようにしたが、本発明はこれに限るものではなく、回転軸11を放電電極駆動モータ521により直接、又は減速ギア等を介して、回転駆動するようにしても良い。回転軸21についても同様である。
【0023】
回転軸11及び回転軸21は、導電性材料により構成されている。そして、この回転軸11と回転軸21とに、後述する高電圧が印加されることにより、放電電極10及び対向電極20に当該高電圧が印加される。
【0024】
絶縁盾40は、放電電極10と対向電極20との間の一部に配置され、絶縁材により形成される。例えば図1、図2に示すように、対向電極20の上部及び下部に配置される。
そして、この絶縁盾40の配置位置における放電電極10と対向電極20との間隔を、当該絶縁盾40が設置されていない部分の間隔より短くしている。つまり、対向電極20の上部及び下部と放電電極10との間隔は、対向電極20の側面と放電電極10との間隔より短くなるようにしている。
この絶縁盾40を設けることにより、放電電極10と対向電極20との距離を他の部分より短くしても、放電が集中することを防止することができる。これにより、荷電装置の小型化を図ることが可能となる。
【0025】
尚、絶縁盾40を設けない構成としても良い。この場合、対向電極20の上部及び下部と放電電極10との間隔は、他の部分と同じ間隔とする。
【0026】
第1の掃除手段31は、放電電極10と当接して放電電極10の付着物を除去する。
具体的には、第1の掃除手段31は、所定の位置に固定され、放電電極10と当接するブラシを有し、このブラシと放電電極10とが当接し、放電電極10が循環移動することにより、放電電極10の付着物を除去する。例えば図1に示すように、第1の掃除手段31は、放電電極10の下部の外周側に設置される。
また、第1の掃除手段31は、絶縁材料により形成される。異常放電の発生を防止するためである。例えば、ポリエチレンのブラシを用いる。
【0027】
第2の掃除手段32は、対向電極20と当接して対向電極20の付着物を除去する。
具体的には、第2の掃除手段32は、所定の位置に固定され、対向電極20と当接するブラシを有し、ブラシと対向電極20とが当接し、対向電極20が循環移動することにより、対向電極20の付着物を除去する。例えば図1に示すように、第2の掃除手段32は、対向電極20の下部の外周側に設置される。
また、第2の掃除手段32は、絶縁材料により形成される。異常放電の発生を防止するためである。例えば、ポリエチレンのブラシを用いる。
尚、第2の掃除手段32は、図2に示すように、放電電極10の直下位置には設けない構成としても良い。放電電極10の直下への放電は少なく、付着物の量も少ないためである。
【0028】
尚、第1の掃除手段31及び第2の掃除手段32の設置場所は、これに限るものでなく、任意の位置に設けることができる。また、第1の掃除手段31、第2の掃除手段32を複数設けるようにしても良い。例えば、第1の掃除手段31を放電電極10の上部に設けても良いし、放電電極10の内周側に設けても良い。
また、第1の掃除手段31及び第2の掃除手段32は、放電電極10に付着した付着物を除去できるものであれば良く、ブラシ式に限らず、任意の形状のものを用いるようにしても良い。
【0029】
トレー300は、放電電極10及び対向電極20の下部に配置され、第1の掃除手段31及び第2の掃除手段32により除去された付着物を一時的に蓄積する。
【0030】
図4はこの発明の実施の形態1に係る制御ブロック図である。
図4に示すように、荷電装置は、制御手段500と、電圧計510と、湿度計511と、対向電極駆動モータ522と、放電電極駆動モータ521と、表示部530とを有している。また、制御手段500は、所定時間の経過を計測するタイマ501を有している。
【0031】
尚、電圧計510は、この発明における電圧計測手段に相当する。また、湿度計511は、この発明における湿度計測手段に相当する。
【0032】
電圧計510は、放電電圧を計測し、当該放電電圧に比例したモニタ電圧を制御手段500へ入力する。
湿度計511は、当該荷電装置に流入する空気の湿度を計測し、当該湿度に関する信号を制御手段500へ入力する。
【0033】
制御手段500は、例えばマイコンのような演算装置により構成され、記憶されたプログラムに基づき、荷電装置全体の運転を制御する。
また、制御手段500は、タイマ501により、所定時間の経過を計測する。
また、制御手段500は、後述する動作により、放電電極駆動モータ521、及び対向電極駆動モータ522を制御する。
【0034】
表示部530は、例えばセグメントLEDや液晶表示素子等からなり、制御手段500の出力に基づいて劣化状態などに関する所定の情報を使用者に報知する。
【0035】
(電極清掃動作)
図5はこの発明の実施の形態1に係る電極清掃動作を示すフローチャートである。
以下、本実施の形態1における電極清掃の動作について、図5に基づき説明する。
【0036】
(S1)
制御手段500は、荷電装置の運転を開始した後、電圧計510から入力されたモニタ電圧が所定の電圧値以上であるか否かを判断する。例えば、モニタ電圧が5V以上であるか否かを判断する。
【0037】
ここで、放電電極10及び対向電極20(以下、区別しないときは単に「電極」という。)の劣化と放電電圧との関係について説明する。
放電電極10と対向電極20との間で放電が生じると、電極の表面にはシリカ(Siox)や空気中の粉塵などが付着する。このような付着物は電極劣化の要因となる。
このような付着物が付着すると電極間の放電が減少する。一方、荷電状態においては、電極間の電流値は一定に保たれるため、放電が減少すると放電電圧が上昇する。
【0038】
図6は荷電電流一定時の放電経過時間によるモニタ電圧の上昇を表す図である。
図6に示すように、荷電経過時間とともにモニタ電圧が上昇することが分かる。尚、図6における電極材質の相違については後述する。
以上のことから、放電電圧をモニタすることにより、劣化状態を判定することが可能である。
【0039】
(S2)
上記ステップS1において、制御手段500は、モニタ電圧が所定の値(5V)以上であると判断した場合、清掃モードを開始する。
この清掃モードは、放電電極10及び対向電極20を循環移動させ、第1の掃除手段31と第2の掃除手段32とにより、付着物を除去させる。
具体的には、制御手段500は、放電電極駆動モータ521を回転駆動させる。放電電極駆動モータ521が回転するとスプロケット130が回転駆動される。スプロケット130が回転すると、放電電極駆動チェーン120と歯合する回転軸11が回転駆動される。回転軸21が回転すると放電電極10は循環移動する。
そして、放電電極10と当接している第1の掃除手段31のブラシによって、放電電極10に付着した付着物が掃き落とされる。
【0040】
同様に、制御手段500は、対向電極駆動モータ522を回転駆動させると、スプロケット110、対向電極駆動チェーン100を介して回転軸21が回転し、対向電極20が循環移動することにより、第2の掃除手段31のブラシによって、対向電極20に付着した付着物が掃き落とされる。
【0041】
制御手段500は、上記清掃モードを行った後、再びステップS1へ戻り、電圧のモニタを繰り返す。
【0042】
(S3)
上記ステップS1において、モニタ電圧が所定の値(5V)未満であると判断した場合、制御手段500は、タイマ501を参照して、所定の累計荷電時間が経過しているか否かを判断する。例えば、累計荷電時間が3000時間以上であるか否かを判断する。
【0043】
(S4)
上記ステップS3において、累計荷電時間が3000時間以上であると判断した場合、制御手段500は、電極が経年劣化状態である旨の情報を、表示部530に表示させる。
【0044】
(S5)
上記表示の後、所定時間の経過を待って、当該荷電装置の運転を終了させる。
【0045】
(S6)
上記ステップS3において、累計荷電時間が3000時間未満であると判断した場合、制御手段500は、湿度計511により計測された湿度が所定の値以上であるか否かを判断する。例えば湿度80%以上であるか否かを判断する。
【0046】
湿度80%以上であると判断した場合、制御手段500は、上記ステップS2により、清掃モードを開始する。
このように、高湿度の空気が荷電装置に流入する場合には、掃除モードを開始することになる。これは、湿度が上昇すると、空気中に含まれる水分に起因する付着物(シリカなど)が多くなるためである。
【0047】
(S7)
上記ステップS6において、湿度80%未満であると判断した場合、制御手段500は、通常の運転を開始し、上記ステップS1へ戻り、上記手順を繰り返す。
【0048】
尚、本実施の形態1においては、モニタ電圧及び湿度に応じて、電極清掃動作を行ったが、本発明はこれに限るものではなく、モニタ電圧及び湿度の何れか一方の値に応じて、電極清掃を行うようにしても良い。また、モニタ電圧及び湿度にかかわらず、所定時間経過ごとに電極清掃を行っても良いし、常時行っても良い。
