薄膜圧力感知遠位先端部を有するカテーテル
【課題】 遠位端において接触力感知能力を有するマッピング及びアブレーションカテーテルを提供する。
【解決手段】一実施形態において、カテーテルはカテーテル本体、偏向可能区分及び遠位先端区分を含み、遠位先端区分は、先端部電極に適用される力ベクトルを検出するように適合された薄膜圧力センサを有する先端部電極を有する。薄膜圧力センサは、その間に感圧性材料を含む、2つの対向する可撓性の薄い支持部材を含み、感圧性材料の抵抗が圧力の結果として変化し、可撓性の薄い支持材料の界面表面上に支持されるトレース電極交差部によって検出される。先端部電極に力ベクトルが適用された際に、それに対して薄膜圧力センサが当接する、合致する形状を有する停止部材と共に使用され、圧力センサは2−Dの半径方向に対称な形状、例えばディスク若しくはリング構成又は3−Dの半径方向に対称な形状、例えば円錐状構成を有し得る。
【解決手段】一実施形態において、カテーテルはカテーテル本体、偏向可能区分及び遠位先端区分を含み、遠位先端区分は、先端部電極に適用される力ベクトルを検出するように適合された薄膜圧力センサを有する先端部電極を有する。薄膜圧力センサは、その間に感圧性材料を含む、2つの対向する可撓性の薄い支持部材を含み、感圧性材料の抵抗が圧力の結果として変化し、可撓性の薄い支持材料の界面表面上に支持されるトレース電極交差部によって検出される。先端部電極に力ベクトルが適用された際に、それに対して薄膜圧力センサが当接する、合致する形状を有する停止部材と共に使用され、圧力センサは2−Dの半径方向に対称な形状、例えばディスク若しくはリング構成又は3−Dの半径方向に対称な形状、例えば円錐状構成を有し得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、心臓組織の電気活動のアブレーション及び感知に有用な電気生理学的カテーテル、特にその遠位端で接触力感知能力を備える電気生理学的カテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
心不整脈は、また特に心房細動は、とりわけ老年人口において一般的かつ危険な慢性疾患として持続するものである。洞調律が正常な患者において、心房組織、心室組織、及び興奮伝導性組織から構成される心臓は、同期した一定のパターンで拍動するように電気的に興奮される。心不整脈の患者では、心組織の異常領域は、正常な洞調律を有する患者のように正常な伝導性を有する組織による同期的な拍動周期に従わない。これに対して、心組織の異常領域では隣接組織への伝導が異常であり、これにより心周期が乱れて非同期的な心律動となる。こうした異常伝導は、例えば、房室(AV)結節及びヒス束の伝導経路に沿った洞房(SA)結節の領域、又は心室及び心房室の壁を形成する心筋組織など、心臓の様々な領域で生じることがこれまでに知られている。
【0003】
心房性不整脈を含む心不整脈は、心房室の周りで散乱して、しばしば自己伝播する電気的インパルスの複数の非同期的ループを特徴とする、マルチウェーブレットリエントラント型となる場合がある。マルチウェーブレットリエントラント型に代わって又はそれに加えて、心不整脈は更に、心房の組織の孤立領域が急速かつ反復的に自律的に興奮する場合のように局所的な起源を有する場合もある。
【0004】
心室性頻脈症(V−tach又はVT)は、一方の心室で起こる頻脈症又は高速な心律動である。これは、心室細動及び突然死につながりうるため、生命に関わる恐れのある不整脈である。
【0005】
心不整脈の診断及び治療では、心組織、特に心内膜及び心容積の電気的性質をマッピングすることと、エネルギーを作用させて心組織を選択的にアブレーションすることと、を含む。こうしたアブレーションにより、望ましくない電気的信号が心臓のある部分から別の部分へと伝播することを防止又は修正することができる。アブレーション法は、非導電性の損傷部位を形成することによって、望ましくない電気的経路を遮断するものである。損傷部位を形成するための様々なエネルギー供給の様式がこれまでに開示されており、心組織壁に沿って伝導遮断部分を形成するためのマイクロ波、レーザー、及びより一般的には高周波エネルギーの使用が挙げられる。マッピングに続いてアブレーションを行う2段階の手術においては、通常、1以上の電気センサ(又は電極)を収容したカテーテルを心臓の内部に前進させ、多数の点におけるデータを取得することによって心臓内の各点における電気活動が感知及び測定される。次いで、これらのデータを利用してアブレーションを行うべき心臓内の標的領域を選択する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
アブレーション及びマッピングは、カテーテルの先端部電極を用いて組織壁に接触することを含む。しかしながら、組織壁に対する先端部電極の正確な位置決めは常に可能ではない。したがって、遠位先端部において接触力感知を備えるカテーテルを提供することが望ましい。最近の研究は、損傷部位の深さは、高周波アブレーション中に、組織壁に対する先端部電極の接触力により決定され得るということを示唆している。
【0007】
したがって、カテーテルが、その遠位の先端部電極で接触力感知を備えて、マッピング及びアブレーションに採用されるということは望ましい。また、このようなカテーテルが、カテーテル先端部に働く三次元接触力ベクトルを検出、測定及び/又は決定するための、薄膜圧力センサを備えることが望ましい。カテーテルの位置は、磁気ベースの位置センサを用いてモニターされ、心腔壁は3Dでマッピングされるため、心壁に対する先端部電極接触面積を決定し、これにより先端部電極接触圧を計算することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、その遠位端で接触力感知能力を有するマッピング及びアブレーションカテーテルを目的とする。一実施形態において、カテーテルはカテーテル本体、偏向可能区分及び遠位先端区分を含み、遠位先端区分は、先端部電極に適用される力ベクトルを検出するように適合された薄膜圧力センサを有する先端部電極を有する。薄膜圧力センサは、その間に感圧性材料を含む、2つの対向する可撓性の薄い支持部材を含み、感圧性材料の抵抗が圧力の結果に反応して変化する。薄膜圧力は、可撓性の薄い支持部材の界面表面上に支持されるトレース電極交差部を更に含み、交差部の間の感圧性材料の抵抗の変化を検出し、それによって信号プロセッサが力ベクトルの半径方向及び軸方向成分を決定することができるような信号を提供する。
【0009】
一実施形態において、薄膜圧力センサは2−Dの半径方向に対称な形状、例えば、ディスク又はリング構成を有し、カテーテルの遠位先端区分の長手方向軸に関して軸上に位置付けられる。長手方向軸と垂直な平面的な位置において、薄膜圧力センサは、先端部電極と停止部材との間に狭持され、停止部材に対して圧力センサが当接して、例えば先端部電極が組織壁部と接触した際に先端部電極に適用される接触力を検出する。
【0010】
別の実施形態において、薄膜圧力センサは3−Dの半径方向に対称な形状を有し、この形状は停止部材の合致する3−D遠位端と先端部電極の合致する3−D近位端との間にこれが位置することを可能にする。3−Dの構成は、先端部電極に働く接触力ベクトルの半径方向及び軸方向成分を検出するために、圧力センサにおけるより大きな感度を可能にする。例えば、3−D薄膜圧力センサは、停止部材の凹状円錐形遠位端及び先端部電極の凹状円錐形近位端に合致する円錐形状を有し、それによって圧力センサはその間でネスト化される。先端部電極の近位端及び停止部材の遠位端は、圧力センサ内の穴を通じて、例えば、半径方向及び軸方向における先端部電極と停止部材との間の相対的な移動を可能にするボール及びソケット連結部により、回転可能及び枢動可能に連結され得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明のこれら及び他の特徴並びに利点は、以下の「発明を実施するための形態」を添付の図面と併せて考慮して参照することで更に深い理解が得られるであろう。
【図1】本発明のカテーテルの実施形態の平面図。
【図2A】第1直径に沿って取った、カテーテル本体と中間区分との連結部を含む、図1のカテーテルの側断面図。
【図2B】第1直径に対してほぼ垂直な第2直径に沿って取った、カテーテル本体と中間区分との連結部を含む、図1のカテーテルの側断面図。
【図2C】線C−Cに沿って取った、図2A及び2Cの実施形態の末端部断面図。
【図3】先端部電極と2−D薄膜圧力センサとを含む、本発明のカテーテルの遠位先端区分の実施形態の分解図。
【図4A】ほぼ第1直径に沿って取った、組み立てられた際の図3の遠位先端区分の側断面図。
【図4B】ほぼ第2直径に沿って取った、組み立てられた際の図3の遠位先端区分の側断面図。
【図4C】線C−Cに沿って取った、図4A及び4Bの遠位先端区分の末端部断面図。
【図5】感圧性材料を有さない、2−D圧力センサの実施形態の分解図。
【図6】組み立てられた際の、図5の2−D圧力センサの等角図。
【図6A】線A−Aに沿って取った、図6の2−D圧力の断面図。
【図7】組み立て前の、第1支持部材と第2支持部材とを有する、2−D圧力センサの実施形態の平面図。
【図8】組み立てられた際の、図7の2−D圧力センサの平面図。
【図9】遠位先端区分に接合されるカテーテル本体を有する、2−D圧力センサを有するカテーテルの別の実施形態。
【図9A】図9のカテーテルの側断面図。
【図10】3−D圧力センサを含む、本発明のカテーテルの遠位先端区分の実施形態の分解図。
【図11】組み立てられた際の、図10の遠位先端区分の側断面図。
【図12】感圧性材料を有さない、3−D圧力センサの分解図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、遠位先端部で接触力感知能力を有するカテーテル10の実施形態を示す。カテーテルは、近位端及び遠位端を有する細長いカテーテル本体12と、カテーテル本体12の遠位端での中間偏向可能区分14と、マッピング、アブレーション、及び先端部電極が組織壁19と接触する場合などに先端部電極17に適用された接触力を検出するように適合された遠位先端区分15と、を有する。カテーテルはまたカテーテル本体12の近位端における制御ハンドル16を含み、ここで制御ハンドルは中間区分14の二方向の偏向を制御するように適合される。制御ハンドル16は更に、マッピング、アブレーション、及び/又は、例えば力感知ソリューションでプログラムアルゴリズムを適用するマイクロプロセッサ13の手段などにより力を感知するために、遠位先端区分15からの及び遠位先端区分15への電気的な入力信号及び出力信号を送信し、受信し及び処理するように適合されたコントローラ11への導管として機能し得る。本発明により、このような信号は、先端電極における半径方向及び/又は軸方向の接触力の検出及び測定を含む、接触力の直接的な測定のための、トレース電極交差部を有する薄膜圧力センサからの信号を含み、コントローラ及びマイクロプロセッサは接触力ベクトルの計算においてこのような信号を処理するように適合される。増幅器及びデータ取得(DAQ)装置が制御ハンドル内に提供されて、薄膜圧力センサからの測定値を使用可能な信号に変換し得るこれらの装置はまた、別個の接続箱又は、患者の心臓内のカテーテルのリアルタイムの計算される位置及び向きを可視化するように設計されたカテーテルナビゲーションシステム(例えば、Biosense Webster,Incによって製造されるCARTOナビゲーションシステム)内など、カテーテルの外部に提供され得る。
