説明

薄膜バッテリ製造の方法及びそのための設備

薄膜バッテリ製造の方法及びそのための設備を説明する。方法は、薄膜バッテリを製作するための作業を含む。設備は、薄膜バッテリを製作するための1つ又はそれよりも多くのツールセットを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
本出願は、2009年9月22日出願の米国特許仮出願第61/244,800号の恩典を請求し、その全内容は、これにより本明細書に引用により組み込まれる。
【0002】
本発明の実施形態は、薄膜バッテリの分野に関し、特に、薄膜バッテリ製造の方法及びそのための設備に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の薄膜バッテリ製造計画は、典型的には、(1)パターン化技術のためのシャドウマスクの使用、及び(2)単一段階パターン化ベースの統合方式の実施による従来型技術のスケーリングに基づいている。こうした手法に伴う複雑性の問題は、有意である可能性がある。例えば、堆積チャンバ又はツールには、典型的に、通常の環境に敏感な薄膜バッテリ内の材料層を管理及び保護し、かつ堆積付加マスクを保護するように設計された所定の雰囲気条件を有するグローブボックスが装備される。グローブボックスの使用は、作業が厄介である可能性があり、かつ資本的及び作業的経費の両方に関してこの処理に有意なコスト、並びに収率への潜在的影響を追加する可能性がある。更に、シャドウマスクベースのパターン化は、他の有害な問題、例えば、アラインメント精度、及び潜在的欠陥が誘発する収率への影響、並びにパターン転写の精度及び欠陥低減のための追加構成要素及び頻繁なマスク再生処理による所有経費の増加を追加する可能性がある。
【0004】
現在まで、薄膜バッテリ製造のための完全な設備は組み立てられていないが、従来型技術に基づくある一定の構成要素が開示されている。図1は、薄膜バッテリを製作する従来型の機器配列の例を示している。図1を参照すると、薄膜バッテリ製造に適する堆積ツール100には、グローブボックス102が装備される。例えば、グローブボックス102には、典型的に、スパッタリング処理に関連付けられた堆積ツール100が含められる。図示しないが、例えば、リチウムチャンバ又は空気感応層堆積工程に続いて使用される他のチャンバ又は処理ツールと共に使用するために、付加的なグローブボックスが多くの場合に必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0148764号明細書
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】薄膜バッテリを製造するための従来の機器配列の例を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に従って本明細書に説明する製造工程及びツール配列による製作のために考えられた代表的な薄膜バッテリの断面図である。
【図3】本発明の実施形態によるマスク処理を用いた200ミリメートル薄膜バッテリ製造設備のブロック図である。
【図4】従来型の方法に従った薄膜バッテリを製作するための統合方式における作業を表す流れ図である。
【図5】本発明の実施形態による薄膜バッテリを製作するための統合方式における作業を表す流れ図である。
【図6】本発明の実施形態による薄膜バッテリを製作するための統合方式における作業を表す流れ図である。
【図7】従来型の処理機器配列と対比して本発明の実施形態によるリチウムアノードの組み込みとカソードのリチウム化とを含む薄膜バッテリ方法に適する200ミリメートルクラスターツールの配列を示した図である。
【図8】従来型の処理機器配列と対比して本発明の実施形態による合金アノードの形成を含む薄膜バッテリ方法に適する200ミリメートルクラスターツールの配列を示した図である。
【図9】本発明の実施形態による最適化マスク処理を用いる200ミリメートル薄膜バッテリ製造設備のブロック図である。
【図10】本発明の実施形態によるマスクレス統合処理を用いる200ミリメートル薄膜バッテリ製造設備のブロック図である。
【図11】本発明の実施形態によるマスクレス統合処理を用いるインライン大面積被覆器薄膜バッテリ製造設備のブロック図である。
【図12】本発明の実施形態によるマスクレス統合処理を用いる高収量に設計されたインライン大面積被覆器薄膜バッテリ製造設備のブロック図である。
【図13】本発明の実施形態による組合せ200ミリメートル及びインライン大面積被覆器薄膜バッテリ製造設備のブロック図である。
【図14】本発明の実施形態による原位置マスク管理を含むマスク統合による薄膜バッテリ製造のための大量生産ツールセットのブロック図である。
【図15】本発明の実施形態による標準リチウム蒸発ツールを用いる200ミリメートル薄膜バッテリ製造設備のブロック図である。
【図16】本発明の実施形態による単一マスク統合処理を用いる高収量に設計されたインライン大面積被覆器薄膜バッテリ製造設備のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
薄膜バッテリ製造の方法及び設備を説明する。以下の説明において、本発明の十分な理解を提供するために、製作条件及び材料レジームのような多くの特定の詳細が示される。本発明がこれらの特定の詳細なしに実施することができることは当業者に明らかであろう。他の事例において、薄膜バッテリ用途のような公知の態様は、本発明を不要に曖昧にしないために詳細には説明されない。更に、諸図に示す様々な実施形態は、例示的な表現であって必ずしも一定尺度で描かれていないことは理解されるものとする。更に、他の配列及び構成は、本明細書の実施形態に明示的に開示されない場合があるが、依然として本発明の精神及び範囲内であると見なされる。
