説明

薬剤送達装置

薬剤送達装置は、薬剤容器(16)が中に配置され得る容器保持部(14)を有する第1のハウジング部分(12)を含み、当該容器は、薬剤を送達するための送達部材を有するまたは送達部材のための前方開口部と、移動可能停止部(17)とを有する。上記薬剤送達装置はさらに、閉位置と開位置との間を上記第1のハウジング部分(12)に関連して移動するよう構成される第2のハウジング部分(38)と、前端および後端を有するプランジャロッド(48)とを含み、上記プランジャロッドは第2のハウジング部が閉位置にあるときには、上記容器保持部の傍にて平行に配される。第2のハウジング部分は弾性変位手段(50、52)を含み、弾性変位手段の一方(50)は、上記第2のハウジング部分(38)が閉位置から開位置に動かされると、プランジャロッド(48)がプランジャロッドの前端が停止部(17)に面する位置に上記弾性変位手段によって動かされるように、上記プランジャロッドに固定的に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術領域
本発明は、ある投与量の薬剤を送達するための薬剤送達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
技術背景
特に薬剤の自己投与を容易にし得る多くの異なる機能を有する多数の薬剤送達装置が長年開発されてきた。薬剤送達装置の例としては注入器がある。上記機能は、混合、詰めること、突刺し、注入、注入針の引戻し、および注入針の被覆を含む。当該機能のすべてまたはいくつかは、作動時に自動的に実行される。これらの機能は異なる注入器において多くの態様で組み合わされている。
【0003】
上述したタイプの注入器の主な構造は、細長い略管状の形状およびペン形状である。この形状の利点は、薬剤容器に作用する細長いプランジャロッドを収容し得ることである。当該プランジャロッドには、上記構成要素が注入器の長手方向において互いの後に配置されるように、螺旋ばねが作用する。
【0004】
しかしながらこの構造は、特に多くの上述した機能が注入器に含まれる場合には注入器がかなり長くなる傾向があるということも意味する。これは、特に注入器が公共で用いられる場合および/またはユーザが自分で注入器を持ち運ぶ必要がある場合に、ユーザにとって主たる欠点になり得る。大抵のユーザは、自分がこのような薬剤送達装置を用いていることを他人に見せたくはない。したがって、薬剤送達装置を可能な限り小さくするという一般的な要望が存在する。
【0005】
文献US5,137,516では、使用しない際には2つの部分に分けられる注入装置が開示される。これらの部分はハウジングに格納され、当該ハウジングはユーザのポケットまたはハンドバックの中に収められる。注入器が用いられる際には、ハウジングが開けられ、注射器投与装置が、引張り出され、注入針が取り付けられる薬剤容器を含む注射器カートリッジハウジングにねじ込まれる。一緒になるようにねじ込まれると、組み立てられた注入器がハウジングから引き出され、これにより針を覆うゴムの隔壁が取除かれる。これにより、注入器は、使用される状態になる。ハウジングはさらに、さらなる注射器カートリッジハウジングのためのコンパートメントを含み得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
US5,137,516に係るこの解決策には、注入器が使用される状態になると、当該注入器が、プランジャロッドとプランジャロッドに作用する注入ばねとを有する任意の通常の注入器と同じ長さになるという主な欠点がある。したがって、自分の装置を見せたくない多数のユーザによると、使用時に当該注入器はあまり目立たないわけではない。これが欠点となっている。
【0007】
発明の簡単な説明
本発明の目的は、現状技術の装置の欠点を直し、非常にコンパクトであるが汎用性のある薬剤送達装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、特許請求の範囲の独立項の特徴を含む薬剤送達装置に従って達成される。この発明の好ましい実施例は、特許請求の範囲の従属項の主題を形成する。
【0009】
この発明の主な局面によると、当該局面は、以下の薬剤送達装置によって特徴付けられる。当該薬剤送達装置は、薬剤容器が中に配置され得る容器保持部を有する第1のハウジング部分を含み、当該容器は、薬剤を送達するための送達部材を有するまたは送達部材のための前方開口部と、移動可能停止部とを有し、上記薬剤送達装置はさらに、閉位置と開位置との間を上記第1のハウジングに関連して移動するよう構成される第2のハウジング部分と、前端および後端を有するプランジャロッドとを含み、上記プランジャロッドは第2のハウジング部が閉位置にあるときには、上記容器保持部の傍にて平行に配され、第2のハウジング部分は弾性変位手段を含み、弾性変位手段の一方は、上記第2のハウジング部分が閉位置から開位置に動かされると、プランジャロッドがプランジャロッドの前端が停止部に面する位置に上記弾性変位手段によって動かされるように、上記プランジャロッドに固定的に接続される。
