説明

薄葉紙

【課題】強度特性が良好で液透過性に優れた薄葉紙を提供すること。
【解決手段】本発明の薄葉紙は、繊維粗度の異なる2種の親水性セルロース繊維の集合体を主体とし、紙力増強剤が添加されている。前記2種の親水性セルロース繊維として、繊維粗度が0.13〜0.16mg/mの第1パルプと繊維粗度が0.17〜0.20mg/mの第2パルプとが含有されており、含有されている第1パルプと第2パルプとの繊維粗度の差が0.01〜0.07mg/mであり、前記集合体のフリーネスが400〜550mlである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薄葉紙に関し、特に、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品において、吸収性コアを被覆するコアラップシートとして好適な薄葉紙に関する。
【背景技術】
【0002】
薄葉紙は、比較的低坪量の薄い紙であるが、使用時には破れが生じない程度の紙強度(引張強度等)が要求される。紙強度を向上させる方法として、従来、紙力増強剤を添加する方法が採用されており、例えば特許文献1には、乾燥紙力増強剤及び湿潤紙力増強剤が添加され、引張強度が特定範囲にある家庭用衛生薄葉紙が記載されている。尚、特許文献1に記載の家庭用衛生薄葉紙は、ロールペーパー、ティッシュペーパー、ちり紙等、柔軟性や手触り感等の官能特性が重視される用途に適用されるものであり、特許文献1に開示されている主たる技術は、これらの官能特性と紙強度との両立を図ることを目的としている。
【0003】
また、紙の構成繊維として、繊維粗度の異なる複数種の親水性セルロース繊維を用いる技術が知られている。繊維粗度は、木材パルプのように、繊維の太さが不均一な繊維において、繊維の太さを表す尺度として用いられるものである。例えば特許文献2には、繊維粗度の異なる2種類の繊維(嵩高性のセルロース繊維、親水性の微細繊維)を主体とし、親水性の微細繊維を厚さ方向の一方の面側に偏在させた吸収紙が記載されている。特許文献2に記載の吸収紙によれば、液透過性に優れる層と液拡散性に優れる層とを厚さ方向に有しているため、液の吸収性に優れるとされている。特許文献2には、特許文献2に記載の吸収紙の使用例として、2枚の該吸収紙の間に吸収性ポリマーが挟持されてなる吸収体が挙げられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−124884号公報
【特許文献2】特開平8−291495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品には、液保持性の吸収体を具備するものがあり、該吸収体として、木材パルプや高吸水性樹脂等を含む吸収性コアと、該吸収性コアの外面を被覆するコアラップシートとを含んで構成されているものが知られている。コアラップシートは、吸収体の製造時には木材パルプや高吸水性樹脂等の吸収体形成材料を受けるためのシートとして働き、製造後には吸収性コアを包んで形状化する役割などを果たす。コアラップシートとしては、従来、薄葉紙、不織布等の透水性シートが用いられている。
【0006】
コアラップシートには、製造時の搬送テンションに耐えうるシート強度と、使用時には液を素早く透過させ、コアラップシートの下方に配置された吸収性コアに液を速やかに吸収させる高い液透過性が要求される。液透過性を高めるためには、シートの構成繊維の坪量を減らし、シートの密度を低下させる方法が有効であるが、斯かる方法は、構成繊維数の減少とそれに起因する構成繊維の繊維間結合点の数の減少を招くため、シート強度が低下するおそれがある。コアラップシートのシート強度と液透過性とは二律背反の関係にあり、両者をバランス良く両立させることは難しいのが現状である。
【0007】
従って本発明の課題は、強度特性が良好で液透過性に優れた薄葉紙を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、紙における強度と液透過性との関係について種々検討した結果、紙の構成繊維として、繊維径が相対的に大きいパルプ(太いパルプ)と相対的に小さいパルプ(細いパルプ)とを用いることで、強度の低下を最小限に抑えつつ、液透過性を向上させることができることを知見し、更に検討した結果、繊維径の指標となる繊維粗度がそれぞれ特定範囲にある2種のパルプ(親水性セルロース繊維)で、両パルプの繊維粗度の差が特定範囲にあるものを紙の構成繊維として用いることが、強度特性と液透過性との両立に有効であることを知見した。
【0009】