【0013】
図2A及び2Bを参照すると、カテーテル本体12は、1個の軸方向又は中央管腔18を有する細長い管状構造を含む。カテーテル本体12は可撓性、すなわち曲げることができるが、その長さに沿ってはほとんど圧縮することはできない。カテーテル本体12は任意の適当な構造のものでよく、任意の好適な材料で形成することができる。本発明における好ましい構造は、ポリウレタン又はPEBAXで形成された外壁20を含む。外壁20は、ステンレス鋼などの埋め込まれた編みメッシュを含み、カテーテル本体12のねじり剛性を上昇させ、その結果、制御ハンドル16が回転するとき、カテーテル10の中間区分14は対応する方向に回転する。
【0014】
カテーテル本体12の外径は重要ではないが、好ましくは約2.7mm(8フレンチ)、より好ましくは2.3mm(7フレンチ)以下である。同様に外壁20の厚さは重要ではないが、中央管腔18がワイヤ、ケーブル、又はチューブを収容できるように十分薄い。必要に応じて、外壁20の内面は、捻れ安定性を高めるために強化管22で裏打ちされる。開示する実施形態において、このカテーテルは、約0.229cm(0.090インチ)〜約0.254cm(0.100インチ)の外径と、約0.155cm(0.061インチ)〜約0.165cm(0.065インチ)の内径とを有する外壁20を有する。補強管22の遠位端及び外壁20は遠位端及びカテーテル本体12の近位端付近のそれらの間で接着剤接合によって互いに固定して取り付けられる。
【0015】
制御ハンドル16と偏向可能な部分14との間に延びる要素は、カテーテル本体12の中央管腔18に通過させられる。これらの構成要素は、先端部電極17のリードワイヤ40、先端区分の圧力センサのためのリードワイヤ42、流体を先端部電極17に供給するための灌注チューブ38、先端部電極17内に収容される電磁位置検出センサ19のためのケーブル48、先端部電極の温度を検知するための熱電対ワイヤ41、43及び中間区分14の二方向偏向用の一対のプラーワイヤ44を含む。
【0016】
また、より短い部分のチューブ19を含む偏向可能な中間区分14の実施形態が、図2A、2B、及び2Cに示されている。チューブはまた、編みメッシュ構造体を有するが、複数の軸外管腔、例えば、第1の管腔30、第2の管腔31、第3の管腔32、及び第4の管腔33を有する。示された実施形態では、正反対の第2の管腔31及び第4の管腔33のそれぞれは、二方向のための1つのプラーワイヤ44を担持する。第1管腔30はリードワイヤ40及び42並びに熱電対ワイヤ41、43を担持する。第3管腔32は灌注チューブ38及びセンサケーブル48並びに追加的なリードワイヤ42を担持する。
【0017】
中間部分14のチューブ19は、カテーテル本体12よりも高い可撓性を有する適当な毒性の無い材料で形成されている。チューブ19に好適な材料は、編みポリウレタン、すなわち、編みステンレス鋼などの埋め込まれたメッシュを有するポリウレタン又はPEBAXである。各管腔の大きさは、各管腔がそれを通じて延びるそれぞれの構成要素を収容するのに十分な大きさである限り重要ではない。
【0018】
カテーテル本体12を中間区分14のチューブ19に取り付ける手段が、図2A及び2Bに示されている。中間区分14の近位端は、カテーテル本体12の外壁20の内面を受容する外周ノッチを含む。中間部分14とカテーテル本体12とは、接着剤などによって取り付けられている。
【0019】
必要に応じて、カテーテル本体の内部で強化管(用いられている場合)の遠位端と中間部分の近位端との間にスペーサ(図示せず)を配置することができる。スペーサはカテーテル本体と中間部分との接合部において可撓性の移行部を与えるものであり、これにより接合部が折り畳まれたりよじれることなく滑らかに曲がることが可能となる。そのようなスペーサを有するカテーテルが、その開示内容を本願に援用する米国特許第5,964,757号に述べられている。
【0020】
それぞれのプラーワイヤ44は、Teflon(登録商標)でコーティングされることが望ましい。プラーワイヤ44は、例えばステンレス鋼などの任意の好適な金属、又はプラーワイヤに潤滑性を付与するNitino及びTeflonコーティングで作製されてもよい。プラーワイヤは好ましくは、約0.006〜0.025cm(0.010インチ)の範囲の直径を有する。図2B及び2Cに示されるように、カテーテル本体12で各プラーワイヤ44の一部は、そのプラーワイヤ44に包囲する関係にある圧縮コイル35を通過する。圧縮コイル35は、カテーテル本体12の近位端から中間部分14の近位端まで延びている。圧縮コイル35は、任意の好適な金属、好ましくはステンレス鋼でできており、圧縮には抗するが可撓性、すなわち曲げ性をもたらすようにそれ自体で緊密に巻回されている。圧縮コイルの内径は、プラーワイヤ44の直径よりも僅かに大きい。カテーテル本体12の内部では、圧縮コイル35の外側表面も、例えばポリイミドチューブで形成された可撓性の非導電性シース39でやはり被覆されている。
【0021】
プラーワイヤ44の近位端は、制御ハンドル16に定着されている。図4Bに示されるように、プラーワイヤの遠位端は、中間区分14の遠位端付近に定着される。それぞれのプラーワイヤの遠位端には、管状のステンレス鋼の短片を含むT型アンカー47(例えば、皮下注射ストック)が備わっており、これはプラーワイヤの遠位端の上に取り付けられ、この上に圧着される。管状のステンレス鋼は、例えば溶接によって、ステンレス鋼リボン等で形成されたクロスピースに固定される。クロスピースは、それぞれのプラーワイヤの遠位端を定着させるために、チューブ19の外壁にしっかりと固定して取り付けられる。第1のプラーワイヤは、第2の管腔31を通過し、第2のプラーワイヤは、偏向可能な中間区分14の第4の管腔33を通過する。偏向ワイヤ44がカテーテル本体12とは別にかつ独立に長手方向に運動することにより、結果として、中間区分14及びこのように先端区域15のステアリングが偏向することになるが、この運動は、偏向部材37(図1)の適切な操作によって達成される。
【0022】
図3、4A及び4Bを参照し、中間区域14の遠位端に先端区分15があり、これは先端部電極17、薄膜圧力センサ60、及び圧力センサとチューブ19との間の停止部材62を含む。例示される実施形態において圧力センサは、半径方向に対称である平坦な環状又はリングの形状を有する。これは、薄く平坦な構成並びに外径D1及び中央管腔64を画定する内径D2を有する円形の断面を有する。センサの外径D1は、チューブ19及び先端部電極17の外径と同様であるか又はこれより僅かに小さく、これによってカテーテルの遠位端又はその付近において、チューブ19と先端部電極17との間に平滑かつ非外傷性の外形が提示される。内径D2は、リードワイヤ、灌注チューブ、熱電対ワイヤ及び/又はセンサケーブルのなどの構成要素がこれを通じて延びることを可能にするために十分に大きい。
【0023】
図5及び図6の実施形態に示されるように、薄膜圧力センサ60は、第1トレース電極66及び第2トレース電極68を含み、これらはそれぞれ、各薄い可撓性の支持シート63及び65(例えば、MYLAR又はKAPTONなどのポリエステルフィルム)上に形成される。第1電極66は、第1シート63の遠位表面上に形成され、第2電極は第2シート65の近位表面上に形成される。各電極は、支持シートにわたって広がる、感圧性抵抗性材料又はインク(例えば、二硫化モリブデン)の薄いコーティング67を有する。シート63及び65は、第1電極66及び第2電極68が好ましくはある角度で(例えば、直角で)互いに向かい合い、重なり及び交差し、「交差部」Xの格子パターンをつくるようにして、互いに重なり、対の各電極は感圧性抵抗性材料によって対の他方の電極(及び他の任意の隣接するトレース電極)から分離される(図6A参照)。本明細書において使用するとき、「交差する」構成とは、互いに重なる対の電極が互いに交差するが、互いに接触していない構成を表す。むしろ、これらの互いに最も近い場所における、交差する対の電極は、感圧性材料が占める空隙又は空間70によって分離されたままであり、その結果感圧性材料における電気抵抗の変化が交差する電極対によって検出される。したがって、外力の不在下においては交差する電極の間の感圧性材料67が高い抵抗を提供し、外力が適用されて、交差する電極対の反対側の圧力が変化すると、これに反応して材料の抵抗が変化する。交差する第1及び第2電極の多数の対では、各対の一方の電極が駆動されて対の他方の電極が感知され、それによって各交差する対の駆動電極と感知電極との間の抵抗値が、圧力センサに適用される力を表す出力を提供する。方向(例えば、半径方向及び軸方向)成分を有する力ベクトルを決定するために、マイクロプロセッサ13によって三角測量処理が適用され得ることが理解される。
【0024】
圧力センサ60は、0.05mm〜0.5mmに及び、好ましくは約0.1mmの厚さを有し、0.690kPa(0.1psi)〜172MPa(25ksi)の範囲での、6.45cm2(平方インチ)当たり1600の測定値を取る(0.000278N(62.5μlb)の低さの力で)ように適合及び構成され得る。好適な薄膜圧力センサ及びシステムは、Tekscan,Inc(South Boston,Mass.,USA)から入手可能であり、米国特許番号第4,856,993号及び同第6,964,205号において記載され、これらの全内容は本明細書において参照として組み込まれる。これらのセンサ及びシステムは、静的及び動的な事象を測定することができ、これらは非常に薄く可撓性であるため、これらは最小限の干渉で重要な表面界面圧力を測定し、プロセッサで処理して、モニターに表示され得る非常に正確な圧力の読み取り値を提供することができる。
【0025】
各交差部又は交差する対はしたがって、これに適用される圧力の関数である可変抵抗によって特徴付けられる。各電極は露出した端子を有し、これは、圧力センサの中央管腔64を通じ、近位方向へとカテーテル10を通じて好適な回路(図示されない)に延びる各リードワイヤ42へと接続されることが理解される。交差部の各交差する電極対を連続的に走査することによって回路は動作し、この交差部における感圧性コーティングの抵抗を測定し、この交差部において圧力センサに適用される力の指標を提供する。
【0026】
図5及び図6のカテーテルの例示の実施形態において、圧力センサは、予測される接触力の範囲に対して適切に選択される荷重範囲及び反応性を有する、最少で3つの電極交差部を有する。最少で3つの電極交差部は、軸方向及び/又は半径方向成分などの方向及び角度情報で力ベクトルを決定する際の、力及び/又は圧力の三角測量を可能にする。示されるように、各交差部は、外径及び内径から等しく離間しており、交差部は、先端区分の長手方向軸周囲において互いに等しく、例えば、0°、120°及び240°半径方向角度で離間している。当業者によって理解されるように、所望により又は所望の分解能に応じて適切な、任意の数の交差部が存在し得る。
