説明

薄鋼板端面への液状物塗布方法

【課題】連結された板幅の異なる薄鋼板の端面に、煩雑な作業を要することなく、確実に液状物を塗布する薄鋼板端面への液状物塗布方法を提供する。
【解決手段】外周部24に液状物が付けられた回転自在のロール14を、通板されている連結された板幅の異なる複数の薄鋼板11、12、13の端面に順次当接させ、しかも、鉛直方向に対して上側が薄鋼板11、12、13よりに傾斜した斜軸23に回動可能に取り付けられた回動材22に、中心軸25が取り付けられたロール14は、自重によって通板中の薄鋼板11、12、13の端面に向かって付勢される薄鋼板端面への液状物塗布方法であって、斜軸23を薄鋼板11、12、13の幅方向に進退する進退手段33が設けられ、進退手段33は、通板中の薄鋼板11、12、13の現在位置及び板幅の情報を基に、斜軸23を進退して、ロール14を通板中の薄鋼板11、12、13の端面に当接させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通板中の薄鋼板の幅方向端部の位置変化に対応して薄鋼板の端面に液状物を塗布する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、薄鋼板の製造において、薄鋼板の幅方向端面に、液状物(例えば焼付防止剤)を塗布する場合、例えば、特許文献1に記載のように、通板中の薄鋼板の端面に、液状物が塗られた状態の竪ロールを押し当てて液状物を塗布している。
この竪ロールは、中心軸(回転軸)が通板中の薄鋼板の幅方向に進退できるように、支持部材の先端部に取り付けられ、自重によって薄鋼板の端面に当接可能である。従って、通板中の薄鋼板の幅方向端部の位置が多少変化しても、竪ロールは、常に薄鋼板の端面に当接した状態を確保され、液状物の塗布を確実に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭63−2763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の方法では、ねじ部材により固定された取付具によって、支持部材の基端部が軸支されているので、支持部材の基端部の移動には、ねじ部材の締結を解いた後に、人力による取付具の移動が必要であり、板幅が異なる複数の薄鋼板を直列に連結して通板させる場合、各薄鋼板ごとに、作業者が取付具の位置調整をしなければならず作業が煩雑になるという問題があった。
また、幅の異なる薄鋼板を連結した直後の連結箇所には、幅が広いほうの薄鋼板の幅方向両端の角部が存在し、連結箇所の幅方向両端には、この角部を取り除いて形成された切欠き(ノッチ部)が設けられる。従って、作業者は、竪ロールが切欠きに衝突するのを回避するため、薄鋼板の連結箇所が通過する前後で取付具の位置調整をする必要があり、作業効率の低下を引き起こしていた。
【0005】
更に、通板中の薄鋼板の幅方向端部の位置変化が竪ロールの可動範囲を超えた場合、液状物の塗装ができなくなるという問題もあった。
本発明は、前記の課題を解決するものであって、煩雑な作業を要することなく、確実に液状物を塗布する薄鋼板端面への液状物塗布方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的に沿う本発明に係る薄鋼板端面への液状物塗布方法は、外周部に液状物が付けられた回転自在のロールを、通板されている連結された板幅の異なる複数の薄鋼板の端面に順次当接させ、しかも、鉛直方向に対して上側が前記薄鋼板よりに傾斜した斜軸に回動可能に取り付けられた回動材に、中心軸が取り付けられた前記ロールは、自重によって通板中の前記薄鋼板の端面に向かって付勢される薄鋼板端面への液状物塗布方法であって、前記斜軸を前記薄鋼板の幅方向に進退する進退手段が設けられ、該進退手段は、外部から送られる前記通板中の各薄鋼板の現在位置及び板幅の情報を基に、前記斜軸を進退して、前記ロールを前記通板中の各薄鋼板の端面に当接させる。
【0007】
本発明に係る薄鋼板端面への液状物塗布方法において、前記進退手段は、前記回動材の回動角度が、予め設定された回動角度域の下限角度又は上限角度になったのを検知したとき、前記回動材の斜軸を進退して、該回動材の回動角度が、前記回動角度域内になるようにするのが好ましい。
【0008】
