説明

蒸留ユニットにおける金属の有機酸による腐食を抑制する方法

分離ユニットの少なくとも1つの表面を防錆剤で処理することによって、分離ユニットにおける腐食を抑制することができる。前記防錆剤は、一般式(I)
【化1】


(但し、各Rは同一であっても異なっていてもよく、各Rが、水素原子、アルキル残基、芳香族残基、及び不飽和部分と芳香族残基との両方を有している基よりなる群から選択され、2つのR基における炭素数の合計は約6〜約30である。)で示される化合物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機酸と接触する金属の腐食を抑制するのに使用することのできる方法と組成物とに関する。本発明は、特に、有機酸と接触する蒸留ユニット内の金属の腐食を抑制するのに使用することのできる方法と組成物とに関する。
【背景技術】
【0002】
有機酸は金属の腐食を引き起こす。
【発明の概要】
【0003】
一面において、本発明は分離ユニットにおける腐食を抑制する方法であり、前記分離ユニットの少なくとも1つの表面を防錆剤で処理し、該防錆剤が一般式
【0004】
【化1】

【0005】
(但し、各Rは同一であっても異なっていてもよく、各Rが、水素原子、アルキル残基、芳香族残基、及び不飽和部分と芳香族残基との両方を有している基よりなる群から選択され、2つのR基における炭素数の合計は約6〜約30である。)で示される化合物を含有することを特徴とする方法である。
【0006】
本発明の詳細な理解とよりよい評価のために、添付の図面と共に以下の発明の詳細な記載と好ましい態様とを参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】処理の後に例1及び2に使用される金属の切取試片の写真である。
【図2】例1における試験の後に、試料2で処理された金属の切取試片が左側のケトルから取り出された後に残っている溶液と、試料1で処理された金属の切取試片が取り出された後の右側のケトルに残っている溶液との写真である。
【図3】例6において試験される前の、金属の切取試片の表面の写真(x10)である。
【図4】本発明の方法を用いて、例6において試験された後の金属の切取試片の表面の写真(x10)である。
【図5】本発明の方法を用いることなく、例6において試験された後の金属の切取試片(ブランク)の表面の写真(x10)である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
一態様においては、本発明は分離ユニットにおける腐食を抑制する方法であり、前記分離ユニットの少なくとも1つの表面を防錆剤で処理し、該防錆剤が一般式
【0009】
【化1】

【0010】
(但し、各Rは同一であっても異なっていてもよく、各Rが、水素原子、アルキル残基、芳香族残基、及び不飽和部分と芳香族残基との両方を有している基よりなる群から選択され、2つのR基における炭素数の合計は約6〜約30である。)で示される化合物を含有することを特徴とする方法である。本発明で使用することのできる例示的な化合物としては、前記一般式の範囲内のジカルボン酸を挙げることができる。例えば、置換基における炭素数の合計が約6〜約30である置換コハク酸を使用することができる。本発明の方法では、異なるジカルボン酸の組合せも使用することができる。
【0011】
開示されている本発明の一態様で使用することのできる一ジカルボン酸は、ドデセニルコハク酸である。本発明の一態様において使用することのできる他の化合物はジヘキシルコハク酸である。同様に、前記一般式のR基は、不飽和部分、芳香族基、又は不飽和部分と芳香族基との両方を有していてもよい。ある態様においては、ジカルボン酸は、プロパン、ブタン、イソブテン及びペンタンのような低級アルカンに可溶である。
【0012】
一般式を参照すると、いくつかの態様においては、R基は、合計で約8〜約28個の炭素を有していてもよい。他の態様においては、R基が合計で約10〜24個の炭素を有していてもよい。さらに他の態様においては、R基は合計で約12〜約18個の炭素を有していてもよい。R’は一方のR基である第一のR基であり、R”は同一の分子にある他方のR基である第二のR基であり、次の組合せを含んでもよい。しかし、これらの組合せに限定されることはない。

