説明

蒸気を使用する髪の処理方法

【課題】本発明は、髪繊維、特に髪を処理するための新規な方法を提供する。
【解決手段】(i)髪繊維に、5g/分の量で蒸気を適用する工程、(ii)これら髪繊維を50℃より高い温度で成形する工程、を含み、前記蒸気の適用と前記成形とが、連続していない、髪繊維の処理方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、髪繊維、特に髪を処理するための新規な方法に関する。
【背景技術】
【0002】
髪繊維をアイロンで平滑化することは既知である。これらのアイロンにより、ブロー乾燥とは対照的に髪を引っ張ることなく、高温でケラチン繊維の平滑化を得ることが可能である。しかしながら、平滑性に優れた外観を得るためには、アイロンを数回通過させる必要があり、このために髪の処理時間がかなり長くなる。さらにまた、アイロンの反復適用は、アイロンの操作温度のために、髪繊維の損傷を引き起こしうる。
【0003】
髪の処理のために蒸気を使用することも既知であり、この蒸気処理を、様々な髪の美容処理と組み合わせることも可能である。特に、2分未満の時間に亘り、少なくとも75℃の温度での、機械的張力下に固定したケラチン繊維への蒸気の適用を含み、また、前記ケラチン繊維に、例えば、オイル、シリコーン、酸化染料、天然染料、直接染料他を含む特定の化粧品組成物が事前に適用されている、髪の処理方法は、髪のセット(パーマネント処理ではない成形)の分野で既知である。例えば、文献、EP659395、EP659393、EP659396、及びEP659397を挙げてよい。
【0004】
さらにまた、蒸気を送達するアイロンを用いて髪を処理することも既知である。しかしながら、これらのアイロンによって分散される熱が、従来のアイロンによって分散される熱よりも少ないことから、これらのアイロンによって十分な美容効果を得ることは不可能である。特に、分散された蒸気が不揮発性成形化粧品を更に含むような方法を利用する方法を記載した、文献WO2004/002262を挙げてよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】EP659395
【特許文献2】EP659393
【特許文献3】EP659396
【特許文献4】EP659397
【特許文献5】WO2004/002262
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらの方法は、髪繊維の美容特性及び外観特性を改善するものの、長く、且つ、しばしば実行が困難である。さらにまた、得られる美容効果は、洗浄に対して持続性ではない。
【0007】
然るに、本発明の目的は、容易であり、迅速に実行され、且つ少なくとも一度の洗浄に対して持続性である方法により、髪繊維の美容特性及び外観特性の改善を得ることを可能にする、ケラチン繊維の処理のための新規な方法を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、本発明によって達成されるが、その主題は、
(i)髪繊維に、5g/分の量で蒸気を適用する工程、
(ii)これら髪繊維を50℃より高い温度で成形する工程、
を含み、前記蒸気の適用と前記成形とが連続していない、髪繊維の処理方法である。
【0009】
換言すれば、髪繊維の処理済み毛房に対して、蒸気を適用する工程と成形の工程とは、髪繊維の同一部分に同時には行われない。それでもなお、これら二つの工程は、これら二つの工程を連続して行うために構成された同一の装置で実行することが可能である。あるいはまた、二つの別々の装置を使用して、これらの不連続な工程を実行することも可能である。
【0010】
本発明の方法は、特に、髪繊維の美容特性を改善する一方で、その迅速な成形を得ることを可能にする。更にまた、本発明の方法は、少なくとも一度の洗浄に対して持続性であるという美容特性における改善、及び適用の際の使用者の快適性における改善を得ることを可能にする。
【0011】
かくして、本発明の方法により処理された髪繊維は、付加的化粧品有効成分を使用しない場合でさえも、従来技術の方法で得られるものよりも優れた光沢を伴って、改善された平滑性を示す。
【0012】
本発明の内容では、「髪繊維」なる語は、ケラチン繊維、例えば、髪、あるいは、「エクステンション」と呼称される合成繊維を意味することとされ、前記「エクステンション」は、ヒトの髪に様々な手段で、特に、接着によって装着されることを企図しており、これは、例えば、ボリューム、色、または外観を修正することにより、ヒトの自然な髪の外観を変更するために行われる。
【0013】
蒸気の適用は、髪繊維の成形の工程の前または後に行うことができる。特定の実施態様によれば、髪繊維の成形は、これら髪繊維の蒸気での処理の後に行われる。
【0014】
蒸気の適用は、同一の繊維に対して数回繰り返して良い。しかしながら、1回の蒸気の適用の後に非常に優れた美容効果を得ることが可能である。
【0015】
本発明の特定の実施態様によれば、蒸気の量は、1乃至4g/分である。
【0016】
特定の実施態様によれば、髪に適用される蒸気は、1つもしくは複数の化粧品有効成分及び/または成分、例えば、香料、成形もしくはコンディショニング用有効成分等を含む。
【0017】