【0010】
この発明のさらなる局面によると、上記装置は、2つのハウジング部分の間に配される駆動力手段をさらに含む。
【0011】
この発明のさらなる局面によると、上記装置は上記ハウジング部分を解放可能にロックすることができる作動機構を含む。
【0012】
好ましくは、上記駆動力手段は少なくとも2つの圧縮ばねを含む。
本発明には多くの利点が存在する。2つのハウジング部分の両方が互いに関連して摺動可能であり、これにより装置のサイズは使用時に若干増加するだけですみ、かつプランジャロッドがまず薬剤容器の傍に配され、ハウジング部分が互いに摺動されると適切な位置に移動および変位するので、この発明に従った構造は非常にコンパクトな装置を提供する。送達が行われることになる瞬間にプランジャロッドを変位させ適切な位置に配置することによって、全体で非常に柔軟性のある解決策が得られる。
【0013】
好ましくはプランジャロッドは、柔軟性がある弾性アームによって変位される。これにより、含む構成要素が少ない、単純であるが有効な解決策が提供される。代替例として、当該柔軟性がある弾性アームは、プランジャロッドと同じ材料で形成されてもよい。有利な解決策としては、駆動力手段がハウジング部分が互いに対して摺動する際にのみ引っ張られる。これは、圧縮ばねのような駆動力手段が格納時に長い期間、引っ張られた状態にされないという意味する。2つのハウジング部分が送達の間に互いに対して摺動する際に等しい力を与えるように2つのばねが存在することが好ましい。好ましくは、当該ばねが引っ張られると、2つのハウジング部分をロックするよう作動機構が構成される。これにより、薬剤送達装置が送達する準備が整う。作動機構はたとえばボタンを押すことにより作動されてもよい。これによりハウジング部分は互いに解放され、送達が行われる。
【0014】
本発明のこれらおよび他の局面ならびに利点は、以下の詳細な説明および添付の図面から明らかになるであろう。
【0015】
以下の発明の詳細な説明において、添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】初期状態における本発明の実施例の断面側面図である。
【図2】アームを広げる際の図1に係る装置の断面側面図である。
【図3】図2の位置にある装置の斜視図である。
【図4】送達が完了した際の図1に係る装置の断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
発明の詳細な説明
本発明の薬剤送達装置は、薬剤容器16が中に配置され得る容器保持部14を有する第1のハウジング部分12を含み、当該容器はたとえば図2〜図4に示されるような針のような薬剤を送達するための送達部材を有するまたは当該送達部材のための前方開口部と、移動可能停止部17とを有する。薬剤送達装置はさらに、閉位置と開位置との間を上記第1のハウジング12に関連して移動するよう構成される第2のハウジング部分38と、前端および後端を有するプランジャロッド48とを含む。上記プランジャロッドは、第2のハウジング部分が閉位置にあるときには、上記容器保持部の傍に平行に配される。第2のハウジング部分は、弾性変位手段50、52を含む。弾性変位手段の一方である50は、上記第2のハウジング部分38が閉位置から開位置に移動すると、上記弾性変位手段によってプランジャロッド48がプランジャロッドの前端が停止部17に面する位置に移動するように上記プランジャロッドに固定的に接続される。
【0018】
第1の実施例(示さず)では、第1のハウジング部分は、容器保持部14を形成する中央の細長いコンパートメントと、首部18とを有するよう構成される。首部の上には、送達部材、たとえば針が好適な形態で、たとえばねじ込みまたは押込みによって取り付けられ得る。第1および第2のハウジング部分は、第1のハウジング部分のガイドスロットに嵌合する第2のハウジング部分の摺動手段により互いに関連してガイドされる。さらなるコンパートメント46が、プランジャロッド48を収容するために、容器保持部の傍に平行に配される。
【0019】
第1の実施例の装置(示さず)は、以下のように機能するよう意図される。装置がユーザに届けられる際は、第2のハウジング部分は閉位置にある、すなわち2つのハウジング部分12、38がともに押し付けられている。プランジャロッド48は、さらなるコンパートメント46の中に、上記容器保持部の傍に平行に位置決めされ、柔軟性のあるアーム50、52によって容器保持部14の外面に押し付けられる。患者は、ある投与量の薬剤を摂取する際に、たとえば針である送達部材20を容器保持部14の首部18に取り付ける。