【0008】
薄膜バッテリ製造の方法を本明細書に開示する。実施形態では、方法は、薄膜バッテリを製作するための作業を含む。
【0009】
薄膜バッテリ製造のための設備も本明細書に開示する。実施形態では、設備は、薄膜バッテリを製作するための1つ又はそれよりも多くのツールセットを含む。
【0010】
本発明の実施形態により、本明細書に開示する方法及び設備は、次の問題又は特徴、すなわち、(a)統合された堆積システム及び設備、(b)空気環境に適合する製造技術、(c)複雑性及びコストの低減、(d)シリコン集積回路プラットホーム、及び(e)インライン堆積プラットホームのうちの1つ又はそれよりも多くに対処する。一部の実施形態では、薄膜バッテリ製造技術のための完全な設備モデルが本明細書で示される。様々なシステムの独自性としては、(a)複雑性をできるだけ小さくし、製造統合化を高めるための統合プラットホーム、(b)シャドウマスクレス統合に適合するツール、及び(c)全ての処理のための完全なツールセット、例えば、薄膜バッテリ設備モデルが挙げられる。
【0011】
本明細書に開示する方法及び設備に関して、全設備モデルのための構成要素としては、(a)金属、カソード、電解質、及びアノード材料のための物理蒸着チャンバ、(b)ポリマー、誘電体、及び金属堆積チャンバ又はツールから典型的に構成される保護コーティングシステム、(c)マスク統合方式のためのアラインメントシステム、(d)マスクレス統合のための周囲ツール(例えば、レーザ又はリソグラフィパターン化)が挙げられる。本発明の一部の実施形態により、薄膜バッテリ製造設備のための特性としては、(a)不活性環境要件(マスク又はマスクレス統合に関係なく)の必要性を排除するためのスマート「クラスター化」又は統合、(b)典型的に自立型のリチウム堆積チャンバを排除し、移送中の空気露出の危険性を排除又は軽減する独自のチャンバの使用、及び(c)任意的な真空移送モジュール(VTM)の使用が挙げられる。本発明の実施形態により、設備の種類としては、以下に制限されるものではないが、200ミリメートルプラットホーム、300ミリメートルプラットホーム、インラインプラットホーム、又は組合せプラットホームのような配列が挙げられる。本発明の実施形態により、処理統合方式としては、以下に制限されるものではないが、マスク統合方式、マスクレス統合方式のような統合方式が挙げられる。
【0012】
様々な薄膜バッテリアーキテクチャを本明細書に説明する処理及びツール配列を用いた製造のために考えることができる。図2は、本発明の実施形態に従って本明細書に説明する製造工程及びツール配列による製造を意図した代表的な薄膜バッテリの断面を示している。図2を参照すると、薄膜バッテリ200は、基板204上に製作された層スタック202を含む。層スタック202は、カソード電流コレクター層206と、アノード電流コレクター208と、カソード層210と、アノード層212と、電解質層214と、保護コーティング層216とを含む。一部の実施形態では、層スタック202は、約15ミクロンの厚みを有する。現実の全体厚みは、所定のデバイス面積に関するバッテリの望ましい容量に依存する可能性があり、この所望容量は、カソード、アノード、及び電解質の厚みに影響を与える。実施形態では、薄膜バッテリ200のアノード層212は、リチウムアノード層である。しかし、図2は、薄膜バッテリ構造のための1つの可能な配列に過ぎず、本明細書に開示する概念は、例えば、米国特許出願公開第2009/0148764号明細書に説明した統合方式を含む従来型の工程及び統合方式によって製造されたもののようなあらゆる薄膜バッテリ構造に適用することができることは理解されるものとする。
【0013】
本発明の実施形態により、薄膜バッテリ製造工程は、2つの部類、すなわち、(1)材料層の堆積、及び(2)材料層のパターン化に分けることができる。機能性に関して、実施形態では、堆積工程は、活性デバイスの製作と保護コーティングの製作とに分けることができ、それらの両方は、何らかの形式のパターン化を必要とする。従って、一実施形態では、本明細書に説明する設備モデルは、3つの部門、すなわち、(1)デバイス材料の堆積、(2)保護コーティングの堆積、及び(3)パターン化技術から構成される。
【0014】
実施形態では、活性デバイス製作に関わる典型的な層は、以下に制限されるものではないが、電流コレクター、カソード(正極)、電解質、及びアノード(負極)材料のような層である。一般的に、保護コーティングのためには、複数の層スタックが使用される。実施形態では、有用な材料としては、以下に制限されるものではないが、ポリマー、誘電体、金属、又は半導体が挙げられる。パターン化のために、従来型の方法は、シャドウマスクの使用を含んでいた。本発明の実施形態では、レーザベース及びリソグラフィベース方法の両方又はいずれかを含むマスクレス統合方式が使用される。
【0015】
本発明の実施形態により、設備モデルの例は、Si−IC(200又は300ミリメートル基板)、及びシャドウマスクベース及びマスクレスベースの統合の両方のためのインラインプラットホームのいずれか又は両方を含む。実施形態では、シャドウマスクレスベースの最適化シリコン集積回路プラットホームの特徴は、原位置外リソグラフィベース又はレーザベースのアラインメント及びパターン化技術(例えば、シャドウマスクを用いる原位置パターン化の複雑性とミスアラインメントの可能性との排除)と、統合リチウムチャンバ及び空気感受性材料層(例えば、カソード層及びアノード層)のための不活性環境要件を排除又は少なくとも最小にする独自の統合方法の使用とを利用する。
【0016】
本発明の態様では、マスク統合のための設備モデルを提供する。図3は、本発明の実施形態によるマスク処理を使用する200ミリメートル薄膜バッテリ製造設備のブロック図を示している。