R’ R”
H C6
H C12
H C18
H C22
66
612
612
618
1212
1218
【0013】
本発明の態様で使用することのできるジカルボン酸は、分離ユニットの表面に塗布されるときには酸の形態でも塩の形態でも、又は半塩の形態であってもよい。これらのジカルボン酸は、調製することができるとして当業者に知られている方法によって調製することができる。例えば、一態様においては、ジカルボン酸を自然に生じる源から分離することができる。別の態様においては、基礎的な化学薬品から直接合成することもできる。一態様においては、無水物を加水分解することによって調製することができる。
【0014】
本発明の一態様においては、防錆剤が分離ユニットの表面に塗布される。分離ユニットの例としては、例えば、蒸留ユニット、吸収装置、抽出装置及びこれらの組合せを挙げることができる。蒸留ユニットは該蒸留ユニットに供給される被処理流中にある化合物種の沸点の相違に基づいて成分分離を行う。蒸留ユニットは、例えば、複数の蒸留塔、精留塔、スプリッター、半連続式蒸留ユニット、連続式蒸留ユニット、フラッシュ蒸留ユニット、回分式蒸留ユニット、ストリッパ装置、整流器、抽出蒸留ユニット、共沸蒸留ユニット及び真空蒸留ユニット、並びにこれらの組合せを含む。
【0015】
吸収装置と抽出装置は接触型のユニットであり、一以上の流体相が接触して、1つの相中の成分の、他の相中の成分に対する親和力、又はユニット中に充填され、適切に活性化された固体吸着材に対する親和力に基づいて、所望の成分の分離が達成される。例えば、成分AとBとを含む被処理流をある位置でこのようなユニットに入れ、成分Cを有している他の被処理流を別の位置で該ユニットに入れることができる。これらの被処理流の1つは、通常、液体であり、他の被処理流は液体又は蒸気であればよい。ここで、成分Bが、成分Aより、成分Cに対して遙かに大きな親和力を有しているとする。
【0016】
適切に設計されて稼働されている接触型のユニットにおいて、前記2つの被処理流を密に接触させると、成分Bを実質的に有さずに成分Aを含有する第一の生成流と、成分Cとほぼ全ての成分Bを含有する第二の生成流とを作ることができる。成分Cから成分Bを直接分離することに比べて、成分Aから成分Bを直接分離するのが難しいという状況下では、このようなシステムを商業的に使用することができる。この例においては、第一の生成流は脱着性流と称され、第二の生成流は吸着性流と称される。吸収装置の具体例としては、連続式吸収装置、加熱再生吸収装置、圧力変動吸収装置、パージ付き濃度変動吸収装置、及びパラメトリックポンピング吸収装置を挙げることができる。
【0017】
抽出装置は接触型のユニットであり、混和しない複数の液相を接触させて、物質分離剤を用いて成分の分離が行われる。先の例においては、第二の被処理流に含まれる成分Cが物質分離剤である。抽出装置ユニットの一例としては芳香族抽出ユニットを挙げることができ、該芳香族抽出ユニットでは、芳香族化合物種と非芳香族化合物種とを含む炭化水素流を、スルホン酸塩やモルホリン等の物質分離剤と接触させ、これら二種の混和しない液体を効率よく接触させることによって、前記炭化水素流から芳香族化合物種を、前記物質分離剤を含む流れへと抽出する。成分分離ユニット中で所望の化学反応が起こるのを容易にするために、該成分分離ユニットが、触媒材料の領域も含んでいる場合がある。このようなユニットの例としては、反応蒸留ユニット及び抽出蒸留ユニットを挙げることができる。
【0018】
本願の分離ユニットは、圧縮ユニットも含んでいてもよい。
【0019】
本発明の様々な態様で使用することのできる防錆剤は、分離ユニットの壁や分離ユニットの管接続部等の構造部品を処理するのに用いることができる。防錆剤は、内部構造物を処理するのにも使用することができる。
【0020】