本発明は、前記知見に基づきなされたもので、繊維粗度の異なる2種の親水性セルロース繊維の集合体を主体とし、紙力増強剤が添加されている薄葉紙であって、前記2種の親水性セルロース繊維として、繊維粗度が0.13〜0.16mg/mの第1パルプと繊維粗度が0.17〜0.20mg/mの第2パルプとが含有されており、含有されている第1パルプと第2パルプとの繊維粗度の差が0.01〜0.07mg/mであり、前記集合体のフリーネスが400〜550mlである薄葉紙を提供することにより、前記課題を解決したものである。
【0010】
また本発明は、前記薄葉紙を用いた吸収性物品を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、強度特性が良好で液透過性に優れた薄葉紙が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、液透過時間の測定方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の薄葉紙について詳細に説明する。本発明の薄葉紙は、繊維粗度の異なる2種の親水性セルロース繊維の集合体を必須成分として含有している。繊維粗度は、木材パルプのように、繊維の太さが不均一な繊維において、繊維の太さを表す尺度として用いられるものであり、後述するように市販の繊維粗度計を用いて測定される。即ち、本発明の薄葉紙は、太さの異なる2種の親水性セルロース繊維の集合体を含んでおり、これにより強度特性と液透過性との両立を図っている。
【0014】
本発明の薄葉紙には、前記2種の親水性セルロース繊維として、繊維粗度が0.13〜0.16mg/m、好ましくは0.135〜0.155mg/m、更に好ましくは0.14〜0.15mg/mである第1パルプと、繊維粗度が0.17〜0.20mg/m、好ましくは0.175〜0.195mg/m、更に好ましくは0.18〜0.19mg/mである第2パルプとが含有されており、第2パルプの方が第1パルプよりも太い。このように、紙の構成繊維の一部として相対的に太いパルプを用いることで、紙の地合が粗くなり、液透過性が向上する。尚、パルプは、木材、じん皮、葉等の植物繊維を化学的あるいは機械的方法によって単繊維化したものである。
【0015】
そして、薄葉紙に含有されている第1パルプと第2パルプとの繊維粗度の差が、0.01〜0.07mg/m、好ましくは0.02〜0.06mg/m、更に好ましくは0.03〜0.05mg/mである。両パルプの繊維粗度の差が0.01mg/m未満では、液透過性の向上効果に乏しく、繊維粗度の差が0.07mg/m超では、紙の強度が著しく低下するおそれがある。
【0016】
第1パルプ及び第2パルプそれぞれの平均繊維長は、好ましくは2〜3mm、更に好ましくは2.2〜2.8mmである。両パルプの平均繊維長がそれぞれ前記範囲にあることで、繊維どうしの交絡のバランスが良く、薄葉紙の地合も良いという効果が奏される。両パルプの平均繊維長は同じであっても良く、異なっていても良い。繊維粗度及び平均繊維長は、それぞれ、次のようにして測定される。
【0017】
<繊維粗度及び平均繊維長の測定>
繊維粗度計FS−200(KAJAANI ELECTRONICS LTD.製)を用いて測定する。測定対象の繊維(パルプ)は未叩解のものとする。先ず、測定対象の繊維の真の重量を求めるために、該繊維を真空乾燥機内にて100℃で1時間乾燥させ、繊維中に存在している水分を除去する。こうして乾燥させた繊維から1gを正確に量りとる(誤差±0.1mg)。次に、量り取った繊維を、該繊維に極力損傷を与えないように注意しつつ、前記繊維粗度計に付属のミキサーで150mlの水中に完全に離解させ、これを全量が5000mlになるまで水で薄めて希釈液を得た。得られた希釈液から50mlを正確に量りとってこれを繊維粗度測定溶液とし、前記繊維粗度計の操作手順に従って目的とする繊維粗度及び平均繊維長をそれぞれ算出する。尚、平均繊維長の算出には、前記操作手順に基づき下記式により計算された値を用いる。
【0018】
【数1】

【0019】
第1パルプと第2パルプとの含有質量比(第1パルプ/第2パルプ)は、強度特性と液透過性とのバランスの観点から、好ましくは3/7〜7/3、更に好ましくは4/6〜6/4である。相対的に繊維径の太い第2パルプが少なすぎると、十分な液透過性が得られないおそれがあり、逆に第2パルプが多すぎると、薄葉紙の強度の急激な低下が生じるおそれがある。
【0020】