【0027】
図7及び図8の代替的な実施形態において、センサは少なくとも2つの平行な駆動電極66及び2つの平行な感知電極68を含み、これらは、互いに等間隔の4つの交差部Xを提供するように配置され、それによって4つの交差部は、交差部が先端区分の長手方向軸の周囲で半径方向に対称である、正方形の構成の4つの角部を形成する。任意の数の電極が任意の好適なパターンで配置され得ること及び電極は一貫して駆動されるか若しくは一貫して感知される又は適切な回路では同じ電極が必要に応じて交互に駆動され、感知され得ることが理解される。実際に、当業者によって理解されるように、適切な回路を有する本システムは、駆動電極及び/又は感知電極として構成された任意の適切な数の電極を利用し得る。
【0028】
図3、4A及び4Bの例示される実施形態では、停止部材62は、圧力センサ60の近位にあり、圧力センサの剛性基底部として機能する。部材は、より厚い平面的な構成並びに外径D3及び中央管腔70を画定する内径D4を有する円形の断面を有するディスク形状である。外径は、チューブ19及び先端部電極17の外径と同様であるか又はこれより僅かに小さく、これによってカテーテルの遠位端又はその付近において、チューブ19と先端部電極17との間に平滑かつ非外傷性の外形が提示される。内径は、上記の構成要素が、チューブ19と先端部電極17との間に延びることを可能にするために十分に大きい。遠位平面的表面と近位平面的表面との間の停止部材の厚さは、約0.4mm〜0.5mmの範囲である。部材の材料は、約0.049〜1.47N(5〜150gf)の範囲の力において十分に剛性である任意の材料であり得る。
【0029】
停止部材の遠位表面及び/又は先端部電極の近位表面は一般的に平面的であり、かつ遠位先端部区分の長手方向軸と垂直であり、それによってその間に狭持される圧力センサが、主に先端部電極に働く軸方向の力を検出するが、先端部電極に働く力の測定される軸方向の成分の差の分析によって、半径方向の成分の測定もまた可能である。これらの表面は長手方向軸の周囲で等しく離間した、隆起した形成部を含むことができ、これは圧力センサの格子交差部に力を局部化するように機能する。例示される実施形態において先端部電極の近位表面は複数の円形の突起部74を有し、この複数性は、圧力センサの電極交差部Xの複数性と等しい。例示されるように、各突起部は、先端部電極に適用される力を圧力センサの交差部Xに局部化させるために、各電極交差部と軸方向で位置合わせされるように配置される。
【0030】
用語「圧力」及び「力」は異なる技術的な意味及び測定値の単位を有するが、これらの用語は、圧力センサが様々な間隔の電極交差部(各交差部の既定の適用領域で)を備えるように構成され、信号が圧力として表示されることを可能にするので、本明細書において互換可能に使用されることを意味する。したがって、いずれかの特定の領域の反映性は、この領域の交差部の複数性に依存し、より大きな複数性はより大きな反映性を提供し、より少ない複数性はより小さい反映性を提供する。この点に関し、停止部材の隆起形成部及び/又は先端部電極の近位端が既知の表面積を有する場合、取られる測定値の結果が力の値に関して決定され得る。したがって、多数の電極連結部は、力成分を決定するために、及び三角測量によって力ベクトルを決定するために、有利に利用される。
【0031】
図4Cに最もよく見られるように、先端部電極リードワイヤ40の遠位端並びに熱電対ワイヤ41及び45はそれぞれ、先端部電極17の近位端内に形成される盲穴120及び122内に固定される。電磁位置センサ21が盲穴124内に受容される。灌注チューブ38は先端部電極の近位端に形成される灌注通路126内に延びる。通路126は半径方向に横断する分岐路130と連通し、灌注チューブ38によって供給される流体が、複数の半径方向ポート132を通じて先端部電極の外側に出る。
【0032】
所望によりカテーテル10は、制御ハンドルの偏向部材を通じたプラーワイヤのユーザー制御による二方向偏向に適している。しかしながら、案内シースと共に使用するのに適合したカテーテル10aの実施形態が図9に例示される。カテーテル10’は、プラーワイヤによって偏向可能な複数管腔のチューブを有さない。示されるように、カテーテル本体12の遠位端が、遠位先端区分15へと、その間の中間部分なしに取り付けられ、構成要素がカテーテル本体12の中央管腔18と、停止部材62及び圧力センサ60の中央管腔との間を通過する。
【0033】
同様の構成要素が同様の参照番号を有する図10、11及び12に例示されるカテーテル10bの別の代替的実施形態では、遠位先端区分15bは、3D形状、例えば、円錐形状を有する薄膜圧力センサ60bを含み、それによって近位表面及び遠位表面上の各位置は、軸方向成分及び半径方向成分を有する表面ベクトルを有する。この実施形態において、圧力センサは、それぞれ円錐形状の外径及び内径から等しく離間し、円錐形状の周囲において互いに等しく、例えば、遠位先端区分の長手方向軸の周囲で0°、90°、180°及び270°で離間した4つの電極交差部Xを含む。第1電極66bは、円錐形状を有する、第1の、すなわち遠位の薄い可撓性支持シート63bの近位表面に支持される。第2電極68bは、やはり円錐形状を有し、第1支持シートよりも僅かに大きい第2の、すなわち近位の薄い可撓性支持シート65bの遠位表面上に支持され、それによって第2シートは第1シート並びに第1シートの遠位表面及び第2シートの近位表面に適用された感圧性材料67b両方に適合してこれらを囲み、圧力センサを形成することができる。例示されるように、第1及び第2電極は、これらのそれぞれのシート上に配置されて、中央管腔64bの周囲の半径方向に対称な位置に交差部Xを形成する。第1及び第2電極両方のリードワイヤ42bが停止部材62bに向かって近位方向に延び得るように、対応する穴90が、近位方向の支持シート65bに提供される。
【0034】
圧力センサ60bの円錐形状は一般的に停止部材62bの凹状円錐形遠位表面110及び先端部電極17bの凹状円錐形近位表面112と一致及び対応し、それによって圧力センサは、先端部電極と、電極交差部と軸方向に位置合わせされた隆起形成部(例えば、隆起したリング形状の突起部74b)を有する停止部材との間でネスト化される。中央管腔64bは構成要素が圧力センサ60bを通じて延びることを可能にし、これは本実施形態において、先端部電極の長手方向軸と位置合わせされ、先端部電極17bの主要本体から近位方向に延びるボール部材92及び首部94を有する突起部を含む。ボール部材は、停止部材の遠位端内に形成されるソケット96内に受容されてこれと連結する。ボール及びソケットの連結は、先端部電極と停止部材との間の機械的な干渉を提供することによって追加的な軸方向の引っ張り強度を提供する。この点に関し、平坦な端部又は支柱での、いずれかの強化干渉が使用され得る。その上、ボール、ソケット連結は、半径方向及び軸方向の成分を有する適用される力を検出する際の増加した感度及びより高い分解能のために、停止部材62bに対する、より大きな寸法の先端部電極17bの移動を可能にする。停止部材62bのその遠位表面と近位表面との間の厚さは、約1.0mm〜約6.0mmの範囲、好ましくは約3.0mmである。停止部材の近位表面は、中間区分14のチューブ19bのノッチを付された遠位端の外側周辺部102を受容するために、内側周辺部100でノッチを付されている。圧力センサ電極66b及び68bのリードワイヤ42bは、電極交差部Xと軸方向に位置合わせされる停止部材62bに提供される軸方向の通路108を通じて延びる。先端部電極リードワイヤ40b及び熱電対ワイヤ41b及び45bは、停止部材の内側のノッチを付した近位端100と停止部材の凹状の遠位表面を接続する中央通路112を通じて延びる。先端部電極リードワイヤ40及び熱電対ワイヤ41、45は、先端部電極の凹状近位端内に形成される各盲穴内に固定される。
【0035】
先行の実施形態のいずれかにおいて、圧力センサは、例えば、マッピング及びアブレーション中に先端部電極が組織と接触するとき、最少で約15ニュートンの軸方向の荷重に耐えるように適合された、任意の接着剤で、先端部電極及び/又は停止部材に結合され得る。エポキシ、ポリウレタンなどを含む好適な接着剤は、損失なく力を圧力センサに伝達するために十分に剛性であるべきだが、カテーテルに働く意図される力の範囲において、塑性変形を生じないように十分に弾性であるべきである。
【0036】
可撓性保護カバー、例えば、薄い可撓性の単一管腔の押出成形物又はチューブ104が圧力センサ及び停止部材の上に取り付けられて、これらの成分及びこれらの内側を患者との接触から分離し得る。
【0037】
N個の格子交差部を有するカテーテルにおいて、各測定される力F1,軸方向〜FN,軸方向の軸方向成分の合計は、先端部電極に適用される力の軸方向成分と等しいものであるべきである。円錐形状のセンサにおいて、各測定される力F1,半径方向〜FN,半径方向の半径方向成分の合計は、先端部電極に適用される力の半径方向成分と等しいものであるべきである。純粋に軸方向に適用される荷重の場合、各測定される力の軸方向成分は、適用される力の(1/N)倍の規模と等しく、測定される力の半径方向成分の合計はゼロに等しい。適用される力が純粋な軸方向から変化するにつれ、各測定される力の成分の変化は、適用される力の規模及び方向の決定を可能にする。
【0038】
カテーテル10bの例示される実施形態は、中間区分14bのチューブ19bの2つの反対の管腔を通じて延びる一対のプラーワイヤによる二方向の偏向に適合する。しかしながら、カテーテル10bは、カテーテル本体が中間区分なしに遠位先端区分に接合される、案内シースを伴う用途にもまた適合し得ることが理解される。
【0039】
圧力と力の対比において、両方の用語とも正確であると考えられる。これらのセンサは典型的には、様々な間隔で連結部を定置し(各接続部の規定の適用領域)、記録された信号が圧力として表示されることを可能にする。開示される概念において、連結部の数は連結部はより限定されており、したがってそれぞれは、これらがカバーする領域をより反映しない。しかしながら、段落0047に言及されるように、停止部材及び先端部電極の近位端は、隆起した表面を有し得る(理想的には既知の表面積の)。これらの表面は既知の領域において測定値が取られることを可能にし、結果が力値において決定されることを可能にする。このため、多数の圧力センサが、力成分を決定するために、及び三角測量によって力ベクトルを決定するために、利用されている。
【0040】
上記の説明は、本発明の特定の例示的実施形態を参照して示したものである。ここで示される図面は必ずしも縮尺通りではない。本発明に関連する分野及び技術の当業者には、説明した構造に対する変形及び変更が、本発明の原理、趣旨、及び範囲から大きく逸脱することなく実施されうる点は理解されるであろう。図面の縮尺は必ずしも正確でない点は理解されるであろう。したがって、上記の説明文は、添付の図面において説明及び図示される正確な構造のみに関するものとして解釈されるべきではない。むしろ、上記の説明は、最も完全かつ公正な範囲を有する以下の「特許請求の範囲」と矛盾しないものとして、またその「特許請求の範囲」を支持するものとして解釈されるべきである。