【0020】
ここで、第2のハウジング部分38は手動で上方向に動かされる。この第2のハウジング部分38の移動により、プランジャロッド48は持ち上げられ、動かされて容器保持部14の外面とは接触しなくなるある位置に到達するまで、容器保持部14の外面に沿って摺動する。柔軟性のあるアーム50、52は次いで横方向に当該プランジャロッドを、その端面が停止部に面する位置、すなわち薬剤容器16の長手方向軸と並ぶ位置に変位させる。プランジャロッドをこの位置にガイドするよう、何らかの種類の停止突起54、56が配されるのが好ましい。これにより、装置が送達を行う準備が整う。
【0021】
次いで、ユーザは、送達部材を送達部位上に位置決めし、たとえば、注入針を注入部位に刺す。この後、第2のハウジング部分はユーザによって手動で押し下げられ、これにより第2のハウジング部分の内端面58がプランジャロッド48の後端面に接触する。第2のハウジング部分にユーザが加える力により、プランジャロッド48は下方向に押し下げられる。この移動により、停止部17が薬剤容器の中に入るよう移動し、これによりある投与量の薬剤が送達部材を通じて送達される。薬剤送達が完了すると、装置は送達部位から撤収され得る。この装置はさらに、用いられる薬剤容器を開け、次の送達のために新しい容器と取り替えるための手段をさらに有するよう構成されてもよい。
【0022】
図1〜図4に示される第2の実施例では、第1のハウジング部分は、容器保持部14を形成する中央の細長いコンパートメントと、首部18とを有するよう構成される。首部には、送達部材、たとえば針が好適な形態で、たとえばねじ込みまたは押込みによって取り付けられ得る。第1および第2のハウジング部分は第2のハウジング部分の摺動手段により互いに対してガイドされ、第1のハウジング部分のガイドスロットに嵌合する。中央のコンパートメントの側方には、2つの細長い管状のコンパートメント22、24が容器保持部14と略平行に配される。各側方のコンパートメントは、図1、図2、および図4に示されるように、駆動力手段26、28、たとえば少なくとも2つの圧縮ばねを有するよう構成される。上記駆動力手段は、2つのハウジング部分12、38の間に配され、側方のコンパートメントの端壁30、32とそれぞれの停止ピン34、36との間に位置決めされる。停止ピンは、第2のハウジング部分38に取り付けられ、細長いスロット40、42を通って側方のコンパートメントの中に突出する。第1および第2のハウジング部分は、第2のハウジング部分の下部が第1のハウジング部分のガイドスロット44に嵌合するように、互いに対してガイドされる。
【0023】
第2の実施例では、上記第2のハウジングが閉位置にある時は、駆動力手段は非圧縮状態に構成され、上記第2のハウジングが閉位置から開位置に移動すると、非圧縮状態から圧縮状態に移る。
【0024】
さらなるコンパートメント46が容器保持部14と側方のコンパートメント22の1つとの間に配される。このさらなるコンパートメントはプランジャロッド48を収容する。プランジャロッド48は、図1〜図4では弾力性および柔軟性のあるアーム50として示される変位手段を介して第2のハウジング部分に固定的に取り付けられる。変位手段はさらに、第2のハウジング部分にさらに固定的に取り付けられるさらなる弾力性および柔軟性のあるアーム52を含む。その機能は後述する。
【0025】
図1〜図4に示される実施例では、薬剤送達装置は、上記第2のハウジングが閉位置から開位置に移動すると、上記ハウジング部分12、38を解放可能にロックすることができる図3の作動機構60をさらに含む。当該作動機構60は、以下に詳細に記載される第2のハウジング部分に配される。
【0026】
図1〜図4に示される第2の実施例の装置は次のように機能するよう意図される。装置がユーザに届けられる際は、図1に示されるように、第2のハウジング部分は閉位置にある、すなわち2つのハウジング部分12、38がともに押し付けられ、ばね26、28が非引張状態にある。プランジャロッド48は、さらなるコンパートメント46の中に、上記容器保持部の傍にて平行に位置決めされ、柔軟性のあるアーム50、52によって容器保持部14の外面に押し付けられる。患者は、ある投与量の薬剤を摂取する際に、たとえば針である送達部材20を容器保持部14の首部18に取り付ける。
【0027】
