説明

蒸気滅菌器

【課題】チャンバー内に収容した被滅菌物を高圧下にて高温蒸気により滅菌処理する場合
、滅菌工程後に行う乾燥工程において、チャンバーを加熱するようにバンド状の電気ヒー
タをチャンバーの外面に設けたものがあるが、乾燥工程が終了した後は、チャンバー内を
冷却するために外気を取り入れ、チャンバー内が安全な温度に低下したとき、チャンバー
前面の蓋を開くことができるようになっている。このため、チャンバー内が安全な温度に
低下するまで、かなりの時間がかかり、複数回連続して滅菌処理を行なう場合は効率が悪
い。本発明は、この点の改良に係る。
【解決手段】従来のバンド状の電気ヒータに替わり、冷凍装置の熱交換器をチャンバーに
設け、乾燥工程では、この熱交換器によってチャンバーを加熱し、乾燥工程が終了した後
のチャンバー内の冷却時には、この熱交換器によってチャンバーを冷却するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として病院等に設置して医療用器具等の被滅菌物を高温蒸気下で滅菌する
蒸気滅菌器に関し、特にチャンバー内の加熱・冷却に冷凍装置を採用した技術に関する。
【背景技術】
【0002】
蒸気滅菌器において、チャンバー内の水をチャンバー内底部に配置した電気ヒータで加
熱蒸発させ、チャンバー内に収容した医療用器具等の被滅菌物を高圧下にて高温蒸気によ
り滅菌処理する場合、滅菌工程後に行う乾燥工程において、チャンバーを加熱するように
、バンド状の電気ヒータをチャンバーの外面に設けたものがある。(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−160771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この特許文献1のものは、乾燥工程において、バンド状の電気ヒータで乾燥させるが、
乾燥工程が終了した後は、チャンバー内を冷却するために外気を取り入れ、チャンバー内
が安全な温度に低下したとき、チャンバー前面の蓋を開くことができるようになっている
。このため、チャンバー内が安全な温度に低下するまで、かなりの時間がかかり、複数回
連続して滅菌処理を行なう場合は、効率が悪い。
【0005】
本発明は、この点に鑑み、従来のバンド状の電気ヒータに替わり、冷凍装置の熱交換器
を設け、乾燥工程では、この熱交換器によってチャンバーを加熱し、乾燥工程が終了した
後のチャンバー内の冷却時には、この熱交換器によってチャンバーを冷却するようにする
。これによって、チャンバーの加熱は勿論のこと、チャンバー内の冷却も効果的に行なう
ことができ、複数回連続して滅菌処理を行なう場合に好適な装置を提供できるものとなる

【課題を解決するための手段】
【0006】
第1発明は、チャンバーの底部に配設したヒータによってチャンバーの底部に溜めた水
を加熱蒸発させる蒸気滅菌器において、前記チャンバーの外面に冷凍装置の熱交換器を設
け、前記チャンバーの加熱は前記冷凍装置の加熱運転による前記熱交換器にて加熱され、
前記チャンバーの冷却は前記冷凍装置の冷却運転による前記熱交換器にて冷却されること
を特徴とする。
【0007】
第2発明は、チャンバーの底部に配設したヒータによってチャンバーの底部に溜めた水
を加熱蒸発させる蒸気滅菌器において、圧縮機、流路切り替え手段、第1熱交換器、減圧
手段、第2熱交換器が環状に接続されて冷凍サイクルを構成した冷凍装置を備え、前記第
2熱交換器が前記チャンバーの外面に設けられ、前記チャンバーは前記冷凍装置の加熱運
転による前記第2熱交換器の放熱作用にて加熱され、前記チャンバーは前記冷凍装置の冷
却運転による前記第2熱交換器の吸熱作用にて冷却されることを特徴とする。
【0008】
第3発明は、第1発明または第2発明において、乾燥工程において前記冷凍装置が加熱
運転され、前記乾燥工程終了にて前記冷凍装置の冷却運転を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、従来のバンド状の電気ヒータに替わり、冷凍装置の熱交換器を設け、乾燥工
程では、冷凍装置の熱交換器によってチャンバーを加熱し、乾燥工程が終了した後のチャ
