説明

薬学的組成物における活性成分の改善された送達のための固体キャリア

【課題】その中に含まれるかまたは別に投与される広範な種々の薬学的活性成分の改善された送達のための、固体薬学的組成物の提供。
【解決手段】1つの実施形態において、この固体薬学的組成物は、固体キャリアを含み、この固体キャリアは、基質およびこの基質上のカプセル化被覆を含む。このカプセル化被覆は、薬学的活性成分、親水性界面活性剤、親油性界面活性剤、およびトリグリセリドの異なる組み合わせを含み得る。別の実施形態において、この固体薬学的組成物は固体キャリアを含み、この固体キャリアは、薬学的活性成分、親水性界面活性剤、親油性界面活性剤、およびトリグリセリドの異なる組み合わせで形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は、薬学的活性成分(例えば、薬物、栄養剤、薬用化粧品および診断剤)のための薬学的送達系に関与する。特に、本発明は、薬学的活性成分の改善された送達のための組成物および投薬形態(固体キャリアを含む)を提供する。
【背景技術】
【0002】
(背景技術)
疎水性の活性成分(例えば、プロゲステロン、シクロスポリン、イトラコナゾールおよびグリブリド)は、これらの乏しい水溶性および遅い溶解速度に起因する、送達の問題を提示する。これらの疎水性薬物のいくつかの市販の生成物が利用可能であり、これらの種々の生成物は、インビボでの性能を増強することを試行するために異なる方法を使用する。1つのアプローチは、微粉化によるサイズの減少である(例えば、Prometrium(微粉化プロゲステロン)およびMicronase(微粉化グリブリド)における)。他のアプローチとしては、エマルジョン処方物におけるサイズの減少である(例えば、Sandimmune(シクロスポリンエマルジョン)およびNeOral(シクロスポリンマイクロエマルジョン)における)。これらのアプローチは、いくつかの不利益を被る。微粉化/ナノサイズ化(nanonization)は、処理および安定性の問題、ならびに溶解性の制限を示す。なぜなら、これらの微粉化/ナノサイズ化した薬物は、なお、高度の結晶化度を保持するからである。液体処方物は、溶媒の蒸発に起因する、薬物の沈殿およびパッケージングの問題を提示する。さらに、非固体処方物は、化学的不安定性およびカプセルシェルの不適合性(貯蔵中の漏出の可能性を導く)にあるより高い傾向がある。
【0003】
疎水性の活性成分について、これらの処方物の問題は困難なものである。これらの化合物は、水性の胃腸環境下で容易に可溶性であるが、これらは、乏しい膜透過性および/または酵素的分解に起因して、吸収されにくい。界面活性剤および親油性の添加剤は、膜透過性を改善することが報告されている:例えば、LeCluyseおよびSutton,「In vitro models for selection of development candidates.Permeability studies to define mechanisms of absorption enhancement」、Advanced Drug Delivery Reviews,23:163−183(1997)を参照のこと。しかし、これらの組成物は、生体受容性(biopaceptable)の吸収増強のための有効なレベルおよびタイプの増強剤を維持しない。疎水性活性成分のほとんどの固体投薬形態は、活性の吸収に乏しいかまたは活性の吸収を全く示さない。さらに、これらの非固体処方物は、上記のような、化学的不安定性、漏出およびカプセルシェル不適合性の不利益を被る。
【0004】
薬学的活性成分のための固体キャリアは、しばしば、微粉化薬物、エマルジョンまたは可溶化処方物を超える、潜在的な利点を提供する。固体キャリア(代表的には、約2mm未満のサイズ)は、胃を容易に通過し得、従って、その性能を、胃の排出の変動性を受けにくくする。さらに、液体処方物の漏出および他の不利益の問題は、固体キャリア処方物においては存在しない。しかし、今日まで、このような固体キャリア処方物は、一般に、キャリア粒子上へ活性成分を効果的にコートするための適切な薬物/賦形剤組成物の処方における困難性に起因して、少数の特定の薬物に限定されてきた。
【0005】
疎水性活性成分の従来の固体投薬形態(例えば、錠剤、またはカプセル中の多粒子(multiparticulate))は、しばしば、遅くかつ不完全な、溶解およびその後の吸収を示す。これらの処方物は、しばしば、活性成分の生体変動性(biovariability)および食物との相互作用に対する高い傾向を示し、これは、コンプライアンス/標識の要件の制限を生じる。
【0006】
遅い溶解および胃の排除に対する依存性に起因して、固体投薬形態は、しばしば、いくつかの疎水性活性成分の発生を遅延する。
従って、前述の不利益を被らない薬学的組成物および投薬形態、ならびにそれらの方法についての必要性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
(本発明の開示)
本発明の目的は、その中での迅速な溶解性およびより可溶性の状態で活性成分を有する、固体薬学的組成物を提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、患者への投与時のより迅速な溶解性を有する、固体薬学的組成物を提供することである。
本発明の別の目的は、患者への投与時のより持続的かつ完全な可溶化を有する、固体薬学的組成物を提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、広範に種々の薬学的活性成分を送達し得る、固体薬学的組成物を提供することである。
本発明の別の目的は、結合剤を必要とすることのないコート基質材料の、固体薬学的組成物を提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、活性成分の化学安定性が増強された、固体薬学的組成物を提供することである。
本発明の別の目的は、薬学的活性成分の吸収および/またはバイオアベイラビリティを改善し得る、固体薬学的組成物を提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、活性成分の不都合な効果から上部胃腸管をより良好に保護する、固体薬学的組成物を提供することである。
本発明の別の目的は、非嗜好的な薬学的活性成分の嗜好性を改善し得るかまたは非嗜好的な薬学的活性成分の味をマスクし得る、固体薬学的組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
これらおよび他の目的に従って、本発明は、その中に含まれるかまたは別々に投与される広範な種々の薬学的活性成分の改善された送達のための、固体薬学的組成物を提供する。
【0013】
1つの実施形態において、固体薬学的組成物は、固体キャリアを含み、この固体キャリアは、基質およびこの基質上のカプセル化コートを含む。このカプセル化コートは、少なくとも1つのイオン性または非イオン性の親水性界面活性剤を含む。必要に応じて、このカプセル化コートは、薬学的活性成分、親油性成分(例えば、親油性界面活性剤またはトリグリセリド)、あるいは薬学的活性成分および親油性成分の両方を含み得る。
【0014】
別の実施形態において、固体薬学的組成物は、固体キャリアを含み、この固体キャリアは、基質およびこの基質上のカプセル化コートを含む。このカプセル化コートは、親油性成分(例えば、親油性界面活性剤またはトリグリセリド)を含む。必要に応じて、このカプセル化コートは、薬学的活性成分、イオン性または非イオン性の親水性界面活性剤、あるいは薬学的活性成分および親水性界面活性剤の両方を含む。
【0015】
別の実施形態において、固体薬学的組成物は、固体キャリアを含み、この固体キャリアは、基質およびこの基質上のカプセル化コートを含む。このカプセル化コートは、薬学的活性成分およびイオン性または非イオン性の親水性界面活性剤;薬学的活性成分および親油性成分(例えば、親油性界面活性剤またはトリグリセリド);あるいは薬学的活性成分ならびに親水性界面活性剤および親油性成分の両方を含む。
【0016】
別の実施形態において、固体薬学的組成物は、固体キャリアを含み、ここで、この固体キャリアは、薬学的活性成分;イオン性または非イオン性の親水性界面活性剤;および親油性成分(例えば、親油性界面活性剤およびトリグリセリド)からなる群より選択される少なくとも2つの成分から形成される。
【0017】
他の局面において、本発明はまた、任意の固体薬学的組成物の投薬形態、および固体薬学的組成物を使用する方法を提供する。
本発明のこれらおよび他の目的ならびに特徴は、以下の説明および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになるか、または本明細書中以下に示すような本発明の実施によって理解され得る。
【0018】
本発明の上記に述べた利点および目的ならびに他の利点および目的が得られる様式を例示するために、簡単に上記に記載した本発明のより詳細な説明は、添付の図面において例示される本発明の特定の実施形態を参照することによって与えられる。これらの図面が、本発明の代表的な実施形態のみを示し、従って、本発明の範囲を限定するとみなされないことが理解して、本発明は、以下の添付の図面を使用してさらに詳細に記載および説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明に従う組成物および2つの先行技術の組成物についての、時間の関数としたグリブリドの溶解/放出の程度を示すグラフである。
【図2A】図2Aは、本発明に従う2つの組成物および純粋なバルク薬物についての、時間の関数としたプロゲステロンの溶解/放出の程度を示すグラフである。
【図2B】図2Bは、本発明に従う2つの組成物、プロゲステロンの従来の処方物、および純粋なバルク薬物についての、時間の関数としたプロゲステロンの溶解/放出の程度を示すグラフである。