処理することのできる分離ユニットには、トレイ、無作為に集められた環やサドル、メッシュとモノリスと網状部材等とを有する体系的包装物、収集器、分配器、溢流管(ダウンカマー)、ウォールワイパー、支持グリッド、及び材料押さえ(hold down plate)等の内部部品も含まれる。腐食され易い内部構造物にも本発明を用いることができる。
【0021】
本発明の態様である防錆剤は、低分子量有機酸、カルボン酸及び硫化水素による腐食を抑制するのに驚くほど効果的である。低分子量有機酸の例としては、分子量が約40〜約150ドルトンである蟻酸、酢酸、プロピオン酸等を挙げることができる。ナフテン酸等のより分子量が大きい酸は、通常、分解してそのような低分子量酸と二酸化炭素とを形成するので、そのような酸がある場合は本発明の防錆剤の使用が特に有用になる。
【0022】
さらに、これらのジカルボン酸は窒素を含んでおらず、窒素を含むある種の防錆剤ほどには、水の保持や輸送が多くない。ジカルボン酸防錆剤は窒素を含んでいないので、例えば、触媒を損ねる、又は製造物流を汚染して仕様外にしてしまう等のために、窒素が存在すると製造を妨げる場合にも、用いることできる。
【0023】
原油からガソリンや他の精製燃料を製造する際には、ほぼ必然的に、硫化水素とナフテン酸とが関わってくるので、ある態様においては、本発明の方法は精製工程における分離ユニットにジカルボン酸防錆剤を用いることを含む。本発明の態様の中には、製造ユニットがナフテン酸を高濃度で含む原油を加工する場合に特に有用であるものがある。
【0024】
精製工程において使用することができる一方で、本発明のある態様は石油化学的工程において使用することができる。このような用途の1つは、エチレンの製造である。エチレンの製造には、水素化工程を含む熱分解ガソリンの製造工程がある。この工程は、アミン及び他の窒素含有添加剤による触媒損傷に、特に影響を受けやすい。
【0025】
添加される酸の中和剤の量を減らして製造分離ユニットの稼働を行うことができるので、本発明の方法は精製工程と石油化学的工程の両方において有効に使用することができる。中和剤が再利用流やノックアウトポットにまで入る場合は、「塩析」や発泡等の望ましくない結果を生じることもあり得る。このような中和剤の使用を低減することによって、予期せぬ製造の中断が殆ど生じることなく、より長い時間、装置を稼働させ続けることができる。
【0026】
本発明の方法の態様におけるジカルボン酸は、従来技術の窒素含有防錆剤よりも優れた他の効果も有している。この効果とは、ジカルボン酸は、アミン及び他の窒素含有化合物の大部分よりも酸素に敏感ではないということである。殆ど望ましくないことではあるが、酸素又は空気が漏れた場合に、例えばイミダゾリン等の昔からあるアミンを基剤とした防錆剤に比べて、本発明の態様に使用することのできるジカルボン酸を含有する場合には、そのような漏出による負の影響が小さい。窒素基剤の薬剤が一般にあまり有効ではない酸化性条件下でも、本発明の防錆剤は有効である。
【0027】
以下の例は本発明を説明するために与えられている。これらの例は本発明の範囲を制限することを意図するものではなく、そのように解釈されるべきではない。特に記載のない限り、量は重量部又は重量パーセントで示されている。
【実施例】
【0028】
(例1)
2本の柱状炭素鋼(C1018)と一種類のインコネル625合金製の切取試片を用いて、180°Fでケトル試験を行った。試料1の防錆剤はドデセニルコハク酸である。切取試片は、試験の前に、ショットブラストして同じ表面仕上げにした。24時間の曝露期間が終了した後、切取試片を溶媒で洗浄し、ショットブラストして沈着物又はスケールを除去した。ショットブラスト処理の間に失われた重量を求めるために、対照切取試片も試験切取試片と共にショットブラスト処理に付された。試料の成分と結果は以下の表に示されている。試験後の切取試片は図1に示されている。試験後の液体が図2に示されている。
【0029】
(比較例2)
ドデセニルコハク酸の代わりに、試料2として市販のイミダゾリンを使用した外は、例1がほぼ全く同じように繰り返された。結果を表2と3とに示す。
【0030】
【表1】