第1パルプ及び第2パルプ(親水性セルロース繊維)としては、繊維粗度が前記範囲にあり且つ親水性表面を有する繊維であって、その湿潤状態において、繊維どうしが互いに高い自由度を有するシートを形成できるものであれば、特に制限無く用いることができる。そのような親水性セルロース繊維の例には、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)等の木材パルプや木綿パルプ、ワラパルプ等の非木材パルプ等の天然セルロース繊維;レーヨン、キュプラ等の再生セルロース繊維;ポリビニルアルコール繊維、ポリアクリロニトリル繊維等の親水性合成繊維;ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリエチレン(PE)繊維、ポリプロピレン(PP)繊維、ポリエステル繊維等の合成繊維を界面活性剤により親水化処理したもの等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0021】
これらの親水性セルロース繊維の中でも、特にNBKPが好ましく、第1パルプ及び第2パルプは、それぞれ、NBKPが好ましい。また、本発明で用いるNBKPとしては、この種の紙において通常用いられるNBKPを特に制限無く用いることができる。NBKPとして、パルプの漂白に塩素化合物を使用しないECF(エレメンタリー・クロリンフリー)漂白パルプやTCF(トータル・クロリンフリー)漂白パルプを使用しても良い。
【0022】
本発明の薄葉紙は、繊維粗度の異なる2種の親水性セルロース繊維(第1パルプ及び第2パルプ)の集合体を主体としている。ここで、「主体としている」とは、第1パルプ及び第2パルプの含有率が50質量%以上であることを意味する。該含有率は、強度特性と液透過性との両立を図る観点から、好ましくは70〜80質量%、更に好ましくは80〜100質量%である。
【0023】
本発明においては、前記2種の親水性セルロース繊維(第1パルプ及び第2パルプ)の集合体のフリーネスを400〜550mlに設定している。即ち、第1パルプ及び第2パルプそれぞれのフリーネスは400〜550mlの範囲にある。フリーネスは、JIS P8121に規定するカナダ標準ろ水度(C.S.F.)で示される値であり、パルプの叩解(水の存在下でパルプを機械的に叩き、磨砕する処理)の度合いを示す値である。通常、フリーネスの値が小さいほど、叩解の度合いが強く、叩解による繊維の損傷が大きくてフィブリル化が進行している。フリーネスが前記範囲にある繊維は、フィブリル化が進行しているため繊維どうしが絡み合い易く、そのため、例えば液透過性の向上の観点から薄葉紙の低坪量化(低密度化)を図ることによって構成繊維の繊維間結合点の数が減少しても、各繊維間結合の強度は、フリーネスが550mlを超え相対的にフィブリル化が進行していない繊維に比して、高い。従って、フリーネスが400〜550mlである繊維の集合体を主体とする薄葉紙は、良好な強度特性を有し得る。
【0024】
本発明で用いる2種の親水性セルロース繊維の集合体のフリーネスは、好ましくは450〜525ml、更に好ましくは475〜510mlである。フリーネスが400ml未満の場合は、繊維の絡み合いによる強度改善効果は飽和しており、また、繊維の切断が促進され、透過時間が遅くなるおそれがある。繊維の集合体の叩解は、繊維の集合体を構成する各親水性セルロース繊維(第1パルプ及び第2パルプ)を混合分散させた紙料(スラリー)に対して、ビーダー、ディスクリファイナー等の公知の叩解機を用いて常法に従って実施することができる。
【0025】
本発明の薄葉紙は、第1パルプ及び第2パルプ以外の他の繊維を含んでいても良く、他の繊維は、両パルプの如き親水性セルロース繊維でなくても良い。他の繊維としては、例えば、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の木材パルプ;楮、三椏、雁皮等の靱皮繊維;藁、竹、ケナフ、麻等の非木材パルプ;ポリエステル繊維、レーヨン繊維、アクリル繊維等の合成繊維等が挙げられる。これら他の繊維の含有率は、好ましくは20質量%以下である。
【0026】
本発明の薄葉紙には、良好な強度特性(引張強度)を得る観点から、紙力増強剤が添加されている。紙力増強剤には、乾燥紙力を向上させる乾燥紙力増強剤と、湿潤紙力を向上させる湿潤紙力増強剤とがあり、何れを用いても良い。特に、乾燥紙力増強剤の1種であるカルボキシメチルセルロース(CMC)及びその塩は、汎用性が高く、繊維どうしの凝集効果も低いため、本発明で好ましく用いられる。即ち、本発明においては、紙力増強剤として、少なくともCMC又はその塩が添加されていることが好ましい。
【0027】