【図3】図3は、本発明に従う2つの組成物および先行技術の組成物についての、時間の関数としたオメプラゾールの溶解/放出の程度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(本発明を実施するための形態)
本発明は、その中に含まれるかまたは別々に投与される広範な種々の薬学的活性成分の改善された送達のための、固体薬学的組成物を提供する。1つの実施形態において、この固体薬学的組成物は、固体キャリアを含み、この固体キャリアは、基質およびこの基質上のカプセル化コートを含む。このカプセル化コートは、薬学的活性成分、親水性界面活性剤、親油性界面活性剤およびトリグリセリドの異なる組み合わせを含み得る。別の実施形態において、この固体薬学的組成物は、固体キャリアを含み、この固体キャリアは、薬学的活性成分、親水性界面活性剤、親油性界面活性剤およびトリグリセリドの異なる組み合わせから形成される。これらおよび他の実施形態、ならびにそれらの好ましい局面は、以下により詳細に説明する。
【0021】
本発明の組成物の任意の成分は、市販されているように使用され得るか、または以下によって前処理され得ることが認識される:凝集、エアサスペンションチルリング、エアサスペンション乾燥、ボーリング、コアセルベーション、粉砕、圧縮、ペレット化、凍結ペレット化、押出し、顆粒化、均質化、封入複合化、凍結乾燥化、融解、混合、成形、パンコーティング、溶媒脱水、超音波処理、球状化(spheronization)、スプレーチルリング、スプレー凝結、スプレー乾燥、または当該分野で公知の他のプロセス。これらの種々の組成物はまた、予めコートされ得るかまたはカプセル化され得る。これらの種々の処理およびコーティングを、以下により詳細に説明する。
【0022】
(1.薬学的活性成分)
活性成分を含む本発明の実施形態において、本発明の薬学的組成物および方法における使用に適切な活性成分は、特に限定されない。なぜなら、これらの組成物は、驚くことに、広範な種々の活性成分を効果的に送達し得るからである。活性成分は、親水性、親油性、両親媒性または疎水性であり得、そしてカプセル化コート中に溶解され得るか、分散され得るか、または部分的に溶解および分散され得る。あるいは、活性成分は、固体薬学的組成物と別々に提供され得る(例えば、同時投与のために)。このような活性成分は、動物(特に哺乳動物)に投与された場合に治療的または他の価値を有する任意の化合物または化合物の混合物(例えば、薬物、栄養素、薬用化粧品、診断剤、栄養剤など)であり得る。活性成分の親水性または疎水性としてのカテゴリー化は、使用する特定の塩、異性体、アナログおよび誘導体に依存して変化し得ることが認識される。
【0023】
1つの実施形態において、活性成分薬剤は、疎水性である。疎水性の活性成分は、水への溶解性をほとんど有さないかまたは全く有さない化合物である。疎水性活性成分についての内在性の水への溶解性(すなわち、非イオン化形態での水への溶解度)は、約1重量%未満、代表的には、約0.1重量%未満または0.01重量%未満である。この実施形態の特定の局面において、活性成分は、疎水性薬物である。他の特定の局面において、活性成分は、栄養素、薬用化粧品、診断剤または栄養剤である。
【0024】
適切な疎水性活性成分は、治療的カテゴリーによって制限されないが、以下であり得る:例えば、鎮痛薬、抗炎症薬、駆虫薬、抗不整脈薬、抗菌薬、抗ウイルス薬、抗凝固薬、抗抑制薬、抗糖尿病薬、鎮痙薬、抗真菌薬、抗痛風薬、抗高血圧薬、抗マラリア薬、抗片頭痛薬、抗ムスカリン様薬、抗新形成薬、勃起性機能不全改善薬、免疫抑制薬、抗原虫薬、抗甲状腺薬、抗不安薬、鎮静薬、催眠薬、神経弛緩薬、β遮断薬、強心薬、コルチコステロイド、利尿薬、抗パーキンソン薬、胃腸薬、ヒスタミンレセプターアンタゴニスト、角質溶解薬、脂質調節薬、抗狭心症薬、cox−2インヒビター、ロイコトリエンインヒビター、マクロライド系抗生物質、筋弛緩剤、栄養剤、オピオイド鎮痛薬、プロテアーゼインヒビター、性ホルモン、興奮薬、筋弛緩薬、抗骨粗鬆症薬、抗肥満薬、認識エンハンサー、抗尿失禁薬、栄養性油、抗良性前立腺肥大薬、必須脂肪酸、非必須脂肪酸、およびその混合物。
【0025】
特定の、適切な疎水性活性成分の非限定例としては、以下である:アセトレチン(acetretin)、アルベンダゾール、アルブテロール、アミノグルテチミド(aminoglutethimide)、アミオダロン、アムロジピン、アンフェタミン、アンホテリシンB、アトルバスタイン(atorvastain)、アトバクウォン(atovaquone)、アジスロマイシン、バクロフェン、ベクロメタゾン(beclomethasone)、ベネゼプリル(benezepril)、ベンゾナテート、ベータメタゾン、ビカルタニド(bicalutanide)、ブデソニド、ブプロピオン(bupropion)、ブスルファン(busulfan)、ブテナフィン(butenafine)、カルシフェジオール(calcifediol)、カルシポトリエン(calcipotriene)、カルシトリオール、カンプトセシン、カンデサルタン(candesartan)、カプサイシン、カルバメゼピン、カロチン、セレコキシブ(celecoxib)、セリバスタチン(cerivastatin)、セチリジン(cetirizine)、クロルフェニラミン、コレカルシフェロール、シロスタゾール、シメチジン、シンナリジン、シプロフロキサシン、シサプリド、クラリスロマイシン、クレマスチン、クロミフェン、クロミプラミン、クロピドグレル(clopidogrel)、コデイン、補酵素Q10、シクロベンザプリン(cyclobenzaprin)、サイクロスポリン、ダナゾール、ダントロレン、デキシクロルフェニラミン(dexchlorpheniramine)、ジクロフェナク、ジクマロール、ジゴキシン、デヒドロエピアンドロステロン、ジヒドロエルゴタミン、ジヒドロタキステロール、ジリスロマイシン(dirithromycin)、ドネゼピル(donezepil)、エファビレンズ(efavirenz)、エポサルタン(eposartan)、エルゴカルシフェロール、エルゴタミン、必須脂肪酸供給源、エトドラック(etodlac)、エトポシド、ファモチジン、フェノフィブレート(fenofibrate)、フェンタニール、フェキソフェナジン(fexofenedine)、フィナステリド(finasteride)、フルコナゾール、フルルビプロフェン、フルバスタチン(fluvastatin)、フォスフェニトイン(fosphenytoin)、フロバトリプタン(frovatriptan)、フラゾリドン(flazolidone)、ギャバペンチン(gabapentin)、ゲムフィブロジル、グリベンクラミド、グリピジド(glipizide)、グリブリド、グリメピリド(glimepiride)、グリセオフルビン、ハロファントリン(halofantrine)、イブプロフェン、イルベサルタン(irbesartan)、イリノテカン、二硝酸イソソルビド、イトトレチノイン(itotretinoin)、イトラコナゾール、イベルメクチン、ケトコナゾール、ケトロラク、ラモトリジン、ラノソプラゾール(lansoprazole)、レフルノミド(leflunomide)、リシノプリル、ロペラミド、ロラタジン(loratadine)、ロバスタチン、L−スリロキシン(thryroxine)、ルテイン、リコピン、メドロキシプロゲステロン、ミフェプリストン(mifepristone)、メフロキン、酢酸メゲストロール(megestrol acetate)、メタドン、メトキサレン、メトロニダゾル、ミコナゾール、ミダゾラム、ミグリトール(miglitol)、ミノキシジル、ミトザントロン、モンテルカスト(montelukast)、ナブメトン、ナルブフィン、ナラトリプタン(naratriptan)、ネルフィナビル(nelfinavir)、ニフェジピン、ニルソルジピン(nilsolidipine)、ニルタニド(nilutanide)、ニトロフラントイン、ニザチジン、オメプラゾール、オプレベルキン(oprevelkin)、エストラジオール(oestradiol)、オキサプロジン、パクリタキセル、パラカルシトール(paracalcitol)、パロキセチン、ペンタゾシン、ピオグリタゾン(pioglitazone)、ピゾフェチン(pizofetin)、プラバスタチン、プレドニゾロン、プロブコール、プロゲステロン、プソイドエフェドリン、ピリドスチグミン、ラベプラゾール(rabeprazole)、ラロキシフェン(raloxifene)、ロフェコキシブ(rofecoxib)、レパグリニド(repaglinide)、リファブチン(rifabutine)、リファペンチン(rifapentine)、リメキソロン(rimexolone)、リタノビル(ritanovir)、リザトリプタン(rizatriptan)、ロシグリタゾン(rosiglitazone)、サキナビル、セルトラリン、シブトラミン(sibutramine)、クエン酸シルデナフィル(sildenafil citrate)、シンバスタチン、シロリムス(sirolimus)、スピロノラクトン、スマトリプトファン、タクリン、タクロリムス、タモキシフェン、タムスロジン(tamsulosin)、ターグレチン(targretin)、タザロテン、テルミサータン(telmisartan)、テニポシド(teniposide)、テルビナフェン、テラゾシン、テトラヒドロカナビノール、チアガビン(tiagabine)、チクロビジン(ticlopidine)、チロフィブラン(tirofibran)、チザニジン、トピラメート(topiramate)、トポテカン(topotecan)、トレミフェン、トラマドール、トレチノイン、トログリタゾン(troglitazone)、トロバフロキサシン(trovafloxacin)、ユビデカルノン、バルサータン(valsartan)、ベンラファキシン(venlafaxine)、ベルテポルフィン(verteporfin)、ビガバトリン、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ザフィルルカスト(zafirlukast)、ジルートン(zileuton)、ゾルミトリプタン(zolmitriptan)、ゾルピデム、およびゾピクロン。当然のことながら、上に列挙した疎水性活性成分の塩、異性体、および誘導体、ならびに混合物もまた使用され得る。
