説明

薬剤発散器

【課題】組み付け工程を煩雑にすることなく、薬液を容器外に効率的に揮発・拡散する。
【解決手段】電源基板12が備えられた基板ユニット1と、電源基板12からの電力により駆動されるモータ31を備えた駆動ユニット3と、薬液を収納する容器80と、容器80内に気流を発生させるべく容器80の開口部近傍に設けられたファン60と、薬液を撹拌するスクリュー70と、基板ユニット1と駆動ユニット3と容器80とを収納するカバー部材50とを備えた薬剤発散器であって、駆動ユニット3に形成された係合突起44を、基板ユニット1に形成された穴部13,18に係合させて、基板ユニット1と駆動ユニット3とが一体化され、一体化された状態で、容器80を駆動ユニット3の下方側から組み付けるとともに、カバー部材50を駆動ユニット3の上方側から組み付けるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源基板が備えられた基板ユニットと、前記電源基板からの電力により駆動されるモータを備えた駆動ユニットと、薬液を収納する容器と、前記容器内に気流を発生させるべく前記容器の開口部近傍に設けられ前記モータにより回転駆動されるファンと、前記薬液を撹拌するべく前記ファンから下方に延在するスクリューと、前記基板ユニットと前記駆動ユニットと前記容器とを収納するカバー部材とを備えた薬剤発散器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の薬剤発散器として、例えば特許文献1には、薬液を収納する容器と、この容器内に気流を発生させるべく薬液の液面の上方に設けられた空気撹拌翼と、薬液を撹拌するべく薬液の内部に設けられた薬液撹拌翼とを備えた薬剤発散器が記載されている。この薬剤発散器は、容器の中心部に容器の内部から外部に延出する回転軸体が設けられ、当該回転軸体の容器内の部分にファンとスクリューとが設けられるとともに、回転軸体の容器から延出下部分に風車が設けられている。この薬剤発散器において、風車に風を当てることにより、ファンとスクリューとを回転させて、薬液を撹拌しつつ容器内に気流を発生させることにより、薬液を容器外に効率的に揮発・拡散させることができる。
【0003】
【特許文献1】実開昭49−20647号公報(4頁4−9行及び図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のような薬剤発散器では、動力源として回転軸体を回転させる電動モータを設ける場合がある。この場合、電動モータの他に、電源から電動モータへの電力供給を制御するための基板等が必要となる。このため、薬剤発散器に対して、モータや基板等を組み付ける必要があり、部品点数が増大して、組み付け工程が煩雑になるという問題があった。本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、組み付け工程を煩雑にすることなく、薬液を容器外に効率的に揮発・拡散させることができる薬剤発散器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1特徴構成は、電源基板が備えられた基板ユニットと、前記電源基板からの電力により駆動されるモータを備えた駆動ユニットと、薬液を収納する容器と、前記容器内に気流を発生させるべく前記容器の開口部近傍に設けられ前記モータにより回転駆動されるファンと、前記薬液を撹拌するべく前記ファンから下方に延在するスクリューと、前記基板ユニットと前記駆動ユニットと前記容器とを収納するカバー部材とを備えた薬剤発散器であって、前記駆動ユニットに形成された係合突起を、前記基板ユニットに形成された穴部に係合させて、前記基板ユニットと前記駆動ユニットとが一体化されるとともに、前記駆動ユニットと前記基板ユニットとが一体化された状態で、前記容器を前記駆動ユニットの下方側から組み付けるとともに、前記カバー部材を前記駆動ユニットの上方側から組み付けるように構成した点にある。
【0006】
本構成によれば、駆動ユニットに形成された係合突起を基板ユニットに形成された穴部に係合させるだけで、基板ユニットと駆動ユニットとを一体化することができる。このため、例えば、基板ユニットと駆動ユニットとを一体化するためのねじなどの部材を別途に設ける必要がなく、部品点数を削減することができる。また、基板ユニットと駆動ユニットとの一体化の際にねじの締結等の作業が不要であるので、作業工程を減少させることができる。さらに、一体化された駆動ユニット及び基板ユニットに対して、容器及びカバーを異なる方向から組付けることになるので、組付け作業が容易である。上述の結果、組み付け工程を煩雑にすることなく、薬液を容器外に効率的に揮発・拡散させることができる薬剤発散器を得ることができる。
