説明

薬剤容器、包装材、および薬剤包装体

【課題】ビタミンB1の安定性を良好に保ちつつ、製品検査を容易に行うことができる薬剤容器、包装材及び薬剤包装体を提供する。
【解決手段】本発明に係る薬剤包装体1は、ビタミンB1を含有した薬剤を収容し、しかも、波長λが200<λ≦305nmの光線透過率が5%以下であり、且つ波長λが450nmの光線透過率が50%以上の材料で形成された容器本体7を備えている薬剤容器3と、これを収容する透明または半透明の包装材5とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビタミンB1を含む薬剤を収容する薬剤容器、これを包装する包装材、及び当該薬剤容器と包装材とを備えた薬剤包装体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、消化器手術後の患者等、経口摂取ができない患者に対しては、糖、アミノ酸、電解質を含む総合輸液を用いた経静脈栄養管理が行われている。しかしながら、経静脈栄養管理を継続して行うと、ビタミンB1が欠乏し、重篤なアシドーシスの発現の危険性があることが知られている。そこで、これを回避するため、経静脈栄養管理時には、ビタミンB1を併用して投与することが行われている。
【0003】
このようなビタミンB1を投与可能な総合輸液として、近年、種々のものが提案されており、特に、複数の室に輸液を収容した複室容器の開発が進んでいる。例えば、特許文献1には、亜硫酸イオンを含まないアミノ酸輸液、および糖輸液を各室に収容し、そのいずれかにビタミンB1を配合した複室容器が開示されている。特許文献2の複室容器では、複数の室のいずれか一室にビタミンB1を収容している。また、特許文献3には、2室に区画された容器の一室にグルコースおよびビタミンB1を含有する輸液が収容されるとともに、他方の室にはアミノ酸を含有する輸液が収容された複室容器について開示されている。さらに、特許文献4は、2室のうちの一方にビタミンB1を含有する糖液を収容し、他方の室にアミノ酸液を収容した複室容器を開示している。
【0004】
ところが、上記各文献に開示されたものは、ビタミンB1の安定性の保持が十分とはいえず、長期にわたる保存に耐え得るものではなかった。これに対して、特許文献5では、次のような容器を提案している。すなわち、ビタミンB1を含有する薬剤の一次容器を、脱酸素剤とともに、アルミニウム蒸着層またはアルミニウム箔を有する二次容器に収容することで、一次容器に照射される光を遮断している。これにより、ビタミンB1を長期間にわたって安定的に保存可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特願平8−143459号公報
【特許文献2】特開平9−59150号公報
【特許文献3】特開平10−226636号公報
【特許文献4】特開2003−55195号公報
【特許文献5】特開2002−85518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記のような容器に対しては、出荷前に、異物の混入、液漏れ、脱酸素材の有無等の検査を行うことが一般的である。しかしながら、特許文献5の容器では二次容器にアルミニウム層が施されているため、外部から中身を観察することができなかった。そのため、二次容器の内部における上記のような検査するには、容器を破る必要があり、検査が煩雑になるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、ビタミンB1の安定性を良好に保ちつつ、製品検査を容易に行うことができる薬剤容器、包装材及び薬剤包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ビタミンB1の安定化のためには、特定波長の光を遮断すればよいことを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明に係る薬剤容器は、上ビタミンB1を含有した薬剤を収容し、しかも、波長λが200≦λ≦305nmの光線透過率が5%以下であり、且つ波長λが450nmの光線透過率が50%以上の材料で形成された容器本体を備えている。
【0009】
この薬剤容器によれば、上記特性を有する容器本体を有しているため、ビタミンBを長期的に安定して保存することができる。具体的には、ビタミンB1の残存率の低下を防止することができ、長期にわたって高い残存率を保つことができる。しかも、薬剤を収容する容器本体は上記の特性により外部から内部を観察できるため、異物混入等の検査を容易に行うことができる。なお、容器本体を形成する材料は、波長λが200≦λ≦305nmの光線透過率が1%以下であると、ビタミンB1の安定性がさらに向上し、有利である。