乾燥紙力増強剤としては、従来公知の乾燥紙力増強剤を用いることができ、例えば、CMC及びその塩、ポリアクリルアミド系樹脂及びその塩、カチオン化デンプン、ポリビニルアルコール(PVA)等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。CMCあるいはポリアクリルアミド系樹脂の塩としては、それぞれ、ナトリウム塩が主に用いられる。ポリアクリルアミド系樹脂としては、例えば、カチオン性又はアニオン性ポリアクリルアミド(PAM)が挙げられる。これらの乾燥紙力増強剤の中でも、特にCMC及びその塩、アニオン性PAM及びその塩が好ましい。
【0028】
湿潤紙力増強剤としては、従来公知の湿潤紙力増強剤を用いることができ、例えば、エポキシ化ポリアミドポリアミン樹脂(PAE)、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン−ホルマリン樹脂、ジアルデヒドデンプン、ポリエチレンアミン、メチロール化ポリアミド等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの湿潤紙力増強剤の中でも、特にPAEが好ましい。
【0029】
本発明において2種以上の紙力増強剤を用いる場合、それらの好ましい組み合わせとして、2種の乾燥紙力増強剤及び1種の湿潤紙力増強剤が挙げられる。これら計3種類の紙力増強剤のうち、2種の乾燥紙力増強剤としてはCMCの塩及びアニオン性PAMの塩が好ましく、1種の湿潤紙力増強剤としてはPAEが好ましい。
【0030】
また、前記のように、2種の乾燥紙力増強剤としてCMCの塩及びアニオン性PAMの塩を用い、1種の湿潤紙力増強剤としてPAEを用いた場合、アニオン性PAMの塩の重量平均分子量は、800万以上、特に1000万以上、とりわけ1500万以上が好ましく、また、アニオン性PAMの塩の重量平均分子量の上限は、2500万が好ましい。このように特定の3種類の紙力増強剤を用いる場合において、それらのうちの1種であるアニオン性PAMの塩の重量平均分子量が前記範囲(800万以上2500万以下)であれば、アニオン性PAMの塩自体の接着性の発現による薄葉紙の強度向上効果に加えて、CMCの塩の歩留まりの向上による薄葉紙の強度向上効果が得られるため、両強度向上効果によって薄葉紙のより良好な強度特性が得られる。また、アニオン性PAMの塩の重量平均分子量が2500万以下であると、薄葉紙の製造時においてアニオン性PAMの塩の水中での分散性や粘度が比較的低く抑えられるため、ハンドリング性や抄紙機の汚れ防止の点で良い結果が得られる。
【0031】
本発明の薄葉紙における紙力増強剤の添加量は、薄葉紙の全構成繊維の乾燥質量に対して、好ましくは0.01〜1.5質量%、更に好ましくは0.03〜1.2質量%である。紙力増強剤の添加量が少なすぎると、引張強度等の強度特性が十分に得られず、紙力増強剤の添加量が多すぎると、薄葉紙の硬化(風合いの低下)の他、薄葉紙の製造時におけるヤンキードライヤへの紙の張り付きやメッシュドラムへの紙力増強剤の付着等による、薄葉紙の地合の低下を招くおそれがある。
【0032】
また、紙力増強剤として、乾燥紙力増強剤の1種以上と湿潤紙力増強剤の1種以上との組み合わせを用いる場合、乾燥紙力増強剤の総添加質量と湿潤紙力増強剤の総添加質量との比(前者/後者)は、好ましくは0.01〜0.5、更に好ましくは0.03〜0.35である。
【0033】
また、前述したように、乾燥紙力増強剤としてCMCの塩及びアニオン性PAMの塩の2種を用い、湿潤紙力増強剤としてPAEの1種を用いる場合、薄葉紙の全構成繊維の乾燥質量に対する各紙力増強剤の添加量は、CMCの塩が好ましくは0.05〜0.5質量%、更に好ましくは0.1〜0.3質量%であり、アニオン性PAMの塩が好ましくは0.001〜0.1質量%、更に好ましくは0.02〜0.05質量%であり、PAEが好ましくは0.5〜1.5質量%、更に好ましくは0.6〜1.2質量%である。
【0034】
本発明の薄葉紙は、前述した、第1パルプ及び第2パルプ(親水性セルロース繊維)等の繊維及び紙力増強剤以外の他の成分を含んでいても良い。他の成分としては、例えば、タルク等の填料、染料、色顔料、抗菌剤、pH調整剤、歩留り向上剤、耐水化剤、消泡剤等の一般的に抄紙用原材料や添加物として使用されているものが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0035】
本発明の薄葉紙は、公知の湿式抄紙法によって製造することができる。湿式抄紙法は、NBKP等の繊維の水分散液からなる紙料(スラリー)を調製する紙料調製工程と、紙料から繊維を抄いて繊維ウエブとしたものを搬送しながら乾燥する抄紙工程とを有するものである。抄紙工程は、通常、ワイヤパート、プレスパート、ドライヤパート、サイズプレス、カレンダパート等に分けられ、順次実施される。前述した乾燥紙力増強剤及び湿潤紙力増強剤は、通常、紙料調整工程において紙料に添加される。通常、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤の順で紙料に添加するが、本発明における紙力増強剤の添加順序はこれに制限されず、添加順序をこれとは逆にしても良く、両者を同時に添加しても良い。湿式抄紙法は、例えば、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、オントップ抄紙機、ハイブリッド抄紙機又は丸網抄紙機等の抄紙機を用いて常法に従って実施することができる。
