説明

蓄電素子

【課題】本発明は、熱の影響で発電要素が短絡することを防止することのできる蓄電素子を提供する。
【解決手段】蓄電素子が備える発電要素は、導電性を有する基層上に正極活物質層の形成された正極板と、導電性を有する基層上に負極活物質層の形成された負極板であって、負極活物質を正極活物質に向けた負極板と、電気絶縁性及び熱収縮性を有するセパレータであって、正極板と負極板との間に配置されたセパレータとを有する。セパレータは、正極活物質層及び負極活物質層の両側にはみ出るように配置され、正極活物質層及び負極活物質層の両側にはみ出る部分のそれぞれの少なくとも一部に、正極活物質層及び負極活物質層と対向する部分の厚さよりも厚い厚肉部を備える。厚肉部は、正極板又は負極板の少なくとも何れか一方に向けて突出し、正極活物質層及び負極活物質層の少なくとも何れか一方の両側に存在する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電要素を備えた蓄電素子に関する。特には、本発明は、セパレータと、該セパレータを間に挟んだ正極板及び負極板とを有する発電要素を備えた蓄電素子に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種機器の動力源として、充放電可能な蓄電素子が採用されている。なお、本明細書中において、「蓄電素子」とは、電池(リチウムイオン電池、ニッケル水素電池等)、及びキャパシタ(電気二重層キャパシタ等)の双方を包含する概念である。
【0003】
蓄電素子は、一般的に、発電要素と、発電要素に電気的に接続された一対の集電体と、発電要素及び一対の集電体を収容したケースと、ケースの外部に配置された一対の外部端子とを備えている。
【0004】
発電要素は、正極板と、負極板と、セパレータとを有する。正極板及び負極板のそれぞれは、導電性を有する基層と、該基層上に形成された活物質層とを含んでいる。これに対し、セパレータは、電気絶縁性を有する微多孔樹脂フィルム層を含んでいる(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
正極板及び負極板は、互いの活物質層同士を向かい合わせにした状態で重ね合わされている。セパレータは、正極板と負極板との重なる領域よりも大きなサイズに設定されている。そして、セパレータは、正極板と負極板との重なる領域の全域に存在するように、正極板と負極板との間に配置されている。
【0006】
一対の集電体のうちの一方の集電体は、発電要素の正極板に電気的に接続されるとともに、一対の外部端子のうちの一方の外部端子に電気的に接続されている。これに対し、一対の集電体のうちの他方の集電体は、発電要素の負極板に電気的に接続されるとともに、一対の外部端子のうちの他方の外部端子に電気的に接続されている。
【0007】
これにより、上記構成の蓄電素子は、発電要素の発生した電力を一対の外部端子に供給できるとともに、一対の外部端子に入力された電力で発電要素を充電できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−31265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、セパレータ(微多孔樹脂フィルム層)は、一般的に熱収縮性を有する樹脂(例えば、ポリオレフィン系樹脂等)で構成される。そのため、上記構成の電池において、ケース内の温度が高温になったときに、セパレータが正極板と負極板との間で収縮してしまう。その結果、セパレータが正極板と負極板との重なる領域の一部(例えば、正極板と負極板との重なる領域のエッジ近傍)を除いて存在し、正極板の一部と負極板の一部とが直接対向した状態になることがある。そのため、上記構成の電池は、ケース内が高温になったときに、正極板と負極板とを確実に絶縁できない状態になり、発電要素(正極板及び負極板)が短絡する虞がある。
【0010】
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、熱の影響で発電要素が短絡することを防止することのできる蓄電素子を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の蓄電素子は、
導電性を有する正極基層と、該正極基層上に形成された正極活物質層とを含む正極板と、
導電性を有する負極基層と、該負極基層上に形成された負極活物質層とを含む負極板であって、前記負極活物質層を前記正極活物質層に向けた状態で前記正極板に重ね合わされた負極板と、
電気絶縁性及び熱収縮性を有するセパレータであって、前記正極板と前記負極板との重なる領域の全域に存在するように、前記正極板と前記負極板との間に配置されたセパレータと、を有する発電要素を備え、
前記セパレータのサイズが、前記正極活物質層のサイズ及び前記負極活物質層のサイズよりも大きく設定され、
前記セパレータは、
前記正極活物質層及び前記負極活物質層の両側にはみ出るように配置されるとともに、
前記正極活物質層及び前記負極活物質層の両側にはみ出る部分のそれぞれの少なくとも一部に、前記正極活物質層及び前記負極活物質層と対向する部分の厚さよりも厚い厚肉部を備え、
該厚肉部のそれぞれは、前記正極板側及び前記負極板側のうちの少なくとも何れか一方の極板側に向けて突出することで、前記正極活物質層及び前記負極活物質層のうちの少なくとも何れか一方の活物質層の両側に存在する。
【0012】
また、本発明の蓄電素子は、
導電性を有する正極基層と、該正極基層上に形成された正極活物質層とを含む正極板と、
導電性を有する負極基層と、該負極基層上に形成された負極活物質層とを含む負極板であって、前記負極活物質層を前記正極活物質層に向けた状態で前記正極板に重ね合わされた負極板と、
電気絶縁性及び熱収縮性を有するセパレータであって、前記正極板と前記負極板との重なる領域の全域に存在するように、前記正極板と前記負極板との間に配置されたセパレータと、を有する発電要素を備え、
前記セパレータのサイズが、前記正極活物質層のサイズ及び前記負極活物質層のサイズよりも大きく設定され、
前記セパレータは、
前記正極活物質層及び前記負極活物質層の両側にはみ出るように配置されるとともに、
前記正極活物質層及び前記負極活物質層の両側にはみ出る部分のそれぞれの少なくとも一部に、前記正極活物質層及び前記負極活物質層と対向する部分の厚さよりも厚い厚肉部を備え、
該厚肉部のそれぞれは、前記正極板側及び前記負極板側のうちの少なくとも何れか一方の極板側に向けて突出することで、前記正極活物質層及び前記負極活物質層のうちの少なくとも何れか一方の活物質層の両側に存在し、
前記活物質層の両側に存在する厚肉部の間隔は、前記活物質層から前記セパレータがはみ出る方向における前記活物質層のサイズ以上に設定される。
【0013】
上記構成の蓄電素子の何れも、発電要素のセパレータが熱の影響で収縮しようとすると、該セパレータの厚肉部が前記正極活物質層及び前記負極活物質層のうちの少なくとも何れか一方の活物質層に引っ掛かる(係止される)。これにより、セパレータが熱収縮性によって収縮することが規制される。これに伴い、セパレータが正極板と負極板との重なる領域の全域に存在した状態で維持する。従って、正極板の一部と負極板の一部とが直接対向することがなく、正極板と負極板とが絶縁された状態で維持することができる。
【0014】