【0010】
ここで、容器本体を形成する材料は、波長λが305<λ≦350nmの光線透過率が10%以下であるとさらに好ましい。このようにすると、過酷な条件下においてもビタミンB1を安定して保存することができる。これらについては、後述する実施例において詳しく説明する。
【0011】
上記の場合、容器本体を構成する材料としては、例えば、無機系酸化物超微粒子体または有機系光線遮断材料を含む層を少なくとも1層有する熱可塑性プラスチックフィルムを挙げることができる。
【0012】
また、容器本体を、酸素透過性の低い材料で形成することがさらに好ましく、こうすることで、薬剤全体の安定性をより確実に保証することができる。
【0013】
また、本発明に係る薬剤包装体は、上記薬剤容器と、この薬剤容器を収容する透明または半透明の材料からなる包装材とを備えている。この薬剤包装体では、上記のような薬剤容器を使用しているため、包装材を透明または半透明にしても、ビタミンB1の安定性を維持することができ、しかも、包装体の外部からの検査を容易に行うことができる。ここで、包装材または容器本体を酸素透過性の低い材料で形成することが好ましく、包装材を酸素透過性の低い材料で形成する場合には、包装材の中に脱酸素剤を収容することがさらに好ましい。
【0014】
本発明に係る包装材は、ビタミンB1を含有した薬剤が収容された薬剤容器を包装する包装材であって、波長λが200≦λ≦305nm以下の光線の透過率が5%以下であり、且つ波長λが450nmの光線の透過率が50%以上の材料で形成されていることを特徴としている。
【0015】
上記のように構成された包装材によって、ビタミンB1を含有した薬剤容器を包装すると、薬剤容器を包装材の外部から視認することができ、異物検査等を容易に行うことができる。しかも、包装材は、上記特性を有しているため、薬剤容器内のビタミンB1の安定性が損なわれるのを防止することができる。
【0016】
このとき、包装材を、波長λが305<λ≦350nmの光線透過率が10%以下の材料で構成すると、さらに過酷な条件、例えば強い光の中で薬剤容器を保存しても、ビタミンB1の安定性を保つことができる。なお、包装材を構成する材料は、波長λが200≦λ≦305nmの光線透過率が1%以下であることがさらに好ましい。このような条件を満たす包装材の材料としては、例えば、無機系酸化物超微粒子体または有機系光線遮断材料を含む層を少なくとも1層有する熱可塑性プラスチックフィルムを挙げることができる。
【0017】
ここで、包装材を酸素透過性の低い材料で構成すると、ビタミンB1をさらに安定的に保存することができるため、さらに好ましい。
【0018】
また、本発明に係る薬剤包装体は、ビタミンB1を含有した薬剤が収容された薬剤容器と、この薬剤容器を収容する上記包装材とを備えている。この薬剤包装体では、上記構成の包装材を用いているため、薬剤容器を外部から視認できるとともに、薬剤容器内のビタミンB1の安定性を長期間に亘って維持することができる。ここで、包装材または容器本体を酸素透過性の低い材料で形成することが好ましく、包装材を酸素透過性の低い材料で形成する場合には、包装材の中に脱酸素剤を収容することがさらに好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ビタミンB1の安定性を長期間にわたって良好に保つことができ、しかも異物混入等を外部から容易に視認することができる。したがって、薬剤容器や包装材を破壊することなく製品検査を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る接合装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る薬剤包装体の第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る薬剤包装体の概略構成図である。
【0022】
図1に示すように、この薬剤包装体1は、薬剤容器3と、この薬剤容器3を収容する包装材5とを備えている。薬剤容器3は、ビタミンB1を含有する薬剤が収容される容器本体7と、この容器本体7から薬剤を排出する排出部(図示省略)とを備えている。容器本体7は、波長λが200≦λ≦305nmを満たす光線の透過率が5%以下であり、且つ波長λが450nmの光線の透過率が50%以上の材料で形成されている。より詳細には、容器本体7は、基材に光線を遮断する物質を設けたものであり、以下に示すような種々の態様で構成することができる。