【0049】
このような電極清掃による効果について図7により説明する。
【0050】
図7は電極清掃による荷電効率の復帰を示す図である。
図7に示すように、電極清掃を行うことにより、モニタ電圧が低下することが分かる。つまり、電極の付着物が除去されたことにより、電極間の放電が増加し、荷電効率が復帰していることが分かる。
また、電極基材がステンレス、又はリン青銅にニッケルメッキを施したものの何れであるかにかかわらず、電極清掃よりモニタ電圧は、ほぼ初期状態にまで回復(低下)していることが分かる。つまり、電極の材質にかかわらず、荷電効率を向上させることができる。
【0051】
(電極材質)
次に、電極材質の相違による電極の耐久性について説明する。
再び、図6において、放電電極10の材質について注目する。
従来の荷電装置においては、一般に、放電電極10の材料としてはステンレスを使用している。一方、本実施の形態1では、上述したように、放電電極10の材質をリン青銅とし、更にニッケルメッキの表面処理を施している。
図6に示すように、リン青銅は、ステンレスより初期電圧の上昇が高いが、その後の上昇角度は緩やかで、一定時間後に優位性が現れてくる。つまり、本実施の形態1のように、放電電極10の材質をリン青銅とすることで、電極の劣化はステンレス製より緩やかに進行する。
【0052】
また、図6に示すように、ニッケルメッキ処理を施すと、初期電圧はステンレスやリン青銅よりやや高いが、上昇角度はステンレスやリン青銅のみよりも低いものとなる。つまり、基礎材料であるリン青銅をニッケルメッキ処理すると、劣化しにくく、更なる耐久効果がある。
このように、電極基材の材質変更、表面改質を行うことで、放電電極10の劣化を低減させ、耐久性を向上させる効果が得られる。
【0053】
(放電電極の形状)
次に、放電電極10の形状と電圧電流特性との関係について説明する。
【0054】
図8は放電電極がプラス電圧に荷電する場合の電圧電流特性を示す図である。
図9は放電電極がマイナス電圧に荷電する場合の電圧電流特性を示す図である。
図8及び図9は、扁平形状である放電電極10の長辺と短辺との長さを変えて、印加電圧に対する電流値を実測したものである。
【0055】
このような電圧電流特性に基づいて、放電電極10の長辺と短辺の長さは、次のように定めることができる。
【0056】
当該荷電装置における電流の使用領域は600μA以下である。
例えば、図8において、短辺0.75mm、長辺0.91の曲線に着目すると、印加電圧が約9.4kV程度で電流は600μAに達する。また、この曲線において、印加電圧は約6.3kV程度で電流が流れ始めるのが分かる。よって、この形状の放電電極10を使用する場合の印加電圧の範囲は、約6.3kV〜約9.4kVとなる。このことは図8及び図9の他の曲線についても同様のことが言える。
このように、放電電極10の形状により使用電圧範囲が定まることとなる。換言すれば、印加電圧の値、又はその範囲により、放電電極10の形状を定めることができる。
【0057】
以上のことから当該荷電装置の印加電圧の範囲を、プラス5.5〜9.5kV、又はマイナス6.5〜10.5kVとするとき、図8及び図9の曲線から、放電電極10の短辺及び長辺の長さを類推すると次のようになる。即ち、短辺の下限値が0.05mm、上限値が0.10mm、長辺の下限値が0.6mm、上限値が1.0mmである。
このように、放電電極10を長辺と短辺とを有する断面扁平状にし、上記のような長さの形状とすることにより、印加電圧の使用範囲を上記とする場合に、電流の使用領域を600μA以下とすることができる。これにより、電流の増加による異常放電を防止する効果を奏することができる。
【0058】
(電極間距離)
次に、放電電極10と対向電極20との距離(電極間距離)と、電圧電流特性との関係について説明する。
【0059】
図10は電極間距離による電圧電流特性を示す図である。
図10においては、電極間距離を変化させ、印加電圧に対する電流値を実測したものである。また、図10は、放電電極10にプラスの電圧を印加した場合の特性を示している。
【0060】
上述したように、当該荷電装置における電流の使用領域は600μA以下である。また、印加電圧の範囲は、プラス5.5〜9.5kVである。
図10に示すように、電圧の上昇に伴い放電電流は増加する。そして、電極間距離が長いほど、電流の上昇は緩やかになる。よって、電極間距離は、使用電圧の最大値(9.5kV)において、電流の使用領域(600μA)以下となる距離に設定する必要がある。
一方、電極間距離を長くしすぎると、放電電流が減少して荷電効率が低下することが知られている。
したがって、図10に示すように、電圧9.5kVにおいて、電流600μA以下となる、8〜12mmが最適である。
【0061】
(対向電極の形状)
次に、電極間距離と対向電極の形状との関係について説明する。
【0062】
図11は電極間距離と放電範囲との関係を示す図である。
また、図11(a)は放電範囲を示している。図11(b)は対向電極幅を示している。
図11(a)に示すように、放電電極10の放電範囲を実測した結果、その範囲は対向電極20に対する垂線との角度が45度となる範囲となる。
一方、上述したように放電電極10と対向電極20との距離は、8〜12mmに設定される。
このことから、対向電極20の幅は、少なくとも電極間距離の2倍以上必要となる。望ましくは、電極間距離の2倍の距離に1mmを加えた幅が最適である。よって、図11(b)に示すように、対向電極20の幅は、17〜25mmが望ましい。
【0063】
以上のように本実施の形態においては、放電電極10及び対向電極20を循環移動させて、第1の掃除手段31及び第2の掃除手段32により、該電極の付着物を除去する。
このため、放電電極10、及び対向電極20に付着した付着物を除去することができ、荷電効率を向上させることができる。
【0064】
また、対向電極20の上下に絶縁盾40を配設している。
このため、対向電極20の上下間と、放電電極10との間の距離を短くすることができ、荷電装置を小型化することができる。
【0065】
回転軸11及び21は、電極の脱落を防止するガイド溝13及び23が形成され、電極との接触面に、該電極との摩擦力を増加させる表面加工を施し、電極の循環方向外側に、弾性体により押圧されている。
このため、回転軸11及び21と電極との滑りを減少させ、回転軸11及び21の回転駆動力を電極に伝えることができる。また、無端状に形成された電極には循環方向外側に一定張力が加わり、撓みが少なくなるように張架することができる。これにより、電極を循環移動させても、電極の撓みを防止し、電極間距離を一定に保つことができ、安定的な放電をさせることが可能となる。
【0066】
また、制御手段500は、モニタ電圧が所定値以上のとき清掃モードを開始する。
このため、電極の荷電効率の低下状況に応じて、電極清掃を行うことができる。これにより、荷電効率を所定値以上に保つことができる。
【0067】
また、制御手段500は、当該荷電装置に流入する空気の湿度が所定値以上のとき清掃モードを開始する。
このため、空気中に含まれる水分に起因する付着物(シリカなど)が多くなる場合に、電極清掃を行うことができる。これにより、荷電効率を所定値以上に保つことができる。
【0068】
また、放電電極10は、長辺と短辺とを有する断面扁平状に形成され、長辺が対向電極20の幅方向と平行に設置される。
このため、放電電極10に付着した付着物を、第1の清掃手段31により除去し易くなる。
【0069】
また、放電電極10には、当該放電電極10と対向電極20との間の距離に応じた電圧が印加される。
このため、放電電流を所定の使用領域以下とすることができる。これにより、異常放電などを防止することができる。
【0070】
また、対向電極20の幅は、放電電極10と当該対向電極20との間の距離の少なくとも2倍以上、望ましくは8〜12mmとしている。
このため対向電極20の幅を、放電電極10からの放電範囲より広くすることができる。これにより、異常放電を防止し、荷電効率を高めることができる。
【0071】
また、放電電極10は、タングステン、銅、ニッケル、ステンレス、亜鉛、鉄、若しくはこれらの合金、又はこれらの金属の表面に、銀、金、若しくは白金をメッキ処理して形成され、対向電極20は、タングステン、銅、ニッケル、ステンレス、亜鉛、若しくは鉄、又はカーボン若しくは金属フィラーを練り込んだ導電性樹脂により形成される。
このため、従来のステンレス材料と比較し、電極の劣化を低減させることができ、電極の耐久性を向上させることができる。
【0072】
尚、本実施の形態1では、第1の掃除手段31及び第2の掃除手段32を所定位置に固定し、放電電極10及び対向電極20を循環移動させるようにしたが、これに限らず、第1の掃除手段31及び第2の掃除手段32を移動させて付着物を除去するようにしても良い。
【0073】
実施の形態2.