【0026】
上に列挙した疎水性活性成分のうちで、好ましい活性成分としては、以下が挙げられる:アセトレチン(acetretin)、アルベンダゾール、アルブテロール、アミノグルテチミド(aminoglutethimide)、アミオダロン、アムロジピン、アンフェタミン、アンホテリシンB、アトルバスタチン、アトバキオン(atovaquone)、アジスロマイシン、バクロフェン、ベンゾナテート、ビカルタニド、ブスルファン(busulfan)、ブテナフィン、カルシフェジオール、カルシポトリエン(calcipotriene)、カルシトリオール、カンプトセシン(camptothecin)、カプサイシン、カルバメゼピン、カロチン、セレコキシブ、セリバスタチン(cerivastatin)、クロルフェニラミン、コレカルシフェロール、シメチジン、シンナリジン、シプロフロキサシン、シサプリド、シトリジン(citrizine)、クラリスロマイシン、クレマスチン、クロミフェン、コデイン、補酵素Q10、シクロスポリン(cyclosporine)、ダナゾール、ダントロレン、デキシクロルフェニラミン(dexchlorpheniramine)、ジクロフェナク、ジゴキシン、デヒドロエピアンドロステロン(dehydroisoandrosterone)、ジヒドロエルゴタミン、ジヒドロタキステロール(dihydrotachysterol)、ジリスロマイシン、ドネゼピル(donezepil)、エファビレンズ、エルゴタミン、エルゴカルシフェロール、必須脂肪酸供給源、エトドラック、エトポシド、ファモチジン、フェノフィブレート、フェンタニール、フェキソフェナジン、フィナステリド、フルコナゾール、フルルビプロフェン、フルバスタチン、フォスフェニトイン(fosphenytoin)、フロバトリプタン、フラゾリドン(flazolidone)、ギャバペンチン、ゲムフィブロゾル、グリベンクラミド、グリピジド、グリブリド、グリメピリド(glimepiride)、グリセオフルビン、ハロファントリン、イブプロフェン、イリノテカン、イソテトリノイン(isotetrinoin)、イトラコナゾール、イベルメクチン、ケトコナゾール、ケトロラク、ラモトリジン、ランソプラゾール(lansoprazole)、レフルノミド、ロペラミド、ロラタジン、ロバスタチン、L−スリロキシン、ルテイン、リコピン、ミフェプリストン、メフロキン、酢酸メゲストロール(megestrol acetate)、メタドン、メトキサレン、メトロニダゾル、メトロニダゾル、ミコナゾール、ミダゾラム、ミグリトール、ミトザントロン、メドロキシプロゲステロン(medroxyprogensterone)、モンテルカスト、ナブメトン、ナルブフェン、ナラトリプタン(naratriptan)、ネルフィナビル、ニルタニド、ニトロフラントイン、ニザチジン、オメプラゾール、エストラジオール(oestradiol)、オキサプロジン、パクリタキセル、パラカルシトール(paracalcitol)、ペンタゾシン、ピオグリタゾン、ピゾフェチン、プラバスタチン、プロブコール、プロゲステロン、プソイドエフェドリン(pseduoephedrine)、ピリドスチグミン、ラベプラゾール、ラロキシフェン、ロフェコキシブ(rofecoxib)、レパグリニド、リファブチン、リファペンチン、リメキソロン、リタノビル、リザトリプタン、ロシグリタゾン(rosiglitazone)、サキナビル、シブトラミン、クエン酸シルデナフィル、シンバスタチン、シロリムス、スピロノラクトン、スマトリプトファン、タクリン、タクロリムス、タモキシフェン、タムスロジン、ターグレチン、タザロテン、テニポシド、テルビナフェン、テトラヒドロカナビノール、チアガビン、チザニジン、トピラメート、トポテカン、トレミフェン、トラマドール、トレチノイン、トログリタゾン、トロバフロキサシン、ベルテポルフィン(verteporfin)、ビガバトリン、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ザフィルルカスト、ジルートン、ゾルミトリプタン、ゾルピデム、ゾピクロン、薬学的受容可能な塩、異性体、およびその誘導体、ならびにその混合物。
【0027】
特に好ましい疎水性活性成分としては、以下が挙げられる:アセトレチン(acetretin)、アルブテロール、アミノグルテチミド(aminoglutethimide)、アミオダロン、アムロジピン、アムプレナビル(amprenavir)、アトルバスタチン、アトバキオン(atovaquone)、バクロフェン、ベンゾナテート、ビカルタニド、ブスルファン(busulfan)、カルシフェジオール、カルシポトリエン(calcipotriene)、カルシトリオール、カンプトセシン(camptothecin)、カプサイシン、カルバメゼピン、カロチン、セレコキシブ、クロルフェニラミン、コレカルシフェロール、シメチジン、シンナリジン、シサプリド、シトリジン(citrizine)、クレマスチン、補酵素Q10、シクロスポリン(cyclosporine)、ダナゾール、ダントロレン、デキシクロルフェニラミン(dexchlorpheniramine)、ジクロフェナク、デヒドロエピアンドロステロン(dehydroisoandrosterone)、ジヒドロエルゴタミン、ジヒドロタキステロール(dihydrotachysterol)、エファビレンズ、エルゴカルシフェロール、エルゴタミン、必須脂肪酸供給源、エトドラック、エトポシド、ファモチジン、フェノフィブレート、フェキソフェナジン、フィナステリド、フルコナゾール(fluconazole)、フルルビプロフェン、フォスフェニトイン(fosphenytoin)、フロバトリプタン、フラゾリドン(flazolidone)、グリベンクラミド、グリピジド、グリブリド、グリメピリド(glimepiride)、イブプロフェン、イリノテカン、イソテトリノイン(isotetrinoin)、イトラコナゾール、イベルメクチン、ケトコナゾール、ケトロラク、ラモトリジン、ランソプラゾール(lansoprazole)、レフルノミド、ロペラミド、ロラタジン、ロバスタチン、L−スリロキシン、ルテイン、リコピン、メドロキシプロゲステロン(medroxyprogensterone)、ミフェプリストン、酢酸メゲストロール(megestrol acetate)、メトキサレン、メトロニダゾル、メトロニダゾル、ミコナゾール、ミグリトール、ミトザントロン、モンテルカスト、ナブメトン、ナラトリプタン(naratriptan)、ネルフィナビル、ニルタニド、ニトロフラントイン、ニザチジン、オメプラゾール、エストラジオール(oestradiol)、オキサプロジン、パクリタキセル、パラカルシトール(paracalcitol)、ピオグリタゾン、ピゾフェチン、プランルカスト(pranlukast)、プロブコール、プロゲステロン、プソイドエフェドリン(pseduoephedrine)、ラベプラゾール、ラロキシフェン、ロフェコキシブ(rofecoxib)、レパグリニド、リファブチン、リファペンチン、リメキソロン、リタノビル、リザトリプタン、ロシグリタゾン(rosiglitazone)、サキナビル、クエン酸シルデナフィル、シンバスタチン、シロリムス、タクロリムス、タモキシフェン、タムスロジン、ターグレチン、タザロテン、テニポシド、テルビナフェン、テトラヒドロカナビノール、チアガビン、チザニジン、トピラメート、トポテカン、トレミフェン、トラマドール、トレチノイン、トログリタゾン、トロバフロキサシン、ウビデカレノン、ビガバトリン、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ザフィルルカスト、ジルートン、ゾルミトリプタン、薬学的受容可能な塩、異性体、およびその誘導体、ならびにその混合物。
【0028】
最も好ましい疎水性活性成分としては以下が挙げられる:アムロジピン、アムプレナビル(amprenavir)、アトルバスタチン(atorvastatin)、アトバクオン(atovaquone)、セレコキシブ(celecoxib)、シサプリド、補酵素Q10、シクロスポリン、ファモチジン、フェノフィブラート(fenofibrate)、フェキオフェナジン(fexofenadine)、フィナステリド、イブプロフェン、イトラコナゾール、ランソプラゾール、ロラタジン、ロバスタチン、酢酸メゲストロール、モンテルカスト(montelukast)、ナブメトン、ニザチジン、オメプラゾール、オキサプロジン、パクリタキセル、パラカルシトル(paracalcitol)、ピオグリタゾン、プランルカスト(pranlukast)プロゲステロン、偽エフェドリン、ラベプラゾール(rabeprazole)、ラパマイシン、ロフェコキシブ(rofecoxib)、レパグリニド(repaglinide)、リメキソロン、リタノビル(ritanovir)、ロシグリタゾン(rosiglitazone)、サキナビル、クエン酸シルデナフィル(sildenafil citrate)、シンバスタチン、シロリマス(sirolimus)、タクロリムス、タンスロシン(tamsulosin)、テニポシド、テルベナフィン(terbenafine)、テトラヒドロカナビノール、チアガビン(tiagabine)、チザニジン、トラマドール、トログリタゾン(troglitazone)、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ザフィルルカスト(zafirlukast)、ジロイシン、薬学的受容可能な塩、異性体およびそれらの誘導体、ならびにそれらの混合物。
