説明

菓子およびそのような菓子を製造する方法

本発明は、押出された本体部分を含む菓子製品に関し、その本体部分は、その中に配置される複数の細管を有し、その細管の1つ以上は、押出された本体部分とは異なる材料である充填材料で少なくとも部分的に充填され、その充填材料は活性および/または反応性成分を含み、2つ以上の異なる活性/反応性成分は同じまたは異なる細管に提供される。本発明はまた、そのような菓子を製造するためのプロセスに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、菓子およびそのような菓子を製造する方法に関する。特に、本発明は、流体を含有し得る複数の細管を含む菓子に関する。
【背景技術】
【0002】
感覚による満足を高めるように、異なる成分から生成される菓子を製造することが望まれる。噛むときに放出される風味のある液体またはシロップ充填物を有する、多くの菓子製品が存在する。例えば、特許文献1は、複数の中心に充填された菓子ロープを有する連続押し出し成形の形態において中心に充填された菓子製品を連続生産するための装置および方法を開示している。そのような装置から形成された製品は感覚による満足を高めるが、その満足を味わう時間は多くの場合、中心物が急速に放出され、および/または分解されるので、短い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2007056685号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の目的は、長い時間にわたって流体充填物を放出できる菓子製品を提供することである。
【0005】
また、低い脂肪または糖含有物を有する菓子を提供することも要求されている。従って、本発明のさらなる目的は、優れた感覚による満足を維持しながら、低い脂肪または糖含有物を有して製造できる菓子製品を提供することである。
【0006】
本発明の実施形態(複数の実施形態も含む)の目的は、従来技術の1つ以上の問題を克服することである。長い流体充填物の放出特性を有する菓子およびそれらの製造方法を提供することも本発明の実施形態の1つの目的である。また、本発明のさらなる目的は、低い脂肪および/または糖特性を有する菓子およびそれらの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、押出された本体部分を含む菓子製品が提供され、その本体部分は、その中に配置される複数の細管を有し、細管の1つ以上は、押出された本体部分とは異なる材料である充填材料で少なくとも部分的に充填され、その充填材料は、活性および/または反応性成分を含み、2つ以上の異なる活性/反応性成分は同じまたは異なる細管に提供される。
【0008】
従って、本発明は、細管に挿入される材料の長い放出を有する菓子に使用され得る菓子製品、または製品の全体のサイズを維持しながら、その製品に使用される菓子材料の量を減少させるように、高い空隙率を有する菓子製品を提供する。
【0009】
異なる充填材料で少なくとも部分的に充填された2つ以上の細管を有し得る製品を提供することによって、菓子製品は、製品の異なる部分で、または消費している間に、異なる味および/または触感特性を有することができる。
【0010】
2つ以上の異なる活性/反応性成分は、製品が消費されると、異なる成分が一緒に混合されるように、細管内に配置され得る。所望の場合、活性/反応性成分は、菓子製品を消費することによって活性化され得る。そのような活性化は、2つの異なる細管に位置する2つの異なる成分を混合することであり得るか、または唾液と接触することにより化合物が活性化する。
【0011】
2つ以上の細管は、異なる充填材料で少なくとも部分的に充填されてもよい。
【0012】
活性および/または反応性成分は封入されてもよい。当業者は、活性および/または反応性成分を菓子に封入するのに使用される組成の範囲を知っているだろう。
【0013】
「活性/反応性成分」は、以下のうちの1つ以上から選択され得る:香味剤;口腔ケア剤;甘味剤;生理的冷感剤;温感剤;着色剤;発泡剤、薬剤、栄養補助剤、植物抽出物、歯漂白剤、およびそれらの組み合わせ。そのような剤は当業者に明らかであろう。
【0014】
より具体的には、活性/反応性成分としては、限定されないが、着色剤および香味剤、複数の香味剤、複数の着色剤、冷感剤および香味剤、温感剤および香味剤、冷感剤および温感剤、冷感剤および高強度甘味剤、温感剤および高強度甘味剤、複数の冷感剤(例えば、WS−3およびWS−23、WS−3およびメンチルサクシネート)、メントールおよび1つ以上の冷感剤、メントールおよび1つ以上の温感剤、複数の温感剤、高強度甘味剤および歯漂白剤、高強度甘味剤および呼気清涼化剤、いくらかの苦味を有する成分およびその成分のための苦味抑制剤、複数の高強度甘味剤(例えば、ace−kおよびアスパルテーム)、複数の歯漂白剤(例えば、研磨成分および抗菌成分)、過酸化物および硝酸塩、温感剤およびポリオール、冷感剤およびポリオール、複数のポリオール、温感剤および微量栄養素、冷感剤および微量栄養素、温感剤および口湿潤剤、冷感剤および口湿潤剤、温感剤および喉のケア剤、冷感剤および喉のケア剤、温感剤および食用酸、冷感剤および食用酸、温感剤および乳化剤/界面活性剤、冷感剤および乳化剤/界面活性剤、温感剤および着色剤、冷感剤および着色剤、温感剤およびフレーバー増強剤、冷感剤およびフレーバー増強剤、甘味増強剤を含む温感剤、甘味増強剤を含む冷感剤、温感剤および食欲抑制剤、冷感剤および食欲抑制剤、高強度甘味剤およびフレーバー、冷感剤および歯漂白剤、温感剤および歯漂白剤、温感剤および呼気清涼化剤、冷感剤および呼気清涼化剤、冷感剤および発泡系、温感剤および発泡系、温感剤および抗菌剤、冷感剤および抗菌剤、複数の抗歯石剤、複数の再石灰化成分、複数の界面活性剤、脱塩成分を含む再石灰化成分、酸緩衝化成分を含む酸性成分、抗菌成分を含む抗歯石剤、抗歯石成分を含む再石灰化成分、抗菌成分を含む再石灰化成分を含む抗歯石成分、抗歯石成分を含む界面活性成分、抗菌成分を含む界面活性成分、再石灰化成分を含む界面活性成分、抗菌成分を含む抗歯石成分を含む界面活性剤、複数の種類のビタミンまたはミネラル、複数の微量栄養素、複数の酸、複数の抗菌成分、複数の呼気清涼化成分、呼気清涼化成分および抗菌成分、複数の食欲抑制剤、発泡するように反応する酸および塩基、高強度の甘味剤を含む苦味成分、冷感剤および食欲抑制剤、温感剤および食欲抑制剤、高強度甘味剤および食欲抑制剤、酸を含む高強度甘味剤、プロバイオティクス成分およびプレバイオティクス成分、ビタミンおよびミネラル、主要栄養素を含む代謝増強成分、主要栄養素を含む代謝増強成分、基質を含む酵素、甘味増強剤を含む高強度の甘味剤、冷却増強剤を含む冷感剤、フレーバー増強剤を含むフレーバー、加温増強剤を含む加温成分、塩を含むフレーバー、塩を含む高強度甘味剤、塩を含む酸、塩を含む冷却成分、塩を含む加温成分、界面活性剤を含むフレーバー、水和感覚を与える成分を含む収斂剤成分などが挙げられる。一部の実施形態において、複数の成分は、同じ送達系の一部であってもよく、または異なる送達系の一部であってもよい。知覚物質化合物としては、冷感剤、温感剤、刺激剤、発泡剤、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。様々な周知の冷感剤を用いてもよい。例えば、とりわけ有用な冷感剤としては、キシリトール、エリスリトール、デキストロース、ソルビトール、メンタン、メントン、ケタール、メントンケタール、メントングリセロールケタール、被置換p−メンタン、非環状カルボキサミド、モノメンチルグルタレート、被置換シクロヘキンサミド、被置換シクロヘキサンカルボキサミド、被置換ウレアおよびスルホンアミド、被置換メンタノール、p−メンタンのヒドロキシメチルおよびヒドロキシメチル誘導体、2−メルカプト−シクロ−デカノン、炭素数2〜6のヒドロキシカルボン酸、シクロヘキサンアミド、酢酸メンチル、サリチル酸メンチル、N,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミド(WS−23)、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド(WS−3)、イソプレゴール、3−(1−メントキシ)プロパン−1,2−ジオール、3−(1−メントキシ)−2−メチルプロパン−1,2−ジオール、p−メンタン−2,3−ジオール、p−メンタン−3,8−ジオール、6−イソプロピル−9−メチル−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−メタノール、コハク酸メチルおよびそのアルカリ金属塩類、トリメチルシクロヘキサノール、N−エチル−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミド、和種ハッカ油、ペパーミント油、3−(1−メントキシ)エタン−1−オール、3−(1−メントキシ)プロパン−1−オール、3−(1−メントキシ)ブタン−1−オール、1−メンチル酢酸N−エチルアミド、1−メンチル−4−ヒドロキシペンタノエート、1−メンチル−3−ヒドロキシブチレート、N,2,3−トリメチル−2−(1−メチルエチル)−ブタンアミド、n−エチル−t−2−c−6ノナジエンアミド、N,N−ジメチルメンチルスクシンアミド、被置換p−メンタン、被置換p−メンタン−カルボキサミド、2−イソプロパニル−5−メチルシクロヘキサノール(久光製薬社製、本明細書にて「イソプレゴール」と後述)、メントングリセロールケタール類(FEMA3807、商品名FRESCOLAT(登録商標)MGAタイプ)、3−1−メントキシプロパン−1,2−ジオール(タカサゴ社製、FEMA3784)、乳酸メンチル、(Haarman&Reimer製、FEMA3748、商品名FRESCOLAT(登録商標)MLタイプ)、WS−30、WS−14、ユーカリエキス(p−メンタ−3,8−ジオール)、メントール(その天然または合成誘導体)、メントールPGカーボネート、メントールEGカーボネート、メントールグリセリルエーテル、N−tertブチル−p−メンタン−3−カルボキサミド、P−メンタン−3−カルボン酸グリセロールエステル、メチル−2−イソプリル−ビシクロ(2.2.1)、ヘプタン−2−カルボキサミド、ならびにメントールメチルエーテルおよびメンチルピロリドンカルボキシレートが挙げられる。以上および他の好適な冷感剤は、米国特許第4230688号明細書、米国特許第4032661号明細書、米国特許第4459425号明細書、米国特許第4136163号明細書、米国特許第5266592号明細書、米国特許第6627233号明細書にさらに記載されており、これらすべては本願に引用して全体を援用する。一部の実施形態において、温感成分は、使用者に暖かい知覚信号をもたらすことが知られている多岐にわたる化合物から選択してもよい。これらの化合物は、特に口腔内で温かみを認知する感覚を与え、香味料、甘味料、およびその他の知覚刺激性成分の知覚を増強する場合が多い。一部の実施形態において、有用な温感化合物として、高砂香料(Takasago Perfumary Company Limited)、東京、日本により供給されるバニリルアルコールn−ブチルエーテル(TK−1000)、バニリルアルコールn−プロピルエーテル、バニリルアルコールイソプロピルエーテル、バニリルアルコールイソブチルエーテル、バニリルアルコールn−アミノエーテル、バニリルアルコールイソアミルエーテル、バニリルアルコールn−ヘキシルエーテル、バニリルアルコールメチルエーテル、バニリルアルコールエチルエーテル、ジンゲロール、ショウガオール、パラドール、ジンゲロン、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン、エタノール、イソプロピルアルコール、イソ−アミルアルコール、ベンジルアルコール、グリセリン、およびこれらの組合せを挙げることができる。