【0041】
〔実施の態様〕
(1) マッピング及び/又はアブレーションに適合したカテーテルであって、
患者の身体内の血管を通過するのに適合したチューブと、
前記チューブの遠位にある先端部電極であって、前記先端部電極はマッピング又はアブレーションのために身体組織と接触するように構成されている、先端部電極と、
薄い可撓性の力センサであって、
第1及び第2の薄い可撓性支持シート、
少なくとも第1可撓性電極及び第2可撓性電極であって、前記第1可撓性電極は前記第1の薄い可撓性の支持シートに取り付けられ、これによって支持されて駆動電極を提供し、前記第2可撓性電極は前記第2の薄い可撓性支持シートに取り付けられ、これによって支持されて感知電極を提供する、少なくとも第1可撓性電極及び第2可撓性電極、並びに
前記感知電極及び駆動電極の少なくとも一方に適用され、抵抗性材料によって作製された抵抗性層であって、前記抵抗性材料の抵抗が適用される圧力の関数として変化する抵抗性層を含む、薄い可撓性の力センサと、を含む、カテーテル。
(2) 前記センサが少なくとも2対の第1可撓性電極及び第2可撓性電極を含み、前記第1電極が、前記第1の薄い可撓性支持シートに取り付けられ、これによって支持されて少なくとも2つの駆動電極を提供し、前記第2可撓性電極は前記第2の薄い可撓性支持シートに取り付けられ、これによって支持されて少なくとも2つの感知電極を提供し、前記抵抗性層が前記感知電極及び前記駆動電極の少なくとも一方に適用される、実施態様1に記載のカテーテル。
(3) 前記少なくとも2対の第1可撓性及び第2可撓性電極が少なくとも4つの交差部を形成し、各交差部は前記第1可撓性電極の1つと、前記第2可撓性電極の1つとの間にある、実施態様1に記載のカテーテル。
(4) 前記チューブと前記センサとの間に位置付けられた停止部材を更に含み、前記部材は前記先端部電極に適用される力に反応して、前記センサに対して垂直力を提供するために、前記チューブよりも剛性である、実施態様1に記載のカテーテル。
(5) 前記チューブと前記センサとの間に位置付けられた停止部材を更に含み、前記停止部材の遠位端及び前記先端部電極の近位端は、その間で前記センサがネスト化されるように、合致する構成を有する、実施態様1に記載のカテーテル。
(6) 前記合致する構成が、ほぼ円錐形の形状を含む、実施態様1に記載のカテーテル。
(7) 前記停止部材の前記遠位端、前記先端部電極の前記近位端及び前記センサがそれぞれ、ほぼ円錐形の形状を有する、実施態様6に記載のカテーテル。
(8) 前記停止部材の前記遠位端がほぼ凹状の円錐形状を有し、前記先端部電極の前記近位端がほぼ凹状の円錐形状を有する、実施態様7に記載のカテーテル。
(9) 前記センサが、ディスク形状であり、前記チューブと前記先端部電極との間に位置付けられる、実施態様1に記載のカテーテル。
(10) 前記センサが外径及び穴を画定する内径を有する、実施態様9に記載のカテーテル。
【0042】
(11) 前記チューブが単一の中央管腔を有する、実施態様1に記載のカテーテル。
(12) 前記チューブがカテーテル本体を支持する、実施態様1に記載のカテーテル。
(13) 前記チューブが複数管腔である、実施態様1に記載のカテーテル。
(14) 前記チューブが偏向可能部分を支持する、実施態様1に記載のカテーテル。
(15) マッピング及び/又はアブレーションに適合したカテーテルであって、
患者の身体内の血管を通過するのに適合したチューブと、
前記チューブの遠位にある先端部電極であって、前記先端部電極はマッピング又はアブレーションのために身体組織と接触するように構成されている、先端部電極と、
薄い可撓性の力センサであって、
第1及び第2の薄い可撓性支持シート、
前記第1支持シートと前記第2支持シートとの間の複数の電極であって、前記電極は異なる対の電極で複数の交差部を形成するように配置され、各電極は前記可撓性支持シートの少なくとも1つに取り付けられかつこれに支持され、各交差部における各電極の対において、一方の電極が駆動され同時に他方の電極が感知される、複数の電極、及び
前記感知電極及び駆動電極の少なくとも一方に適用され、抵抗性材料によって作製された抵抗性層であって、前記抵抗性材料の抵抗が適用される圧力の関数として変化する抵抗性層を含む、薄い可撓性の力センサと、を含む、カテーテル。
(16) 停止部材を更に含み、前記力センサが前記停止部材と前記先端部電極との間に位置付けられる、実施態様15に記載のカテーテル。
(17) 前記停止部材の隣接する端部及び前記先端部電極の隣接する端部が合致する3−D形状を有し、それによって前記力センサがその間でネスト化される、実施態様16に記載のカテーテル。
(18) 前記力センサが三次元形状を有することにより、これが軸方向及び半径方向成分を有する、前記先端部電極に適用される力ベクトルに反応する、実施態様15に記載のカテーテル。
(19) 前記力センサが、軸方向及び半径方向成分を有する、前記先端部電極に適用される力ベクトルに反応する、実施態様15に記載のカテーテル。
(20) 前記センサが少なくとも3つの交差部を有する、実施態様15に記載のカテーテル。
【技術分野】
【0001】
本発明は、心臓組織の電気活動のアブレーション及び感知に有用な電気生理学的カテーテル、特にその遠位端で接触力感知能力を備える電気生理学的カテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
心不整脈は、また特に心房細動は、とりわけ老年人口において一般的かつ危険な慢性疾患として持続するものである。洞調律が正常な患者において、心房組織、心室組織、及び興奮伝導性組織から構成される心臓は、同期した一定のパターンで拍動するように電気的に興奮される。心不整脈の患者では、心組織の異常領域は、正常な洞調律を有する患者のように正常な伝導性を有する組織による同期的な拍動周期に従わない。これに対して、心組織の異常領域では隣接組織への伝導が異常であり、これにより心周期が乱れて非同期的な心律動となる。こうした異常伝導は、例えば、房室(AV)結節及びヒス束の伝導経路に沿った洞房(SA)結節の領域、又は心室及び心房室の壁を形成する心筋組織など、心臓の様々な領域で生じることがこれまでに知られている。
【0003】
心房性不整脈を含む心不整脈は、心房室の周りで散乱して、しばしば自己伝播する電気的インパルスの複数の非同期的ループを特徴とする、マルチウェーブレットリエントラント型となる場合がある。マルチウェーブレットリエントラント型に代わって又はそれに加えて、心不整脈は更に、心房の組織の孤立領域が急速かつ反復的に自律的に興奮する場合のように局所的な起源を有する場合もある。
【0004】
心室性頻脈症(V−tach又はVT)は、一方の心室で起こる頻脈症又は高速な心律動である。これは、心室細動及び突然死につながりうるため、生命に関わる恐れのある不整脈である。
【0005】
心不整脈の診断及び治療では、心組織、特に心内膜及び心容積の電気的性質をマッピングすることと、エネルギーを作用させて心組織を選択的にアブレーションすることと、を含む。こうしたアブレーションにより、望ましくない電気的信号が心臓のある部分から別の部分へと伝播することを防止又は修正することができる。アブレーション法は、非導電性の損傷部位を形成することによって、望ましくない電気的経路を遮断するものである。損傷部位を形成するための様々なエネルギー供給の様式がこれまでに開示されており、心組織壁に沿って伝導遮断部分を形成するためのマイクロ波、レーザー、及びより一般的には高周波エネルギーの使用が挙げられる。マッピングに続いてアブレーションを行う2段階の手術においては、通常、1以上の電気センサ(又は電極)を収容したカテーテルを心臓の内部に前進させ、多数の点におけるデータを取得することによって心臓内の各点における電気活動が感知及び測定される。次いで、これらのデータを利用してアブレーションを行うべき心臓内の標的領域を選択する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
アブレーション及びマッピングは、カテーテルの先端部電極を用いて組織壁に接触することを含む。しかしながら、組織壁に対する先端部電極の正確な位置決めは常に可能ではない。したがって、遠位先端部において接触力感知を備えるカテーテルを提供することが望ましい。最近の研究は、損傷部位の深さは、高周波アブレーション中に、組織壁に対する先端部電極の接触力により決定され得るということを示唆している。
【0007】
したがって、カテーテルが、その遠位の先端部電極で接触力感知を備えて、マッピング及びアブレーションに採用されるということは望ましい。また、このようなカテーテルが、カテーテル先端部に働く三次元接触力ベクトルを検出、測定及び/又は決定するための、薄膜圧力センサを備えることが望ましい。カテーテルの位置は、磁気ベースの位置センサを用いてモニターされ、心腔壁は3Dでマッピングされるため、心壁に対する先端部電極接触面積を決定し、これにより先端部電極接触圧を計算することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、その遠位端で接触力感知能力を有するマッピング及びアブレーションカテーテルを目的とする。一実施形態において、カテーテルはカテーテル本体、偏向可能区分及び遠位先端区分を含み、遠位先端区分は、先端部電極に適用される力ベクトルを検出するように適合された薄膜圧力センサを有する先端部電極を有する。薄膜圧力センサは、その間に感圧性材料を含む、2つの対向する可撓性の薄い支持部材を含み、感圧性材料の抵抗が圧力の結果に反応して変化する。薄膜圧力は、可撓性の薄い支持部材の界面表面上に支持されるトレース電極交差部を更に含み、交差部の間の感圧性材料の抵抗の変化を検出し、それによって信号プロセッサが力ベクトルの半径方向及び軸方向成分を決定することができるような信号を提供する。
【0009】
一実施形態において、薄膜圧力センサは2−Dの半径方向に対称な形状、例えば、ディスク又はリング構成を有し、カテーテルの遠位先端区分の長手方向軸に関して軸上に位置付けられる。長手方向軸と垂直な平面的な位置において、薄膜圧力センサは、先端部電極と停止部材との間に狭持され、停止部材に対して圧力センサが当接して、例えば先端部電極が組織壁部と接触した際に先端部電極に適用される接触力を検出する。
【0010】
別の実施形態において、薄膜圧力センサは3−Dの半径方向に対称な形状を有し、この形状は停止部材の合致する3−D遠位端と先端部電極の合致する3−D近位端との間にこれが位置することを可能にする。3−Dの構成は、先端部電極に働く接触力ベクトルの半径方向及び軸方向成分を検出するために、圧力センサにおけるより大きな感度を可能にする。例えば、3−D薄膜圧力センサは、停止部材の凹状円錐形遠位端及び先端部電極の凹状円錐形近位端に合致する円錐形状を有し、それによって圧力センサはその間でネスト化される。先端部電極の近位端及び停止部材の遠位端は、圧力センサ内の穴を通じて、例えば、半径方向及び軸方向における先端部電極と停止部材との間の相対的な移動を可能にするボール及びソケット連結部により、回転可能及び枢動可能に連結され得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明のこれら及び他の特徴並びに利点は、以下の「発明を実施するための形態」を添付の図面と併せて考慮して参照することで更に深い理解が得られるであろう。