本発明に係る薄鋼板端面への液状物塗布方法において、前記進退手段には、前記回動材に接触又は近接して、前記回動材の回動角度が前記下限角度及び前記上限角度になったのをそれぞれ検知する第1、第2のセンサが設けられているのが好ましい。
【0009】
本発明に係る薄鋼板端面への液状物塗布方法において、前記進退手段は、前記回動材の斜軸を軸支するスライド部材と、該スライド部材に先端部が固定された電動シリンダとを有し、該電動シリンダは、内蔵もしくは外部に設置された位置検出器によって進退位置が検知されて、前記回動材の斜軸を位置調整するのが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
請求項1〜4記載の薄鋼板端面への液状物塗布方法は、回動材の斜軸を薄鋼板の幅方向に進退する進退手段が、通板中の各薄鋼板の現在位置及び板幅の情報を基に、回動材の斜軸を進退して、ロールを通板中の各薄鋼板の端面に当接させるので、薄鋼板の連結箇所等、薄鋼板の幅方向に段差等が形成され得る箇所を避けて薄鋼板へのロールの当接を安定的に行うことができ、ロール等の破損を防止可能である。
【0011】
特に、請求項2記載の薄鋼板端面への液状物塗布方法は、回動材の回動角度が、予め設定された回動角度域の下限角度又は上限角度になったのを検知したとき、回動材の斜軸を進退して、回動材の回動角度が回動角度域内になるようにするので、回動角度域では回動材の斜軸の移動なくロールが薄鋼板の幅方向に移動可能な状態を常に確保することができ、ロールが当接している薄鋼板の端面と幅方向中心の距離が通板方向で異なっていても、回動材の斜軸を移動することなくロールが薄鋼板の端面に当接した状態を維持可能である。
【0012】
請求項3記載の薄鋼板端面への液状物塗布方法は、進退手段に、回動材に接触又は近接して、回動材の回動角度が下限角度及び上限角度になったのをそれぞれ検知する第1、第2のセンサが設けられているので、進退手段は、第1、第2のセンサによる検知結果を基にして、回動材が回動角度域に位置するように回動材の斜軸の位置調整を確実に行うことができる。
【0013】
請求項4記載の薄鋼板端面への液状物塗布方法は、進退手段が、回動材の斜軸を軸支するスライド部材に先端部が固定された電動シリンダを有するので、電動シリンダの作動制御により回動材の斜軸の位置調整を精度良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施の形態に係る薄鋼板端面への液状物塗布方法が適用される液状物塗布装置の説明図である。
【図2】同液状物塗布装置の制御を示すブロック図である。
【図3】(A)、(B)は同液状物塗布装置を用いた薄鋼板端面への液状物塗布方法を示す説明図である。
【図4】同液状物塗布装置を用いた薄鋼板端面への液状物塗布方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1〜図4に示すように、本発明の一実施の形態に係る薄鋼板端面への液状物塗布方法に適用される液状物塗布装置10は、外周部24に液状物が付けられた回転自在のロール14を、通板されている連結された板幅の異なる複数の薄鋼板11、12、13の端面に順次当接させ、薄鋼板11、12、13の端面に液状物を塗布する装置である。
【0016】
図1に示すように、液状物塗布装置10は、水平方向に移動(通板)している薄鋼板11(薄鋼板12、13についても同じ)の幅方向端面から間隔を有して配置され、支持部材15に固定された電動シリンダ16を有している。そして、支持部材15は、図示しない固定フレームに支持されている。ここで、図1は液状物塗布装置10を平面視した図であって、薄鋼板11は矢印の方向に移動しており、本実施の形態では、液状物塗布装置10を薄鋼板11の幅方向の一方側(右側)に配置しているが、薄鋼板11の他方側(左側)に配置してもよい。
【0017】
電動シリンダ16の先端部(薄鋼板11の端面側)には、スライド部材17が固定され、スライド部材17は、電動シリンダ16の作動によって通板中の薄鋼板11の幅方向(左右方向)に進退する。液状物塗布装置10には、予めスライド部材17の移動可能な範囲が決められており、その移動可能な範囲内でスライド部材17が最も前進(左に移動)した箇所と、最も後退(右側に移動)した箇所には、それぞれ、検出センサ18、19が配置されている。