【0015】
一部の実施形態において、刺激知覚をもたらすことができる。このような刺激知覚の1つは、ジャンブー、オレオレジン、またはスピラントールをある例に添加することによってもたらされる。一部の実施態様において、ジャンブーまたはサンショール等の物質から抽出したアルキルアミドを含むことができる。さらに、一部の実施態様において、知覚は発泡によって引き出される。かかる発泡性は、塩基性物質を酸性物質と合わせることによって生み出される。一部の実施態様において、塩基性物質は、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸水素塩およびそれらの混合物を含むことができる。一部の実施形態において、酸性物質は、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グリコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸およびこれらの組み合わせを含むことができる。「刺激」型知覚物質の例は、米国特許第6780443号明細書に見出すことができ、その内容全体を、あらゆる目的で本願に引用して援用する。
【0016】
知覚物質成分は、本願に引用して援用する、米国特許出願第205/0202118号明細書に開示のもののような「三叉神経刺激薬」とも称してもよい。三叉神経刺激薬は、経口摂取品または三叉神経を刺激する作用物として定義される。三叉神経刺激薬である冷感剤の例として、メントール、WS−3、N−被置換p−メンタンカルボキサミド、WS−23を含む非環状カルボキサミド、コハク酸メチル、メントングリセロールケタール、キシリトール、エリスリトール、デキストロース、およびソルビトールなどのバルク甘味料、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。三叉神経刺激薬として、香味料、刺激剤、ジャンブー抽出物、バニリルn−ブチルエーテルなどのバニリルアルキルエーテル、スピラントール、エキナセア抽出物、キタサンショウ(Northern Prickly Ash)抽出物、カプサイシン、トウガラシオレオレジン、赤コショウオレオレジン、黒コショウオレオレジン、ピペリン、ジンジャーオレオレジン、ジンゲロール、ショウガオール、シナモンオレオレジン、カッシアオレオレジン、ケイ皮アルデヒド、オイゲノール、バニリンの環状アセタールおよびメントールグリセリンエーテル、不飽和アミド、ならびにこれらの組み合わせも挙げることができる。
【0017】
呼気清涼化剤として、精油や、種々のアルデヒド類、アルコール類、および類似の物質を含むことができる。一部の実施形態において、精油として、スペアミント、ペパーミント、ウィンターグリーン、サッサフラス、クロロフィル、シトラール、ゲラニオール、カルダモン、チョウジ、セージ、カルバクロール、ユーカリ、カルダモン、コウボク抽出物、マージョラム、シナモン、レモン、ライム、グレープフルーツ、およびオレンジの油を挙げることができる。一部の実施形態において、ケイ皮アルデヒドおよびサリチルアルデヒドなどのアルデヒド類を使用できる。さらに、メントール、カルボン、イソ−ガリゴール、およびアネトールなどの化学物質が呼気清涼化剤として機能できる。これらのうち、最も一般に用いられるのは、ペパーミント、スペアミントおよびクロロフィルの油である。
【0018】
それらから由来する精油および化学物質に加えて、一部の実施形態において、呼気清涼化剤は、限定されないが、クエン酸亜鉛、酢酸亜鉛、フッ化亜鉛、硫酸アンモニウム亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、フルオロケイ酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、酒石酸亜鉛、コハク酸亜鉛、ギ酸亜鉛、クロム酸亜鉛、フェノールスルホン酸亜鉛、ジチオン酸亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸銀、サリチル酸亜鉛、グリセロリン酸亜鉛、硝酸銅、クロロフィル、銅クロロフィル、クロロフィリン、硬化綿実油、二酸化塩素、ベータシクロデキストリン、ゼオライト、シリカ系物質、炭素系物質、ラッカーゼなどの酵素、およびこれらの組み合わせを含むことができる。一部の実施形態において、限定されないが、Bacillus coagulans、Bacillus subtilis、Bacillus laterosporus、Bacillus laevolacticus、Sporolactobacillus inulinus、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus curvatus、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus jenseni、Lactobacillus casei、Lactobacillus fermentum、Lactococcus lactis、Pedioccocus acidilacti、Pedioccocus pentosaceus、Pedioccocus urinae、Leuconostoc mesenteroides、Bacillus coagulans、Bacillus subtilis、Bacillus laterosporus、Bacillus laevolacticus、Sporolactobacillus inulinusおよびそれらの混合物などの乳酸生産微生物について、プロバイオティクスの放出プロファイルが管理できる。呼気清涼化剤は、以下の商標名:Retsyn,(商標)Actizol,(商標)およびNutrazin(商標)でも知られている。悪臭をコントロールする組成物の例は、Staplerらの米国特許第5300305号明細書、ならびに米国特許公開公報第2003/0215417号および同第2004/0081713号明細書に記載されており、その内容全体を、あらゆる目的で本願に引用して援用する。
【0019】
歯科ケア用配合成分(口腔ケア配合成分としても知られる)としては、限定されないが、歯漂白剤、汚れ除去剤、口腔洗浄、漂白剤、減感剤、歯の再ミネラル強化剤、抗菌剤、抗齲蝕剤、歯垢の酸緩衝剤、界面活性剤および歯石防止剤を挙げてもよい。このような成分の非限定的な例として、タンパク質分解酵素等の加水分解性物質、水和シリカ、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、およびアルミナ等の研磨剤、ステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、スルフェート化オレイン酸ブチル、オレイン酸ナトリウム、フマル酸塩、グリセロール、ヒドロキシル化レシチン、およびラウリル硫酸ナトリウムのようなアニオン界面活性剤を含むがこれに限定しない界面活性剤、およびポリリン酸塩のようなキレート化剤等のその他の活性汚れ除去成分を挙げることができ、これらは典型的に、歯石除去成分として使用される。一部の実施形態において、歯科ケア用配合成分は、ピロリン酸四ナトリウムおよびトリポリリン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、キシリトール、ヘキサメタリン酸ナトリウムも含むことができる。
【0020】
一部の実施形態において、過酸化カルバミド、過酸化カルシウム、過酸化マグネシウム、過酸化ナトリウム、過酸化水素、およびペルオキシ二リン酸塩などの過酸化物が含まれる。一部の実施形態において、硝酸カリウムおよびクエン酸カリウムが含まれる。他の例として、カゼイングリコマクロペプチド、カルシウムカゼインペプトン−リン酸カルシウム、カゼインホスホペプチド、カゼインホスホペプチド−無定形リン酸カルシウム(CPP−ACP)、および無定形リン酸カルシウムを挙げることができる。さらに他の例として、パパイン、クリラーゼ、ペプシン、トリプシン、リゾチーム、デキストラナーゼ、ミュータナーゼ、グリコアミラーゼ、アミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0021】
予防作用を高めて、歯科ケア用配合成分を化粧品上より許容し得るようにすべく、ある実施形態で使用するためにさらなる例として、ステアリン酸ナトリウム、リシノール酸ナトリウム、およびラウリル硫酸ナトリウム界面活性剤などの界面活性剤を挙げることができる。界面活性剤は、好ましくは、組成物に洗浄性および起泡性を付与する、洗浄性物質であり得る。界面活性剤の好適な例は、硬化ヤシ油脂肪酸の一硫酸化モノグリセリドのナトリウム塩などの高級脂肪酸モノグリセリド一硫酸の水溶性塩、ラウリル硫酸ナトリウムなどの高級アルキル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩、高級アルキルスルホ酢酸、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、1,2−ジヒドロキシプロパンスルホン酸の高級脂肪酸エステル、および低級脂肪族アミノカルボン酸化合物の実質的に飽和した高級脂肪族アシルアミド(脂肪酸に12〜16の炭素数を有するものなど)、アルキルまたはアシルラジカル等である。最後に述べるアミドの例は、N−ラウロイルサルコシン、およびN−ラウロイル、N−ミリストイル、またはN−パルミトイルサルコシンのナトリウム、カリウム、およびエタノールアミン塩である。
【0022】
界面活性剤に加えて、歯科ケア用配合成分として、限定されないが、トリクロサン、クロルヘキシジン、クエン酸亜鉛、硝酸銀、銅、リモネン、およびセチルピリジニウムクロライドなどの抗菌剤を挙げることができる。一部の実施形態において、追加の抗齲蝕剤として、無機フッ化物塩などの、フッ素イオンまたはフッ素供給成分を挙げることができる。一部の実施形態において、可溶性アルカリ金属塩、例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、フルオロケイ酸アンモニウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、さらにはフッ化スタナスなどのフッ化スズ、および塩化スタナスを挙げることができる。一部の実施形態において、例えば、酸でのエナメル溶解性の減少、および歯の崩壊に対する保護などの、口腔のケアおよび衛生に有益な効果を有するフッ素含有化合物も、配合成分として配合してもよい。その例として、フッ化ナトリウム、フッ化スタナス、フッ化カリウム、フッ化スタナスカリウム(SnF−KF)、ヘキサフルオロスズ酸ナトリウム、塩化フッ化スタナス、フルオロジルコン酸ナトリウム、およびモノフルオロリン酸ナトリウムが挙げられる。ある実施形態において、尿素が含まれる。
【0023】
さらなる例は、以下の米国特許および米国特許出願公開に挙げられ、これらすべての内容はその全体を、あらゆる目的で本願に引用して援用する:Reynoldsの米国特許第5227154号明細書、Greenbergの第5378131号明細書、Luoらの第6846500号明細書、Luoらの第6733818号明細書、Luoらの第6696044号明細書、Holmeらの第6685916号明細書、Luoらの第6485739号明細書、Holmeらの第6479071号明細書、Luoらの第6471945号明細書、Holmeらの米国特許公開第20050025721号明細書、Gebreselassieらの同第2005008732号明細書、およびHolmeらの同第20040136928号明細書。
【0024】