蒸気の適用は、本発明の方法において使用される量の蒸気を発生させる、それ自体既知の装置を使用して実行することができる。特定の実施態様によれば、この装置は持ち運びができ、換言すると、蒸気の発生を可能にするタンクが、前記装置の、蒸気を分配するためのオリフィスを含む部分に連結している。
【0018】
髪繊維の成形の工程は、前記繊維表面の温度を50℃にすることのできる、当業者には既知のあらゆるタイプの手段で実行することができる。髪繊維のための成形のための手段は、例えば、髪繊維と接触させることができると共に、髪繊維を平滑化し、スタイリングし、またはもつれ解きすることのできる張力を、たとえ弱い張力であっても与えることができる、加熱表面を呈する装置である。
【0019】
本発明の方法の特定の実施態様によれば、成形温度は、90℃より高く、好ましくは90℃乃至230℃、特に150℃乃至200℃である。
【0020】
別の形態によれば、成形工程は、アイロンを使用して行われる。特に、特許、US5957140、US5046516、US7044139、US5223694、及びUS5091629に記載されたフラットアイロンを挙げてよい。
【0021】
髪繊維の成形、特に、平滑化は、数回実行可能であるが、アイロンを1回通過させることで、既に非常に満足のいく結果が得られる。
【0022】
本発明の方法により、特に蒸気の適用が成形の前に行われる場合に、50℃を超える温度での成形の実施の間の繊維への損傷を低減するために、前記繊維に十分に潤いを与えることが可能になる。
【0023】
蒸気の適用が成形後に行われる場合には、この蒸気は、繊維に再加湿して、同様に髪繊維への損傷を低減する。
【0024】
好ましくは、成形工程は、蒸気での処理の後に行われる。
【0025】
特定の実施態様によれば、本発明の方法は、1つもしくは複数の化粧品有効成分を含む組成物を使用する、髪繊維の美容処理工程を更に含む。
【0026】
この美容処理工程は、蒸気の適用の前または後、且つ/または髪繊維の成形の前または後に実行することができる。特に、この美容処理工程が、蒸気の適用と同時には行われないことに留意すべきである。
【0027】
第一の代替形態によれば、本発明の方法は、美容処理工程、これに次ぐ蒸気の適用工程、及び、その後の髪繊維を成形する工程を順に含む。
【0028】
第二の代替形態によれば、本発明の方法は、蒸気の適用工程、これに次ぐ髪繊維を成形する工程、及び、その後の美容処理工程を順に含む。
【0029】
第三の代替形態によれば、本発明の方法は、蒸気の適用工程、これに次ぐ美容処理工程、及び、その後の髪繊維を成形する工程を順に含む。
【0030】
これら二つの代替形態によれば、本発明の方法は、第一の美容処理工程と同一であるかまたは相違する、髪繊維の事後処理または事前処理の第二工程を含んで良い。
【0031】
美容処理工程は、髪繊維のケアの工程であってよく、この後に、リンス、前記繊維を洗浄する工程、(例えば、固定ゲル、成形ムース、ヘアスプレー、またはクリーム形態の洗い流さないコンディショナーを使用する、)形状を成形または制御する工程、パーマネント処理、セミパーマパーマネント処理もしくは一時的染色の工程、還元剤及び任意の固定剤を使用するパーマネント変形工程、あるいは、水酸化ナトリウムまたは炭酸グアニジンを用いるアルカリ性ストレートパーマ処理工程を行っても、行わなくても良い。
【0032】
化粧品有効成分としては、染料前駆体、直接染料、シリコーンもしくは非シリコーン性及び固定もしくは非固定性のポリマー、鉱物、植物、もしくは合成の油、ワックス、還元剤、酸性化剤、UVスクリーン剤、コンディショニング剤、フリーラジカルに対抗するための作用剤、金属イオン封鎖剤もしくは安定化剤、酸化防止剤、防腐剤、酸性化剤、アルカリ剤、香料、揮発性もしくは不揮発性のシリコーン、反応性もしくは化学的に不活性のポリマー、顔料、固形の有機もしくは無機の粒子、増粘剤、ビタミン、植物抽出物、浸透促進剤、または繊維を膨潤させる作用剤を挙げてよい。
【0033】
例としては、特に、1つもしくは複数のカチオン性単位を含み、1つもしくは複数の脂肪鎖を有する、非着色性の非ポリマー性カチオン性化粧品作用剤を挙げてよい。
【0034】
非着色性とは、その構造中に、可視領域中に最大吸収を示す発色団を有しないことを意味する。
【0035】
脂肪鎖とは、本発明における意味では、少なくとも8の炭素原子、好ましくは8乃至30の炭素原子を含む、あらゆる炭化水素鎖を意味する。
【0036】
以上に定義されるカチオン性化粧品作用剤は、第一級、第二級、第三級、及び第四級の、脂肪族または環状アミン基から選択して良い。このアミン基は、好ましくは第四級である。
【0037】
しかるに、本発明によって使用されるカチオン性化粧品作用剤は、一般的に、カチオン性界面活性剤から選択される。
【0038】
例として、任意にポリアルコキシル化された、第一級、第二級、または第三級の脂肪アミン塩;電荷が環に含まれず、且つエステル官能基を持たない、第四級アンモニウム塩;第四級イミダゾリン誘導体;第四級ジアンモニウム塩;1つもしくは複数のエステル官能基を有する第四級アンモニウム塩;及び/またはこれらの混合物を挙げてよい。
【0039】
電荷が環に含まれず、且つエステル官能基を持たない、第四級アンモニウム塩は、例えば、
− 以下の一般式(I):
【化1】

[式中、