【0036】
本発明の薄葉紙の坪量は、液透過性の向上の観点から、比較的低く設定されることが好ましく、具体的には、10〜20g/m2、特に11〜16g/m2、とりわけ12〜14g/m2が好ましい。坪量が低いと紙力の低下が懸念されるが、本発明では、前述したように、構成繊維の一部として相対的に繊維粗度の小さい(繊維径の細い)第1パルプを用い、且つ2種の繊維(第1パルプと第2パルプ)の集合体のフリーネスを特定範囲に設定し、更に紙力増強剤を併用することで、斯かる懸念を払拭している。薄葉紙の坪量が10g/m2未満では、紙力が著しく低下するおそれがあり、また、薄葉紙の坪量が20g/m2超では、液透過性の向上効果に乏しいおそれがある。
【0037】
同様の観点から、本発明の薄葉紙の密度は、好ましくは0.05〜0.2g/cm3、更に好ましくは0.1〜0.2g/cm3である。
【0038】
薄葉紙の坪量は、次のようにして測定される。JIS P8111の条件にてサンプル(薄葉紙)の調湿を行った後、サンプルから10cm四方(面積100cm2)の測定片を切り出し、該測定片の重量を少数点以下2桁の天秤にて測定し、その測定値を面積で除して該測定片の坪量を算出する。サンプルから切り出した10枚の測定片について、前記手順に従って坪量を算出し、それらの平均値をサンプルの坪量とする。
【0039】
また、薄葉紙の密度は、次のようにして測定される。20cm四方のサンプル(薄葉紙)を10枚重ねて積層体とし、該積層体を液体窒素で冷却固化させた後、カッターで該積層体の真ん中付近を切断する。そして、10枚のサンプルのうち、カッターによる切断で生じた断面にせん断がかかっていないものを選択し、選択したサンプルの厚みを光学顕微鏡により測定する。尚、サンプルの厚みは、当該サンプルに後述するクレープ等の凹凸がある場合は、その凹凸部における最底部から最上部までの長さ(見掛け厚み)ではなく、構成繊維が堆積している部分の長さ(実質厚み)である。こうして厚みを測定した20cm四方のサンプルの重量Wを、小数点以下2桁の天秤を用い測定する。目的とする密度は、サンプルの重量Wを次式により算出したサンプルの体積Vで除して(即ちW/Vにより)算出する。次式中、Tはサンプルの厚み(cm)、Aはサンプルのクレープ率(%)、Bはサンプルの1辺の長さ(20cm)である。クレープ率は後述する測定方法によって測定される。測定対象の薄葉紙がクレープを有していない場合(クレープ率が0%の場合)、次式においてA=0とする。 V={T×B×B×(100+A)/100}
【0040】
本発明の薄葉紙は、クレープ(ちりめん状のシワ)を有していても良い。本発明の薄葉紙がクレープを有している場合、そのクレープは、ドライヤパートにおけるヤンキードライヤ等から乾燥状態の繊維ウエブ(薄葉紙)をドクターナイフ等で剥離する際に生じる、ドライクレープであることが好ましい。クレープ率は、次のようにして測定される。
【0041】
<クレープ率の測定方法>
測定対象の薄葉紙から長さ方向(薄葉紙の製造時の搬送方向、MD)に200mm、幅方向(MDに直交する方向、CD)に100mmの矩形形状を切り出してサンプルとする。この矩形形状のサンプルを10分間水中に浸漬した直後のMDの長さCを測定し、次式によりクレープ率を算出する。 クレープ率(%)={(C−200)/200}×100
例えば、10分間浸漬後のMDの長さCが220mmであった場合、前記式により算出される当該薄葉紙のクレープ率は10%である。
【0042】
クレープを有する薄葉紙は、クレープを有しない薄葉紙に比して液透過性が高く、また、クレープ率が高くなるほど液透過性が高まる。但し、クレープ率が高くなると、強度特性(引張強度)は低下する傾向がある。本発明においては、斯かる知見に基づき、液透過性と強度特性とのバランスの観点から、薄葉紙のクレープ率は、5〜30%、特に5〜20%、とりわけ7〜15%とすることが好ましい。
【0043】