【0007】
本発明の第2特徴構成は、前記組み付けの際の前記カバー部材と前記基板ユニットとの相対移動を案内するとともに、前記カバー部材と前記基板ユニットとが前記組み付けの方向と直行する方向に相対移動することを防止するリブを、前記カバー部材と前記基板ユニットとに各別に形成した点にある。
【0008】
本構成によれば、カバー部材を組付ける際に、カバー部材に形成されたリブと基板ユニットに形成されたリブとにより、リブ及び基板ユニットを互いに適切な組付位置に導くことができる。
【0009】
本発明の第3特徴構成は、前記電源基板と前記モータとに亘って設けられた導線を前記モータから前記基板ユニットの内部へ案内する案内部が、前記基板ユニットに形成されている点にある。
【0010】
本構成によれば、案内部により、導線を確実に基板ユニットの内部に案内することができる。
【0011】
本発明の第4特徴構成は、前記駆動ユニットの側から前記カバー部材に向けてねじを締結することにより、前記駆動ユニットと前記カバー部材とが固定されるように構成され、前記ねじの締結部位が前記ファンの回転半径と干渉する位置に設けられるとともに、前記ファンの外周部の少なくとも一部が前記締結部位よりも径方向内側に位置するよう構成されている点にある。
【0012】
本構成によれば、駆動ユニットとカバー部材とを固定するねじの締結部位をファンの回転半径と干渉する位置に設けることにより、ねじの締結部位をファンの回転半径の外側に設ける場合と比較して、駆動ユニット及びカバー部材を小型することができる。その一方で、ファンの外周部の少なくとも一部がねじの締結部よりも径方向内側に位置するよう構成されている。このため、ねじの締結部とファンの外周部がねじの締結部よりも径方向内側に位置する部位との相対回転位置を一致させた状態でねじを締結することにより、ファンと工具等の干渉を防止することができ、組付作業が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1、図2、及び図3に示すように、この薬剤発散器は、電源基板12が備えられた基板ユニット1と、電源基板12からの電力により駆動されるモータ31を備えた駆動ユニット3と、薬液9を収納する容器80と、容器80の開口部近傍に設けられモータ31により回転駆動されるファン60と、薬液9を撹拌するスクリュー70と、カバー部材50とを備える。この薬剤発散器は、基板ユニット1と駆動ユニット3とが、基板ユニット1の上側部分で互いに組付けられ、容器80が駆動ユニット3の下方側に取付けられ、カバー部材50が基板ユニット1と駆動ユニット3の上方から設けられた状態で構成されている。基板ユニット1と駆動ユニット3とは、互いに略直交するように組付けられている。
この薬剤発散器において家庭用電源や電池などの電源(図示せず)からの電力が、電源基板12を介してモータ31に供給されると、モータ31により、スクリュー70及びファン60が回転し、薬液が撹拌されるとともに、容器内に気流が発生して、薬液を容器外に効率的に揮発・拡散させることができる。薬液としては、例えば芳香剤、消臭剤、殺虫剤など目的に応じて適宜選択することができる。
【0014】
図2及び図3に示すように、基板ユニット1は、電源(図示せず)に接続されたアダプタが接続され電源からの電力を制御する制御回路(図示せず)が形成された電源基板12と、電源基板12を内部に収納する筐体状の収納ケース11とを備える。また、収納ケース11は、駆動ユニット3が取り付けられる第1ケース11aと、第1ケース11aに対向して収納空間を形成する第2ケース11bとを備える。
【0015】
図2及び図3に示すように、第1ケース11aの上側部分には、後述するモータホルダ34の係合突起44が係合する穴部13が形成されている。本実施形態では、穴部13は第1ケース11aの上側縁辺に沿って2箇所に形成されている。また、図3中の拡大図に示すように、モータ31と電源基板12とに亘って設けられる導線32を基板ユニット1から駆動ユニット3へと案内する案内部16が形成されている。本実施形態では、案内部16は第1ケース11に設けられた切欠である。具体的には、第1ケース11aの上側部分の縁部には、案内部16と連通する切欠17が形成されている。この切欠17の幅は、案内部16の幅よりもやや小さく設定され、案内部16に導線32を設けた後に、切欠17を通過して導線32が案内部から外れるのを防止している。また、第1ケース11aの両側方には、縁部に沿って延在するリブ14が形成されている。さらに、第1ケース11aには、複数のねじ穴15(本実施形態では3つ)が形成されている。
【0016】
