説明

薬効を有する医薬の含有割合が高いメサラジンサッシェ

【課題】製造および視覚外観の容易さ、ならびに製剤用サッシェの点で所望の特性を有する薬効を有する医薬の含有割合が高い製剤を提供する。
【解決手段】好ましくは、55重量%;60重量%;65重量%;70重量%;75重量%;80重量%;85重量%;90重量%;92重量%;94重量%および96重量%からなる群の中から選択されるメサラジン量を含む、サッシェ用の好ましくは94〜96重量%のメサラジンを含む経口用医薬品製剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬効を有する医薬を高い割合で含む医薬品製剤に関する。
【0002】
特に、経口投与用5−アミノサリチル酸(5−ASA、メサラミン、メサラジン)を高いロードで(すなわち、高重量%の有効薬物で)含む微粒子医薬品製剤ならびにその製剤および製剤用サッシェを製造する方法に関する。
【0003】
本明細書(writ)は、デンマーク特許出願PA 2003 00612、欧州特許出願EP 03388023、および米国仮特許出願第60/464649号からの優先権を主張する。
【背景技術】
【0004】
錠剤または顆粒剤のいずれかであるメサラジンを含む経口用医薬品製剤が知られている。顆粒剤は、サッシェに詰めることができる。本発明の目的に関して、「サッシェ」とは、顆粒剤用の包みまたはバッグを言い、また、「顆粒剤」とは、粒子、顆粒または球状化粒子を言う。
【0005】
現在、250mgまたは500mgのメサラジン含有錠剤が知られている。典型的には、250mg含有錠剤は、約540mgの重量がある。すなわち、それらは、(250/540)重量%=46重量%の薬物含有割合を有している。84重量%までのメサラジンを含有する錠剤は、標題「Pharmazeutische Zusammensetzungen」の特許出願WO 00/44353に記載されている。
【0006】
サッシェに関して、Falk Pharma博士は、54重量%の薬物含有割合に相当する、930mgサッシェ中500mgメサラジンを含有していることを主張している製品を市場に出している。
【0007】
現在、4gまでのメサラジンが、クローン病および潰瘍性大腸炎などの腸管腸疾患の毎日の治療のためにしばしば処方されている。
【0008】
4gのメサラジンが、250mgの錠剤にて投与される場合、患者は、1日あたり16個の錠剤を飲み込む必要がある。あるいは、500mgの錠剤を投与し得るが、50%範囲内の薬物含有割合により、錠剤は各々、約1gの重量となり、これは、飲み込むのにかなり大きいと、患者の多くが思っている。
【0009】
患者のコンプライアンスに悪影響を及ぼすことなく、毎日、大用量の薬物を投与できる製品を提供する必要がある。
【0010】
工業スケールでメサラジンを含む経口用医薬品製剤を製造する方法が知られている。しかしながら、知られた製造法は、望ましい放出特性を有する製品を達成するために多数の製造ステップを必要とする。これにより、扱いにくく高価な製造となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】WO 00/44353
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
これらの問題、および下記のその他の問題を、本発明の態様が取り組む。
【課題を解決するための手段】
【0013】
一態様によれば、本発明は、経口用医薬品製剤、好ましくは、55重量%;60重量%;65重量%;70重量%;75重量%;80重量%;85重量%;90重量%;92重量%;94重量%および96重量%からなる群の中から選択されるメサラジン量を含むサッシェ用の経口用医薬品製剤に関する。好ましい態様によれば、前記製剤は、92〜98重量%、好ましくは94〜96重量%のメサラジンを含む。
【0014】
これらの態様は、高い薬物含有割合の医薬組成物を提供する。
【0015】
本発明の目的に関して、用語の「メサラジン」はまた、WO97/23199 15ページ,17行〜6ページ,12行に記載されたものなど、製薬的に許容できるその塩類およびエステル類、ならびにバルサラジドなどのプロドラッグを包含する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
前記製剤は、粒子状物、例えば、顆粒、球状物、ペレット、粒子の形態が好ましく、顆粒の形態が好ましい。
【0017】