喉の無痛化配合成分として、鎮痛薬、麻酔薬、緩和薬、防腐薬、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。一部の実施形態において、鎮痛薬/麻酔薬として、メントール、フェノール、ヘキシルレゾルシノール、ベンゾカイン、塩酸ジクロニン、ベンジルアルコール、サリチルアルコール、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。一部の実施形態において、緩和薬として、限定されないが、スリッペリーエルムバーク、ペクチン、ゼラチン、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。一部の実施形態において、防腐薬配合成分として、塩化セチルピリジニウム、臭化ドミフェン、塩化デカリニウム、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0025】
一部の実施形態において、塩酸クロフェジアノール、コデイン、リン酸コデイン、硫酸コデイン、デキストロメトルファン、臭化水素酸デキストロメトルファン、クエン酸ジフェンヒドラミン、および塩酸ジフェンヒドラミン、ならびにこれらの組み合わせなどの鎮咳配合成分を含むことができる。
【0026】
一部の実施形態において、ハチミツ、プロポリス、アロエベラ、グリセリン、メントールおよびこれらの組み合わせなどの喉の無痛化剤を含むことができる。さらに他の実施形態において、鎮咳剤を含むことができる。このような鎮咳剤は、粘液溶解薬および去痰薬などの、痰の粘度または産生を変化させるもの;ならびにコデイン(麻薬性鎮咳剤)、抗ヒスタミン薬、デキストロメトルファンおよびイソプロテレノール(非麻薬性鎮咳剤)などの、咳反射を抑制するものの二群に分類できる。一部の実施形態において、片方または双方の群からの配合成分を含むことができる。
【0027】
さらに他の実施形態において、鎮咳薬として、限定されないが、コデイン、デキストロメトルファン、デキストロルファン、ジフェンヒドラミン、ヒドロコドン、ノスカピン、オキシコドン、ペントキシベリン、およびこれらの組み合わせからなる群を挙げることができる。一部の実施形態において、抗ヒスタミン薬として、限定されないが、アクリバスタチン、アザタジン、ブロムフェニルアミン、クロルフェニルアミン、クレマスチン、シプロヘプタジン、デクスブロムフェニルアミン、ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン、ドキシラミン、ヒドロキシジン、メクリジン、フェニンダミン、フェニルトロキサミン、プロメタジン、ピリラミン、トリペレナミン、トリプロリジンおよびこれらの組み合わせを挙げることができる。一部の実施形態において、非鎮痛型抗ヒスタミン薬として、限定されないが、アステミゾール、セチリジン、エバスチン、フェキソフェナジン、ロラチジン、テルフェナジン、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0028】
一部の実施形態において、去痰薬として、限定されないが、塩化アンモニウム、グアイフェネシン、トコン流体抽出物、ヨウ化カリウムおよびこれらの組み合わせを挙げることができる。一部の実施形態において、粘液溶解薬として、限定されないが、アセチルシステイン、アンブロキソール、ブロムヘキシンおよびこれらの組み合わせを挙げることができる。一部の実施形態において、鎮痛、解熱および抗炎症剤として、限定されないが、アセトアミノフェン、アスピリン、ジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ケトロラク、ナブメトン、ナプロキセン、ピロキシカム、カフェインおよびそれらの混合物を挙げることができる。一部の実施形態において、局所麻酔薬として、限定されないが、リドカイン、ベンゾカイン、フェノール、ジクロニン、ベンゾノテート(benzonotate)およびそれらの混合物を挙げることができる。
【0029】
一部の実施形態において、鼻鬱血除去薬、および鼻清浄化の知覚をもたらす配合成分を含むことができる。一部の実施形態において、鼻鬱血除去薬として、限定されないが、フェニルプロパノールアミン、プソイドエフェドリン、エフェドリン、フェニレフリン、オキシメタゾリン、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。一部の実施形態において、鼻清浄化の知覚をもたらす配合成分としては、限定されないが、メントール、カンファー、ボルネオール、エフェドリン、ユーカリ油、ペパーミント油、サリチル酸メチル、酢酸ボルニル、ラベンダー油、ワサビ抽出物、セイヨウワサビ抽出物、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。一部の実施形態において、鼻清浄化の知覚は、香気性精油、木材、ガム、花および他の植物からの抽出物、樹脂、動物性分泌物、ならびに合成芳香族物質によってもたらすことができる。
【0030】
一部の実施形態において、1種以上の着色料を含むことができる。米国食品医薬品化粧品法(United States Food,Drug,and Cosmetic Act)(21C.F.R.73)による分類のとおり、着色料として、認証免除着色料(合成により製造される可能性があるとしても「天然」と称する場合がある)、および認証着色料(「人工」と称する場合がある)、またはこれらの組み合わせを挙げることができる。一部の実施形態において、認証免除着色料または天然着色料としては、限定されないが、アナトー抽出物、(E160b)、ビキシン、ノルビキシン、アスタキサンチン、脱水ビート(ビート粉末)、ビート根赤/ベタニン(E162)、群青、カンタキサンチン(E161g)、クリプトキサンチン(E161c)、ルビキサンチン(E161d)、ビオランキサンチン(E161e)、ロドキサンチン(E161f)、カラメル(E150(a−d))、β−アポ−8’−カロテナール(E160e)、β−カロテン(E160a)、アルファカロテン、ガンマカロテン、ベータ−アポ−8−カロテナール(E160f)のエチルエステル、フラボキサンチン(E161a)、ルテイン(E161b)、コチニール抽出物(E120);カルミン(E132)、カルモイシン/アゾルビン(E122)、銅クロロフィリンナトリウム(E141)、クロロフィル(E140)、焼いて部分的に脱脂加熱した綿実粉、グルコン酸第1鉄、乳酸第1鉄、ブドウ色抽出物、ブドウ果皮抽出物(エノシアニナ(enocianina))、アントシアニン(E163)、食用ヘマトコッカス藻、合成酸化鉄、鉄酸化物および水酸化物(E172)、フルーツジュース、野菜ジュース、乾燥食用藻類、食用マンジュギク(アズテックマリーゴールド)および抽出物、キャロット油、トウモロコシ胚乳油、パプリカ、パプリカオレオレジン、ファフィア酵母、リボフラビン(E101)、サフラン、二酸化チタン、ターメリック(E100)、ターメリックオレオレジン、アマランス(E123)、カプサンチン/カプソルビン(E160c)、リコピン(E160d)、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0031】
一部の実施形態において、認証着色料として、限定されないが、FD&Cブルー#1、FD&Cブルー#2、FD&Cグリーン#3、FD&Cレッド#3、FD&Cレッド#40、FD&Cイエロー#5およびFD&Cイエロー#6、テトラジン(E102)、キノリンイエロー(E104)、サンセットイエロー(E110)、ポンソー(E124)、エリスロシン(E127)、パテントブルーV(E131)、二酸化チタン(E171)、アルミニウム(E173)、銀(E174)、金(E175)、顔料ルビン/リソールルビンBK(E180)、炭酸カルシウム(E170)、カーボンブラック(E153)、ブラックPN/ブリリアントブラックBN(E151)、グリーンS/酸ブリリアントグリーンBS(E142)、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。一部の実施形態において、認証着色料として、FD&Cアルミニウムレーキを挙げることができる。これらは、アルミナ水和物の不溶性基質上に伸展するFD&C染料のアルミニウム塩からなる。さらに、一部の実施形態において、認証着色料は、カルシウム塩として配合できる。
【0032】
口腔保湿剤として、限定されないが、酸および塩ならびにこれらの組み合わせなどの唾液刺激剤を挙げることができる。一部の実施形態において、酸として、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グリコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸およびこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0033】
口腔保湿剤として、水和して経口表面に付着し口腔保湿の知覚をもたらし得る親水コロイド材料も挙げることができる。親水コロイド材料として、植物浸出物、種子ガム、および海藻抽出物などの天然物質を挙げることができ、またはセルロース、デンプン、もしくは天然ガム誘導体などの化学的に修飾された物質であることができる。一部の実施形態において、親水コロイド材料として、ペクチン、アラビアガム、アカシアガム、アルギン酸塩、寒天、カラギーナン、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ゼラチン、ジェランガム、ガラクトマンナン、トラガントガム、カラヤガム、カードラン、コンニャク、キトサン、キシログルカン、ベータグルカン、フルセララン、ガティガム、タマリン、細菌ガム、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。さらに、一部の実施形態において、アルギン酸プロピレングリコール、カルボキシメチルローカストビーンガム、低メトキシルペクチン、およびこれらの組み合わせなどの修飾した天然ガムを挙げることができる。一部の実施形態において、結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPCM)、およびヒドロキシプロピルセルロース(MPC)、ならびにこれらの組み合わせなどの修飾したセルロースを含むことができる。
【0034】
同様に、口内水分補給の知覚をもたらすことができる湿潤剤を含むことができる。このような湿潤剤として、限定されないが、グリセロール、ソルビトール、ポリエチレングリコール、エリスリトール、およびキシリトールを挙げることができる。さらに、一部の実施形態において、脂肪が、口腔保湿の知覚をもたらすことができる。このような脂肪として、中鎖トリグリセリド、植物油、魚油、鉱油、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0035】
食品用酸として、限定されないが、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グリコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸およびこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0036】
微量栄養素は、所望の効果を生物が得るのに必要な量が、タンパク質、炭水化物、および脂肪などの多量養素に対して少なくても、生物の栄養学的な健康に影響を及ぼす物質を含むことができる。微量栄養素としては、限定されないが、ビタミン、ミネラル、酵素、植生化学物質、抗酸化剤、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0037】