図2及び図3に示すように、第2ケース11bには、第1ケース11aの穴部13が形成された箇所と対向する箇所に、係合突起44が係合する穴部18が形成されている。また、第1ケース11aのねじ穴15と対向する箇所にねじを締結する座部19が形成されている。また、図8に示すように、第2ケースの下方には、薬剤発散器が転倒した場合など、基板ユニット1に薬液等の液体が浸入した際に当該液体を外部に逃がすための液抜き穴20が形成されている。また、液抜き穴20の上方には、液抜き穴20と対向して、液抜き穴20から埃などの異物が混入するのを防止するリブ21が形成されている。
【0017】
図2及び図3に示すように、電源基板12には、ねじ穴15及び座部19と対向する位置にねじ穴22が形成されている。また、電源基板12の穴部13,18と対向する位置には、切欠23が形成され、穴部13,18に係合突起44を係合させる際に、係合突起44と電源基板12との干渉が防止される。
【0018】
図2及び図3に示すように、駆動ユニット3は、電源基板12からの電力により駆動されるモータ31と、モータ31を保持するモータホルダ34と、モータホルダ34にモータ31を固定する固定部材43とを備える。モータ31には、電源基板12からの電力をモータ31に供給する導線32の一端が接続され、導線32の他端が電源基板12に接続されている。
【0019】
図2及び図3に示すように、モータホルダ34には、当該モータホルダ34を基板ユニット1に取り付ける際に、穴部13,18に挿入される係合突起44が形成されている。図3及び図4に示すように、係合突起44の先端の部分は穴部18に形成された凸部24と係合する爪部45が形成されている。モータホルダ34の一方の面には、モータホルダ34の中心近傍の領域を取り囲むリブ35が立設されて、モータ保持空間36が形成されている。モータ保持空間36の略中央部には、モータ31の回転軸33を挿通する穴部が貫通形成されている。モータ保持空間36を形成するリブ35の一部に導線32を案内する切欠38が形成されるとともに、当該切欠38からモータホルダ34の外周に向けて導線32を電源基板12に案内する案内部37が形成されている。案内部37の基板ユニット1の側の端部は、第1ケース11aの案内部16と対向するように配置されている。また、図2及び図9に示すように、モータホルダ34の他方の面には、外周部に沿って、容器80を取り付けるための溝部39が形成されている。溝部39の内周側の壁部には、周方向に沿って延在する凸部40が形成されている。
【0020】
図2、図3及び図4に示すように、モータホルダ34には、容器80の内部と外部とを連通する通気孔41及び、モータホルダ34をカバー部材50に組み付ける際のねじ穴42とが形成されている。本実施形態では、ねじ穴42は3箇所に形成されている。また、図6に示すように、ねじ穴42は、ファン60の回転半径r(つまり、大径部63)と干渉するが、小径部64とは干渉しない位置に形成されている。
【0021】
また、図2、図3及び図5に示すように、カバー部材50は、駆動ユニット3及び基板ユニット1の上側部分と対向する天壁51と、天壁51の外周部分に立設された側壁52とを有し、容器80の底部及び基板ユニット1の下部と対向する側が開口している。図9に示すように、カバー部材50には、駆動ユニット3及び容器80を収納する第1収納空間53と、基板ユニット1を収納する第2収納空間54とが形成されている。側壁52の第1収納空間53と第2収納空間54との境界部に、容器80の第2収納空間54の側の外周部が当接するリブ55が、側壁52の立設方向に沿って形成されている。さらに、このリブ55よりも第2収納空間54の側の側壁52に、基板ユニット1に形成されたリブ14と当接するリブ56が、側壁52の立設方向に沿って形成されている。天壁51には、ねじ穴42と対向する位置に、ねじ92が締結される座部58が形成されている。また、カバー部材50の天壁51及び側壁52には、カバー部材50の内外を連通する通気孔57が形成されている。
【0022】
図3及び図7に示すように、ファン60は、底板62と底板62に立設された羽根部61とを備える。底板62は、大径部63と大径部63よりも径の小さい小径部64とが交互に配置され、大径部63から小径部64に向かって径が曲線的に漸減するように構成されている。羽根部61は、当該羽根部61の外周側の端部が大径部63に位置するように、中心側から外周側に延在している。底板62の羽根部61が立設された側の面の中心部にはモータ31の回転軸33を圧入する穴部65が形成されている。また、底板62の羽根部61が立設された側の面とは反対側の面に、スクリュー70を取り付けるための取付部66が形成されている。取付部66は、後述するスクリュー70の回転軸72が挿入される筒部67と、筒部67の基端部に形成された穴部68と、筒部67の先端部に形成された切欠69とを備える。