本発明の一態様として、前記熱収縮性によって収縮しようとする収縮特性方向における前記セパレータのサイズが、前記収縮特性方向と対応する方向における前記正極活物質層のサイズ及び前記負極活物質層のサイズよりも大きく設定され、前記セパレータは、前記収縮特性方向と対応する方向における前記正極活物質層及び前記負極活物質層の両側にはみ出るように配置されるとともに、前記収縮特性方向と対応する方向における前記正極活物質層及び前記負極活物質層の両側にはみ出る部分のそれぞれの少なくとも一部に前記厚肉部を備え、該厚肉部のそれぞれは、前記正極活物質層及び前記負極活物質層のうちの少なくとも何れか一方の活物質層における前記収縮特性方向と対応する方向の両側に存在することが好ましい。このようにすれば、セパレータの両端部にある厚肉部が該セパレータの収縮特性方向に間隔をあけて配置される。そして、両端部の厚肉部の間に正極活物質層及び負極活物質層のうちの少なくとも何れか一方の活物質層が介在した状態になる。これにより、セパレータが熱の影響で収縮しようとすると、該セパレータの厚肉部が前記正極活物質層及び前記負極活物質層の少なくとも何れか一方の活物質層に引っ掛かり、セパレータの収縮が規制される。これに伴い、セパレータが正極板と負極板との重なる領域の全域に存在した状態で維持する。従って、正極板の一部と負極板の一部とが直接対向することがなく、正極板と負極板とが絶縁された状態で維持することができる。
【0015】
本発明の他態様として、前記セパレータは、微多孔性フィルムで構成された基材層と、該基材層上に形成された耐熱層とを含むことが好ましい。このようにすれば、耐熱層が基材層の収縮を抑制する。また、耐熱層がセパレータ全体の耐熱性を高める。従って、ケース内の温度が上昇しても、セパレータが破損し難くなる。これにより、セパレータが正極板と負極板との絶縁を確実にする。
【0016】
そして、前記耐熱層は、前記基材層の両面のうちの少なくとも何れか一方の面上に形成され、前記厚肉部は、前記耐熱層が隆起して形成されていることが好ましい。耐熱層は、高温になっても溶融や軟化のし難い特性を有する。従って、ケース内の温度が高くなっても、厚肉部における正極板側及び負極板側の少なくとも何れか一方側に向けて突出した部分(耐熱層)が定型で維持する。従って、熱の影響でセパレータが収縮しようとしたときに、厚肉部が正極活物質層及び負極活物質層の少なくとも何れか一方の活物質層に確実に引っ掛かる(係止される)。これにより、セパレータの収縮が確実に規制される。
【0017】
前記耐熱層は、前記基材層の両面のうちの前記正極板側の面上に設けられることが好ましい。このようにすれば、正極板と基材層との間に耐熱層が介在する。これにより、微短絡等が発生したときのセパレータ(基材層)の損傷を抑制することができる。
【0018】
また、前記セパレータにおける緊圧をかけない状態での収縮率であって、150℃にて少なくとも1時間加熱した後に測定した収縮率をG(%)とし、前記正極活物質層及び前記負極活物質層のうちの前記厚肉部と対向する活物質層のサイズであって、該活物質層から前記セパレータがはみ出る方向におけるサイズをAとし、150℃に加熱する前の前記セパレータのサイズであって、前記活物質層から前記セパレータがはみでる方向のサイズをBとし、150℃に加熱したときの前記セパレータのサイズであって、前記活物質層から前記セパレータがはみでる方向のサイズをCとし、G(%)=100−(C/B×100)としたとき、B−A<B×G…式(1)を満たす場合、本発明の効果が顕著になる。すなわち、かかる条件式が満たされる場合、厚肉部を設けることの効果(熱収縮を抑制する効果)が顕著になる。
【0019】
前記厚肉部は、前記セパレータにおける前記正極活物質層及び前記負極活物質層と対向する部分を基準にして放電状態における前記正極活物質層又は前記負極活物質層の厚みの1%以上突出していることが好ましい。かかる条件が採用されることで、セパレータが熱の影響で収縮しようとするとしたときに、セパレータの厚肉部が正極活物質層及び負極活物質層の少なくとも何れか一方の活物質層に確実に係止され、セパレータの収縮を確実に規制することができる。従って、正極板の一部と負極板の一部とが直接対向することがなく、正極板と負極板とが絶縁された状態で確実に維持することができる。
【0020】
前記正極板、前記負極板、及び前記セパレータが、帯状に形成されるとともに扁平状に巻回され、前記セパレータが、長手方向と直交する方向に熱収縮する熱収縮性を有し、前記厚肉部が、少なくとも前記発電要素の円弧部分にあるセパレータの両端部であって、前記セパレータがはみ出る方向における両端部に形成されることが好ましい。発電要素における円弧部分は、正極板及び負極板の密度が高いため、発熱し易い部分である。そのため、発電要素の円弧部分にあるセパレータは、熱の影響を受けて収縮特性方向(巻回中心方向)に収縮する可能性が高い。従って、厚肉部が、少なくとも前記発電要素の円弧部分にあるセパレータの前記収縮特性方向の両端部に形成されることで、ケース内の温度が高くなったときにセパレータの熱収縮を確実に抑制することができる。
【0021】
前記セパレータにおける前記正極活物質層及び前記負極活物質層と対向する部分の厚さが均一又は略均一に設定されることが好ましい。このようにすれば、セパレータを間に挟んだ正極板と負極板との距離が何れの場所であっても同じになる。これにより、充放電反応が均一に起こり、容量低下や出力低下が抑制される。
【0022】
前記正極活物質層及び前記負極活物質層のうちの少なくとも何れか一方の活物質層と、該活物質層の両側に存在する厚肉部のそれぞれとの間に隙間が形成されていてもよい。このようにすれば、電解液がセパレータと極板との間に進入し易くなる。これにより、電池の性能が良好になる。
【発明の効果】
【0023】
以上のように、本発明の蓄電素子は、熱の影響で発電要素が短絡することを防止することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る蓄電素子(電池)の全体斜視図である。
【図2】図2は、同実施形態に係る蓄電素子(電池)の分解斜視図である。
【図3】図3は、同実施形態に係る蓄電素子(電池)の発電要素の部分概略断面図である。
【図4】図4は、本発明の他実施形態に係る蓄電素子(電池)の発電要素の部分概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態に係る蓄電素子について、添付図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態においては、蓄電素子の一例として、電池(リチウムイオン電池)について説明する。
【0026】
電池は、図1及び図2に示す如く、発電要素2と、該発電要素2に電気的に接続された一対の集電体3,3と、発電要素2及び一対の集電体3,3を収容したケース4と、ケース4の外部に配置された一対の外部端子5,5とを備える。
【0027】
発電要素2は、図2に示す如く、正極板20と、負極板21と、セパレータ22とを有する。
【0028】
正極板20は、図3に示す如く、導電性を有する正極基層200と、該正極基層200上に形成された正極活物質層201とを含んでいる。
【0029】
正極基層200は、導電性を有する素材(本実施形態においては、アルミニウム(アルミ箔))で構成されている。正極活物質層201は、金属イオンを吸蔵・放出可能な材料で形成される。本実施形態に係る電池1は、上述の如く、リチウムイオン電池である。そのため、正極活物質層201は、リチウムイオンを吸蔵・放出できる材料で構成される。この種の正極活物質層201の膨張収縮率は、1%ないし数%程度である。