【0023】
基材は、例えばガラス、プラスチックなどの透明或いは半透明材料を挙げることができ、柔軟な熱可塑性プラスチックフィルムで形成すると、成形性、フレキシビリティが高く、好ましい。このような基材に対して、以下のような遮断用物質を、混合、被覆、塗布、印刷、蒸着等することで、容器本体7を構成している。遮断用物質の例としては、酸化亜鉛、酸化珪素、酸化チタン、アルミナ等の無機系酸化物の超微粒子体を挙げることができる。また、2,2’−p−フェニレンビス(3,1−オキサジン−4−オン)、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシル)オキフェノール、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α’−ジメチルベンジン)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシル)オキシフェノール等の有機系光線遮断材料を使用することもできる。
【0024】
なお、遮断用物質の基材に対する混合方法、混合物質の積層方法、遮断用物質の被覆、塗布、印刷、蒸着方法は、公知の方法を用いることができ、こうして形成された容器本体7が、上記のような透過率特性を有していればよい。
【0025】
また、上記のように基材に遮断用物質を塗布等する以外にも、ある種のポリエチレンテレフタレートなどの、それ自体に上記特性を有するような素材を単層または多層にしたフィルムを用いて容器本体を構成することもできる。
【0026】
包装材5は、公知のプラスチックフィルムで構成され、外部から観察できるように、透明または半透明の材料で構成されている。
【0027】
また、上記透過率の測定は、例えば日本薬局方のプラスチック製医薬品容器試験法の透明性試験第1法に準じて行うことができる。なお、本発明において、「波長λが200≦λ≦305nmを満たす光線の透過率が5%以下」とは、200≦λ≦305nmの範囲のいずれの波長の光についても、その透過率が5%以下ということを意味する。
【0028】
以上のように、本実施形態によれば、薬剤容器3が上記特性を有する容器本体7を備えているため、ビタミンB1に影響を与える光線を遮断することができ、ビタミンB1の安定性を長期間に亘って維持することができる。しかも、薬剤を収容する容器本体7は上記特性により透明または半透明であるため、外部から内部を観察でき、異物混入等の検査を容易に行うことができる。また、薬剤容器3によってビタミンB1の安定性を維持できることから、包装材5を透明または半透明で構成することができ、包装材5の外部から中身を観察することができる。その結果、製品の検査を容易に行うことができる。
【0029】
また、上記薬剤包装体1において、脱酸素剤を薬剤容器3とともに、酸素透過性の低い包装材5に収容することもできる。このようにすると、薬剤全体の安定性をより確実に保証することができる。また、包装材5が透明または半透明で構成されているため、脱酸素剤の有無も容易に確認することができる。
【0030】
ところで、上記実施形態では、容器本体7を上記のような材料で構成しているが、包装材5を当該材料で構成することもできる。以下、本発明の第2実施形態について説明する。
【0031】
この実施形態に係る薬剤包装体は、ビタミンB1を含有する薬剤が収容された薬剤容器と、この薬剤容器を封入する包装材とで構成され、包装材を上記第1実施形態で示した容器本体の材料で構成している。つまり、包装材は、透明または半透明の材料で構成される。この場合、薬剤容器を構成する材料は特には限定されないが、透明または半透明の材料で構成すると、外部から中身の観察を容易に行うことができて有利である。
【0032】
このように、上記特性を有する材料で包装材を構成しても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。つまり、特定波長の光線を遮断することができるため、ビタミンB1の安定性を長期間に亘って維持することができる。しかも、包装材の外部から中身を確認することができるため、異物混入、液漏れ等の製品検査を容易に行うことができる。また、包装材を酸素透過性の低いものとし、その中に脱酸素剤を配置することもでき、こうすることで薬剤全体の安定性をより確実に保証することができる。このとき、包装材は透明または半透明であるため、脱酸素剤の有無を容易に確認することができる。