【0017】
図3を参照すると、薄膜バッテリの製作のための設備300は、金属層又は半導体層を堆積させる第1の処理ツール302と、活性層を堆積させる第2の処理ツール304と、必要に応じた急速熱処理のための第3の処理ツール(又は加熱炉)306と、誘電体層を堆積させる第4の処理ツール308と、反応性イオンエッチングを行う第5の処理ツール310と、薄膜バッテリのための特殊層を堆積させる第6の処理ツール312とを含む。本発明の実施形態により、第6の処理ツール312は、図3に表されるように、同じ処理ツール内でのリチウム層(例えば、リチウムアノード層)及び保護コーティング(例えば、ポリマー層)の両方の堆積を行うよう構成される。この図における様々なツール上のグローブボックスの配置又は欠除は、所定のツールから得られる層又は処理が空気安定性又は空気感受性のいずれの「上部」表面をもたらすかという前提に基づくことができる。従って、統合方式(デバイスパターン化)が、所定のツール上の処理の後に層又は上部表面の性質を変化させた時は、この配置は変わる場合がある。実施形態では、ツールチャンバ又はSMFモジュールの1つ又はそれよりも多くは、図3に示すツールの1つ又はそれよりも多くのための真空移送モジュール(VTM)で置換することができることは理解されるものとする。
【0018】
本発明の態様では、搭載リチウムチャンバの使用の影響と、アノード材料及びカソード材料の両方のための改良された統合方式とを説明する。図4は、リチウム化カソードとリチウムアノードとを有するセルのための従来型の方法に従って薄膜バッテリを製作するための統合方式における作業を表す流れ図400を示している。流れ図400の作業402を参照すると、薄膜バッテリ製造工程は、電流コレクター層のパターン化堆積を含む。流れ図400の作業404を参照すると、薄膜バッテリ製造工程は、カソード層のパターン化堆積を含む。流れ図400の作業406を参照すると、薄膜バッテリ製造工程は、カソード層の焼き鈍しを含む(任意的に)。流れ図400の作業408を参照すると、薄膜バッテリ製造工程は、電解質層のパターン化堆積を含む。流れ図400の作業410を参照すると、薄膜バッテリ製造工程は、アノード層のパターン化堆積を含む。流れ図400の作業412を参照すると、薄膜バッテリ製造工程は、保護コーティング層の堆積を含む。実際の薄膜バッテリスタックの要件に基づいて、堆積後パターン化も上述の作業に引き続いて行うことができる。
【0019】
特定的な実施形態では、次の電解質層の堆積は、堆積工程と堆積工程の間にカソード層が空気環境に露出されることなくカソード層上に行われる。図5は、本発明の実施形態による薄膜バッテリを製作するための統合方式における作業を表す流れ図500を示している。流れ図500の作業502を参照すると、薄膜バッテリ製造工程は、カソード層の堆積を含む。任意的作業503aを参照すると、一実施形態では、カソード層は、リチウムを既に含むことができ又は含まなくてもよい基礎カソード材料の堆積の後にリチウム化される。任意的作業503bを参照すると、一実施形態では、カソード層は、例えば、カソード層の加熱によって焼き鈍しされる。特定の実施形態では、カソード層は、リチウムを既に含むことができ又は含まなくてもよい基礎カソード材料の堆積の後にリチウム化され、引き続き、カソード層は、例えば、カソード層の加熱によって焼き鈍しされる。段階503aと段階504bは、実施形態では、交換することができる。流れ図500の作業504を参照すると、カソード層を環境空気に露出することなく、電解質層が、次に、カソード層上に形成される。流れ図500の作業506を参照すると、マスク作業を含む第2の電解質層の堆積作業が行われる。上述の層が上に堆積された基板が空気環境に露出された場合に、電解質層は、カソード層を保護する。
【0020】
別の特定的な実施形態では、金属層、誘電体層、誘電体−有機複合体層、又は有機層のその後の堆積が、アノード層上に堆積工程と堆積工程の間にアノード層を空気環境に露出することなく行われる。図7は、本発明の実施形態による薄膜バッテリを製造するための統合方式における作業を表す流れ図600を示している。流れ図600の作業602を参照すると、薄膜バッテリ製造工程は、アノード層の堆積を含む。任意的作業603aを参照すると、一実施形態では、アノード層は、リチウムを既に含むことができ又は含まなくてもよい基礎アノード材料の堆積の後にリチウム化される。任意的作業603bを参照すると、一実施形態では、アノード層は、例えば、アノード層の加熱によって焼き鈍しされる。特定の実施形態では、アノード層は、リチウムを既に含むことができ又は含まなくてもよい基礎アノード材料の堆積の後にリチウム化され、引き続き、アノード層は、例えば、アノード層の加熱によって焼き鈍しされる。流れ図600の作業604を参照すると、アノード層を環境空気に露出することなく、初期保護コーティング層が、次に、アノード層上に形成される。流れ図600の作業606を参照すると、マスク作業を含む第2のコーティング層堆積作業が行われる。上述の層が上に堆積された基板が空気環境に露出された場合に、初期保護コーティング層は、アノード層を保護する。
【0021】
