説明

蓄電池の充電制御装置および充電制御方法

【課題】 鉛蓄電池の充電不足が生じた場合に、鉛蓄電池に対する均等充電を確実に行うことを可能にする蓄電池の充電制御装置および充電制御方法を提供する。
【解決手段】 直流電源を機器に出力する直流電源装置1と、直流電源装置1に並列に接続されている鉛蓄電池2とを具備する電源装置の蓄電池の充電制御装置において、直流電源装置1の動作状態を調べ、直流電源装置1が不動作状態になると、機器に供給される直流電源の状態から機器の動作頻度を監視するコントローラ5を備え、コントローラ5は、動作頻度が多頻度動作である場合に、多頻度動作による放電量を調べ、多頻度動作が終息すると、放電量を基に均等充電を行う時間を算出し、算出した時間で均等充電を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、蓄電池に対する充電を制御するための蓄電池の充電制御装置および充電制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
変電所は、通常、直流電源を出力する制御用直流電源装置を備え、この装置からの直流電源により、遮断器等を動かしている。また、変電所自体が停電した場合に、制御用直流電源装置が不動作状態となるので、制御用直流電源装置と並列に鉛蓄電池が接続されている。
【0003】
ところで、遮断器などの入操作などのために、変電所の制御用直流電源装置から大きな負荷電流を供給した際、並列接続されている蓄電池の劣化による内部抵抗の増大により、制御用直流電源装置の出力電圧が下がり、遮断器等の機器が正常に動作しない、という不具合が発生している。つまり、鉛蓄電池の充電不足の状態が続くことで、鉛蓄電池では、放電時に負極に生成される硫酸塩が電極面に結晶化し、元に戻らなくなる「サルフェーション」という現象が発生する。この現象により、鉛蓄電池の内部抵抗が増大し劣化する。
【0004】
変電所の制御用直流電源装置としては、浮動充電用サイリスタ整流装置が用いられている。こうした制御用直流電源装置は、常時は浮動充電で運用し、数ヶ月に1回程度自動的に均等充電するための回路を備えている。浮動充電は、鉛蓄電池を充電完了の状態にしておくためのものであり、規定の電圧で鉛蓄電池を充電する。均等充電は、鉛蓄電池を形成する各セルの電圧等のばらつきをなくすためのものであり、浮動充電の電圧に比べて高い電圧で鉛蓄電池を充電する。
【0005】
サルフェーションを抑制するために、電池残存容量を検出することで、最適な充電制御を行う鉛蓄電池制御装置がある(例えば、特許文献1参照。)。しかし、変電所では、工事作業により頻繁に機器の操作を行なった場合には、その日の内に手動で均等充電し、サルフェーション劣化を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−147005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
変電所では、工事作業等の有人時には必要により均等充電を行なうことが出来る。しかし、変電所には無人の所があり、雷等による事故遮断が短時間に頻発した場合でも、鉛蓄電池に対する均等充電操作が行なわれることがない。この結果、鉛蓄電池の充電不足の状態が続き、サルフェーション劣化が進行する。
【0008】
また、先に述べた鉛蓄電池制御装置では、電池残存容量を検出することで最適な充電制御を行い、サルフェーションを抑制するが、残存容量は、自動車停止時の充電前電圧と、同じく自動車停止時の充電中電圧および充電電流とにより算出する。このために、無人の変電所のように、常時、浮動充電で連続運転している設備では、この装置を適用することが困難である。
【0009】
この発明の目的は、前記の課題を解決し、鉛蓄電池の充電不足が生じた場合に、鉛蓄電池に対する均等充電を確実に行うことを可能にする蓄電池の充電制御装置および充電制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の課題を解決するために、請求項1の発明は、直流電源を機器に出力する直流電源装置と、該直流電源装置に並列に接続されている蓄電池とを具備する電源装置の蓄電池の充電制御装置において、前記直流電源装置の動作状態を調べ、該直流電源装置が不動作状態になると、前記機器に供給される直流電源の状態から該機器の動作頻度を監視する制御装置を備え、前記制御装置は、前記動作頻度が多頻度動作である場合に、多頻度動作による放電量を調べ、該多頻度動作が終息すると、該放電量を基に均等充電を行う時間を算出し、算出した該時間で均等充電を行う、ことを特徴とする蓄電池の充電制御装置である。