【0030】
正極活物質層201は、正極基層200の両面のうちの少なくとも何れか一方の面上に形成される。本実施形態において、正極活物質層201は、正極基層200の両面に形成されている。正極活物質層201は、第一方向における正極基層200の少なくとも何れか一方の端部を除いた領域の全面に形成される。正極活物質層201は、第一方向の全長に亘って均一又は略均一な厚みで形成される。一般的に、正極基層200の両面に形成された正極活物質層201のそれぞれは、20μm〜200μmの厚みで形成される。
【0031】
本実施形態において、正極板20(正極基層200)は、帯状に形成されている。これに伴い、正極活物質層201は、正極基層200の長手方向と直交する短手方向(第一方向に相当する方向)の一端部を除いた領域全面に形成されている。すなわち、正極板20の長手方向と直交する短手方向の一端部に、正極活物質層201の無い基層露出部202が形成されている。
【0032】
負極板21は、導電性を有する負極基層210と、該負極基層210上に形成された負極活物質層211とを含んでいる。負極基層210は、導電性を有する素材(本実施形態においては銅(銅箔))で構成されている。負極活物質層211は、電気化学的に金属イオンを吸蔵・放出可能な材料で形成される。本実施形態に係る電池1は、上述の如く、リチウムイオン電池である。そのため、負極活物質層211は、リチウムイオンを吸蔵・放出できる材料で構成される。この種の負極活物質層211の膨張収縮率は、負極活物質層211が炭素材料である場合、1%〜10%程度であり、負極活物質層211が合金系材料である場合、炭素材料の膨張収縮率以上になることもある。具体的には、負極活物質層211が非晶質炭素である場合、該負極活物質層211の膨張収縮率は、1%程度であり、負極活物質層211がグラファイトである場合、該負極活物質層211の膨張収縮率は、10%程度である。そして、負極活物質層211がSiなどの合金系材料である場合、該負極活物質層211の膨張収縮率は、20%〜30%となる場合もある。
【0033】
負極活物質層211は、負極基層210の両面のうちの少なくとも何れか一方の面上に形成される。本実施形態において、負極活物質層211は、負極基層210の両面に形成される。負極活物質層211は、第一方向における負極基層210の少なくとも何れか一方の端部を除いた領域の全面に形成される。負極活物質層211は、第一方向の全長に亘って均一又は略均一な厚みで形成される。一般的に、負極基層210の両面に形成された負極活物質層211のそれぞれは、20μm〜200μmの厚みで形成される。
【0034】
本実施形態において、負極板21(負極基層210)は、帯状に形成されている。これに伴い、負極活物質層211は、負極基層210の長手方向と直交する短手方向(第一方向に相当する方向)の一端部を除いた領域全面に形成されている。すなわち、負極板21の長手方向と直交する短手方向の一端部に、負極活物質層211の無い基層露出部212が形成されている。
【0035】
負極板21は、負極活物質層211を正極活物質層201に向けた状態で前記正極板20に重ね合わされている。そして、第一方向における負極活物質層211のサイズは、第一方向における正極活物質層201のサイズよりも大きなサイズに設定されている。これに伴い、負極活物質層211は、第一方向における正極活物質層201の両側にはみ出ている。
【0036】
正極板20及び負極板21は、相対的に位置ずれした状態で配置される。本実施形態において、正極板20及び負極板21のそれぞれが帯状に形成される。そのため、正極板20及び負極板21は、短手方向(第一方向)で相対的に位置ずれして配置されている。
【0037】
本実施形態において、正極板20の短手方向の一端部が負極板21の短手方向の他端側になるように(長手方向に延びる中心線を基準に反転するように)、正極板20と負極板21とが重ね合わされている。そして、上述の如く、正極板20及び負極板21が短手方向に相対的に位置ずれして配置される。これにより、正極板20の基層露出部202が、負極板21からはみ出るとともに、負極板21の基層露出部212が、正極板20からはみ出ている。
【0038】
セパレータ22は、電気絶縁性及び熱収縮性を有する。熱収縮性によって収縮しようとする収縮特性方向における前記セパレータ22のサイズが、収縮特性方向と対応する方向における前記正極活物質層201のサイズ及び前記負極活物質層211のサイズよりも大きく設定されている。本実施形態に係るセパレータ22は、帯状に形成され、第一方向(短手方向)に熱収縮性を有している。これに伴い、第一方向におけるセパレータ22のサイズが、第一方向における正極活物質層201のサイズ及び負極活物質層211のサイズよりも大きく設定されている。また、本実施形態では、セパレータ22の第一方向と直交する第二方向(長手方向)のサイズについても、第二方向における前記正極活物質層201のサイズ及び前記負極活物質層211のサイズよりも大きく設定されている。
【0039】
セパレータ22は、収縮特性方向と対応する方向における前記正極活物質層201及び前記負極活物質層211の両側にはみ出るように配置される。本実施形態において、セパレータ22は、第一方向における正極活物質層201及び負極活物質層211の両側にはみ出るように配置される。
【0040】
セパレータ22は、収縮特性方向と対応する方向における前記正極活物質層201及び前記負極活物質層211の両側にはみ出る部分のそれぞれの少なくとも一部に、前記正極活物質層201及び前記負極活物質層211と対向する部分(以下、薄肉部という)220の厚さよりも厚い厚肉部(一対の厚肉部)221,221を備える。本実施形態において、セパレータ22は、第一方向における前記正極活物質層201及び前記負極活物質層211の両側にはみ出る部分のそれぞれの全域に厚肉部221,221を備える。
【0041】
一対の厚肉部221,221のそれぞれは、正極板20側又は負極板21側の少なくとも何れか一方側に向けて突出し、正極活物質層201及び負極活物質層211の少なくとも何れか一方の第一方向における両側に存在する。本実施形態において、一対の厚肉部221,221は、正極板20側に向けて突出し、第一方向における正極活物質層201の両側に存在する。セパレータ22における薄肉部220と厚肉部221、221との差(活物質層201と接する面を基準にした厚肉部221の突出量)は、正極活物質層201又は負極活物質層211の膨張収縮率と、正極活物質層201又は負極活物質層211の厚みとを掛けた値(膨張収縮率と活物質層201、211の厚みとの積)以上に設定される。本実施形態において、上述の如く、厚肉部221,221が正極板20側に向けて突出している。そのため、活物質層201と接する面を基準にした厚肉部221の突出量は、正極活物質層201の膨張収縮率と、正極活物質層201の厚みとを掛けた値以上に設定される。これにより、如何なる場合でもセパレータ22の熱収縮が抑制される。
【0042】
本実施形態において、一対の厚肉部221,221のそれぞれの突出量は、正極活物質層201の厚み以下にされている。具体的には、本実施形態において、一対の厚肉部221,221のそれぞれは、薄肉部220の正極板20側の面(正極活物質層201と接する面)を基準にして、放電状態における正極活物質層201又は負極活物質層210の厚みの1%以上突出している。これにより、正極板20とセパレータ22との間への電解液の供給の円滑性の向上が図られている。なお、厚肉部211,221の突出量は、上記条件を満たすことが好ましいが、セパレータ22を正極板20と負極板21とともに巻回できれば、適宜変更可能である。
