説明

薬剤送出装置

【課題】薬剤の自動送出ができ、かつ、投与量再設定可能な薬剤送出装置を提供する。
【解決手段】ハウジングと、駆動部材(8)と、ばね(4)と、回転可能な投与量設定ノブ(2)を備えている。第1の方向へ回転させることにより、ばね(4)の圧縮またはねじれを生じるようになっている投与量設定ノブ(2)と、ハウジングおよび投与量ノブ(2)のうちの一方と接続される歯付ラック(11b)と、ハウジングおよび投与量ノブ(2)のうちの他方と接続される少なくとも1つのばね付歯部(5a)とを備えた、ばね保持手段であって、ばね(4)に蓄積された力がばね(4)を移動させて前記力を解放することを防ぐために歯付きラック(11b)を係止する一方で、ユーザが投与量ノブ(2)を第2の逆の方向へ回転させて設定投与量を減少させることを可能にする、ばね保持手段と、ばね(4)を解放して前記駆動部材(8)を押し進めるユーザ作動可能なトリガ(12b)と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動的に薬剤を送出するとともに可変的に投与量を設定する薬剤送出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、キャップまたは「投与量ノブ」によって構成される投与量計量装置が組み込まれた概ねペン状のシリンジが示されており、前記キャップまたは投与量ノブは、注射する薬剤の投与量に対応する位置まで、ペン本体に対して回転可能になっている。協働する歯部により巻き戻しが阻止されているコイルばねが、回転させられることにより捩られ、圧縮される。ユーザが、ペン本体の外側に接続された摺動トリガを操作することによりラチェット歯部を解除すると、結果として、ばねが巻き戻される。そして、これにより、急勾配のねじ山を介してシリンジ・プランジャに接続されている駆動ギアに回転が生じる。該駆動ギアが回転すると、結果として、ペン本体内をプランジャが軸方向に移動する。軸方向に移動するプランジャは、薬剤収容カートリッジの「栓部」を押し、その移動によってカートリッジから薬剤を放出させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5104380号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のシリンジの構造では、ユーザが投与量ノブを所定位置までダイヤルして一旦投与量を設定すると、ユーザは、投与量ノブを逆方向に回して設定量を減少させることが不可能になっている。投与量を過度に設定してしまった場合、ユーザは、トリガを作動して設定した投与量を吐出させるとともに、正しい投与量を再びダイヤルしなければならない。国際公開第02/053214号では、同様の投与量設定機構を備えたシリンジが示されている。この文献において示される設計は、投与量ノブを逆方向に回転させて、過度に設定された投与量を減少させることが可能であることが述べられている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、
薬剤収容部材を受け入れるハウジングと、
前記ハウジング内に取り付けられ、前記薬剤収容部材と係合するとともに前記ハウジング内において軸方向に移動可能になっている駆動部材と、
前記ハウジング内に収容されるとともに前記駆動部材に接続される、ばねと、
前記ばねに接続されるとともに前記ハウジングに回転可能に接続される投与量設定ノブであって、前記ハウジングに対して前記ノブを第1の方向へ回転させることにより、前記ばねの圧縮またはねじれを生じるようになっている投与量設定ノブと、
前記ハウジングおよび前記投与量ノブのうちの一方と接続される歯付ラックと、前記ハウジングおよび前記投与量ノブのうちの他方と接続される少なくとも1つのばね付歯部とを備えた、ばね保持手段であって、前記または各歯部は、前記歯付ラックと係合して、前記ばねに蓄積された力が前記ばねを移動させて前記力を解放することを防ぐ一方で、ユーザが前記投与量ノブを第2の逆の方向へ回転させて設定投与量を減少させることを可能にする、ばね保持手段と、
前記ばねを解放して前記ハウジング内において前記駆動部材を押し進めるユーザ作動可能トリガと、を備えている薬剤送出装置を提供する。
【0006】
本発明の好適な実施形態において、前記または各ばね付歯部は、成形ばねの端部に歯部要素が取り付けられた、一体成形構造を有する。
