説明

蓄光剤入りの木材及び蓄光剤入り木材の製造方法

【課題】木材の手触りや視覚的な暖かみ、切削加工の容易さを損なうことなく、木質材料に十分な発光性及び蓄光性を付与する木材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】複数の木材板1を、蓄光剤を含有した接着剤2によって相互に加圧接着して蓄光剤入りの木材を得る。接着剤2には、前記蓄光剤の他に、粒状物3を含有させて複数の木材の板を相互に加圧接着する。木材は、粒状物3によって複数の木材板1の間の間隔が維持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄光剤入りの木材及びその製造方法に関し、詳細には、蓄光剤含有の接着剤を用いた、蓄光剤入りの木材及び蓄光剤入り木材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の内装施設部材、家具用材、外構用部材等に使用される発光性及び蓄光性を具備する材料は、非木質系のものとしては蓄光性顔料を合成樹脂に混入し成形したものが知られているが、木質系のものとしては、蓄光性顔料を混入した塗料を木材に塗布したものや、木材に蓄光性顔料を混入した合成樹脂を充填または接着したものが主流である。
【0003】
直接人の手に触れる機会の多い内装施設部材、家具用材、外構用部材等は、合成樹脂製等の非木質系材料よりも木質系材料が好まれる。木材は多孔質材料であるため熱伝導率が低く、触ったときに暖かい印象を受け、手触りが好ましく感じるためである。また木材は暖色を呈し、目に有害とされる紫外線の反射も少ないため目に優しく、視覚的にも暖かい印象を受けるため好まれる。
【0004】
木質系のものとして、木材に蓄光性顔料を混入した塗料を塗布する方法が、特許文献1及び特許文献2などにおいて記載されているが、これらの従来の場合には、十分な発光性及び蓄光性を発揮させるためには、多量に塗料を塗布して塗膜を厚くする必要があり、木材を内装施設部材、家具用材、外構用部材等に使用する上での利点である手触りや視覚的な暖かみが損なわれる。
【0005】
そのほか木質系のものとして、木材に蓄光性顔料を混入した合成樹脂を接着または充填して成形することが、特許文献3及び特許文献4などにおいて記載されている。しかし成形後に、発光性及び蓄光性を有する外面について切削成形加工を行うと、木材部分と同時に蓄光性顔料を含有する合成樹脂を切削除去してしまうことになるため、成形後の切削加工が困難であり、収まりの調整や意匠が制限される。
【0006】
特許文献5には、接着剤に蓄光性顔料を混入して木材を接着し、木質材料に発光性及び蓄光性を付与することが記載されている。特許文献5のやり方では、成形時に加圧接着を行うと、蓄光性顔料を含む接着剤の層が潰れて厚さを確保できず、十分な発光性及び蓄光性を得ることができない。
【0007】
【特許文献1】特開2008‐86842号公報
【特許文献2】特開2007‐56200号公報
【特許文献3】特開平10‐227119号公報
【特許文献4】登録実用新案第3088060号公報
【特許文献5】実開平6‐24935号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の目的は、木材の特性である手触りや視覚的な暖かみ、切削加工の容易さを損なうことなく、木質材料に十分な発光性及び蓄光性を付与する、蓄光剤入りの木材及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、木材の手触り等の特性を損なうことなく優れた発光性及び蓄光性を付与された木材を開発するため鋭意研究を行った結果、本発明を完成させるに至った。
【0010】
上記目的を達成する本発明は、少なくとも2つの木材板が蓄光剤を含有した接着剤によって相互に接着されて成る、蓄光剤入りの木材であって、前記接着剤には前記蓄光剤の他に粒状物が含有されており、該粒状物によって前記少なくとも2つの木材の板の間の間隔が維持されている、ことを特徴とする木材を提供する。
【0011】