図12はこの発明の実施の形態2に係る荷電装置の概略構成図である。
図12に示すように、本実施の形態2では、放電電極10及び対向電極20を複数備える構成である。
【0074】
図12において、対向電極20−1、20−2、20−3、20−4は、それぞれ幅方向に平行に配置されている。
そして、対向電極20−1の周囲には放電電極10−1が設けられている。この放電電極10−1は、対向電極20−1と対向電極20−2との中間位置を循環移動可能に配設される。
【0075】
また、対向電極20−3の周囲には放電電極10−3が設けられている。この放電電極10−3は、一辺が、対向電極20−2と対向電極20−3との中間位置、これと対向する他辺が、対向電極20−3と対向電極20−4との中間位置を循環移動可能に配設される。
つまり、複数の対向電極20の間に配設される放電電極10は、それぞれ電極間距離を一定距離に保つように配設される。
尚、その他の構成、形状、及び動作は、上記実施の形態1と同様であり、同一部分については同一符号を付する。
【0076】
このような構成によっても、上記実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
【0077】
また、本実施の形態2の構成によれば、放電電極10は、複数設けた対向電極20の全てに設ける必要がない。このため、上記実施の形態1の構成の荷電装置を複数設けるのと比較して、部品点数を減少させることができ、コストを低減させることができる。
【0078】
尚、本実施の形態2では、対向電極20が4つの場合を説明したが、本発明はこれに限るものではなく、任意の個数を設けることができる。この場合、放電電極10は、複数の対向電極20の一つおきに設ける。
【0079】
実施の形態3.
図13はこの発明の実施の形態3に係る荷電装置の概略構成図である。
図13に示すように、本実施の形態3では、対向電極20を複数備え、放電電極10を1本とする構成である。
【0080】
図13において、対向電極20−1、20−2、20−3、20−4は、それぞれ幅方向に平行に配置されている。
そして、放電電極10は、複数の対向電極20間の中間位置をジグザグ状に蛇行するように配設される。
即ち、放電電極10は、無端状の1本で構成され、対向電極20−1及び20−2の中間位置、対向電極20−2及び20−3の中間位置、対向電極20−3及び20−4の中間位置に配設され、それぞれ一定距離を保つように循環移動する。
尚、その他の構成、形状、及び動作は、上記実施の形態1と同様であり、同一部分については同一符号を付する。
【0081】
このような構成によっても、上記実施の形態1及び2と同様の効果を奏することができる。
【0082】
また、本実施の形態3の構成によれば、放電電極10を1本とすることができ、上記実施の形態1及び2と比較して、更に部品点数を減少させることができ、コストを低減させることができる。
【0083】
尚、本実施の形態3では、対向電極20が4つの場合を説明したが、本発明はこれに限るものではなく、任意の個数を設けることができる。
【0084】
尚、本実施の形態3では、放電電極10を1本として構造の簡素化を図ったが、放電電極10の長さは、上記実施の形態1又は2と比較して長くなる。このため、放電電極10の強度を重視する場合は上記実施の形態1又は2の構成を用い、構造の簡素化を重視する場合は本実施の形態3の構成を用いるようにするのが良い。
【0085】
実施の形態4.
本実施の形態4では、上記実施の形態1〜3の荷電装置を備えた集塵装置について説明する。
【0086】
本実施の形態における集塵装置は、上記実施の形態1〜3の荷電装置と、図示しない集塵部とにより構成される。
荷電装置は、上述したように、空気中の浮遊粒子である塵埃をコロナ放電によって帯電させる。
集塵部は、帯電された塵埃をクーロン力で集塵板に付着させる。この集塵部は、荷電装置の下流側に配置される。また、集塵部は、集塵電極と高圧電極により構成され、この集塵電極と高圧電極との間には電圧が印加される。
【0087】
このような構成により、当該集塵装置には空気が流入し、荷電装置により当該空気中の塵埃を帯電させる。
そして、荷電装置で帯電された塵埃は、集塵部において、高圧電極のクーロン力により集塵電極に付着する。これにより、当該集塵装置を通過した空気を清浄することができる。
【0088】
以上のように本実施の形態においては、集塵装置に、上述した荷電装置を備えているので、上記実施の形態1〜3と同様の効果を奏することができる。
【0089】
また、荷電装置の放電電極10及び対向電極20を循環移動させて、第1の掃除手段31及び第2の掃除手段32により、該電極の付着物を除去する。
このため、集塵装置から荷電装置を取り外すことなく、当該電極の付着物を除去することができる。これにより、使用者は、集塵装置を分解するなどの必要がなく、メンテナンスが容易となる。
【0090】
実施の形態5.
本実施の形態5では、上記実施の形態1〜3の荷電装置を備えた脱臭装置について説明する。
本実施の形態における脱臭装置は、上記実施の形態1〜3の荷電装置と、図示しない触媒部とにより構成される。
【0091】
触媒部は、荷電装置の放電電極10と対向電極20との間に配置される。
触媒部は、ペーパーセラミックやコージェライト等の基材に、通風路内の風の流れと平行な例えばハニカム状、コルゲート状、四角状の開口部を有するとともに、ゼオライト、活性炭、シリカゲル等のメソ孔あるいはミクロ孔を有する多孔質吸着剤と、酸化マンガン、酸化チタン等の遷移金属を中心とした細孔構造を有する多孔質金属酸化物と、白金、パラジウム等の貴金属とがそれぞれ1種類以上混合されて基材に担持される。
【0092】
次に、動作について説明する。
まず、放電電極10と対向電極20の間に供給される電圧により、放電電極10から触媒部にコロナ放電が発生する。
このとき、当該脱臭装置に流入した空気中の臭気ガス成分や揮発性有機化合物、例えばアセトアルデヒド、ホルムアルデヒド等は、触媒部上の疎水性ゼオライト、酸化マンガン等の吸着部で一旦捕捉され、上記コロナ放電により生成された酸素ラジカルや水酸基ラジカルなどの活性種により分解処理され、無害化され、吸着部から解離する。
また、放電電極10への高電圧印加により活性化された放電電極10上の貴金属成分による臭気成分の吸着除去・酸化分解が行われ、かつ、貴金属からの酸素原子の解離によりオゾン生成が促進される。
【0093】
また、貴金属から解離した酸素原子は、コロナ放電によって分解された臭気ガス成分や揮発性有機化合物の分解生成物を酸化することで、臭気ガス成分や揮発性有機化合物の分解生成物の再結合を防止することもできるため、臭気ガス成分や揮発性有機化合物の分解が更に促進されることになる。
【0094】
以上のように本実施の形態においては、脱臭装置に、上述した荷電装置を備えているので、上記実施の形態1〜3と同様の効果を奏することができる。
【0095】
また、荷電装置の放電電極10及び対向電極20を循環移動させて、第1の掃除手段31及び第2の掃除手段32により、該電極の付着物を除去する。
このため、脱臭装置から荷電装置を取り外すことなく、当該電極の付着物を除去することができる。これにより、使用者は、脱臭装置を分解するなどの必要がなく、メンテナンスが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】この発明の実施の形態1に係る荷電装置の概略構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る荷電装置の要部正面図及び側面図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る回転軸の構成図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る制御ブロック図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係る電極清掃動作を示すフローチャートである。
【図6】荷電電流一定時の放電経過時間によるモニタ電圧の上昇を表す図である。
【図7】電極清掃による荷電効率の復帰を示す図である。
【図8】放電電極がプラス電圧に荷電する場合の電圧電流特性を示す図である。
【図9】放電電極がマイナス電圧に荷電する場合の電圧電流特性を示す図である。
【図10】電極間距離による電圧電流特性を示す図である。
【図11】電極間距離と放電範囲との関係を示す図である。
【図12】この発明の実施の形態2に係る荷電装置の概略構成図である。
【図13】この発明の実施の形態3に係る荷電装置の概略構成図である。
【符号の説明】
【0097】