R1乃至R4は、同一であっても相違しても良く、1乃至30の炭素原子を含む、直鎖状もしくは分枝状の脂肪族基、あるいは、芳香族基、例えば、C6-C30アリールまたはアルキル(C1-C6)アリール(C6-C30)を表す。脂肪族基は、ヘテロ原子、例えば、特に酸素、窒素、硫黄、及びハロゲンを含んで良い。脂肪族基は、例えば、アルキル、アルコキシ、ポリオキシアルキレン(C2-C6)、アルキルアミド、アルキル(C12-C22)アミドアルキル(C2-C6)、アルキル(C12-C22)アセテート、及び、およそ1乃至30の炭素原子を含むヒドロキシアルキル基から選択され;Xは、ハライド、ホスフェート、アセテート、ラクテート、アルキル(C1-C6)スルフェート、アルキル(C1-C6)-もしくはアルキル(C1-C6)アリール(C6-C30)-スルホネートからなる群より選択されるアニオンである。好ましくは、R1及びR2は、C1-C4アルキルまたはC1-C4ヒドロキシアルキルを示す]
を有するもの;
− イミダゾリンの第四級アンモニウム塩、例えば、下式(II):
【化2】

[式中、
R6は、8乃至30の炭素原子を含むアルケニルもしくはアルキル基を表し、R7は、C1-C6アルキルもしくはC1-C6ヒドロキシアルキル基を表し、X-は、ハライド、ホスフェート、アセテート、ラクテート、アルキル(C1-C6)スルフェート、アルキル(C1-C6)-もしくはアルキル(C1-C6)アリール(C6-C30)-スルホネートからなる群より選択されるアニオンであり、xは、0乃至100、好ましくは0乃至20の整数を示す]
のもの(式(II)の化合物としては、Quaternium-56を挙げてよい);
− 式(III):
【化3】

[式中、
R9は、およそ16乃至30の炭素原子を含む脂肪族基を示し、R10、R11、R12、R13、及びR14は、同一であるかまたは相違し、水素原子、または1乃至4の炭素原子を含むアルキル基から選択され、X-は、ハライド、アセテート、ホスフェート、ニトレート、及びメチルスルフェートからなる群から選択されるアニオンである]
の第四級ジアンモニウム塩(本発明に好適な式(III)の第四級ジアンモニウム塩には、特に、プロパンタロウ-ジアンモニウムクロライドが含まれる);
− 少なくとも1つのエステル官能基を含む第四級アンモニウム塩、例えば、下式(IV):
【化4】

[式中、
・R15は、C1-C6アルキル基及びC1-C6ヒドロキシアルキルもしくはジヒドロキシアルキル基から選択され、
・R16は、
− 下式:
【化5】

の基、
− 直鎖状もしくは分枝状の、飽和もしくは不飽和のC1-C22炭化水素基R20、
− 水素原子、
から選択され、
・R18は、
− 下式:
【化6】

の基、
− 直鎖状もしくは分枝状の、飽和もしくは不飽和のC1-C6炭化水素基R22、
− 水素原子、
から選択され、
・R17、R19、及びR21は、同一であるかまたは相違して、直鎖状もしくは分枝状の、飽和もしくは不飽和のC7-C21炭化水素基から選択され、
・n、p、及びrは、同一であるかまたは相違して、2乃至6の整数であり、
・yは、1乃至10の整数であり、
・x及びzは、同一であるかまたは相違して、0乃至10の整数であり、
・X-は、単純もしくは錯体の、有機もしくは無機のアニオンである]
のものである。
【0040】
アルキル基R15は、直鎖状または分枝状であってよく、特に直鎖状であってよい。
好ましくは、R15は、メチル、エチル、ヒドロキシエチル、またはジヒドロキシプロピル基、特に、メチルまたはエチル基を示す。
有利には、x+y+zの合計が、1乃至10である。
【0041】
R16が、炭化水素基R20である場合、これは長鎖であって良く、12乃至22の炭素原子を有して良く、あるいはまた、短鎖であって良く、1乃至3の炭素原子を有して良い。
R18が、炭化水素鎖R22である場合、これは、好ましくは1乃至3の炭素原子を有する。
好ましくは、x及びzは、同一であるかまたは相違して、0または1である。
有利には、yは1である。
好ましくは、n、p、及びrは、同一であるかまたは相違して、2または3であり、とりわけ2である。
【0042】
アニオンは、好ましくは、ハライド(クロライド、ブロマイド、またはヨーダイド)またはアルキルスルフェート、特にメチルスルフェートである。しかしながら、メタンスルホネート、ホスフェート、ニトレート、トシレート、有機酸から誘導されるアニオン、例えば、アセテートまたはラクテート、あるいはエステル官能性アンモニウムと適合性であるあらゆる別のアニオンを使用することが可能である。
アニオンX-は、とりわけ、クロライドまたはメチルスルフェートである。
有利には、炭化水素基は、直鎖状である。
【0043】
式(I)の第四級アンモニウム塩の中で好ましいものは、一方では、テトラアルキルアンモニウムクロライド、例えば、そのアルキル基がおよそ12乃至22の炭素原子を含むアルキルトリメチルアンモニウムクロライド、特にベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、及びベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロライドであり、他方では、パルミチルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドであり、あるいは、Van Dyk社により「Ceraphyl 70」の名称で市販のステアラミドプロピルジメチル(ミリスチルアセテート)アンモニウムクロライドである。