【0011】
請求項1の発明は、直流電源を機器に出力する直流電源装置と、直流電源装置に並列に接続されている蓄電池とを具備する電源装置の蓄電池の充電制御装置に関するものである。そして、この充電制御装置の制御装置は、直流電源装置の動作状態を調べ、直流電源装置が不動作状態になると、機器に供給される直流電源の状態から機器の動作頻度を監視する。さらに、制御装置は、動作頻度が多頻度動作である場合に、多頻度動作による放電量を調べ、多頻度動作が終息すると、放電量を基に均等充電を行う時間を算出し、算出した時間で均等充電を行う。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1に記載の蓄電池の充電制御装置において、前記制御装置は、前記多頻度動作が終息する前に、該多頻度動作による放電量が、あらかじめ設定された値を超えると、該放電量を基に均等充電を行う時間を算出し、算出した該時間で均等充電を行う、ことを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、直流電源を機器に出力する直流電源装置と、該直流電源装置に並列に接続されている蓄電池とを具備する電源装置の蓄電池の充電制御方法において、前記直流電源装置の動作状態を制御装置が調べ、前記直流電源装置が不動作状態になると、前記機器に供給される直流電源の状態から該機器の動作頻度を前記制御装置が監視し、前記動作頻度が多頻度動作である場合に、多頻度動作による放電量を前記制御装置が調べ、前記多頻度動作が終息すると、前記放電量を基に均等充電を行う時間を前記制御装置が算出し、算出した前記時間で前記制御装置により均等充電を行う、ことを特徴とする蓄電池の充電制御方法である。
【発明の効果】
【0014】
請求項1および請求項3の発明によれば、直流電源装置が例えば停電で不動作になった場合に、機器の多頻度動作が発生したとき、蓄電池の放電量を基に算出した時間で均等充電を行うので、蓄電池のサルフェーション劣化を抑制することができる。また、蓄電池の劣化による、接続機器の不動作等を回避することができる。
【0015】
請求項2の発明によれば、蓄電池の放電量が大きい場合には、この蓄電池に対して直ちに均等充電を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の一実施の形態による蓄電池の充電制御装置を示す構成図である。
【図2】測定装置の一例を示す構成図である。
【図3】充電制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】多頻度動作を説明する説明図である。
【図5】遮断器の動作電流を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、この発明の各実施の形態について、図面を用いて詳しく説明する。
【0018】
(実施の形態1)
この実施の形態による蓄電池の充電制御装置(以下、単に「充電制御装置」という)を図1に示す。この充電制御装置は電源装置に適用されている。電源装置は、直流電源装置1と鉛蓄電池2とで構成され、負荷3に直流電源を出力する。こうした電源装置に適用されている充電制御装置は、鉛蓄電池2に対する充電の制御を行い、測定装置4とコントローラ5とを備えている。
【0019】
電源装置は、負荷3に直流電源を出力する。負荷3は、各種機器であり、この実施の形態では、変電所に設置されている複数の遮断器3Aと複数の開閉器3Bとである。各遮断器3Aと各開閉器3Bとは、電源装置からの直流電源により動作可能な状態になる。
【0020】
電源装置の直流電源装置1は、コントローラ5の制御によって、常時は規定電圧の直流電源を、電源線11を経て負荷3の各遮断器3Aと各開閉器3Bとに供給する。同時に、規定電圧の直流電源は、電源線11を経て鉛蓄電池2に供給される。これにより、直流電源装置1は、常時は鉛蓄電池2に対して浮動充電を行う。また、直流電源装置1は、コントローラ5の制御によって、浮動充電の電圧に比べて高い電圧の直流電源を出力する。この直流電源は、負荷3に供給されると同時に鉛蓄電池2に供給される。これにより、直流電源装置1は、鉛蓄電池2に対して均等充電を行う。均等充電は、鉛蓄電池2を形成する各セルの電圧等のばらつきをなくすために行われる。
【0021】