【0043】
本実施形態において、一対の厚肉部221,221は、第一方向におけるセパレータ22の両端部に形成されている。そのため、セパレータ22の負極板21側の面は、第一方向の全長に亘って平面になっている。これに対し、セパレータ22の正極板20側の面は、第一方向の両端部が隆起して凹凸面になっている。
【0044】
本実施形態に係るセパレータ22は、微多孔性フィルムで構成された基材層222と、該基材層222上に形成された耐熱層223とを含む。
【0045】
基材層222は、ポリオレフィン系の樹脂で構成される。本実施形態において、基材層222の厚みは、全面に亘って一定に設定されている。耐熱層223は、無機フィラーを樹脂バインダーで固めることで形成されている。該耐熱層223は、基材層222の両面のうちの少なくとも何れか一方の面上に設けられる。本実施形態において、耐熱層223は、基材層222の両面のうちの正極板20側の面上に設けられている。これに伴い、耐熱層223の第一方向の両端部が他の部分(正極活物質層201と対向する薄肉部220の耐熱層223)よりも厚肉になっている。
【0046】
本実施形態において、基材層222全面に均一な厚さに形成された耐熱層223を正極活物質層201のサイズに応じた範囲で圧縮成型する(プレスする)ことで、薄肉部220が形成されるのに併せて両端部の耐熱層223が厚肉にされている。すなわち、セパレータ22における正極活物質層201と対向する領域に、基材層222と圧縮された耐熱層223とで構成される薄肉部220が形成され、正極活物質層201と対向していないセパレータ22の両端部に、基材層222と未圧縮の耐熱層223とで構成される厚肉部221,221が形成されている。これにより、セパレータ22における正極活物質層201及び負極活物質層211と対向する部分の厚さが均一又は略均一になっている。このようにすることで、セパレータ22(薄肉部220)を間に挟んだ正極板20(正極活物質層201)と負極板21(負極活物質層211)との距離が何れの場所であっても同じになり、充放電反応が均一に起こる。そのため、容量低下や出力低下が抑制される。
【0047】
セパレータ22の両端部に形成された厚肉部221,221の間隔の最大値は、第一方向におけるセパレータ22のサイズ(幅寸法)から、第一方向における厚肉部221,221のサイズの二倍(二箇所の厚肉部221,221の幅寸法の合計)を差し引いた値になる。これを考慮し、第一方向におけるセパレータ22のサイズは、電池1の構造に応じて常識的な範囲で適宜決定される。
【0048】
本実施形態の場合(巻回型の発電要素2が採用される場合)、第一方向におけるセパレータ22のサイズは、一方の集電体3と正極板20の基層露出部202との溶接及び他方の集電体と負極板21の基層露出部212との溶接を妨げず、正極板20、負極板21、及びセパレータ22の巻回時における巻きずれを加味しても、正極板20と負極板21とが確実に隔絶できるサイズに設定されることが好ましい。
【0049】
また、第一方向におけるセパレータ22のサイズは、熱収縮によっても正極板20と負極板21とが短絡しない範囲に設定されることが好ましい。さらに、セパレータ22の収縮を抑制するために、厚肉部221のそれぞれにおける第一方向のサイズは、厚肉部221の厚み以上であることが好ましい。そして、第一方向におけるセパレータ22の両端部に形成された厚肉部221,221の間隔は、第一方向における活物質層201,211の両側端の間隔(第一方向における活物質層201,211のサイズ)以上であることがより好ましい。
【0050】
このような条件を踏まえ、セパレータ22の両端部に形成された厚肉部221,221同士の間隔は、第一方向における正極活物質層201のサイズ以上に設定される。より具体的には、セパレータ22の両端部に形成された厚肉部221,221同士の間隔は、第一方向における正極活物質層201のサイズと同一又は略同一に設定されている。これにより、厚肉部221,221の正極板20側に隆起(突出)した部分が第一方向における正極活物質層201の側端面に密接又は略密接した状態になっている。
【0051】
本実施形態において、正極板20、セパレータ22、及び負極板21は、それぞれの長手方向を一致させた状態で重ね合わされている。そして、正極板20、セパレータ22、及び負極板21は、扁平状に巻回されている。これにより、発電要素2は、外観扁平渦巻き状に形成されている。また、一対の厚肉部221,221のそれぞれは、セパレータ22における巻回周方向の全長に亘って配置されている。すなわち、発電要素2の円弧部分にあるセパレータ22の収縮特性方向の両端部に厚肉部221,221が配置されている。
【0052】
そして、第一方向における発電要素2の一端部には、正極板20(基層露出部202)のみが積層した正極リード部23が形成されている。これに対し、第一方向における発電要素2の他端部には、負極板21(基層露出部212)のみが積層した負極リード部24が形成されている。
【0053】
本実施形態に係る発電要素2は、上記条件に加え、以下の条件を満たしている。具体的には、前記セパレータ22における緊圧をかけない状態(引っ張りや圧縮が作用していない状態)での収縮率であって、150℃にて少なくとも1時間加熱した後に測定した収縮率をG(%)とし、正極活物質層201及び負極活物質層211のうちの厚肉部221,221と対向する活物質層(本実施形態においては正極活物質層)201のサイズであって、該活物質層201からセパレータ22がはみ出る方向(第一方向)のサイズをAとし、150℃に加熱する前のセパレータ22のサイズであって、前記活物質層(正極活物質層)201からセパレータ22がはみでる方向(第一方向)のサイズをBとし、150℃に加熱したときのセパレータ22のサイズであって、前記活物質層(正極活物質層)201からセパレータ22がはみでる方向(第一方向)のサイズをCとし、G(%)=100−(C/B×100)としたとき、以下の式(1)を満たす。B−A<B×G…式(1)
【0054】
かかる条件式(1)を満たした場合に、厚肉部221,221によって得られる効果が顕著になる。なお、ここで150℃の物性(サイズ)を基準にしているのは、リチウムイオン電池に採用される材料の安定性が150℃付近で低下する傾向にあり、セパレータ22(基材層222)に採用されるポリオレフィン系樹脂の軟化温度が120℃〜150℃であるためである。
【0055】
図2に戻り、一対の集電体3,3のうちの一方の集電体(正極用集電体という)3は、金属プレートを曲げ加工して形成されている。正極用集電体3は、ケース4の内面に沿って配置される固定用片部30と、該固定用片部30から延出された発電要素接続部31とを備えている。
【0056】
固定用片部30は、平面視長方形状に形成されている。また、固定用片部30には、貫通穴300が設けられている。発電要素接続部31は、固定用片部30に対して直角又は略直角をなしている。発電要素接続部31は、発電要素2の巻回中心方向と直交する方向で発電要素2(正極リード部23)に沿って配置される。
【0057】