ンバー内の冷却時には、この熱交換器によってチャンバーを冷却するようにするため、チ
ャンバーの加熱は勿論のこと、チャンバー内の冷却も効果的に行なうことができ、複数回
連続して滅菌処理を行なう場合に好適な装置を提供できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る蒸気滅菌器の全体配管図である。
【図2】本発明に係るチャンバーの一部断面図である。
【図3】本発明に係る冷凍装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施例]
本発明の蒸気滅菌器の実施例を図面に基づいて説明する。図1において、1は蒸気滅菌
器、4は蒸気滅菌器1内に配置し前面に開口4Cを形成した横型の円筒形状のチャンバー
、5はチャンバー4の内底部に配置固定したシーズヒータ構成の滅菌用ヒータである。6
はチャンバー4内の滅菌用ヒータ5の上方に配置した被滅菌物を収容したバスケット7を
載せるパレット、8はチャンバー4の前面開口4Cを開閉する蓋体、9はチャンバー4の
壁材に固定したカップリング、10はカップリング9と連結したパイプ11の端部に取り
付けた圧力計、12はパイプ11の一部に取り付けられチャンバー4内が異常圧力になる
前に開放して圧力上昇を防止する安全弁である。後述のように、チャンバー4内に注水さ
れた水が前面開口4Cから零れないように、チャンバー4は、前面開口4C部に障壁4D
を備えている。
【0012】
13は蒸気滅菌器の下部空間に設けた基台となる後述のトレイである。14はトレイ1
3に隣接して蒸気滅菌器1の底部に固定された底板S1に固定した水封式真空ポンプで、
パイプ15を介してチャンバー4内と連通する吸気部16と、給水部17及び排水部18
を有している。
【0013】
19、20はパイプ15の一部に設けた水封式真空ポンプ14の真空度を調節するリー
クバルブと真空バルブ、21はパイプ22を介してチャンバー4と連通した吸気フィルタ
ー、23はパイプ22の一部に設けた逆止弁で、チャンバー4内の空気が大気中に排気す
るのを防止する。24はチャンバー4の底壁材に取り付けた給水フィルター、25は一端
を給水フィルター24に連結し一部に注排水バルブ26を取り付けた注排水パイプ、27
は一部に逆止弁28と排気バルブ29を取り付けて一端を前記チャンバー4に連結した排
気パイプ、注排水パイプ25と排気パイプ27のそれぞれの他端はチーズ30に連結して
いる。
【0014】
31は注排水パイプ、33は一端を給水部17に連結し他端を開口した給水パイプ、3
4は一端を排水部18に連結し他端を開口した排水パイプである。35はチャンバー4内
での滅菌のために使用する所定量の加熱用水を溜めたポリプロピレン製で内容量が約20
リットル程度の注排水タンクであり、マフラ32を先端に取り付けた注排水パイプ31の
先端開口部分31Aが投入されている。36は水封式真空ポンプ14の水封、冷却用の水
を溜める水封用給水タンクで、給水部17に接続した給水パイプ33の他端と排水部18
に接続した排水パイプ34の他端を投入した内容量が約20リットル程度の大きさである
。注排水タンク35と水封用給水タンク36は、トレイ13に載置している。チャンバー
4内の温度は温度センサ37によって検出される。
【0015】
本発明では、チャンバー4の外側面を包むように、冷凍装置RSの熱交換器38を取り
付ける。これは、乾燥用ヒータでチャンバー4を加熱する従来のものでは、チャンバー4
を加熱するのみであるが、本発明では、熱交換器38によって、チャンバー4の加熱は勿
論のこと、チャンバー4を冷却する作用も行なう。この冷却作用は、後述のように、被滅
菌物の滅菌動作が終わった後に、チャンバー4内の温度を強制的に低下させるため、一連
の滅菌工程を実行するための時間短縮が達成でき、大きな効果が発揮できるものである。
【0016】
このため、図2に示すように、チャンバー4の外側面を包むように冷凍装置RSの熱交
換器38が取り付けられ、その熱交換器38とチャンバー4の外面が断熱材DNで覆われ
た構成である。冷凍装置RSは、熱交換器38によってチャンバー4を加熱する加熱運転