一部の実施形態において、ビタミンとして、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、およびビタミンKおよびこれらの組み合わせなどの脂溶性ビタミンを挙げることができる。一部の実施形態において、ビタミンとして、ビタミンC(アスコルビン酸)、Bビタミン類(チアミン即ちB、リボフラビン即ちB、ナイアシン即ちB、ピリドキシン即ちB、葉酸即ちB、シアノコバラミン即ちB12、パントテン酸、ビオチン)、およびこれらの組み合わせなどの水溶性ビタミンを挙げることができる。脂肪は、種々の魚油(例えばタラ肝油)およびそれらの構成成分などの栄養素の油を含むことができる。
【0038】
一部の実施形態において、ミネラルとして、限定されないが、ナトリウム、マグネシウム、クロム、ヨウ素、鉄、マンガン、カルシウム、銅、フッ化物、カリウム、リン、モリブデン、セレン、亜鉛、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。一部の実施形態において、微量栄養素として、限定されないが、L−カルニチン、コリン、コエンザイムQ10、アルファ−リポ酸、オメガ−3−脂肪酸、ペプシン、フィターゼ、トリプシン、リパーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0039】
抗酸化剤としては、フリーラジカルを排除する物質を挙げることができる。一部の実施形態において、抗酸化剤として、限定されないが、アスコルビン酸、クエン酸、ローズマリー油、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンEホスフェート、トコフェロール、ジ−アルファ−トコフェリルホスフェート、トコトリエノール、アルファリポ酸、ジヒドロリポ酸、キサントフィル、ベータクリプトキサンチン、リコピン、ルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチン、ベータ−カロテン、カロテン、混合カロテノイド、ポリフェノール、フラボノイド、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0040】
一部の実施形態において、植生化学物質として、限定されないが、カロテノイド、クロロフィル、クロロフィリン、繊維、フラバノイド、アントシアニン、シアニジン(cyaniding)、デルフィニジン、マルビジン、ペラルゴニジン、ペオニジン、ペツニジン、フラバノール、カテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート、テアフラビン、テアルビジン、プロアントシアニン、フラボノール、ケルセチン、ケンペロール、ミリセチン、イソラムネチン、フラボノンシェスペレチン(flavononeshesperetin)、ナリンゲニン、エリオジクチオール、タンゲレチン、フラボン、アピゲニン、ルテオリン、リグナン、フィトエストロゲン、レスベラトロール、イソフラボン、ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテイン、大豆イソフラボン、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0041】
発泡システムは、1以上の食用酸および1以上の食用アルカリ性物質を含んでもよい。食用酸および食用アルカリ性物質は、共に反応して発泡を生じる。
【0042】
一部の実施形態において、アルカリ性物質は、限定されないが、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸水素塩、およびこれらの組み合わせから選択してもよい。食用酸は、限定されないが、クエン酸、リン酸、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、およびこれらの組み合わせから選択してもよい。一部の実施形態において、発泡性システムは、例えば、二酸化炭素、口腔ケア配合成分、風味剤等の1種以上の他の配合成分を含んでもよい。
【0043】
発泡性システムの使用の例については、2004年10月13日出願の「Effervescent Pressed Gum Tablet Compositions」という名称の米国仮特許第60/618222号明細書を参照されたく、その内容はあらゆる目的で本願に引用して援用する。他の例は、米国特許第6235318号明細書に認めることができ、その内容をあらゆる目的で本願に引用して援用する。
【0044】
所望の場合、充填材料はさらに、粒子状物質を含んでもよい。粒子状物質は、製品が噛み砕かれると、「サクサクした感覚(crunch)」をもたらすか、または歯を清浄し/漂白するのに役立つ研磨剤をもたらす知覚物質などの多くの目的のために使用されてもよい。
【0045】
研磨剤の例としては、シリカ、アルミナ、リン酸塩、炭酸塩およびそれらの組み合わせが挙げられる。一部の実施形態において、研磨剤は、沈殿したシリカ、シリカゲルおよびそれらの組み合わせから選択されるシリカである。さらに、一部の実施形態において、研磨剤は、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、リン酸三カルシウム、無水第二リン酸カルシウムおよびそれらの組み合わせから選択される。本発明の組成物の使用に意図される研磨物質は、象牙質を過剰に磨耗させない任意の材料であってもよい。
【0046】
本体部分を製造するために使用される材料は、キャンディ、ガムおよびチョコレートなどの菓子の製造に一般に使用される多くの材料を含んでもよい。
【0047】
一部の実施形態において、本体部分はチョコレートである。適したチョコレートとしては、ダーク、ミルク、ホワイトおよびコンパウンドチョコレートが挙げられる。一部の実施形態において、本体部分は、チューイングガム、バブルガムまたはガム基礎剤である。他の実施形態において、押出部分はキャンディである。適したキャンディとしては、ハードキャンディ、チューイキャンディ、グミキャンディ、ゼリーキャンディ、タフィー、ファッジ、ヌガーなどが挙げられる。
【0048】
細管は、実質的に本体部分の長さ全体に沿って延びてもよいが、一部の実施形態において(例えば、本体部分の末端をシールすることが望まれる場合)、本体部分の長さに沿って、75%、80%、90%、95%または99%未満で延びてもよい。本体部分の長さ全体に沿って細管が延びる場合、適切には、細管の端部は本体部分の1つ以上の端部で見える。
【0049】
所望の場合、異なる細管は異なる材料を組み込んでもよい。細管は液体で充填されてもよい。細管は、室温で固体であり、室温より高い温度で流体である材料で充填されてもよい。例えば、溶解したチョコレートが細管に組み込まれてもよく、室温まで冷却されると凝固してもよい。室温は一般に約20℃とみなすことは当業者には明らかであろう。あるいは、細管は、液体として沈殿し、続いて凝固する材料で充填されてもよい。そのような実施形態において、凝固は熱に依存しても、依存しなくてもよい。液体が充填された細管の凝固は、多くの方法によって達成され得ることは明らかであろう。
【0050】
例えば、凝固は以下の1つ以上によって行われ得る。
冷却−堆積されるときに充填物は溶解され得、次いで冷却して室温で固体になる。
加熱−堆積されるときに充填物は液体であり得、押出された本体部分の加熱により充填物が固まる(例えば卵白を加熱したハードキャンディの押出された本体部分に入れると、接触時に卵が固まる)。
乾燥−充填物は溶液であり得、それを固体に乾燥させる(例えば溶液からの水分が押出された本体部分に吸収される)。
溶剤損失−充填物は溶剤であり得、それにより、溶剤が押出された本体部分に吸収され、固体が残る。
化学反応−充填物は液体として堆積され得るが、固体中で反応するか、または「反応が停止する(go off)」。
架橋−充填物は、混合および/または加熱することにより架橋した材料になるための構成物質を形成し得る。
時間−充填物は、一定の時間で簡単に固体になる(例えば糖およびゼラチンの溶液は時間が経過すると最終的に固体になる)。
【0051】
本体部分は、押出の間、液体である材料から生成されてもよい。用語「液体」は、材料が、ゲル、ペーストおよび流動化チョコレートを含む、流動できるか、または流動する状態を有する意味であることが理解されるべきである。さらに、この用語は、(限定されないが)押出の間、「溶解」され得る材料を含むことが意図され、当業者は、用語「溶解」は、材料が液体形態または液体の特性を示す形態になることを意味するものと理解するだろう。
【0052】
本体部分は、少なくとも部分的に、または実質的に固体であり得るので、それはもはや、液体形態で流動するとはみなされない。
【0053】
細管のための適切な充填材料としては、限定されないが、水媒体、脂肪、チョコレート、カラメル、ココアバター、フォンダン、シロップ、ピーナッツバター、ジャム、ゼリー、ゲル、トリュフ、プラリーヌ、チューイキャンディ、ハードキャンディまたはそれらの任意の組み合わせもしくは混合物が挙げられる。
【0054】
所望の場合、製品は、本体部分を覆うためのコーティング部分をさらに含んでもよい。当業者は、例えばチョコレート、ガム、キャンディおよび糖などの多くのコーティングが使用され得ることを理解するだろう。
【0055】
本体部分は、1つ以上のさらなる菓子部分に接続されてもよい。一部の実施形態において、本体部分は菓子材料の間に挟まれるか、または1つ以上の菓子層に接続もしくは積み重ねられてもよい。さらなる菓子部分(複数も含む)は、含有物、液体が充填されたビーズなどを含んでも、含まなくてもよい。
【0056】
一部の実施形態において、細管は本体部分全体にわたって実質的に均一に分配され、隣接する細管から均等に離間していてもよい。他の実施形態において、細管は、例えば本体部分の周辺付近などの本体部分内に予め規定された構造で分配されてもよいか、または本体部分内の1つ以上の位置に集めて分配されてもよい。一部の実施形態において、本体部分は、円形、楕円形、正多角形、または半円断面を有する。本体部分は、円筒形、ロープ状、線維状、細長い一片、リボンなどの形状であってもよいか、または例えば、チョコレートバー、チューイングガムスラブ、ペレット、ボール、スティックもしくはリボンなどの標準的な菓子製品の形状であってもよい。本体部分は、不規則または規則的な形状であってもよい。さらに、本体部分は、潜在的に任意の形状、例えば対象物、例を挙げると、漫画のキャラクター、または動物の形状で形成されてもよい。
【0057】
2つ以上の細管が、異なる幅または直径を有してもよい。所望の場合、そのような構成は、異なる量の異なる充填材料を異なる細管に組み込むことを可能にする。さらに、2つ以上の細管が、異なる断面特性を有してもよい。例えば、菓子製品は、星および三角形または動物などの異なる形状を含む断面形状を有する細管を有してもよい。
【0058】
一実施形態において、押出部分内の細管は、押出成形物の1〜99%または押出成形物の5〜99%の範囲の空隙率を生じる。空隙率は、10〜60%、20〜50%、30〜45%、または35〜40%の範囲であってもよい。空隙率はまた、それらの範囲の中間点、例えば、5〜40%、5〜45%、5〜50%、5〜60%、10〜40%、10〜45%、10〜50%、10〜99%、20〜60%、20〜45%、20〜40%、20〜60%、20〜99%、30〜40%、30〜50%、30〜60%または30〜99%であってもよい。空隙率は、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%以上であってもよい。
【0059】
小さい断面の幅または直径の細管の導入により、本体部分内に対照的または補足的な菓子材料を混入することが可能となり、菓子製品全体に、または菓子製品から外に漏れ出す可能性のある大きな中心充填領域を導入する必要性は回避される。複数の細管の使用はまた、2つ以上の材料を菓子製品内に導入して、菓子製品全体にわたって複数の触感、味、色および/または食感を与えることができる。