前述した構成を有する本発明の薄葉紙の製造時の搬送方向(Machine Direction、略してMD)の乾燥引張強度は、600cN/25mm以上、好ましくは600〜1500cN/25mm、更に好ましくは700〜1200cN/25mmであり、更に一層好ましくは800〜1200cN/25mmであり、ことさら好ましくは900〜1200cN/25mmである。また、MDに直交する方向(Cross machine Direction、略してCD)の乾燥引張強度は、150cN/25mm以上、好ましくは150〜350cN/25mm、更に好ましくは180〜300cN/25mmである。MD及びCDそれぞれの乾燥引張強度が前記範囲にある薄葉紙は、実用上十分な強度を有しており、例えば該薄葉紙を、使い捨ておむつ等の吸収性物品における吸収性コアを被覆するコアラップシートに適用した場合には、吸収性物品の製造時にコアラップシート(薄葉紙)が破れる等の不都合を起こし難い。乾燥引張強度は次のようにして測定される。
【0044】
<乾燥引張強度の測定方法>
測定対象のシート(薄葉紙)を室温23℃±2℃、相対湿度50%RH±2%の環境下で12時間放置して一定状態になるよう調湿する。調湿後のシートから、MDに150mm、CDに25mmの寸法の長方形形状を切り出し、この切り出された長方形形状をサンプルとする。このサンプルを、そのMDが引張方向となるように引張試験機(島津製作所製オートグラフAG−1kN)のチャックに無張力で取り付ける。チャック間距離は100mmとする。サンプルを300mm/分の引張速度で引っ張り、サンプルが破断するまでの最大強度を測定する。測定は5回行い、これらの平均値をMDの乾燥引張強度とする。また、CDの乾燥引張強度は、調湿後のシートから、CDに150mm、MDに25mmの寸法の長方形形状を切り出してこれをサンプルとし、このサンプルを、そのCDが引張方向となるように引張試験機のチャックに無張力で取り付け、前記と同様の手順により、CDの乾燥引張強度を求める。
【0045】
また、下記方法で測定される本発明の薄葉紙の液透過時間は、0.2〜3秒、好ましくは0.3〜2.5秒、更に好ましくは0.5〜2秒である。液透過時間が短いほど、液透過性が高く高評価となる。液透過時間が前記範囲にある薄葉紙は、液透過性に優れており、例えば該薄葉紙を、使い捨ておむつ等の吸収性物品における吸収性コアを被覆するコアラップシートに適用した場合には、尿等の排泄液を素早く透過させて吸収性コアに速やかに吸収させることが可能となり、吸収性物品の防漏性の向上が期待できる。
【0046】
<液透過時間の測定方法>
図1に示すように、上下端が開口している内径35mmの2本の円筒91,92を、両円筒91,92の軸を一致させて上下に配し、8cm四方の測定対象シートS(薄葉紙)を上下の円筒91,92間に挟み込む。このとき、上側の円筒91の下端及び下側の円筒92の上端に設けられた環状のフランジ部にクリップ93を嵌合させ、上下の円筒91,92を連結させることが好ましい。符号94は、円筒91,92の内径と同径同形状の貫通孔を有するゴム製等のパッキンである。このように、上下の円筒91,92で測定対象シートSを挟持固定した状態で、上側の円筒91内に、図1中符合Wで示す生理食塩水(塩化ナトリウム濃度0.9質量%の水溶液)を40g±1g供給する。供給された生理食塩水は、測定対象シートSを透過するか又は測定対象シートSに吸収されて上側の円筒91内からなくなる。生理食塩水の供給開始時から、生理食塩水の水面が測定対象シートSの表面(上側の円筒91側の面)と同位置になるまでの時間を測定し、その時間を液透過時間とする。
【0047】
また、本発明の薄葉紙は、通気性にも優れている。その理由は、主として、繊維粗度の異なる2種の親水性セルロース繊維の集合体を主体としているためである。本発明者らは、繊維粗度の異なる2種の親水性セルロース繊維を用いることと薄葉紙の通気性との関係を調べるべく、パルプ配合の異なる2種類の薄葉紙(サンプルA、B)を用意し、これらの透気度を測定した。サンプルAは、第1パルプ及び第2パルプを含むもので後述する実施例1であり、サンプルBは、後述する実施例1において、第2パルプ(繊維粗度0.18mg/mのNBKP)を用いずに第1パルプ(繊維粗度0.15mg/mのNBKP)のみを繊維材料として用いた以外は実施例1と同様の手順で製造した薄葉紙である。サンプルA及びB共に坪量は13g/m2であった。透気度は次のようにして測定される。
【0048】
<透気度の測定方法>
透気度の測定はJIS P8117に準じて実施する。15cm四方の測定対象シート(薄葉紙)を32枚用意し、これらを熱風乾燥機により105℃の熱風で30分間乾燥させた後、32枚全てを重ねて1つの積層体とし、該積層体をB形透気度計にセットする。そして、B形透気度計において、標線の0ccをスタ−トとし300ccに達するまでに要する時間を測定する。以上の操作を5回実施し、得られた5つの測定時間の平均値を、当該測定対象シート(薄葉紙)の透気度とする。透気度の単位は、「s/32P・300cc」であり、32枚のシートを300ccの空気が抜けるのに要する時間(秒)を表す。透気度の値が小さいほど空気が抜け易く、通気性に優れると評価できる。