【0033】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、薬剤容器の容器本体またはこれを包装する包装材が上記特性を有する材料で形成されていれば、その態様は特には限定されない。
【0034】
なお、上記各実施形態でいう酸素透過性の低い材料とは、酸素透過率が10cc/m2・day・atm(25℃;90%RH)以下のもの、好ましくは5cc/m2・day・atm(25℃;90%RH)以下のもの、より好ましくは1cc/m2・day・atm(25℃;90%RH)以下のものを挙げることができる。
【実施例】
【0035】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。但し、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
【0036】
(実施例1)
石英ガラス製のアンプルに、5%塩酸チアミン水溶液を1mL充填し、熔閉した。続いて、このアンプルの外表面に、酸化亜鉛微粒子(堺化学工業株式会社製、ナノファイン−50−LP)を5%混合したアクリル系透明ラッカーを塗布し、薬剤容器とした。
【0037】
この薬剤容器では、波長λが200≦λ≦305nmの光線透過率が3%以下、波長λが305<λ≦350nmの光線透過率が5%以下、波長λが450nmの光線透過率が80%であった。
【0038】
(実施例2)
3層のポリエチレンフィルムからなる多層フィルムで、薬剤容器を構成した。この容器に、5%塩酸チアミン水溶液を1mL充填し、熔閉した。多層フィルムの中間層は、酸化亜鉛微粒子(堺化学工業株式会社製、ナノファイン−50−LP)を10%混合した厚さ50μmのポリエチレンフィルムで構成した。そして、この薬剤容器をポリビニルアルコール多層フィルム(日本合成化学工業株式会社製、ボブロン)からなる包装材に、脱酸素剤とともに封入して薬剤包装体とした。
【0039】
この薬剤容器では、波長λが200≦λ≦305nmの光線透過率が3%以下、波長λが305<λ≦350nmの光線透過率が5%以下、波長λが450nmの光線透過率が80%であった。
【0040】
(実施例3)
内層及び外層をポリエチレンフィルムで構成し、中間層を厚さ100μmポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製、ルミラー)で構成した多層フィルムを袋状に形成し、薬剤容器とした。この容器に収容する薬剤は次の通りである。すなわち、以下の表1の成分を蒸留水に溶解して1Lとしたものに、微量の塩酸を加えてpHを4.0に調整したもの(以下、「薬剤A」という)を収容した。そして、この薬剤容器をポリビニルアルコール多層フィルム(日本合成化学工業株式会社製、ボブロン)からなる包装材に、脱酸素剤とともに封入して薬剤包装体とした。
【0041】
【表1】

【0042】
この薬剤容器では、波長λが200≦λ≦305nmの光線透過率が3%以下、波長λが305<λ≦350nmの光線透過率が70%以下、波長λが450nmの光線透過率が83%であった。
【0043】
(実施例4)
ポリエチレンフィルムからなる薬剤容器に上記薬剤Aを充填し、密閉した。この薬剤容器をセラミック蒸着多層フィルム(凸版印刷株式会社製、GXフィルム)からなる包装材に、脱酸素剤とともに封入して薬剤包装体とした。
【0044】
この包装材では、波長λが200≦λ≦305nmの光線透過率が1%以下、波長λが305<λ≦350nmの光線透過率が70%以下、波長λが450nmの光線透過率が90%であった。
【0045】
(実施例5)
ポリエチレンフィルムからなる薬剤容器に上記薬剤Aを充填し、密閉した。この薬剤容器を透明バリアフィルム(東洋アルミニウム株式会社製、U−SAVE)からなる包装材に、脱酸素剤とともに封入して薬剤包装体とした。包装材は、次の表2に示す多層フィルムで構成されている。なお、第1層は最外層、第6層は最内層であり、第1層から第6層の順に積層されている。
【0046】
【表2】

【0047】
この包装材では、波長λが200≦λ≦305nmの光線透過率が1%以下、波長λが305<λ≦350nmの光線透過率が5%以下、波長λが450nmの光線透過率が88%であった。
【0048】
(比較例)
ポリエチレンフィルムからなる薬剤容器に上記薬剤Aを充填し、密閉した。この薬剤容器をポリビニルアルコール多層フィルム(日本合成化学工業株式会社製、ボブロン)からなる包装材に、脱酸素剤とともに封入して薬剤包装体とした。