【0044】
特許、US-A-4874554に記載の、少なくとも1つのエステル官能を含むアンモニウム塩もまた、使用して良い。
【0045】
本発明に好適な式(IV)の第四級アンモニウム塩には、特に、Stepan社によりStepanquat GA 90の名称で市販のジパルミトイルエチルヒドロキシエチルアンモニウムメトスルフェートが含まれる。
【0046】
本発明による組成物中に使用可能な、好ましいカチオン性分子は、式(I)の化合物または式(IV)の化合物である。
好ましいものは、セチルトリメチルアンモニウムクロライドである。
【0047】
以上に説明されるように、カチオン性分子はまた、カチオン性タンパク質から選択して良い。
【0048】
カチオン性化粧品作用剤は、有利には、組成物全質量の0.1乃至10質量%を占めるが、このカチオン性化粧品作用剤が、脂肪鎖を1つのみ含むテトラアルキルアンモニウム塩である場合は、これが組成物全質量に対して1質量%以上の濃度で存在することを条件とする。好ましくは、本発明において使用されるカチオン性化粧品作用剤は、その性質に関わらず、組成物全質量に対して1乃至10質量%を占め、好ましくは1乃至5質量%を占める。
【0049】
特段の実施態様によれば、カチオン性化粧品作用剤が二つの脂肪鎖を含む場合、これらはアミド官能を全く含まない。
【0050】
例として、本発明の方法において有用な化粧品作用剤としては、糖またはシリコーンから誘導されたものでなく、1.5meq/gのカチオン電荷密度を有する、非着色性のカチオン性ポリマーを挙げてよい。
【0051】
電荷密度は、Kjeldahl法に従って測定して良い。これは、一般的に、3乃至9のオーダーのpHにて測定される。
【0052】
本発明において使用されるカチオン性ポリマーは、好ましくは、10meq/g未満のカチオン電荷密度を有する。
カチオン性ポリマーとは、カチオン性基及び/またはイオン化されてカチオン性基になりうる基を含む、あらゆるポリマーである。
【0053】
非着色性とは、その構造中に、可視領域中に最大吸収を示す発色団を有しないことを意味する。
【0054】
糖またはシリコーンから誘導されたものでない、とは、その構造中に、糖単位(単糖、オリゴ糖、または多糖)あるいは1つもしくは複数のケイ素原子を含む単位を含まないことを意味する。
【0055】
本発明によって使用することのできるカチオン性ポリマーは、洗浄組成物で処理した髪の美容特性を向上させるために、それ自体が既知である全てのものから選択して良く、これらは、特に、特許出願EP-A-0337354及び仏国特許出願FR-A-2270846、2383660、2598611、2470596、及び2519863に記載されている。
【0056】
好ましいカチオン性ポリマーは、主要ポリマー鎖の一部を形成しても、あるいは前記鎖に直接結合した置換側鎖によって担持されても良い、第一級、第二級、第三級、及び/または第四級アミン基を含む単位を含むものから選択される。
【0057】
使用されるカチオン性ポリマーは、105より大きい、好ましくは106より大きい、更に好ましくは106乃至108の重量平均分子量を有する。
カチオン性ポリマーは、好ましくはポリウレタンではない。
本発明により使用することのできるカチオン性ポリマーには、とりわけ、ポリアミン、ポリアミノアミド、及びポリ四級化アンモニウムタイプのポリマーが含まれる。これらは既知の製品である。
【0058】
本発明の組成物中に使用することのできるポリアミン、ポリアミノアミド、及びポリ四級化アンモニウムタイプのポリマーは、仏国特許2505348及び2542997に記載のものである。これらのポリマーには、以下のものが含まれる。
(1)アクリルもしくはメタクリルエステルもしくはアミドから誘導され、且つ下式:
【化7】

[式中、
R1及びR2は、同一であるかまたは相違し、水素原子、または1乃至6の炭素原子を有するアルキル基、好ましくは、メチルまたはエチル基を表し;
R3は、その存在毎に同一であるかまたは相違し、水素原子またはCH3基を示し;
記号Aは、同一であるかまたは相違し、1乃至6の炭素原子、好ましくは2または3の炭素原子を含む直鎖状または分枝状のアルキル基、あるいは1乃至4の炭素原子を含むヒドロキシアルキル基を表し;
R4、R5、及びR6は、同一であるかまたは相違し、1乃至18の炭素原子を有するアルキル基またはベンジル基、好ましくは1乃至6の炭素原子を有するアルキル基を表し;
Xは、有機または無機の酸から誘導されるアニオン、例えば、メトスルフェートアニオン、またはハライド、例えば、クロライドまたはブロマイドを示す]
の少なくとも1つの単位を含むホモポリマーまたはコポリマー。
【0059】
(1)群のコポリマーは、その窒素原子において、低級(C1-C4)アルキル基で、アクリルもしくはメタクリル酸から、またはこれらのエステルから、ビニルラクタム、例えばビニルピロリドンもしくはビニルカプロラクタムから、あるいはビニルエステルから誘導される基で置換された、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミド、及びメタクリルアミドの群から選択可能なコモノマーから誘導される、1つもしくは複数の単位を更に含んで良い。
