説明

薬剤溶解装置

【課題】簡単な構成により、簡易に電気伝導率計の感度変化を検知することのできる薬剤溶解装置を提供する。
【解決手段】薬剤溶解装置1は、溶解槽15における1回の溶解工程で調製された溶液を系外に導出した後に、その溶解工程で調製された溶液の一部を一定量貯留する、開閉手段23よりも上流側の貯留部(ポンプ19等)と、溶解槽15における前回の溶解工程で調製された溶液を系外に導出した後に、開閉手段23を閉状態とし、溶媒供給手段16により溶媒を供給して、溶質供給手段13により溶質を供給する前に貯留部(ポンプ19等)内の液と溶媒とを混合した、溶質供給前状態における電気伝導率計24の検出値の基準値を記憶する記憶手段32と、溶質供給前状態における電気伝導率計24の検出値と記憶手段32に記憶された基準値とに基づいて電気伝導率計24の感度変化を検知する検知手段31と、を有する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば医療分野における血液透析液の調製に利用される薬剤溶解装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば医療分野における血液透析液(以下、単に「透析液」という。)の調製のために、透析施設などにおいて血液透析用乾燥薬剤(以下、「乾燥薬剤」という。)を水に溶解することが広く行われている。
【0003】
透析液の調製に用いられる従来の薬剤溶解装置は、溶解槽と、溶解槽にR/O(Reverse Osmosis:逆浸透)水を供給する給水手段と、溶解槽に供給されるR/O水を計量する計量手段と、計量されたR/O水に例えば顆粒状とされる乾燥薬剤を溶解するための撹拌手段と、乾燥薬剤を溶解した後の溶液を溶解槽から外部に送液する手段と、を備えている。
【0004】
透析液は、治療上の必要性から、その濃度を適正な値に正しく管理しなければならない。そのため、従来、薬剤溶解装置には、乾燥薬剤の溶液の濃度を検出する濃度検出手段が設けられている。濃度検出手段としては、構成が簡単で取り扱いやすく、しかも測定値の変動要因が少なく高信頼性であるなどの多くの利点を有するため、電気伝導率計が用いられている。
【0005】
例えば、溶解槽からの液を循環させる経路に電気伝導率計を設け、溶液の電気伝導率を検出しながら、乾燥薬剤を溶解槽に供給し、電気伝導率計の指示値が所定の値となった時点で乾燥薬剤の供給を停止する。これにより、乾燥薬剤が所定の濃度で溶解された溶液を得ることができる(例えば、特許文献1〜3参照)。
【特許文献1】特開平7−275354号公報
【特許文献2】特開平10−85573号公報
【特許文献3】特公平1−55893号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、電気伝導率計は、経時により、或いは何らかの突発的な事由により、感度が変化することがある。
【0007】
電気伝導率計の感度が変化した場合には、例えば、電気伝導率計の測定用電極(以下「電気伝導率セル」という。)を交換したり、洗浄可能な電気伝導率セルの場合には洗浄を行ったりすることで、再び正規の感度に復帰させることができる。
【0008】
従来、電気伝導率計の感度変化を検出するためには、例えば、乾燥薬剤を溶解する毎に、調製された溶液を人手によりサンプリングし、その濃度を浸透圧計などの別の濃度検出手段により測定する必要があった。
【0009】
このような電気伝導率計の感度変化の検出方法は、操作が煩雑であり、電気伝導率セルの使用の可否或いは交換時期の判定までに時間がかかり、又相応のコストがかかるという問題がある。
【0010】
本発明は斯かる従来の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、特別な装置を付加することなく、簡単な構成により、簡易に電気伝導率計の感度変化を検知することのできる薬剤溶解装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的は本発明に係る薬剤溶解装置にて達成される。要約すれば、本発明は、溶解槽と、前記溶解槽に溶媒を供給する溶媒供給手段と、前記溶解槽に溶質を供給する溶質供給手段と、前記溶解槽内の液の電気伝導率を検出するための電気伝導率計と、前記溶解槽からの液を系外に導出する導出路と、前記導出路を介した送液を可能とする開状態と該送液を不可能とする閉状態との間で切り替わる開閉手段と、を有し、前記電気伝導率計により前記溶解槽内の液の電気伝導率を検出することにより、溶媒に所定濃度の溶質が溶解された溶液を調製する薬剤溶解装置において、
前記溶解槽における1回の溶解工程で調製された溶液を系外に導出した後に、その溶解工程で調製された溶液の一部を一定量貯留する、前記開閉手段よりも上流側の貯留部と、