【0007】
好ましくは、本装置は、前記ばねを前記駆動部材に接続する細長の駆動軸を備えている。前記駆動軸の端部は、ともに回転する前記投与量ノブに接続される。前記駆動軸の他端が前記ばね保持手段の一部として、前記少なくとも1つのばね付歯部または前記歯付ラックのいずれか一方を構成する。前記少なくとも1つのばね付歯部および前記歯付ラックのうちの他方は、前記ユーザ作動可能トリガを介して前記ハウジングに接続された駆動要素に設けられている。そして、前記駆動要素は、前記駆動部材に接続される。前記トリガの作動によって、前記駆動要素は解放されて、前記駆動軸を介した前記ばねの作用の下で前記ハウジング内において回転する。前記駆動要素の回転は、前記ハウジング内における前記駆動部材の軸方向移動を生じさせる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、ノブの回転により簡単に設定できると共に、回転し過ぎても、簡単に設定量を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ペン型注射器を模式的に示す図である。
【図2】挿入図が注射器の保持およびトリガ部分の拡大図となっている、図1の注射器の水平断面図である。
【図3】図1の注射器の垂直断面図である。
【図4】図1の注射器の分解斜視図である。
【図5】図1の注射器の投与量ノブの図である。
【図6】図1の注射器のクラッチ・コレットの図である。
【図7】図1の注射器の端部の部分断面図である。
【図8】図1の注射器の動作順序を示す図である。
【図9】挿入図が注射器の保持およびトリガ部分の拡大図となっている、注射器の別の内部構造の水平断面図である。
【図10】図9の別の注射器の垂直断面図である。
【図11】図9の注射器の分解斜視図である。
【図12】図9の注射器の駆動軸の端部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明をより良く理解するために、そして、如何に本発明を実施すればよいかを示すために、添付図面を参照してまず参考例を説明する。
【0011】
図1には、ユーザによる作動が可能な投与量設定機構を有するペン型注射器が示されている。図2〜7を参照することにより、本注射器は、互いにスナップ嵌めされる本体1およびキャップ20を備えていることが分かる。識別リング19は、本注射器によって送出される薬剤の種類を示すために色分けされている。本体1の内面の上端部にはねじ山が設けられている。この内側のねじ山には、投与量ノブ2の外面に設けられた外側のねじ山2aが螺合している。投与量ノブ2は、図5に詳細に示されている。投与量ノブ2は、ペン本体1内での長手方向の移動が、いずれの方向にも制限されている。カートリッジ・ハウジング18は、本体1の下端に固定され、使い捨て式の薬剤が充填されたカートリッジ(図示せず)を受け入れるように配置されている。このようなカートリッジは、該カートリッジの一端にゴム製の栓シーリングを有し、その他端は、使い捨て式の針を受け入れるように配置される。
【0012】
カートリッジは、通常、多目的用であり、注射ごとにユーザが新たな針を取り付けるようになっている。
【0013】
ねじりばね4は、本体1内に同軸状に位置するとともに、充填されたカートリッジから薬剤を吐出させる駆動力を付与するように配置される。ばね4の上端部は、投与量ノブ2に固定される。ばね4の下端部は、本体1と一体成形された保持リングを介してハウジングに固定される。
【0014】
概ね円筒状のラチェット駆動軸3は、ばね4の中心部を延びている。ラチェット駆動軸3の拡大端部3aは、その外面に形成された3つのばね脚部3bを有しており、これらのばね脚部は、軸を中心に周方向に等角に間隔をおいて配置されている。各脚部の最外端部には、歯部3cが設けられている。歯部3cは、固定軸方向位置において本体1内に位置する概ね円筒状の駆動ギア11の内面に形成されたラック11a(図4において不可視)の歯部と係合する。駆動ギア11は、下方の外面部分に形成された第2の歯付ラック11bを有している。このラック11bは、保持リング12の内面に形成された対応する寸法のラック12aの内側に位置している。リング12は、トリガ12bと一体に形成されており、該トリガは、本体1に形成されたスロット内に摺動可能に取り付けられ、1対のスラスト・ワッシャ10によって本体から隔てられる。ばね13は、トリガ12bを上方向に付勢し、ユーザによる力がトリガに加わっていない状態でラック11b、12aの固定係合を維持している。