図2に示すように、検出センサ18、19は、制御部20に信号接続され、制御部20は、検出センサ18、19を介して、スライド部材17が、移動可能範囲の最前進位置又は最後退位置まで移動しているのを検知したとき、電動シリンダ16を作動して、スライド部材17が移動可能範囲内に留まるように、スライド部材17を位置調整する。
【0018】
スライド部材17は、先部にロール14を取り付けた回動材22の基部にある斜軸23を軸支している。
回動材22の斜軸23は、図3(B)に示すように、鉛直方向に対して上側が通板中の薄鋼板11よりに傾斜している。従って、この傾斜した斜軸23に回動可能に取り付けられた回動材22の先部と共に回動するロール14は、図3(A)に示すように、自重によって、回動材22の斜軸23を中心に回動して、通板中の薄鋼板11の端面に向かって付勢され、薄鋼板11の端面に当接することができる。また、ロール14が薄鋼板11から離れたとき、回動材22は、ロール14の自重によって回動し、薄鋼板11の幅方向に沿って配置された状態になる。
薄鋼板11に当接するロール14の外周部24は、図示しないノズルから継続的、あるいは、間欠的に液状物が吹き付けられ、常に液状物が付着した状態になっている。ロール14は、ロール14を回転可能に装着した中心軸25を介して、回動材22の先部に取り付けられ、中心軸25の軸心を中心に回転可能である。また、中心軸25は、回動材22の斜軸23と平行配置されている。
【0019】
ここで、薄鋼板11の幅方向の中心と幅方向端面の距離は、通板方向の異なる箇所で多少の差異があり、薄鋼板11の端面が、薄鋼板11の移動と共に幅方向中心に向かって退行している場合、ロール14を薄鋼板11の端面に当接させた状態を維持するためには、ロール14を薄鋼板11の幅方向中心に近づける必要がある。
このとき、仮に回動材22が薄鋼板11の幅方向に沿って(即ち、平面視して薄鋼板11の端面に直交する方向に)配置された状態で、ロール14を薄鋼板11の端面に当接している場合、その当接状態を保つために、薄鋼板11の幅方向中心と端面の距離に合わせて、電動シリンダ16を精度良く作動して、回動材22の斜軸23の位置調整をすることが求められる。しかしながら、そのような電動シリンダ16の制御は、コスト面、技術面の両面を考慮すると非現実的である。
【0020】
これに対して、回動材22が薄鋼板11の幅方向に対して所定角度を有するようにして、薄鋼板11にロール14を当接させていれば、薄鋼板11の端面が幅方向に退行していても、ロール14がすぐに薄鋼板11から離れることはなく、電動シリンダ16の作動なしに、ロール14が薄鋼板11に当接している時間を確保できる。そして、薄鋼板11の幅方向の退行量が大きくても、薄鋼板11の端面からロール14が離れる前に、電動シリンダ16を作動して、スライド部材17を薄鋼板11の幅方向中心に近づければ、ロール14の薄鋼板11への当接状態を継続可能である。従って、薄鋼板11の幅方向中心と端面の間の距離に合わせて、電動シリンダ16の厳密な作動制御をしなくてもよい。
【0021】
そこで、液状物塗布装置10には、ロール14を薄鋼板11の端面に当接しているときに、回動材22が薄鋼板11の幅方向と角度を有するように、回動材22に対し回動を許容する角度領域(以下、「回動角度域」ともいう)を設けている。回動角度域は、図3(A)に示すように、薄鋼板11の幅方向に対する回動材22の回動角度の下限角度θ1及び上限角度θ2の間の角度領域である。ロール14が薄鋼板11に当接しているとき、回動材22は、この回動角度域内に位置するように回動角度を調整され、薄鋼板11の幅方向に対して、最低でも下限角度θ1を有するようにされる。
【0022】
また、上限角度θ2を設けているのは、電動シリンダ16を作動することによって、ロール14が薄鋼板11の幅方向中心から遠ざかれるようにするためであり、これにより、薄鋼板11の端面が支持部材15に対して前進しても、電動シリンダ16によってロール14を移動させることによって、ロール14が物理的に移動不可能な位置まで押しやられるのを防止することができる。
回動材22が回動角度X(θ1<X<θ2)で薄鋼板11の端面に当接しているとき、図3(A)に示すように、回動材22は、回動角度域内で、薄鋼板11の幅方向内側向き及び外側向きに、それぞれL及びRの距離を移動可能であり、この移動可能距離L又はRが0(零)になったとき、回動材22の回動角度が下限角度θ1又は上限角度θ2になる(X=θ1、又はX=θ2)。