前記溶解槽における前回の溶解工程で調製された溶液を系外に導出した後に、前記開閉手段を閉状態とし、前記溶媒供給手段により溶媒を供給して、前記溶質供給手段により溶質を供給する前に前記貯留部内の液と溶媒とを混合した、溶質供給前状態における前記電気伝導率計の検出値の基準値を記憶する記憶手段と、
前記溶質供給前状態における前記電気伝導率計の検出値と、前記記憶手段に記憶された前記基準値と、に基づいて前記電気伝導率計の感度変化を検知する検知手段と、
を有することを特徴とする薬剤溶解装置である。
【0012】
本発明の一実施態様によると、前記記憶手段に記憶された基準値をa、前記溶質供給前状態における前記電気伝導率計の検出値をbとした時、前記検知手段は|b−a|の値を演算により求め、その演算結果と所定値とを比較することにより、前記電気伝導率計の感度変化量が所定量以上となったことを検知する。
【0013】
又、本発明の一実施態様によると、薬剤溶解装置は更に、前記検知手段の検知結果を報知する報知手段を有する。前記報知手段は、前記検知手段の検知結果に応じて、前記電気伝導率計の測定用電極が使用不可能であること、該測定用電極の交換時期であること、又は該測定用電極の洗浄が必要であることを示す警告を発することができる。或いは、前記報知手段は、前記検知手段の検知結果に応じて、前記電気伝導率計の測定用電極のセル定数の変更、又は前記溶解槽内で調製される溶液の電気伝導率の目標値の変更を促す警告を発することができる。
【0014】
本発明の一実施態様によると、前記貯留部は、前記開閉手段よりも上流側の前記導出路、又は前記開閉手段よりも上流側の前記導出路に設けられた送液手段によって構成される。
【0015】
又、本発明の好ましい一実施態様によれば、前記電気伝導率計は、前記開閉手段よりも上流側において、前記導出路を流動する液を前記溶解槽に環流させる環流経路を流動する液の電気伝導率を検出するように配置されており、前記電気伝導率計の検出値は、前記溶解槽からの液を前記環流経路を介して循環している状態で得られる。この場合、前記貯留部は、前記開閉手段よりも上流側の前記導出路、前記開閉手段よりも上流側の前記導出路に設けられた送液手段、又は前記環流経路によって構成される。
【0016】
典型的な実施態様では、前記溶質は、血液透析用乾燥薬剤であり、又、前記溶媒は、逆浸透水である。
【0017】
又、本発明の一実施態様によると、薬剤溶解装置は更に、前記基準値を入力する入力手段を有する。そして、一実施態様では、前記入力手段は、使用する溶質を選択するスイッチである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、特別な装置を付加することなく、簡単な構成により、簡易に電気伝導率計の感度変化を検知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係る薬剤溶解装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0020】
実施例1
図1は、本発明に係る薬剤溶解装置の一実施例の概略構成を示す。本実施例では、薬剤溶解装置1は、透析液のA液(又はA剤の濃厚溶液であるA原液)を調製する血液透析用乾燥薬剤溶解装置として好適に使用することができる。
【0021】
図1に示すように、薬剤溶解装置1は、溶解槽15を有する。又、薬剤溶解装置1は、乾燥薬剤であるA−1剤(A剤におけるグルコース(ブドウ糖)を除いた電解質分の粉末状薬剤)101を貯留した薬剤貯留手段としての第1ホッパー11と、乾燥薬剤であるA−2剤(A剤におけるグルコース(非電解質)分の粉末状薬剤)102を貯留した薬剤貯留手段としての第2ホッパー12とを有する。第1、第2ホッパー11、12は、それぞれ溶質供給手段としての第1供給装置13、第2供給装置14を介して溶解槽15に接続されている。
【0022】
溶解槽15には、水系の極性溶媒であるR/O水を溶解槽15に供給する溶媒供給手段としての入口管路16が、電磁弁である入口弁17を介して接続されている。又、溶解槽15の出口には、出口管路18が接続されている。出口管路18には、送液手段としてのポンプ19が介装されている。又、このポンプ19には、溶解槽15から送出された液を再度溶解槽15に環流させるための環流管路20が接続されている。更に、ポンプ19には、溶解槽15にて調製された所定濃度の溶液を図示しない貯留槽へと送給するための送給管路21が接続されている。本実施例では、出口管路18と送給管路21とが、溶解槽15からの液を薬剤溶解系外に導出する導出路を構成する。
【0023】
環流管路20には電磁弁である環流路弁22及び電気伝導率計24が設置されている。又、送給管路21には、電磁弁である送給路弁23が設置されている。本実施例では、送給管路21に設けられた送給路弁23が、導出路(出口管路18及び送給管路21)を介した送液を可能とする開状態と該送液を不可能とする閉状態との間で切り替わる開閉手段を構成する。
【0024】