一態様によれば、本発明は、1重量%;2重量%;3重量%;4重量%;5重量%;6重量%;7重量%;8重量%;9重量%;10重量%および12重量%からなる群の中から選択される量において、製薬的に許容できる結合剤、好ましくはポビドンをさらに含む医薬品製剤に関する。好ましい態様によれば、前記製剤は、1〜10重量%、好ましくは2〜8重量%;より好ましくは3〜7重量%;好ましくは4〜6重量%;最も好ましくは5重量%のポビドンを含む。
【0018】
製薬的に許容できる結合剤は、アラビアゴム、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ポリエチレングリコール(PEG)、ポビドン、ショ糖、澱粉またはこれらの任意の混合物など、任意の許容できる結合剤を含み得る。ポビドン(ポリビニルピロリドン、PVP)が好ましい。
【0019】
一態様によれば、本発明は、コーティング剤をさらに含む医薬品製剤に関する。
【0020】
前記コーティング剤は、エチルセルロース、カルナウバ蝋、セラックまたはこれらの任意の混合物などの放出調整剤を含む。エチルセルロースが好ましい。
【0021】
前記選択されたコーティング剤は、とりわけ、所望の放出パターンに依る。それは、律速バリヤー材料、例えば、Eudragit類、例えば、Eudragit NE 40 DまたはEudragit L 100の形態で商品として入手できるポリメタクリレートなど、腸溶コーティング材料または遅延コーティング材料から選択できる。半透過性ポリマーが使用される場合、エチルセルロースが、最も好ましいコーティング剤である。
【0022】
一態様によれば、前記製剤は、放出調整製剤、好ましくは、長時間放出製剤である。
【0023】
一態様によれば、前記製剤は、コーティング剤を含み、前記コーティング剤の重量対前記メサラジンまたは前記製薬的に許容できる塩の重量比は、0.1〜10%;0.3〜7%;0.5〜5%;0.7〜3%;0.8〜2%;および0.9〜1.5%の中から選択される。コーティング剤の量は、所望の放出プロフィルに達するように調整できる。極めて高いコーティング剤量は、有効成分の放出を妨げ得る。
【0024】
一態様によれば、本発明は、メサラジン、製薬的に許容できる結合剤およびコーティング剤から本質的になる医薬品製剤に関する。
【0025】
一態様によれば、本発明は、100rpmで攪拌しながら37℃で操作されるUSPパドルシステム2を用いるモデル系内で測定される、製剤内のメサラジンの全量のうち、240分後に放出される少なくとも40%、50%、60%、70%、80%、または90%のメサラジンのインビトロ放出特性を有する医薬品製剤に関する。通常、より高い放出は、腸内での有効な放出を確実にするために好ましい。
【0026】
一態様によれば、本発明は、100rpmで攪拌しながら37℃で操作されるUSPパドルシステム2を用いるモデル系内で測定される、製剤内のメサラジン全量のうち、
a)15分後に5〜25%放出;
b)90分後に30〜70%、好ましくは40〜60%放出;および
c)240分後に75〜100%放出される、メサラジンのインビトロ放出特性を有する医薬品製剤に関する。
【0027】
前記モデル系に関する溶解パラメータは、以下のとおりであった:
溶解媒体:1000mの脱気0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液pH7.5。
【0028】
装置:USP23パドル法(装置2)
シャフト回転速度:100rpm。1gサッシェが、実験に使用された。
【0029】
第一の好ましい態様によれば、本発明は、上記の条件下で測定された、
a)15分後に12%放出;
b)90分後に50%放出;および
c)240分後に85%放出される、メサラジンのインビトロ放出特性を有する標品と比較して、25、30、35、40、45、50、55、60、65、および70から選択される数を超える類似性因子fを有する医薬品製剤に関する。
【0030】
前記類似性因子fは、
【0031】
【数1】

として定義され、
式中、nは、時点数であり、R(t)は、標品が溶解した有効成分の平均パーセントであり、T(t)は、本発明による製剤が溶解した有効成分の平均パーセントである。前記類似性因子は通常、50〜100の範囲内にあれば良好であるが、本発明の目的のためには、さらに小さくてもよい。
【0032】
第二の好ましい態様によれば、本発明は、上記の条件下で測定された、
d)15分後に21%放出;
e)90分後に68%放出;および
f)240分後に94%放出される、メサラジンのインビトロ放出特性を有する標品と比較して、25、30、35、40、45、50、55、60、65、および70から選択される数を超える類似性因子fを有する医薬品製剤に関する。
【0033】