ここで、第2のハウジング部分38は手動で持ち上げられ、これにより、停止ピン34、36が側方コンパートメント22、24のスロット40、42において上方向に動かされるのでばね26、28は引っ張られることになる。この第2のハウジング部分38の移動により、プランジャロッド48は持ち上げられ、動かされて容器保持部14の外面とは接触しなくなるある位置に到達するまで、容器保持部14の外面に沿って摺動する。柔軟性のあるアーム50、52は次いで横方向に当該プランジャロッドを、その端面が停止部に面する、すなわち薬剤容器16の長手方向軸と並ぶ位置に変位させる。プランジャロッドをこの位置にガイドするよう、何らかの種類の停止突起54、56が配されるのが好ましい。図2を参照のこと。プランジャロッドが位置決めされると、作動機構60は、図3の第1のハウジング部分の上縁部に接触する第2のハウジング部分の少なくとも1つの柔軟性のある壁部分によって、第2のハウジング部分を解放可能に第1のハウジング部分にロックする。これにより、装置が送達を行う準備が整う。
【0028】
次いで、ユーザは、送達部材を送達部位上に位置決めし、たとえば注入針を注入部位に刺す。この後、作動機構60はユーザに手動で作動され、これにより第2のハウジング部分38は第1のハウジング部分12から解放される。第2のハウジング部分の内端面58がプランジャロッド48の後端面に接触し、ばね26、28の力により、プランジャロッド48は下方向に押し下げられる。この移動により、停止部17が薬剤容器の中に入るよう移動し、これによりある投与量の薬剤が送達部材を通じて送達される。薬剤送達が完了すると、装置は送達部位から撤収され得る。この装置はさらに、用いられる薬剤容器を開け、次の送達のために新しい容器と取り替えるための手段をさらに有するよう構成されてもよい。さらに、作動機構は、第2の実施例により記載されたものとは異なる構造を有してもよい。
【0029】
第3の実施例(示さず)では、駆動力手段26、28は、上記第2のハウジングが閉位置にあるときに圧縮状態に構成され、上記第2のハウジングが閉位置から開位置に移動されると圧縮状態から非圧縮状態に移されるよう構成される。さらに、第3の実施例の装置はさらに、上記第2のハウジングが閉位置にあるときに上記ハウジング部分12、38を解放可能にロックすることができる作動機構をさらに含む。作動機構は、たとえば第1または第2のハウジング部分のいずれかの上にロック手段を有する柔軟性のある舌部として達成されてもよい。上記ロック手段は、第2または第1のハウジング部分のいずれかの上の対応するロック手段と解放可能に相互作用するようにされる。
【0030】
第3の実施例の装置は以下のように機能するよう意図される。装置がユーザに届けられる際は、第2のハウジング部分は閉位置にある、すなわち2つのハウジング部分12、38がともに押し付けられ、ばね26、28が引張状態にある。プランジャロッド48は、さらなるコンパートメント46の中において上記容器保持部の傍にて平行に位置決めされ、柔軟性のあるアーム50、52によって容器保持部14の外面に押し付けられる。患者は、ある投与量の薬剤を摂取する際に、たとえば針である送達部材20を容器保持部14の首部18に取り付ける。
【0031】
作動機構60は、ユーザによって手動で作動され、これにより第2のハウジング部分38が第1のハウジング部分12から解放される。ばね26、28の力により、第2のハウジング部分が上方向に移動する。この第2のハウジング部分38の移動により、プランジャロッド48は持ち上げられ、動かされて容器保持部14の外面とは接触しなくなるある位置に到達するまで、容器保持部14の外面に沿って摺動する。柔軟性のあるアーム50、52は次いで横方向に当該プランジャロッドを、その端面が停止部に面する、すなわち薬剤容器16の長手方向軸と並ぶ位置に変位させる。プランジャロッドをこの位置にガイドするよう、何らかの種類の停止突起が配されるのが好ましい。プランジャロッドが位置決めされると、装置が送達を行う準備が整う。次いで、ユーザは、送達部材を送達部位上に位置決めし、たとえば注入針を注入部位に刺す。この後、第2のハウジング部分はユーザによって手動で押し下げられ、これにより第2のハウジング部分の内端面58がプランジャロッド48の後端面に接触する。第2のハウジング部分にユーザが加える力により、プランジャロッド48は下方向に押し下げられる。この移動により、停止部17が薬剤容器の中に入るよう移動し、これによりある投与量の薬剤が送達部材を通じて送達される。薬剤送達が完了すると、装置は送達部位から撤収され得る。この装置はさらに、用いられる薬剤容器を開け、次の送達のために新しい容器と取り替えるための手段をさらに有するよう構成されてもよい。さらに、作動機構は、第3の実施例により記載されたものとは異なる構造を有してもよい。
【0032】
