説明

薄帯材料捲回装置用材料自動交換装置。

【課題】 簡単な構成で薄帯材料原反(フープ材)を自動的に交換することが可能で、巻取り装置が動作中でもエンドレスに薄帯材料原反が供給でき、供給作業時間を長時間必要とせず、同時に複数個の薄帯材料原反が交換でき、時間ロスが少なく、巻取り装置に常時人材を必要としない薄帯材料捲回用材料自動交換装置を提供することを目的とする装置。
【解決手段】 薄帯材料の捲回装置において、複数個の薄帯材料原反がストックできるストッカーを有しリング状回転させることにより、巻取り機が動作中にでも薄帯材料原反が供給できるようにし、複数個の薄帯材料原を同時に搬送できる搬送部を有し、巻き取り装置の終了薄帯材料終端と交換新材料治端を自動的に接続することにより問題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薄帯材料の捲回装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、リチュウム電池等の二次電池は、金属集電体に一定の間隔で正極活物質が設けられた塗布部を有する正極集電体と、金属集電体に一定の間隔で負極活物質が設けられた塗布部を有する負極集電体とを備え、この正、負極集電体(電池素子材料)とがセパレーター等絶縁体を介して捲回されたものを電池素子とし、ケース内に収容して構成されている。
【0003】
このような構成の二次電池素子を得る捲回装置では、それぞれロール状に巻き上げられた正、負電池素子材料(原反)及びセパレーター等絶縁体材料(原反)を捲回部まで間欠的かつ断続的に送り出し、捲回部巻芯によって捲回し、正、負極電池素子材料及びセパレーター等絶縁体を所定の長さに切断して電池素子としている。このため、正、負極電池素子材料の原反部、セパレーター等絶縁体材料の原反部は材料が無くなったら交換する必要がある。しかし、手作業で交換すると複数個ある材料を交換するためには複数個分の時間を浪費し、更に交換時期に装置に人がいなくてはならないために、設備能力の低下の原因になっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、人が常時設備にいなくてもよく、簡単な構成で薄帯材料を自動的に交換することが可能で、巻取り装置が動作中でもエンドレスに材料が供給でき、同時に複数個の材料が交換でき、時間ロスが少なく、巻取り装置に常時人材を必要としない、自動で薄帯材料を交換できる装置が必要になっている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
薄帯材料の捲回装置において、複数個の薄帯材料原反がストックできるストッカー部を有し、リング状回転させることにより、巻取り機が動作中にでも薄帯材料原反が供給できるようにし、複数個の薄帯材料原を同時に搬送できる搬送部を有し、巻取り装置の終了薄帯材料終端と交換新材料始端を自動的に接続することにより問題を解決する。
【0006】
複数個の材料が巻取機動作中でも供給できることで、機械停止時の材料供給から時間制約が無くなることで時間ロスが無くなり、手作業で行わず機械で自動的に且つ、複数個同時に行うことで人が常時設備に居なくてもよい環境ができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る材料自動交換方法によれば、材料をエンドレスに自動供給できることが可能である。さらに、4軸同時に交換することも可能なために、タイムロスも最小限に押さえ込める利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の実施の形態を図面により具体的に説明する。図1は本発明の実施の形態に係る機構構成図である。図1,2,3に示すように、本機構は主にストック原反搬送駆動軸7とストック原反搬送駆動ベルト8とストック原反保持用アームA9とストック原反保持用アームB 10から構成される原反ストッカー部1,原反仕掛部A 2,原反仕掛部B 3、原反コア用チャック4と原反搬送用シャフト5と原反押し込みホルダー6から構成される原反搬送用治具13から構成され、ストックされた原反26が、原反仕掛部A 2又は原反仕掛部B 3に自動で搬送、交換することができる構成になっている。また原反搬送用治具上下動作部14,また原反搬送用治具前後動作部15、また原反搬送用治具左右動作部16は搬送に必要なX−Y−Z方向全て動作可能な構造になっている。材料自動接続部12は材料自動交換装置の付帯設備である。
【0009】
図4〜12は本発明の実施の形態に係る材料自動交換装置動作の詳細を示す図である。説明は原反仕掛部Bの交換の場合を記載する。材料自動交換装置は図4に示すように、原反26が巻出され原反コア17のみになると交換動作を行う。排出時用原反コアスペース18は自動交換装置動作開始前に空いているとする。図5に示すように、原反搬送用治具13は原反搬送用治具前後動作部15で移動方向19へ移動し、原反コア用チャック4で原反コア17を保持する。この時、原反搬送用シャフト5は原反仕掛部Bに接触し、原反押し込み用ホルダー6内に引き込まれる構造である。図6に示すように、原反搬送用治具13は原反コア用チャック4で原反コア17を保持したまま原反搬送用治具前後動作部15で移動方向20へ移動する。
【0010】