と、熱交換器38によってチャンバー4を冷却する冷却運転とに切り替えられるものであ
る。この種の冷凍装置RSは公知であるが、冷凍装置RSの構成の一つを図3に示してい
る。
【0017】
図3おいて、冷凍装置RSは、冷媒を圧縮する圧縮機40、流路切り替え手段としての
四方弁41、第1熱交換器42、減圧手段としての電動膨張弁43、第2熱交換器38が
環状に接続されて冷凍サイクルを構成し、第1熱交換器42に対しファン44が配置され
ている。冷凍装置RSは、蒸気滅菌器1の底部に配置すればよく、一つの構成として、水
封式真空ポンプ14に隣接して底板S1上に、圧縮機40、第1熱交換器42、ファン4
4等を載置する。
【0018】
冷凍装置RSは、冷却運転では、図3において実線矢印で示すように、圧縮機40で圧
縮された高温冷媒は、四方弁41を経て第1熱交換器42に入り、ファン44によって送
られる外気へ放熱して第1熱交換器42内で凝縮した後、電動膨張弁43によって断熱膨
張して第2熱交換器38へ入る。第2熱交換器38に入った液冷媒は、チャンバー4と熱
交換して蒸発気化し、それによる吸熱作用にてチャンバー4を冷却した後、冷媒は四方弁
41を経て圧縮機40へ入り、再び圧縮機40で圧縮されて上記の循環を繰り返す。上記
のように、この循環によって、第2熱交換器38が冷却器となり、その低温にてチャンバ
ー4が冷却される。
【0019】
また、冷凍装置RSは、加熱運転では、図3において破線矢印で示すように、圧縮機4
0で圧縮された高温冷媒は、冷却運転モードから切り替わった四方弁41を経て第2熱交
換器38に入り、チャンバー4と熱交換して放熱作用が行なわれ、それによってチャンバ
ー4が加熱されることにより、高温冷媒の温度が低下し、その状態で電動膨張弁43、第
1熱交換器42及び四方弁41を経て圧縮機40へ入り、再び圧縮機40で圧縮されて上
記の循環を繰り返す。この循環によって、上記のように第2熱交換器38が加熱器となり
、その高い温度によりチャンバー4が加熱される。
【0020】
蒸気滅菌器1は、一連の滅菌動作を制御する制御回路部45を備えており、制御回路部
45は、メモリ46に記憶したプログラムに従って動作するマイクロコンピュータ構成で
あり、各種の設定を行なう操作部47が接続されている。冷凍装置RSもこの制御回路部
45によって制御されるため、操作部47によって設定された条件と、温度センサ37ま
たは後述の温度センサ48の温度検出に基づき、制御回路部45によって、圧縮機40や
ファン44のON―OFF運転等にて冷凍装置RSの運転制御が行なわれる。圧縮機40
がインバータ制御タイプであれば、圧縮機40の回転数が制御される。また、電動膨張弁
43の弁開度は、温度センサ37または後述の温度センサ48の温度検出に基づき、制御
回路部45によって制御される。
【0021】
次に滅菌の一連の動作を説明する。この滅菌の一連動作は、操作部47により滅菌時間
、滅菌温度、乾燥時間等必要な所定の設定を行なった後、操作部47のスタートキーの操
作によって、プログラムに従って制御回路部45の動作に基づき行なわれる。被滅菌物(
ガーゼ等)を収納したバスケット7をチャンバー4に入れパレット6上に載置する。蓋体
8には図示しないロックソレノイドが関連した構成である。
【0022】
蒸気滅菌器1の電源が印加された状態において、制御回路部45の動作によって、前記
ロックソレノイドはON(励磁)し、蓋体8をロック状態から解除した状態である。この
状態で、チャンバー4内に被滅菌物を収容して蓋体8を閉めた後、操作部47により滅菌
時間等の所定の設定を行ない、前記スタートボタンを操作すると、前記ロックソレノイド
がOFF(非励磁)となり、ロックピンによって蓋体8が開かないようにロックされる。
そして、真空バルブ20が開くと共に水封式真空ポンプ14が運転を開始し、真空引きを
しながら給気フィルター21と給気バルブ39を介してチャンバー4内に空気を入れる。
この時、温度センサ37の温度検出によって、間欠的に滅菌用ヒータ5による発熱と間欠
的に冷凍装置RSの加熱運転により、被滅菌物を加熱する予備加熱工程となり、その後の