本実施例の薬剤溶解装置1により透析液のA液(又はA原液)を調製する際には、先ず、環流路弁22、送給路弁23が閉じられた状態で、入口弁17が開かれ、入口管路16を通してR/O水が溶解槽15に導入される。水量は、溶解槽15内に設けられた計量手段としてのフロートスイッチ25で計量される。水量が計量されると、入口弁17が閉じられ、環流路弁22を開、送給路弁23を閉とした状態でポンプ19が作動される。これにより、溶解槽15内の水は、出口管路18及び環流管路20を介して循環され、撹拌される。
【0025】
続いて、第1ホッパー11からA−1剤101が第1供給装置13を介して溶解槽15内へと連続的に供給される。A−1剤101は、透析液のA剤におけるグルコースを除いた塩化ナトリウムを主体とした電解質分で、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、酢酸ナトリウム、氷酢酸を所定の割合で含む粉末状薬剤である。
【0026】
A−1剤101は、循環する水により溶解槽15内にて撹拌、混合される。この時、環流管路20に設置された電気伝導率計24は、環流管路20内を流動する液の電気伝導率を検出する。この電気伝導率を検出することにより、A−1剤溶液の電気伝導率とA−1剤の濃度との関係(検量線)に基づいて、A−1剤溶液のA−1剤濃度を測定することができる。
【0027】
本実施例では、電気伝導率計24の検出信号は、制御部30において増幅、A/D変換などの所定の信号処理を経てコントローラ31に入力される。制御部30の記憶手段32には、A−1剤溶液の電気伝導率とA−1剤101の濃度との関係(検量線)に基づいて予め決められた、A−1剤溶液に対する電気伝導率計24の検出値の目標値が記憶されている。コントローラ31は、第1供給装置13を制御してA−1剤101を適宜供給すると共に、電気伝導率計24の検出値と目標値とを比較して、検出値が目標値に達したことを検知した時点で第1供給装置13によるA−1剤101の供給を停止させる。これにより、所定の濃度のA−1剤101を含有するA−1剤溶液が調製される。
【0028】
所定濃度のA−1剤溶液が溶解槽15内に調製されると、次に、A−1剤溶液の流動による撹拌下に、A−2剤102が、第2ホッパー12から第2供給装置14により所定量ずつ溶解槽15へと供給される。A−2剤102は、透析液のA剤におけるグルコース(非電解質)分の粉末状薬剤である。溶解槽15内のA−1剤溶液とA−2剤102とは、ポンプ19により環流管路20を介して循環流動されることにより、十分に撹拌され、A−1剤溶液にA−2剤102が溶解された混合溶液となる。この時、環流管路20に設置された電気伝導率24は、環流管路20内を流動する液の電気伝導率を検出する。この電気伝導率を検出することにより、混合溶液の電気伝導率とA−2剤濃度との関係(検量線)に基づいて、混合溶液のA−2剤濃度を測定することができる。
【0029】
尚、例えば、前述の特許文献2に開示されるように、電解質溶液に非電解質を添加していくと、非電解質の添加量の増加に従って溶液の電気伝導率が一定の関係で減少する。従って、予め電解質と非電解質が同一な系について混合溶液の電気伝導率と非電解質の濃度との相関関係(検量線)を求めておけば、混合溶液の電気伝導率を測定することにより、非電解質濃度を測定することができる。
【0030】
本実施例では、電気伝導率計24の検出信号は、制御部30において増幅、A/D変換などの所定の信号処理を経てコントローラ31に入力される。制御部30の記憶手段32には、所定濃度のA−1剤溶液にA−2剤102を添加した時の、混合溶液の電気伝導率とA−2剤102の濃度との関係(検量線)に基づいて予め決められた、混合溶液に対する電気伝導率計24の検出値の目標値が記憶されている。コントローラ31は、第2供給装置14を制御してA−2剤102を適宜供給すると共に、電気伝導率計24の検出値と目標値とを比較して、検出値が目標値に達したことを検知した時点で第2供給装置14によるA−2剤102の供給を停止させる。これにより、所定濃度のA−2剤102を含有する混合溶液が調製される。
【0031】
このようにして、所定濃度のA−1剤101とA―2剤102とを含有する混合溶液、即ち、A液(又はA原液)が調製されると、次に、環流路弁22が閉とされ、又送給路弁23が開とされることによって、溶解槽15内の混合溶液が送給管路21へ排出される。この混合溶液は、送給管路21を流動して図示しない貯留槽へと供給される。
【0032】
例えば、薬剤溶解装置1により調製されたA液が供給される貯留槽の下流側には、透析液供給装置又は個人用透析装置が接続される。透析液供給装置又は個人用透析装置は、他の溶解装置にて調整された透析液のB液(又はB剤の濃厚溶液であるB原液)と、薬剤溶解装置1により調製されたA液(又はA原液)とをR/O水で希釈混合して、所定濃度の透析液を調製する。尚、透析液B液は、炭酸水素ナトリウムであるB剤の所定濃度の水溶液である。