なお、θ1及びθ2はそれぞれ、例えば、5度以上20度以下、及び、60度以上80度以下の角度である。
【0023】
図3(A)、(B)に示すように、スライド部材17に固定された固定部材27には、回動材22が下限角度θ1及び上限角度θ2まで回動されたのをそれぞれ検出する第1、第2のセンサ28、29が設けられている。第1、第2のセンサ28、29は、回動材22に設けられた検出板30が近接(又は接触)したとき、それぞれ回動材22が下限角度θ1及び上限角度θ2に位置しているのを検出し、その検出信号を制御部20に送信する。制御部20は、第1のセンサ28からこの検出信号を受信したとき、回動材22の斜軸23を薄鋼板11の幅方向中心に向かって近づけ、第2のセンサ29からこの検出信号を受信したとき、回動材22の斜軸23を薄鋼板11の幅方向中心から遠ざけるように、電動シリンダ16を作動し、回動材22の角度を回動角度域内に収まるようにする。なお、制御部20には、RAM、ROM等が搭載されており、ROMには、電動シリンダ16の作動制御のためのプログラム等が内蔵されている。
【0024】
また、薄鋼板11、12、13はそれぞれ板幅が異なり、薄鋼板11と薄鋼板12、及び薄鋼板12と薄鋼板13の連結箇所の幅方向両端面には、図4に示すように、幅が広いほうの薄鋼板の幅方向両端の角部を取り除くために形成された切欠き(ノッチ部)31がそれぞれ設けられている。ロール14が、通板している薄鋼板11、12、13に対して、切欠き31の形成箇所で接触すると、ロール14や回動材22等に破損等が生じ得るので、ロール14による薄鋼板11、12、13への液状物の塗布の際には、この切欠き31の形成箇所で、ロール14が薄鋼板11、12、13に当接しないようにする必要がある。
【0025】
液状物塗布装置10のある薄鋼板の生産ラインには、図2に示すように、液状物塗布装置10と独立して設けられた中央制御装置32が配置され、中央制御装置32は、通板中の各薄鋼板11、12、13の現在位置及び板幅と、薄鋼板11、12、13の各連結箇所の現在位置等を検知し、生産ラインの状況を管理している。
図2に示すように、制御部20は、中央制御装置32に信号接続され、中央制御装置32から通板中の薄鋼板11、12、13の各連結箇所の位置を示す信号を受け取って、その連結箇所がロール14に接近する時間を検知する。制御部20は、図4に示すように、薄鋼板12、13(薄鋼板11、12についても同じ)の連結箇所、即ち切欠き31がロール14に接近(例えば50cm以上150cm以下の距離まで接近)してきたのを検知したとき、電動シリンダ16を作動して、ロール14が薄鋼板12に当接しない位置になるように、スライド部材17を薄鋼板12から遠ざける。
【0026】
ここで、(1)薄鋼板12に当接しない位置に配置されたロール14と、薄鋼板12より幅広である薄鋼板13の端面の延長線との間の幅方向における距離をL1(例えば、50mm以上100mm以下)、(2)ロール14が薄鋼板12に当接し、回動材22が回動角度域に位置していたときと、ロール14が薄鋼板12から離れ、回動材22が、スライド部材17に基部が固定されたストッパ33の先部に当接したときの、スライド部材17に対する幅方向におけるロール14の移動距離をL2(例えば、50mm以上100mm以下)、そして、(3)薄鋼板12、13のそれぞれの板幅W1及びW2の差異の半分の値、即ち(W2−W1)/2の値をL3(例えば、0mmより大きく150mm以下)とすると(但し、薄鋼板12、13の端面と端面は、幅方向中心に対する距離が等しいものとする)、スライド部材17の移動距離は、L1+L2+L3になる。
【0027】
制御部20は、中央制御装置32から送信される信号によって、薄鋼板12、13の連結箇所が液状物塗布装置10の配置箇所を通過したのを検知したとき、電動シリンダ16を作動して、スライド部材17を薄鋼板13に近づけ、ロール14を薄鋼板13の端面に当接させる。制御部20には、電動シリンダ16の外部に配置された位置検出器34(図2参照)が信号接続されており、制御部20は、位置検出器34を介して薄鋼板11、12、13の幅方向に対する電動シリンダ16の先端部の進退位置を検知することができる。制御部20は、薄鋼板13へのロール14の当接を始める際に、中央制御装置32から薄鋼板13の板幅情報を取得して、図3(A)でL=Rとなる位置、即ち、回動材22が回動角度域内で薄鋼板13の幅方向内側向き及び外側向きに移動可能な距離が等しい位置になるように、電動シリンダ16の先端部を進退させる。