【0029】
別の実施形態において、この活性成分は親水性である。両親媒性化合物はまた、親水性活性成分のクラス内に含まれる。親水性活性成分についての見掛けの水溶性は、約0.1重量%よりも大きく、そして代表的に約1重量%よりも大きい。この実施形態の特定の局面において、親水性活性成分は親水性薬剤である。他の特定の局面において、親水性活性成分は薬用化粧品、診断薬または栄養薬である。
【0030】
適切な親水性活性成分は、治療的カテゴリーに制限されず、例えば、以下であり得る:鎮痛剤、抗炎症薬、駆虫薬、不整脈治療剤、抗菌薬、抗ウイルス薬、凝固阻止薬、抗鬱薬、抗糖尿病薬、抗てんかん薬、抗真菌剤、坑痛風剤、抗高血圧薬、抗マラリア薬、坑片頭痛薬、抗ムスカリン薬、抗悪性腫瘍薬、勃起性機能不全改善剤、免疫抑制剤、抗原虫薬、抗甲状腺薬、抗不安薬、鎮静薬、催眠薬、神経安定薬、β−遮断薬、心臓強心薬、コルチコステロイド、利尿薬、坑パーキンソン病薬、胃腸薬、ヒスタミンレセプター拮抗薬、角質溶解薬、脂質調節薬、狭心症薬、cox−2インヒビター、ロイコトリエンインヒビター、マクロライド系抗生物質、筋弛緩薬、栄養剤、オピオイド鎮痛薬、プロテアーゼインヒビター、性ホルモン、興奮薬、筋弛緩薬、坑骨粗鬆薬、坑肥満薬、認識エンハンサー、坑切迫尿失禁薬、栄養性油、坑良性前立腺肥大薬、必須脂肪酸、非必須脂肪酸およびそれらの混合物。
【0031】
同様に、親水性活性成分は、サイトカイン、擬態ペプチド、ペプチド、タンパク質、トキソイド、血清、坑体、ワクチン、ヌクレオシド、ヌクレオチド、遺伝子物質の一部、核酸、またはその混合物であり得る。
【0032】
適切な親水性活性成分の、特定の、非制限的な例には以下が挙げられる:アカルボース;アシクロビル;アセチルシステイン;塩化アセチルコリン;アラトロフロキサシン(alatrofloxacin);アレンドロネート(alendronate);アルグルセラーゼ(alglucerase);塩酸アマンタジン;アンベノニウム;アミホスチン;塩酸アミロライド;アミノカプロン酸;アンホテリシンB;抗血友病因子(ヒト);抗血友病因子(ブタ);抗血友病因子(組換え体);アプロチニン;アスパラギナーゼ;アテノロール;ベシル酸アトラクリウム;アトロピン;アジスロマイシン;アズトレオナム;BCGワクチン;バシトラシン;ベカレルミン(becalermin);ベラドーナ(belladona);塩酸ベプリジル;硫酸ブレオマイシン;ヒトカルシトニン;サケカルシトニン;カルボプラチン;カペシタビン(capecitabine);硫酸カプレオマイシン;セファマンドールナファート;セファゾリンナトリウム;塩酸セフェピム;セフィキシム;セフォニシドナトリウム;セフォペラゾン;セフォテタン二ナトリウム;セフォタキシム;セフォキシチンナトリウム;セフチゾキシム;セフトリアキソン;セフロキシムアキセチル;セファレキシン;セファピリンナトリウム;コレラワクチン;絨毛性ゴナドトロピン;シドフォビル(cidofovir);シスプラチン;クラドリビン(cladribine);臭化クリジニウム;クリンダマイシンおよびクリンダマイシン誘導体;シプロフロキサシン;クロドロネート(clodronate);コリスチンメタナトリウム;硫酸コリスチン;コルチコトロピン;コシントロピン;クロモリンナトリウム;シタラビン;ダルテパリンナトリウム(dalteparin sodium);ダナパロイド(danaparoid);デフェロキサミン;デニロイキンジフチトクス(denileukin diftitox);デスモプレシン;ジアトリゾアートメグルミンおよびジアトリゾアートナトリウム;ジサイクロミン;ジダノシン;ジリスロマイシン;塩酸ドパミン;デオキシリボヌクレアーゼα;塩化ドキサクリウム;ドキソルビシン;エチドロン酸二ナトリウム;エナラプリラート;エンケファリン;エノキサシン;エノキサパリンナトリウム;エフェドリン;エピネフリン;エポエチンα;エリスロマイシン;塩酸エスモロール;第IX因子;ファムシクロビル;フルダラビン;フルオキセチン;ホスカネットナトリウム;ガンシクロビル;顆粒球コロニー刺激因子;顆粒球マクロファージ刺激因子;成長ホルモン−ヒト組換え体;成長ホルモン−ウシ;ゲンタマイシン;グルカゴン;グリコピロレート(glycopyrolate);生殖腺刺激ホルモン放出ホルモンおよびその合成アナログ;GnRH;ゴナドレリン;グレパフロキサシン(grepafloxacin);ヘモフィルスB結合ワクチン;不活性化A型肝炎ウイルスワクチン;不活性化B型肝炎ウイルスワクチン;ヘパリンナトリウム;硫酸インジナビル(indinavir sulfate);インフルエンザウイルスワクチン;インターロイキン−2;インターロイキン−3;インスリン−ヒト;インスリン リスプロ(lispro);インスリン プロシン(procine);インスリン NPH;インスリン アスパルト(aspart);インスリン グラルギン(glargine);インスリン デテミル(detemir);インターフェロンα;インターフェロンβ;イプラトロピウムブロミド;イホスファミド;日本脳炎ウイルスワクチン;ラミブジン(lamivudine);ロイコボリンカルシウム;酢酸ロイプロリド;レボフロキサシン;リンコマイシンおよびリンコマイシン誘導体;ロブカビル(lobucavir);ロメフロキサシン;ロラカルベフ(loracarbef);マンニトール;麻疹ウイルスワクチン;髄膜炎菌性ワクチン;メノトロピン;臭化メペンゾレート;メサラミン;メテナミン;メトトレキサート;メトスコポラミン;塩酸メトホルミン;メトプロロール;メゾシリンナトリウム(mezocillin sodium);ミバクリウムクロライド;流行性耳下腺炎ワクチン;ネドクロミルナトリウム;ネオスチグミン臭化物;ネオスチグミンメチル硫酸塩;ニューロンチン(neurontin);ノルフロキサシン;酢酸オクトレオチド;オフロキサシン;オルパドロネート(olpadronate);オキシトシン;パミドロン酸二ナトリウム;臭化パンクロニウム;パロキセチン;ペルフロキサシン(perfloxacin);イセチオン酸ペンタミジン;ペントスタチン;ペントキシフィリン;ペリシクロビル(periciclovi);ペンタガストリン;フェントラミンメシレート;フェニルアラニン;サリチル酸フィゾスチグミン;ペストワクチン;ピペラシリンナトリウム;血小板由来増殖因子−ヒト;肺炎球菌多価ワクチン;不活化ポリオウイルスワクチン;ポリオウイルス生ワクチン(OPV);硫酸ポリミキシンB;塩化プラリドキシム;プラムリンチド(pramlintide);プレガバリン(pregabalin);プロパフェノン;臭化プロパンテリン;臭化ピリドスチグミン;狂犬病ワクチン;レシドロネート(residronate);リババリン(ribavarin);塩酸リマンタジン;ロタウイルスワクチン;サルメテロールキシナホエート;シンカリド;痘瘡ワクチン;ソラトール(solatol);ソマトスタチン;スパルフロキサシン;スペクチノマイシン;スタブジン(stavudine);ストレプトキナーゼ;ストレプトゾシン;スキサメトニウムクロライド;塩酸タクリン;硫酸テルブタリン;チオペタ(thiopeta);チカルシリン;チルドロネート(tiludronate);チモロール;組織型プラスミノーゲン活性化因子;TNFR:Fc;TNK−tPA;トランドラプリル(trandolapril);グルコン酸トリメトレキサート;トロスペクチノマイシン(trospectinomycin);トロバフロキサシン(trovafloxacin);塩化ツボクラリン;腫瘍壊死因子;腸チフス生ワクチン;尿素;ウロキナーゼ;バンコマイシン;バラシクロビル(valacyclovi);バルサルタン(valsartan);水痘ウイルス生ワクチン;バソプレシンおよびバソプレシン誘導体;臭化ベクロニウム;ビンブラスチン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ビタミンB12;ワルファリンナトリウム;黄熱ワクチン;ザルシタビン(zalcitabine);ザナミビル(zanamivi);ゾランドロネート(zolendronate);ジドブジン;それらの薬学的受容可能な塩、異性体および誘導体;ならびにそれらの混合物。
【0033】
上に列挙した親水性活性成分の中で、好ましい活性成分は以下のものを含む;アカルボース;アシクロビル;アトラクリウム;アレンドロネート(alendronate);アルグルセラーゼ(alglucerase);塩酸アマンタジン;アンホテリシンB;抗血友病因子(ヒト);抗血友病因子(ブタ);抗血友病因子(組換え体);アジスロマイシン(azithromycin);ヒトカルシトニン;サケカルシトニン;カペシタビン(capecitabine);セファゾリンナトリウム;セフォニシドナトリウム;セフォペラゾン;セフォキシチンナトリウム;セフチゾキシム;セフトリアキソン;セフロキシム・アキセチル;セファレキシン;絨毛性ゴナドトロピン;シドフォビル(cidofovir);クラドリビン(cladribine);クリンダマイシンおよびクリンダマイシン誘導体;コルチコトロピン;コシントロピン;コロムリンナトリウム(coromlyn sodium);シタラビン;ダルテパリンナトリウム(dalteparin sodium);ダナパロイド(danaparoid);デスモプレシン;ジダノシン(didanosine);ジリスロマイシン;エチドロン酸二ナトリウム;エノキサプリンナトリウム(enoxaprin sodium);エポエチンアルファ;第IX因子;ファムシクロビル(famciclovir);フルダラビン(fludarabine);ホスカネットナトリウム;ガンシクロビル;顆粒球コロニー刺激因子;顆粒球マクロファージ刺激因子;成長ホルモン−ヒト組換え;成長ホルモン−ウシ;ゲンタマイシン;グルカゴン;性腺刺激ホルモン放出ホルモンおよびそれらの合成アナログ;GnRH;ゴナドレリン;ヘモフィルスB共役ワクチン;不活性化A型肝炎ウイルスワクチン;不活性化B型肝炎ウイルスワクチン;ヘパリンナトリウム;硫酸インディナビル(indinavir