「薬剤容器」という文言は、いくつかの異なるタイプの容器を包含する。いくつか例をあげると、当該容器は、カートリッジ、アンプル、注射器、ガラス瓶、エアロゾル容器である。この点において、本発明は他のタイプの送達装置とともに用いられ得る。たとえば、他のタイプの送達装置には、パウダーまたはエアロゾル吸入器と、患者が吸引するある投与量の薬剤を送達することができるノズル、マウスピースまたは鼻ピースを送達部材として有するネブライザとがある。
【0033】
さらに、患者への薬剤の送達には他のタイプの駆動力手段が用いられ得るということが理解されるべきである。他のタイプの駆動力手段としては、本発明に係る意図した使用に好適なクロックばね、渦巻きばね、空気もしくは流体ばね、または任意の他のタイプの非電気的動力源がある。
【0034】
上記および図面に示される実施例は、単にこの発明の非限定的な例としてもなされるべきであり、特許請求の範囲内で多くの態様に修正され得るということが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤送達装置であって、
薬剤容器(16)が中に配置され得る容器保持部(14)を有する第1のハウジング部分(12)を含み、当該容器は、薬剤を送達するための送達部材を有するまたは送達部材のための前方開口部と、移動可能停止部(17)とを有し、前記薬剤送達装置はさらに、
閉位置と開位置との間を前記第1のハウジング部分(12)に関連して移動するよう構成される第2のハウジング部分(38)と、
前端および後端を有するプランジャロッド(48)とを含み、前記プランジャロッドは第2のハウジング部が閉位置にあるときには、前記容器保持部の傍にて平行に配される薬剤送達装置であって、
第2のハウジング部分は弾性変位手段(50、52)を含み、弾性変位手段の一方(50)は、前記第2のハウジング部分(38)が閉位置から開位置に動かされると、プランジャロッド(48)がプランジャロッドの前端が停止部(17)に面する位置に前記弾性変位手段によって動かされるように、前記プランジャロッドに固定的に接続されることを特徴とする、薬剤送達装置。
【請求項2】
2つのハウジング部分(12、38)の間に配される駆動力手段(26、28)をさらに含む、請求項1に記載の薬剤送達装置。
【請求項3】
前記第2のハウジングが閉位置にあるときは、前記駆動力手段(26、28)は非圧縮状態に構成される、請求項2に記載の薬剤送達装置。
【請求項4】
前記駆動力手段(26、28)は、前記第2のハウジングが閉位置から開位置に動かされると、非圧縮状態から圧縮状態に移るよう構成される、請求項3に記載の薬剤送達装置。
【請求項5】
前記第2のハウジングが閉位置から開位置に動かされると、前記ハウジング部分(12、38)を解放可能にロックすることができる作動機構(60)をさらに含む、請求項2〜4のいずれかに記載の薬剤送達装置。
【請求項6】
前記駆動力手段(26、28)は、手動で作動されて前記作動手段(60)が前記ハウジング部分を解放すると、薬剤を投薬するために前記プランジャロッド(48)に作用することができる、請求項5に記載の薬剤送達装置。
【請求項7】
前記駆動力手段は少なくとも2つの圧縮ばねを含む、先行する請求項のいずれかに記載の薬剤送達装置。
【請求項8】
前記駆動力手段は、前記第2のハウジングが閉位置にある時には、圧縮状態に構成される、請求項2に記載の薬剤送達装置。
【請求項9】
前記第2のハウジングが閉位置にあるときには前記ハウジング部分(12、38)を解放可能にロックすることができる作動機構をさらに含む、請求項8に記載の薬剤送達装置。
【請求項10】
前記駆動力手段は、前記第2のハウジングが閉位置から開位置に移動すると、圧縮状態から非圧縮状態に移るよう構成される、請求項8に記載の薬剤送達装置。
【請求項11】
前記第2のハウジングは、前記プランジャロッド(48)が薬剤を投薬するために前記停止部に作用するように、手動で開位置から閉位置に移動されるよう構成される、請求項1または9に記載の薬剤送達装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−511346(P2012−511346A)
【公表日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−540007(P2011−540007)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際出願番号】PCT/EP2009/065901
【国際公開番号】WO2010/066588
【国際公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(503211493)エス・ホー・エル・グループ・アクチボラゲット (30)
【氏名又は名称原語表記】SHL GROUP AB
【Fターム(参考)】