【0049】
繊維材料として第1パルプのみを用いたサンプルBは、透気度が2.1〜2.7s/32P・300ccの範囲であったのに対し、繊維材料として繊維粗度が互いに異なる2種のパルプ(第1及び第2パルプ)を用いたサンプルAは、透気度が1.6〜2.2s/32P・300ccの範囲にあり、サンプルAの方がサンプルBよりも透気度の値が小さかった。このことから、繊維粗度の異なる2種の親水性セルロース繊維の集合体を主体として薄葉紙を構成することは、薄葉紙の通気性を向上させる上で有効であることがわかり、斯かる構成を具備する本発明の薄葉紙が通気性に優れることが明らかである。
【0050】
本発明の薄葉紙は、強度特性(引張強度)が良好で液透過性及び通気性に優れており、そのような特長が活かされる種々の用途に好適である。特に、本発明の薄葉紙は、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品において、液保持性の吸収性コアを被覆するコアラップシートとして好適であり、排泄液が、尿等の比較的低粘性の場合のみならず、軟便等の比較的高粘性の場合であっても、排泄液を素早く透過させて吸収性コアに吸収させることができ、吸収性物品の防漏性の向上に寄与し得る。
【0051】
本発明の薄葉紙を用いた本発明の吸収性物品の一例として、吸収性コア及びこれを被覆するコアラップシートを含んで構成される吸収性物品であって、該コアラップシートが、前述した本発明の薄葉紙であるものが挙げられる。より具体的には、本発明の吸収性物品は、肌対向面を形成する液透過性の表面シート、非肌対向面を形成する液不透過性ないし撥水性の裏面シート、及びこれら両シート間に配置された液保持性の吸収体を具備し、該吸収体が、前記吸収性コア及び前記コアラップシート(本発明の薄葉紙)を含んで構成されている。前記コアラップシート(本発明の薄葉紙)は、少なくとも前記吸収性コアの肌対向面及び非肌対向面を被覆することが好ましい。尚、肌対向面は、吸収性物品又はその構成部材(例えば吸収性コア)における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、非肌対向面は、吸収性物品又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側(着衣側)に向けられる面である。前記表面シート、前記裏面シート及び前記吸収性コアとしては、それぞれ、この種の吸収性物品において通常用いられているものを特に制限無く用いることができる。本発明の吸収性物品は、展開型あるいはパンツ型の使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド等に適用できる。
【実施例】
【0052】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は斯かる実施例に限定されるものではない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
【0053】
〔実施例1〕
第1パルプ(相対的に繊維径の細いパルプ)として、繊維粗度0.15mg/mのNBKPを用い、第2パルプ(相対的に繊維径の太いパルプ)として、繊維粗度0.18mg/mのNBKPを用いた。第1パルプ及び第2パルプを、両パルプの含有質量比(第1パルプ/第2パルプ)が5/5となるように混合して繊維の集合体を得、該集合体を水中に均一に分散させて、繊維濃度2質量%のスラリーを調製し、このスラリーを叩解機にかけて、集合体のフリーネスを500mlに調整した。更に、このスラリーに、第1紙力増強剤としてCMCのナトリウム塩(乾燥紙力増強剤、第一工業製薬株式会社製、商品名「セロゲンWS−C」)を、スラリー中の全繊維の乾燥質量に対して0.2質量%投入し、次いで、第2紙力増強剤としてPAE(湿潤紙力増強剤、星光PMC株式会社製、商品名「WS4030」)を、スラリー中の全繊維の乾燥質量に対して0.78質量%投入し、各成分が均一になるように十分に撹拌した。こうして得られたスラリーを、ワイヤー目開き径90μm(166メッシュ)の金網抄紙ワイヤー上に散布し、金網抄紙ワイヤー上に紙層を形成させ、サクションボックスを用いて6ml/(cm2・sec)の速度で該紙層を脱水した後、該紙層をドライヤで乾燥させた。こうして得られた薄葉紙を実施例1のサンプルとした。
【0054】
〔実施例2〜5及び比較例1〜5〕