電源装置の鉛蓄電池2は、直流電源装置1の出力側に対して並列に接続されている。鉛蓄電池2は、複数のセルによって形成されている。セルの出力は所定電圧であり、鉛蓄電池2は、このセルの組み合わせによって、規定の電圧を出力する。つまり、変電所自体が停電したときに直流電源装置1が不動作状態となり、規定電圧の直流電源を負荷3に対して出力しなくなると、直流電源装置1の代わりに、鉛蓄電池2が規定電圧の直流電源を負荷3に供給する。
【0022】
測定装置4は、直流電源装置1から出力される直流電源つまり直流電圧や直流電流を監視している。測定装置4は、直流電圧の変化や、直流電圧が変化したときの直流電流の波形から、遮断器3Aや開閉器3Bの動作を調べる。このために、測定装置4は、図2に示すように、電流測定部4Aと、電圧測定部4Bと、インターフェース4Cと、処理部4Dと、記憶部4Eとを備えている。
【0023】
測定装置4の電流測定部4Aは遮断器3Aや開閉器3Bが動作したときの直流電流の大きさを測定し、電圧測定部4Bはそのときの直流電圧の大きさを測定する。インターフェース4Cは、電流測定部4Aや電圧測定部4Bからのアナログの測定値をディジタルの測定値に変換する。処理部4Dは、インターフェース4Cを経て、電流測定部4Aによる測定電流や電圧測定部4Bによる測定電圧を受け取ると、これらの値を記憶部4Eに記憶する。これにより、測定電流の波形などが記憶部4Eに記憶される。
【0024】
そして、処理部4Dは、現在監視している直流電源装置1からの直流電圧や直流電流に変化があると、記憶部4Eにあらかじめ記憶している直流電流の波形と、記憶部4Eに記憶している電流測定部4Aからの測定電流の波形とを比較し、遮断器3Aや開閉器3Bが動作したかどうかを判定する。処理部4Dは、もし、遮断器3Aや開閉器3Bが動作したと判定すると、これらの機器が動作したことを表す、ディジタルの測定結果をコントローラ5に出力する。この測定結果は、遮断器3Aや開閉器3Bが動作したことを表す信号と、そのときの直流電流の変化を表す波形とを含む。
【0025】
こうした測定装置4は、通常は直流電源装置1で動作し、変電所事態の停電時には鉛蓄電池2からの直流電源で動作する。
【0026】
コントローラ5は、測定装置4からの測定結果を基に直流電源装置1が出力する直流電源を制御する。このために、コントローラ5は、インターフェース5Aと、入力部5Bと、出力部5Cと、処理部5Dと、記憶部5Eとを備えている。こうしたコントローラ5は、測定装置4と同様に、通常は直流電源装置1で動作し、変電所事態の停電時には鉛蓄電池2からの直流電源で動作する。
【0027】
コントローラ5のインターフェース5Aは、信号線12を経た直流電源装置1の接続や、信号線13を経た測定装置4の接続をするためのものであり、直流電源装置1や測定装置4からの信号のレベルなどを変換する。入力部5Bは、キースイッチなどのような入力装置である。入力部5Bの操作により、例えば均等充電の指示が手動で入力される。出力部5Cは、コントローラ5の動作状態を表す表示装置などを備えている。例えば均等充電の指示が入力部5Bに入力されると、出力部5Cは現在、均等充電中であることを表す表示を行う。
【0028】
記憶部5Eは、各種のデータを記憶する記憶装置である。また、記憶部5Eは、コントローラ5の処理に必要とするプログラムをあらかじめ記憶している。
【0029】
処理部5Dは、記憶部5Eに記憶されているプログラムを実行する。処理部5Dが実行するプログラムには充電制御処理がある。処理部5Dは、インターフェース5Aと信号線12とを経た直流電源装置1との信号の送受信により、直流電源装置1の動作状態を監視する。そして、処理部5Dは、変電所自体の停電による直流電源装置1の不動作を検出すると、図3に示す充電制御処理を開始する。
【0030】
以下では、処理部5Dによる充電制御処理ついて述べて、この実施の形態の作用である充電制御方法を併せて説明する。処理部5Dは、充電制御処理を開始すると、測定装置4からの測定結果から遮断器3Aや開閉器3Bが動作する頻度(動作頻度)を監視し(ステップS1)、動作頻度が頻繁に発生する多頻度動作の状態かどうかを判断する(ステップS2)。
【0031】