一態様によれば、本発明は、サッシェに詰められている医薬品製剤に関する。
【0034】
一態様によれば、本発明は、
a)メサラジンと顆粒液とを混合するステップ;
b)顆粒化、圧縮または押出しにより顆粒を得るステップ;
c)前記顆粒を乾燥するステップ;
d)必要な場合、前記顆粒のサイズを調整するステップ;
e)必要な場合、前記顆粒を篩い分けするステップを含み;さらに
f)前記顆粒をコーティングするステップ;
場合によってはさらに:
g)前記コーティング顆粒を篩い分けするステップ;
h)前記コーティング顆粒をエアパージするステップを含むことを特徴とする、顆粒を製造する方法に関する。
【0035】
一態様によれば、本発明は、前記コーティング顆粒をサッシェに詰める方法に関する。
【0036】
他の好適なパッケージ形態は、通常、経口用製剤に使用される容器である。
【0037】
この方法は、医薬品製剤に関して簡便な製造法を提供する。
【0038】
本発明の一態様によれば、医薬組成物は、球状化せずに製造して提供できる。したがって、前記組成物は、球状化せずに得ることができる。それによって、球状化補助剤の必要性が除かれ、前記医薬組成物を、高い薬物含有割合とすることができる。
【0039】
球状化は、工業的スケールで再現性製品を得るために使用されており、その製品は、視覚的に魅力があり、投与が容易であり、高い患者コンプライアンスをもたらす。
【0040】
本発明までは、視覚的に魅力があり、容易に投与可能なサッシェ製品を得るために、メサラジン薬物を球状化する必要があると考えられていた。球状化は、微結晶セルロースなどの球状化補助剤またはエンハンサーの使用を必ず伴う。球状化補助剤の存在により、本発明により得ることができるよりも低い薬物含有割合となる。
【0041】
塵芥のない高い薬物含有割合の医薬組成物の要求が存在している。これらの基準に合致する医薬品製剤は、球状化をしない本発明の態様によって達成される。このような組成物は、顆粒を得ることによって提供できる。前記医薬品製剤が投与される人に対し視覚的に魅力のある製品を得るために、顆粒化、圧縮または押出しにより顆粒を得ることができる。圧縮は、例えば、ロール圧縮により実施できる。前記顆粒は、押出しにより得ることが好ましい。
【0042】
本発明のある一定の好ましい態様によれば、前記医薬組成物は、標題「Method for the preparation of a pharmaceutical composition comprising 5−aminosalicylic acid for use in treatment of Ulcerative Colitis and Crohn’s Disease」で同時係属特許出願PCT/DK01/00677による修飾により得られる。この修飾は、コーティングが本発明に従い適合され、コーティング、篩い分け、窒素パージング後、得られた顆粒は、さらなる添加剤を必要とせずにサッシェに詰められるということを含む(前記出願明細書の実施例3および図4を参照)。顆粒化液が、少なくとも50重量%、より好ましくは60重量%、好ましくは70重量%、より好ましくは80重量%、好ましくは85重量%、より好ましくは90重量%の水を含むことが特に好ましい。
【0043】
一態様によれば、本発明は、前記顆粒化液が、水に溶解したポビドンからなる方法に関する。
【0044】
一態様によれば、本発明は、前記乾燥ステップc)が、流動床ドライヤ内で実施される方法に関する。
【0045】
一態様によれば、本発明は、前記サイズ調整ステップd)が、ミリングにより実施される方法に関する。
【0046】
一態様によれば、本発明は、前記篩い分けステップe)が、0.5mmの篩いを通過させるのではなく、1.8mmの篩いを通過させ顆粒を選択することにより実施される方法に関する。
【0047】
所望の顆粒を選択するために、例えば、4.0mm;3.15mm;2.5mm;2.0mm;1.8mm;1.6mm;1.4mm;1.25mm;1.18mm;1.0mm;0.9mm;0.8mm;0.71mm;0.6mm;0.5mmおよび0.4mmからなる群の中から選択されるサイズを有する他の好適な篩いが使用され得る。前記篩いは、粒径の上限および/または下限を決めるために選択できる。
【0048】
他の態様によれば、粉砕後に生じた顆粒は、主要フラクションが、850μmから1000μmである篩い分析により測定された粒径分布を有する。押出し機のホールは、所望の粒径を得るために変えることができる。一態様によれば、75%を超え、好ましくは85%を超え、最も好ましくは90%を超える顆粒が、850μmから1000μmまでの粒径を有する。
【0049】