正極用集電体3の発電要素接続部31は、正極リード部23に電気的及び機械的に接続される。本実施形態において、正極用集電体3の発電要素接続部31は、薄板を二つ折りにしたクリップ部材32によって、正極リード部23とともに挟み込まれる。そして、発電要素接続部31、正極リード部23、及びクリップ部材32は、超音波溶接等によって、一体的に連結される。これにより、正極リード部23と正極用集電体3とが通電可能になっている。
【0058】
一対の集電体3,3のうちの他方の集電体(負極用集電体という)3は、正極用集電体(一方の集電体)3と同一形態に形成されている。従って、正極用集電体3に関する上記説明は、文中の「正極」を「負極」と読み替えることで、負極用集電体3の説明となる。これに伴い、ここでは負極用集電体3の個別の説明に正極用集電体3の説明が代用される。
【0059】
ケース4は、一面に開口部400を形成したケース本体40と、該ケース本体40の開口部400を閉塞する蓋体41とで構成されている。
【0060】
ケース本体40は、発電要素2とともに該発電要素2に接続された正極用集電体3及び負極用集電体3を収容可能に形成されている。蓋体41は、ケース本体40の開口部400の平面形状に対応して形成されている。そして、該蓋体41には、二つの貫通穴410,410(以下、一方の貫通穴410を正極用貫通穴といい、他方の貫通穴410を負極用貫通穴という)が間隔をあけて設けられている。蓋体41の外周は、ケース本体40の上端部に溶接されている。これにより、蓋体41がケース本体40の開口部400を封止している(図1参照)。
【0061】
一対の外部端子5,5のそれぞれは、電気的な負荷や別の電池に接続される部分である。一対の外部端子5,5のうちの一方の外部端子(以下、正極用外部端子という)5は、軸状に形成されている。より具体的に説明すると、正極用外部端子5は、軸状の端子部50と、該端子部50と連続する回止部51とを備えている。正極用外部端子5は、図示しない雌ネジ部材(例えば、ナット)が螺合可能なネジ溝を端子部50の外周に備えている。すなわち、本実施形態においては、正極用外部端子5には、ボルト端子が採用されている。
【0062】
回止部51は、端子部50よりも大きなサイズに形成されている。そして、回止部51は、外周に平面部が形成されている。本実施形態において、回止部51は、平面視多角形状(略四角形状)に形成されている。
【0063】
一対の外部端子5,5のうちの他方の外部端子(以下、負極用外部端子という)5は、正極用外部端子5(一方の外部端子5)と同一形態に形成されている。従って、正極用外部端子5に関する上記説明は、文中の「正極」を「負極」と読み替えることで、負極用外部端子5の説明となる。これに伴い、ここでは負極用外部端子5の個別の説明に正極用外部端子5の説明が代用される。
【0064】
本実施形態に係る電池1は、上記構成に加え、一対の集電体3,3の配置に対応してケース4の内面に沿って配置される一対の内部ガスケット6,6と、該一対の内部ガスケット6,6の配置に対応してケース4の外面に沿って配置される一対の外部ガスケット7,7とを備えている。そして、本実施形態において、一対の外部端子5,5のそれぞれは、一対の集電体3,3のうちの対応する極性の集電体3に対して間接的に接続されている。具体的には、本実施形態に係る電池1は、上記構成に加え、それぞれが一対の外部端子5,5のうちの対応する極性の外部端子5に接続される一対の接続杆8,8と、ケース4に挿通される一対の軸状部材9,9であって、それぞれが対応する集電体3と接続杆8とを電気的に接続する一対の軸状部材9,9とを備えている。
【0065】
一対の内部ガスケット6,6のうちの一方の内部ガスケット(以下、正極用内部ガスケットという)6は、電気絶縁性及び封止性を備えた合成樹脂成型品である。本実施形態において、正極用内部ガスケット6は、プレート状に形成されている。正極用内部ガスケット6には、貫通穴60が形成されている。また、正極用内部ガスケット6の一方の面に貫通穴60と連通した筒状部61が形成されている。正極用内部ガスケット6は、筒状部61をケース4の正極用貫通穴410に挿入した状態で、蓋体41の内面に沿って配置される。そして、正極用集電体3の固定用片部30の貫通穴300と正極用内部ガスケット6の貫通穴60とが同心になるように、正極用内部ガスケット6の他方の面上に正極用集電体3の固定用片部30が配置される。
【0066】
一対の内部ガスケット6,6のうちの他方の内部ガスケット(以下、負極用内部ガスケットという)6は、正極用内部ガスケット6と同一形態に形成されている。従って、正極用内部ガスケット6に関する上記説明は、文中の「正極」を「負極」と読み替えることで、負極用内部ガスケット6の説明となる。これに伴い、ここでは負極用内部ガスケット6の個別の説明に正極用内部ガスケット6の説明が代用される。
【0067】
一対の外部ガスケット7,7のうちの一方の外部ガスケット(以下、正極用外部ガスケットという)7は、正極用内部ガスケット6と同様、電気絶縁性と封止性を備えた合成樹脂成型品である。正極用外部ガスケット7は、プレート状に形成されている。正極用外部ガスケット7には貫通穴70が形成されている。
【0068】
そして、正極用外部ガスケット7は、一方の面(外側に向く面)上に正極用外部端子5の回止部51を収容可能な凹部71が形成されている。凹部71は、貫通穴70に対してずれた位置に形成されている。凹部71の平面形状及び平面サイズは、正極用外部端子5の回止部51の平面形状及び平面サイズと同一又は略同一に設定される。これにより、正極用外部端子5の回止部51の外周上の平面部が凹部71の内周面上にある平面部に面接触し、正極用外部端子5の回転が規制されるようになっている。そして、正極用外部ガスケット7は、当該正極用外部ガスケット7の貫通穴70とケース4の正極用貫通穴410とが同心になるように、ケース4(蓋体41)の外面上に配置されている。
【0069】
一対の外部ガスケット7,7のうちの他方の外部ガスケット(以下、負極用外部ガスケットという)7は、正極用外部ガスケット7と同一形態に形成されている。従って、正極用外部ガスケット7に関する上記説明は、文中の「正極」を「負極」と読み替えることで、負極用外部ガスケット7の説明となる。これに伴い、ここでは負極用外部ガスケット7の個別の説明に正極用外部ガスケット7の説明が代用される。
【0070】
一対の接続杆8,8のうちの一方の接続杆(以下、正極用接続杆という)8は、長方形状の金属プレートで構成されている。正極用接続杆8には、長手方向に間隔をあけて二つの貫通穴(以下、一方の貫通穴を第一穴80といい、他方の貫通穴を第二穴81という)が形成されている。
【0071】
正極用接続杆8の第一穴80には、正極用外部端子5の端子部50が挿通される。そして、正極用外部端子5の端子部50に図示しない雌ネジ部材が螺合されて締め付けられることで、該正極用外部端子5の回止部51と正極用接続杆8とが接触する。これにより、正極用外部端子5と正極用接続杆8とが電気的に接続される。
【0072】
一対の接続杆8,8のうちの他方の接続杆(以下、負極用接続杆という)8は、正極用接続杆8と同一形態に形成されている。従って、正極用接続杆8に関する上記説明は、文中の「正極」を「負極」と読み替えることで、負極用接続杆8に関する説明となる。これに伴い、ここでは負極用接続杆8の個別の説明に正極用接続杆8に関する説明が代用される。
【0073】
一対の軸状部材9,9のうちの一方の軸状部材(以下、正極用軸状部材という)9は、導電性を有する金属材料で構成される。正極用軸状部材9は、正極用接続杆8の第二穴81、正極用外部ガスケット7の貫通穴70、ケース4の正極用貫通穴410(正極用内部ガスケット6の筒状部61)、正極用内部ガスケット6の貫通穴60、及び、正極用集電体3の固定用片部30の貫通穴300に挿通されている。
【0074】
そして、正極用軸状部材9の一端部は、正極用集電体3の固定用片部30と密接するように、ケース4の内部でかしめられている。これに対し、正極用軸状部材9の他端部は、正極用接続杆8と密接するように、ケース4の外部でかしめられている。これにより、正極用軸状部材9は、ケース4の内外にある正極用集電体3の固定用片部30と正極用接続杆8とを電気的に接続している。また、これに併せて、正極用軸状部材9は、ケース4の内外にある両端部(かしめられた両端部)でケース4と正極用集電体3(固定用片部30)とを挟み込んで該正極用集電体3をケース4に固定している。
【0075】
一対の軸状部材9,9のうちの他方の軸状部材(以下、負極用軸状部材という)9は、正極用軸状部材9と同一形態に形成されている。また、負極用軸状部材9の取り付け態様は、正極用軸状部材9の取り付け態様と同様にされる。従って、正極用軸状部材9に関する上記説明は、文中の「正極」を「負極」と読み替えることで、負極用軸状部材9に関する説明となる。これに伴い、ここでは負極用軸状部材9及び該負極用軸状部材9の取り付け態様の説明に正極用軸状部材9に関する説明が代用される。
【0076】
本実施形態に係る電池1の構成は、以上の通りである。上記構成の電池1において、発電要素2内で微短絡が発生し、ケース4内の温度が高くなると、発電要素2のセパレータ22が熱収縮性により第一方向に収縮しようとする。そうすると、図3に示す如く、セパレータ22の両端部に形成された厚肉部221,221が第一方向における正極活物質層201の両側端に引っ掛かる(係止される)。すなわち、セパレータ22の正極活物質層201の両側にはみ出る部分に形成された一対の厚肉部221,221のそれぞれは、正極板20側に突出(隆起)して第一方向における正極活物質層201の側面に対向した状態になっている。
【0077】
そのため、セパレータ22が第一方向に収縮しようとしたときに、第一方向におけるセパレータ22の両端部に形成される一対の厚肉部221,221のそれぞれが、対向する正極活物質層201の側面に干渉する。これにより、セパレータ22が熱収縮性によって収縮することが規制される。これに伴い、セパレータ22が正極板20と負極板21との重なる領域の全域に存在した状態で維持する。従って、ケース4内が高温になっても、正極板20の一部と負極板21の一部とが直接対向することがなく、正極板20と負極板21とを絶縁した状態で維持することができる。
【0078】
特に、上記構成のセパレータ22の厚肉部221,221は、ケース4内が高温になっても正極板20側に向けて突出した状態で維持することができ、確実に正極活物質層201の側面に引っ掛かった状態になる。すなわち、厚肉部221,221の耐熱層223は、高温になっても溶融や軟化のし難い特性を有する。そのため、一対の厚肉部221,221のそれぞれは、ケース4内の温度が高くなっても、正極板20側に向けて突出した状態で維持する。従って、一対の厚肉部221,221のそれぞれが正極活物質層201に確実に引っ掛かり、セパレータ22の収縮特性方向の収縮が確実に規制される。
【0079】
従って、上記構成の電池1は、高温でのセパレータ22の破膜により、発電要素2が短絡することを防止することができるという優れた効果を奏し得る。
【0080】
また、上記構成に電池1において、耐熱層223が基材層22の一方の面上に形成され、耐熱層223が隆起して厚肉部221,221が形成されるため、ケース4内の温度が高くなっても、厚肉部221,221が定型で維持する。従って、熱の影響でセパレータ22が収縮しようとしたときに、厚肉部221,221が正極活物質層201に確実に引っ掛かり、セパレータ22の収縮が確実に規制される。
【0081】
そして、上記構成に電池1において、正極板20と基材層222との間に耐熱層223が介在する。これにより、微短絡等が発生したときのセパレータ22(基材層222)の損傷を抑制することができる。
【0082】
また、厚肉部221,221が、発電要素2の巻回中心方向の両端部であって、当該発電要素2の円弧部分を含む全周に亘って形成されることで、セパレータ22の熱収縮を確実に抑制することができる。具体的には、発電要素2における円弧部分は、内外の曲率半径の差によって正極板20及び負極板21の密度が高く、発熱し易い。そのため、発電要素2の円弧部分にあるセパレータ22は、熱の影響を受けて巻回中心方向に収縮する可能性が高い。従って、前記厚肉部221,221が、発電要素2の円弧部分における巻回中心方向の両端部に形成されることで、セパレータ22の熱収縮を確実に抑制することができる。
【0083】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更し得ることは勿論である。
【0084】
上記実施形態において、蓄電素子の一例としてリチウムイオン電池について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、蓄電素子は、ナトリウムイオン電池等の他の電池や、キャパシタ(電気二重層キャパシタ等)であってもよい。
【0085】
上記実施形態において、セパレータ22の厚肉部221,221のそれぞれが正極板20側に突出して形成されたが、これに限定されるものではない。例えば、セパレータ22の厚肉部221,221のそれぞれが負極板21側に突出し、第一方向における負極活物質層211の両側に存在するようにしてもよい。また、セパレータ22の厚肉部221,221のそれぞれが正極板20側及び負極板21側に突出し、正極活物質層201の第一方向における両側及び負極活物質層211の第一方向における両側に存在するようにしてもよい。
【0086】
上記実施形態において、厚肉部221,221のそれぞれが正極活物質層201の側端に密接するように配置されたが、これに限定されるものではない。例えば、図4に示す如く、厚肉部221,221のそれぞれが正極活物質層201の側端に係止されることを前提に、厚肉部221,221のそれぞれが収縮特性方向(第一方向)で正極活物質層201に対して隙間をあけて配置されてもよい。
【0087】
セパレータ22の厚肉部221,221のそれぞれを負極活物質層211の両側に存在するように形成する場合、セパレータ22の厚肉部221,221のそれぞれを正極活物質層201の両側及び負極活物質層211の両側に存在するように形成する場合も同様である。このように正極活物質層201及び負極活物質層211の少なくとも何れか一方の活物質層に対して厚肉部221,221が隙間を空けて配置されることで、電解液がセパレータ22と極板20,21との間に進入し易くなる。これにより、電池1の性能が良好になる。
【0088】
上記実施形態において、セパレータ22が基材層222と耐熱層223とを備えたが、これに限定されるものではない。例えば、セパレータ22は、基材層222のみ(多孔性フィルムのみ)で構成されたものであってもよい。但し、この場合のセパレータ22は、成型時に厚肉部221,221が形成される。
【0089】
上記実施形態において、厚肉部221,221は、第一方向における正極活物質層201の両側で、セパレータ22における薄肉部220を基準にして放電状態における正極活物質層201の厚みの1%以上突出したが、これに限定されるものではない。例えば、厚肉部221,221は、正極活物質層201又は負極活物質層211の両側で、セパレータ22における薄肉部220を基準にして放電状態における正極活物質層201又は負極活物質層211の厚みの1%未満の突出量で突出してもよい。すなわち、厚肉部221,221は、正極活物質層201及び負極活物質層211の少なくとも何れか一方と係止可能な突出量で形成されればよい。
【0090】
また、上記実施形態において、条件式(1)に代入される値として150℃の物性を適用したが、これに限定されるものではない。条件式(1)に代入される値は、電池1に採用される材料の安定性が低下する温度、及びセパレータ22(基材層222)に採用される樹脂の軟化温度に対応した温度での物性を採用すればよい。
【0091】
上記実施形態において、それぞれ帯状をなす正極板20、セパレータ22及び負極板21が巻回された構成の発電要素2を備えた電池1(蓄電素子)について説明したが、発電要素2は、これに限定されるものではない。例えば、それぞれ枚葉状をなす正極板20、セパレータ22及び負極板21が重ね合わされた発電要素2を備えた電池1(蓄電素子)であってもよい。また、正極板20、セパレータ22及び負極板21が円柱状に巻回された構成の発電要素2を備えた電池1(円筒型電池:蓄電素子)であってもよい。円筒型電池の場合、セパレータの幅(本実施形態における第一方向に相当する方向のサイズ)は、同方向における正極板の幅よりも大きく、電池の内容積を低下させない程度の幅に設定されことが好ましい。
【0092】
上記実施形態の発電要素2において、熱収縮性によって収縮しようとする収縮特性方向が第一方向のみのセパレータ22(基材層222)が採用されたが、これに限定されるものではない。例えば、発電要素2において、収縮特性方向が複数方向のセパレータ22(例えば、第一方向に加えて該第一方向と直交する第二方向にも収縮する熱収縮性を有するセパレータ22)が採用されてもよい。
【0093】
この場合、収縮特性方向(複数の方向)におけるセパレータ22のサイズが、収縮特性方向と対応する方向(複数の方向)における前記正極活物質層201のサイズ及び前記負極活物質層211のサイズよりも大きく設定される。そして、セパレータ22は、収縮特性と対応する方向(複数の方向)における正極活物質層201及び前記負極活物質層211の両側にはみ出るように配置される。そして、セパレータ22は、対応方向(複数の方向)における正極活物質層201及び負極活物質層211の両側にはみ出る部分に、薄肉部220の厚さよりも厚い厚肉部221,221であって、正極板20又は負極板21の少なくとも何れか一方に向けて突出し、対応方向(複数の方向)における正極活物質層201及び負極活物質層211の少なくとも何れか一方の両側に存在する厚肉部221,221を備えればよい。
【0094】
上記実施形態において、帯状のセパレータ22の短手方向の両端部に厚肉部221,221が形成され、該セパレータ22とともに正極板20及び負極板21が巻回されることで、第一方向における発電要素2の両端部の全周に亘って厚肉部221,221が配置されたが、これに限定されるものではない。このようにセパレータ22とともに正極板20及び負極板21が扁平状に巻回される場合、発電要素2の円弧部分にあるセパレータ22に厚肉部221,221を設けるようにしてもよい。すなわち、巻回時に円弧部分になる領域(長手方向に断続的に並ぶ領域)に厚肉部221,221を有するセパレータ22が採用されてもよい。発電要素2における円弧部分は、正極板20及び負極板21の密度の高く、発熱し易い部分である。そのため、発電要素2の円弧部分にあるセパレータ22は、熱の影響を受けて収縮特性方向(巻回中心方向)に収縮する可能性が高い。従って、前記厚肉部221,221が、発電要素2の円弧部分にあるセパレータ22の収縮特性方向の両端部に形成されることで、セパレータ22の熱収縮を確実に抑制することができる。
【0095】
上記実施形態において、セパレータ22の基材層222の厚みを均一にする一方で、セパレータ22の耐熱層223の正極板20及び負極板21からはみ出る部分の厚みを正極活物質層201及び負極活物質層211と対向する部分の厚みよりも厚く設定する(はみ出る部分の耐熱層223を隆起させる)ことで、厚肉部221,221が形成されたが、これに限定されるものではない。例えば、セパレータ22の正極活物質層201及び負極活物質層211からはみ出る部分の基材層22の厚みが、該セパレータ22の正極活物質層201及び負極活物質層211と対向する部分の基材層22の厚みよりも厚く設定され、該基材層222上に均一又は略均一な厚みの耐熱層223が形成されてもよい。このようにすることで、上記実施形態と同様に、セパレータ22における正極活物質層201及び負極活物質層211からはみ出た部分に厚肉部221,221が形成される。
【0096】
上記実施形態において、セパレータ22に薄肉部220及び厚肉部221,221を形成する方法として、基材層222全面に均一な厚さに形成された耐熱層223を正極活物質層201のサイズに応じた範囲で圧縮成型する(プレス)するようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、正極板20、負極板21、及びセパレータ22が積層された状態で巻回されるに当たり、これらに張力を作用させつつ巻回し、セパレータ22を正極板20又は負極板21の何れか一方で圧迫する(セパレータ22に正極板20又は負極板21の何れか一方を押し付ける)ようにしてもよい。このようにすれば、セパレータ22における正極板20又は負極晩21の何れか一方によって圧迫された領域が薄肉部220となり、圧迫されていない領域が厚肉部221,221となる。
【0097】
この場合、薄肉部220と厚肉部221,221との厚みの差(段差)を所望する値にするに当たり、正極板20、負極板21、及びセパレータ22に対する張力は任意に設定可能である。但し、正極板20、負極板21、及びセパレータ22に対する張力が極端に小さすぎると、巻きずれの原因となり、正極板20、負極板21、及びセパレータ22に対する張力が極端に大きすぎると、正極板20や、負極板21、セパレータ22の破断の原因となる。そのため、正極板20、負極板21、及びセパレータ22に対する張力は、セパレータ22の第一方向の長さを基準に単位長さあたり20〜300gf/cm程度にすればよい。
【0098】
また、セパレータ22に薄肉部220及び厚肉部221,221を形成する方法として、正極板20、負極板21、及びセパレータ22が積層された状態で巻回された後に、巻回状態にある正極板20、負極板21、及びセパレータ22を全的的にプレス(径方向にプレス)する方法を採用してもよい。このようにすれば、セパレータ22に正極板20及び負極板21が押し当てられる。従って、セパレータ22における正極板20及び負極板21の押し当てられた領域が薄肉部220となり、それ以外の領域が厚肉部221となる。
【0099】
また、別の方法として、正極板20、負極板21、及びセパレータ22が積層された状態で巻回された後にケース4に収容して単一の蓄電素子1を形成した後、該蓄電素子1(ケース4)を圧迫する方法を採用することもできる。このようにすれば、ケース4の圧迫によって正極板20及び負極板21がセパレータ22に押し当てられる。従って、セパレータ22における正極板20及び負極板21の押し当てられた領域が薄肉部220となり、それ以外の領域が厚肉部221となる。