【0060】
このように、(1)群のこれらコポリマーには、以下のものが含まれる。
− ジメチルスルフェートまたはジメチルハライドで四級化されたジメチルアミノエチルメタクリレートとアクリルアミドとのコポリマー、
− アクリルアミドとメタクリルロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライドとのコポリマーであって、例えば、特許出願EP-A-080976に記載のもの、
− アクリルアミドとメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメトスルフェートとのコポリマー、
− 四級化もしくは非四級化ビニルピロリドン/ジアルキルアミノアルキルアクリレートもしくはメタクリレートコポリマー。
これらのポリマーは仏国特許2077143及び2393573に詳細に記載されている。
− ジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドンターポリマー、
− ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピルジメチルアミンコポリマー、
− ビニルピロリドン/四級化ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドコポリマー、及び
− メタクリロイルオキシアルキル(C1-C4)トリアルキル(C1-C4)アンモニウム塩の架橋ポリマー、例えば、塩化メチルで四級化されたジメチルアミノエチルメタクリレートの単独重合によって、あるいは、アクリルアミドと塩化メチルで四級化されたジメチルアミノエチルメタクリレートとの共重合によって得られるポリマーであって、単独重合または共重合の後に、オレフィン性不飽和化合物、特に、メチレンビスアクリルアミドで架橋されたもの。特に、鉱物油中に50質量%の架橋アクリルアミド/メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド(質量比20/80)コポリマーを含む分散物の形態で、前記コポリマーを使用して良い。この分散物は、CibaよりSalcare(登録商標)SC 92の名称で市販されている。鉱物油中または液体エステル中におよそ50質量%のホモポリマーをを含む、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライドの架橋ホモポリマーを使用して良い。これらの分散物は、CibaよりSalcare(登録商標)SC 95及びSalcare(登録商標)SC 96の名称で市販されている。
【0061】
(2)ピペラジニル単位と、直鎖状または分枝状鎖を含み、酸素、硫黄、もしくは窒素原子によって、または芳香族もしくは複素環によって任意に介入された、二価のアルキレンまたはヒドロキシアルキレン基とを含むポリマー並びに、これらポリマーの酸化及び/または四級化生成物。こうした種類のポリマーは、仏国特許2162025及び2280361に記載されている。
【0062】
(3)特に、酸性化合物と、ポリアミンとの重縮合によって調製される水溶性ポリアミノアミド;これらのポリアミノアミドは、エピハロヒドリン、ジエポキシド、二無水物、不飽和二無水物、ビス不飽和誘導体、ビスハロヒドリン、ビスアゼチジニウム、ビスハロアシルジアミン、ビスアルキルハライドと架橋して良く、あるいはまた、ビスハロヒドリン、ビスアゼチジニウム、ビスハロアシルジアミン、ビスアルキルハライド、エピハロヒドリン、ジエポキシド、またはビス不飽和誘導体に対して反応性である二官能性化合物の反応から生成するオリゴマーで架橋して良く;架橋剤は、ポリアミノアミドのアミン基1つ当たり0.025乃至0.35molの割合で使用され;これらのポリアミノアミドはアルキル化されてもよく、あるいは、1つもしくは複数の第四級アミン基を含む場合には、四級化されてもよい。こうした種類のポリマーは、仏国特許2252840及び2368508に記載されている。
【0063】
(4)ポリアルキレン-ポリアミンとポリカルボン酸との縮合に次ぐ、二官能基でのアルキル化により生じるポリアミノアミド。例えば、そのアルキル基が1乃至4の炭素原子を含み、好ましくは、メチル、エチル、またはプロピル基を示し、そのアルキレン基が1乃至4の炭素原子を含み、好ましくは、エチレン基を示す、アジピン酸/ジアルキルアミノヒドロキシアルキル-ジアルキレン-トリアミンポリマーを挙げてよい。こうした種類のポリマーは、仏国特許1583363に記載されている。これらの誘導体の中では、特に、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンポリマーを挙げてよい。
【0064】
(5)2つの第一級アミン基及び少なくとも1つの第二級アミン基を含むポリアルキレンポリアミンと、ジグリコール酸及び3乃至8の炭素原子を有する飽和脂肪族ジカルボン酸から選択されるジカルボン酸と反応させることにより得られるポリマー。ポリアルキレンポリアミンとジカルボン酸とのモル比は、0.8:1乃至1.4:1であり、得られるポリアミノアミドは、エピクロロヒドリンと、ポリアミノアミドの第二級アミン基に対するエピクロロヒドリンのモル比を0.5:1乃至0.8:1として反応する。こうした種類のポリマーは、米国特許3227615及び2961347に記載されている。