sulfate);インフルエンザウイルスワクチン;インターロイキン‐2;インターロイキン‐3;ヒトインスリン;リスプロインスリン(insulin lispro);ブタインスリン;NPHインスリン;アスパートインスリン(insulin aspart);グラージンインスリン(insulin glargine);デテミルインスリン(insulin detemir);インターフェロンアルファ;インターフェロンベータ;臭化イプラトロピウム;イフォスファミド(ifosfamide);ラミブジン(lamivudine);ロイコボリンカルシウム;酢酸ロイプロリド;リンコマイシンおよびリンコマイシン誘導体;塩酸メトホルミン;ネドクロミルナトリウム(nedocromil sodium);臭化ネオスチグミン;ネオスチグミンメチルサルフェート;ノイロンチン(neurontin);酢酸オクトレオチド;オルパドロネート(olpadronate);パミドロネート二ナトリウム(pamidronate disodium);臭化パンクロニウム;ペンタミジンイセチオネート;ペンタガストリン;サリチル酸フィゾスチグミン;生ポリオウイルスワクチン(OPV);臭化ピリドスチグミン;レシドロネート(residronate);リババリン(ribavarin);塩酸リマンタジン;ロタウイルスワクチン;サルメテロールキナフォエート(salmeterol xinafoate);ソマトスタチン;スペクチノマイシン;スタブジン(stavudine);ストレプトキナーゼ;チカルシリン;チルドロネート(tiludronate);組織型プラスミノゲン活性化因子;TNFR:Fc;TNK−tPA;グルコン酸トリメトレキサート;トロスペクチノマイシン(trospectinomycin);腫瘍壊死因子;生腸チフスワクチン;ウロキナーゼ;バンコマイシン;バラシクロビル(valacyclovir);バソプレシンおよびバソプレシン誘導体;ビンブラスチン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ワルファリンナトリウム;ザルシタビン(zalcitabine);ザナミビル(zanamivir);ジドブジン;その薬学的に受容可能な塩、異性体および誘導体;ならびにその混合物。
【0034】
最も好ましい親水性活性成分は、以下のものを含む;アカルボース;アレンドロネート(alendronate);塩酸アマンタジン;アジスロマイシン;ヒトカルシトニン;サケカルシトニン;セフトリアキソン;セフロキシム・アキセチル;絨毛性ゴナドトロピン;コロムリンナトリウム(coromlyn sodium);ダルテパリンナトリウム(dalteparin sodium);ダナパロイド(danaparoid);デスモプレシン;ジダノシン(didanosine);エチドロン酸二ナトリウム;エノキサプリンナトリウム(enoxaprin sodium);エポエチンアルファ;第IX因子;ファムシクロビル(famciclovir);ホスカネットナトリウム;ガンシクロビル;顆粒球コロニー刺激因子;顆粒球マクロファージ刺激因子;成長ホルモン−ヒト組換え;成長ホルモン−ウシ;グルカゴン;性腺刺激ホルモン放出ホルモンおよびそれらの合成アナログ;GnRH;ゴナドレリン;ヘパリンナトリウム;硫酸インディナビル(indinavir sulfate);インフルエンザウイルスワクチン;インターロイキン‐2;インターロイキン‐3;ヒトインスリン;リスプロインスリン(insulin lispro);ブタインスリン;インターフェロンアルファ;インターフェロンベータ;酢酸ロイプロリド;塩酸メトホルミン;ネドクロミルナトリウム(nedocromil sodium);臭化ネオスチグミン;ネオスチグミンメチルサルフェート;ノイロンチン(neurontin);酢酸オクトレオチド;オルパドロネート(olpadronate);パミドロネート二ナトリウム(pamidronate disodium);レシドロネート(residronate);塩酸リマンタジン;サルメテロールキナフォエート(salmeterol xinafoate);ソマトスタチン;スタブジン(stavudine);チカルシリン;チルドロネート(tiludronate);組織型プラスミノゲン活性化因子;TNFR:Fc;TNK−tPA;腫瘍壊死因子;生腸チフスワクチン;バンコマイシン;バラシクロビル(valacyclovir);バソプレシンおよびバソプレシン誘導体;ザルシタビン(zalcitabine);ザナミビル(zanamivir);ジドブジン;その薬学的に受容可能な塩、異性体および誘導体;ならびにその混合物。
【0035】
(2.界面活性剤)
以下により詳細に記載されるように、本発明の種々の実施形態は、親水性界面活性剤を含む。親水性界面活性剤は、組成物に幾つかの利点のいずれかを提供するために使用され得、これらの利点として、固体キャリア中での活性成分の増加した溶解度;活性成分の改善した溶解;溶解の際の活性成分の改善した溶解度;活性成分(特に、親水性活性成分)の向上した吸収および/またはバイオアベイラビリティ;および活性成分の物理的および化学的の両方の改善した安定性が挙げられる。親水性界面活性剤は、単一の親水性界面活性剤または親水性界面活性剤の混合物であり得、そしてイオン性または非イオン性であり得る。
【0036】
同様に、本発明の種々の実施形態は、親油性成分を含み、これは、親油性界面活性剤の混合物を含む親油性界面活性剤、トリグリセリド、またはそれらの混合物であり得る。この親油性界面活性剤は、親油性界面活性剤について上に列挙した有利な特徴のいずれか、および界面活性剤の機能のさらなる向上を提供し得る。これらの種々の実施形態は、以下により詳細に記載される。便宜のため、この界面活性剤は、この節に記載され、トリグリセリドは、以下の節に記載される。
【0037】
当該分野で周知であるように、用語「親水性」および「親油性」は、相対的な用語である。界面活性剤として機能するために、化合物は、必然的に、極性または荷電した親水性部分および非極性かつ疎水性(親油性)部分を含まなければならず、すなわち、界面活性化合物は、両親媒性でなければならない。非イオン性両親媒性化合物の相対的な親水性および親油性を特徴付けるために通常使用される経験的なパラメータは、親水性−親油性バランス(「HLB」値)である。低いHLB値を有する界面活性剤は、より親水性であり、そして油中でより大きな溶解性を有し、一方で、より高いHLB値を有する界面活性剤は、より親水性であり、そして水溶液中でより高い溶解度を有する。
【0038】
大まかな指針としてHLB値を使用すると、親水性界面活性剤は、一般に、約10より大きなHLB値を有するこれらの化合物であると考えられ、アニオン性化合物、カチオン性化合物、または双性イオン化合物は、HLBスケールが一般に適用できない。同様に、親油性界面活性剤は、約10未満のHLB値を有する化合物である。
【0039】
界面活性剤のHLB値は、単に、一般に、工業的、薬学的および美容のエマルジョンの処方を可能にするために使用される大まかな指針であることが、理解されるべきである。幾つかのポリエトキシル化界面活性剤を含む多くの重要な界面活性剤の場合、HLB値は、HLB値を決定するために選択される経験的方法に依存して、約8HLB単位だけ異なり得ることが報告されている(Schott、J.Pharm.Sciences、79(1)、87−88(1990))。同様に、あるポリプロピレンオキシド含有ブロックコポリマー(BASF Corp.からPLURONIC(登録商標)界面活性剤として市販される、ポリオキサマー)の場合、HLB値は、化合物の真の物理化学的性質を正確には反映し得ない。最終的に、商業的界面活性剤の製品は、一般に、純粋な化合物ではないが、しばしば化合物の複合混合物であり、特定の化合物について報告されたHLB値は、より正確には、この化合物が主成分である商業的製品の特徴であり得る。同じ主な界面活性剤成分を有する異なる商業的製品は、代表的には、異なるHLB値を有する。さらに、単一の商業的界面活性剤製品の場合でさえ、特定の量のロット間の変動が、予想される。これらの固有の困難性を考慮し、そしてHLB値を指針として使用すると、当業者は、本明細書中に記載されるように、本発明における使用のために、適切な親水性または親油性を有する界面活性剤を容易に同定し得る。
【0040】
界面活性剤は、薬学的組成物における使用に適切な任意の界面活性剤であり得る。適切な界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、双性イオン性または非イオン性であり得る。このような界面活性剤は、本明細書中の表に記載される以下の一般的な化学クラスに分類され得る。以下の表に与えられるHLB値は、一般に、対応する商業的製品の製造業者によって報告されるHLB値を表す。1種以上の商業的製品が列挙される場合、表中のHLB値は、商業的製品のうちの1つについて報告された値、その報告された値の大まかな平均、または本発明の発明者の判断においてより信頼性がある値である。
【0041】
本発明は、表中の界面活性剤に限定されず、これは、代表的ではあるが、排他的ではなく、利用可能な界面活性剤の列挙を示す。さらに、具体的に表に列挙されていないが、精製、蒸留または分留された界面活性剤、それらの精製された画分、あるいは再エステル化された画分もまた、本発明の範囲内にある。
【0042】
(2.1.ポリエトキシル化脂肪酸)
ポリエチレングリコール(PEG)それ自体は、界面活性剤として機能しないが、種々のPEG脂肪酸エステルは有用な界面活性剤特性を有する。市販されるポリエトキシル化脂肪酸モノエステル界面活性剤の例は、表1に示される。
【0043】
【表1−1】