図7は、従来型の処理機器の配列と対比してリチウムアノード及びカソードのリチウム化の組み込みを含む本発明の実施形態による複雑性低減のための薄膜バッテリ方式に適する200ミリメートルクラスターツールの配列を示している。図7を参照すると、クラスターツール702は、原位置外(グローブボックスに対して)マスクアラインメントを伴う工程に適合するように構成されている。従来型のツール構成704も示されている。実施形態では、クラスターツール702は、上述のような付加的な保護堆積作業に適合する付加的なチャンバを有する。一実施形態では、クラスターツール702は、シャワーヘッドベース(外部リザーバを有する)又は内部リザーバベースの直接リチウム蒸発器706を含む。特定の実施形態では、クラスターツール702への搭載リチウム堆積チャンバ706の組み込みにより、ツール間の原位置外移送の必要性が除かれる。別の実施形態では、クラスターツール702は、以下に限定されるものではないが、リチウムスパッタリングチャンバのような高リチウム堆積速度チャンバを含む。特定の実施形態では、高リチウム堆積速度チャンバは、リチウムターゲットのスパッタリングを行うアルゴンガスのためのソースポイントを含む。実施形態では、クラスターツール702は、図7に表されるように、急速熱焼き鈍し(RTAチャンバ)のような焼き鈍しチャンバ705を含む。
【0022】
図8は、従来型の処理機器の配列と対比して本発明の実施形態による合金アノードの形成を含む薄膜バッテリ方式に適するクラスターツールの配列を示している。図8を参照すると、クラスターツール802は、原位置外マスクアラインメントを伴う工程に適合するように構成されている。従来型のツール構成804も示されている。実施形態では、クラスターツール802は、上述のような付加的な保護堆積作業に適合する付加的なチャンバを有する。一実施形態では、搭載リチウムチャンバ806は、シリコン−リチウム−シリコン又はリチウム−シリコン(シリコン−オン−トップ)型の堆積を可能にする。実施形態では、クラスターツール802は、図9に表されるように、急速熱焼き鈍し(RTAチャンバ)のような焼き鈍しチャンバ805を含む。この実施例は、200ミリメートルSi−ICプラットホーム及びチャンバによって示されているが、同じ概念は、300ミリメートル及びインラインツールに拡張することができる。
【0023】
本発明の別の態様では、最適化薄膜バッテリ設備を提供する。200ミリメートルツールセットが例として示されているが、そのような手法は、300ミリメートルツールセットで容易に達成することができることは理解されるものとする。図9は、本発明の実施形態による最適化マスク処理を用いる200ミリメートル薄膜バッテリ製造設備のブロック図を示している。
【0024】
図9を参照すると、最適化マスク処理を用いる薄膜バッテリの製作のための設備900は、金属層又は半導体層を堆積させる第1の処理ツール902を含む。本発明の実施形態により、第1の処理ツール902は、リチウムチャンバ904を含む。実施形態では、第1の処理ツール902は、マスクアライナ906に関連付けられている。設備900は、活性層を堆積させる第2の処理ツール908も含む。本発明の実施形態により、第2の処理ツール908は、図9に表されるように、1つ又はそれよりも多くのカソード堆積チャンバと、金属堆積チャンバと、1つ又はそれよりも多くの電解質堆積チャンバと、リチウム堆積チャンバとを含む。設備900はまた、急速熱処理のための第3の処理ツール910と、誘電体層を堆積させる第4の処理ツール912と、反応性イオンエッチングを行う第5の処理ツール914とを含む。本発明の実施形態により、設備900は、薄膜バッテリのための特殊層を堆積させる第6の処理ツール916も含む。本発明の実施形態により、第6の処理ツール916は、図9に表されるように、ポリマー層の堆積を行うよう構成される。更に、それぞれ金属/半導体層及び活性層のための第1のツールセット902及び第2のツールセット908には、搭載焼き鈍しチャンバを装備することができる。こうしたツールは、複数の材料及び堆積方式における薄膜バッテリの製作を可能にする。
【0025】
本発明の態様では、マスクレス処理統合方式のための設備ツールセットを提供する。実施形態では、設備は、以下に制限されるものではないが、クラスターツールプラットホーム、インラインプラットホーム、高収量をターゲットとするインラインプラットホーム、又は200mmインライン組合せプラットホームのようなプラットホームを含む。一実施形態では、200mmインライン組合せプラットホームは、製造業者が比較的低い堆積速度を有するデバイス材料層(例えば、カソード及び電解質)のより容易なスケーリングを可能にすることを可能にすることができる。特定の実施形態では、システムレイアウトは、本質的にモジュラーであり、薄膜バッテリ製造のための堆積及びパターン化を統合する複数の方法の採択を可能にする。
【0026】
図10は、本発明の実施形態によるマスクレス統合処理を用いる200ミリメートル薄膜バッテリ製造設備のブロック図を示している。
【0027】
図10を参照すると、マスクレス統合処理を用いる薄膜バッテリの製作のための設備1000は、金属層を堆積させる第1の処理ツール1002を含む。本発明の実施形態により、第1の処理ツール1002は、リチウムチャンバ1004を含む。設備1000は、活性層を堆積させる第2の処理ツール1006も含む。本発明の実施形態により、図10に表されるように、第2の処理ツール1006は、1つ又はそれよりも多くのカソード堆積チャンバと、1つ又はそれよりも多くの金属堆積チャンバと、1つ又はそれよりも多くの電解質堆積チャンバと、リチウム堆積チャンバとを含む。設備1000はまた、急速熱処理のための第3の処理ツール1008と、誘電体層を堆積させる第4の処理ツール1010と、反応性イオンエッチングを行う第5の処理ツール1012とを含む。本発明の実施形態により、設備1000は、薄膜バッテリの製作における処理作業を行う付加的な処理ツール1014、1016、1018、及び1020も含む。本発明の実施形態により、図10に表されるように、処理ツール1014は、ポリマー層の堆積を行うよう構成され、処理ツール1016は、リソグラフィ露光とレジスト除去作業とを行うよう構成され、処理ツール1018は、エッチング及び洗浄作業を行うよう構成され、処理ツール1020は、その上に薄膜バッテリが製作されたウェーハのレーザスクライビングを行うよう構成される。図9に類似して、それぞれ金属/半導体層及び活性層のための第1のツールセット1002及び第2のツールセット1006には、搭載焼き鈍しチャンバを装備することができる。統合方式によっては、空気感応層の側壁が原位置外パターン化中に露出されることが可能である。そのような場合には、適切なツールを例えばグローブボックスとのそれらの接続又は直接移送を可能にするチャンバのクラスター化によって空気露出を排除するように構成する必要があることになる。