【0060】
一部の実施形態において、細管は、3mm、2mm、1mm、0.5mm、0.25mmまたはそれ以下の平均直径または幅を有する。100μm、50μmまたは10μm以下の直径または幅を有する細管を有することも可能である。所望の場合、細管は異なる幅または直径を有してもよい。
【0061】
本発明の別の実施形態において、第1の押出部分および第2の押出部分を含む菓子製品が提供され、各々の部分は、その中に配置される複数の細管を有し、第1の部分および第2の部分の細管は、
a)不連続であり、および/または
b)連続し、かつ、1つより多い方向に向きを定められる。
【0062】
第1の部分および第2の部分に加えて、さらなる部分を含んでもよく、それらは細管を含んでも、含まなくてもよい。一実施形態において、菓子製品は、細管を含んでもよいか、または含まなくてもよい1つ以上のさらなる部分により第2の部分から分離して第1の部分を含む。
【0063】
第1の部分および第2の部分は、本体部分について上記したようなものであってもよい。第1の部分および第2の部分は、同じ材料または異なる材料を含んでもよい。例えば、第1の部分はチョコレートであってもよく、第2の部分はキャンディであってもよい。第1の部分および第2の部分の各々の細管は、同じまたは異なる材料で充填されてもよい。第1の部分および/または第2の部分の1つ以上の細管は、第1の部分および/または第2の部分における他方の細管と異なる材料で充填されてもよい。
【0064】
本発明のさらなる実施形態によれば、押出された本体部分に配置される複数の細管を有する、押出された本体部分を含む菓子製品が提供され、各々の細管は、押出された本体部分から形成される壁によって各々の隣接する細管から離間し、各々の細管の間の壁は細管の幅または直径以下の厚さを有する。
【0065】
さらなる実施形態によれば、本体部分の中に配置される複数の細管を有する、本体部分を含む菓子製品を製造するためのプロセスが提供され、そのプロセスは、以下の工程、
a)押出可能な菓子材料の中に配置される複数の細管を有する、押出可能な菓子材料を押出す工程と、
b)押出された本体部分と異なる材料である充填材料で、1つ以上の細管を少なくとも部分的に充填する工程であって、その充填材料は、活性および/または反応性成分を含み、2つ以上の異なる活性/反応性成分は同じまたは異なる細管で提供される工程と、を含む。
【0066】
一部の実施形態において、その方法は、以下から選択される追加の工程を含んでもよい:
c)押出成形物の中に配置される複数の細管を有する2つ以上のピースに押出成形物を切断し、そのピースを組み込んでいる菓子製品を生成する工程、および/または
d)押出成形物を折り畳み、折り畳まれた押出成形物を組み込んでいる菓子製品を生成する工程。
【0067】
さらなる実施形態によれば、本体部分の中に配置される複数の細管を有する、本体部分を含む菓子製品を製造するためのプロセスが提供され、そのプロセスは、以下の工程、
a)押出可能な菓子材料の中に配置される複数の細管を有する、押出可能な菓子材料を押出す工程と、
b)押出成形物の中に配置される複数の細管を有する2つ以上の部分に押出成形物を切断し、その部分を組み込んでいる菓子製品を生成する工程、または
c)押出成形物を折り畳み、折り畳まれた押出成形物を組み込んでいる菓子製品を生成する工程と、を含む。
【0068】
充填物の堆積は、押出す工程の間に行われてもよいが、押出す工程の後に行われてもよい。一実施形態において、充填物は流体を含む。流体は、液体、または室温より高い温度で液体である材料を含んでもよい。流体は、堆積後に凝固し得ることが望まれる。
【0069】
2つ以上の細管は、異なる活性および/または反応性成分で少なくとも部分的に充填されてもよい。活性および/または反応性成分は封入されてもよい。活性および/または反応性成分は発泡材料を含んでもよい。充填材料は粒子状材料を含んでもよい。充填材料は、製品自体に関する本明細書の上記の任意の数の材料を含んでもよい。
【0070】
押出可能な材料は好ましくは、押出の間、液体である。
【0071】
プロセスのいずれかは、さらに、押出後に押出成形物を急冷する工程を含んでもよい。急冷は、空気、油または液体窒素などの流体を利用してもよいが、急冷する他の方法もまた、当業者に明白であろう。
【0072】
プロセスのいずれかは、さらに、押出す工程の後に押出成形物を伸張する工程を含んでもよい。押出成形物を伸張する工程は、例えば、押出成形物を伸張させるように、異なる速度で作動するベルトコンベヤまたはローラー上を通過させる、もしくはそれらの中を通過させるなどの多くの方法によって行われてもよい。この追加の工程を利用することによって、より大きな直径の細管を有する押出成形が行われ得るので、最初に製造することが困難である、より小さい細管を有する押出成形物を製造するように、徐々に直径を減少させていってもよい。通常、2mm以上の孔径を有する細管が押出す工程の間に製造され、それらの細管は押出成形物を伸張することによって顕著に減少される。一部の実施形態において、細管は、1mm、0.5mm、0.25mm、100μm、50μm、25μmまたは10μm以下に減少される。
【0073】
押出可能な菓子材料は、押出後に、少なくとも部分的に、または実質的に凝固する。
【0074】
所望の場合、2つ以上の細管は、異なる幅または直径を有して生成されてもよい。さらに、2つ以上の細管は異なる断面特性を有して生成されてもよい。
【0075】
プロセスのいずれかは、さらに、菓子製品をコーティングで封入する工程を含んでもよい。そのようなコーティングは、当業者に明らかであり、以前に論じられている。
【0076】
そのプロセスは、本明細書の上記の菓子材料を製造するために使用されてもよい。
【0077】
本発明のさらなる実施形態は、本明細書の上記のプロセスに従って菓子製品を製造するように適合される装置を提供する。国際公開第2005056272号は、複数の細管溝を含む押出製品を製造するための装置を開示している。国際公開第2008044122号は、押出成形物が金型から出ると、その押出成形物を急冷する手段を追加的に含む、関連装置を開示している。これらの装置の両方は、本発明による菓子を製造する際の使用に利用/適合されてもよい。
【0078】
ここで、本発明の特定の実施形態が、添付の図面を参照して例示のみのために記載される。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】図1は、本発明に従って、実施例1および2に記載される実験に使用される装置全体を示す概略図である。
【図2】図2は、液体が充填された細管を提供するように、図1に示される装置と併せて使用され得る装置を示す概略図である。
【図3】図3は、実施例1および2の押出材料に細管を形成するために使用される押出金型の写真である。
【図4】図4は、図1および2に示される装置に、図3に示される押出金型を組み込んだ押出金型の平面図である。
【図5】図5は、実施例1における材料1から形成される4つの細管押出物の写真を示す。写真は、(A)低い空隙率、(B)および(C)高い空隙率ならびに(D)非常に高い空隙率を示す。
【図6】図6は、(A)完全に充填されたココアバター細管を含有する材料2、および(B)空気が充填された細管で形成される材料1から形成される細管押出成形物を含む写真を示す。
【図7】図7は、図1および2に示される押出装置の外部の写真を示し、押出成形物が金型から出る場合に、その押出成形物を冷却するために使用されるエアナイフを示す。
【図8】図8は、本発明に従って、実施例2において製造された空気が充填されているハードキャンディを示す。
【図9】図9は、本発明に従って、実施例2において製造された液体が充填されているハードキャンディを示す。
【図10】図10は、本発明に従って、実施例2において製造された空気が充填されているガムを示す。
【図11】図11は、本発明に従って、実施例2において製造された液体が充填されているガムを示す。
【図12】図12は、本発明に従って、実施例2において製造された固体が充填されているガムを示す。
【図13】図13は、本発明に従って、実施例2において製造された空気が充填されているチョコレートを示す。
【図14】図14は、長手方向断面ではなく、図13に示される空気が充填されているチョコレートを示す。
【図15A】図15Aは、本発明に従って生成される押出成形物の斜視図を示し、その押出成形物は折り畳まれている。
【図15B】図15Bは、「X」で示した線から見た、図15Aに示される押出成形物の断面図を示す。
【図16】図16は、本発明に従って生成される押出成形物の斜視図を示し、複数の押出層が互いに積み重なっている。
【図17】図17は、本発明による菓子製品の実施形態の断面図を示し、その製品は2つの細管を有し、その各々は異なる充填材料を含有する。
【図18】図18は、本発明による菓子製品の実施形態の断面図を示し、その製品は、第1の充填材料を含有する製品の周囲に位置する複数の細管、および第2の充填材料を含有する第2の中心に位置する細管を有する。
【図19】図19は、本発明による菓子製品の実施形態の断面図を示し、その製品は、製品全体にわたって位置する複数の細管を有し、その細管は2つの充填材料のうちの1つを含有する。
【図20】図20は、本発明による菓子製品の実施形態の断面図を示し、4つの細管の別個の群が製品の周囲に生成される。
【発明を実施するための形態】
【0080】
細管を組み込んだ種々の菓子製品を製造するために実験を行った。3つの段階の押出作業を種々の材料を用いて行った。第1段階は、低い空隙率および高い空隙率の両方の形態の細管キャンディ押出物を作製するために、非食品の品質等級の環境において小型の押出機に取り付けられた細管金型を用いるハードキャンディの押出に関する。実験作業の第2段階は、ココアバターが充填された細管の配列を含有する低い空隙率および高い空隙率のキャンディの細管押出成形物を製造するために、第1段階に基づく。第1段階および第2段階を以下の実施例1に記載する。第3段階は第1段階、第2段階に基づき、食品等級環境における食品等級機器を備える作業環境を再現し、以下の実施例2に記載する。
【実施例】
【0081】
(実施例1)
低い空隙率および高い空隙率の両方の値を有する細管を有するキャンディが本発明に従って生成できることを確認するための、小型の押出機に取り付けられた細管金型を用いるキャンディの押出成形に関する第1段階。
【0082】
この研究の間に試験した材料を表1に示す。
【0083】
【表1】

【0084】
材料1および2は大きな固体のブロックとして供給した。押出す前に全ての材料を押しつぶして、1mm〜5mmの範囲の粒径を有する、微細な顆粒状の粉末を得た。材料3は固化したココアバターのタブとして供給し、必要な量を小さな塊のみを含有する微細な粉末に細かく砕き、その後、加熱したココアバターのリザーバに供給した。
【0085】
押出装置は、約12mmのスクリュー直径、および約22.5:1のスクリューL/D比を備える、Betol1軸スクリュー押出機から構成される。この押出機は4つの異なる温度領域を有し(後述するように図1に示したT1〜T4)、その各々は、バンドヒーターに接続されたPID制御器を用いて独立して制御され得る。17個の注入ニードルから構成されるエントレインメントアレイを含む、Mk 3 MCF押出金型を、押出機のエンドプレートに接続した。押出金型から現れる押出成形物を迅速に急冷するために使用される、2つの対向する空気ジェットを、金型出口の上下に配置した。これらのジェットを、6Bargで圧縮空気管にバルブを介して接続した。押出ラインの全体のレイアウトを示す概略図を図1に示し、細管金型の概略図を図2に示す。