【0065】
(6)アルキルジアリルアミンまたはジアルキルジアリルアンモニウムシクロポリマー、例えば、鎖の主要成分として下式(Ia)または(Ib):
【化8】

[式中、
k及びtは、0または1であり、k+tは、1に等しく;R12は、水素原子またはメチル基を示し、R10及びR11は、互いに独立して、1乃至6の炭素原子を有するアルキル基、そのアルキル基が好ましくは1乃至5の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、低級(C1-C4)アミドアルキル基を示すか、あるいは、R10及びR11は、これらの結合する窒素原子と共に複素環基、例えば、ピペリジニルまたはモルホリニルを示して良く;Y-は、ブロマイド、クロライド、アセテート、ボレート、シトレート、タルトレート、ビスルフェート、ビスルファイト、スルフェート、またはホスフェート等のアニオンである]
のいずれかに適合する単位を含むホモポリマーまたはコポリマー。これらのポリマーは、特に、仏国特許2080759及びその追加特許2190406に記載されている。
R10及びR11は、互いに独立に、好ましくは、1乃至4の炭素原子を有するアルキル基を示す。
【0066】
以上に定義されるポリマーの中では、特に、ポリメチルジアリルアンモニウムホモポリマー、特に、NalcoよりMerquat(登録商標)100の名称で市販のジメチルジアリルアンモニウムクロライド(及びその低分子量同族体)、Merquat(登録商標)550の名称で市販の、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドとアクリルアミドとのコポリマー、及びNalcoよりMerquat(登録商標)295の名称で市販のジアリルジメチルアンモニウムとアクリル酸とのコポリマーを挙げてよい。
【0067】
(7)第四級ジアンモニウムポリマー、例えば、下式(II):
【化9】

[式中、
R13、R14、R15、及びR16は、同一または相違し、1乃至20の炭素原子を含む脂肪族、脂環族、またはアリール脂肪族基を表すか、あるいはまた、R13、R14、R15、及びR16は、共にまたは別々に、その結合する窒素原子と共に、任意に窒素以外の第二のヘテロ原子を含む複素環を構成しているか、あるいはまた、R13、R14、R15、及びR16は、ニトリル、エステル、アシル、アミド、または-CO-O-R17-Eまたは-CO-NH-R17-E基(式中、R17はアルキレン基であり、Eは第四級アンモニウム基である)によって置換された、直鎖状または分枝状のC1-C6アルキル基を表す]
に適合する反復単位を含むもの。
【0068】
A1及びB1は、2乃至2の炭素原子を含むポリメチレン基を表し、これは、直鎖状または分枝状の飽和または不飽和のものであってよく、且つ、主鎖に結合しているかまたは挿入されていてよい、1つもしくは複数の芳香環、または1つもしくは複数の酸素または硫黄原子またはスルホキシド、スルホン、ジスルフィド、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、第四級アンモニウム、ウレイド、アミド、またはエステル基を含んで良く、
X-は、有機酸または無機酸から誘導されるアニオン、例えば、アセテート、ボレート、シトレート、タルトレート、ビスルフェート、ビスルファイト、スルフェート、ホスフェート、メトスルフェート、またはハライド、例えばクロライドもしくはブロマイドであり、
A1、R13、及びR15は、これらの結合する窒素原子と共に、ピペリジン環を形成して良く、更には、A1が飽和または不飽和の、直鎖状または分枝状のアルキレンまたはヒドロキシアルキレン基を示す場合は、B1もまた、-(CH2)n-CO-E’-OC-(CH2)n-基を示し、式中、E’は、
a)式-O-Z-O-のグリコール残基(式中、Zは、直鎖状または分枝状の炭化水素基、または下式:
-(CH2-CH2-O)x-CH2-CH2-
-[CH2-CH(CH3)-O]y-CH2-CH(CH3)-
(式中、x及びyは、1乃至4の整数を示し、1つの規定の重合度を表すか、または、1乃至4のあらゆる数を示し、平均重合度を表す)
の1つに適合する基を示す);
b)ビス-第二級ジアミン残基、例えば、ピペラジン誘導体;
c)式-NH-Y-NH-(式中、Yは、直鎖状または分枝状の炭化水素基、あるいは二価の基-CH2-CH2-S-S-CH2-CH2-を示す)のビス-第一級ジアミン残基;
d)式-NH-CO-NH-のウレイレン基;
を示す。
【0069】
このタイプのポリマーは、特に、仏国特許、2320330、2270846、2316271、2336434、及び2413907、及び米国特許2273780、2375853、2388614、2454547、3206462、2261002、2271378、3874870、4001432、3929990、3966904、4005193、4025617、4025627、4025653、4026945、及び4027020に記載されている。
【0070】
特に、下式:
【化10】

[式中、