10 放電電極、11 回転軸、12 ギア、13 ガイド溝、20 対向電極、21 回転軸、22 ギア、23 ガイド溝、31 第1の掃除手段、32 第2の掃除手段、40 絶縁盾、100 対向電極駆動チェーン、110 スプロケット、120 放電電極駆動チェーン、130 スプロケット、300 トレー、500 制御手段、501 タイマ、510 電圧計、511 湿度計、521 放電電極駆動モータ、522 対向電極駆動モータ、530 表示部。
【技術分野】
【0001】
この発明は、荷電装置、それを備えた集塵装置及び脱臭装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術においては、例えば「少なくとも1組の放電電極と対向電極との間でコロナ放電を生じさせ、このコロナ放電で空気中の粉塵粒子を帯電させて集塵する電気集塵機であって、前記放電電極における少なくともコロナ放電を生じさせる部分の表面を、炭素の含有量が0.2重量%以下の鉄系合金を基材とし、該基材上にAlとCrの酸化層を含む処理皮膜を形成してなることを特徴とする電気集塵機。」が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平7−178350号公報(請求項1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
荷電装置は、放電電極と対向電極との間で例えばコロナ放電を生じさせ、空気中の微粒子を帯電させる。このような荷電装置は、帯電された微粒子を集塵する集塵装置や、放電によって発生するオゾン等の活性酸素を用いた脱臭装置などに使用されている。
【0005】
このような荷電装置は、放電によって放電電極や対向電極の放電箇所が劣化する、という問題点があった。
【0006】
また、放電電極や対向電極にシリカなどの付着物が付着すると、電極間の放電が減少し、荷電効率が悪化する、という問題点があった。また、これにより、集塵性能、活性酸素の生成性能が低下する、という問題点があった。
このような劣化や性能の低下は、荷電装置を長時間稼働することにより、より顕著に現れる。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、少なくとも放電電極に付着した付着物を除去することができ、荷電効率を向上させることができる荷電装置、それを備えた集塵装置及び脱臭装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る荷電装置は、対向電極と、無端状に形成され、前記対向電極の周囲を、所定の間隔を保ちつつ循環移動可能に設けられた放電電極と、前記放電電極と当接して該放電電極の付着物を除去する第1の掃除手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明は、放電電極と当接して該放電電極の付着物を除去する第1の掃除手段を設けているので、放電電極に付着した付着物を除去することができ、荷電効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る荷電装置の概略構成図である。
図2はこの発明の実施の形態1に係る荷電装置の要部正面図及び側面図である。
図3はこの発明の実施の形態1に係る回転軸の構成図である。
【0011】
図において、本実施の形態における荷電装置は、放電電極10と、対向電極20とを有している。この荷電装置は、放電電極10と対向電極20との間で例えばコロナ放電を生じさせ、空気中の微粒子を帯電させるものである。
【0012】
また、荷電装置は、回転軸11と、回転軸21と、絶縁盾40と、第1の掃除手段31と、第2の掃除手段32と、対向電極駆動チェーン100と、スプロケット110と、放電電極駆動チェーン120と、スプロケット130と、トレー300とを有している。
【0013】
放電電極10は、無端状に形成され、対向電極20の周囲を、所定の間隔を保ちつつ循環移動可能に設けられている。
この放電電極10は、リン青銅、タングステン、銅、ニッケル、ステンレス、亜鉛、鉄、若しくはこれらの合金、又はこれらの金属の表面に、銀、金、白金若しくはニッケルをメッキ処理して形成される。本実施の形態1においては、例えば、放電電極10の材質をリン青銅とし、更にニッケルメッキの表面処理を行う。
【0014】
放電電極10には、当該放電電極10と対向電極20との間の距離に応じた電圧が印加される。例えば、放電電極10と対向電極20との間の距離を8〜12mmとしたとき、放電電極10には、プラス5.5〜9.5kV、又はマイナス6.5〜10.5kVの電圧が印加される。尚、この設置距離と放電電圧との関係については後述する。
【0015】
更に、放電電極10は、長辺と短辺とを有する断面扁平状に形成され、長辺が対向電極20の幅方向と平行に設置される。例えば、短辺0.05〜0.1mm、長辺0.6〜1.0mmである。尚、放電電極10の形状と電圧電流特性との関係については後述する。
【0016】
対向電極20は、無端状に形成され、放電電極10と所定の間隔を保ちつつ循環移動可能に設けられている。
この対向電極20は、リン青銅、タングステン、銅、ニッケル、ステンレス、亜鉛、若しくは鉄、又はカーボン若しくは金属フィラーを練り込んだ導電性樹脂により形成される。
【0017】
また、対向電極20の幅は、放電電極10と当該対向電極20との間の距離の少なくとも2倍以上である。例えば、対向電極20は、幅17〜25mm、厚み0.1〜0.5mmである。尚、対向電極20の形状と電極間距離との関係については後述する。
【0018】
回転軸11は、放電電極10を支持し、回転駆動されることにより、放電電極10を循環移動させる。
具体的には、図1、図2に示すように、回転軸11は、対向電極20の周囲を所定間隔で囲む長方形の四辺に配設される。
また、図3に示すように、回転軸11は、放電電極10の脱落を防止するガイド溝13が形成されている。このガイド溝13に、扁平形状である放電電極10が配設される。
また、放電電極10との接触面に、当該放電電極10との摩擦力を増加させる表面加工を施している。例えば、高摩擦加工や、導電性のゴムなどを用いる。
また、この回転軸11は、放電電極10の循環方向外側に、図示しない弾性体(バネ等)により押圧されている。これにより、放電電極10は、一定張力が加わり、撓みが少なくなるように張架される。
また、回転軸11には、放電電極駆動チェーン120と、歯合するギア12が一体に形成されている。
【0019】
スプロケット130は、後述する放電電極駆動モータ521により回転駆動される。
このスプロケット130には、放電電極駆動チェーン120が巻掛けられている。そして、スプロケット130が回転駆動されることにより、これと歯合する放電電極駆動チェーン120が循環移動する。
これにより、放電電極駆動チェーン120と歯合する回転軸11が回転駆動される。
【0020】
回転軸21は、対向電極20を支持し、回転駆動されることにより、対向電極20を循環移動させる。
具体的には、図1、図2に示すように、回転軸21は、上下に所定間隔を隔てて配設される。そして、この回転軸21に、無端状の対向電極20が巻掛けられる。
また、図3に示すように、回転軸21は、対向電極20の脱落を防止するガイド溝23が形成されている。このガイド溝23に、対向電極20が配設される。
また、対向電極20との接触面に、当該対向電極20との摩擦力を増加させる表面加工を施している。例えば、高摩擦加工や、導電性のゴムなどを用いる。
また、この回転軸21は、対向電極20の循環方向外側に、図示しない弾性体(バネ等)により押圧されている。これにより、対向電極20は、一定張力が加わり、撓みが少なくなるように張架される。
また、回転軸21には、対向電極駆動チェーン100と、歯合するギア22が一体に形成されている。
【0021】
スプロケット110は、後述する対向電極駆動モータ522により回転駆動される。
このスプロケット110には、対向電極駆動チェーン100が巻掛けられている。そして、スプロケット110が回転駆動されることにより、これと歯合する対向電極駆動チェーン100が循環移動する。
これにより、対向電極駆動チェーン100と歯合する回転軸21が回転駆動される。
【0022】
尚、本実施の形態1では、放電電極駆動チェーン120を循環移動させて回転軸11を回転駆動するようにしたが、本発明はこれに限るものではなく、回転軸11を放電電極駆動モータ521により直接、又は減速ギア等を介して、回転駆動するようにしても良い。回転軸21についても同様である。
【0023】
回転軸11及び回転軸21は、導電性材料により構成されている。そして、この回転軸11と回転軸21とに、後述する高電圧が印加されることにより、放電電極10及び対向電極20に当該高電圧が印加される。