なお、図2に示すように、制御部20、電動シリンダ16、電動シリンダ16を支持する支持部材15、スライド部材17、回動材22が下限角度θ1及び上限角度θ2まで回動したのをそれぞれ検出する第1、第2のセンサ28、29、移動可能範囲の限界位置にスライド部材17が移動しているのを検知する検出センサ18、19、及び位置検出器34を有して進退手段35が構成されている。従って、進退手段35は、外部から送られる通板中の各薄鋼板11〜13の現在位置及び板幅の情報を基に、斜軸23を薄鋼板11〜13の幅方向に進退して、ロール14を通板中の各薄鋼板11〜13の端面に当接させることができる。
【0028】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、第1、第2のセンサに接触型のものを用いて、回動材の回動角度の上限角度及び下限角度になったのを検知することができる。
また、位置検出器は、電動シリンダに内蔵されていてもよい。
【符号の説明】
【0029】
10:液状物塗布装置、11、12、13:薄鋼板、14:ロール、15:支持部材、16:電動シリンダ、17:スライド部材、18、19:検出センサ、20:制御部、22:回動材、23:斜軸、24:外周部、25:中心軸、27:固定部材、28:第1のセンサ、29:第2のセンサ、30:検出板、31:切欠き、32:中央制御装置、33:ストッパ、34:位置検出器、35:進退手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周部に液状物が付けられた回転自在のロールを、通板されている連結された板幅の異なる複数の薄鋼板の端面に順次当接させ、しかも、鉛直方向に対して上側が前記薄鋼板よりに傾斜した斜軸に回動可能に取り付けられた回動材に、中心軸が取り付けられた前記ロールは、自重によって通板中の前記薄鋼板の端面に向かって付勢される薄鋼板端面への液状物塗布方法であって、
前記斜軸を前記薄鋼板の幅方向に進退する進退手段が設けられ、該進退手段は、外部から送られる前記通板中の各薄鋼板の現在位置及び板幅の情報を基に、前記斜軸を進退して、前記ロールを前記通板中の各薄鋼板の端面に当接させることを特徴とする薄鋼板端面への液状物塗布方法。
【請求項2】
請求項1記載の薄鋼板端面への液状物塗布方法において、前記進退手段は、前記回動材の回動角度が、予め設定された回動角度域の下限角度又は上限角度になったのを検知したとき、前記回動材の斜軸を進退して、該回動材の回動角度が、前記回動角度域内になるようにすることを特徴とする薄鋼板端面への液状物塗布方法。
【請求項3】
請求項2記載の薄鋼板端面への液状物塗布方法において、前記進退手段には、前記回動材に接触又は近接して、前記回動材の回動角度が前記下限角度及び前記上限角度になったのをそれぞれ検知する第1、第2のセンサが設けられていることを特徴とする薄鋼板端面への液状物塗布方法。
【請求項4】
請求項2又は3記載の薄鋼板端面への液状物塗布方法において、前記進退手段は、前記回動材の斜軸を軸支するスライド部材と、該スライド部材に先端部が固定された電動シリンダとを有し、該電動シリンダは、内蔵もしくは外部に設置された位置検出器によって進退位置が検知されて、前記回動材の斜軸を位置調整することを特徴とする薄鋼板端面への液状物塗布方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−24738(P2012−24738A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−168422(P2010−168422)
【出願日】平成22年7月27日(2010.7.27)
【出願人】(306022513)新日鉄エンジニアリング株式会社 (897)
【出願人】(390022873)日鐵プラント設計株式会社 (275)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】