【0033】
本実施例では、上述のように溶解槽15内の混合溶液が排出されて、溶解槽15が空になった時点で、一旦環流路弁22が開とされ、電気伝導率計24、環流管路20に溜まっている残留液を出口管路18、ポンプ19まで排出する。
【0034】
以上のような工程が終了すると、送給路弁23は閉じられ、1回の溶解動作が終了する。そして、次回の溶解動作時には、上述の動作が繰り返される。
【0035】
本実施例では、ポンプ19として、大量の送液を短時間で行う上で有利な非自給式ポンプを使用している。非自給式ポンプは、空気を吸い込むと、それ以上排出を行わなくなるため、一定量の残留液が出口管路18、ポンプ19間に残る。
【0036】
ここで、前述のように、電気伝導率計24は、経時により、例えば、電気伝導率計24の電気伝導率セルにA−1剤101又はA−2剤に含まれる不純物が付着するなどして感度が変化することがある。或いは、何らかの突発的な事由により、感度が急激に変化する可能性もある。
【0037】
例えば、上述のように電気伝導率の測定値が目標とする電気伝導率の値になるまで薬剤を投入して溶解する薬剤溶解装置1にあっては、仮に電気伝導率計24の感度が変化していても、溶解動作の終了時において電気伝導率の値は正常範囲内の値となる。即ち、電気伝導率計24の感度変化を補足することなく溶解動作を終了することで、結果的に不適当な濃度の溶液を調製することになる。
【0038】
透析液は、最終的に透析液供給装置又は個人用透析装置において電気伝導率などを検出することによってその濃度が監視されるが、電気伝導率計24の感度変化により不適当な濃度の透析液が調製されると、調製された透析液が無駄になるばかりでなく、時間的な損失も無視できない。そのため、常に適切な濃度の透析液を調製できるように薬剤溶解装置1の信頼性を高めることが重要である。
【0039】
従って、電気伝導率計24の感度が変化した場合には、電気伝導率計24の電気伝導率セルを交換するか、又は洗浄可能な電気伝導率セルの場合には洗浄を行うことで、再び正規の感度に復帰させる必要がある。
【0040】
又、薬剤溶解装置1の信頼性を高めるためには、電気伝導率計24の感度が変化した場合には、上記の如く電気伝導率セルを交換又は洗浄することが好ましいが、場合によっては、電気伝導率計24の検出信号を処理する際のセル定数を変更するか、薬剤溶解時の電気伝導率計24の検出値の目標値を変更することで対応することもできる。
【0041】
しかしながら、前述のように、従来、簡易に電気伝導率計24の感度変化を検知することはできなかった。
【0042】
そこで、本実施例では、薬剤溶解装置1は、次のような構成とされる。即ち、薬剤溶解装置1は、溶解槽15における1回の溶解工程で調製された溶液を系外に導出した後に、その溶解工程で調製された溶液の一部を一定量貯留する、送給路弁23よりも上流側の貯留部を有する。このような薬剤溶解装置1は、記憶手段を有しており、この記憶手段には、少なくとも次の情報が記憶される。即ち、溶解槽15における前回の溶解工程で調製された溶液を系外に導出した後に、送給路弁23を閉状態とし、入口管路16により溶媒(R/O水)を供給して、第1、第2供給装置13、14により溶質(A−1剤、A−2剤)を供給する前に上記貯留部内の液と溶媒とを混合した、溶質供給前状態における電気伝導率計24の検出値の基準値が予め求められて、記憶手段に記憶される。そして、薬剤溶解装置1は、上記溶質供給前状態における電気伝導率計24の実際の検出値と、記憶手段に記憶された上記基準値と、に基づいて電気伝導率計24の感度変化を検知する検知手段を有する。本実施例では、制御部30に上記基準値の情報を記憶する記憶手段32が設けられ、又制御部30のコントローラ31が上記検知手段として機能する。記憶手段32は、電子的な不揮発性メモリ、揮発性メモリとバックアップ電源との組み合わせなど、任意の形態を採ることができる。又、コントローラ31は、制御部、演算部、記憶部などを備えた一般的なマイクロプロセッサであってよい。以下、更に詳しく説明する。
【0043】
上述のように、溶解槽15において調製された、A−1剤101とA−2剤102とを所定濃度で含有する混合溶液、即ち、A液(又はA原液)は、送給管路21を介して溶解系外の貯留槽に導出される。そして、次回の溶解動作が開始される前に送給路弁23が一旦閉じられる。この時、本実施例の薬剤溶解装置1では、前回の溶解動作時の混合溶液の一部が、送給路弁23よりも上流側、例えば、送給路弁23より上流側の送給管路21、ポンプ19、出口管路18、又は環流管路20に残留する。
【0044】
従って、次回の溶解動作を開始した時、入口管路16を介してR/O水が供給されると、このR/O水と、前回の溶解動作で調製された混合溶液の残留液とが混合される。本実施例では、所定量のR/O水が溶解槽15に供給されると、送給路弁23を閉とした状態で、環流路弁22が開かれて、ポンプ19が作動される。これにより、積極的に、前回の溶解動作で調製された混合溶液の残留液と、新たに供給されたR/O水とが混合される。