【0086】
図1を参照すると、実験に使用される押出装置10の概略図が示される。手短に述べると、この装置は、押出スクリュー14に回転可能に結合された電動機12を備える。このスクリュー14はホッパー16によって一端で供給され、他端は、押出成形物出口20を有する押出金型18に接続される。急冷ジェット22は、生成される押出材料23を冷却するように、金型出口20の方を向いており、それらのジェットは圧縮空気24を用いて供給される。所望の場合、ホッパー16がスクリュー14に結合される装置の領域は、冷却供給26によって冷却され得る。T1〜T3と示された3つのバレル温度領域を有して形成されるバレル28がスクリュー14を取り囲む。その温度領域の各々は制御可能である。バレル28は、制御され得る温度領域T4も有する、供給管29によって金型18に接続される。
【0087】
使用中、ホッパー16は、液体(固体または粒子状固体以外のもの)になる(または液体のまま維持する)ように加熱され得る材料30(溶液中のキャンディなど)で充填される。スクリュー14に材料を通す前に、材料がスクリュー押出機に侵入する正確な温度であることを確保するように、その材料は冷却供給26によって冷却されてもよい。スクリューが回転すると、液体材料は、バレル28の内側でスクリュー14に沿って引き出され、それに応じて、温度領域T1〜T3に隣接する。次いで、材料は供給管29を通り、金型18に侵入する前に、(必要な場合)制御された温度T4によって再度温度領域に隣接する。金型18(図3に示す)は、エントレインメント本体内に位置する多くのニードル(図示せず)を有するので、材料はそのニードル上およびそのニードルの周囲を通過する。材料が押出されているのと同時に、圧縮空気24がニードルを通って進むので、押出成形物は多くの細管を含む。押出成形物23は、金型18から放出されると、急冷ジェット22によって冷却される。バルブ32が圧縮空気の流れを制御し、装置および圧力装置P1およびP2が、そのバルブの前後で圧縮空気24の圧力を制御する。圧縮空気管はまた、金型に侵入する前に空気の温度を制御するように、制御された温度T6を有する。
【0088】
図2を参照すると、図1に示す装置の適応が示される。圧縮空気24がニードルを通って進むのではなく、ニードルが、ココアバターを含有するリザーバ50に接続される。ココアバターが、液体状態を維持するような正確な温度に維持されるように、リザーバ50は加熱される。リザーバ50は、液体の流れを制御するための遮断バルブ54を有する導管52に接続される。導管52は、その導管の温度を維持するトレース熱チューブ56に覆われるので、導管内を移動する間、液体は液体状態のままを維持する。導管52は、多くのニードルを有する金型18の入口に接続されるので、材料が押出されると、細管が周囲に形成され、同時にニードルはココアバターで充填され得る。もちろん、細管は、所望の場合、他の種類の液体材料で充填されてもよい。
【0089】
図3は金型18をより詳細に示す。特に、この図は、金属製の金型18が、一端で、流体材料を押出成形物の細管に注入するための入口チャネル64と流体流通するキャビティ62に結合される複数のニードル60を有することを示す。
【0090】
図4を参照すると、エントレインメント本体70の所定の位置における金型18が示される。溶解された材料72はエントレインメント本体70の開口部74に侵入し、その材料は、金型18のニードル60上およびニードル60の周囲を進む。同時に、空気または液体ココアバターのいずれかが、流体供給管56によって金型入口に侵入する。作動中、溶解された材料は、金型18のニードル60上で、エントレインメント本体70を通して押出される。次いで、充填物のない細管またはココアバターで充填された細管のいずれかを有する押出成形物23(方向78において)を生成するように、空気またはココアバターのいずれかが、同時にニードルを通して注入される。
【0091】
図7は、開口部80を有するエントレインメント本体70を示し、その開口部80を通して押出成形物が生成される。この図はまた、後で押出成形物の冷却を生じるように、装置の上下に配置される2つの急冷ジェット22を示す。
【0092】
使用中、エントレインメントノズルのチップ(注入ニードル)上の溶解された材料の流れにより、各ニードルのチップで生成される少しの低圧の領域が生じた。各ノズルを、エントレインメント本体内の内部チャネルを介して一緒に接続した。次いで、外側の押出金型を室温および大気圧の空気または図2のhの水頭を有する、溶解されたココアバターのリザーバに接続した。金型をココアバターのリザーバに接続する配管およびそのココアバターのリザーバを、液相のココアバターを維持するために外部から加熱した。エントレインメント本体に供給される空気または供給される溶解されたココアバターのいずれを使用するかを切替えるために、遮断バルブのセットを使用した。これを図2に概略的に示す。
【0093】
高い空隙率の材料を生成するために急冷ジェットを使用した。材料の熱挙動を試験するために示差走査熱量測定(DSC)を使用し、それにより、相転移温度に関する情報を得ることができた。
【0094】
材料1は大きな固形ブロックで形成された。そのブロックを機械的に粉砕したので、それは、1mm〜5mmの粒径を有する粒状材料になった。
【0095】
押出成形物の温度プロフィイルは、以下の表2に示すように設定した。
【0096】
【表2】

【0097】
材料1の粒状部分は、押出機のスクリュー速度を40rpmに設定した押出機内に欠乏供給(starve−fed)された。材料2の顆粒は、最初、固相で押出機内に十分に運ばれたが、材料の粘着性のために、一部の軽度の供給領域の詰まりおよび遮断が観察された。これは、押出機のスクリュー上の粉砕材料をポリエチレンロッドで穏やかに押し込むことによって克服された。
【0098】
首尾よい細管押出成形物はこのプロトコルを用いて容易に達成可能であった。材料は十分な溶解強度を有し、もろく、ガラス状の材料になる前に、溶解状態で金型から容易に引き離すことができた。材料のガラス状の状態とは、一対のひとかみのロールでの使用に適切でないことを意味する。なぜなら、このアプローチにおいて材料が受ける圧縮により破砕が生じるからである。従って、材料1由来の細管押出成形物は手で引き出され、細管は4mm未満の平均直径(幅)を有する。
【0099】
材料1由来の低い空隙率のMCFは、急冷ジェットを用いて押出成形物を急冷せずに容易に得られた。これは、図5(A)の写真に示す。使用される急冷ジェットに結合された金型出口からの押出成形物の力のいる手動の引き出しにより、押出された高い空隙率の細管が得られた。最終的な空隙率は、材料が金型から引っ張り出される速度に依存した。材料1から押出成形された高い空隙率の細管の種々の異なる形態を、図5(B)、(C)および(D)に示す。図10(B)および(C)に示したものと同様のそのままの材料の断面の光学分析により、35%〜40%の空隙率が生成したことが明らかになった。図10(D)に示す高い空隙率の材料は、35%〜40%の値を超えた可能性がある。
【0100】
押出実験の第2段階を、35℃〜40℃に加熱したココアバターを用いて材料1で実施した。ココアバターのリザーバのヘッド、hは、最初、8cmに設定し、上記のように押出機内に2つの材料を供給した。最初の概念の証明は成功し、溶解されたココアバターでの細管の部分的な充填を生じた。しかしながら、空気と比べてココアバターの高い粘性のために、ココアバターが押出成形物内に混入され得る速度は遅かったことが観察された。この問題は、リザーバのヘッドを21.5cmに高くすることによって解決されるようである。
【0101】
また、低い空隙率の形態において、ココアバターで充填された細管は、それらの空気で充填された同等物よりいくらか小さい(4mm未満に比べて3mm未満)ようであることもまた、定性的に観察された。溶解されたココアバターを速い速度で供給するのに十分高いココアバターのヘッドにして、高い空隙率のココアバターが充填された細管押出成形物を作製することも可能であった。
【0102】
材料1は、空気が充填された細管またはココアバターが充填された細管のいずれかの高い空隙率および低い空隙率の両方の細管押出成形物に首尾よく形成した。様々な異なる空隙率の薄層を作製すると、高レベルの空隙率が壊れやすいことが観察された。空気が中心にある薄層の高い空隙率の1つの代表的な数字は35%から40%であり、これを超える非常に高い空隙率は、非常に壊れやすい薄層であることが推定される。
【0103】
材料2は、96%のマルチトールシロップ、2%のアラビアガム、2%の水の混合物から生成した。材料2は、押出ラインに供給され得る前に、より小さい顆粒に機械的に破砕することを必要とされる大きなブロックで供給した材料1と同様の方法で作用することを示した。押出実験を始める前に、押出金型を分解し、洗浄し、押出機に温水を供給し、押出機のバレルまたはスクリュー内に残っている全ての材料1を溶解するために洗浄した。押出機から水を除去した後、押出機を、5〜10分間、130℃に加熱して、残っているあらゆる水を蒸発させた。初期のスコーピング実験により、材料2が材料1より高い押出温度を必要とすることが明らかになった。最終的な押出ライン温度プロファイルを以下の表3に示す。
【0104】
【表3】

【0105】
材料1と同様に、材料2は押出機内に欠乏供給された。材料1と同様に、スクリュー速度は40rpmに設定した。材料2は押出すことが容易であり、空気が充填された細管を有する細管押出成形物が、低い空隙率および高い空隙率の形態の両方で生成したことが判明した。材料2は十分な溶解強度、凝固し、凝固の際にもろく、ガラス状になる前に十分な引っ張り特性を示した。再び、ひとかみのロールの使用では、金型から材料を引っ張り、達成される引っ張られる量をコントロールすることができなかった。したがって、手動の引っ張りを材料1と同様の方法で使用した。空運転後に押出ラインを再開することに関して、材料2は材料1と著しく異ならなかったことが判明し、ラインを比較的容易に再開した。細管押出成形物を容易に達成したために、第1段階は比較的すぐに終えて第2段階に進むことが可能であった。
【0106】
第2段階の実験を、35℃〜40℃に加熱したココアバターを用いて材料2で行った。ココアバターのリザーバのヘッド、hは21.5cmに維持した。材料2は、以前の段落で記載したように押出機内に欠乏供給された。完全に充填されたココアバター細管を有する、材料2由来の低い空隙率および高い空隙率の両方の微細管押出成形物の首尾良い押出成形を達成した。材料2のココアバターが充填された細管と材料1の空気が充填された細管とを比較する写真を図6に示す。そのままの高い空隙率の材料2の部分の断面の光学分析により、空隙率が最小で約35%であったことが明らかにされた。この数字は、プロトコルの最適化により容易に高くなり得る可能性がある。
【0107】
材料2についての観測は材料1由来のものと同様である。ココアバター細管または空気が充填された細管のいずれかを有する、低い空隙率および高い空隙率の細管押出成形物を形成した。適度に高い空隙率の押出成形物のそのままの光学分析により、空隙比が約35%であるこが明らかにされたが、実際の数字はより高くなる可能性があると考えられる。製品の空隙率の増加は再び、非常に薄くなる細管壁に起因して製品の脆さの増加を生じるからである。
【0108】
これらの第1段階および第2段階の実験の目的は、種々のキャンディ材料からの細管押出成形物の押出成形に関する概念の証明を提供することであった。これは両方の材料(材料1=40%の糖、および60%のグルコース、ならびに材料2=96%のマルチトールシロップ、2%のアラビアガムおよび2%の水)で成功した。低い空隙率および高い空隙率の細管押出成形物は、空気が充填された細管およびココアバターが充填された細管の両方を有して形成した。空気が充填されたか、またはココアバターが充填されたかに関わらず、典型的に高い空隙率の押出成形物は、約35%〜40%の空隙率を有することが測定された。