【0015】
ラチェット駆動軸3についてさらに説明すると、該軸は、その上端がクラッチ・コレット5に接続されている。図6のAはクラッチコレットを上方から見た図、図6のBはクラッチコレットを下方から見た図であり、クラッチ・コレット5は、駆動軸3とともに回転するものであり、1対のばね爪5aが設けられている。ばね爪5aの断面形状は、投与量ノブ2の内面に形成されたラック2cの歯部と係合する各歯部を形成するような形状になっている。ばね爪5aは、外側に偏倚している。
【0016】
巻き戻しボタン6は、投与量ノブ2内に位置すると共に、そこから突出している。ボタン6は、ラチェット駆動軸3に接続され、駆動軸3とともに回転するが、駆動軸3内において長手方向に摺動可能になっている。ばね7は、ボタン6と駆動軸3との間に接続され、本体1に対してボタン6を外側に偏倚させている。ボタン6の下部は、概ね十字形状になっており、十字部の対向する2つのアームがクラッチ・コレット5のばね爪5aと対向する。これらのアームは、ボタンが外側位置にあるときには、ばね爪5aの径方向内側への撓みを阻止する一方、ボタンがボタンばね7の付勢力に抗して完全に押し下げられた時に、内側への撓みを可能にするように、内側にテーパ状になっている。この構成は、図7に最も良く示されており、図7のAは、元の位置にあるボタン6を示し、一方、図7のBは、本注射器の端部をボタン6の断面とともに示している。
【0017】
親ねじ8は、その外面の長さに沿って形成されたねじ山を有している。親ねじ8は、ラチェット駆動軸3内に位置し、駆動ギア11の内面に形成された相補形のねじ山と係合している。ラチェット駆動軸3から突出する親ねじ8の端部は、該親ねじ8に固定された親ねじキャップを有している。駆動軸3に対する親ねじ8の回転移動は、親ねじ8の長さに沿って形成された凹部と、固定ブッシュ14の内面に設けられた相補形のスプラインとの係合によって阻止される。固定ブッシュ14は、1対の相補形のねじ山を介して本体1の端部に固定されている中間部材17内に保持されている。薬剤収容カートリッジと接続すると、カートリッジ圧縮カップ16は、ばね15を圧縮し、固定ブッシュ14にその負荷を伝達する。固定ブッシュ14の鋸歯状縁部は、本体1の対応する部材と係合し、固定ブッシュ14の回転を阻止するとともに、解放後の駆動ギア11の回転時における親ねじ8の前方移動を確実なものにする。
【0018】
位置合わせ爪6aは、ボタン6の内面から垂下している。この爪6aには、その端部において、垂直な阻止面と傾斜駆動面とを有する傾斜状歯部6bが設けられている。歯部6bは、ボタンが投与量ノブ2内に押し込まれた時、投与量ノブ2の内面に形成された位置合わせラック2bの歯部と係合する。
【0019】
図1〜8に示す参照符号を付した本注射器の構成部品の詳細な一覧は、後に示す表1に収められている。
【0020】
ここで、本注射器の動作を説明する。ユーザは、投与量ノブ2を時計方向に回転させることにより、投与量を設定する。投与量ノブ2の回転に伴って、ばね4の上部が、ばねのねじれを生じつつ回転する。ラチェット駆動軸3の上部におけるばね爪5aと、投与量ノブ2の内面に形成されたラック2cとの係合により、ラチェット駆動軸3にも回転を生じさせる。ラチェット駆動軸3の下端において、ばね脚部3bの歯部は、ラック11aの歯部と「カチッ」という音を発する。この歯部とラック11aとの係合は、毎回カチッという音が発した後にばね4が巻き戻されるのを阻止する。カチッという音の数は、いずれも、ばねの所定の角度の回転に対応するため、所定の吐出投与量に対応することになる。投与量を設定する動作の間、駆動ギア11は回転しないので、親ねじ8が軸方向に移動しないことが容易に理解される。従って、投与量(あるいは、実際は充填のために導入される空気)を設定する動作の間、カートリッジから薬剤は吐出されない。
【0021】
ユーザがトリガ12に対して下方向への力を加えると、トリガ12のラックが駆動ギア11から分離される。これにより、駆動ギア11と、ねじりばね4とが自由に回転することになる。駆動ギア11が親ねじ8の周りを回転すると、それに伴って、親ねじ8が駆動ギア11内において下方に駆動され、これにより、親ねじキャップ9がカートリッジ本体内においてカートリッジの下方に栓部を押し進め、取り付けられたシリンジを通じてカートリッジから薬剤が吐出される。