【図1】本発明のカテーテルの実施形態の平面図。
【図2A】第1直径に沿って取った、カテーテル本体と中間区分との連結部を含む、図1のカテーテルの側断面図。
【図2B】第1直径に対してほぼ垂直な第2直径に沿って取った、カテーテル本体と中間区分との連結部を含む、図1のカテーテルの側断面図。
【図2C】線C−Cに沿って取った、図2A及び2Cの実施形態の末端部断面図。
【図3】先端部電極と2−D薄膜圧力センサとを含む、本発明のカテーテルの遠位先端区分の実施形態の分解図。
【図4A】ほぼ第1直径に沿って取った、組み立てられた際の図3の遠位先端区分の側断面図。
【図4B】ほぼ第2直径に沿って取った、組み立てられた際の図3の遠位先端区分の側断面図。
【図4C】線C−Cに沿って取った、図4A及び4Bの遠位先端区分の末端部断面図。
【図5】感圧性材料を有さない、2−D圧力センサの実施形態の分解図。
【図6】組み立てられた際の、図5の2−D圧力センサの等角図。
【図6A】線A−Aに沿って取った、図6の2−D圧力の断面図。
【図7】組み立て前の、第1支持部材と第2支持部材とを有する、2−D圧力センサの実施形態の平面図。
【図8】組み立てられた際の、図7の2−D圧力センサの平面図。
【図9】遠位先端区分に接合されるカテーテル本体を有する、2−D圧力センサを有するカテーテルの別の実施形態。
【図9A】図9のカテーテルの側断面図。
【図10】3−D圧力センサを含む、本発明のカテーテルの遠位先端区分の実施形態の分解図。
【図11】組み立てられた際の、図10の遠位先端区分の側断面図。
【図12】感圧性材料を有さない、3−D圧力センサの分解図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、遠位先端部で接触力感知能力を有するカテーテル10の実施形態を示す。カテーテルは、近位端及び遠位端を有する細長いカテーテル本体12と、カテーテル本体12の遠位端での中間偏向可能区分14と、マッピング、アブレーション、及び先端部電極が組織壁19と接触する場合などに先端部電極17に適用された接触力を検出するように適合された遠位先端区分15と、を有する。カテーテルはまたカテーテル本体12の近位端における制御ハンドル16を含み、ここで制御ハンドルは中間区分14の二方向の偏向を制御するように適合される。制御ハンドル16は更に、マッピング、アブレーション、及び/又は、例えば力感知ソリューションでプログラムアルゴリズムを適用するマイクロプロセッサ13の手段などにより力を感知するために、遠位先端区分15からの及び遠位先端区分15への電気的な入力信号及び出力信号を送信し、受信し及び処理するように適合されたコントローラ11への導管として機能し得る。本発明により、このような信号は、先端電極における半径方向及び/又は軸方向の接触力の検出及び測定を含む、接触力の直接的な測定のための、トレース電極交差部を有する薄膜圧力センサからの信号を含み、コントローラ及びマイクロプロセッサは接触力ベクトルの計算においてこのような信号を処理するように適合される。増幅器及びデータ取得(DAQ)装置が制御ハンドル内に提供されて、薄膜圧力センサからの測定値を使用可能な信号に変換し得るこれらの装置はまた、別個の接続箱又は、患者の心臓内のカテーテルのリアルタイムの計算される位置及び向きを可視化するように設計されたカテーテルナビゲーションシステム(例えば、Biosense Webster,Incによって製造されるCARTOナビゲーションシステム)内など、カテーテルの外部に提供され得る。
【0013】
図2A及び2Bを参照すると、カテーテル本体12は、1個の軸方向又は中央管腔18を有する細長い管状構造を含む。カテーテル本体12は可撓性、すなわち曲げることができるが、その長さに沿ってはほとんど圧縮することはできない。カテーテル本体12は任意の適当な構造のものでよく、任意の好適な材料で形成することができる。本発明における好ましい構造は、ポリウレタン又はPEBAXで形成された外壁20を含む。外壁20は、ステンレス鋼などの埋め込まれた編みメッシュを含み、カテーテル本体12のねじり剛性を上昇させ、その結果、制御ハンドル16が回転するとき、カテーテル10の中間区分14は対応する方向に回転する。
【0014】
カテーテル本体12の外径は重要ではないが、好ましくは約2.7mm(8フレンチ)、より好ましくは2.3mm(7フレンチ)以下である。同様に外壁20の厚さは重要ではないが、中央管腔18がワイヤ、ケーブル、又はチューブを収容できるように十分薄い。必要に応じて、外壁20の内面は、捻れ安定性を高めるために強化管22で裏打ちされる。開示する実施形態において、このカテーテルは、約0.229cm(0.090インチ)〜約0.254cm(0.100インチ)の外径と、約0.155cm(0.061インチ)〜約0.165cm(0.065インチ)の内径とを有する外壁20を有する。補強管22の遠位端及び外壁20は遠位端及びカテーテル本体12の近位端付近のそれらの間で接着剤接合によって互いに固定して取り付けられる。
【0015】
制御ハンドル16と偏向可能な部分14との間に延びる要素は、カテーテル本体12の中央管腔18に通過させられる。これらの構成要素は、先端部電極17のリードワイヤ40、先端区分の圧力センサのためのリードワイヤ42、流体を先端部電極17に供給するための灌注チューブ38、先端部電極17内に収容される電磁位置検出センサ19のためのケーブル48、先端部電極の温度を検知するための熱電対ワイヤ41、43及び中間区分14の二方向偏向用の一対のプラーワイヤ44を含む。
【0016】
また、より短い部分のチューブ19を含む偏向可能な中間区分14の実施形態が、図2A、2B、及び2Cに示されている。チューブはまた、編みメッシュ構造体を有するが、複数の軸外管腔、例えば、第1の管腔30、第2の管腔31、第3の管腔32、及び第4の管腔33を有する。示された実施形態では、正反対の第2の管腔31及び第4の管腔33のそれぞれは、二方向のための1つのプラーワイヤ44を担持する。第1管腔30はリードワイヤ40及び42並びに熱電対ワイヤ41、43を担持する。第3管腔32は灌注チューブ38及びセンサケーブル48並びに追加的なリードワイヤ42を担持する。
【0017】
中間部分14のチューブ19は、カテーテル本体12よりも高い可撓性を有する適当な毒性の無い材料で形成されている。チューブ19に好適な材料は、編みポリウレタン、すなわち、編みステンレス鋼などの埋め込まれたメッシュを有するポリウレタン又はPEBAXである。各管腔の大きさは、各管腔がそれを通じて延びるそれぞれの構成要素を収容するのに十分な大きさである限り重要ではない。
【0018】
カテーテル本体12を中間区分14のチューブ19に取り付ける手段が、図2A及び2Bに示されている。中間区分14の近位端は、カテーテル本体12の外壁20の内面を受容する外周ノッチを含む。中間部分14とカテーテル本体12とは、接着剤などによって取り付けられている。
【0019】
必要に応じて、カテーテル本体の内部で強化管(用いられている場合)の遠位端と中間部分の近位端との間にスペーサ(図示せず)を配置することができる。スペーサはカテーテル本体と中間部分との接合部において可撓性の移行部を与えるものであり、これにより接合部が折り畳まれたりよじれることなく滑らかに曲がることが可能となる。そのようなスペーサを有するカテーテルが、その開示内容を本願に援用する米国特許第5,964,757号に述べられている。
【0020】
それぞれのプラーワイヤ44は、Teflon(登録商標)でコーティングされることが望ましい。プラーワイヤ44は、例えばステンレス鋼などの任意の好適な金属、又はプラーワイヤに潤滑性を付与するNitino及びTeflonコーティングで作製されてもよい。プラーワイヤは好ましくは、約0.006〜0.025cm(0.010インチ)の範囲の直径を有する。図2B及び2Cに示されるように、カテーテル本体12で各プラーワイヤ44の一部は、そのプラーワイヤ44に包囲する関係にある圧縮コイル35を通過する。圧縮コイル35は、カテーテル本体12の近位端から中間部分14の近位端まで延びている。圧縮コイル35は、任意の好適な金属、好ましくはステンレス鋼でできており、圧縮には抗するが可撓性、すなわち曲げ性をもたらすようにそれ自体で緊密に巻回されている。圧縮コイルの内径は、プラーワイヤ44の直径よりも僅かに大きい。カテーテル本体12の内部では、圧縮コイル35の外側表面も、例えばポリイミドチューブで形成された可撓性の非導電性シース39でやはり被覆されている。
【0021】
プラーワイヤ44の近位端は、制御ハンドル16に定着されている。図4Bに示されるように、プラーワイヤの遠位端は、中間区分14の遠位端付近に定着される。それぞれのプラーワイヤの遠位端には、管状のステンレス鋼の短片を含むT型アンカー47(例えば、皮下注射ストック)が備わっており、これはプラーワイヤの遠位端の上に取り付けられ、この上に圧着される。管状のステンレス鋼は、例えば溶接によって、ステンレス鋼リボン等で形成されたクロスピースに固定される。クロスピースは、それぞれのプラーワイヤの遠位端を定着させるために、チューブ19の外壁にしっかりと固定して取り付けられる。第1のプラーワイヤは、第2の管腔31を通過し、第2のプラーワイヤは、偏向可能な中間区分14の第4の管腔33を通過する。偏向ワイヤ44がカテーテル本体12とは別にかつ独立に長手方向に運動することにより、結果として、中間区分14及びこのように先端区域15のステアリングが偏向することになるが、この運動は、偏向部材37(図1)の適切な操作によって達成される。
【0022】
図3、4A及び4Bを参照し、中間区域14の遠位端に先端区分15があり、これは先端部電極17、薄膜圧力センサ60、及び圧力センサとチューブ19との間の停止部材62を含む。例示される実施形態において圧力センサは、半径方向に対称である平坦な環状又はリングの形状を有する。これは、薄く平坦な構成並びに外径D1及び中央管腔64を画定する内径D2を有する円形の断面を有する。センサの外径D1は、チューブ19及び先端部電極17の外径と同様であるか又はこれより僅かに小さく、これによってカテーテルの遠位端又はその付近において、チューブ19と先端部電極17との間に平滑かつ非外傷性の外形が提示される。内径D2は、リードワイヤ、灌注チューブ、熱電対ワイヤ及び/又はセンサケーブルのなどの構成要素がこれを通じて延びることを可能にするために十分に大きい。
【0023】