【0109】
(実施例2)
第3段階は、実施例1に記載した第1段階、第2段階に基づき、食品等級環境における食品等級機器を備える作業環境を再現した。この食品等級の設定により、空気、液体および固体充填物を有するハードキャンディ、チョコレートおよびチューイングガムを押出成形した。この種々の充填された押出成形物を食品等級環境において製造し、それらの食用特性を調べるために消費した。
【0110】
以下の食用材料をこれらの実験で使用した:チューイングガム(コーティングされていないペパーミント−スペアミントのより高い風味のチューイングガムペレット);ハードキャンディ、ミントキャンディ(Extra Strong Mints(登録商標)、Jakemans(登録商標)Old Favourites)、フルーツキャンディ(Summer Fruits、Jakemans(登録商標)Old Favourites)、チョコレート(ミルクチョコレート(0、1/2、1、2%の水を加えた)、Cadbury(登録商標)Dairy Milk(登録商標)Buttons−溶解されたものを使用した場合、使用しやすくするために2%のPGPRを低い溶解粘度に加えた(1/2%の法的限界を参照))、コンパウンドチョコレート(プレーンベルギーチョコレート、SuperCook(登録商標))、72%の料理用チョコレート、Green & Black’s(登録商標)。これらの実験に使用した液体充填物は以下のものが挙げられる:モノプロピレングリコール(プロパン−1,2−ジオール、BP、EP、USP、Fisher scientific(登録商標)−低粘度、水分ゼロ、低い風味、ならびに経口用にBP、EPおよびUSP等級を選択した)、Golden Syrup(部分的に反転した精製シロップ−Tate&Lyle(登録商標)−高い粘度、食品等級、貯蔵安定性、および甘い風味を選択した)、赤色食品着色料(SuperCook(登録商標)、UK)、青色食品着色料(SuperCook(登録商標)、UK)。最後に、Cadbury Plc.の内部から得たココアバターの固形充填物もまた、これらの実験に使用し、それは室温で固体であり、高温で低粘度を有するために、選択した。
【0111】
Davis−Standard HPE−075 3/4’’24:1の1軸スクリュー押出機をこれらの実験に使用した。この押出機はまた、エアナイフおよびヘッダータンクを備えた。スクリューは、混合または反転部分を有さない、単純な全て前進の構成要素の設計である運搬−圧縮−ポンプであった。モーターは、0〜100rpmのスクリュー回転を生じる3KWのギア付きであった。供給口はカバーを覆い、流れる周囲水を供給して、粘性飼料に関する食品問題を生じるバレルからの熱移動を防止した。バレルは3つの加熱領域を有し、各々に、1KWのヒーターおよび強制的周囲空気冷却器を備えた。標準的な押出機は、バレルゾーンにつきEurotherm 3216コントローラーおよび金型のための1つのスペア(金型コントローラーは、1KWまでのヒーター出力に関してサーモカップル入力装置および標準的な16A 240vソケットに接続した)を有する。
【0112】
購入時に、2つのさらなる金型コントローラー、サーモカップル入力装置およびヒーター出力装置を、充填材料を含有するヘッダータンクおよびそのヘッダータンクを金型に接続する配管の統合制御が可能なように設定した。金型は、長い薄い長方形の主要な金型オリフィスを備える本体を含む部分のアセンブリであり、その金型オリフィスを通る19個の相互接続したノズル(注入ニードルのサイズと同様)も存在する。主要本体を加熱し、ノズルを、周囲空気に開放可能であるか、または加熱され、加圧されたヘッダータンクに接続可能である外側の固定具に取り付けた。ボビン形状のフランジを、押出機の端部フランジに金型アセンブリを取り付けるように構築した。
【0113】
金型を、4×100W 1/4’’カートリッジヒーターで加熱し、Kタイプサーモカップルプローブによりモニターした。最初に、制御および動力配線を押出機に統合されたEurothermに移すまで、特注のエンクロージャ内でEurotherm 3216によりそれらのヒーターを制御した。金型アセンブリを押出機から電源出力に接地した。
【0114】
ヘッダータンクおよびそのヘッダータンクを金型に接続する配管を、特注のエンクロージャ内の単一のアナログコントローラから最初に制御される2つの100Wのリボンヒーターで加熱し、単一の覆いのないKタイプサーモカップルによりモニターした。後で、それらを2つのサーモカップルおよび2つの動力供給源を備える押出機に統合された2つのEurotherm 3216に分離した。ヘッダータンクを電源出力に接地し、一方、配管はプラスチックであり、接地する必要はなかった。
【0115】
圧縮空気、BOC(登録商標)、UKを、8000ガス調節器シリーズで調節し、使用した圧力は0〜10barであった。圧縮空気についての主な使用はエアナイフを供給するためであった。
【0116】
Solent Lubricants、Leicester、UK製のFood Safe High−Tech Grease、およびFood Safe Penetrating Oilを使用した。
【0117】
細管金型を押出機のエンドプレートに接続した。2つの対向するエアナイフを、押出金型から現れる押出成形物を迅速に急冷するために使用し、金型出口の上下に配置した。それらのジェットは、バルブにより、10barの圧力で圧縮空気管に接続した。押出ラインの全体的なレイアウトを示す概略図を図1に示す。
【0118】
使用中、エントレインメントノズル(注入ニードル)のチップ上の溶解した材料の流れにより、低圧の小さな領域が各ニードルチップに形成された。各ノズルを、内部チャネリングにより、エントレインメント本体内で一緒に接続した。次いで、そのノズルを、室温および大気圧で外側の押出金型に、または周囲温度もしくは高い温度および大気圧で液体を含有する、水頭、hのヘッダータンクに接続した。ヘッダータンクおよび金型に接続した配管を非常に高く加熱した。遮断バルブのセットを、エントレインメント本体に供給される空気または供給される溶解したココアバターのいずれかを切替えるために使用した。これを図2に概略的に示す。
【0119】
急冷ジェットを、高い空隙率の材料を生成するために使用した。現れた押出成形物を非常に迅速に急冷し、高い引っ張り力に供される場合、高い空隙率の断面が得られ得ることを以前の研究の間に見出した。ポリマーおよびプロセス条件の調節により、60%まで、場合によっては60%を超える空隙率が生じた。
【0120】
ハードキャンディを押出機に導入する前に予め破砕した。粒径は重要ではなかった。押出機は完全なキャンディまたは粉末を取り込むことを見出した。破砕したキャンディは完全な部分より均一に供給されることを見出した。全てのバレルおよび金型をフルーツキャンディに関して95℃に設定した。ミントキャンディは広範囲の温度を許容し、95℃〜110℃のバレルおよび金型を用いて実施できた。
【0121】
15〜100rpmのスクリュー速度を実験に使用した。製品の差は最小であった(製造速度を除く)。十分に形成した細管を有する連続した完全な透明の薄層は、プロトコルの最適化により製造できた。その薄層は充填され、漏れずに引っ張り出された。製品の形態は、引っ張り速度および冷却インラインの速度で変化することを見出した。冷却せずに急速に引っ張ると、微細な幅および細管を有して、1mm幅に薄層を薄くすることができた。強く冷却して引っ張ると、薄層の空隙率は高くなった。
【0122】
別の試験において、コーティングされていないガムペレットを、押出機内に供給しやすくするために約3mmのサイズに減少させた。これは、フリージングおよびドメスティックフードプロセッサを用いて実施した。58℃の温度のバレルおよび金型により、最も切れ目のない(連続した)製品が得られた。この製品は、ほとんど漏れずに充填されるのに完全な状態であった。完全なガムよりむしろ、ガム基礎剤、特に溶解されたガム基礎剤を用いると、非常に均一な完全な状態を有する薄層が生成されるようである。
【0123】
さらなる試験において、チョコレートを、押出成形物のための材料として使用した。安定な作動条件を得るために、押出機のヒーターおよび冷却ファンを電気的に無効にした。実験室の空調を頼りにして直接的な温度制御は中止した。これらの変更により、押出機のバレルは均一に22℃を示し、穏やかに加熱された溶解したCadbury’s Dairy Milk(登録商標)チョコレートを用いて安定した状態で細管のチョコレートを押出すことは容易であった。
【0124】
ハードキャンディの押出成形物に関して、断面形状を変化させるようにチョコレート押出成形物を引っ張り、0.5mm〜4mmの直径または幅を有する細管を生成することは可能であった。
【0125】
空気充填を、金型におけるノズルに対する簡単な周囲空気ブリードにより達成し、その押出成形物の断面を図8に示す。
【0126】
モノプロピレングリコール充填を、ヘッダータンクに約5cmの深さの液体で、次いで金型より約10cm高くして、室温および大気圧で達成した。必要な場合、着色料をヘッダータンクに直接添加した。
【0127】
Golden Syrup充填を、ハードキャンディに充填するためには78℃に、そしてガムに充填するためには58℃にヘッダータンクおよび配管を加熱することにより達成した。ヘッダータンクの加圧は、シロップの流れを生じさせるために低い温度で必要とされた。再び、必要な場合、着色料をヘッダータンクに直接添加した。
【0128】
図8〜14は実験の第3段階で生成された押出成形物の写真を示す。図8は空気が充填されたハードキャンディを示す。図9は液体が充填されたハードキャンディを示す。図9は空気が充填されたガムを示す。図10は液体が充填されたガムを示す。図11は空気が充填されたチョコレートを示す。図12は図11に示す空気が充填されたチョコレートを示すが、長手方向断面ではない。
【0129】
本発明の菓子製品および方法は、チョコレート、ハードキャンディおよびガムについて示す。第3段階の実験は、同様に使用され得る食品材料の範囲を示す。従って、例えばチューイ、グミまたはゼリーキャンディなどの高温および高圧でも押出可能な、室温で通常、固体であるあらゆる製品が、細管製品に生成され得ることが推定され得る。加温されると、高い伸長粘度を示す製品は、それらの形状およびそれらの外側と内側との比を変えるために引っ張られてもよい。
【0130】
空気、液体および固体充填物が細管押出成形物に導入され、固体充填物が液化され、流動性になり得ることもまた、示される。
【0131】
実施例で製造される細管押出成形物は、多くの方法で菓子に利用されてもよいことは当業者に明らかであろう。例えば、空気が充填された細管を有するチョコレート押出物は、通常のバーと同様のサイズを有するチョコレートバーを製造するために使用され得るが、その中に含有される脂肪および糖分はあまり含まれなくなるので低くなる。あるいは、チョコレート押出成形物は、感覚の満足を高めるように液体チョコレート充填物が充填された細管を有してもよい。さらなる例は、異なる風味の特性を生じるようにダークチョコレート充填物が充填された細管を有するミルクチョコレート押出成形物であり得る。
【0132】
本発明の押出成形物は多くの方法で構成されてもよい。例えば、図15Aおよび15Bは細管102に充填された充填物を有する押出成形物100を示し、その押出成形物は、それ自体が数回折り畳まれている。このような構成は、噛んでいる間の中心充填物の長い放出を可能にする。チョコレートエクレアが、液体が充填された細管を有する噛みくだく充填物を有して生成されてもよく、その噛みくだく充填物は、液体充填物が長い時間にわたって放出されるように数回折り畳まれる。