R13、R14、R15、及びR16は、同一または相違し、1乃至4の炭素原子を有するアルキルまたはヒドロキシアルキル基を示し、n及びpは、2乃至およそ20の範囲の整数であり、X-は、以上に定義される通り、有機酸または無機酸から誘導されるアニオンである]
に適合する反復単位を含むポリマーを使用して良い。
【0071】
式(III)の特に好ましい化合物は、R13、R14、R15、及びR16は、メチル基を表し、n=3、p=6、及びX=Clであるものであり、これは、INCI(CTFA)命名法により塩化ヘキサジメトリンと呼称される。
【0072】
(8)下式(IV):
【化11】

[式中、
R18、R19、R20、及びR21は、同一または相違して、水素原子、またはメチル、エチル、プロピル、β-ヒドロキシエチル、β-ヒドロキシプロピル、または-CH2CH2(OCH2CH2)pOH基を表し、式中、pは0または1乃至6の整数であり、R18、R19、R20、及びR21が同時に水素原子を表さないことを条件とし、
r及びsは、同一または相違して、1乃至6の整数であり、
qは、0または1乃至34の整数であり、
X-は、アニオン、例えばハライドを示し、
Aは、ジハライドの基を示し、好ましくは、-CH2-CH2-O-CH2-CH2-を表す]
の単位を含むポリ四級化アンモニウムポリマー。
このタイプの化合物は、特に特許出願EP-A-122324に記載されている。
【0073】
(9)ビニルピロリドンとビニルイミダゾールとの第四級ポリマー、例えば、BASF社により、Luviquat(登録商標)FC 905、FC 550、及びFC 370の名称で市販の製品。
【0074】
本発明に照らして使用可能な別のカチオン性ポリマーは、ポリアルキレンイミン、特に、ポリエチレンイミン、ビニルピリジンもしくはビニルピリジニウム単位を含むポリマー、ポリアミンとエピクロロヒドリンとの縮合物、並びに第四級ポリウレイレンである。
【0075】
好ましい変形によれば、本発明により使用可能なカチオン性ポリマーは、第四級アミン基を含む単位の存在に対応する、永久カチオン電荷を有する。
本発明のカチオン性ポリマーは、好ましくは、ジアルキルジアリルアンモニウムシクロポリマー及び式(II)の第四級化ジアンモニウムポリマーから選択される。
カチオン性ポリマーは、有利には、組成物全質量の0.1乃至10質量%、更には0.2乃至8質量%を占める。
【0076】
美容処理工程は、増粘もしくは非増粘ローション、クリーム、またはゲルの形態、あるいはあらゆる別の適当な形態の組成物から出発して実行して良い。
【0077】
使用される組成物は、一般的に、化粧品組成物中に通常使用される成分、例えば、溶媒、界面活性剤、増粘剤、防腐剤、香料、またはこのタイプの組成物に使用される別のあらゆる添加剤を含んで良い水性組成物である。
【0078】
特定の実施態様によれば、本発明の方法は、成形の付加的最終工程、例えば、平滑化工程を、特にその前の工程が美容処理工程である場合には含んで良い。
以下の実施例は、幾つかの髪の美容のための応用に使用される本発明の方法を詳説する。
【実施例】
【0079】
(実施例1)
髪の毛房を洗って絞る。次に、この髪を、およそ80%の乾燥が得られるまで予備乾燥させる。
これらの予備乾燥させた毛房に、3g/分のオーダーで蒸気を適用し、この蒸気の適用に次いで、少なくとも100℃に加熱したアイロンを用いて、成形/平滑化の工程を実施する。この処理は、毛房一つ毎に、頭髪全体に亘って実施する。
次いで、色調5.64(Majirouge領域の赤銅色を帯びた明るい栗茶)のパーマネント酸化染料を適用し、その操作は、髪繊維への、1つもしくは複数の酸化ベースとパーマネント染色の分野において周知の1つもしくは複数のカップラーとを、酸性化剤(過酸化水素)の存在下で適用することである。
同時に、上記試験を再度行うが、その前の条件下での蒸気適用の工程または成形の工程は実施しない一方で、従来の加熱アイロンを用いる平滑化を実行する。
蒸気を用いて処理された髪が、従来の加熱アイロンのみで処理された髪よりも光沢があり、且つ、より平滑であることが観察される。
【0080】
(実施例2)
チオグリコール酸塩を含む還元性クリームを、洗って絞った髪の毛房に、ブラシを用いて適用する。設定時間後、毛房を再度リンスし、その後絞って、ヘアドライヤーを使用して80%にまで予備乾燥させる。
これらの予備乾燥させた繊維に、以上に定義される条件下で蒸気を適用し、この蒸気の適用に次いで、少なくとも100℃に加熱したアイロンを用いて、成形/平滑化の工程を実施する。この処理は、毛房一つ毎に、頭髪全体に亘って実施する。
その後、固定剤を、頭髪全体に適用する。設定時間後に、毛房をリンスし、絞り、更に乾燥させる。
同時に、上記試験を再度行うが、その前の条件下での蒸気適用の工程または成形の工程は実施しない一方で、従来の加熱アイロンを用いる平滑化を実行する。
蒸気を用いて処理された髪が、従来の加熱アイロンのみで処理された髪よりも光沢があり、且つ、手触り及び外観が平滑であることが観察される。この髪には、更に、本発明の方法により、著しく優れたストレート化が得られる。
数回のシャンプー処理の後、本発明の方法で得られた平滑化効果であれば、持続することが判る。
【0081】
(実施例3)
シリコーン及びカチオン性界面活性剤を含む、洗い流さないケア製品である、Kerastase製のケア製品、「Ciment thermique」を、洗って絞った髪の毛房に適用する。その後、この毛房を、およそ80%の乾燥が得られるまで予備乾燥させる。