【0031】
【表2】

【0032】
【表3】

【0033】
【表4】

【0034】
【表5】

【0035】
(例3)
例1と同様にケトル試験を行ったが、本発明の防錆剤に加えて、他の化合物が本発明の防錆剤の働きを妨げるかどうかを確認するために、それらの他の化合物を含有させた。結果を表6〜8に示す。
【0036】
【表6】

【0037】
【表7】

【0038】
【表8】

【0039】
(例4)
ASTM3948に記載されているWSIM試験を用いてジェット燃料を試験した。ブランクは97のWSIM数を有していた。濃度5 ppmの試料1では、WSIM数は93であった。10 ppmでは、試料はWSIM数が89であった。15 ppmでは、WSIM数が91であった。この試験は、試料1が最終的なジェット燃料の水分量を許容できないレベルにまで増加させないことを示している。
【0040】
(例5)
高速オートクレーブ試験によって試料1を試験した。100 ppmのNaClと1g/Lの硫酸ナトリウムとからなる濃縮物を模するために、水相(5容量%)を用いた。全容積の残りの95%はアイソパーオイルであった。試験は、600 rpmで回転するケージの中で行われた。水/油混合物が、60 psiで最初に窒素と共に、次いでCO2と共に導入された。180°Fで24時間、炭素鋼試片を曝露した。試料1は20 ppmで使用された。非処理溶液と処理溶液について得られた腐食速度は、ブランクの腐食速度が176.52 mpyであったのに対し、20 ppmの試料1の存在下では0.39 mpyであった。このことは、試料1を存在させることによって、99.8%の腐食保護(又は抑制効果)が得られることを示している。
【0041】
(例6)
炭素鋼の表面に対する本発明の添加剤の効果を、本発明の防錆剤の存在下及び不存在下で、腐食性環境に炭素鋼切取試片を曝すことによって測定した。ディーゼル/水混合物に曝される前後で、目視によって、また、顕微鏡観察によって、炭素鋼切取試片の表面の特徴がわかるようにして実験が行われた。
【0042】
この実験においては、90/10の割合のディーゼル/脱イオン水混合物を収容する4つのセルが、マグネチックスターラーのバー、加熱マントル、ガス導入管、熱電対及び水冷式コンデンサが備えていた。2つのセルには空気が導入され(空気に曝され)、2つのセルには窒素が導入された。4つのセル全てに、約1時間前記ガスの導入がなされ、その間、温度は設定された温度(100°F/37.8℃)に保たれた。
【0043】
表面仕上げを同じにし、管又は配管に見られるように表面を粗くするために、試験の前に切取試片をショットブラストした。この例で得られた表面を図3に示す。大きな錆の点(直径3〜5mm)があり、表面の錆が切取試片表面の約70%を覆っているので、空気を導入した対照に曝された切取試片は明らかに腐食している。ショットブラストの後には、ブラストの影響が局在化していることが明らかに見て取れる。穴の大部分は直径約0.25〜0.35 mm であり、この試験で得られた面は図5に示されている。
【0044】
空気に曝された混合物は、この試験において最もひどい状態になった。表面の大部分に亘って大きな穴が観察される。腐食速度は約7mpy であった。通常、腐食が局在化する場合は全体的な腐食速度は高くならないものであるが、実際に生じた穴の深度は非常に大きくなることがある。
【0045】
空気に曝されていない対照は、表面がある程度デコボコしているが、全体的又は局所的な腐食の明らかな形跡は示していない。画像が記録される時までに、点々の周縁部に非常に少量の衝撃痕(rushing)が観察された。
【0046】
本発明の防錆剤によって処理された溶液(空気導入+30 ppm の試料1と空気除去+30 ppmの試料1)は両方ともその外観が類似しており、面の例が図4に示されている。試料1に曝された切取試片いずれについても、全体的腐食及び局所的腐食の痕跡が観察されていない。
【0047】
全体的腐食の速度は小さいが、酸素の存在が、ディーゼル/水混合物中にある炭素鋼の穴形成を促進する。実に、試料1が存在することによって、最も厳しい環境下でなされた試験において、全体的及び局所的腐食を抑制することができた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式
【化1】