【0045】
ここで、同一の薬剤溶解装置1においては、送給路弁23より上流側における残留液の量は一定である。即ち、送給路弁23より上流側の送給管路21、ポンプ19、出口管路18、又は環流管路20の容量や配置態様などによって、残留液の量は実質的に一義的に決まる。
【0046】
このため、同一の薬剤溶解装置1において、溶解槽15に新たなR/O水を供給して計量し、新たなA−1剤101、A−2剤102を供給する前に前回の溶解動作の残留液と新たに供給されたR/O水とを混合した時の、溶解槽15内の液の電気伝導率は、実質的に常に一定である。従って、電気伝導率計24の感度が変化していなければ、この状態における電気伝導率計24の検出値は、実質的に常に一定になる。
【0047】
そこで、本実施例では、溶解槽15に新たなR/O水を供給して計量し、新たなA−1剤101、A−2剤102を供給する前に前回の溶解動作の残留液と新たに供給されたR/O水とを混合した時の、溶解槽15内の液の電気伝導率の検出値bと、予め設定した同状態での電気伝導率計の検出値の基準値(初期値)aとに基づいて、電気伝導率計24の感度変化を検知する。
【0048】
より具体的には、本実施例では、コントローラ31は、溶解槽15にR/O水を供給して計量した後に、環流管路20を介して溶解槽15内の液を循環させると共に、その時の電気伝導率計24の検出値bを読み込む。電気伝導率24の検出信号は、制御部30において増幅、A/D変換等の所定の信号処理を経てコントローラ31に入力される。一方、制御部30の記憶手段32に、上記基準値aの情報が記憶されている。コントローラ31は、電気伝導率計24の検出値bと、基準値aとの差|b−a|を演算により求める。この|b−a|の値は、電気伝導率計24の感度変化量に相当する。
【0049】
そして、コントローラ31は、上記演算の結果得られた|b−a|の値と、記憶手段32に記憶されている電気伝導率計24の感度変動の所定の閾値とを比較し、|b−a|の値がその閾値以上であるか否かを判断する。コントローラ31は、|b−a|の値が閾値以上である場合には、許容範囲以上に電気伝導率計24の感度が変化したと判断する。
【0050】
コントローラ31は、上述のようにして許容範囲以上の電気伝導率計24の感度変化を検知した場合には、検知結果を報知する報知手段としての、薬剤溶解装置1の操作部40において、電気伝導率計24の電気伝導率セルが使用不可能であること、電気伝導率セルの交換時期であること、又は電気伝導率セルの洗浄が必要であることを示す警告を発する。
【0051】
或いは、コントローラ31は、許容値以上の電気伝導率計24の感度変化を検知した場合には、操作部40において、電気伝導率計24の検出信号を電気伝導率値に変換する際の信号処理に用いるセル定数の変更、又は溶解槽15内でA−1剤溶液、A−1剤溶液にA−2剤が溶解された混合溶液(即ち、A液又はA原液)を調製する際の電気伝導率計24の検出値の目標値の変更を促す警告を発することができる。
【0052】
警告の形態としては、操作部40に設けられたLCDパネルなどの表示部における表示、LEDなどの警告灯の点灯、或いは警報音又は音声による警報などの任意の形態を採ることができる。
【0053】
これにより、薬剤溶解装置1の使用者は、上記の如き警告が発された場合に、電気伝導率計24の電気伝導率セルを交換又は洗浄することで、電気伝導率計24の感度を復帰させることができる。
【0054】
或いは、セル定数の変更又は溶解動作における電気伝導率計24の目標値の変更ができるようになっている場合には、操作部40から、電気伝導率計24の感度変化が相殺される方向にこれらセル定数又は目標値を変更するための入力を行うことができる。この場合、コントローラ31は、次回の溶解動作から、変更されたセル定数又は目標値を使用することで、感度変化の影響が校正された状態で溶解動作を制御することができる。
【0055】
尚、コントローラ31は、|b−a|の値を多段階に複数設定された閾値と比較することにより、多段階に警告を発することもできる。例えば、|b−a|の値がより小さい閾値以上となった時に、電気伝導率セルを洗浄すべきであることを示す警告を発し、|b−a|の値がより大きい閾値以上となった時に、電気伝導率セルを交換すべきであることを示す警告を発するようにすることができる。
【0056】