一態様によれば、本発明は、前記コーティングステップf)が、エチルセルロースにより実施される方法に関する。
【0050】
一態様によれば、本発明は、前記コーティングステップf)が、0.09〜0.17mg/cm、好ましくは0.11〜0.15mg/cm、より好ましくは0.12〜0.14mg/cmの範囲になるように比表面積に応じて調整されるコーティング材料量でスプレーし、次いで乾燥することにより実施される方法に関する。これらの量は、エチルセルロースによるコーティングに好適であることが判明した。
【0051】
所望の放出プロフィルは、比表面積に従って用いられるコーティング材料量を調整することにより得ることができることを発見した。
【0052】
前記比表面積は、「Evaluation of a permeametry technique for surface area measurement of coarse particulate materials、International Journal of Pharmaceutics、Erikssonら、1990年、63、189〜199ページ」による浸透法により測定できる。
【0053】
同時係属特許出願PCT/DK01/00677によって得られ、好ましくは、本発明により修飾された顆粒は、比表面積の測定ならびに引き続くコーティングを促進する円滑面を有することが特に好ましい。
【0054】
顆粒に適用する必要のあるコーティング量を決定するために、比表面積を測定する。表面積当たりのコーティング量と溶解速度プロフィルとの間の測定された相互関係に基づいて、必要とされるコーティング量は、顆粒の測定された表面積から予測できる。前記量は、用いられる正確な条件、例えば、装置および添加剤に依るから、試行錯誤により調整される。
【0055】
一態様によれば、本発明は、前記篩い分けステップg)が、2.5mm以下のサイズのコーティング顆粒を得るために、好ましくは2.5mmのメッシュサイズを有する回転篩い上で実施される方法に関する。
【0056】
所望のサイズのコーティング顆粒を選択するために、例えば、4.0mm;3.15mm;2.5mm;2.0mm;1.8mm;1.6mm;1.4mm;1.25mm;1.18mm;1.0mm;0.9mm;0.8mm;0.71mm;0.6mm;0.5mmおよび0.4mmからなる群の中から選択されるサイズを有する他の好適な篩いが使用され得る。
【0057】
一態様によれば、本発明は、前記方法に従って得ることができる医薬品製剤であって、好ましくは、上記態様のいずれかに従った医薬品製剤に関する。
【0058】
一態様によれば、本発明は、医療使用のための医薬品製剤に関する。
【0059】
一態様によれば、本発明は、0.5g;1.0g;1.5g;2g;3g;4g;5g;6g;8g;および10gからなる群から選択される全量のメサラジンを含む、本発明による医薬品製剤製造のためのメサラジンの使用に関する。
【0060】
一態様によれば、本発明は、前記薬剤が、腸管腸疾患(IBD)、好ましくはクローン病または潰瘍性大腸炎の治療用である使用に関する。
【0061】
本発明による製剤は、IBDの治療に好適である。
【0062】
一態様によれば、本発明は、前記本発明による製剤を患者に投与する、IBDの治療方法に関し、好ましくは1日1回、2回、3回または4回投与するIBDの治療方法である。
【0063】
本発明による製剤は、カプセル、ブリスターパッケージ、ディスペンサ、ガラスまたはプラスチック容器、およびサッシェなど、患者に投与できる種々の容器内に詰めることができる。
【0064】
一態様によれば、本発明は、医薬品製剤用サッシェに関し、好ましくは、本発明による医薬品製剤用サッシェに関する。
【0065】
当該サッシェは、任意の医薬品製剤に用いてもよいが、メサラジンなどの感受性の高い化合物を含む医薬品を保存するのに特に好適である。
【0066】
一態様によれば、本発明は、
i)紙;
ii)接着層、好ましくはポリエチレンなどの接着剤;
iii)バリヤー層、好ましくはアルミニウムホイル;および
iv)シール層、好ましくは低密度ポリエチレン、の複数層を含むサッシェに関する。
【0067】
メサラジンは、湿気、大気および/または光に感受性が高い。したがって、メサラジンを含有する製品のためのサッシェは、湿気、大気および光に対するバリヤーを提供することが好ましいと云える。前記サッシェはまた、患者にとって開封が容易である必要があり、鋏などのさらなる道具を使用することがないことが好ましい。人の指によりサッシェを引き裂いて開封できることを犠牲にすることなく、必要なバリヤー性を有するサッシェを提供することが課題となっていた。さらに、既存のサッシェは、静電気の発生をこうむりがちである。サッシェは、好ましくは、製造が容易で、充填が容易で、空にすることが容易であり、また患者のコンプライアンスを改善するために魅力ある外見を有するべきである。