【0133】
図16は互いの上に積み重ねられた複数の層の押出成形物120を示し、各々の層は、中心充填物を有する複数の細管122を有する。このような構成はまた、噛む菓子に使用されてもよい。
【0134】
図17〜20は、本発明に従って製造できる少量の菓子製品を示す。
【0135】
図17は、円形の断面を有する円筒形の菓子製品200を示す。菓子製品200は、消費されると、刺激された感覚を受けるように発泡系を組み込んでいる。その製品は、通常、第1の細管204および第2の細管206を組み込んでいる押出されたソフトキャンディ材料202から生成される。第1の細管204はクエン酸成分を含むが、第2の細管は重炭酸塩成分を含む。製品が消費されると、噛む動作によりクエン酸成分と重炭酸塩成分とが一緒に混合されて、口の中で発泡するように両方の成分が一緒に反応する。
【0136】
図18は、円形の断面を有する円筒形の菓子製品210を示す。菓子製品210は喉飴であり、通常、押出されたハードキャンディ材料212から生成される。製品の中心の位置において、大きな細管214が提供され、その周囲に、多くの小さくて均一に間隔を空けた細管216が製品の周囲にわたって存在する。大きな細管214は、はちみつおよびメントールなどの喉の無痛化配合成分を含むが、小さい細管216は、去痰薬(例えば塩化アンモニウム)および鼻鬱血除去薬(例えばフェニルプロパノールアミン)を含有する。キャンディ材料はさらに、抗炎症剤などの喉飴に使用される他の成分を含有する。菓子製品が消費されると、ハードキャンディ212はゆっくりと分解し、口および喉の腫れを減少させるのに役立つように抗炎症剤を放出する。キャンディ212が分解されると、小さい細管216の含有物は曝露され、去痰薬および鬱血除去薬が口の中に放出され、粘液を放出し、鼻粘膜の腫れを減少させるのに役立つ。最後に、キャンディ212のさらなる分解により、さらに喉を無痛化するように大きな中心の細管214に含有されている喉の無痛化配合成分が放出される。
【0137】
図19は、円形の断面を有する円筒形の菓子製品220を示す。その菓子製品は、呼気清涼化および歯漂白ガムの組み合わせである。その製品は、押出されたガム材料222から生成され、その内部全体にわたって多くの均一に間隔を空けられた細管を有する。細管は、第1の材料224(影付きの点により図に示す)または第2の材料226(黒色の点により図に示す)のいずれかで充填される。押出されたガム材料は歯漂白成分(例えばケイ酸)を含有し、第1の材料224は呼気清涼化剤(例えばペパーミント油)を組み込み、第2の材料226は冷感剤(例えばN,2,3−トリメチル−2−イソプロパノールブタンアミド(WS−23))を組み込んでいる。菓子材料220を噛むと、ガムの中の歯漂白成分は歯を清浄するのに役立つが、細管の中の呼気清涼化剤および冷感剤は徐々に放出されるので、口の中で冷感および清涼感をもたらす。
【0138】
最後に、図20は、円形の断面を有する円筒形の菓子製品230を示す。多くの細管が4つ一緒になって集まり(各群は影付きの線により示す)、製品の周囲にわたっている。その菓子製品は押出されたチョコレート232から生成される。第1の群の細管234は流体のココアバターを含有し、第2の群の細管236はプラリーヌ充填物を含有する。菓子製品230を消費することにより、チョコレート、ココアバターおよびプラリーヌの異なる風味による、刺激のある食感がもたらされる。ココアバターおよびプラリーヌの両方は、それらがチョコレート内の個々の細管に含まれているので、長い放出特性を有する。
【0139】
上述の実施形態は、特許請求の範囲によって保護される範囲を限定することを意図していない。むしろ、本発明を実施することができる方法としての例を記載しているだけである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
押出された本体部分を含む菓子製品であって、前記本体部分は、その中に配置される複数の細管を有し、1つ以上の前記細管は、前記押出された本体部分とは異なる材料である充填材料で少なくとも部分的に充填され、前記充填材料は活性および/または反応性成分を含み、2つ以上の異なる前記活性/反応性成分が同じまたは異なる前記細管に提供される、菓子製品。
【請求項2】
2つ以上の前記細管は、異なる前記活性/反応性成分で少なくとも部分的に充填される、請求項1に記載の菓子製品。
【請求項3】
前記活性および/または反応性成分は封入されている、請求項1または2に記載の菓子製品。
【請求項4】
前記活性および/または反応性成分は発泡材料を含む、請求項1または2に記載の菓子製品。
【請求項5】
前記充填材料は粒子状材料を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の菓子製品。
【請求項6】
前記充填材料は液体を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の菓子製品。
【請求項7】
前記細管は凝固する液体材料で充填される、請求項1〜6のいずれかに記載の菓子製品。
【請求項8】
前記製品はさらに、前記押出された本体部分を覆うためのコーティング部分を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の菓子製品。
【請求項9】
前記押出された本体部分内の前記細管は、5〜99%の範囲の空隙率を生じる、請求項1〜8のいずれかに記載の菓子製品。
【請求項10】
前記細管は、3mm以下の平均幅または直径を有する、請求項1〜9のいずれかに記載の菓子製品。
【請求項11】
前記細管は、2mm以下の平均直径または幅を有する、請求項1〜10のいずれかに記載の菓子製品。
【請求項12】
前記本体部分は、第1の押出部分および第2の押出部分を含み、各々の部分は、その中に配置される複数の細管を有し、前記第1の部分および前記第2の部分の細管は、
a)不連続であり、および/または
b)連続し、かつ、1つより方向に向きを定められる、
請求項1〜11のいずれかに記載の菓子製品。
【請求項13】
前記各々の部分の細管は、互いに実質的に平行に生成される、請求項12に記載の菓子製品。
【請求項14】
前記第1の部分および前記第2の部分は積み重ねられた構造であるので、前記第1の部分および前記第2の部分の細管は互いに実質的に平行である、請求項12または13に記載の菓子製品。
【請求項15】
前記第1の部分および前記第2の部分は折り畳まれた構造である、請求項12〜14のいずれかに記載の菓子製品。
【請求項16】
前記第1の部分および前記第2の部分は不連続であり、前記細管は互いに対してランダムな配置で向きを定められる、請求項12または15に記載の菓子製品。
【請求項17】
押出された本体部分の中に配置される複数の細管を有する、前記押出された本体部分を含む菓子製品を製造するためのプロセスであって、前記プロセスは、
a)押出可能な菓子材料の中に配置される複数の細管を有する、前記押出可能な菓子材料を押出す工程と、
b)1つ以上の前記細管を、前記押出された本体部分とは異なる材料である充填材料で少なくとも部分的に充填する工程であって、前記充填材料は活性および/または反応性成分を含み、2つ以上の異なる前記活性/反応性成分が同じまたは異なる前記細管に提供される工程と、を含む、菓子製品を製造するためのプロセス。
【請求項18】
c)押出成形物内に配置される複数の細管を有する2つ以上のピースに前記押出成形物を切断し、前記ピースを組み込んでいる菓子製品を生成する工程、または
d)押出成形物を折り畳み、折り畳まれた前記押出成形物を組み込んでいる菓子製品を生成する工程、
から選択される工程をさらに含む、請求項17に記載のプロセス。
【請求項19】
前記充填材料は前記押出す工程の間に堆積される、請求項17または18に記載のプロセス。
【請求項20】
2つ以上の前記細管は、異なる前記活性/反応性成分で少なくとも部分的に充填される、請求項17〜19のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項21】
前記活性および/または反応性成分は封入される、請求項17〜20のいずれか一項に記載の菓子製品。
【請求項22】
前記活性および/または反応性成分は発泡材料を含む、請求項17〜21のいずれか一項に記載の菓子製品。
【請求項23】
前記充填材料は粒子状材料を含む、請求項1〜22のいずれかに記載の菓子製品。
【請求項24】
前記充填材料は液体を含む、請求項17〜23のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項25】
前記充填材料は堆積後に凝固する液体を含む、請求項17〜24のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項26】
前記プロセスはさらに、前記押出す工程の後に押出成形物を急冷する工程を含む、請求項17〜25のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項27】
前記急冷は流体を使用する、請求項26に記載のプロセス。
【請求項28】
前記プロセスはさらに、前記押出す工程の後に押出成形物を伸張する工程を含む、請求項17〜27のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項29】
前記プロセスはさらに、コーティングで前記菓子製品を覆う工程を含む、請求項17〜28のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項30】
前記プロセスは、請求項1〜16のいずれか一項に記載の菓子製品を製造するためである、請求項17〜29のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項31】
請求項17〜30のいずれか一項に記載のプロセスに従って菓子製品を製造するように適合された装置。
【請求項32】
前記プロセスは、請求項1〜16のいずれか一項に記載の菓子材料を製造するためである、請求項17〜30のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項33】
請求項17〜31のいずれか一項に記載のプロセスに従って菓子製品を製造するように適合された装置。
【請求項34】
本明細書に実質的に開示され、添付の図面に参照される菓子製品。
【請求項35】
本明細書に実質的に開示され、添付の図面に参照される菓子製品を製造するためのプロセス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5(A)】
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【図5(B)】
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【図5(C)】
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【図5(D)】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2012−502647(P2012−502647A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−527401(P2011−527401)
【出願日】平成21年9月22日(2009.9.22)
【国際出願番号】PCT/GB2009/002258
【国際公開番号】WO2010/034980
【国際公開日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(500215610)キャドバリー ユーケー リミテッド (6)
【Fターム(参考)】