上記木材において、前記接着剤に含有する粒状物の大きさが3.0mm以下である。その場合に、前記接着剤に含有する粒状物の大きさが0.5mm以上である。前記蓄光剤入り接着剤に含有する粒状物の割合が、総重量の1〜50重量%である。前記粒状物は、透明または半透明材料で成る。前記粒状物は球状の粒状物である。その場合に、前記粒状物は、前記球状の粒状物の他に、粉砕物を含んでいる。また、前記粒状物には、蓄光剤が含有され、該蓄光剤を含有した該粒状物は、前記蓄光剤を含有する接着剤と同色に調製されているのが好ましい。
【0012】
また、本発明は、少なくとも2つの木材板を蓄光剤を含有した接着剤によって相互に加圧接着する、蓄光剤入りの木材の製造方法であって、前記接着剤に、前記蓄光剤の他に、粒状物を含有させて該接着剤を調整し、前記蓄光剤及び粒状物を含有した接着剤によって前記少なくとも2つの木材の板を相互に加圧して接着する、ことを特徴とする方法を提供する。
【0013】
上記方法においても、前記接着剤に含有する粒状物の大きさが3.0mm以下である。その場合、前記接着剤に含有する粒状物の大きさが0.5mm以上である。前記蓄光剤入り接着剤に含有する粒状物の割合が、総重量の1〜50重量%である。前記粒状物が、透明または半透明材料で成る。前記粒状物が、球状の粒状物である。その場合、前記球状の粒状物の他に、粉砕物を含んでいる。また、前記粒状物に、蓄光剤が含有させて、該蓄光剤を含有した該粒状物を、前記蓄光剤を含有する接着剤と同色に調製するのが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明において提供される、蓄光剤入りの木材及びその製造方法によれば、粒状物が木材板と木材板との間の間隔を確実に維持するので、加圧して接着されるときにおいて、蓄光剤を含む接着剤の層が潰れることがなくなり、蓄光剤を含む接着剤の層の厚さが確保されて、十分な発光性及び蓄光性を得ることができる。これによって、木材の手触り等の特性を損なうことなく優れた発光性及び蓄光性を付与された木材を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明に係る、蓄光剤入りの木材の1実施形態について、図1を参照して説明する。図1において、複数の木材板1は、蓄光剤を含有した接着剤2に、更に粒状物3を含有させた接着剤を用いて、相互に加圧接着される。粒状物3は、図示の例では、大径に球状の粒状物や小さな粉砕物等が混在した状態で、蓄光剤を含有した接着剤2に混入されている。粒状物2は、木材板1と木材板1との間の間隔を確実に維持するので、加圧して接着されるときにおいて、蓄光剤を含む接着剤2の層が潰れることがなくなり、蓄光剤を含む接着剤2の層の厚さが確保されて、十分な発光性及び蓄光性を得ることができる。なお、図1の実施形態においては、接着される木材板1は、3枚で示されているが、2枚だけでもよく、更には、3枚の木材板1のうち、蓄光剤及び粒状物含有の接着剤は、2枚の木材板1だけであってもよい。従って、本発明においては、少なくとも2枚の木材板が蓄光剤及び粒状物含有の接着剤によって接着されて所望の蓄光剤入り木材が製造される。
【0016】
本発明に係る、少なくとも2つの木材板1を、蓄光剤を含有した接着剤2によって相互に加圧接着する、蓄光剤入りの木材の製造方法では、前記の接着剤には、前記蓄光剤の他に、粒状物を含有させて接着剤を調整する。前記の蓄光剤及び粒状物を含有した前記接着剤を、少なくとも2つの木材板1の対向面に塗布して相互に加圧して接着する。木材板1の加圧接着は、例えば、木材板1の上面と下面を、機械的なクランプ装置で締め付けて、一定の力(例えば、10Kgf)で、一定時間(例えば、5〜6時間)、大気圧下で、加圧する。これによって、図1の木材が得られる。
【0017】
図1に示す実施形態においては、木材は、木材層1と蓄光剤及び粒状物3を含有する接着剤層2とから成り、交互に重なって接着されている。蓄光剤を含有する接着剤層2が木材表面に露出するため、木材は発光性及び蓄光性を発現する。また、接着剤層2は木料の内部にも存在する。従って、成形後に切削加工しても蓄光剤を含有する接着剤層2はその切削面において常に表面に露出する。これによって、特許文献3や4のように、発光性及び蓄光性を有する外面について切削成形加工を行うと、木材部分と同時に蓄光性顔料を含有する合成樹脂を切削除去してしまうおそれはなくなる。
【0018】