【0044】
【表1−2】

【0045】
【表1−3】

【0046】
【表1−4】

【0047】
(2.2 PEG−脂肪酸ジエステル)
ポリエチレングリコール(PEG)脂肪酸ジエステルはまた、本発明の組成物中の界面活性剤としての使用に適切である。代表的なPEG−脂肪酸ジエステルは、表2に示される。
【0048】
【表2−1】

【0049】
【表2−2】

【0050】
(2.3 PEG−脂肪酸モノ−およびジ−エステル混合物)
一般に、二種以上の市販の界面活性剤製品の混合物を含む界面活性剤の混合物はまた、本発明において有用である。幾つかのPEG脂肪酸エステルは、モノ−およびジエステルの混合物として市販される。代表的な界面活性剤混合物は、表3に示される。
【0051】
【表3】

【0052】
(2.4 ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル)
適切なPEGグリセロール脂肪酸エステルは、表4に示される。
【0053】
【表4】

【0054】
(2.5 アルコール−油エステル交換生成物)
異なる程度の親油性または親水性の多くの界面活性剤は、アルコールまたはポリアルコールの種々の天然および/または水素化油との反応によって調製され得る。最も通常は、使用される油は、ヒマシ油もしくは水素化ヒマシ油、または食用野菜油(例えば、コーン油、オリーブ油、ピーナッツ油、パーム核油、アンズ油、またはアーモンド油)である。好ましいアルコールとして、グリセロール、プロピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、およびペンタエリスリトールが挙げられる。本発明における使用に適切なこのクラスの代表的な界面活性剤は、表5に示される。
【0055】
【表5−1】

【0056】
【表5−2】

【0057】
【表5−3】

【0058】
【表5−4】

【0059】
(2.6 ポリグリセロール化脂肪酸(Polyglycerized Fa
tty Acids))
脂肪酸のポリグリセロールエステルはまた、本発明の適切な界面活性剤である。適切なポリグリセロールエステルの例は、表6に示される。
【0060】
【表6−1】

【0061】
【表6−2】

【0062】
(2.7 プロピレングリコール脂肪酸エステル)
プロピレングリコールおよび脂肪酸のエステルは、本発明における使用に適切な界面活性剤である。このクラスの界面活性剤の例は、表7に与えられる。
【0063】
【表7−1】

【0064】
【表7−2】

【0065】
(2.8 プロピレングリコールエステル−グリセロールエステルの混合物)
一般に、界面活性剤の混合物はまた、本発明における使用に適切である。特に、プロピレングリコール脂肪酸エステルおよびグリセロール脂肪酸エステルの混合物は、適切であり、市販される。これらの界面活性剤の例は、表8に示される。
【0066】
【表8】

【0067】
(2.9 モノ−およびジグリセリド)
界面活性剤の特定の重要なクラスは、モノ−およびジグリセリドのクラスである。これらの界面活性剤は、一般的に親水性である。これらの界面活性剤の例は、表9に与えられる。
【0068】
【表9−1】

【0069】
【表9−2】

【0070】
【表9−3】

【0071】
(2.10.ステロールおよびステロール誘導体)
ステロールおよびステロールの誘導体は、本発明における使用に適切な界面活性剤である。これらの界面活性剤は、親水性または親油性であり得る。このクラスの界面活性剤の例は、表10に示される。
【0072】
【表10】

【0073】
(2.11.ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル)
種々のPEG−ソルビタン脂肪酸エステルは、利用可能であり、本発明における界面活性剤としての使用に適切である。一般的に、これらの界面活性剤は、親水性であるが、このクラスの幾つかの親水性界面活性剤が使用され得る。これらの界面活性剤の例は、表11に示される。
【0074】
【表11−1】

【0075】
【表11−2】

【0076】
【表11−3】

【0077】
(2.12.ポリエチレングリコールアルキルエーテル)
ポリエチレングリコールおよびアルキルアルコールのエステルは、本発明における使用のための適切な界面活性剤である。これらの界面活性剤の例は、表12に示される。
【0078】
【表12−1】

【0079】
【表12−2】

【0080】
(2.13.糖エステル)
糖のエステルは、本発明における使用に適切な界面活性剤である。このような界面活性剤の例は、表13に示される。
【0081】
【表13】

【0082】
(2.14.ポリエチレングリコールアルキルフェノール)
幾つかの親水性PEG−アルキルフェノール界面活性剤は、利用可能であり、本発明における使用に適切である。これらの界面活性剤の例は、表14に示される。
【0083】
【表14】

【0084】
(2.15.ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー)
POE−POPブロックコポリマーは、ポリマー界面活性剤の稀なクラスである。十分に規定された比率および位置に親水性POE部分および親油性POP部分、Synperonic PEシリーズ(ICI);Pluronic(登録商標)シリーズ(BASF)、Emkalyx、Lutrol(BASE)、Supronic、Monolan、Pluracare、およびPlurodacが挙げられる。これらのポリマーについての一般的用語は、「ポロキサマー」(CAS9003−11−6)である。これらのポリマーは、以下:HO(C24O)a(C36O)b(C24O)aHを有し、ここで、「a」および「b」は、それぞれ、ポリオキシエチレンユニットおよびポリオキシプロピレンユニットの数を示す。
【0085】
このクラスの適切な界面活性剤の例は、表15に示される。この化合物は、広範囲に利用可能であり、商業供給源は、表に列挙されていない。この化合物は、対応する「a」および「b」値と共に、一般名によって列挙される。
【0086】
【表15−1】