ステップS2で処理部5Dは次のようにして多頻度動作かどうかを判断する。処理部5Dは、所定時間、測定装置4からの測定結果を記憶部5Eに記憶する。そして、処理部5Dは、記憶部5Eに記憶した各測定結果を基に、あらかじめ設定された設定回数以上で遮断器3Aや開閉器3Bが動作し、かつ、あらかじめ設定された設定時間以内でこれらの機器が動作した場合に、遮断器3Aや開閉器3Bが多頻度動作の状態にある、と判断する。例えば、設定回数がN回であり、設定時間がT0時間である場合、図4に示すように、A遮断器が動作した後、T1時間後にB遮断器が動作し、さらに、T2時間後にC断路器が動作する、というように各機器が動作する。この場合、T1時間〜T3時間がそれぞれ設定時間であるT0時間以内であり、かつ、各機器の動作回数である4回が設定回数であるN回以上であると、処理部5Dは、これらの機器が多頻度動作をしている状態と判断する。
【0032】
ステップS2で多頻度動作でなければ、処理部5Dは処理をステップS1に戻す。もし、ステップS2で多頻度動作と判断すると、処理部5Dは、遮断器3Aや開閉器3Bの多頻度動作の開始時点を算出する。ステップS3で、処理部5Dは、多頻度動作と判断した、遮断器3Aや開閉器3Bの一連の動作の中で、最初の動作を多頻度動作の開始時点とする。例えば先の図4に示すように、A遮断器からB断路器までの4つの機器の動作を多頻度動作と判断した場合、処理部5Dは最初にA遮断器が動作したt1時刻を、多頻度動作の開始時点として算出する。
【0033】
ステップS3が終了すると、処理部5Dは、多頻度動作による鉛蓄電池2の放電量を積算する(ステップS4)。処理部5DはステップS4を次のようにして行う。遮断器3Aや開閉器3Bが動作する場合、例えば図5に示すように、遮断器3Aが動作する場合、大きな負荷電流が流れる。つまり、処理部5Dは、測定装置4からの測定結果に含まれる直流電流の波形を用いて、遮断器3Aの動作電流を、遮断器3Aが動作する時間、つまり、時間t11から時間t12の間について積算する。この積算した値が鉛蓄電池2の放電量を積算した値と同じになる。ステップS4で、処理部5Dは算出した放電量を記憶部5Eに保存する。
【0034】
こうしたステップS4が終了すると、処理部5Dは、記憶部5Eに保存されている放電量が設定値以上であるかどうかを判断する(ステップS5)。放電量の設定値は、担当者により入力部5Bから、あらかじめ入力された値である。そして、放電量の設定値は、鉛蓄電池2の放電量が大きい場合に直ちに充電を必要とする、放電量のレベルを表す。処理部5Dは、入力された放電量の設定値を記憶部5Eに保存する。このステップS5により、後述するように、鉛蓄電池2の放電量が大きい場合には、直ちに均等充電を行うことができる。
【0035】
ステップS5で、放電量が設定値より少なければ、処理部5Dは、次に多頻度動作が終息したかどうかを判断する(ステップS6)。処理部5DはステップS6を次のようにして行う。処理部5Dは、遮断器3Aや開閉器3Bの直近の動作、例えば先の図4では、最後のB断路器の動作から、設定時間であるT0時間が経過しても、遮断器や断路器の動作が発生しない場合に、多頻度動作が終息したと判断する。逆に、T0時間以内に遮断器や断路器が動作すると、処理部5Dは多頻度動作の状態にある、と判断する。
【0036】
ステップS6で、多頻度動作が終息していなければ、処理部5Dは処理をステップS4に戻す。これにより、多頻度動作によるすべての放電量が記憶部5Eに保存される。
【0037】
ステップS6で多頻度動作が終息したと判断すると、また、ステップS5で放電量が設定値以上であると判断すると、処理部5Dは、直流電源装置1の動作状態を調べる(ステップS7)。ステップS7で、処理部5Dは、先に述べたように、インターフェース5Aと信号線12とを経た直流電源装置1との信号の送受信により、直流電源装置1の動作状態を監視する。この後、処理部5Dは、監視結果から、直流電源装置1が動作状態であるかどうかを判断する(ステップS8)。ステップS8で直流電源装置1が不動作であると、処理部5Dは処理をステップS7に戻す。
【0038】
もし、ステップS8で直流電源装置1が動作状態であると判断すると、処理部5Dは、記憶部5Eに記憶したすべての放電量から、均等充電を行う時間を算出する(ステップS9)。ステップS9で算出される均等充電時間は、多頻度動作で鉛蓄電池2の放電量を補うためと、鉛蓄電池2のサルフェーションを抑制するためのものである。
【0039】
この後、処理部5DはステップS9で算出した均等充電時間による充電の指示を、信号線12を経て直流電源装置1に送って均等充電を行い(ステップS10)、時間を調べて均等充電時間が経過したかどうかを判断する(ステップS11)。もし、均等充電時間が経過していなければ、処理部5Dは処理をステップS10に戻す。処理部5Dは、ステップS11で均等充電時間が経過したと判断すると、均等充電終了の指示を、信号線12を経て直流電源装置1に送って均等充電を終了し(ステップS12)、充電制御処理を終了する。