本発明において、接着剤に混入する蓄光剤の割合は、接着剤及び蓄光剤の総重量の1〜50重量%である。接着剤に混入する蓄光剤の量が1%以下の場合、接着剤層の発光性能が低く、消灯後に木質材料を十分に視認することができない。蓄光剤の量が50重量%以上の場合、蓄光剤は粉体であるため接着剤への混入が困難になり、また成形後の木質材料の接着強度が低下するおそれがある。
【0019】
接着剤に混入する蓄光剤は、希土類元素を含むアルカリ土類アルミン酸塩系蓄光性蛍光体、硫化亜鉛系蓄光性蛍光体等があり、より好適にはアルミン酸ストロンチウム系蓄光性蛍光体を挙げることができる。
【0020】
接着剤には、蓄光剤のほかに、粒状物を混入する。この粒状物は、加圧接着時において物理的に木材層同士の密着を阻害し、接着剤層に厚さを与えることができる。粒状物を混入しない場合、成形時に加圧接着を行うと、蓄光剤を含有する接着剤層が潰れて厚さを確保できず、十分な発光性及び蓄光性の木質材料を得ることができない。
【0021】
接着剤には、0.5〜3.0mmの範囲の大きさの粒状物を混入する。粒状物の大きさが0.5mm以下の場合、木材層同士の密着を阻害する効果が低く、木質材料に十分な発光性及び蓄光性を付与することができない。粒状物の大きさが、3.0mm以上の場合、木材層同士の間隔が広すぎるため接着剤層は気泡を含みやすくなり、木材層間の接着不良が発生する。
【0022】
粒状物は、蓄光剤入り接着剤に対し、蓄光剤と接着剤と粒状物の総重量の1〜50重量%の割合で混入する。前述と同様に、粒状物の割合が1重量%以下の場合、木材層同士の密着を阻害する効果が低く、また50重量%以上の場合、接着剤層に気泡を含みやすくなるためである。
【0023】
粒状物は、シリカゲル及びその他のケイ酸塩、炭酸塩、塩化物などの無機化合物、ロジンや天然ゴムなどの天然樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂等から成るものを、単独または複数を選択して使用する。
【0024】
粒状物は、透明または半透明であるのが好ましい。粒状物が透明または半透明以外である場合、接着剤層に粒状物が現れると、その部位は発光性及び蓄光性を持たないため、接着剤層は断続的な層となって発光し、木質材料の発光性及び蓄光性が低下する。これに対して、粒状物が透明または半透明である場合、接着剤層に粒状物が現れても、粒状物は光を透過するため、接着剤層の発光性及び蓄光性を阻害せず、連続的に発光する接着剤層が得られる。
【0025】
粒状物は、透明または半透明であるほか、さらに安価にかつ安定的に供給できるものが望ましい。このような粒状物の代表的なものとして、シリカゲル(SiO2・nH2O:非晶質ケイ(珪)酸)を挙げることができる。
【0026】
粒状物は、蓄光剤を含有し、かつ蓄光剤を含有する接着剤と同色に調製されたものがさらに好適である。この粒状物を使用した場合、接着剤層に粒状物が現れても、明るい場所では接着剤層と粒状物は同色であるため同化して見え、また消灯時には接着剤層と粒状物の両方が発光性及び蓄光性を発現し、接着剤層が連続的に発光するためである。
【0027】
接着剤は、セラミック、セメント類、ケイ酸ソーダ類等を主成分とする無機系接着剤、天然ゴム、膠、カゼイン、セラックなどを主成分とする有機天然系接着剤、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル、スチレン、ポリアミド、アルキド、セルロース、シアノアクリレート、飽和ポリエステル、ポリウレタン、フェノキシ、ポリスルホン、ポリアリルスルホン、フェノール、レゾルシノール、ユリア、メラミン、フラン、エポキシ、不飽和ポリエステル、イソシアネート、シリコーン、アクリル酸ジエステル、スチレンゴム、ブチルゴム、ポリクロロプレン、二トリルゴム、ポリサルファイドなどを主成分とする有機合成系接着剤等から選択される。
【0028】
木材の種類には、特に限定されず、種々の木材を用いることができ、例えば、スギ、ヒノキ、スプルースなどの針葉樹、ブナ、ナラ、キリなどの広葉樹、ラワン、黒檀、チークなどの南洋材等の心材や辺材の他に、集成材、LVL(Laminated Veneer Lumber:単板積層材)、合板、MDF(Medium Density Fiberboard:中質繊維板)、パーティクルボード、OSB(Oriented Strand Board:配向性ストランドボード)等の木質接着製品、木材と合成樹脂を複合し成形したWPC(Wood Plastic Composite:木材・プラスチック複合材)も用いることができる。