【0087】
【表15−2】

【0088】
【表15−3】

【0089】
(2.16.ソルビタン(sorbitan)脂肪酸エステル)
脂肪酸のソルビタンエステルは、本発明における使用のために適切な界面活性剤である。これらの界面活性剤の例を、表16に示す。
【0090】
【表16】

【0091】
(2.17.低級アルコール脂肪酸エステル)
低級アルコール(C2〜C4)と脂肪酸(C8〜C18)とのエステルは、本発明における使用に適切な界面活性剤である。これらの界面活性剤の例を、表17に示す。
【0092】
【表17】

【0093】
(2.18.イオン性界面活性剤)
イオン性界面活性剤(カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤およびツビッターイオン性界面活性剤を含む)は、本発明における使用に適切な親水性界面活性剤である。好ましいアニオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩および胆汁酸塩が挙げられる。好ましいカチオン性界面活性剤としては、カルニチンが挙げられる。具体的には、好ましいイオン性界面活性剤としては、以下が挙げられる:オレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ナトリウムラウリルサルコシナート、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、コール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム;ラウロイルカルニチン;パルミトイルカルニチン;およびミリストイルカルニチン。このような界面活性剤の例を、表18に示す。簡略化のために、代表的な対イオンを、表1のエントリーに示す。しかし、任意の生体適合性対イオンが使用され得ることは、当業者に理解される。例えば、脂肪酸はナトリウム塩として示されるが、他のカチオン対イオンもまた使用され得る(例えば、アルカリ金属カチオンまたはアンモニウム)。典型的な非イオン性界面活性剤と異なり、これらのイオン性界面活性剤は、一般的に、市販の(専売)混合物ではなく純粋な化合物として利用可能である。これらの化合物は、容易に種々の販売元(例えば、Aldrich、Sigmaなど)から入手可能であり、これらの販売元は一般的に表中には列挙しない。
【0094】
【表18−1】

【0095】
【表18−2】

【0096】
【表18−3】

【0097】
【表18−4】

【0098】
(2.19 非イオン化イオン化可能界面活性剤)
イオン化可能界面活性剤は、その非イオン化(中性、非塩)形態で存在する場合、本発明の組成物における使用に適切な親油性界面活性剤である。このような界面活性剤の特定の例としては、遊離脂肪酸、特にC6〜C22脂肪酸および胆汁酸が挙げられる。より詳細には、適切な非イオン化イオン化可能界面活性剤は、表18に示される脂肪酸塩および胆汁酸塩の遊離脂肪酸形態および遊離胆汁酸形態を含む。
【0099】
(2.20 脂溶性ビタミン類の誘導体)
油溶性ビタミン類(例えば、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKなど)の誘導体はまた、本発明の組成物に有用な界面活性剤である。このような誘導体の例は、トコフェリルPEG−1000スクシネート(TPGS、Eastmanから入手可能)である。
【0100】
(2.21 好ましい界面活性剤)
上記の列挙した界面活性剤の中で、いくつかの界面活性剤が好ましい。一般的には、周囲室温で固化する界面活性剤または界面活性剤の混合物が最も好ましい。特定の親油性成分(例えば、トリグリセリド)、または適切な添加物(例えば、粘性改質剤、結合剤、増粘剤など)の添加と組み合わせた、周囲室温で固化する界面活性剤または界面活性剤の混合物もまた好ましい。
【0101】
好ましい非イオン性の親水性界面活性剤としては、以下が挙げられる:アルキルグルコシド;アルキルマルトシド;アルキルチオグルコシド;ラウリルマクロゴールグリセリド;ポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルフェノール;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー;ポリグリセロール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレングリセリド;ポリオキシエチレンステロール、およびそれらの誘導体、アナログ;ポリオキシエチレン植物油;ポリオキシエチレン硬化植物油;脂肪酸、グリセリド、植物油、硬化植物油、およびステロールとポリオールとの反応混合物;糖エステル、糖エーテル;スクログリセリド;ポリエトキシ化脂肪可溶ビタミンまたは誘導体;またはそれらの混合体。
【0102】
より好ましくは、非イオン性の親水性界面活性剤は以下からなる群から選択される:ポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル;ポリエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー;ポリグリセロール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレングリセリド;ポリオキシエチレン植物油;およびポリオキシエチレン水素添加植物油。グリセリドは、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、または混合物であり得る。
【0103】
脂肪酸、グリセリド、植物油、硬化植物油、またはステロールとポリオールとの反応混合物である非イオン性の親水性界面活性剤もまた好ましい。これらの反応混合物は、しばしば他の反応生成物の複合体混合物と共に、主に反応のトランスエステル化生成物からなる。好ましくはポリオールは、グリセロール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、プロピレングリコール、ペンタエリスリトール、またはサッカリドである。
【0104】
親水性界面活性剤はまた、イオン性界面活性剤で有り得るか、または成分としてイオン性界面活性剤を含み得る。好ましいイオン性界面活性剤には以下が挙げられる:アルキルアンモニウム塩;胆汁酸および胆汁酸塩、およびそれらのアナログ、誘導体;フシジン酸およびそれらの誘導体;アミノ酸、オリゴペプチド、およびポリペプチドの脂肪酸誘導体;アミノ酸、オリゴペプチド、およびポリペプチドのグリセリド誘導体;アシルラクチレート;モノアセチル化、ジアセチル化したモノグリセリド、ジグリセリド酒石酸エステル;スクシニル化モノグリセリド;モノグリセリド、ジグリセリドのクエン酸エステル、ジグリセリド;アルギン酸塩;プロピレングリコールアルギネート;レシチンおよび水素化レシチン;リゾレシチンおよび水素化リゾレシチン;リゾリン脂質およびそれらの誘導体;リン脂質およびそれらの誘導体;アルキル硫酸塩;脂肪酸塩;ドキュセートナトリウム;カルニチン;ならびにそれらの混合物。
【0105】
より好ましいイオン性界面活性剤には以下が挙げられる:胆汁酸および胆汁酸塩、アナログ、およびそれらの誘導体;レシチン、リゾレシチン、リン脂質、リゾホスホリピッドおよびそれらの誘導体;アルキル硫酸塩;脂肪酸塩;ドキュセートナトリウム;アセチルラクチレート;モノグリセリド、ジグリセリドのモノアセチル化、ジアセチル化酒石酸エステル;スクシニル化モノグリセリド;モノグリセリド、ジグリセリドのクエン酸エステル;カルニチン;およびそれらの混合物。
【0106】
より詳細には、好ましいイオン性界面活性剤は以下である:レシチン、リゾレシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリン、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジン酸、リゾホスファチジルセリン、PEG−ホスファチジルエタノールアミン、PVP−ホスファチジルエタノールアミン、脂肪酸のラクチルエステル、ステアイル−2−ラクチレート、ステアイルラクチレート、スクシニル化モノグリセリド、モノ/ジグリセリドのモノ/ジアセチル化酒石酸エステル、モノ/ジグリセリドのクエン酸エステル、コール酸、タウロコール酸、グリココール酸、デオキシコール酸、タウロデオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、グリコデオキシコール酸、グリコケノデオキシコール酸、タウロケノデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholate)、タウロウルソデオキシコール酸、グリコウルソデオキシコール酸、コール酸サルコシン、N−メチルタウロコール酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸、ラウリル硫酸、テラセシル(teracecyl)硫酸、ドキュセート、ラウロリルカルニチン、パルミトイルカルニチン、ミリストイルカルニチン、およびそれらの塩および混合物。
【0107】
特に好ましいイオン性界面活性剤は以下:レクチン、リゾレクチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジルコリン、PEG−ホスファチジルエタノールアミン、脂肪酸のラクチルエステル、ステアイル−2−ラクチレート、ステアイルラクチレート、サクシニル化モノグリセリド、モノ/ジグリセリドのモノ/ジアセチル化酒石酸エステル、モノ/ジグリセリドのクエン酸エステル、コール酸、タウロコール酸、グリココール酸、デオキシコール酸、タウロデオキシコール酸、グリコデオキシコール酸、コール酸サルコシン、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリル酸、オレイン酸、ラウリル硫酸、ドキュセート、およびそれらの塩および混合物で、もっとも好ましいイオン性表面は以下:レシチン、脂肪酸のラクチルエステル、ステアイル−2−ラクチレート、ステアイルラクチレート、サクシニル化モノグリセリド、モノ/ジグリセリドのモノ/ジアセチル化酒石酸エステル、モノ/ジグリセリドのクエン酸エステル、タウロコール酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、オレイン酸、ラウリル硫酸、ドキュセート、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物である。
【0108】
好ましい親油性界面活性剤は以下である:アルコール;ポリオキシエチレンアルキルエステル;脂肪酸、グリセロール脂肪酸エステル;アセチル化グリセロール脂肪酸エステル;低級アルコール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル;ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレングリセリド;モノ/ジグリセリドの乳酸誘導体;プロピレングリコールジグリセリド;ソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー;トランスエステル化植物油;ステロール;ステロール誘導体;糖エステル;糖エーテル;スクログリセリド;ポリオキシエチレン植物油;およびポリオキシエチレン硬化植物油。
【0109】
親水性界面活性剤のように、親油性界面活性剤は、ポリオールおよび脂肪酸の反応混合物、グリセリド、植物油、硬化植物油、ならびにステロールの反応混合物であり得る。
好ましくは、親油性界面活性剤は、脂肪酸;低級アルコール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル;ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレングリセリド;グリセロール脂肪酸エステル;アセチル化グリセロール脂肪酸エステル;モノ/ジグリセリドの乳酸誘導体;ソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー;ポリオキシエチレン植物油;ポリオキシエチレン硬化植物油;ならびにポリオールおよび脂肪酸、グリセリド、植物油、硬化植物油、およびステロールの反応混合物。
【0110】
より好ましくは、低級アルコール脂肪酸エステル;ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル;プロピレングリコール脂肪酸エステル;グリセロール脂肪酸エステル;アセチル化グリセロール脂肪酸エステル;モノ/ジグリセリドの乳酸誘導体;ソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン植物油;およびこれらの混合物であり、グリセロール脂肪酸エステルおよびアセチル化グリセロール脂肪酸エステルが最も好ましい。グリセロール脂肪酸エステルの中でも、エステルが、好ましくはモノグリセリドもしくはジグリセリド、またはモノグリセリドとジグリセリドとの混合物であり、ここで脂肪酸部分は、C6〜C22脂肪酸である。
【0111】
ポリオールおよび脂肪酸、グリセリド、植物油、硬化植物油、およびステロールの反応混合物である親油性界面活性剤もまた好ましい。好ましいポリオールは、ポリエチレングリコール、ソルビトール、プロピレングリコール、およびペンタエリスリトールである。
【0112】
(3.トリグリセリド)
親油性成分を含む本発明の組成物について、この親油性成分は、親油性界面活性剤またはトリグリセリドであり得る。好ましいトリグリセリドは、適切な添加物の添加を含むかもしくは含まない、周囲室温で固化するトリグリセリドであり、または特定の界面活性剤および/もしくは活性成分と組み合わせて室温で固化するトリグリセリドである。本発明における使用に適切なトリグリセリドの例は、表19に示される。一般に、これらのトリグリセリドは、販売元から容易に入手可能である。いくつかのトリグリセリドについて、代表的な市販製品および/または販売元を列挙する。
【0113】
【表19−1】