(但し、
各Rは同一であっても異なっていてもよく、
各Rが、水素原子、アルキル残基、芳香族残基、及び不飽和部分と芳香族残基との両方を有している基よりなる群から選択され、
2つのR基における炭素数の合計は約6〜約30である。)
で示される化合物を含有する防錆剤で、分離ユニットの少なくとも1つの表面を処理することを特徴とする、分離ユニットにおける腐食を抑制する方法。
【請求項2】
前記2つのR基における炭素数の合計が約8〜約28であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記2つのR基における炭素数の合計が約10〜約24であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記2つのR基における炭素数の合計が約12〜約18であることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記防錆剤が、ドデセニルコハク酸、ジヘキシルコハク酸及びこれらの組合せよりなる群から選択される化合物を含有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記防錆剤が、ドデセニルコハク酸を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記防錆剤が、無水物を加水分解することによって調製されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記分離ユニットが、蒸留ユニット、吸収装置又は抽出装置であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記分離ユニットが、蒸留塔、精留塔、スプリッター、半連続式蒸留ユニット、連続式蒸留ユニット、フラッシュ蒸留ユニット、回分式蒸留ユニット、ストリッパ装置、整流器、抽出蒸留ユニット、共沸蒸留ユニット及び真空蒸留ユニットよりなる群から選択されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記分離ユニットが吸収装置であることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記吸収装置が、連続式吸収装置、加熱再生吸収装置、圧力変動吸収装置、パージ付き濃度変動吸収装置、及びパラメトリックポンピング吸収装置よりなる群から選択されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記分離ユニットが抽出装置であることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記防錆剤が前記分離ユニットの内部部品を保護するために使用されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記内部部品が、トレイ、無作為に集められた環又はサドル、メッシュとモノリスと網状部材等とを有する体系的包装物、収集器、分配器、溢流管(ダウンカマー)、ウォールワイパー、支持グリッド、及び材料押さえ(hold down plate)よりなる群から選択されることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記方法が低分子量有機酸による腐食を防止又は軽減するために使用されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記低分子量有機酸が、蟻酸、酢酸、プロピオン酸及びこれらの組合せよりなる群から選択されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記分離ユニットが、ナフテン酸を高濃度で含む原油を加工する製造設備の一部であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記製造設備がエチレンを製造することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
分離ユニットの少なくとも1つの表面を、ドデセニルコハク酸、ジヘキシルコハク酸及びこれらの組合せよりなる群から選択される化合物を含有する防錆剤で処理することを特徴とする、分離ユニットにおける腐食を抑制する方法。
【請求項20】
一般式
【化1】

(但し、
各Rは同一であっても異なっていてもよく、
各Rが、水素原子、アルキル残基、芳香族残基、及び不飽和部分と芳香族残基との両方を有している基よりなる群から選択され、
2つのR基における炭素数の合計は約6〜約30である。)
で示される化合物を含有する防錆剤で、分離ユニットの少なくとも1つの表面を処理することを特徴とする、分離ユニットにおける腐食を抑制することを含む、原油を精製する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−538148(P2010−538148A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524113(P2010−524113)
【出願日】平成20年9月2日(2008.9.2)
【国際出願番号】PCT/US2008/075036
【国際公開番号】WO2009/032817
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(301008534)ベイカー ヒューズ インコーポレイテッド (21)
【Fターム(参考)】