【実施例】
【0029】
本発明の実施例について、以下説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0030】
根本特殊化学(株)製の蓄光性蛍光体(商品名:N夜光ルミノーバGLL-300F)を、20重量%、目開き1.4mmのふるいにかけたシリカゲルを10重量%の割合でエポキシ樹脂接着剤に入れ、よく混練する。このようにして得られた蓄光剤及び粒状物含有接着剤を、特に断りがない場合、以下単に接着剤と呼称する。
【0031】
木材は両面を鉋で厚さ7mmに調製されたスギ単板を用いる。スギ単板に接着剤を400g/m2塗布し、別に用意したスギ単板を重ねる。新たに重ねたスギ単板に、同様に接着剤を400g/m2塗布し、また新たに別のスギ単板を重ねる。この作業を6回繰り返し、接着剤を介在して重ねた6枚の木材片を得る。
【0032】
上記木材片を、クランプを用いて圧締し、室温にて5時間、静置する。5時間経過した後、クランプを外して、木材層が6層、及び木材層の間の接着剤層が5層からなる接着成形した木材接着成形物を得た。なお、クランプを用いて圧締は、通常の加圧であり、例えば、10kgf程度である。
【0033】
このようにして得られた木材接着成形物は、粒状物が木材板と木材板との間の間隔を確実に維持するので、蓄光剤を含む接着剤の層が潰れることがなくなり、蓄光剤を含む接着剤の層の厚さが確保されて、十分な発光性及び蓄光性を得ることができた。従って、円筒形に切削加工しても接着剤層が表面に露出し、また接着剤層は適度な厚さを持っているため、消灯時には高い発光性及び蓄光性を発現した。また切削加工を施した木材接着成形物の手触りや外観は、木材の持つ特性である暖かみを損なわず、通常の木材製材品と同等であった。
【0034】
なお、蓄光剤の外に、接着剤に、防腐剤、防蟻剤、難燃剤、及び蓄熱剤を、単独又は複数選択して混合するとともに、既述の粒状物を含有させて、少なくとも2つの木材板を加圧接着してもよい。これによって、形成された木材には、防腐性、防蟻性、難燃性、蓄熱性が追加される。この場合の粒状物の大きさ及び割合は、既述のとおり、0.5〜3.0mmの範囲の大きさにされ、また、蓄光剤入り接着剤と粒状物の総重量の1〜50重量%の割合にされる。更に、その場合に、蓄光剤に代えて、接着剤に、防腐剤、防蟻剤、難燃剤及び蓄熱剤を、単独又は複数選択して混合するとともに、既述の粒状物を含有させて、少なくとも2つの木材板を加圧接着することもできる。この場合、形成された木材には、蓄光性はないが、防腐性、防蟻性、難燃性、蓄熱性が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の木材の接着成形方法によって得られる木材は、木材の手触り等の特性を損なうことなく優れた発光性及び蓄光性が付与されるので、内装施設部材、家具用材、外構用部材等に使用される発光性及び蓄光性を具備する材料に極めて有用である。また成形する木材に間伐材を利用することにより、自然環境の保護にも貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明により成形された木質材料を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0037】
1 木材板
2 蓄光剤含有接着剤
3 粒状物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの木材板が蓄光剤を含有した接着剤によって相互に接着されて成る、蓄光剤入りの木材であって、
前記接着剤には前記蓄光剤の他に粒状物が含有されており、該粒状物によって前記少なくとも2つの木材の板の間の間隔が維持されている、ことを特徴とする木材。
【請求項2】
請求項1に記載の木材において、前記接着剤に含有する粒状物の大きさが3.0mm以下である、ことを特徴とする木材。
【請求項3】