【0068】
本態様は、サッシェに含まれた医薬組成物に関して長期保存安定性を供与するサッシェを提供し、有効医薬成分としては、例えばメサラジンが挙げられる。さらに、前記サッシェは、引き裂くことが容易であり、静電気が除去されることにより、その内容物を完全に空にし得るサッシェが提供される。本発明によるサッシェと経口用製剤との組合せは、殆ど静電気を発生させない。
【0069】
一態様によれば、本願発明は、接着層ii)が、好ましくは単位面積当たり6〜20g/m、好ましくは9〜15g/m、より好ましくは12g/mの重量を有し;バリヤー層iii)は、好ましくは6〜30μm、より好ましくは7〜25μm、好ましくは9〜25μm、より好ましくは8〜20μm、好ましくは9〜15μm、より好ましくは12μmの厚さを有し;および/または前記シール層iv)は、好ましくは、単位面積当たり10〜100g/m、より好ましくは15〜75g/m、好ましくは20〜50g/m、より好ましくは30〜40g/m、最も好ましくは35g/mの重量を有するサッシェに関する。
【0070】
外側の紙i)は、好ましい実施形態において、単位面積当たり10〜100g/m、好ましくは30〜70g/m、最も好ましくは50g/mの重量を有する。
【0071】
一態様によれば、本発明は、本発明による医薬組成物用サッシェの使用に関する。
【0072】
前記サッシェは、本発明による医薬組成物を保存するのに好適であることが証明された。
【0073】
一態様によれば、本発明は、医療用目的のサッシェの使用に関する。
【0074】
本発明の態様によれば、それは、有効成分として、メサラジンの使用に限定されず、WO 00/44353、12〜16ページに記載された成分など、他の有効成分にも関連する。他の低い効力の有効成分は、本発明に好適である。特にイブプロフェンは、メサラジンの代わりとして考えられる。
【0075】
本発明の態様によれば、さらに、充填剤、崩壊剤、pH調整剤、または界面活性剤などの添加剤を、本発明による組成物に含むことができる。このような添加剤は、文献でよく知られており、多数の好適な添加剤に関して、例えば、WO 00/44353、16〜20ページを参照されたい。
【0076】
(実施例)
他の記述がない限り、全てのパーセンテージは、重量%である。
【実施例1】
【0077】
長時間放出顆粒の180,000のサッシェ製造用バッチは、以下のとおり用意された。
【0078】
【表1】

【0079】
当該製造法は、幾つかの添加剤と共に、同時係属特許出願PCT/DK01/00677に記載されている製造法に厳密に従っている。成分量および成分タイプは、調整され、特にエチルセルロース量は、所望の溶解プロフィルを得るために減少させる。本実施例においては、錠剤は作製しなかったので、この目的のための添加剤は含まず、エアパージング後、乾式混合は実施せず、錠剤化は実施しなかった。したがって、本工程から生じる顆粒製造物は、前記出願の錠剤とは異なっている。
【0080】
製剤化のための製造工程は、9つのステップに分けることができる:
1.顆粒化液の調製
2.水およびPVPとのメサラジンの顆粒化
3.押出し
4.流動床乾燥
5.ミリング
6.篩い分け
7.コーティング
8.篩い分け
9.エアパージング
【0081】
【表2】

【0082】
ステップ1:
1バッチの顆粒化液用に、水をMullerドラムに充填する。ミキサーを適切な位置に入れ、開始させる。ポリビニルピロリドン(PVP)を、水上にゆっくりとふりかけ、全てのPVPが溶解するまで、一定時間前記ミキサーを運転させる。
【0083】
ステップ2および3:
メサラジンを、振動Prodimaホッパに入れ、コンベヤを用いて、ウェイトベルトフィーダまで運搬し、メサラジンを連続Niroラインに供給する。Niroラインの第1パートにおいて、メサラジンとPVPの水溶液とを混合して、ウェットマスにしてから押出し機内へ運搬する。スクリーンメッシュ0.9mmを通してメサラジンとPVP/水とのウェットマスの押出し後、この顆粒は、流動床ドライヤに直接落下する。
【0084】
ステップ4:
前記流動床ドライヤは、2つの主要な区画に分けられる。第1の区画において、顆粒を表面上で乾燥して、互いに固着するのを防ぐ。流動床のこの区画において、顆粒の無作為混合が行われる。ある一定の残留時間後、顆粒を、実際の乾燥が行われる前記ドライヤの第2のパートに移動させる。前記ドライヤの第2のパートにおいて、顆粒は、乾燥空気を用いて前記ドライヤ(鰓プレートにおける特殊パターンのホール)の中を導かれる。前記顆粒が乾燥されたら、流動床下にあるドラム内に落下させる。前記流動床は、流動床内の全居留時間が凡そ2.5時間になるような様式で構成される。