パルプの種類(繊維粗度)やフリーネス、紙力増強剤の使用形態等を適宜変更した以外は実施例1と同様にして薄葉紙を製造し、それぞれ各実施例及び各比較例のサンプルとした。尚、実施例5では、前記の第1及び第2紙力増強剤に加えて、第3紙力増強剤としてアニオン性PAMのナトリウム塩(乾燥紙力増強剤、MTアクアポリマー製、商品名「アコフロックA95」、重量平均分子量1700万)を用いた。
【0055】
実施例及び比較例で使用したパルプ(NBKP)の詳細は次の通り(繊維粗度の小さい順に記載)。これらのパルプは、日本紙パルプ商事又は伊藤忠商事を通じて入手した。
・繊維粗度0.09mg/m(商品名「Cenibra」、Cenibra製)
・繊維粗度0.13mg/m(商品名「Northwood」、ConFor製)
・繊維粗度0.15mg/m(商品名「Cariboo」、Cariboo Pulp and Paper Company製)
・繊維粗度0.16mg/m(商品名「Botnia」、BOTNIA製)
・繊維粗度0.17mg/m(商品名「Alabama Pine」、Alabama Pine,Inc製)
・繊維粗度0.18mg/m(商品名「ARAUCO」、ARAUCO製)
・繊維粗度0.2mg/m(商品名「Crofton CK」、Unifibra製)
【0056】
〔評価〕
実施例及び比較例の各サンプル(薄葉紙)の各種評価結果は下記表1の通りである。乾燥引張強度及び液透過時間は、それぞれ、前記方法によって測定した。
【0057】
【表1】

【0058】
表1に示す結果から明らかなように、繊維粗度の異なる2種の親水性セルロース繊維の集合体を主体とし且つ該集合体のフリーネスが前記特定範囲にある(本発明の範囲内である)、各実施例の薄葉紙は、MDの乾燥引張強度が600cN/25mm以上、CDの乾燥引張強度が150cN/25mm以上で、且つ液透過時間が2秒以下であり、強度特性が良好で液透過性に優れた薄葉紙であることがわかる。特に、2種の乾燥紙力増強剤及び1種の湿潤紙力増強剤を用いた形態である、実施例5は、強度特性及び液透過性が他の実施例に比して概ね良好であり、斯かる3種の紙力増強剤の組み合わせの有効性が明らかである。
【0059】
これに対し、各比較例の薄葉紙は、表1に示す結果から明らかなように、MDの乾燥引張強度が600cN/25mm未満(比較例1、2及び5)あるいは液透過時間が3秒超(比較例1、3及び4)であり、強度特性及び液透過性を高レベルで両立できていない。各比較例が強度特性及び液透過性の点で各実施例に劣る理由は、主として、比較例1は第1パルプと第2パルプとの繊維粗度の差が0.07mg/mを超えているため、比較例2、3及び5は1種の親水性セルロース繊維のみを用いているため、比較例4は前記集合体のフリーネスが前記特定範囲から外れているためと推察される。
【符号の説明】
【0060】
91,92 円筒
93 クリップ
94 パッキン
S 測定対象のシート(薄葉紙)
W 生理食塩水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維粗度の異なる2種の親水性セルロース繊維の集合体を主体とし、紙力増強剤が添加されている薄葉紙であって、
前記2種の親水性セルロース繊維として、繊維粗度が0.13〜0.16mg/mの第1パルプと繊維粗度が0.17〜0.20mg/mの第2パルプとが含有されており、含有されている第1パルプと第2パルプとの繊維粗度の差が0.01〜0.07mg/mであり、前記集合体のフリーネスが400〜550mlである薄葉紙。
【請求項2】
前記第1パルプ及び前記第2パルプそれぞれの平均繊維長が2〜3mmである請求項1記載の薄葉紙。
【請求項3】
前記第1パルプと前記第2パルプとの含有質量比(第1パルプ/第2パルプ)が3/7〜7/3である請求項1又は2記載の薄葉紙。
【請求項4】
前記紙力増強剤として、少なくともカルボキシメチルセルロース又はその塩が添加されている請求項1〜3の何れか一項に記載の薄葉紙。
【請求項5】
坪量が10〜20g/m2である請求項1〜4の何れか一項に記載の薄葉紙。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載の薄葉紙を用いた吸収性物品。

【図1】
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【公開番号】特開2012−144833(P2012−144833A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258845(P2011−258845)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】