【0024】
絶縁盾40は、放電電極10と対向電極20との間の一部に配置され、絶縁材により形成される。例えば図1、図2に示すように、対向電極20の上部及び下部に配置される。
そして、この絶縁盾40の配置位置における放電電極10と対向電極20との間隔を、当該絶縁盾40が設置されていない部分の間隔より短くしている。つまり、対向電極20の上部及び下部と放電電極10との間隔は、対向電極20の側面と放電電極10との間隔より短くなるようにしている。
この絶縁盾40を設けることにより、放電電極10と対向電極20との距離を他の部分より短くしても、放電が集中することを防止することができる。これにより、荷電装置の小型化を図ることが可能となる。
【0025】
尚、絶縁盾40を設けない構成としても良い。この場合、対向電極20の上部及び下部と放電電極10との間隔は、他の部分と同じ間隔とする。
【0026】
第1の掃除手段31は、放電電極10と当接して放電電極10の付着物を除去する。
具体的には、第1の掃除手段31は、所定の位置に固定され、放電電極10と当接するブラシを有し、このブラシと放電電極10とが当接し、放電電極10が循環移動することにより、放電電極10の付着物を除去する。例えば図1に示すように、第1の掃除手段31は、放電電極10の下部の外周側に設置される。
また、第1の掃除手段31は、絶縁材料により形成される。異常放電の発生を防止するためである。例えば、ポリエチレンのブラシを用いる。
【0027】
第2の掃除手段32は、対向電極20と当接して対向電極20の付着物を除去する。
具体的には、第2の掃除手段32は、所定の位置に固定され、対向電極20と当接するブラシを有し、ブラシと対向電極20とが当接し、対向電極20が循環移動することにより、対向電極20の付着物を除去する。例えば図1に示すように、第2の掃除手段32は、対向電極20の下部の外周側に設置される。
また、第2の掃除手段32は、絶縁材料により形成される。異常放電の発生を防止するためである。例えば、ポリエチレンのブラシを用いる。
尚、第2の掃除手段32は、図2に示すように、放電電極10の直下位置には設けない構成としても良い。放電電極10の直下への放電は少なく、付着物の量も少ないためである。
【0028】
尚、第1の掃除手段31及び第2の掃除手段32の設置場所は、これに限るものでなく、任意の位置に設けることができる。また、第1の掃除手段31、第2の掃除手段32を複数設けるようにしても良い。例えば、第1の掃除手段31を放電電極10の上部に設けても良いし、放電電極10の内周側に設けても良い。
また、第1の掃除手段31及び第2の掃除手段32は、放電電極10に付着した付着物を除去できるものであれば良く、ブラシ式に限らず、任意の形状のものを用いるようにしても良い。
【0029】
トレー300は、放電電極10及び対向電極20の下部に配置され、第1の掃除手段31及び第2の掃除手段32により除去された付着物を一時的に蓄積する。
【0030】
図4はこの発明の実施の形態1に係る制御ブロック図である。
図4に示すように、荷電装置は、制御手段500と、電圧計510と、湿度計511と、対向電極駆動モータ522と、放電電極駆動モータ521と、表示部530とを有している。また、制御手段500は、所定時間の経過を計測するタイマ501を有している。
【0031】
尚、電圧計510は、この発明における電圧計測手段に相当する。また、湿度計511は、この発明における湿度計測手段に相当する。
【0032】
電圧計510は、放電電圧を計測し、当該放電電圧に比例したモニタ電圧を制御手段500へ入力する。
湿度計511は、当該荷電装置に流入する空気の湿度を計測し、当該湿度に関する信号を制御手段500へ入力する。
【0033】
制御手段500は、例えばマイコンのような演算装置により構成され、記憶されたプログラムに基づき、荷電装置全体の運転を制御する。
また、制御手段500は、タイマ501により、所定時間の経過を計測する。
また、制御手段500は、後述する動作により、放電電極駆動モータ521、及び対向電極駆動モータ522を制御する。
【0034】
表示部530は、例えばセグメントLEDや液晶表示素子等からなり、制御手段500の出力に基づいて劣化状態などに関する所定の情報を使用者に報知する。
【0035】
(電極清掃動作)
図5はこの発明の実施の形態1に係る電極清掃動作を示すフローチャートである。
以下、本実施の形態1における電極清掃の動作について、図5に基づき説明する。
【0036】
(S1)
制御手段500は、荷電装置の運転を開始した後、電圧計510から入力されたモニタ電圧が所定の電圧値以上であるか否かを判断する。例えば、モニタ電圧が5V以上であるか否かを判断する。
【0037】
ここで、放電電極10及び対向電極20(以下、区別しないときは単に「電極」という。)の劣化と放電電圧との関係について説明する。
放電電極10と対向電極20との間で放電が生じると、電極の表面にはシリカ(Siox)や空気中の粉塵などが付着する。このような付着物は電極劣化の要因となる。
このような付着物が付着すると電極間の放電が減少する。一方、荷電状態においては、電極間の電流値は一定に保たれるため、放電が減少すると放電電圧が上昇する。
【0038】
図6は荷電電流一定時の放電経過時間によるモニタ電圧の上昇を表す図である。
図6に示すように、荷電経過時間とともにモニタ電圧が上昇することが分かる。尚、図6における電極材質の相違については後述する。
以上のことから、放電電圧をモニタすることにより、劣化状態を判定することが可能である。
【0039】
(S2)
上記ステップS1において、制御手段500は、モニタ電圧が所定の値(5V)以上であると判断した場合、清掃モードを開始する。
この清掃モードは、放電電極10及び対向電極20を循環移動させ、第1の掃除手段31と第2の掃除手段32とにより、付着物を除去させる。
具体的には、制御手段500は、放電電極駆動モータ521を回転駆動させる。放電電極駆動モータ521が回転するとスプロケット130が回転駆動される。スプロケット130が回転すると、放電電極駆動チェーン120と歯合する回転軸11が回転駆動される。回転軸21が回転すると放電電極10は循環移動する。
そして、放電電極10と当接している第1の掃除手段31のブラシによって、放電電極10に付着した付着物が掃き落とされる。
【0040】
同様に、制御手段500は、対向電極駆動モータ522を回転駆動させると、スプロケット110、対向電極駆動チェーン100を介して回転軸21が回転し、対向電極20が循環移動することにより、第2の掃除手段31のブラシによって、対向電極20に付着した付着物が掃き落とされる。
【0041】
制御手段500は、上記清掃モードを行った後、再びステップS1へ戻り、電圧のモニタを繰り返す。
【0042】
(S3)
上記ステップS1において、モニタ電圧が所定の値(5V)未満であると判断した場合、制御手段500は、タイマ501を参照して、所定の累計荷電時間が経過しているか否かを判断する。例えば、累計荷電時間が3000時間以上であるか否かを判断する。
【0043】
(S4)
上記ステップS3において、累計荷電時間が3000時間以上であると判断した場合、制御手段500は、電極が経年劣化状態である旨の情報を、表示部530に表示させる。
【0044】
(S5)
上記表示の後、所定時間の経過を待って、当該荷電装置の運転を終了させる。
【0045】
(S6)
上記ステップS3において、累計荷電時間が3000時間未満であると判断した場合、制御手段500は、湿度計511により計測された湿度が所定の値以上であるか否かを判断する。例えば湿度80%以上であるか否かを判断する。
【0046】
湿度80%以上であると判断した場合、制御手段500は、上記ステップS2により、清掃モードを開始する。
このように、高湿度の空気が荷電装置に流入する場合には、掃除モードを開始することになる。これは、湿度が上昇すると、空気中に含まれる水分に起因する付着物(シリカなど)が多くなるためである。
【0047】
(S7)
上記ステップS6において、湿度80%未満であると判断した場合、制御手段500は、通常の運転を開始し、上記ステップS1へ戻り、上記手順を繰り返す。
【0048】
尚、本実施の形態1においては、モニタ電圧及び湿度に応じて、電極清掃動作を行ったが、本発明はこれに限るものではなく、モニタ電圧及び湿度の何れか一方の値に応じて、電極清掃を行うようにしても良い。また、モニタ電圧及び湿度にかかわらず、所定時間経過ごとに電極清掃を行っても良いし、常時行っても良い。
【0049】
このような電極清掃による効果について図7により説明する。
【0050】
図7は電極清掃による荷電効率の復帰を示す図である。