請求項2に記載の木材において、前記接着剤に含有する粒状物の大きさが0.5mm以上である、ことを特徴とする木材。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の木材において、前記接着剤に含有する粒状物の割合が、1〜50重量%である、ことを特徴とする木材。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の木材において、前記粒状物が、透明または半透明材料で成る、ことを特徴とする木材。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の木材において、前記粒状物が、球状の粒状物である、ことを特徴とする木材。
【請求項7】
請求項6に記載の木材において、前記粒状物は、前記球状の粒状物の他に、粉砕物を含んでいる、ことを特徴とする木材。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の木材において、前記粒状物には、蓄光剤が含有されており、該蓄光剤を含有した該粒状物は、前記蓄光剤を含有する接着剤と同色に調製されている、ことを特徴とする木材。
【請求項9】
少なくとも2つの木材板を、蓄光剤を含有した接着剤によって相互に加圧接着する、蓄光剤入りの木材の製造方法であって、
前記接着剤に、前記蓄光剤の他に、粒状物を含有させて該接着剤を調整し、
前記蓄光剤及び粒状物を含有した接着剤によって前記少なくとも2つの木材の板を相互に加圧して接着する、
ことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法において、前記接着剤に含有する粒状物の大きさが3.0mm以下である、ことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法において、前記接着剤に含有する粒状物の大きさが0.5mm以上である、ことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項9〜11のいずれか1項に記載の方法において、前記接着剤に含有する粒状物の割合が、1〜50重量%である、ことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項9〜12のいずれか1項に記載の方法において、前記粒状物が、透明または半透明材料で成る、ことを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項9〜13のいずれか1項に記載の方法において、前記粒状物が、球状の粒状物である、ことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、前記粒状物は、前記球状の粒状物の他に、粉砕物を含んでいる、ことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項9〜15のいずれか1項に記載の方法において、前記粒状物に、蓄光剤が含有させて、該蓄光剤を含有した該粒状物を、前記蓄光剤を含有する接着剤と同色に調製する、ことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項9〜16のいずれか1項に記載の方法において、前記蓄光剤と粒状物とを含有した前記接着剤に、更に、防腐剤、防蟻剤、難燃剤または蓄熱剤の少なくとも1つを含有させて該接着剤を調整する、ことを特徴とする方法。
【請求項18】
少なくとも2つの木材板を接着剤によって相互に加圧接着する、木材の製造方法であって、
前記接着剤に、粒状物を含有させ、更に、防腐剤、防蟻剤、難燃剤または蓄熱剤の少なくとも1つを含有させて該接着剤を調整し、
前記防腐剤、防蟻剤、難燃剤または蓄熱剤の少なくとも1つと前記粒状物を含有した接着剤によって前記少なくとも2つの木材の板を相互に加圧して接着する、
ことを特徴とする方法。

【図1】
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【公開番号】特開2010−162828(P2010−162828A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−8813(P2009−8813)
【出願日】平成21年1月19日(2009.1.19)
【出願人】(591226586)兼松日産農林株式会社 (23)
【Fターム(参考)】