【0023】
図3及び図7に示すように、スクリュー70は、薬液9を撹拌する撹拌部71と、回転軸72とを備える。本実施形態において、撹拌部71と回転軸72とは、一体的に形成されている。また、回転軸72の先端部には、筒部67に形成された穴部68に係合する爪部74及び切欠69に係合する凸部73が形成されている。
【0024】
次に、この薬剤発散器の組付けの一例について説明する。先ず、基板ユニット1のユニット化について説明する。なお、本実施形態では、電源基板12とモータ31との間の導線32の配線は、基板ユニット1のユニット化に先立ち行われている。この電源基板12を第1ケース11aと第2ケース11bとで形成される収納空間に設け、第1ケース11aのねじ穴15、電源基板12のねじ穴22、及び第2ケース11bの座部19に亘ってねじ91を締結して一体化される。このとき、既に電源基板12とモータ31とに亘って導線32が設けられているが、切欠17を介して導線32を案内部16に挿通させることにより、基板ユニット1とモータ31との間で導線32が案内される(図3を参照)。
【0025】
次に駆動ユニット3のユニット化について説明する。モータホルダ34のモータ保持空間36に、モータ31の回転軸33をモータ保持空間36の中央部に設けた穴部(図示せず)に挿通させた状態でモータ31を配置するとともに、導線32を切欠38及び案内部37を介して基板ユニット1の側へ案内する。モータ保持空間36の開口部に固定部材43が取り付けられ、モータ31がモータホルダ34に固定される。なお、固定部材43を使うことなく、カバー部材50によりモータ31を保持してもよい。ファン60の穴部65にモータ31の回転軸72が挿入されて、駆動ユニット3にファン60が取り付けられる(図3を参照)。
【0026】
また、図7に示すように、スクリュー70がファン60にとりつけられる。ファン60の筒部67に、スクリューの回転軸72が挿入され、筒部67の基端部に形成された穴部68に、爪部74が係合するとともに、切欠69に凸部73が係合して、スクリュー70がファン60に取付けられる。
【0027】
基板ユニット1の第1ケース11a側から穴部13,18に係合突起44を挿入して、基板ユニット1と駆動ユニット3とが一体化される。このとき、図3及図4に示すように、基板ユニット1に対して、駆動ユニット3が略直交するように組付けられる。また、このとき、係合突起44に形成された爪部45の間隔が、穴部18に形成された凸部24の間隔よりも小さく設定され、弾性変形により爪部45と凸部24とが互いに乗り越えることにより、組付け後の抜けが防止される(図4を参照)。
【0028】
図3及び図9に示すように、一体化された基板ユニット1及び駆動ユニット3に対して、カバー部材50及び容器80が組付けられる。駆動ユニット3及び基板ユニット1の上方側からカバー部材50が被せられる。勿論、基板ユニット1及び駆動ユニット3の天地を逆転させた状態で互いを組付けてもよく、傾倒させた状態で組み付けてもよい。この際、カバー部材50に形成されたリブ56と基板ユニット1に形成されたリブ14とが互いに摺接することにより、基板ユニット1が確実に第2収納空間54に案内され、基板ユニット1に一体化された駆動ユニット3についても確実に第1収納空間53に案内される。また、基板ユニット1に形成されたリブ14とカバー部材50に形成されたリブ56とが当接することにより、基板ユニット1とカバー部材50とが組み付けの方向と直行する方向に相対移動することを防止される。その後、カバー部材50の内側から、モータホルダ34に形成されたねじ穴42と、カバー部材50に形成された座部とに亘ってねじ92を締結することにより、駆動ユニット3がカバー部材50に固定される。このとき、図6に示すように、ファン60の底板62の小径部64をねじ穴42と同じ回転位相に位置させてねじ92を締結することにより、ファン60とねじ92や工具との干渉を防止して、容易にねじ92を締結することができる。
【0029】
なお、上述したファン60の底板62の形状は、上述の基板ユニット1及び駆動ユニット3の取付構造のものに限らず、例えば基板ユニット1及び駆動ユニット3をネジにより締結する構造のものや基板ユニット1及び駆動ユニット3が一体的に設けられた構造のものにも適用可能である。これらの場合にも、駆動ユニット3とカバー部材50とを固定するに際し、ファン60の底板62の小径部64をねじ穴42と同じ回転位相に位置させてねじ92を締結することにより、ファン60とねじ92や工具との干渉を防止して、容易にねじ92を締結することができる(図6を参照)。
【0030】