図7に示すように、電極清掃を行うことにより、モニタ電圧が低下することが分かる。つまり、電極の付着物が除去されたことにより、電極間の放電が増加し、荷電効率が復帰していることが分かる。
また、電極基材がステンレス、又はリン青銅にニッケルメッキを施したものの何れであるかにかかわらず、電極清掃よりモニタ電圧は、ほぼ初期状態にまで回復(低下)していることが分かる。つまり、電極の材質にかかわらず、荷電効率を向上させることができる。
【0051】
(電極材質)
次に、電極材質の相違による電極の耐久性について説明する。
再び、図6において、放電電極10の材質について注目する。
従来の荷電装置においては、一般に、放電電極10の材料としてはステンレスを使用している。一方、本実施の形態1では、上述したように、放電電極10の材質をリン青銅とし、更にニッケルメッキの表面処理を施している。
図6に示すように、リン青銅は、ステンレスより初期電圧の上昇が高いが、その後の上昇角度は緩やかで、一定時間後に優位性が現れてくる。つまり、本実施の形態1のように、放電電極10の材質をリン青銅とすることで、電極の劣化はステンレス製より緩やかに進行する。
【0052】
また、図6に示すように、ニッケルメッキ処理を施すと、初期電圧はステンレスやリン青銅よりやや高いが、上昇角度はステンレスやリン青銅のみよりも低いものとなる。つまり、基礎材料であるリン青銅をニッケルメッキ処理すると、劣化しにくく、更なる耐久効果がある。
このように、電極基材の材質変更、表面改質を行うことで、放電電極10の劣化を低減させ、耐久性を向上させる効果が得られる。
【0053】
(放電電極の形状)
次に、放電電極10の形状と電圧電流特性との関係について説明する。
【0054】
図8は放電電極がプラス電圧に荷電する場合の電圧電流特性を示す図である。
図9は放電電極がマイナス電圧に荷電する場合の電圧電流特性を示す図である。
図8及び図9は、扁平形状である放電電極10の長辺と短辺との長さを変えて、印加電圧に対する電流値を実測したものである。
【0055】
このような電圧電流特性に基づいて、放電電極10の長辺と短辺の長さは、次のように定めることができる。
【0056】
当該荷電装置における電流の使用領域は600μA以下である。
例えば、図8において、短辺0.75mm、長辺0.91の曲線に着目すると、印加電圧が約9.4kV程度で電流は600μAに達する。また、この曲線において、印加電圧は約6.3kV程度で電流が流れ始めるのが分かる。よって、この形状の放電電極10を使用する場合の印加電圧の範囲は、約6.3kV〜約9.4kVとなる。このことは図8及び図9の他の曲線についても同様のことが言える。
このように、放電電極10の形状により使用電圧範囲が定まることとなる。換言すれば、印加電圧の値、又はその範囲により、放電電極10の形状を定めることができる。
【0057】
以上のことから当該荷電装置の印加電圧の範囲を、プラス5.5〜9.5kV、又はマイナス6.5〜10.5kVとするとき、図8及び図9の曲線から、放電電極10の短辺及び長辺の長さを類推すると次のようになる。即ち、短辺の下限値が0.05mm、上限値が0.10mm、長辺の下限値が0.6mm、上限値が1.0mmである。
このように、放電電極10を長辺と短辺とを有する断面扁平状にし、上記のような長さの形状とすることにより、印加電圧の使用範囲を上記とする場合に、電流の使用領域を600μA以下とすることができる。これにより、電流の増加による異常放電を防止する効果を奏することができる。
【0058】
(電極間距離)
次に、放電電極10と対向電極20との距離(電極間距離)と、電圧電流特性との関係について説明する。
【0059】
図10は電極間距離による電圧電流特性を示す図である。
図10においては、電極間距離を変化させ、印加電圧に対する電流値を実測したものである。また、図10は、放電電極10にプラスの電圧を印加した場合の特性を示している。
【0060】
上述したように、当該荷電装置における電流の使用領域は600μA以下である。また、印加電圧の範囲は、プラス5.5〜9.5kVである。
図10に示すように、電圧の上昇に伴い放電電流は増加する。そして、電極間距離が長いほど、電流の上昇は緩やかになる。よって、電極間距離は、使用電圧の最大値(9.5kV)において、電流の使用領域(600μA)以下となる距離に設定する必要がある。
一方、電極間距離を長くしすぎると、放電電流が減少して荷電効率が低下することが知られている。
したがって、図10に示すように、電圧9.5kVにおいて、電流600μA以下となる、8〜12mmが最適である。
【0061】
(対向電極の形状)
次に、電極間距離と対向電極の形状との関係について説明する。
【0062】
図11は電極間距離と放電範囲との関係を示す図である。
また、図11(a)は放電範囲を示している。図11(b)は対向電極幅を示している。
図11(a)に示すように、放電電極10の放電範囲を実測した結果、その範囲は対向電極20に対する垂線との角度が45度となる範囲となる。
一方、上述したように放電電極10と対向電極20との距離は、8〜12mmに設定される。
このことから、対向電極20の幅は、少なくとも電極間距離の2倍以上必要となる。望ましくは、電極間距離の2倍の距離に1mmを加えた幅が最適である。よって、図11(b)に示すように、対向電極20の幅は、17〜25mmが望ましい。
【0063】
以上のように本実施の形態においては、放電電極10及び対向電極20を循環移動させて、第1の掃除手段31及び第2の掃除手段32により、該電極の付着物を除去する。
このため、放電電極10、及び対向電極20に付着した付着物を除去することができ、荷電効率を向上させることができる。
【0064】
また、対向電極20の上下に絶縁盾40を配設している。
このため、対向電極20の上下間と、放電電極10との間の距離を短くすることができ、荷電装置を小型化することができる。
【0065】
回転軸11及び21は、電極の脱落を防止するガイド溝13及び23が形成され、電極との接触面に、該電極との摩擦力を増加させる表面加工を施し、電極の循環方向外側に、弾性体により押圧されている。
このため、回転軸11及び21と電極との滑りを減少させ、回転軸11及び21の回転駆動力を電極に伝えることができる。また、無端状に形成された電極には循環方向外側に一定張力が加わり、撓みが少なくなるように張架することができる。これにより、電極を循環移動させても、電極の撓みを防止し、電極間距離を一定に保つことができ、安定的な放電をさせることが可能となる。
【0066】
また、制御手段500は、モニタ電圧が所定値以上のとき清掃モードを開始する。
このため、電極の荷電効率の低下状況に応じて、電極清掃を行うことができる。これにより、荷電効率を所定値以上に保つことができる。
【0067】
また、制御手段500は、当該荷電装置に流入する空気の湿度が所定値以上のとき清掃モードを開始する。
このため、空気中に含まれる水分に起因する付着物(シリカなど)が多くなる場合に、電極清掃を行うことができる。これにより、荷電効率を所定値以上に保つことができる。
【0068】
また、放電電極10は、長辺と短辺とを有する断面扁平状に形成され、長辺が対向電極20の幅方向と平行に設置される。
このため、放電電極10に付着した付着物を、第1の清掃手段31により除去し易くなる。
【0069】
また、放電電極10には、当該放電電極10と対向電極20との間の距離に応じた電圧が印加される。
このため、放電電流を所定の使用領域以下とすることができる。これにより、異常放電などを防止することができる。
【0070】
また、対向電極20の幅は、放電電極10と当該対向電極20との間の距離の少なくとも2倍以上、望ましくは8〜12mmとしている。
このため対向電極20の幅を、放電電極10からの放電範囲より広くすることができる。これにより、異常放電を防止し、荷電効率を高めることができる。
【0071】
また、放電電極10は、タングステン、銅、ニッケル、ステンレス、亜鉛、鉄、若しくはこれらの合金、又はこれらの金属の表面に、銀、金、若しくは白金をメッキ処理して形成され、対向電極20は、タングステン、銅、ニッケル、ステンレス、亜鉛、若しくは鉄、又はカーボン若しくは金属フィラーを練り込んだ導電性樹脂により形成される。
このため、従来のステンレス材料と比較し、電極の劣化を低減させることができ、電極の耐久性を向上させることができる。
【0072】
尚、本実施の形態1では、第1の掃除手段31及び第2の掃除手段32を所定位置に固定し、放電電極10及び対向電極20を循環移動させるようにしたが、これに限らず、第1の掃除手段31及び第2の掃除手段32を移動させて付着物を除去するようにしても良い。
【0073】
実施の形態2.