図5及び図6の実施形態に示されるように、薄膜圧力センサ60は、第1トレース電極66及び第2トレース電極68を含み、これらはそれぞれ、各薄い可撓性の支持シート63及び65(例えば、MYLAR又はKAPTONなどのポリエステルフィルム)上に形成される。第1電極66は、第1シート63の遠位表面上に形成され、第2電極は第2シート65の近位表面上に形成される。各電極は、支持シートにわたって広がる、感圧性抵抗性材料又はインク(例えば、二硫化モリブデン)の薄いコーティング67を有する。シート63及び65は、第1電極66及び第2電極68が好ましくはある角度で(例えば、直角で)互いに向かい合い、重なり及び交差し、「交差部」Xの格子パターンをつくるようにして、互いに重なり、対の各電極は感圧性抵抗性材料によって対の他方の電極(及び他の任意の隣接するトレース電極)から分離される(図6A参照)。本明細書において使用するとき、「交差する」構成とは、互いに重なる対の電極が互いに交差するが、互いに接触していない構成を表す。むしろ、これらの互いに最も近い場所における、交差する対の電極は、感圧性材料が占める空隙又は空間70によって分離されたままであり、その結果感圧性材料における電気抵抗の変化が交差する電極対によって検出される。したがって、外力の不在下においては交差する電極の間の感圧性材料67が高い抵抗を提供し、外力が適用されて、交差する電極対の反対側の圧力が変化すると、これに反応して材料の抵抗が変化する。交差する第1及び第2電極の多数の対では、各対の一方の電極が駆動されて対の他方の電極が感知され、それによって各交差する対の駆動電極と感知電極との間の抵抗値が、圧力センサに適用される力を表す出力を提供する。方向(例えば、半径方向及び軸方向)成分を有する力ベクトルを決定するために、マイクロプロセッサ13によって三角測量処理が適用され得ることが理解される。
【0024】
圧力センサ60は、0.05mm〜0.5mmに及び、好ましくは約0.1mmの厚さを有し、0.690kPa(0.1psi)〜172MPa(25ksi)の範囲での、6.45cm2(平方インチ)当たり1600の測定値を取る(0.000278N(62.5μlb)の低さの力で)ように適合及び構成され得る。好適な薄膜圧力センサ及びシステムは、Tekscan,Inc(South Boston,Mass.,USA)から入手可能であり、米国特許番号第4,856,993号及び同第6,964,205号において記載され、これらの全内容は本明細書において参照として組み込まれる。これらのセンサ及びシステムは、静的及び動的な事象を測定することができ、これらは非常に薄く可撓性であるため、これらは最小限の干渉で重要な表面界面圧力を測定し、プロセッサで処理して、モニターに表示され得る非常に正確な圧力の読み取り値を提供することができる。
【0025】
各交差部又は交差する対はしたがって、これに適用される圧力の関数である可変抵抗によって特徴付けられる。各電極は露出した端子を有し、これは、圧力センサの中央管腔64を通じ、近位方向へとカテーテル10を通じて好適な回路(図示されない)に延びる各リードワイヤ42へと接続されることが理解される。交差部の各交差する電極対を連続的に走査することによって回路は動作し、この交差部における感圧性コーティングの抵抗を測定し、この交差部において圧力センサに適用される力の指標を提供する。
【0026】
図5及び図6のカテーテルの例示の実施形態において、圧力センサは、予測される接触力の範囲に対して適切に選択される荷重範囲及び反応性を有する、最少で3つの電極交差部を有する。最少で3つの電極交差部は、軸方向及び/又は半径方向成分などの方向及び角度情報で力ベクトルを決定する際の、力及び/又は圧力の三角測量を可能にする。示されるように、各交差部は、外径及び内径から等しく離間しており、交差部は、先端区分の長手方向軸周囲において互いに等しく、例えば、0°、120°及び240°半径方向角度で離間している。当業者によって理解されるように、所望により又は所望の分解能に応じて適切な、任意の数の交差部が存在し得る。
【0027】
図7及び図8の代替的な実施形態において、センサは少なくとも2つの平行な駆動電極66及び2つの平行な感知電極68を含み、これらは、互いに等間隔の4つの交差部Xを提供するように配置され、それによって4つの交差部は、交差部が先端区分の長手方向軸の周囲で半径方向に対称である、正方形の構成の4つの角部を形成する。任意の数の電極が任意の好適なパターンで配置され得ること及び電極は一貫して駆動されるか若しくは一貫して感知される又は適切な回路では同じ電極が必要に応じて交互に駆動され、感知され得ることが理解される。実際に、当業者によって理解されるように、適切な回路を有する本システムは、駆動電極及び/又は感知電極として構成された任意の適切な数の電極を利用し得る。
【0028】
図3、4A及び4Bの例示される実施形態では、停止部材62は、圧力センサ60の近位にあり、圧力センサの剛性基底部として機能する。部材は、より厚い平面的な構成並びに外径D3及び中央管腔70を画定する内径D4を有する円形の断面を有するディスク形状である。外径は、チューブ19及び先端部電極17の外径と同様であるか又はこれより僅かに小さく、これによってカテーテルの遠位端又はその付近において、チューブ19と先端部電極17との間に平滑かつ非外傷性の外形が提示される。内径は、上記の構成要素が、チューブ19と先端部電極17との間に延びることを可能にするために十分に大きい。遠位平面的表面と近位平面的表面との間の停止部材の厚さは、約0.4mm〜0.5mmの範囲である。部材の材料は、約0.049〜1.47N(5〜150gf)の範囲の力において十分に剛性である任意の材料であり得る。
【0029】
停止部材の遠位表面及び/又は先端部電極の近位表面は一般的に平面的であり、かつ遠位先端部区分の長手方向軸と垂直であり、それによってその間に狭持される圧力センサが、主に先端部電極に働く軸方向の力を検出するが、先端部電極に働く力の測定される軸方向の成分の差の分析によって、半径方向の成分の測定もまた可能である。これらの表面は長手方向軸の周囲で等しく離間した、隆起した形成部を含むことができ、これは圧力センサの格子交差部に力を局部化するように機能する。例示される実施形態において先端部電極の近位表面は複数の円形の突起部74を有し、この複数性は、圧力センサの電極交差部Xの複数性と等しい。例示されるように、各突起部は、先端部電極に適用される力を圧力センサの交差部Xに局部化させるために、各電極交差部と軸方向で位置合わせされるように配置される。
【0030】
用語「圧力」及び「力」は異なる技術的な意味及び測定値の単位を有するが、これらの用語は、圧力センサが様々な間隔の電極交差部(各交差部の既定の適用領域で)を備えるように構成され、信号が圧力として表示されることを可能にするので、本明細書において互換可能に使用されることを意味する。したがって、いずれかの特定の領域の反映性は、この領域の交差部の複数性に依存し、より大きな複数性はより大きな反映性を提供し、より少ない複数性はより小さい反映性を提供する。この点に関し、停止部材の隆起形成部及び/又は先端部電極の近位端が既知の表面積を有する場合、取られる測定値の結果が力の値に関して決定され得る。したがって、多数の電極連結部は、力成分を決定するために、及び三角測量によって力ベクトルを決定するために、有利に利用される。
【0031】
図4Cに最もよく見られるように、先端部電極リードワイヤ40の遠位端並びに熱電対ワイヤ41及び45はそれぞれ、先端部電極17の近位端内に形成される盲穴120及び122内に固定される。電磁位置センサ21が盲穴124内に受容される。灌注チューブ38は先端部電極の近位端に形成される灌注通路126内に延びる。通路126は半径方向に横断する分岐路130と連通し、灌注チューブ38によって供給される流体が、複数の半径方向ポート132を通じて先端部電極の外側に出る。
【0032】
所望によりカテーテル10は、制御ハンドルの偏向部材を通じたプラーワイヤのユーザー制御による二方向偏向に適している。しかしながら、案内シースと共に使用するのに適合したカテーテル10aの実施形態が図9に例示される。カテーテル10’は、プラーワイヤによって偏向可能な複数管腔のチューブを有さない。示されるように、カテーテル本体12の遠位端が、遠位先端区分15へと、その間の中間部分なしに取り付けられ、構成要素がカテーテル本体12の中央管腔18と、停止部材62及び圧力センサ60の中央管腔との間を通過する。
【0033】
同様の構成要素が同様の参照番号を有する図10、11及び12に例示されるカテーテル10bの別の代替的実施形態では、遠位先端区分15bは、3D形状、例えば、円錐形状を有する薄膜圧力センサ60bを含み、それによって近位表面及び遠位表面上の各位置は、軸方向成分及び半径方向成分を有する表面ベクトルを有する。この実施形態において、圧力センサは、それぞれ円錐形状の外径及び内径から等しく離間し、円錐形状の周囲において互いに等しく、例えば、遠位先端区分の長手方向軸の周囲で0°、90°、180°及び270°で離間した4つの電極交差部Xを含む。第1電極66bは、円錐形状を有する、第1の、すなわち遠位の薄い可撓性支持シート63bの近位表面に支持される。第2電極68bは、やはり円錐形状を有し、第1支持シートよりも僅かに大きい第2の、すなわち近位の薄い可撓性支持シート65bの遠位表面上に支持され、それによって第2シートは第1シート並びに第1シートの遠位表面及び第2シートの近位表面に適用された感圧性材料67b両方に適合してこれらを囲み、圧力センサを形成することができる。例示されるように、第1及び第2電極は、これらのそれぞれのシート上に配置されて、中央管腔64bの周囲の半径方向に対称な位置に交差部Xを形成する。第1及び第2電極両方のリードワイヤ42bが停止部材62bに向かって近位方向に延び得るように、対応する穴90が、近位方向の支持シート65bに提供される。
【0034】
圧力センサ60bの円錐形状は一般的に停止部材62bの凹状円錐形遠位表面110及び先端部電極17bの凹状円錐形近位表面112と一致及び対応し、それによって圧力センサは、先端部電極と、電極交差部と軸方向に位置合わせされた隆起形成部(例えば、隆起したリング形状の突起部74b)を有する停止部材との間でネスト化される。中央管腔64bは構成要素が圧力センサ60bを通じて延びることを可能にし、これは本実施形態において、先端部電極の長手方向軸と位置合わせされ、先端部電極17bの主要本体から近位方向に延びるボール部材92及び首部94を有する突起部を含む。ボール部材は、停止部材の遠位端内に形成されるソケット96内に受容されてこれと連結する。ボール及びソケットの連結は、先端部電極と停止部材との間の機械的な干渉を提供することによって追加的な軸方向の引っ張り強度を提供する。この点に関し、平坦な端部又は支柱での、いずれかの強化干渉が使用され得る。その上、ボール、ソケット連結は、半径方向及び軸方向の成分を有する適用される力を検出する際の増加した感度及びより高い分解能のために、停止部材62bに対する、より大きな寸法の先端部電極17bの移動を可能にする。停止部材62bのその遠位表面と近位表面との間の厚さは、約1.0mm〜約6.0mmの範囲、好ましくは約3.0mmである。停止部材の近位表面は、中間区分14のチューブ19bのノッチを付された遠位端の外側周辺部102を受容するために、内側周辺部100でノッチを付されている。圧力センサ電極66b及び68bのリードワイヤ42bは、電極交差部Xと軸方向に位置合わせされる停止部材62bに提供される軸方向の通路108を通じて延びる。先端部電極リードワイヤ40b及び熱電対ワイヤ41b及び45bは、停止部材の内側のノッチを付した近位端100と停止部材の凹状の遠位表面を接続する中央通路112を通じて延びる。先端部電極リードワイヤ40及び熱電対ワイヤ41、45は、先端部電極の凹状近位端内に形成される各盲穴内に固定される。