カバー部材50の開口部から容器80が挿入され、駆動ユニット3に容器80が取り付けられる。容器80の開口81の縁部がモータホルダ34の溝部39に挿入される。このとき、図2に示すように、容器80の開口81近傍の内周面に形成された溝部82にモータホルダ34の溝部39の内周壁に形成され凸部40が係合することにより、抜け止めがされる。また、図5に示すように、容器80の外周部がカバー部材50に形成されたリブ55に当接して、カバー部材50の内部における容器80の位置が保持される。
【0031】
上述のように、駆動ユニット3に形成された係合突起44を穴部13,18に係合させるだけで、基板ユニット1と駆動ユニット3とを一体化することができる。このため、例えば、基板ユニット1と駆動ユニット3とを一体化するためのねじなどの部材を別途に設ける必要がなく、部品点数を削減することができる。また、基板ユニット1と駆動ユニット3との一体化の際にねじの締結等の作業が不要であるので、作業工程を減少させることができる。さらに、一体化された駆動ユニット3及び基板ユニット1に対して、容器80及びカバー部材50を異なる方向から組付けることになるので、組付け作業が容易である。上述の結果、組み付け工程を煩雑にすることなく、薬液を容器80外に効率的に揮発・拡散させることができる薬剤発散器を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、薬液を容器外に揮発・拡散させる薬剤発散器に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る薬剤発散器を示す斜視図及び断面図
【図2】本発明に係る薬剤発散器を示す断面図
【図3】本発明に係る薬剤発散器を示す分解斜視図
【図4】基板ユニットと駆動ユニットとの組付状態を示す断面図
【図5】基板ユニット及び容器とカバー部材との組付状態を示す断面図
【図6】ファンと駆動ユニットのねじの締結部との位置関係を示す図
【図7】ファンへのスクリューの取付を示す図
【図8】第2ケースの一部拡大図
【図9】基板ユニット及び駆動ユニットとカバー部材との組付を示す図
【符号の説明】
【0034】
1 基板ユニット
3 駆動ユニット
9 薬液
12 電源基板
14 リブ
16 案内部
31 モータ
50 カバー部材
56 リブ
60 ファン
70 スクリュー
80 容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源基板が備えられた基板ユニットと、前記電源基板からの電力により駆動されるモータを備えた駆動ユニットと、薬液を収納する容器と、前記容器内に気流を発生させるべく前記容器の開口部近傍に設けられ前記モータにより回転駆動されるファンと、前記薬液を撹拌するべく前記ファンから下方に延在するスクリューと、前記基板ユニットと前記駆動ユニットと前記容器とを収納するカバー部材とを備えた薬剤発散器であって、
前記駆動ユニットに形成された係合突起を、前記基板ユニットに形成された穴部に係合させて、前記基板ユニットと前記駆動ユニットとが一体化されるとともに、前記駆動ユニットと前記基板ユニットとが一体化された状態で、前記容器を前記駆動ユニットの下方側から組み付けるとともに、前記カバー部材を前記駆動ユニットの上方側から組み付けるように構成されている薬剤発散器。
【請求項2】
前記組み付けの際の前記カバー部材と前記基板ユニットとの相対移動を案内するとともに、前記カバー部材と前記基板ユニットとが前記組み付けの方向と直行する方向に相対移動することを防止するリブが、前記カバー部材と前記基板ユニットとに各別に形成されている請求項1に記載の薬剤発散器。
【請求項3】
前記電源基板と前記モータとに亘って設けられた導線を前記モータから前記基板ユニットの内部へ案内する案内部が、前記基板ユニットに形成されている請求項1又は2に記載の薬剤発散器。
【請求項4】
前記駆動ユニットの側から前記カバー部材に向けてねじを締結することにより、前記駆動ユニットと前記カバー部材とが固定されるように構成され、前記ねじの締結部位が前記ファンの回転半径と干渉する位置に設けられるとともに、前記ファンの外周部の少なくとも一部が前記締結部位よりも径方向内側に位置するよう構成されている請求項1〜3の何れか一項に記載の薬剤発散器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−5196(P2010−5196A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−168993(P2008−168993)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【出願人】(000186588)小林製薬株式会社 (518)
【出願人】(000194918)ホシデン株式会社 (527)
【Fターム(参考)】