図12はこの発明の実施の形態2に係る荷電装置の概略構成図である。
図12に示すように、本実施の形態2では、放電電極10及び対向電極20を複数備える構成である。
【0074】
図12において、対向電極20−1、20−2、20−3、20−4は、それぞれ幅方向に平行に配置されている。
そして、対向電極20−1の周囲には放電電極10−1が設けられている。この放電電極10−1は、対向電極20−1と対向電極20−2との中間位置を循環移動可能に配設される。
【0075】
また、対向電極20−3の周囲には放電電極10−3が設けられている。この放電電極10−3は、一辺が、対向電極20−2と対向電極20−3との中間位置、これと対向する他辺が、対向電極20−3と対向電極20−4との中間位置を循環移動可能に配設される。
つまり、複数の対向電極20の間に配設される放電電極10は、それぞれ電極間距離を一定距離に保つように配設される。
尚、その他の構成、形状、及び動作は、上記実施の形態1と同様であり、同一部分については同一符号を付する。
【0076】
このような構成によっても、上記実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
【0077】
また、本実施の形態2の構成によれば、放電電極10は、複数設けた対向電極20の全てに設ける必要がない。このため、上記実施の形態1の構成の荷電装置を複数設けるのと比較して、部品点数を減少させることができ、コストを低減させることができる。
【0078】
尚、本実施の形態2では、対向電極20が4つの場合を説明したが、本発明はこれに限るものではなく、任意の個数を設けることができる。この場合、放電電極10は、複数の対向電極20の一つおきに設ける。
【0079】
実施の形態3.
図13はこの発明の実施の形態3に係る荷電装置の概略構成図である。
図13に示すように、本実施の形態3では、対向電極20を複数備え、放電電極10を1本とする構成である。
【0080】
図13において、対向電極20−1、20−2、20−3、20−4は、それぞれ幅方向に平行に配置されている。
そして、放電電極10は、複数の対向電極20間の中間位置をジグザグ状に蛇行するように配設される。
即ち、放電電極10は、無端状の1本で構成され、対向電極20−1及び20−2の中間位置、対向電極20−2及び20−3の中間位置、対向電極20−3及び20−4の中間位置に配設され、それぞれ一定距離を保つように循環移動する。
尚、その他の構成、形状、及び動作は、上記実施の形態1と同様であり、同一部分については同一符号を付する。
【0081】
このような構成によっても、上記実施の形態1及び2と同様の効果を奏することができる。
【0082】
また、本実施の形態3の構成によれば、放電電極10を1本とすることができ、上記実施の形態1及び2と比較して、更に部品点数を減少させることができ、コストを低減させることができる。
【0083】
尚、本実施の形態3では、対向電極20が4つの場合を説明したが、本発明はこれに限るものではなく、任意の個数を設けることができる。
【0084】
尚、本実施の形態3では、放電電極10を1本として構造の簡素化を図ったが、放電電極10の長さは、上記実施の形態1又は2と比較して長くなる。このため、放電電極10の強度を重視する場合は上記実施の形態1又は2の構成を用い、構造の簡素化を重視する場合は本実施の形態3の構成を用いるようにするのが良い。
【0085】
実施の形態4.
本実施の形態4では、上記実施の形態1〜3の荷電装置を備えた集塵装置について説明する。
【0086】
本実施の形態における集塵装置は、上記実施の形態1〜3の荷電装置と、図示しない集塵部とにより構成される。
荷電装置は、上述したように、空気中の浮遊粒子である塵埃をコロナ放電によって帯電させる。
集塵部は、帯電された塵埃をクーロン力で集塵板に付着させる。この集塵部は、荷電装置の下流側に配置される。また、集塵部は、集塵電極と高圧電極により構成され、この集塵電極と高圧電極との間には電圧が印加される。
【0087】
このような構成により、当該集塵装置には空気が流入し、荷電装置により当該空気中の塵埃を帯電させる。
そして、荷電装置で帯電された塵埃は、集塵部において、高圧電極のクーロン力により集塵電極に付着する。これにより、当該集塵装置を通過した空気を清浄することができる。
【0088】
以上のように本実施の形態においては、集塵装置に、上述した荷電装置を備えているので、上記実施の形態1〜3と同様の効果を奏することができる。
【0089】
また、荷電装置の放電電極10及び対向電極20を循環移動させて、第1の掃除手段31及び第2の掃除手段32により、該電極の付着物を除去する。
このため、集塵装置から荷電装置を取り外すことなく、当該電極の付着物を除去することができる。これにより、使用者は、集塵装置を分解するなどの必要がなく、メンテナンスが容易となる。
【0090】
実施の形態5.
本実施の形態5では、上記実施の形態1〜3の荷電装置を備えた脱臭装置について説明する。
本実施の形態における脱臭装置は、上記実施の形態1〜3の荷電装置と、図示しない触媒部とにより構成される。
【0091】
触媒部は、荷電装置の放電電極10と対向電極20との間に配置される。
触媒部は、ペーパーセラミックやコージェライト等の基材に、通風路内の風の流れと平行な例えばハニカム状、コルゲート状、四角状の開口部を有するとともに、ゼオライト、活性炭、シリカゲル等のメソ孔あるいはミクロ孔を有する多孔質吸着剤と、酸化マンガン、酸化チタン等の遷移金属を中心とした細孔構造を有する多孔質金属酸化物と、白金、パラジウム等の貴金属とがそれぞれ1種類以上混合されて基材に担持される。
【0092】
次に、動作について説明する。
まず、放電電極10と対向電極20の間に供給される電圧により、放電電極10から触媒部にコロナ放電が発生する。
このとき、当該脱臭装置に流入した空気中の臭気ガス成分や揮発性有機化合物、例えばアセトアルデヒド、ホルムアルデヒド等は、触媒部上の疎水性ゼオライト、酸化マンガン等の吸着部で一旦捕捉され、上記コロナ放電により生成された酸素ラジカルや水酸基ラジカルなどの活性種により分解処理され、無害化され、吸着部から解離する。
また、放電電極10への高電圧印加により活性化された放電電極10上の貴金属成分による臭気成分の吸着除去・酸化分解が行われ、かつ、貴金属からの酸素原子の解離によりオゾン生成が促進される。
【0093】
また、貴金属から解離した酸素原子は、コロナ放電によって分解された臭気ガス成分や揮発性有機化合物の分解生成物を酸化することで、臭気ガス成分や揮発性有機化合物の分解生成物の再結合を防止することもできるため、臭気ガス成分や揮発性有機化合物の分解が更に促進されることになる。
【0094】
以上のように本実施の形態においては、脱臭装置に、上述した荷電装置を備えているので、上記実施の形態1〜3と同様の効果を奏することができる。
【0095】
また、荷電装置の放電電極10及び対向電極20を循環移動させて、第1の掃除手段31及び第2の掃除手段32により、該電極の付着物を除去する。
このため、脱臭装置から荷電装置を取り外すことなく、当該電極の付着物を除去することができる。これにより、使用者は、脱臭装置を分解するなどの必要がなく、メンテナンスが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】この発明の実施の形態1に係る荷電装置の概略構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る荷電装置の要部正面図及び側面図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る回転軸の構成図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る制御ブロック図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係る電極清掃動作を示すフローチャートである。
【図6】荷電電流一定時の放電経過時間によるモニタ電圧の上昇を表す図である。
【図7】電極清掃による荷電効率の復帰を示す図である。
【図8】放電電極がプラス電圧に荷電する場合の電圧電流特性を示す図である。
【図9】放電電極がマイナス電圧に荷電する場合の電圧電流特性を示す図である。
【図10】電極間距離による電圧電流特性を示す図である。
【図11】電極間距離と放電範囲との関係を示す図である。
【図12】この発明の実施の形態2に係る荷電装置の概略構成図である。
【図13】この発明の実施の形態3に係る荷電装置の概略構成図である。
【符号の説明】
【0097】
10 放電電極、11 回転軸、12 ギア、13 ガイド溝、20 対向電極、21 回転軸、22 ギア、23 ガイド溝、31 第1の掃除手段、32 第2の掃除手段、40 絶縁盾、100 対向電極駆動チェーン、110 スプロケット、120 放電電極駆動チェーン、130 スプロケット、300 トレー、500 制御手段、501 タイマ、510 電圧計、511 湿度計、521 放電電極駆動モータ、522 対向電極駆動モータ、530 表示部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向電極と、
無端状に形成され、前記対向電極の周囲を、所定の間隔を保ちつつ循環移動可能に設けられた放電電極と、
前記放電電極と当接して該放電電極の付着物を除去する第1の掃除手段と
を備えたことを特徴とする荷電装置。
【請求項2】
前記対向電極と当接して該対向電極の付着物を除去する第2の掃除手段を備え、
前記対向電極は、