【0022】
ユーザが投与量を過度に設定してしまった場合、すなわち、投与量ノブ2を過度に回転させてしまった場合、ユーザは、付勢ばね7の付勢力に抗してボタン6を投与量ノブ2内に完全に押し込む。図8Aの開始位置から図8Bに示す位置まで、ボタン6が押し下げられると、歯部6bの駆動面が位置合わせラック2bに形成された歯部の1つと接触する。さらに圧力を加えると、図8Cの完全に押下された位置に到達するまで、投与量ノブ2に対して反時計方向に回転力が生じる。それとほぼ同時に、ボタン6の十字部のアームが下降移動する結果、ばね爪5aが自由に内側に撓むことができ、ばねに蓄積された力および歯部によって生じた力のうちの一方または両方を受けて投与量ノブ2およびばね4が自由に回転できるようになる。投与量ノブ2は、歯部の阻止面が上部ラックの次の停止面と係合するまで回転可能になっている。この再設定動作の間、ラチェット駆動軸3も駆動ギア11も回転しない。従って、親ねじ8の軸方向移動は生じず、カートリッジから薬剤が吐出されない。投与量再設定機構は、ラチェット駆動軸から、投与量ノブと、ねじりばねとを一時的に分離することにより動作し、駆動軸に対する投与量ノブと、ねじりばねとの回転を可能にする。ボタン6から圧力を取り除くと、巻き戻しボタンばね7は、ボタンをその最外端位置に戻し、その結果、ばね爪5aの歯部は、ラック2cの歯部と再び係合する。
【0023】
ここで、図9〜12を参照して、本発明の薬剤送出装置について説明する。外見上、本注射器は、図1に示す注射器と同様の外観を有する。本発明に係る注射器の動作原理は、投与量を設定および供給する機能の面では、図2〜8の注射器の動作原理と同様である。しかしながら、投与量再設定機構が異なる。
【0024】
本注射器は、相補形のねじ山を介して本体1´に接続される投与量設定ノブ2´を備えている。投与量ノブ2´の端部は、投与量ノブとともに回転する投与量ノブ・キャップ7´によって閉鎖されている。ここで、ラチェット駆動軸3´について説明すると、該軸は、3つの径方向のスロットが形成された先端鍔部3a´を有する。図12において、図12のAは、ラチェット保持器が取り除かれたノブ2´を示し、図12のBは、保持器が元の位置にあるノブを示し、図12のCは、保持器が所定位置にあるが透明な状態で図示されたノブを示している。これらのスロットは、円筒状本体を有するラチェット・プランジャ部材5´の各アーム5a´を受け入れる。前記本体は、鍔部3a´の端部の円形開口内おいて密着した状態で位置する。各アーム5a´は、成形ばね本体と、先端歯部とを備えており、該歯部の表面は、同一の角度で傾斜している。ラチェット保持器6´は、鍔部3a´の端部に嵌合し、ラチェット・プランジャを所定位置に固定する。ラチェット・プランジャの歯部は、約0.5mmだけ各スロットの端部から突出し、成形ばねによって(約0.25mmだけ)径方向内側に撓むことが可能になっている。
【0025】
組立てた注射器内で、ラチェット・プランジャ5´の歯部は、駆動ギア11´の内面に形成されたラックと係合する。該ラックの歯面も等角になっており、ラチェット・プランジャの歯部と対応している。
【0026】
図9〜12に示す参照符号を付した本注射器の構成部品の詳細な一覧は、後に示す表2に収められている。
【0027】
使用時、ユーザは、投与量ノブ2´を時計方向に回転させることにより、投与量をダイヤルする。ユーザは、ラチェット・プランジャ5´の歯部と駆動ギア11´のラックの歯部との間の抵抗に打ち勝つのに十分な力を加え、駆動ギアがトリガ12´による回転に対して所定位置に保持される。この動作の間、ラチェット・プランジャの歯部は、ラチェット駆動軸の先端鍔部の内方へ押し込まれて、駆動ギア内においてラックの歯部と歯合することが可能となる。同様に、ユーザが設定投与量を減少させたいと望む場合、投与量ノブを反時計方向に回転させる。ラチェット・プランジャ歯部の形状は、これを可能にするものである。従って、本設計によれば、投与量の再設定を容易にするために、投与量ノブとは別個の巻き戻しボタンを必要としない。
【0028】
当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、上述の実施形態に様々な修正を施すことも可能であることが分かるであろう。