又、基準値aは、薬剤溶解装置1の製造時又は工場出荷時に予め記憶手段32に記憶されてもよいし、薬剤溶解装置1を使用現場に設置した後の所定の手順により行われる初期設定時に、上記薬剤供給前状態にて検出した電気伝導率計24の検出値を基準値として記憶させてもよい。例えば、入力手段として、薬剤溶解装置1の操作部40の入力キーなどから基準値aの情報を入力し、記憶手段32に記憶させることができる。又、上述のような初期設定時に、自動的に基準値aに相当する電気伝導率の検出値を記憶手段32に記憶させるようになっていてもよい。更に、異なる溶質、例えば、種類の異なる乾燥薬剤に対応して複数の基準値aを記憶手段32に記憶させることもできる。この場合、入力手段として、使用される溶質、例えば、乾燥薬剤の種類を選択する選択手段としてのスイッチを操作部40に設けることができる。使用者がこのスイッチにより、使用される溶質を選択すると、以降、コントローラ31は、選択された溶質に対応する基準値aを記憶手段32から読み出して上述のような制御に用いることができる。
【0057】
更に、電気伝導率計24の感度変動の検知は、毎回の溶解動作時に行ってもよいし、複数回の溶解動作毎に行ってもよい。
【0058】
次に、実験例を通して本発明の効果について更に説明する。以下の実験例は、本発明の理解を容易とするために提供するものであって、本発明を以下の実験例の具体的構成にのみ限定する意図はないことを理解されたい。
【0059】
(実験例)
本実験例では、本実施例の薬剤溶解装置1により透析液のA源液を調製する。A剤としてキンダリー2D号(扶桑薬品工業社製)を使用した。キンダリー2D号は、A剤が、電解質分であるA−1剤と、グルコース(非電解質)分であるA−2剤とから成る。本実施例の薬剤溶解装置1においては、キンダリー2D号を使用する場合は、R/O水にA−1剤を溶解する時の電気伝導率計24の検出値の目標値(A−1剤溶解目標値)は212.0mS/cmである。又、A−1剤溶液にA−2剤を溶解する時の電気伝導率計24の検出値の目標値(A−2剤溶解目標値)は194.5mS/cmである。又、調製されたA源液を35倍希釈したA液の浸透圧の規定値は222mOsm/kgである。
【0060】
表1は、電気伝導率計24の感度変化が無い場合における、調製されたA原液の電気伝導率の検出値、調製されたA原液を35倍希釈したA液の浸透圧の検出値、及びR/O水を計量した後でA−1剤を供給する前の溶解槽15内の液の電気伝導率の検出値(薬剤投入前の電気伝導率)を示す。
【0061】
尚、表中、1回目と示される溶解動作は、予め少なくとも1回の溶解動作によりA原液を調製し、排出して、送給路弁23を閉じた状態から開始した。
【0062】
【表1】

【0063】
表1に示すように、電気伝導率計24の感度変化が無い場合には、調製されたA原液の電気伝導率、A原液を希釈したA液の浸透圧は共に、規定値でほぼ一定値となる。又、薬剤投入前の電気伝導率もほぼ一定である。即ち、計量されたR/O水に前回の溶解動作における残留液が混合された液の電気伝導率はほぼ一定であることが分かる。ここで、表1に示す薬剤投入前の電気伝導率の5回分の測定値の平均値を基準値とする。
【0064】
次に、表2は、電気伝導率計24の感度が3%低下した場合における、表1と同様のA原液の電気伝導率、A液の浸透圧、及び薬剤投入前の電気伝導率の各検出値を示す。又、表2には、薬剤投入前の電気伝導率の検出値と、表1の結果から求めた基準値との差も示した。
【0065】
尚、電気伝導率計24の感度低下は、電気伝導率計24のスパン上限値を変化させることにより、擬似的に発生させた。
【0066】
【表2】

【0067】
表2に示すように、電気伝導率24の感度が低下した場合には、結果的にA液の浸透圧は大きくなる方向に規定値からずれることになる。
【0068】
次に、表3は、電気伝導率計24の感度が3%上昇した場合における、表1と同様のA原液の電気伝導率、A液の浸透圧、及び薬剤投入前の電気伝導率の各検出値を示す。又、表3には、薬剤投入前の電気伝導率の検出値と、表1の結果から求めた基準値との差も示した。
【0069】
尚、上記同様、電気伝導率計24の感度上昇は、電気伝導率計24のスパン上限値を変化させることにより、擬似的に発生させた。
【0070】
【表3】

【0071】
表3に示すように、電気伝導率24の感度が上昇した場合には、表2に示す電気伝導率計24の感度が低下した場合とは逆に、結果的にA液の浸透圧は小さくなる方向に規定値からずれることになる。
【0072】
表1〜表3の結果から分かるように、電気伝導率計24の感度変化が発生した時には、同じ電気伝導率の目標値でA原液を調製すると、結果的にA液の浸透圧は、電気伝導率計24の感度変化に応じて変化する。そして、表2及び表3の結果から分かるように、電気伝導率計24の感度が変化した場合に、その感度変化量が同じであれば、薬剤投入前の電気伝導率(即ち、薬剤投入前の電気伝導率と基準値との差)はほぼ一定である。即ち、電気伝導率計24の感度変化量と、薬剤投入前の電気伝導率との間には一定の比例関係があることが分かる。
【0073】