図7に示すように、原反搬送用治具13は原反コア用チャック4で原反コア17を保持したまま原反搬送用治具左右動作部16で移動方向21へ移動し、原反搬送用治具前後動作部15で移動方向19へ移動する。図8に示すように、原反搬送用治具13は原反コア用チャック4で原反コア17を開放し、原反搬送用治具前後動作部15で移動方向20へ移動し、原反搬送用治具左右動作部16で移動方向22へ移動する。これで原反コア17は排出時用原反コアベース18に搬送が完了する。図9に示すように、原反搬送用治具13は原反搬送用治具前後動作部15で移動方向19へ移動し、原反搬送用治具13は原反搬送用治具上下動作部14で原反26を持ち上げ、原反26を保持する。
【0011】
図10に示すように、原反搬送用治具13は原反搬送用治具前後動作部15で移動方向20へ移動、原反26を保持し、原反搬送用治具上下動作部14で原反26を元の高さに戻す。この時、ストック原反保持アームB 10は自動的に移動方向23へ旋回し原反移動の妨げにならないように移動する構造になっている。図11に示すように、原反搬送用治具13は原反26を保持したまま原反搬送用治具左右動作部16で移動方向24へ移動し、原反搬送用治具前後動作部15で移動方向19へ移動する。この時、原反搬送用シャフト5は原反仕掛部Bに接触し、原反押し込み用ホルダー6内に引きこまれ、原反押し込み用ホルダー6は原反26を原反仕掛部Bに押し入れ、原反26の搬送は完了する。前記動作中原反ストッカー部1は、ストック原反保持用アームA 9とストック原反保持用アームB 10が連結されたストック原反搬送駆動ベルト8をストック原反搬送駆動機7,ストック原反搬送受動軸11にて動作させることにより、移動方向25に回転し、次の材料交換に備える位置に移動する。図12に示すように、原反搬送用治具13は原反搬送用治具前後動作部15で移動方向20へ移動し、原反搬送用治具左右動作部16で移動方向21へ移動し、一連の動作を完了する。最終的に原反ストッカー部1には原反コア17が放置されているために、手作業で取り出し、代わりに原反26を装填する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】 本発明の実施の形態に係る機構構成図(上面図)。
【図2】 本発明の実施の形態に係る機構構成図(正面図)。
【図3】 本発明の実施の形態に係る機構構成図(側面図)。
【図4】 本発明の実施の形態に係る機構動作時の説明図(スタンバイ状態)。
【図5】 本発明の実施の形態に係る機構動作時の説明図(原反コア取り出し状態)。
【図6】 本発明の実施の形態に係る機構動作時の説明図(原反コア搬送状態)。
【図7】 本発明の実施の形態に係る機構動作時の説明図(原反コア、ストック部移載状態)。
【図8】 本発明の実施の形態に係る機構動作時の説明図(原反をストック部取出し前状態)。
【図9】 本発明の実施の形態に係る機構動作時の説明図(原反をストック部受け取り状態)。
【図10】 本発明の実施の形態に係る機構動作時の説明図(原反ヲストック部より搬送状態)。
【図11】 本発明の実施の形態に係る機構動作時の説明図(原反を掛軸部に装着状態)。
【図12】 本発明の実施の形態に係る機構動作時の説明図(原反、原反コアをストッカー部に手作業で供給、排出する状態)。
【符号の説明】
【0013】
1 原反ストッカー部
2 原反仕掛部A
3 原反仕掛部B
4 原反コア用チャック
5 原反搬送用シャフト
6 原反押し込み用ホルダー
7 ストック原反搬送駆動軸
8 ストック原反搬送駆動ベルト
9 ストック原反保持用アームA
10 ストック原反保持用アームB
11 ストック原反搬送受動軸
12 材料自動接続部
13 原反搬送用治具
14 原反搬送用治具上下動作用プレート
15 原反搬送用治具前後動作用プレート
16 原反搬送用治具左右動作用プレート
17 原反コア
18 排出時用原反コアスペース
19 移動方向19
20 移動方向20
21 移動方向21
22 移動方向22
23 移動方向23
24 移動方向24
25 移動方向25
23 原反(シート状の材料がフープ状になったもの)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄帯材料の捲回装置において、薄帯材料の原反を仕掛部に自動的に交換するために、原反を複数個ストック(備蓄)する機構を備えるという特徴をもった薄帯材料捲回装置用材料自動交換装置。
【請求項2】
請求項1の装置において、薄帯材料の原反を複数個同時に交換できる機構を有するという特徴をもった薄帯材料捲回装置用材料自動交換装置。
【請求項3】
請求項1の装置において、薄帯材料の原反をストックする機構に捲回装置を稼動停止させることなく、常時薄帯材料の原反を供給することができるという特徴をもった薄帯材料捲回装置用材料自動交換装置。
【請求項4】
請求項1の装置において、薄帯材料の原反をストックした順番に使用できるという特徴をもった薄帯材料捲回装置用材料自動交換装置。
【請求項5】
請求項1の装置において、薄帯材料の原反を自動交換した後、捲回装置部の終了材料終端と交換新材料の始端を自動的に接続できるという特徴をもった薄帯材料捲回装置用材料自動交換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−191306(P2007−191306A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−39948(P2006−39948)
【出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【出願人】(000140845)株式会社皆藤製作所 (19)
【Fターム(参考)】