【符号の説明】
【0029】
1 本体
2 投与量ノブ−巻き戻しボタン
3 ラチェット駆動軸
4 ねじりばね−巻き戻しボタン
5 クラッチ・コレット
6 巻き戻しボタン
7 巻き戻しボタンばね
8 親ねじ
9 親ねじキャップ
10 スラスト・ワッシャ
11 駆動ギア−巻き戻し無し(1ユニット)
12 トリガ
13 トリガばね
14 固定ブッシュ
15 圧縮カップばね
16 カートリッジ圧縮カップ
17 中間部
18 カートリッジ・ハウジング
19 識別リング
20 キャップ
1´ 本体
2´ 投与量ノブ
3´ ラチェット駆動軸
4´ ねじりばね
5´ ラチェット・プランジャ
6´ ラチェット保持器
7´ 投与量ノブ・キャップ
8´ 親ねじ
9´ 親ねじキャップ
10´ スラスト・ワッシャ
11´ 駆動ギア
12´ トリガ
13´ トリガばね
14´ 固定ブッシュ
15´ 圧縮カップばね
16´ カートリッジ圧縮カップ
17´ 中間部
18´ カートリッジ・ハウジング
19´ 識別リング
20´ キャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤収容部材を受け入れるハウジングと、
前記ハウジング内に取り付けられ、前記薬剤収容部材と係合するとともに前記ハウジング内において軸方向に移動可能になっている駆動部材と、
前記ハウジング内に収容されるとともに前記駆動部材に接続される、ばねと、
前記ばねに接続されるとともに前記ハウジングに回転可能に接続される投与量設定ノブであって、前記ハウジングに対して前記ノブを第1の方向へ回転させることにより、前記ばねの圧縮またはねじれを生じるようになっている投与量設定ノブと、
前記ハウジングおよび前記投与量ノブのうちの一方と接続される歯付ラックと、前記ハウジングおよび前記投与量ノブのうちの他方と接続される少なくとも1つのばね付歯部とを備えた、ばね保持手段であって、前記または各歯部は、前記歯付ラックと係合して、前記ばねに蓄積された力が前記ばねを移動させて前記力を解放することを防ぐ一方で、ユーザが前記投与量ノブを第2の逆の方向へ回転させて設定投与量を減少させることを可能にする、ばね保持手段と、
前記ばねを解放して前記ハウジング内において前記駆動部材を押し進めるユーザ作動可能トリガと、を備えている薬剤送出装置。
【請求項2】
前記または各ばね付歯部は、成形ばねの端部に歯部要素が取り付けられた、一体成形構造を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ばねを前記駆動部材に接続する細長の駆動軸を備えており、前記駆動軸の端部は、ともに回転する前記投与量ノブに接続される、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記駆動軸の他端が前記ばね保持手段の一部、すなわち、前記少なくとも1つのばね付歯部または前記歯付ラックのいずれか一方を構成し、前記少なくとも1つのばね付歯部および前記歯付ラックのうちの他方は、前記ユーザ作動可能トリガを介して前記ハウジングに接続される駆動要素に設けられており、前記駆動要素は、前記駆動部材に接続され、前記トリガの作動によって、前記駆動要素は解放されて、前記駆動軸を介した前記ばねの作用の下で前記ハウジング内において回転し、前記駆動要素の回転は、前記ハウジング内における前記駆動部材の軸方向移動を生じさせる、請求項3に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−148198(P2012−148198A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−114710(P2012−114710)
【出願日】平成24年5月18日(2012.5.18)
【分割の表示】特願2008−542842(P2008−542842)の分割
【原出願日】平成18年11月28日(2006.11.28)
【出願人】(505333414)オーウェン マンフォード リミテッド (26)
【氏名又は名称原語表記】OWEN MUMFORD LIMITED
【住所又は居所原語表記】Brook Hill, Woodstock, Oxfordshire OX20 1TU (GB).
【Fターム(参考)】