滅菌時における被滅菌物の結露防止、及び乾燥性能を向上させる。間欠的な冷凍装置RS
の加熱運転は、圧縮機40のON−OFFによって行なわれ、インバータ制御タイプであ
れば、圧縮機40の回転数の制御によって行われる。
【0023】
予備加熱工程の開始後、約10分経過すると、冷凍装置RSによる加熱運転を停止し、
給気バルブ39が閉じると共に注排水バルブ26が開放し、注排水タンク35内の水が、
マフラ32から注排水パイプ31、チーズ30、吸水フィルター24を通じてチャンバー
4内に吸引されて注水される。この注水によって滅菌用ヒータ5が水没するようにチャン
バー4内に所定水量が貯溜されると、注排水バルブ26が閉じ、さらに水封式真空ポンプ
14による真空引きを行い、水封式真空ポンプ14からチャンバー4内の空気を排気する
予備真空工程を実行する。
【0024】
予備真空工程の開始後から約3分経過すると、水封式真空ポンプ14の運転が停止し、
真空バルブ20が閉じ、滅菌用ヒータ5が全熱量で発熱する加熱工程に移行する。この時
、予備真空工程時に排気されなかった残留空気はチャンバー4内の温度が99℃に達した
後、数分間排気バルブ29から排気される。その後も継続して滅菌用ヒータ5が発熱しチ
ャンバー内が132℃に達すると加熱工程が終了し、滅菌工程に移行する。滅菌工程では
、飽和蒸気圧のもとでチャンバー4内が所定の滅菌温度(例えば、132℃)になるよう
に、滅菌用ヒータ5への通電制御によって、滅菌工程を所定の滅菌時間に亘って行なう。
【0025】
予め定められた滅菌時間が経過すると、滅菌用ヒータ5の通電OFFにて発熱を停止し
、滅菌工程が終了する。滅菌工程の終了によって、注排水バルブ26が開放し、排気工程
に移行する。この排気工程への移行によって、注排水バルブ26が開放し、チャンバー4
内の高温水が注排水パイプ25、31を通り、注排水タンク35内へ流入する。排気工程
に移行しチャンバー4内の温度が105℃まで低下すると、注排水バルブ26を閉じると
共に排気バルブ29を開放する。このようにして、チャンバー内の水を排水し注排水タン
ク35内に戻す。
【0026】
チャンバー内の温度が100℃まで低下すると、再び真空バルブ20が開き、水封式真
空ポンプ14の運転を開始し、滅菌用ヒータ5を発熱させ、且つ冷凍装置RSを加熱運転
させ、給気バルブ39を一時的に開放して大気をチャンバー4内に導入し、被滅菌物の乾
燥を行う乾燥工程を実行する。
【0027】
定められた乾燥時間が経過すると、滅菌用ヒータ5への通電を停止すると共に、冷凍装
置RSによる加熱運転を停止し、真空バルブ20が閉じ、水封式真空ポンプ14の運転も
停止し、乾燥工程が終了する。乾燥工程の終了にて、給気バルブ39が開放状態となり、
温度センサ37によって検出したチャンバー4内の温度が、周囲温度(例えば、20℃)
以下に低下し、且つチャンバー4内の圧力が圧力センサ(図示せず)の検出に基づき大気
圧まで戻ると、前記ロックソレノイドがON(励磁)し、蓋体8をロック状態から解除す
る。このため、蓋体8を開けて被滅菌物を取り出すことができる。このようにして、一連
の滅菌動作が終了する。
【0028】
前述のように、予備加熱工程と、予備真空工程と、乾燥工程の期間中は水封式真空ポン
プ14が運転され、チャンバー4内の真空引きを行うわけであるが、この間は水封用給水
タンク36から給水した水は、給水部17から真空ポンプ14内に入り水封用として機能
した後、温度上昇して排水部18から水封用給水タンク36内に排水される。
【0029】
上記の一連の動作において、乾燥工程が終了したとき、冷凍装置RSによってチャンバ
ー4内を冷却する冷却運転を開始する。この冷却運転は、温度センサ37の検出によって
、チャンバー4内の温度が被滅菌物を取り出す場合の安全な温度として定めた所定温度(
例えば、20℃)、またはそのときの周囲温度以下に低下したとき停止する。この方式で
の冷却運転は、滅菌用ヒータ5の発熱と冷凍装置RSによる加熱運転による乾燥工程が終
了しているときに行なう。
【0030】
従来のようにチャンバー4を乾燥ヒータで加熱するタイプでは、乾燥工程が終了してチ