【0028】
図11は、本発明の実施形態によるマスクレス統合処理を用いるインライン大面積被覆器薄膜バッテリ製造設備のブロック図である。
【0029】
図11を参照すると、マスクレス統合処理を用いる薄膜バッテリの製作のための設備1100は、活性層を堆積させる第1の処理ツール1102を含む。本発明の実施形態により、図11に表されるように、第1の処理ツール1102は、複数のカソード堆積チャンバ1104と、金属堆積チャンバ1106と、複数の電解質堆積チャンバ1108と、複数のリチウム堆積チャンバ1110とを含む。設備1100は、金属又は半導体層を堆積させる第2の処理ツール1112も含む。本発明の実施形態により、第2の処理ツール1112は、複数の金属チャンバ1114を含む。実施形態では、設備1100は、薄膜バッテリの製作における様々な処理作業を行う付加的な処理ツール1116、1118、1120、1122、及び1124も含む。一実施形態では、図11に表されるように、処理ツール1116は、急速熱処理を行うよう構成され、処理ツール1118は、ポリマー層の堆積を行うよう構成され、処理ツール1120は、リソグラフィ露光作業及びレジスト除去作業を行うよう構成され、処理ツール1122は、エッチング作業及び洗浄作業を行うよう構成され、処理ツール1124は、その上に薄膜バッテリが製作されたウェーハのレーザスクライビングを行うよう構成される。堆積ツールのためのこの特定の構成は、空気感受性でないか(焼き鈍しを伴うか又は伴わない)又は空気感受性であるがリチウムアノードに対する焼き鈍しを必要としないカソードのためのものである。他の種類のカソード−アノード対及び処理統合フローのための類似の構成は、同様な概念から容易に導出することができる。
【0030】
図12は、本発明の実施形態によるマスクレス統合処理を用いる高収量に設計されたインライン大面積被覆器薄膜バッテリ製造設備のブロック図を示している。
【0031】
図12を参照すると、高収量に設計されたマスクレス統合処理を用いる薄膜バッテリの製作のための設備1200は、電解質層及びアノード層を堆積させる第1の処理ツール1202を含む。本発明の実施形態により、図12に表されるように、第1の処理ツール1202は、複数の電解質堆積チャンバ1204と、1つ又はそれよりも多くの金属堆積チャンバ1206と、1つ又はそれよりも多くのリチウム堆積チャンバ1208とを含む。設備1200は、カソード層を堆積させる第2の処理ツール1210も含む。本発明の実施形態により、図12に表されるように、第2の処理ツール1210は、複数のカソード堆積チャンバ1212を含む。設備1200は、金属層又は半導体層を堆積させる第3の処理ツール1214も含む。本発明の実施形態により、第3の処理ツール1214は、複数の金属チャンバ1216と複数の半導体チャンバ1218とを含む。実施形態では、設備1200は、薄膜バッテリの製作における様々な処理作業を行う付加的な処理ツール1218、1220、1222、1224、1226、及び1128も含む。一実施形態では、処理ツール1218は、急速熱処理を行うよう構成され、処理ツール1220は、ポリマー層の堆積を行うよう構成され、処理ツール1222は、リソグラフィ露光及びレジスト除去作業を行うよう構成され、処理ツール1224は、エッチング及び洗浄作業を行うよう構成され、処理ツール1226は、レーザ融除を行うよう構成され、処理ツール1228は、誘電体層堆積を行うよう構成される。この特定のシステムは、LiCoO2−Liセルに対して設定することができる。他の種類のカソード−アノード対及び処理統合フローのための類似の構成は、同様な概念から容易に導出することができる。
【0032】
図13は、本発明の実施形態による組合せ200ミリメートル及びインライン大面積コータ―薄膜バッテリ製造設備のブロック図を示している。この場合には、インラインツールは、多数の200ミリメートルツール適合基板を処理することになる。
【0033】
図13を参照すると、薄膜バッテリの製作のための設備1300は、金属層又は半導体層を堆積させる第1の処理ツール1302を含む。本発明の実施形態により、第1の処理ツール1302は、リチウムチャンバ1304を含む。図7及び図8に示すように、第1の処理ツール1302には、搭載焼き鈍しチャンバを装備することができる。設備1300は、活性層を堆積させる第2のインライン処理ツール1306も含む。本発明の実施形態により、第2の処理ツール1306は、図13に表されるように、複数のカソード堆積チャンバ1308と、1つ又はそれよりも多くの金属堆積チャンバ1310と、複数の電解質堆積チャンバ1312と、1つ又はそれよりも多くのリチウム堆積チャンバ1314とを含む。設備1300はまた、急速熱処理のための第3の処理ツール1316と、誘電体層を堆積させる第4の処理ツール1318と、反応性イオンエッチングを行う第5の処理ツール1320とを含む。本発明の実施形態により、設備1300は、薄膜バッテリの製作における処理作業を行う付加的な処理ツール1322、1324、1326、及び1328も含む。本発明の実施形態により、図13に表されるように、処理ツール1322は、ポリマー層の堆積を行うよう構成され、処理ツール1324は、リソグラフィ露光作業及びレジスト除去作業を行うよう構成され、処理ツール1326は、洗浄作業を行うよう構成され、処理ツール1328は、レーザスクライビングを行うよう構成され、処理ツール1228は、誘電体層堆積を行うよう構成される。
【0034】
本発明の別の態様では、シャドウマスクベース統合方式のためのインライン設備モデルを提供する。実施形態では、マスクアラインメント及び管理は、原位置で行われる。一実施形態では、ツールセットは、例示的な処理統合方式に基づいており、かつ統合フローにおけるあらゆる変化に容易に適応させることができる。図14は、本発明の実施形態による原位置マスク管理を含むマスク統合を用いる薄膜バッテリ製造のための大量生産ツールセットのブロック図を示している。
【0035】
図14を参照すると、原位置マスク管理を含むマスク統合を用いる薄膜バッテリの製作のための設備1400は、活性層、金属、及び半導体を堆積させる連結処理ツールを有するシステム1402を含む。本発明の実施形態により、システム1402は、金属層及び誘電体層を堆積させる第1の処理ツール1404と、半導体層を堆積させる第2の処理ツール1406と、電解質層を堆積させる第3の処理ツール1408と、カソード層を堆積させる第4の処理ツール1410と、金属層を堆積させる第5の処理ツール1412とを含む。設備1400はまた、ポリマーを堆積させるシステム1414と、保護コーティングを形成する連結処理ツールを有するシステム1416とを含む。本発明の実施形態により、システム1416は、保護コーティングの堆積及びパターン化のためのものである。この特定の構成は、2つの異なるマスク作業を有する多層及び材料可能システムを表している。すなわち、3つの統合モジュール1418、1420、及び1422は、誘電体層及び金属層のような一般又は特殊材料の組合せのために、並びにパターン化のエッチング処理のために使用することができる。マスク管理システムのユニットも図14に表されている。例えば、1450は、回転アラインメントモジュールであり、一方で1452は、対応するチャンバを通気することなく再生及び再装填するための個別のマスク装填/装填解除ポートを有するマスク格納区域である。
【0036】
本発明の別の態様では、標準リチウム蒸発ツールを有する設備モデルを提供する。図15は、本発明の実施形態による標準リチウム蒸発ツールを用いる200ミリメートル薄膜バッテリ製造設備のブロック図である。この構成は、空気感受性カソード材料を処理するためのものとすることができる。
【0037】
図15を参照すると、薄膜バッテリの製作のための設備1500は、薄膜バッテリのための接点を形成する金属層又は半導体層を堆積させる第1の処理ツール1502を含む。設備1500は、カソード層と、電解質層と、リチウムとを堆積させる第2の処理ツール1504も含む。第2の処理ツール1504は、カソード層の堆積のための第1のクラスターツール1550と、電解質の堆積のための第2のクラスターツール1552とを含む。一実施形態では、第1のクラスターツール1550には、原位置焼き鈍しのための熱焼き鈍しチャンバ1554が装備されるが、図15に表されるように、リチウム又はリチウム含有層の堆積のためのチャンバは装備されていない。代わりに、本発明の実施形態により、第2の処理ツール1504は、標準リチウム蒸発ツール1556を第1のクラスターツール1550と第2のクラスターツール1552とに連結する1つ又はそれよりも多くのグローブボックス(GB)を備えた標準リチウム蒸発ツール1556を含む。
【0038】
図15を再び参照すると、設備1500はまた、急速熱処理のための第3の処理ツール1506と、プラズマ物理蒸着(PECVD)による層の蒸着のための第4の処理ツール1508と、反応性イオンエッチングを行う第5の処理ツール1512と、ポリマー層のような薄膜バッテリのための特殊層を堆積させる第6の処理ツール1512とを含む。一実施形態では、図15に表されるように、第4の処理ツール1508は、特殊処理の要求のためグローブボックス(GB)に連結される。
【0039】
図16は、本発明の実施形態による単一マスク統合処理を用いる高収量に設計されたインライン大面積被覆器薄膜バッテリ製造設備のブロック図を示している。
【0040】
図16を参照すると、単一マスク統合処理を用いる薄膜バッテリの製作のための高収量に設計された設備1600は、電解質層とリチウムベースの層とを堆積させる第1の処理ツール1602を含む。本発明の実施形態により、図16に表されるように、第1の処理ツール1602は、複数の電解質堆積チャンバ1604と、1つ又はそれよりも多くの金属堆積チャンバ1606と、1つ又はそれよりも多くのリチウム堆積チャンバ1608とを含む。設備1600は、カソード層を堆積させる第2の処理ツール1610も含む。本発明の実施形態により、図16に表されるように、第2の処理ツール1610は、複数のカソード堆積チャンバ1612を含む。設備1600は、薄膜バッテリのための接点を形成するのに用いる金属層又は半導体層を堆積させる第3の処理ツール1614も含む。本発明の実施形態により、第3の処理ツール1614は、図16に表されるように、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、及び金/白金(Au/Pt)堆積チャンバのような複数の金属チャンバ1616も含む。実施形態では、設備1600は、薄膜バッテリの製作における様々な処理作業を行う付加的な部類の処理ツール1618、1620、1622、1624、及び1626も含む。一実施形態では、図16に表されるように、周囲ツールの部類は、急速熱処理を行うよう構成された処理ツール1618と、ポリマー層の堆積を行うよう構成された処理ツール1620と、エッチング、洗浄、及び除去の各作業を行うよう構成された処理ツール1622とを含む。一実施形態では、図16に表されるように、パターン化ツールの部類は、リソグラフィ露光を行うよう構成された処理ツール1624と、レーザスクライビングを行うよう構成された処理ツール1624とを含む。本発明の実施形態により、設備1600は、マスクレス統合方式とマスク統合方式との混成物である統合処理を行うために使用することができる。この特定の設備は、LiCo2−Liセルのためのものとすることができる。他の種類のカソード−アノード対及び処理統合フローのための類似の構成は、同様な概念から容易に導出することができる。
【0041】
すなわち、本発明の1つ又はそれよりも多くの実施形態では、リチウムベース薄膜バッテリ製造のための設備レイアウトを提供する。設備レイアウトは、金属層又は半導体層を堆積させる第1の処理ツールと、活性層を堆積させる第2の処理ツールと、急速熱処理のための第3の処理ツールと、誘電体層を堆積させる第4の処理ツールと、反応性イオンエッチングを行う第5の処理ツールと、薄膜バッテリのための特殊層を堆積させる第6の処理ツールとを含む。
【0042】
一実施形態では、第6の処理ツールは、同じ処理ツール内でのリチウム又はリチウム含有層と保護コーティングとの両方の堆積を行うよう構成される。特定の実施形態では、リチウム層は、リチウムアノード層であり、保護コーティングは、ポリマー層である。一実施形態では、第1の処理ツールは、第1のリチウムチャンバを含み、第2の処理ツールは、第2のリチウムチャンバを含む。特定の実施形態では、第6の処理ツールは、ポリマー層の堆積を行うよう構成される。特定的な実施形態では、設備レイアウトは、リソグラフィ露光作業及びレジスト除去作業を行うよう構成された第7の処理ツールセットと、エッチング作業及び洗浄作業を行うよう構成された第8の処理ツールセットと、その上に薄膜バッテリが製作されたウェーハ又は基板のレーザスクライビングを行うよう構成された第9の処理ツールとを更に含む。一実施形態では、第2の処理ツールは、カソード層の堆積のための第1のクラスターツールと、電解質層の堆積のための第2のクラスターツールと、リチウム蒸発ツールを第1のクラスターツールと第2のクラスターツールとに連結する1つ又はそれよりも多くのグローブボックスを含むリチウム蒸発ツールとを含む。一実施形態では、リチウムベース薄膜バッテリ製造は、マスク統合方式を含む。一実施形態では、リチウムベース薄膜バッテリ製造は、マスクレス統合方式を含む。
【0043】
本発明の1つ又はそれよりも多くの実施形態では、リチウムベース薄膜バッテリ製造のための別の設備レイアウトを提供する。この設備レイアウトは、活性層を堆積させるインライン処理ツールである第1の処理ツールと、金属層又は半導体層を堆積させる第2の処理ツールとを含む。
【0044】
一実施形態では、第1の処理ツールは、複数のリチウム堆積チャンバを含む。特定の実施形態では、設備レイアウトは、急速熱処理を行うよう構成された第3の処理ツールと、ポリマー層の堆積を行うよう構成された第4の処理ツールと、リソグラフィ露光作業及びレジスト除去作業を行うよう構成された第5の処理ツールと、エッチング作業及び洗浄作業を行うよう構成された第6の処理ツールと、その上に薄膜バッテリが製作されたウェーハのレーザスクライビングを行うよう構成される第7の処理ツールとを更に含む。一実施形態では、第1の処理ツールは、電解質層及びアノード層を堆積させるように構成され、第2の処理ツールは、インライン処理ツールである。設備レイアウトは、カソード層を堆積させるように構成された第3の処理ツールを更に含み、第3の処理ツールは、インライン処理ツールである。特定の実施形態では、第2の処理ツールは、複数のリチウム堆積チャンバを含み、設備レイアウトは、急速熱処理を行うよう構成された第4の処理ツールと、ポリマー層の堆積を行うよう構成された第5の処理ツールと、リソグラフィ露光作業及びレジスト除去作業を行うよう構成された第6の処理ツールと、エッチング作業及び洗浄作業を行うよう構成された第7の処理ツールと、レーザ融除を行うよう構成された第8の処理ツールと、誘電体層を堆積させるように構成された第9の処理ツールとを更に含む。一実施形態では、第2の処理ツールは、クラスター処理ツールである。特定の実施形態では、第2の処理ツールは、リチウム又はリチウム含有層の堆積を行うよう構成されたチャンバを含む。一実施形態では、第2の処理ツールは、インライン処理ツールであり、第1の処理ツールと直接に連結される。設備レイアウトは、保護コーティング層を堆積させるように構成された第3の処理ツールを更に含み、第3の処理ツールは、インライン処理ツールである。一実施形態では、第1の処理ツールは、カソード層を堆積させるように構成され、第2の処理ツールは、インライン処理ツールであり、かつ接点層を堆積させるように構成され、設備レイアウトは、電解質層とリチウム又はリチウム含有層とを堆積させる第3の処理ツールを更に含み、第3の処理ツールは、インライン処理ツールである。一実施形態では、リチウムベース薄膜バッテリ製造は、マスク統合方式を含む。一実施形態では、リチウムベース薄膜バッテリ製造は、マスクレス統合方式を含む。
【0045】
薄膜バッテリ製造の方法及びそのための設備をこのように開示した。本発明の実施形態により、方法は、薄膜バッテリを製作するための作業を含む。本発明の別の実施形態により、設備は、薄膜バッテリを製作するための1つ又はそれよりも多くのツールセットを含む。
【符号の説明】
【0046】
200 薄膜バッテリ
202 層スタック
204 基板
210 カソード層
212 アノード層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リチウムベース薄膜バッテリ製造のための設備レイアウトであって、
金属層又は半導体層を堆積させるための第1の処理ツールと、
活性層を堆積させるための第2の処理ツールと、
急速熱処理のための第3の処理ツールと、
誘電体層を堆積させる第4の処理ツールと、
反応性イオンエッチングを行うための第5の処理ツールと、
薄膜バッテリのための特殊層を堆積させるための第6の処理ツールと、
を含むことを特徴とするレイアウト。
【請求項2】
前記第6の処理ツールは、リチウム又はリチウム含有層と、保護コーティングの両方の堆積を同じ処理ツール内で行うよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載の設備レイアウト。
【請求項3】
前記リチウム層は、リチウムアノード層であり、前記保護コーティングは、ポリマー層であることを特徴とする請求項2に記載の設備レイアウト。
【請求項4】
前記第1の処理ツールは、第1のリチウムチャンバを含み、前記第2の処理ツールは、第2のリチウムチャンバを含むことを特徴とする請求項1に記載の設備レイアウト。
【請求項5】
前記第6の処理ツールは、ポリマー層の堆積を行うよう構成されていることを特徴とする請求項4に記載の設備レイアウト。
【請求項6】
リソグラフィ露光作業及びレジスト除去作業を行うよう構成された第7の処理ツールセットと、
エッチング作業及び洗浄作業を行うよう構成された第8の処理ツールセットと、
その上に薄膜バッテリが製作される、ウェーハ又は基板のレーザスクライビングを行うよう構成された第9の処理ツールと、
を更に含むことを特徴とする請求項5に記載の設備レイアウト。
【請求項7】
前記第2の処理ツールは、
カソード層の堆積のための第1のクラスターツールと、
電解質層の堆積のための第2のクラスターツールと、
1つ又はそれよりも多くのグローブボックスを含むリチウム蒸発ツールであって、該グローブボックスが該リチウム蒸発ツールを前記第1のクラスターツールと前記第2のクラスターツールとに連結する前記リチウム蒸発ツールと、
を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の設備レイアウト。
【請求項8】
リチウムベース薄膜バッテリ製造のための設備レイアウトであって、
活性層を堆積させるためのインライン処理ツールである第1の処理ツールと、
金属層又は半導体層を堆積させる第2の処理ツールと、
を含むことを特徴とするレイアウト。
【請求項9】
前記第1の処理ツールは、複数のリチウム堆積チャンバを含むことを特徴とする請求項8に記載の設備レイアウト。
【請求項10】
急速熱処理を行うよう構成された第3の処理ツールと、
ポリマー層の堆積を行うよう構成された第4の処理ツールと、
リソグラフィ露光作業及びレジスト除去作業を行うよう構成された第5の処理ツールセットと、
エッチング作業及び洗浄作業を行うよう構成された第6の処理ツールセットと、
その上に薄膜バッテリが製作されたウェーハのレーザスクライビングを行うよう構成された第7の処理ツールと、
を更に含むことを特徴とする請求項9に記載の設備レイアウト。
【請求項11】
前記第1の処理ツールは、電解質層及びアノード層の堆積を行うよう構成され、
前記第2の処理ツールは、インライン処理ツールであり、
設備レイアウトが、
インライン処理ツールであり、カソード層を堆積させるように構成された第3の処理ツール、
を更に含む、
ことを特徴とする請求項8に記載の設備レイアウト。
【請求項12】
前記第2の処理ツールは、複数のリチウム堆積チャンバを含み、
設備レイアウトが、
急速熱処理を行うよう構成された第4の処理ツールと、
ポリマー層の堆積を行うよう構成された第5の処理ツールと、
リソグラフィ露光作業及びレジスト除去作業を行うよう構成された第6の処理ツールと、
エッチング作業及び洗浄作業を行うよう構成された第7の処理ツールと、
レーザ融除を行うよう構成された第8の処理ツールと、
誘電体層を堆積させるように構成された第9の処理ツールと、
を更に含む、
ことを特徴とする請求項11に記載の設備レイアウト。
【請求項13】
前記第2の処理ツールは、リチウム又はリチウム含有層の堆積を行うよう構成されたチャンバを含むことを特徴とする請求項8に記載の設備レイアウト。
【請求項14】
前記第2の処理ツールは、インライン処理ツールであり、かつ前記第1の処理ツールに直接に連結され、
設備レイアウトが、
保護コーティング層を堆積させるためのインライン処理ツールである第3の処理ツール、
を更に含む、
ことを特徴とする請求項8に記載の設備レイアウト。
【請求項15】
前記第1の処理ツールは、カソード層を堆積させるように構成され、
前記第2の処理ツールは、インライン処理ツールであり、かつ接点層を堆積させるように構成され、
設備レイアウトが、
電解質層とリチウム又はリチウム含有層とを堆積させるためのインライン処理ツールである第3の処理ツール、
を更に含む、
ことを特徴とする請求項8に記載の設備レイアウト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2013−505557(P2013−505557A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−530959(P2012−530959)
【出願日】平成22年9月20日(2010.9.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/049536
【国際公開番号】WO2011/037868
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】