【0049】
この包装材では、波長λが200≦λ≦305nmの光線透過率が60%以下、波長λが450nmの光線透過率が85%であった。
【0050】
なお、上記各実施例及び比較例における光線透過率の測定は、日本薬局方のプラスチック製医薬品容器試験法の透明性試験第1法に準じて行った。
【0051】
上記実施例1〜5及び比較例に係る薬剤容器及び包装材は、透明であり、外部から内部を視認することができる。そして、上記実施例1に係る薬剤容器、実施例2〜5に係る薬剤包装体、及び比較例に係る薬剤包装体を以下の2つの条件下で一ヶ月間保存した。条件1は、室温で1000ルクスの室内散乱光下での保存であり、条件2は室温で2000ルクスのD65蛍光ランプの照射下での保存である。保存終了後、薬剤容器内の塩酸チアミンの量を測定し、保存前の量と比較して残存率を求めた。結果は、以下の通りである。
【0052】
【表3】

【0053】
以上の結果より、波長λが200≦λ≦305nmの光線を遮断することができる材料によって薬剤容器または包装材を形成することにより、外部から内部の確認ができる包装形態であっても、塩酸チアミンを長期間に亘って安定化することができる。特に、実施例1,2及び5に示すように、波長λが305<λ≦350nmの光線を遮断可能な材料で薬剤容器または包装材を形成すると、過酷な環境であっても長期間にわたって塩酸チアミンを安定化することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 薬剤包装体
3 薬剤容器
5 包装材
7 容器本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビタミンB1を含有した薬剤を収容し、しかも、波長λが200≦λ≦305nmの光線透過率が5%以下であり、且つ波長λが450nmの光線透過率が50%以上の材料で形成された容器本体を備えている薬剤容器。
【請求項2】
前記容器本体は、波長λが305<λ≦350nmの光線透過率が10%以下の材料で形成されている請求項1に記載の薬剤容器。
【請求項3】
前記容器本体は、無機系酸化物超微粒子体または有機系光線遮断材料を含む層を少なくとも1層有する熱可塑性プラスチックフィルムにより形成されている請求項1または2に記載の薬剤容器。
【請求項4】
前記容器本体は、酸素透過性の低い材料で形成されている請求項1から3のいずれかに記載の薬剤容器。
【請求項5】
ビタミンB1を含有した薬剤が収容された薬剤容器を包装する包装材であって、
波長λが200≦λ≦305nmの光線透過率が5%以下であり、且つ波長λが450nmの光線の透過率が50%以上の材料で形成されている包装材。
【請求項6】
波長λが305<λ≦350nmの光線透過率が10%以下の材料で形成されている請求項5に記載の包装材。
【請求項7】
無機系酸化物超微粒子体または有機系光線遮断材料を含む層を少なくとも1層有する熱可塑性プラスチックフィルムにより形成されている請求項5または6に記載の包装材。
【請求項8】
酸素透過性の低い材料で形成されている請求項5から7のいずれかに記載の包装材。
【請求項9】
請求項1から4のいずれかに記載の薬剤容器と、
前記薬剤容器を収容する透明または半透明の材料で形成された包装材と
を備えている薬剤包装体。
【請求項10】
ビタミンB1を含有した薬剤が収容された薬剤容器と、
前記薬剤容器を収容する請求項5から8のいずれかに記載の包装材と
を備えている薬剤包装体。
【請求項11】
前記薬剤容器の容器本体が酸素透過性の低い材料で形成されている請求項9または10に記載の薬剤包装体。
【請求項12】
前記包装材が酸素透過性の低い材料で形成されている請求項9または10に記載の薬剤包装体。
【請求項13】
前記包装材に収容される脱酸素剤をさらに備えている請求項12に記載の薬剤包装体。

【図1】
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【公開番号】特開2011−115632(P2011−115632A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−57547(P2011−57547)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【分割の表示】特願2003−326850(P2003−326850)の分割
【原出願日】平成15年9月18日(2003.9.18)
【出願人】(000149435)株式会社大塚製薬工場 (154)
【Fターム(参考)】