【0035】
先行の実施形態のいずれかにおいて、圧力センサは、例えば、マッピング及びアブレーション中に先端部電極が組織と接触するとき、最少で約15ニュートンの軸方向の荷重に耐えるように適合された、任意の接着剤で、先端部電極及び/又は停止部材に結合され得る。エポキシ、ポリウレタンなどを含む好適な接着剤は、損失なく力を圧力センサに伝達するために十分に剛性であるべきだが、カテーテルに働く意図される力の範囲において、塑性変形を生じないように十分に弾性であるべきである。
【0036】
可撓性保護カバー、例えば、薄い可撓性の単一管腔の押出成形物又はチューブ104が圧力センサ及び停止部材の上に取り付けられて、これらの成分及びこれらの内側を患者との接触から分離し得る。
【0037】
N個の格子交差部を有するカテーテルにおいて、各測定される力F1,軸方向〜FN,軸方向の軸方向成分の合計は、先端部電極に適用される力の軸方向成分と等しいものであるべきである。円錐形状のセンサにおいて、各測定される力F1,半径方向〜FN,半径方向の半径方向成分の合計は、先端部電極に適用される力の半径方向成分と等しいものであるべきである。純粋に軸方向に適用される荷重の場合、各測定される力の軸方向成分は、適用される力の(1/N)倍の規模と等しく、測定される力の半径方向成分の合計はゼロに等しい。適用される力が純粋な軸方向から変化するにつれ、各測定される力の成分の変化は、適用される力の規模及び方向の決定を可能にする。
【0038】
カテーテル10bの例示される実施形態は、中間区分14bのチューブ19bの2つの反対の管腔を通じて延びる一対のプラーワイヤによる二方向の偏向に適合する。しかしながら、カテーテル10bは、カテーテル本体が中間区分なしに遠位先端区分に接合される、案内シースを伴う用途にもまた適合し得ることが理解される。
【0039】
圧力と力の対比において、両方の用語とも正確であると考えられる。これらのセンサは典型的には、様々な間隔で連結部を定置し(各接続部の規定の適用領域)、記録された信号が圧力として表示されることを可能にする。開示される概念において、連結部の数は連結部はより限定されており、したがってそれぞれは、これらがカバーする領域をより反映しない。しかしながら、段落0047に言及されるように、停止部材及び先端部電極の近位端は、隆起した表面を有し得る(理想的には既知の表面積の)。これらの表面は既知の領域において測定値が取られることを可能にし、結果が力値において決定されることを可能にする。このため、多数の圧力センサが、力成分を決定するために、及び三角測量によって力ベクトルを決定するために、利用されている。
【0040】
上記の説明は、本発明の特定の例示的実施形態を参照して示したものである。ここで示される図面は必ずしも縮尺通りではない。本発明に関連する分野及び技術の当業者には、説明した構造に対する変形及び変更が、本発明の原理、趣旨、及び範囲から大きく逸脱することなく実施されうる点は理解されるであろう。図面の縮尺は必ずしも正確でない点は理解されるであろう。したがって、上記の説明文は、添付の図面において説明及び図示される正確な構造のみに関するものとして解釈されるべきではない。むしろ、上記の説明は、最も完全かつ公正な範囲を有する以下の「特許請求の範囲」と矛盾しないものとして、またその「特許請求の範囲」を支持するものとして解釈されるべきである。
【0041】
〔実施の態様〕
(1) マッピング及び/又はアブレーションに適合したカテーテルであって、
患者の身体内の血管を通過するのに適合したチューブと、
前記チューブの遠位にある先端部電極であって、前記先端部電極はマッピング又はアブレーションのために身体組織と接触するように構成されている、先端部電極と、
薄い可撓性の力センサであって、
第1及び第2の薄い可撓性支持シート、
少なくとも第1可撓性電極及び第2可撓性電極であって、前記第1可撓性電極は前記第1の薄い可撓性の支持シートに取り付けられ、これによって支持されて駆動電極を提供し、前記第2可撓性電極は前記第2の薄い可撓性支持シートに取り付けられ、これによって支持されて感知電極を提供する、少なくとも第1可撓性電極及び第2可撓性電極、並びに
前記感知電極及び駆動電極の少なくとも一方に適用され、抵抗性材料によって作製された抵抗性層であって、前記抵抗性材料の抵抗が適用される圧力の関数として変化する抵抗性層を含む、薄い可撓性の力センサと、を含む、カテーテル。
(2) 前記センサが少なくとも2対の第1可撓性電極及び第2可撓性電極を含み、前記第1電極が、前記第1の薄い可撓性支持シートに取り付けられ、これによって支持されて少なくとも2つの駆動電極を提供し、前記第2可撓性電極は前記第2の薄い可撓性支持シートに取り付けられ、これによって支持されて少なくとも2つの感知電極を提供し、前記抵抗性層が前記感知電極及び前記駆動電極の少なくとも一方に適用される、実施態様1に記載のカテーテル。
(3) 前記少なくとも2対の第1可撓性及び第2可撓性電極が少なくとも4つの交差部を形成し、各交差部は前記第1可撓性電極の1つと、前記第2可撓性電極の1つとの間にある、実施態様1に記載のカテーテル。
(4) 前記チューブと前記センサとの間に位置付けられた停止部材を更に含み、前記部材は前記先端部電極に適用される力に反応して、前記センサに対して垂直力を提供するために、前記チューブよりも剛性である、実施態様1に記載のカテーテル。
(5) 前記チューブと前記センサとの間に位置付けられた停止部材を更に含み、前記停止部材の遠位端及び前記先端部電極の近位端は、その間で前記センサがネスト化されるように、合致する構成を有する、実施態様1に記載のカテーテル。
(6) 前記合致する構成が、ほぼ円錐形の形状を含む、実施態様1に記載のカテーテル。
(7) 前記停止部材の前記遠位端、前記先端部電極の前記近位端及び前記センサがそれぞれ、ほぼ円錐形の形状を有する、実施態様6に記載のカテーテル。
(8) 前記停止部材の前記遠位端がほぼ凹状の円錐形状を有し、前記先端部電極の前記近位端がほぼ凹状の円錐形状を有する、実施態様7に記載のカテーテル。
(9) 前記センサが、ディスク形状であり、前記チューブと前記先端部電極との間に位置付けられる、実施態様1に記載のカテーテル。
(10) 前記センサが外径及び穴を画定する内径を有する、実施態様9に記載のカテーテル。
【0042】
(11) 前記チューブが単一の中央管腔を有する、実施態様1に記載のカテーテル。
(12) 前記チューブがカテーテル本体を支持する、実施態様1に記載のカテーテル。
(13) 前記チューブが複数管腔である、実施態様1に記載のカテーテル。
(14) 前記チューブが偏向可能部分を支持する、実施態様1に記載のカテーテル。
(15) マッピング及び/又はアブレーションに適合したカテーテルであって、
患者の身体内の血管を通過するのに適合したチューブと、
前記チューブの遠位にある先端部電極であって、前記先端部電極はマッピング又はアブレーションのために身体組織と接触するように構成されている、先端部電極と、
薄い可撓性の力センサであって、
第1及び第2の薄い可撓性支持シート、
前記第1支持シートと前記第2支持シートとの間の複数の電極であって、前記電極は異なる対の電極で複数の交差部を形成するように配置され、各電極は前記可撓性支持シートの少なくとも1つに取り付けられかつこれに支持され、各交差部における各電極の対において、一方の電極が駆動され同時に他方の電極が感知される、複数の電極、及び
前記感知電極及び駆動電極の少なくとも一方に適用され、抵抗性材料によって作製された抵抗性層であって、前記抵抗性材料の抵抗が適用される圧力の関数として変化する抵抗性層を含む、薄い可撓性の力センサと、を含む、カテーテル。
(16) 停止部材を更に含み、前記力センサが前記停止部材と前記先端部電極との間に位置付けられる、実施態様15に記載のカテーテル。
(17) 前記停止部材の隣接する端部及び前記先端部電極の隣接する端部が合致する3−D形状を有し、それによって前記力センサがその間でネスト化される、実施態様16に記載のカテーテル。
(18) 前記力センサが三次元形状を有することにより、これが軸方向及び半径方向成分を有する、前記先端部電極に適用される力ベクトルに反応する、実施態様15に記載のカテーテル。
(19) 前記力センサが、軸方向及び半径方向成分を有する、前記先端部電極に適用される力ベクトルに反応する、実施態様15に記載のカテーテル。
(20) 前記センサが少なくとも3つの交差部を有する、実施態様15に記載のカテーテル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マッピング及び/又はアブレーションに適合したカテーテルであって、
患者の身体内の血管を通過するのに適合したチューブと、
前記チューブの遠位にある先端部電極であって、前記先端部電極はマッピング又はアブレーションのために身体組織と接触するように構成されている、先端部電極と、
薄い可撓性の力センサであって、
第1及び第2の薄い可撓性支持シート、
少なくとも第1可撓性電極及び第2可撓性電極であって、前記第1可撓性電極は前記第1の薄い可撓性の支持シートに取り付けられ、これによって支持されて駆動電極を提供し、前記第2可撓性電極は前記第2の薄い可撓性支持シートに取り付けられ、これによって支持されて感知電極を提供する、少なくとも第1可撓性電極及び第2可撓性電極、並びに
前記感知電極及び駆動電極の少なくとも一方に適用され、抵抗性材料によって作製された抵抗性層であって、前記抵抗性材料の抵抗が適用される圧力の関数として変化する抵抗性層を含む、薄い可撓性の力センサと、を含む、カテーテル。
【請求項2】