ャンバー4内の温度が、被滅菌物の取り出しに安全な低温になるまでは、外気の導入によ
るものであるため、安全な低温になるまでの時間が長い。しかし、本発明では、冷凍装置
RSによる冷却運転によって、強制的に温度低下を行なうため、乾燥工程が終了してチャ
ンバー4内の温度が被滅菌物の取り出しに安全になるまでの時間が短縮されることとなり
、連続して滅菌動作を行なう場合の作業効率がアップし、好ましいものとなる。
【0031】
上記の制御動作において、滅菌用ヒータ5への通電制御と冷凍装置RSによる加熱運転
制御は、チャンバー4内の温度を温度センサ37によって検出し、それによって制御回路
部45が動作して行なっている。これに替わる方式として、図2に示すように、チャンバ
ー4の壁を加熱するよう配置した熱交換器38を被うように、チャンバー4の外面が断熱
材DNで覆われた構成において、熱交換器38の出口側の温度を検出するサーミスタで構
成した温度センサ48の検出温度に基づき、制御回路部45によって冷凍装置RSの運転
制御が行なわれるようにすることができる。このため制御動作は、上記実施例で記載した
温度センサ37に基づく冷凍装置RSの運転制御に替わって、温度センサ48に基づく冷
凍装置RSの運転制御となる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明に係る蒸気滅菌器は、上記実施例に示したチャンバー4が横型構成に限定されず
、本発明の技術範囲において種々の形態を包含するものである。このため、加熱運転と冷
却運転を行う冷凍装置の構成は、上記実施例に示した構成に限定されない。また、冷凍装
置の熱交換器としてペルチェ素子を用いた電子冷却装置とし、熱交換器38の替わりにペ
ルチェ素子をチャンバー4へ取り付け、ペルチェ素子への通電方向を正方向と逆方向にす
ることによって、上記同様に冷却運転と加熱運転を行うようにすることもできる。
【符号の説明】
【0033】
1・・・・・蒸気滅菌器
4・・・・・横型チャンバー
5・・・・・滅菌用ヒータ
14・・・・水封式真空ポンプ
15・・・・パイプ
16・・・・吸気部
17・・・・給水部
18・・・・排水部
24・・・・給水フィルター
25・・・・注排水パイプ
25・・・・注水パイプ
31・・・・排水パイプ
33・・・・水封用水が給水パイプ
34・・・・排水パイプ
35・・・・注排水タンク
36・・・・水封用給水タンク
37・・・・温度センサ
38・・・・第2熱交換器
40・・・・圧縮機
41・・・・流路切り替え手段
42・・・・第1熱交換器
43・・・・減圧手段
44・・・・ファン
45・・・・制御回路部
46・・・・メモリ
47・・・・操作部
48・・・・温度センサ
RS・・・・冷凍装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバーの底部に配設したヒータによってチャンバーの底部に溜めた水を加熱蒸発さ
せる蒸気滅菌器において、前記チャンバーの外面に冷凍装置の熱交換器を設け、前記チャ
ンバーの加熱は前記冷凍装置の加熱運転による前記熱交換器にて加熱され、前記チャンバ
ーの冷却は前記冷凍装置の冷却運転による前記熱交換器にて冷却されることを特徴とする
蒸気滅菌器。
【請求項2】
チャンバーの底部に配設したヒータによってチャンバーの底部に溜めた水を加熱蒸発さ
せる蒸気滅菌器において、圧縮機、流路切り替え手段、第1熱交換器、減圧手段、第2熱
交換器が環状に接続されて冷凍サイクルを構成した冷凍装置を備え、前記第2熱交換器が
前記チャンバーの外面に設けられ、前記チャンバーは前記冷凍装置の加熱運転による前記
第2熱交換器の放熱作用にて加熱され、前記チャンバーは前記冷凍装置の冷却運転による
前記第2熱交換器の吸熱作用にて冷却されることを特徴とする蒸気滅菌器。
【請求項3】
乾燥工程において前記冷凍装置が加熱運転され、前記乾燥工程終了にて前記冷凍装置の
冷却運転を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の蒸気滅菌器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate