説明

薄型コイル

【課題】多くの巻き数を有し且つ小径で薄型のコイルを安価に実現すること
【解決手段】絶縁基板11の両面に、それぞれの表面から見て互いに同じ巻き方向となる渦巻き状のプリントコイル12,13がそれぞれ形成され、プリントコイルの内側の2つの端部がスルーホール31によって互いに接続され、これによってプリントコイルの外側の各端部を接続端子22A,22Bとする1つの単位コイル6が形成されており、複数の単位コイル6が互いに同心となるように重ねて配置され、且つ1つの単位コイルの1つの接続端子22Aと他の1つの単位コイルの1つの接続端子22Bとが互いに電気的に接続され、これによって複数の単位コイル6が直列に接続されてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁束の検出などに用いるための薄型コイル、およびそのための積層用の単位コイルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電流の検出や微少磁場の測定または弱磁束検出などのために、ホール素子、磁気抵抗素子、およびコイルなどの種々の磁気センサが用いられている。ホール素子および磁気抵抗素子は、直流および交流の両方に対して使用可能であるという利点があるが、温度依存性が高いという欠点がある。
【0003】
これに対してコイルは、直流の検出には加振するなどの工夫が要るものの、温度依存性が低いという大きな利点がある。コイルでは、検出の感度を高くするためにはコイルの巻き数を多くし、これによって検出長を長くする必要がある。その場合に、コイルの形状寸法が大きくならないように、細い電線を使用する必要がある。高精度の磁界測定のためには、小径で且つ薄型のコイルが必要であるが、十分に小型のものは製作の困難さから実現が容易でない。また、巻き線で製作したコイルでは、寸法誤差があるために個体差が大きくなり、標準化することが困難である。つまり、手巻きまたは機械巻きのいずれにおいても、巻き線時に掛かる張力のバラツキや1巻ごとに1ピッチずらせるための送りのバラツキなどのために、数パーセント程度の誤差が避けられなかった。
【0004】
そこで、プリント配線を用いた検出用のコイルが提案されている(特許文献1)。それは、絶縁性部材からなる基板を挟んで互いに斜めに向き合う複数の薄膜導体を形成し、それら薄膜導体の端部をスルーホールによって表裏で交互になるよう接続したものである。これによって、基板をコア部分としたコイルが構成される。
【0005】
また、絶縁基材の両面にプリントコイルを形成して互いに接続したコイルも開示されている(特許文献2)。
【特許文献1】特開2002−40057
【特許文献2】特開平11−307366
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
検出用のコイルを規格化するためには、多くの巻き数を有し且つ小径で薄型のコイルを実現することが欠かせない。
【0007】
しかし、上に述べた特許文献1および2のいずれのコイルも、小型化および薄型化が未だ十分に達せられない。例えば、現在の製造技術では、直径が数mmで且つ巻き数が数百回以上のコイルを実現することができない。
【0008】
因みに、特許文献2のコイルにおいて、超薄型のプリント基板を用い、薄い銅箔を極めて微少な間隔で渦巻状に形成することができれば、それに応じて小型化を図ることができるが、現在のエッチング技術では10μm程度の絶縁スペースと20μm程度の導体幅が限界であり、十分な小型化が図れない。また、半導体技術でファインパターンを製作した場合は、巻き数は確保できるが厚みが厚くなってしまったり固有抵抗が大きくなるという欠点があり、しかも高価なものとならざるを得ない。
【0009】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、多くの巻き数を有し且つ小径で薄型のコイルを安価に実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る薄型コイルは、絶縁基板の両面に、それぞれの表面から見て互いに同じ巻き方向となる渦巻き状のプリントコイルがそれぞれ形成され、前記プリントコイルの内側の2つの端部がスルーホールによって互いに接続され、これによって前記プリントコイルの外側の各端部を接続端子とする1つの単位コイルが形成されており、複数の前記単位コイルが互いに同心となるように重ねて配置され、且つ1つの単位コイルの1つの接続端子と他の1つの単位コイルの1つの接続端子とが互いに電気的に接続され、これによって複数の前記単位コイルが直列に接続されてなる。
【0011】
好ましくは、前記単位コイルにおける2つの前記接続端子は、前記プリントコイルの中心から互いに同じ半径位置であって且つ中心角αだけ互いに異なる角度位置に配置されており、複数の前記単位コイルが、1つの単位コイルの1つの接続端子と他の1つの単位コイルの1つの接続端子とが同じ角度位置となるよう、中心角αだけ互いに角度位置をずらせて配置されてなる。
【0012】
また、前記プリントコイルの外側の各端部にスルーホールが形成されてこれが接続端子とされており、同じ位置にある2つの前記接続端子が半田付けまたは溶接によって接続されている。
【0013】
また、前記プリントコイルの内側の各端部に形成されたスルーホールが、複数の前記単位コイルを重ねて配置するときの位置決め用ガイド穴を兼ねている。
【0014】
また、隣合う単位コイルの間に絶縁性フィルムが配置されることによって、前記単位コイル間の絶縁がなされている。
【0015】
本発明に係る単位コイルは、絶縁基板の両面に、それぞれの表面から見て互いに同じ巻き方向となる渦巻き状のプリントコイルがそれぞれ形成され、前記プリントコイルの内側の2つの端部がスルーホールによって互いに接続され、前記プリントコイルの外側の2つの端部は、前記プリントコイルの中心から互いに同じ半径位置であって且つ互いに異なる角度位置に配置されてなる。
【0016】
本発明に係る単位コイル基板は、フレキシブルな1枚の樹脂フィルムに、当該樹脂フィルムを前記絶縁基板とする請求項1記載の単位コイルが複数作成されてなる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、多くの巻き数を有し且つ小径で薄型のコイルを安価に実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は本発明に係る単位コイル6の正面図、図2は単位コイル6の背面図、図3は単位コイル6を拡大して示す側面断面図、図4は複数の単位コイル6が形成された単位コイル基板6Tの正面図である。
【0019】
図1〜3に示すように、単位コイル6は、絶縁基板11、絶縁基板11の両面に形成されたプリントコイル12,13からなる。
【0020】
絶縁基板11は、円板状のプラスチック製の薄いフィルムからなる。材料として、例えば、ポリアミド、ポリイミド、ナイロン、テフロン(登録商標)、ポリエステル、マイラーなど、絶縁性の良好なもの、またできるだけ耐熱性の良好なものが用いられる。絶縁基板11の寸法は、小型化の点から薄く且つ外径の小さなものが好ましいが、強度および巻き数を考慮して、厚さが10〜50μm程度、具体的には例えば20μm程度、外径が5〜10mm、具体的には例えば7mm程度のものが用いられる。
【0021】
プリントコイル12,13は、それぞれ絶縁基板11の表面に接着した高純度の銅薄膜をエッチングなどによって所定の形状に形成したものである。プリントコイル12,13は、それぞれの表面から見て互いに同じ巻き方向となる渦巻き状である。つまり、正面のプリントコイル12は正面から見て、背面(裏面)のプリントコイル13は背面から見て、いずれも外端から内端に向かって右巻きである。しかし、これらを左巻きのものとしてもよい。
【0022】
プリントコイル12,13は、厚さが5〜20μm程度、線幅が10〜40μm程度、間隔が10〜40μm程度である。具体的には、例えば、厚さが10μmであり、線幅が25μmで間隔が25μm、または線幅が30μmで間隔が20μm、または線幅が10μmで間隔が10μmなどである。特に、線幅および間隔については、技術的に可能な範囲で必要に応じて小さくすればよい。なお、絶縁基板11とプリントコイル12,13との接着のための接着剤の厚さが例えば10μm程度必要である。
【0023】
プリントコイル12,13の中心位置にある内側の2つの端部21a、21bは、スルーホール31によって互いに電気的に接続されている。スルーホール31の内径は、例えば10分の1mm程度である。スルーホール31は、後述するように複数の単位コイル6を積層する際の位置決め用ガイド穴を兼ねている。
【0024】
プリントコイル12,13の外側の2つの端部22a,22bには、それぞれスルーホール32,33が形成され、それぞれ接続端子22A,22Bとなっている。接続端子22A,22Bは、プリントコイル12,13の中心位置から互いに同じ半径位置にあり、且つ、中心角α(図7参照)だけ互いに異なる角度位置に配置されている。本実施形態では、中心角αは120度である。
【0025】
単位コイル6は、上のように形成されているので、表面と背面の2つのプリントコイル12,13は、内側の端部21a、21bで互いに接続されて1つのコイルとなり、しかも互いに巻き数が加算されるように直列に接続されるので、片面のプリントコイルの場合と比べて2倍の巻き数が得られる。
【0026】
例えば、プリントコイル12,13の外径を5mmとし、線幅を25μm、間隔を25μmとして線ピッチを50μmとした場合は、表面と裏面でそれぞれ約50巻となり、1つの単位コイル6で100巻(ターン)となる。同じ外径で線幅および間隔を10μmとした場合は、表面と裏面でそれぞれ約125巻となり、1つの単位コイル6で250巻となる。また、絶縁基板11の厚さを20μm、プリントコイル12,13の厚さをそれぞれ10μm、接着剤の厚さをそれぞれ10μmとした場合に、単位コイル6の厚さは50μmとなり、外径は7mm程度となる。
【0027】
次に、単位コイル6の製作プロセスを図4を参照して簡単に説明する。
【0028】
図4において、絶縁基板11の材料として、可撓性を有する薄いプラスチックフィルム51を準備する。プラスチックフィルム51の両面に銅薄膜を設ける。その際に、銅薄膜を接着してもよいし、電気化学的に形成してもよい。このような基板に対して、プリントコイル12,13となるべき所定の形状、線間隔、および線幅のパターンを銅薄膜の上に多数描き、その部分をマスキングする。そして、基板をエッチング液中に浸漬し、攪拌しながら所定の時間エッチングする。その後、スルーホールの穴をあけ、メッキなどによってスルーホールに導体を充填する。必要に応じて、表面に保護層を形成しておく。このようにして、多数の単位コイル6が形成された単位コイル基板6Tが製作される。後は、単位コイル基板6Tから、単位コイル6を所定の外形で抜き取ればよい。
【0029】
図5は本発明の実施形態に係る薄型コイル3の外観を示す斜視図、図6は薄型コイル3の側面断面図、図7は薄型コイル3の製作方法を説明する図である。
【0030】
図5および図6に示すように、薄型コイル3は、複数枚の単位コイル6(6a〜6d)、および複数枚の絶縁フィルム7(7a〜7e)からなる。
【0031】
すなわち、図7によく示されるように、薄型コイル3は、複数(本実施形態では4つ)の単位コイル6(6a〜6d)が互いに同心となるように重ねて配置され、且つ、1つの単位コイル6の1つの接続端子22Aと他の1つの単位コイル6の1つの接続端子22Bとが同じ角度位置となるよう、中心角αだけ互いに角度位置を順にずらせて配置されている。そして、同じ位置にある隣合う単位コイル6の2つの接続端子22A,22Bは、半田付けまたは溶接によって互いに接続されている。その場合に、半田の厚みで寸法に誤差がでないようにするため、クリーム半田を適量使用することが好ましい。
【0032】
最上位の単位コイル6aの接続端子22Aおよび最下位の単位コイル6dの接続端子22Bは、外部に引き出すための接続端子23a,23bとして用いられる。つまり、薄型コイル3は、2つの接続端子23a,23bからみて、複数の単位コイル6a〜6dが互いに直列に接続されたものとなる。本実施形態では、巻き数は、単位コイル6の4倍となる。
【0033】
隣合う単位コイル6の間に、プリントコイル12,13を絶縁するための絶縁フィルム7b,7c,7dが配置されている。また、最上位置にある単位コイル6aの表面、および最下位にある単位コイル6dの裏面にも、絶縁フィルム7a,7eが配置されている。これら絶縁フィルム7(7a〜7e)は、プラスチック製の極薄フィルムからなる。その材料として、例えば、ポリアミド、ポリイミド、ナイロン、テフロン、ポリエステル、マイラーなどが用いられる。それらの接着に適当な接着剤を用いてもよい。また、絶縁フィルム7をサンドイッチにして絶縁を図ることに代えて、プリントコイル12,13の表面にエポキシ樹脂などをコーティングしてもよい。
【0034】
絶縁フィルム7は、プリントコイル12,13を覆い、且つ接続端子22A,22Bを覆わない形状および大きさとなっている。したがって、プリントコイル12,13の外径より若干大きい外径の円板状とすればよいが、それよりも大きくして接続端子22A,22Bの部分を切り欠いてもよい。また、絶縁フィルム7の中心部には、スルーホール31と同じ位置に小穴41が設けられている。絶縁フィルム7の寸法は、例えば厚さが5〜20μm程度、具体的には例えば10μm、外径が3〜6mm程度、具体的には例えば5mmである。小穴41の寸法は、スルーホール31と同じか、それよりも若干小さい寸法である。
【0035】
単位コイル6および絶縁フィルム7を積層する際に、中心にあるスルーホール31に針などの適当な治具を差し込み、複数の単位コイル6の互いの位置決めを行えばよい。これによって、単位コイル6が互いに同心となり、中心ずれを防止して正確な寸法形状の薄型コイル3を容易に製作することができる。
【0036】
このようにして作成された薄型コイル3は、外径が7mm程度、厚さが200〜250μm程度になる。この寸法で、4層を積層した上の例では400巻程度の薄型コイル3が得られる。したがって例えば10層を積層した場合には、外径が7mm程度、厚さが500〜600μm程度で、1000巻程度の薄型コイル3が得られる。
【0037】
このように、本実施形態の薄型コイル3は、小径で薄型であるにもかかわらず、多くの巻き数のコイルとすることができる。しかも、単位コイル6はプリント基板と同じ構造であり、プリント基板と同じプロセスで製作することができるから、大量生産することができ、低コストで製作することができる。さらに、同じ単位コイル6を積層することによって多層の薄型コイル3を製作することができるから、一層低コストとなる。積層の枚数によって任意の巻き数の薄型コイル3を容易に製作することができる。
【0038】
したがって、薄型コイル3は、例えば小型の磁気検出センサとして用いることができ、例えば狭い隙間などに差し込んで微弱磁束などを高精度で測定しまたは検出することができる。また、薄型コイル3は、ホール素子などと比べて温度依存性が低いので、電流の検出、微少磁場の測定、または弱磁束検出などを高精度に安定的に行うことができる。プリントコイル12,13が互いに密着しないのでストレー容量が小さい。
【0039】
また、単位コイル6をプリント基板と同じプロセスで製作することができるので、単位コイル6の固体差が小さく、それを積層して製作する薄型コイル3も固体差が小さい。したがって、薄型コイル3を標準化することが容易である。
【0040】
したがって、本実施形態の薄型コイル3は、例えば、磁気探傷用のセンサ、基準用のセンサ、隙間用の近接センサなどとして好適に用いることができる。
【0041】
因みに、巻き線によって作成された従来のコイルでは、真円度、平坦度が悪く、コイルの部位による感度のバラツキが避けられなかったが、本実施形態の薄型コイル3を用いることにより、正確且つ安定な検出感度の実現が可能となった。
【0042】
また、本実施形態の薄型コイル3は非常に薄く製作することができるので、コイルの厚みによる検出誤差を最小に抑えることが可能である。また、同一の仕上がり寸法とした場合に積層が可能となり、検出感度を数倍に向上させることが実現される。
【0043】
上の実施形態において、単位コイル6の2つの接続端子22A,22Bの中心角αを120度としたが、これ以外の角度であってもよい。例えば、45度、60度、90度などでもよい。その場合には、それぞれの角度に応じて隣合う単位コイル6の角度位置をずらせて積層すればよい。単位コイル6の外径を円形としたが、これ以外の形状でもよい。例えば、4角形、5角形、6角形、8角形などとしてもよい。例えば正6角形としておくと、隣合う単位コイル6の角度位置を120度ずらせるのが容易である。また、例えば中心角αを90度とし、単位コイル6の外形を正方形にしておくと、同様に隣合う単位コイル6の角度位置を90度ずらせるのが容易である。このように、中心角αと外形とが所定の関係になるようにしておくと、薄型コイル3の製作時における単位コイル6の位置決めが容易である。
【0044】