前記センサが少なくとも2対の第1可撓性電極及び第2可撓性電極を含み、前記第1電極が、前記第1の薄い可撓性支持シートに取り付けられ、これによって支持されて少なくとも2つの駆動電極を提供し、前記第2可撓性電極は前記第2の薄い可撓性支持シートに取り付けられ、これによって支持されて少なくとも2つの感知電極を提供し、前記抵抗性層が前記感知電極及び前記駆動電極の少なくとも一方に適用される、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記少なくとも2対の第1可撓性及び第2可撓性電極が少なくとも4つの交差部を形成し、各交差部は前記第1可撓性電極の1つと、前記第2可撓性電極の1つとの間にある、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記チューブと前記センサとの間に位置付けられた停止部材を更に含み、前記部材は前記先端部電極に適用される力に反応して、前記センサに対して垂直力を提供するために、前記チューブよりも剛性である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記チューブと前記センサとの間に位置付けられた停止部材を更に含み、前記停止部材の遠位端及び前記先端部電極の近位端は、その間で前記センサがネスト化されるように、合致する構成を有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記合致する構成が、ほぼ円錐形の形状を含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記停止部材の前記遠位端、前記先端部電極の前記近位端及び前記センサがそれぞれ、ほぼ円錐形の形状を有する、請求項6に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記停止部材の前記遠位端がほぼ凹状の円錐形状を有し、前記先端部電極の前記近位端がほぼ凹状の円錐形状を有する、請求項7に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記センサが、ディスク形状であり、前記チューブと前記先端部電極との間に位置付けられる、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記センサが外径及び穴を画定する内径を有する、請求項9に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記チューブが単一の中央管腔を有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記チューブがカテーテル本体を支持する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項13】
前記チューブが複数管腔である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項14】
前記チューブが偏向可能部分を支持する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項15】
マッピング及び/又はアブレーションに適合したカテーテルであって、
患者の身体内の血管を通過するのに適合したチューブと、
前記チューブの遠位にある先端部電極であって、前記先端部電極はマッピング又はアブレーションのために身体組織と接触するように構成されている、先端部電極と、
薄い可撓性の力センサであって、
第1及び第2の薄い可撓性支持シート、
前記第1支持シートと前記第2支持シートとの間の複数の電極であって、前記電極は異なる対の電極で複数の交差部を形成するように配置され、各電極は前記可撓性支持シートの少なくとも1つに取り付けられかつこれに支持され、各交差部における各電極の対において、一方の電極が駆動され同時に他方の電極が感知される、複数の電極、及び
前記感知電極及び駆動電極の少なくとも一方に適用され、抵抗性材料によって作製された抵抗性層であって、前記抵抗性材料の抵抗が適用される圧力の関数として変化する抵抗性層を含む、薄い可撓性の力センサと、を含む、カテーテル。
【請求項16】
停止部材を更に含み、前記力センサが前記停止部材と前記先端部電極との間に位置付けられる、請求項15に記載のカテーテル。
【請求項17】
前記停止部材の隣接する端部及び前記先端部電極の隣接する端部が合致する3−D形状を有し、それによって前記力センサがその間でネスト化される、請求項16に記載のカテーテル。
【請求項18】
前記力センサが三次元形状を有することにより、これが軸方向及び半径方向成分を有する、前記先端部電極に適用される力ベクトルに反応する、請求項15に記載のカテーテル。
【請求項19】
前記力センサが、軸方向及び半径方向成分を有する、前記先端部電極に適用される力ベクトルに反応する、請求項15に記載のカテーテル。
【請求項20】
前記センサが少なくとも3つの交差部を有する、請求項15に記載のカテーテル。
【請求項1】
マッピング及び/又はアブレーションに適合したカテーテルであって、
患者の身体内の血管を通過するのに適合したチューブと、
前記チューブの遠位にある先端部電極であって、前記先端部電極はマッピング又はアブレーションのために身体組織と接触するように構成されている、先端部電極と、
薄い可撓性の力センサであって、
第1及び第2の薄い可撓性支持シート、
少なくとも第1可撓性電極及び第2可撓性電極であって、前記第1可撓性電極は前記第1の薄い可撓性の支持シートに取り付けられ、これによって支持されて駆動電極を提供し、前記第2可撓性電極は前記第2の薄い可撓性支持シートに取り付けられ、これによって支持されて感知電極を提供する、少なくとも第1可撓性電極及び第2可撓性電極、並びに
前記感知電極及び駆動電極の少なくとも一方に適用され、抵抗性材料によって作製された抵抗性層であって、前記抵抗性材料の抵抗が適用される圧力の関数として変化する抵抗性層を含む、薄い可撓性の力センサと、を含む、カテーテル。
【請求項2】
前記センサが少なくとも2対の第1可撓性電極及び第2可撓性電極を含み、前記第1電極が、前記第1の薄い可撓性支持シートに取り付けられ、これによって支持されて少なくとも2つの駆動電極を提供し、前記第2可撓性電極は前記第2の薄い可撓性支持シートに取り付けられ、これによって支持されて少なくとも2つの感知電極を提供し、前記抵抗性層が前記感知電極及び前記駆動電極の少なくとも一方に適用される、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記少なくとも2対の第1可撓性及び第2可撓性電極が少なくとも4つの交差部を形成し、各交差部は前記第1可撓性電極の1つと、前記第2可撓性電極の1つとの間にある、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記チューブと前記センサとの間に位置付けられた停止部材を更に含み、前記部材は前記先端部電極に適用される力に反応して、前記センサに対して垂直力を提供するために、前記チューブよりも剛性である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記チューブと前記センサとの間に位置付けられた停止部材を更に含み、前記停止部材の遠位端及び前記先端部電極の近位端は、その間で前記センサがネスト化されるように、合致する構成を有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記合致する構成が、ほぼ円錐形の形状を含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記停止部材の前記遠位端、前記先端部電極の前記近位端及び前記センサがそれぞれ、ほぼ円錐形の形状を有する、請求項6に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記停止部材の前記遠位端がほぼ凹状の円錐形状を有し、前記先端部電極の前記近位端がほぼ凹状の円錐形状を有する、請求項7に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記センサが、ディスク形状であり、前記チューブと前記先端部電極との間に位置付けられる、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記センサが外径及び穴を画定する内径を有する、請求項9に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記チューブが単一の中央管腔を有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記チューブがカテーテル本体を支持する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項13】
前記チューブが複数管腔である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項14】
前記チューブが偏向可能部分を支持する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項15】
マッピング及び/又はアブレーションに適合したカテーテルであって、
患者の身体内の血管を通過するのに適合したチューブと、
前記チューブの遠位にある先端部電極であって、前記先端部電極はマッピング又はアブレーションのために身体組織と接触するように構成されている、先端部電極と、
薄い可撓性の力センサであって、
第1及び第2の薄い可撓性支持シート、
前記第1支持シートと前記第2支持シートとの間の複数の電極であって、前記電極は異なる対の電極で複数の交差部を形成するように配置され、各電極は前記可撓性支持シートの少なくとも1つに取り付けられかつこれに支持され、各交差部における各電極の対において、一方の電極が駆動され同時に他方の電極が感知される、複数の電極、及び
前記感知電極及び駆動電極の少なくとも一方に適用され、抵抗性材料によって作製された抵抗性層であって、前記抵抗性材料の抵抗が適用される圧力の関数として変化する抵抗性層を含む、薄い可撓性の力センサと、を含む、カテーテル。
【請求項16】
停止部材を更に含み、前記力センサが前記停止部材と前記先端部電極との間に位置付けられる、請求項15に記載のカテーテル。
【請求項17】
前記停止部材の隣接する端部及び前記先端部電極の隣接する端部が合致する3−D形状を有し、それによって前記力センサがその間でネスト化される、請求項16に記載のカテーテル。
【請求項18】
前記力センサが三次元形状を有することにより、これが軸方向及び半径方向成分を有する、前記先端部電極に適用される力ベクトルに反応する、請求項15に記載のカテーテル。
【請求項19】
前記力センサが、軸方向及び半径方向成分を有する、前記先端部電極に適用される力ベクトルに反応する、請求項15に記載のカテーテル。
【請求項20】
前記センサが少なくとも3つの交差部を有する、請求項15に記載のカテーテル。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図6A】
【図7】
【図8】
【図9】
【図9A】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図6A】
【図7】
【図8】
【図9】
【図9A】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−40385(P2012−40385A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−177463(P2011−177463)
【出願日】平成23年8月15日(2011.8.15)
【出願人】(508080229)バイオセンス・ウエブスター・インコーポレーテツド (79)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177463(P2011−177463)
【出願日】平成23年8月15日(2011.8.15)
【出願人】(508080229)バイオセンス・ウエブスター・インコーポレーテツド (79)
【Fターム(参考)】
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