【符号の説明】
【0100】
1…リチウムイオン電池(蓄電素子)、2…発電要素、3…集電体(正極用集電体,負極用集電体)、4…ケース、5…外部端子(正極用外部端子,負極用外部端子)、6…内部ガスケット(正極用内部ガスケット,負極用内部ガスケット)、7…外部ガスケット(正極用外部ガスケット,負極用外部ガスケット)、8…接続杆(正極用接続杆,負極用接続杆)、9…軸状部材(正極用軸状部材,負極用軸状部材)、20…正極板、21…負極板、22…セパレータ、23…正極リード部、24…負極リード部、30…固定用片部、31…発電要素接続部、32…クリップ部材、40…ケース本体、41…蓋体、50…端子部、51…回止部、60…貫通穴、61…筒状部、70…貫通穴、71…凹部、80…第一穴、81…第二穴、200…正極基層、201…正極活物質層、202…基層露出部、210…負極基層、211…負極活物質層、212…基層露出部、220…薄肉部、221…厚肉部、222…基材層、223…耐熱層、300…貫通穴、400…開口部、410…貫通穴(正極用貫通穴、負極用貫通穴)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性を有する正極基層と、該正極基層上に形成された正極活物質層とを含む正極板と、
導電性を有する負極基層と、該負極基層上に形成された負極活物質層とを含む負極板であって、前記負極活物質層を前記正極活物質層に向けた状態で前記正極板に重ね合わされた負極板と、
電気絶縁性及び熱収縮性を有するセパレータであって、前記正極板と前記負極板との重なる領域の全域に存在するように、前記正極板と前記負極板との間に配置されたセパレータと、を有する発電要素を備え、
前記セパレータのサイズが、前記正極活物質層のサイズ及び前記負極活物質層のサイズよりも大きく設定され、
前記セパレータは、
前記正極活物質層及び前記負極活物質層の両側にはみ出るように配置されるとともに、
前記正極活物質層及び前記負極活物質層の両側にはみ出る部分のそれぞれの少なくとも一部に、前記正極活物質層及び前記負極活物質層と対向する部分の厚さよりも厚い厚肉部を備え、
該厚肉部のそれぞれは、前記正極板側及び前記負極板側のうちの少なくとも何れか一方の極板側に向けて突出することで、前記正極活物質層及び前記負極活物質層のうちの少なくとも何れか一方の活物質層の両側に存在する
蓄電素子。
【請求項2】
導電性を有する正極基層と、該正極基層上に形成された正極活物質層とを含む正極板と、
導電性を有する負極基層と、該負極基層上に形成された負極活物質層とを含む負極板であって、前記負極活物質層を前記正極活物質層に向けた状態で前記正極板に重ね合わされた負極板と、
電気絶縁性及び熱収縮性を有するセパレータであって、前記正極板と前記負極板との重なる領域の全域に存在するように、前記正極板と前記負極板との間に配置されたセパレータと、を有する発電要素を備え、
前記セパレータのサイズが、前記正極活物質層のサイズ及び前記負極活物質層のサイズよりも大きく設定され、
前記セパレータは、
前記正極活物質層及び前記負極活物質層の両側にはみ出るように配置されるとともに、
前記正極活物質層及び前記負極活物質層の両側にはみ出る部分のそれぞれの少なくとも一部に、前記正極活物質層及び前記負極活物質層と対向する部分の厚さよりも厚い厚肉部を備え、
該厚肉部のそれぞれは、前記正極板側及び前記負極板側のうちの少なくとも何れか一方の極板側に向けて突出することで、前記正極活物質層及び前記負極活物質層のうちの少なくとも何れか一方の活物質層の両側に存在し、
前記活物質層の両側に存在する厚肉部の間隔は、前記活物質層から前記セパレータがはみ出る方向における前記活物質層のサイズ以上に設定される
蓄電素子。
【請求項3】
前記熱収縮性によって収縮しようとする収縮特性方向における前記セパレータのサイズが、前記収縮特性方向と対応する方向における前記正極活物質層のサイズ及び前記負極活物質層のサイズよりも大きく設定され、
前記セパレータは、
前記収縮特性方向と対応する方向における前記正極活物質層及び前記負極活物質層の両側にはみ出るように配置されるとともに、
前記収縮特性方向と対応する方向における前記正極活物質層及び前記負極活物質層の両側にはみ出る部分のそれぞれの少なくとも一部に前記厚肉部を備え、
該厚肉部のそれぞれは、前記正極活物質層及び前記負極活物質層のうちの少なくとも何れか一方の活物質層における前記収縮特性方向と対応する方向の両側に存在する
請求項1又は2に記載の蓄電素子。
【請求項4】
前記セパレータは、
微多孔性フィルムで構成された基材層と、
該基材層上に形成された耐熱層と、を含む
請求項1乃至3の何れか1項に記載の蓄電素子。
【請求項5】
前記耐熱層は、前記基材層の両面のうちの少なくとも何れか一方の面上に形成され、
前記厚肉部は、前記耐熱層が隆起して形成されている
請求項4に記載の蓄電素子。
【請求項6】
前記耐熱層は、前記基材層の両面のうちの前記正極板側の面上に設けられる請求項4又は5に記載の蓄電素子。
【請求項7】
前記セパレータにおける緊圧をかけない状態での収縮率であって、150℃にて少なくとも1時間加熱した後に測定した収縮率をG(%)とし、
前記正極活物質層及び前記負極活物質層のうちの前記厚肉部と対向する活物質層のサイズであって、該活物質層から前記セパレータがはみ出る方向におけるサイズをAとし、
150℃に加熱する前の前記セパレータのサイズであって、前記活物質層から前記セパレータがはみでる方向のサイズをBとし、
150℃に加熱したときの前記セパレータのサイズであって、前記活物質層から前記セパレータがはみでる方向のサイズをCとし、
G(%)=100−(C/B×100)としたとき、
以下の式(1)を満たす
請求項1乃至6の何れか1項に記載の蓄電素子。
B−A<B×G …式(1)
【請求項8】
前記厚肉部は、前記セパレータにおける前記正極活物質層及び前記負極活物質層と対向する部分を基準にして放電状態における前記正極活物質層又は前記負極活物質層の厚みの1%以上突出している
請求項1乃至7の何れか1項に記載の蓄電素子。
【請求項9】
前記正極板、前記負極板、及び前記セパレータが、帯状に形成されるとともに扁平状に巻回され、
前記セパレータが、長手方向と直交する方向に熱収縮する熱収縮性を有し、
前記厚肉部が、少なくとも前記発電要素の円弧部分にあるセパレータの両端部であって、前記セパレータがはみ出る方向における両端部に形成される
請求項1乃至8の何れか1項に記載の蓄電素子。
【請求項10】
前記セパレータにおける前記正極活物質層及び前記負極活物質層と対向する部分の厚さが均一又は略均一に設定される
請求項1乃至8の何れか1項に記載の蓄電素子。
【請求項11】
前記正極活物質層及び前記負極活物質層のうちの少なくとも何れか一方の活物質層と、該活物質層の両側に存在する厚肉部のそれぞれとの間に隙間が形成されている
請求項1乃至10の何れか1項に記載の蓄電素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−73761(P2013−73761A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211506(P2011−211506)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(507151526)株式会社GSユアサ (375)
【Fターム(参考)】