【0085】
ステップ5:
乾燥顆粒を含むドラムを、ミルの上部で転倒させて、長すぎる顆粒だけを砕くスクリーンを用いて静かに顆粒を粉砕する。ミルを通過後、顆粒をドラムに落下させる。
【0086】
ステップ6:
前記ミリング工程で、実際にはサイズ以下の顆粒が少量生じるため、顆粒を、Mogensen振動篩いを用いて篩い分けする。スクリーン0.8mmを通る顆粒を廃棄するか、または再処理用に採取して、気密の標識容器に保存できる。
【0087】
ステップ7;
200kgの篩い分け顆粒を、Kugel塗布機(流床システム)内で、アセトンに溶解させたエチルセルロースからなるコーティング液によりコーティングする。
【0088】
所望の溶解速度プロフィルを得るため、顆粒に適用するのに必要な適当なエチルセルロース量を決定できるように、コーティング工程前に顆粒の表面積を測定する。顆粒に適用するのに必要なコーティング量の予測は、表面積当たりのコーティング量と顆粒の溶解速度との間の相互関係があるという事実に基づいて開発されている。
【0089】
コーティングステップが、HKC 400 Huttlin Kugel塗布機において実施され、次いで製造スケールの篩い分けが実施された場合、メサラジン全量の放出%として測定されるか、第1の好ましい態様により類似性因子により規定された本発明による放出特性は、エチルセルロース量が0.13mg/cmに調整された場合に達成された。
【0090】
コーティング工程の完了後、コーティング顆粒は、さらなる処理のためにドラムに装填される。
【0091】
ステップ8:
コーティング工程後、コーティング顆粒を、Prodima回転篩いにおいて篩い分けする。大きな塊は廃棄する。
【0092】
ステップ9:
コーティング顆粒のバッチを篩い分け後、それらを、圧縮空気または窒素によるパージングのために2つのドラムに分ける。顆粒を6〜14時間パージする。このパージング工程は、コーティング顆粒中の残渣溶媒(アセトン)量を減少させるために必要である。
【0093】
このバッチにより、以下の凡その組成を有する顆粒を得た:
【表3】

引き続きこの顆粒をサッシェに充填した。
【0094】
サッシェの材料は、以下の組成を有した:
【表4】

【0095】
本実施例に関して、12g/mのPEは、13μmに相当し、35g/mのPEは、38μmに相当する。この材料は、129g/mの秤量を有した。水蒸気に対する透過性は、24時間、25℃、75%RHで<0.05g/mであり、Oに対する透過性は、24時間、1気圧、23℃、75%RHで<0.05ml/mであった。
【0096】
前記紙が、サッシェの外側にあるように、充填/シールステーションの充填チューブをサッシェで包み、次いで、シール層としての低密度ポリエチレンにより縦にシールする。底部に交差シールを形成後、サッシェに顆粒剤を充填してから、上部で再度シールし、最後に切断する。
【0097】
全ての引用文献は、参照としてそれら全体が組み込まれている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メサラジンまたは製薬的に許容できるその塩を60重量%より多く含む顆粒剤の形態における経口用医薬品製剤。
【請求項2】
メサラジンまたは製薬的に許容できるその塩を70重量%より多く含む請求項1に記載の医薬品製剤。
【請求項3】
メサラジンまたは製薬的に許容できるその塩を80重量%より多く含む請求項1に記載の医薬品製剤。
【請求項4】
100rpmで攪拌しながら37℃で操作されるUSPパドルシステム2を用いるモデル系内で測定される、製剤内のメサラジンの全量のうち、240分後に放出される少なくとも40%のメサラジンのインビトロ放出特性を有する前記請求項のいずれかに記載の医薬品製剤。
【請求項5】
100rpmで攪拌しながら37℃で操作されるUSPパドルシステム2を用いるモデル系内で測定される、製剤内のメサラジン全量のうち、
a)15分後に5〜25%放出;
b)90分後に30〜70%、好ましくは40〜60%放出;および
c)240分後に75〜100%放出される、メサラジンのインビトロ放出特性を有する前記請求項のいずれかに記載の医薬品製剤。
【請求項6】
請求項5に記載の条件下で測定された、
a)15分後に12%放出;
b)90分後に50%放出;および