これらの予備乾燥させた毛房に、以上に定義される条件下で蒸気を適用し、この蒸気の適用に次いで、少なくとも100℃に加熱したアイロンを用いて、成形/平滑化の工程を実施する。
同時に、上記試験を再度行うが、その前の条件下での蒸気適用の工程または成形の工程は実施しない一方で、従来の加熱アイロンを用いる平滑化を実行する。
本発明の方法によって処理された髪は、より光沢に優れ、且つ、手触り及び外観がより平滑であることが観察される。この髪には、著しく優れた平滑化が得られる。
数回のシャンプー処理の後、本発明の方法で得られた平滑化効果であれば、持続することが判る。
【0082】
(実施例4)
Elseveブランドのコンディショナー、「Nutriceramide」を、洗って絞った髪の毛房に適用する。設定時間後、毛房をリンスし、絞って、およそ80%の乾燥が得られるまで予備乾燥させる。
これらの予備乾燥させた毛房に、以上に定義される条件下で蒸気を適用し、この蒸気の適用に次いで、少なくとも100℃に加熱したアイロンを用いて、成形/平滑化の工程を実施する。
同時に、上記試験を再度行うが、その前の条件下での蒸気適用の工程または成形の工程は実施しない一方で、従来の加熱アイロンを用いる平滑化を実行する。
本発明の方法によって処理された髪は、より光沢に優れ、且つ、手触り及び外観がより平滑であることが観察される。この髪には、著しく優れた平滑化が得られる。
数回のシャンプー処理の後、本発明の方法で得られた平滑化効果であれば、持続することが判る。
【0083】
(実施例5)
髪の毛房を洗って絞る。次に、この髪を、およそ80%の乾燥が得られるまで予備乾燥させる。
これらの予備乾燥させた毛房に、本発明において定義される条件下で蒸気を適用し、この蒸気の適用に次いで、少なくとも100℃に加熱したアイロンを用いて、成形/平滑化の工程を実施する。この処理は、毛房一つ毎に、頭髪全体に亘って実施する。
同時に、上記試験を再度行うが、蒸気適用の工程は実施しない一方で、従来の加熱アイロンを用いる平滑化を、蒸気を適用せずに実行する。
蒸気で処理された髪は、従来の加熱アイロンのみで処理された髪よりも光沢に優れ、且つ、より平滑であることが観察される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程:
髪繊維に、5g/分の量で蒸気を適用する工程、
これら髪繊維を50℃より高い温度で成形する工程、
を含み、
前記蒸気の適用と前記成形とが、連続していない、髪繊維の処理方法。
【請求項2】
使用される蒸気の量が、1乃至4g/分である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
成形温度が、90℃より高く、好ましくは90乃至230℃である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
成形が、アイロンを使用して行われる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
平滑化が、髪繊維の処理済み毛房毎に1回の通過で行われる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
処理済み毛房毎に一回の蒸気適用を含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
蒸気が、1つもしくは複数の化粧品有効成分及び/または成分を含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
成形が、蒸気の適用工程の後に行われる、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
1つもしくは複数の化粧品有効成分を含む組成物を使用する、髪繊維の美容処理工程を更に含む、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
美容処理工程、これに次ぐ蒸気の適用工程、及び、その後の髪繊維を成形する工程を順に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
蒸気の適用工程、これに次ぐ髪繊維を成形する工程、及び、その後の美容処理工程を順に含む、請求項9に記載の工程。
【請求項12】
蒸気の適用工程、これに次ぐ美容処理工程、及び、その後の髪繊維を成形する工程を順に含む、請求項9に記載の工程。
【請求項13】
美容処理工程が、髪繊維のケア工程、これら繊維の洗浄工程、成形の工程、パーマネント処理、セミパーマパーマネント処理もしくは一時的染色の工程、還元剤及び任意の固定剤を使用するパーマネント変形工程、並びに水酸化ナトリウムまたは炭酸グアニジンを用いるアルカリ性ストレートパーマ処理工程から選択される、請求項9に記載の方法。

【公開番号】特開2010−241812(P2010−241812A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−85876(P2010−85876)
【出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】