また、薄型コイル3または単位コイル6に配線用のリード線を一体に設けることも可能である。すなわち、例えば、絶縁基板11に、各接続端子23a,23bから延びる線をプリントコイル12,13と同じようにして形成しておけばよい。その際に、接続端子23a,23bからの2本のリード線をツイストペアー線として構成するには、1つの絶縁基板11または別途設けた絶縁基板の表裏に対向して交差するようにパターンを交互に形成しておき、スルーホールによって表裏のパターンを接続することによってツイストペアー線とすることができる。このようにして配線用のリード線を引き出すことにより、外部から加わる力が薄型コイル3に大きく作用することなく、強度的に丈夫な薄型コイル3とすることができる。
【0045】
その他、単位コイル6または薄型コイル3の全体または各部の構成、形状、寸法、個数、材質などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、磁気探傷用のセンサ、基準用のセンサ、隙間用の近接センサなどの検出用コイル、その他の狭い場所で用いるセンサ用のコイルまたはインダクタンスなどとして利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係る単位コイルの正面図である。
【図2】単位コイルの背面図である。
【図3】単位コイルの拡大側面断面図である。
【図4】複数の単位コイルが形成された単位コイル基板の正面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る薄型コイルの外観を示す斜視図である。
【図6】薄型コイルの側面断面図である。
【図7】薄型コイルの製作方法を説明する図である。
【符号の説明】
【0048】
3 薄型コイル
6 単位コイル
6T 単位コイル基板
7 絶縁フィルム
11 絶縁基板
12,13 プリントコイル
21a、21b 端部(内側の端部)
22a,22b 端部(外側の端部)
22A,22B 接続端子
23a,23b 接続端子
31 スルーホール
32,33 スルーホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板の両面に、それぞれの表面から見て互いに同じ巻き方向となる渦巻き状のプリントコイルがそれぞれ形成され、前記プリントコイルの内側の2つの端部がスルーホールによって互いに接続され、これによって前記プリントコイルの外側の各端部を接続端子とする1つの単位コイルが形成されており、
複数の前記単位コイルが互いに同心となるように重ねて配置され、且つ1つの単位コイルの1つの接続端子と他の1つの単位コイルの1つの接続端子とが互いに電気的に接続され、これによって複数の前記単位コイルが直列に接続されてなる、
ことを特徴とする薄型コイル。
【請求項2】
前記単位コイルにおける2つの前記接続端子は、前記プリントコイルの中心から互いに同じ半径位置であって且つ中心角αだけ互いに異なる角度位置に配置されており、
複数の前記単位コイルが、1つの単位コイルの1つの接続端子と他の1つの単位コイルの1つの接続端子とが同じ角度位置となるよう、中心角αだけ互いに角度位置をずらせて配置されてなる、
請求項1記載の薄型コイル。
【請求項3】
前記プリントコイルの外側の各端部にスルーホールが形成されてこれが接続端子とされており、
同じ位置にある2つの前記接続端子が半田付けまたは溶接によって接続されている、
請求項2記載の薄型コイル。
【請求項4】
前記プリントコイルの内側の各端部に形成されたスルーホールが、複数の前記単位コイルを重ねて配置するときの位置決め用ガイド穴を兼ねている、
請求項1ないし3のいずれかに記載の薄型コイル。
【請求項5】
隣合う単位コイルの間に絶縁性フィルムが配置されることによって、前記単位コイル間の絶縁がなされている、
請求項1ないし4のいずれかに記載の薄型コイル。
【請求項6】
絶縁基板の両面に、それぞれの表面から見て互いに同じ巻き方向となる渦巻き状のプリントコイルがそれぞれ形成され、前記プリントコイルの内側の2つの端部がスルーホールによって互いに接続され、前記プリントコイルの外側の2つの端部は、前記プリントコイルの中心から互いに同じ半径位置であって且つ互いに異なる角度位置に配置されてなる、
ことを特徴とする積層用の単位コイル。
【請求項7】
フレキシブルな1枚の樹脂フィルムに、当該樹脂フィルムを前記絶縁基板とする請求項1記載の単位コイルが複数作成されてなる、
ことを特徴とする単位コイル基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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