無端状に形成され、前記放電電極と所定の間隔を保ちつつ循環移動可能に設けられたことを特徴とする請求項1記載の荷電装置。
【請求項3】
前記第1の掃除手段は、所定の位置に固定され、前記放電電極と当接するブラシを有し、
前記ブラシと前記放電電極とが当接し、前記放電電極が循環移動されることにより、前記放電電極の付着物を除去することを特徴とする請求項1又は2記載の荷電装置。
【請求項4】
前記第2の掃除手段は、所定の位置に固定され、前記対向電極と当接するブラシを有し、
前記ブラシと前記対向電極とが当接し、前記対向電極が循環移動されることにより、前記対向電極の付着物を除去することを特徴とする請求項2又は3記載の荷電装置。
【請求項5】
前記対向電極を複数備え、該対向電極は幅方向に平行に配置され、
前記放電電極は、対向する前記対向電極間の中間位置を、循環移動可能に設けられたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の荷電装置。
【請求項6】
前記放電電極と前記対向電極との間の一部に配置され、絶縁材により形成される絶縁盾を備え、
該絶縁盾の配置位置における前記放電電極と前記対向電極との間隔を、前記所定の間隔より短くしたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の荷電装置。
【請求項7】
少なくとも前記放電電極を支持し、回転駆動されることにより、当該放電電極を循環移動させる回転軸を備えたことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の荷電装置。
【請求項8】
前記回転軸は、前記放電電極の脱落を防止するガイド溝が形成され、
前記放電電極との接触面に、該放電電極との摩擦力を増加させる表面加工を施し、
前記放電電極の循環方向外側に、弾性体により押圧されていることを特徴とする請求項7記載の荷電装置。
【請求項9】
少なくとも前記放電電極を循環移動させる駆動モータと、
前記駆動モータを制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の荷電装置。
【請求項10】
放電電圧を計測する電圧計測手段を備え、
前記制御手段は、前記放電電圧に応じて前記駆動モータを駆動することを特徴とする請求項9記載の荷電装置。
【請求項11】
当該荷電装置に流入する空気の湿度を計測する湿度計測手段を備え、
前記制御手段は、前記湿度に応じて前記駆動モータを制御することを特徴とする請求項9又は10記載の荷電装置。
【請求項12】
前記放電電極は、長辺と短辺とを有する断面扁平状に形成され、長辺が前記対向電極の幅方向と平行に設置されることを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載の荷電装置。
【請求項13】
前記放電電極には、当該放電電極と前記対向電極との間の距離に応じた電圧が印加されることを特徴とする請求項1〜12の何れかに記載の荷電装置。
【請求項14】
前記対向電極の幅は、前記放電電極と当該対向電極との間の距離の少なくとも2倍以上であることを特徴とする請求項1〜13の何れかに記載の荷電装置。
【請求項15】
前記放電電極と前記対向電極との間の距離は8〜12mmであり、
前記放電電極には、プラス5.5〜9.5kV、又はマイナス6.5〜10.5kVの電圧が印加されることを特徴とする請求項1〜14の何れかに記載の荷電装置。
【請求項16】
前記対向電極は、幅が17〜25mm、厚みが0.1〜0.5mmであり、
前記放電電極は、短辺が0.05〜0.1mm、長辺が0.6〜1.0mmであることを特徴とする請求項15記載の荷電装置。
【請求項17】
前記放電電極は、リン青銅、タングステン、銅、ニッケル、ステンレス、亜鉛、鉄、若しくはこれらの合金、又はこれらの金属の表面に、銀、金、白金若しくはニッケルをメッキ処理して形成され、
前記対向電極は、リン青銅、タングステン、銅、ニッケル、ステンレス、亜鉛、若しくは鉄、又はカーボン若しくは金属フィラーを練り込んだ導電性樹脂により形成されたことを特徴とする請求項1〜16の何れかに記載の荷電装置。
【請求項18】
請求項1〜17の何れかに記載の荷電装置を備えたことを特徴とする集塵装置。
【請求項19】
請求項1〜17の何れかに記載の荷電装置を備えたことを特徴とする脱臭装置。
【請求項1】
対向電極と、
無端状に形成され、前記対向電極の周囲を、所定の間隔を保ちつつ循環移動可能に設けられた放電電極と、
前記放電電極と当接して該放電電極の付着物を除去する第1の掃除手段と
を備えたことを特徴とする荷電装置。
【請求項2】
前記対向電極と当接して該対向電極の付着物を除去する第2の掃除手段を備え、
前記対向電極は、
無端状に形成され、前記放電電極と所定の間隔を保ちつつ循環移動可能に設けられたことを特徴とする請求項1記載の荷電装置。
【請求項3】
前記第1の掃除手段は、所定の位置に固定され、前記放電電極と当接するブラシを有し、
前記ブラシと前記放電電極とが当接し、前記放電電極が循環移動されることにより、前記放電電極の付着物を除去することを特徴とする請求項1又は2記載の荷電装置。
【請求項4】
前記第2の掃除手段は、所定の位置に固定され、前記対向電極と当接するブラシを有し、
前記ブラシと前記対向電極とが当接し、前記対向電極が循環移動されることにより、前記対向電極の付着物を除去することを特徴とする請求項2又は3記載の荷電装置。
【請求項5】
前記対向電極を複数備え、該対向電極は幅方向に平行に配置され、
前記放電電極は、対向する前記対向電極間の中間位置を、循環移動可能に設けられたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の荷電装置。
【請求項6】
前記放電電極と前記対向電極との間の一部に配置され、絶縁材により形成される絶縁盾を備え、
該絶縁盾の配置位置における前記放電電極と前記対向電極との間隔を、前記所定の間隔より短くしたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の荷電装置。
【請求項7】
少なくとも前記放電電極を支持し、回転駆動されることにより、当該放電電極を循環移動させる回転軸を備えたことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の荷電装置。
【請求項8】
前記回転軸は、前記放電電極の脱落を防止するガイド溝が形成され、
前記放電電極との接触面に、該放電電極との摩擦力を増加させる表面加工を施し、
前記放電電極の循環方向外側に、弾性体により押圧されていることを特徴とする請求項7記載の荷電装置。
【請求項9】
少なくとも前記放電電極を循環移動させる駆動モータと、
前記駆動モータを制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の荷電装置。
【請求項10】
放電電圧を計測する電圧計測手段を備え、
前記制御手段は、前記放電電圧に応じて前記駆動モータを駆動することを特徴とする請求項9記載の荷電装置。
【請求項11】
当該荷電装置に流入する空気の湿度を計測する湿度計測手段を備え、
前記制御手段は、前記湿度に応じて前記駆動モータを制御することを特徴とする請求項9又は10記載の荷電装置。
【請求項12】
前記放電電極は、長辺と短辺とを有する断面扁平状に形成され、長辺が前記対向電極の幅方向と平行に設置されることを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載の荷電装置。
【請求項13】
前記放電電極には、当該放電電極と前記対向電極との間の距離に応じた電圧が印加されることを特徴とする請求項1〜12の何れかに記載の荷電装置。
【請求項14】
前記対向電極の幅は、前記放電電極と当該対向電極との間の距離の少なくとも2倍以上であることを特徴とする請求項1〜13の何れかに記載の荷電装置。
【請求項15】
前記放電電極と前記対向電極との間の距離は8〜12mmであり、
前記放電電極には、プラス5.5〜9.5kV、又はマイナス6.5〜10.5kVの電圧が印加されることを特徴とする請求項1〜14の何れかに記載の荷電装置。
【請求項16】
前記対向電極は、幅が17〜25mm、厚みが0.1〜0.5mmであり、
前記放電電極は、短辺が0.05〜0.1mm、長辺が0.6〜1.0mmであることを特徴とする請求項15記載の荷電装置。
【請求項17】
前記放電電極は、リン青銅、タングステン、銅、ニッケル、ステンレス、亜鉛、鉄、若しくはこれらの合金、又はこれらの金属の表面に、銀、金、白金若しくはニッケルをメッキ処理して形成され、
前記対向電極は、リン青銅、タングステン、銅、ニッケル、ステンレス、亜鉛、若しくは鉄、又はカーボン若しくは金属フィラーを練り込んだ導電性樹脂により形成されたことを特徴とする請求項1〜16の何れかに記載の荷電装置。
【請求項18】
請求項1〜17の何れかに記載の荷電装置を備えたことを特徴とする集塵装置。
【請求項19】
請求項1〜17の何れかに記載の荷電装置を備えたことを特徴とする脱臭装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−69450(P2010−69450A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−242040(P2008−242040)
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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