c)240分後に85%放出される、メサラジンのインビトロ放出特性を有する標品と比較して、30を超え、好ましくは40を超え、より好ましくは50を超える類似性因子fを有する前記請求項のいずれかに記載の医薬品製剤。
【請求項7】
1重量%;2重量%;3重量%;4重量%;5重量%;6重量%;7重量%;8重量%;9重量%;10重量%および12重量%からなる群の間で選択される量以下の量で、製薬的に許容できる結合剤、好ましくはポビドンをさらに含む前記請求項のいずれかに記載の医薬品製剤。
【請求項8】
コーティング剤、好ましくはエチルセルロースを含むか、またはそれからなるコーティング剤をさらに含む前記請求項のいずれかに記載の医薬品製剤。
【請求項9】
コーティング剤を含み、前記コーティング剤の重量対前記メサラジンまたは前記製薬的に許容できる塩の重量の比が、0.1〜10%;0.3〜7%;0.5〜5%;0.7〜3%;0.8〜2%;および0.9〜1.5%の中から選択される前記請求項のいずれかに記載の医薬品製剤。
【請求項10】
メサラジン、製薬的に許容できる結合剤およびコーティング剤から本質的になる前記請求項のいずれかに記載の医薬品製剤。
【請求項11】
前記医薬品製剤が、サッシェに詰められる前記請求項のいずれかに記載の医薬品製剤。
【請求項12】
a)メサラジンと顆粒化液とを混合するステップ;
b)顆粒化、圧縮または押出しにより顆粒を得るステップ;
c)前記顆粒を乾燥するステップ;
d)必要な場合、前記顆粒のサイズを調整するステップ;
e)必要な場合、前記顆粒を篩い分けするステップを含み;さらに
f)前記顆粒をコーティングするステップ;
場合によってはさらに:
g)前記コーティングされた顆粒を篩い分けするステップ;
h)前記コーティングされた顆粒をエアパージするステップを含むことを特徴とする、
前記請求項のいずれかに記載の医薬品製剤を製造する方法。
【請求項13】
前記コーティングされた顆粒を、サッシェに詰める請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記顆粒化液が、水に溶解されたポビドンからなる請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記乾燥ステップc)が、流動床ドライヤ内で実施される請求項12から14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記サイズ調整ステップd)が、ミリングにより実施される請求項12から15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記篩い分けステップe)が、0.5mmの篩いを通過させるのではなく、1.8mmの篩いを通過させて顆粒を選択することにより実施される請求項12から16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記コーティングステップf)が、エチルセルロースにより実施される請求項12から17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記コーティングステップf)が、0.09〜0.17mg/cm、好ましくは0.11〜0.15mg/cmの範囲になるように比表面積により調整されたコーティング材料量を適用し、次いで乾燥することにより実施される請求項12から18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記篩い分けステップg)が、好ましくは2.5mmのメッシュサイズを有する回転篩い上で実施される請求項12から19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
全投与量が、0.5g;1.0g;1.5g;2g;3g;4g;5g;6g;8g;および10gからなる群から選択され、好ましくはサッシェに詰められたメサラジンを含む請求項1から11のいずれかに記載の医薬品製剤製造のためのメサラジンの使用。
【請求項22】
前記薬剤が、腸管腸疾患、好ましくはクローン病または潰瘍性大腸炎の治療用である前記請求項いずれかに記載の使用。


【公開番号】特開2010−90146(P2010−90146A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−278169(P2009−278169)
【出願日】平成21年12月8日(2009.12.8)
【分割の表示】特願2006−505237(P2006−505237)の分割
【原出願日】平成16年4月23日(2004.4.23)
【出願人】(500297535)フェリング ベスローテン フェンノートシャップ (36)
【Fターム(参考)】