従って、薬剤投入前の電気伝導率を基準値と比較することによって、電気伝導率計24の感度変化を検出することができる。典型的には、薬剤投入前の電気伝導率の検出値と基準値との差が所定の閾値以上となった場合に、電気伝導率計24の感度が許容範囲以上に変化したと判断すればよい。
【0074】
例えば、表1〜表3の結果より、薬剤投入前の電気伝導率の平均(基準)値との差(y)は、図2に示した35倍希釈後の浸透圧の平均(基準)値との差(x)を変数とした下記の直線回帰式、
y=7.9982×10-2x+1.1209×10-1 ・・・(1)
で表すことができる。
【0075】
ここで、A液の許容される35倍希釈後の浸透圧の平均(基準)値との差(x)を±8mOsm/kgとすると、(1)式より、薬剤投入前の電気伝導率の平均(基準)値との差(y)が、±0.75mS/cm以上となった場合に、許容範囲以上に電気伝導率計24の感度が変化したと判断することができる。このように、電気伝導率の検出値と基準値との差の所定の閾値は、調製物の濃度の許容される誤差との関係などにより適宜設定することができる。
【0076】
以上説明したように、本実施例によれば、電気伝導率計24を用いて溶液の濃度を検出する機能を有する薬剤溶解装置1において、特別な装置を付加することなく、簡単な構成により、簡易に電気伝導率計の感度変化を検知することができる。
【0077】
尚、上記実施例のように、送液系をどのように構成した場合にも、通常、残留液は生じる。又、送液手段として非自給式ポンプなどを使用すると、一般に、不可避的に残留液が生じる。即ち、前回の溶解動作の残留液が所定量貯留される貯留部(又はその少なくとも一部)は、特別に形成することなく、通常設けられる送液系によって構成することができる。但し、例えば送液手段として自給式ポンプを使用するなどして、残留液が生じない(又は極めて少ない)送液系の場合には、積極的に貯留部を形成するようにしてもよい。このように、本発明の実現のために特別に貯留部を設ける場合であっても、例えば、管路の一部を、ループを形成することなどにより、十分の残留液を保持し得るように変形又は配管するだけでよいので、装置の構成が複雑化することはない。
【0078】
又、上記実施例では、溶解槽内の液を撹拌する撹拌手段として、溶解槽からの液を環流させる環流管路を設けた。しかし、これに限定されるものではなく、溶解槽内の液を撹拌するために別途撹拌翼などの撹拌手段を設けてもよい。この場合にも、開閉手段より上流側の貯留部に貯留された前回の溶解動作時の残留液は、溶媒が供給され且つ溶質が供給される前に溶媒に混合されることになる。
【0079】
又、例えば、上記のように溶解槽からの液を環流させない構成などにおいて、電気伝導率計を直接溶解槽内の液の電気伝導率を検出するように設けてもよい。或いは、溶解槽からの液の一部が逐次排出される経路を設け、その経路内の液の電気伝導率を検出するように電気伝導率を設けてもよい。つまり、電気伝導率計は、溶解槽内の液の電気伝導率を逐次に検出できるようになっていればよい。
【0080】
又、上記実施例では、薬剤溶解装置は、A−1剤とA−2剤とから成るA剤を溶解してA液(又はA原液)を調製するものとして説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、A剤の電解質分と非電解質分とが1剤化されたものがある。A剤が1剤化されている場合には、A剤をR/O水に溶解すると共に、その溶液の電気伝導率を測定することによって、所定の濃度のA液(又はA原液)を調製することができる。この場合、薬剤溶解装置は、上記実施例の薬剤溶解装置から第2ホッパー及び第2供給装置を省いたものに相当し、又これらの要素を用いる工程を省いた工程によりA液(又はA原液)を調製する。同様の薬剤溶解装置は、例えば、炭酸水素ナトリウムの水溶液である透析液のB液の調製にも使用できる。このような装置においても本発明を適用し得ることは上記説明から明らかである。
【0081】
更に、薬剤溶解装置は、透析液の調製用のものに限定されるものではなく、広く他の薬剤の溶解のために使用することができる。例えば、食品工業や製薬工業において、例えば、食塩や炭酸ソーダなどを水や他の水系の極性溶媒に溶解した溶液、更にはこの電解質溶液に砂糖やアルコールなどの非電解質を混合した混合溶液を使用することは多い。このような、他の薬剤の溶解のための薬剤溶解装置にも、本発明は等しく適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明に係る薬剤溶解装置の一実施例の概略構成図である。
【図2】電気伝導率計の感度変化を判断する方法の一例を説明するためのグラフ図である。
【符号の説明】
【0083】
1 薬剤溶解装置
13 第1供給装置(溶質供給手段)
14 第2供給装置(溶質供給手段)
15 溶解槽
16 入口管路(溶媒供給手段)
18 出口管路(導出路)
19 ポンプ(送液手段)
20 環流管路(環流経路)
21 送給管路(導出路)
22 環流路弁
23 送給路弁(開閉手段)