【0040】
充電制御処理が終了したときには、直流電源装置1は、正常な状態であり、規定電圧の直流電源を負荷3に出力する。同時に、この直流電源は鉛蓄電池2に加えられるので、鉛蓄電池2に対して常時の浮動充電が行われる。
【0041】
こうして、この実施の形態により、次の効果を達成することができる。雷の発生などで、変電所自体が停電になり、かつ、遮断器3Aや開閉器3Bの多頻度動作が発生した場合、鉛蓄電池2の放電量を基に算出した時間で均等充電を行うので、鉛蓄電池2の劣化を抑制することができる。また、鉛蓄電池2の劣化による接続機器の不動作等を回避することができる。
【0042】
(実施の形態2)
この実施の形態では、測定装置4を次のようにしている。なお、この実施の形態では、先に説明した実施の形態1と同一もしくは同一と見なされる構成要素には、それと同じ参照符号を付けて、その説明を省略する。この実施の形態では、測定装置4は、電流測定部4Aと電圧測定部4Bだけを備えている。
【0043】
そして、この実施の形態では、コントローラ5の記憶部5Eが、遮断器3Aや開閉器3Bが動作したときの直流電流の波形を、あらかじめ記憶している。処理部5Dは、測定装置4の各電流測定部4Aや電圧測定部4Bからの信号を受けて、現在監視している直流電源装置1からの直流電圧や直流電流に変化があると、あらかじめ記憶部5Eの記憶している直流電流の波形と、電流測定部4Aから受け取った直流電流の変化から得られる波形とを比較し、遮断器3Aや開閉器3Bが動作したかどうかを判定する。
【0044】
このような実施の形態によれば、直流電源装置1と負荷3との間に設置される測定装置4が電流測定部4Aと電圧測定部4Bとから成るので、測定装置4を小型化して取り扱いを容易にすることを可能にする。
【符号の説明】
【0045】
1 直流電源装置
2 鉛蓄電池
3 負荷
3A 遮断器
3B 開閉器
4 測定装置
5 コントローラ(制御装置)
5A インターフェース
5B 入力部
5C 出力部
5D 処理部
5E 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源を機器に出力する直流電源装置と、該直流電源装置に並列に接続されている蓄電池とを具備する電源装置の蓄電池の充電制御装置において、
前記直流電源装置の動作状態を調べ、該直流電源装置が不動作状態になると、前記機器に供給される直流電源の状態から該機器の動作頻度を監視する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記動作頻度が多頻度動作である場合に、多頻度動作による放電量を調べ、該多頻度動作が終息すると、該放電量を基に均等充電を行う時間を算出し、算出した該時間で均等充電を行う、
ことを特徴とする蓄電池の充電制御装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記多頻度動作が終息する前に、該多頻度動作による放電量が、あらかじめ設定された値を超えると、該放電量を基に均等充電を行う時間を算出し、算出した該時間で均等充電を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の蓄電池の充電制御装置。
【請求項3】
直流電源を機器に出力する直流電源装置と、該直流電源装置に並列に接続されている蓄電池とを具備する電源装置の蓄電池の充電制御方法において、
前記直流電源装置の動作状態を制御装置が調べ、
前記直流電源装置が不動作状態になると、前記機器に供給される直流電源の状態から該機器の動作頻度を前記制御装置が監視し、
前記動作頻度が多頻度動作である場合に、多頻度動作による放電量を前記制御装置が調べ、
前記多頻度動作が終息すると、前記放電量を基に均等充電を行う時間を前記制御装置が算出し、
算出した前記時間で前記制御装置により均等充電を行う、
ことを特徴とする蓄電池の充電制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−31253(P2013−31253A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164111(P2011−164111)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】