24 電気伝導率計
30 制御部
31 コントローラ(検知手段)
32 記憶手段
40 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶解槽と、前記溶解槽に溶媒を供給する溶媒供給手段と、前記溶解槽に溶質を供給する溶質供給手段と、前記溶解槽内の液の電気伝導率を検出するための電気伝導率計と、前記溶解槽からの液を系外に導出する導出路と、前記導出路を介した送液を可能とする開状態と該送液を不可能とする閉状態との間で切り替わる開閉手段と、を有し、前記電気伝導率計により前記溶解槽内の液の電気伝導率を検出することにより、溶媒に所定濃度の溶質が溶解された溶液を調製する薬剤溶解装置において、
前記溶解槽における1回の溶解工程で調製された溶液を系外に導出した後に、その溶解工程で調製された溶液の一部を一定量貯留する、前記開閉手段よりも上流側の貯留部と、
前記溶解槽における前回の溶解工程で調製された溶液を系外に導出した後に、前記開閉手段を閉状態とし、前記溶媒供給手段により溶媒を供給して、前記溶質供給手段により溶質を供給する前に前記貯留部内の液と溶媒とを混合した、溶質供給前状態における前記電気伝導率計の検出値の基準値を記憶する記憶手段と、
前記溶質供給前状態における前記電気伝導率計の検出値と、前記記憶手段に記憶された前記基準値と、に基づいて前記電気伝導率計の感度変化を検知する検知手段と、
を有することを特徴とする薬剤溶解装置。
【請求項2】
前記記憶手段に記憶された基準値をa、前記溶質供給前状態における前記電気伝導率計の検出値をbとした時、前記検知手段は|b−a|の値を演算により求め、その演算結果と所定値とを比較することにより、前記電気伝導率計の感度変化量が所定量以上となったことを検知することを特徴とする請求項1に記載の薬剤溶解装置。
【請求項3】
更に、前記検知手段の検知結果を報知する報知手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の薬剤溶解装置。
【請求項4】
前記報知手段は、前記検知手段の検知結果に応じて、前記電気伝導率計の測定用電極が使用不可能であること、該測定用電極の交換時期であること、又は該測定用電極の洗浄が必要であることを示す警告を発することを特徴とする請求項3に記載の薬剤溶解装置。
【請求項5】
前記報知手段は、前記検知手段の検知結果に応じて、前記電気伝導率計の測定用電極のセル定数の変更、又は前記溶解槽内で調製される溶液の電気伝導率の目標値の変更を促す警告を発することを特徴とする請求項3に記載の薬剤溶解装置。
【請求項6】
前記貯留部は、前記開閉手段よりも上流側の前記導出路、又は前記開閉手段よりも上流側の前記導出路に設けられた送液手段によって構成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の薬剤溶解装置。
【請求項7】
前記電気伝導率計は、前記開閉手段よりも上流側において、前記導出路を流動する液を前記溶解槽に環流させる環流経路を流動する液の電気伝導率を検出するように配置されており、前記電気伝導率計の検出値は、前記溶解槽からの液を前記環流経路を介して循環している状態で得られることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の薬剤溶解装置。
【請求項8】
前記貯留部は、前記開閉手段よりも上流側の前記導出路、前記開閉手段よりも上流側の前記導出路に設けられた送液手段、又は前記環流経路によって構成されることを特徴とする請求項7に記載の薬剤溶解装置。
【請求項9】
前記溶質は、血液透析用乾燥薬剤であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかの項に記載の薬剤溶解装置。
【請求項10】
前記溶媒は、逆浸透水であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかの項に記載の薬剤溶解装置。
【請求項11】
更に、前記基準値を入力する入力手段を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかの項に記載の薬剤溶解装置。
【請求項12】
前記入力手段は、使用する溶質を選択するスイッチであることを特徴とする請求項11に記載の薬剤溶解装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2007−117396(P2007−117396A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−313549(P2005−313549)
【出願日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(000219451)東亜ディーケーケー株式会社 (204)
【Fターム(参考)】