【0114】
【表19−2】

【0115】
【表19−3】

【0116】
【表19−4】

【0117】
分留(fractionated)トリグリセリド、修飾トリグリセリド、合成トリグリセリド、およびトリグリセリドの混合物もまた本発明の範囲内である。
好ましいトリグリセリドとしては、植物油、魚油、動物油、硬化植物脂、部分硬化植物油、中鎖トリグリセリドおよび長鎖トリグリセリドおよび構造化(structured)トリグリセリドが挙げられる。いくつかの市販の界面活性剤組成物は、典型的には、例えばエステル交換反応におけるトリグリセリド出発物質の不完全な反応の結果として、少量から中程度の量のトリグリセリドを含有する。このような市販の界面活性剤組成物は、名目上「界面活性剤」といわれるが、本発明の組成物のための全てまたは一部のトリグリセリド成分を提供するために適切であり得る。トリグリセリドを含有する市販の界面活性剤組成物の例としては、界面活性剤ファミリーGelucire(Gattefosse)、Maisine(Gattefosse)、およびImwitor(Huels)のいくつかのメンバーが挙げられる。これらの組成物の特定の例は、以下である:
Gelucire44/14(飽和ポリグリコール化グリセリド)
Gelucire50/13(飽和ポリグリコール化グリセリド)
Gelucire53/10(飽和ポリグリコール化グリセリド)
Gelucire33/01(C8〜C18飽和脂肪酸の半合成トリグリセリド

Gelucire39/01(半合成グリセリド)
その他のグリセリド(例えば、37/06、43/01、35/10、37/
02、46/07、48/09、50/02、62/05など
Maisine35−I(リノール酸グリセリド)
Imwitor742(カプリル酸/カプリン酸グリセリド)。
【0118】
有意なトリグリセリド含量を有するなお他の市販の界面活性剤組成物は、当業者に公知である。このようにトリグリセリドおよび界面活性剤を含有する組成物は、本発明の組成物の全てまたは一部のトリグリセリド成分、ならびに界面活性剤成分の全てまたは一部を提供するために適切であり得る。
【0119】
(4.基質)
本発明の組成物の基質は、粉末または多粒子状物質(例えば、顆粒、ペレット、ビード、小球、ビードレット(beadlet)、ミクロカプセル、ミリスフェア、ナノカプセル、ナノスフェア、ミクロスフェア、血小板(platelet)、ミニ錠剤、錠剤またはカプセル)であり得る。粉末は、活性成分または添加剤分子凝集体または複数の成分の化合物凝集体または活性成分および/もしくは添加物の凝集体の物理的混合物の、細かく分割された(挽かれた、微粉にされた、ナノサイズにされた、沈殿した)形態を構成する。このような基質は、当該分野で公知の以下のような種々の材料から形成され得る:
糖類(例えば、ラクトース、スクロースまたはデキストロース);
多糖類(例えば、マルトデキストリンまたはデキストレート);
デンプン;
セルロース誘導体(例えば、微晶質セルロースまたは微晶質セルロース/ナトリウムカルボキシメチルセルロース);
無機物(例えば、リン酸二カルシウム、ヒドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、滑石、またはチタニア);および
ポリオール(例えば、マンニトール、キシリトール、ソルビトールまたはシクロデキストリン)。
【0120】
基質はまた、本明細書中に記載される任意の活性成分、界面活性剤、トリグリセリドまたは添加剤から形成され得る。1つの実施形態において、基質は、添加剤、活性成分、界面活性剤、またはトリグリセリド;添加剤、界面活性剤またはトリグリセリドと活性成分との複合体;添加剤、界面活性剤またはトリグリセリドと活性成分との共沈物、あるいはこれらの混合物の固体形態である。
【0121】
基質は、固体材料である必要はないことが強調されるべきであるが、しばしば固体である。例えば、基質上のカプセル化コートは、液体または半液体の基質材料を取り囲みかつカプセル化する固体「殻」として作用し得る。このような基質はまた、本発明の範囲内であり、これは、最終的には固体でなければならないキャリアであり、基質はキャリアの一部である。
【0122】
(5.添加剤)
本発明の固体薬学的組成物は、必要に応じて1つ以上の添加剤(賦形剤と呼ばれる場合もある)を含み得る。添加剤は、カプセル化コートを含む組成物におけるカプセル化コートに含有され得るか、またはカプセル化コートにコーティングされるような固体キャリアの一部であり得るか、またはこの固体キャリアを形成する成分内に含有され得る。あるいは、添加剤は、薬学的組成物に含有され得るが、固体キャリア自体の一部ではない。添加剤の特定の非限定的な例は、以下に記載される。
【0123】
適切な添加剤は、固体キャリア、カプセル化コーティング、または薬学的投薬形態の調製を包含するプロセスを容易にするために一般的に利用される添加剤である。これらのプロセスとしては、以下が挙げられる:凝集化、空気懸濁チリング、空気懸濁乾燥、球状化、コアセルベーション、粉砕、圧縮、ペレット化(pelletization)、低温ペレット化、押出し、顆粒化、均質化、包接複合体化(inclusion complexation)、凍結乾燥、ナノカプセル化、融解、混合、成形、パンコーティング、溶媒脱水、超音波処理、球状化(spheronization)、スプレーチリング、スプレー凝固、噴霧乾燥、または当該分野で公知の他のプロセス。添加剤はまた、予めコーティングされるか、またはカプセル化される。適切なコーティングは、当該分野で周知であり、以下の節でさらに記載される。添加剤の機能に基づいて、添加剤の例は、以下の通りである。
【0124】
(5.1 可溶化剤)
本発明の薬学的組成物は、必要に応じて、1つ以上の可溶化剤(すなわち、固体キャリア中の薬学的活性成分または他の組成物成分の溶解性を増加させる添加剤)を含み得る。本発明の組成物における使用に適切な可溶化剤としては、以下が挙げられる:
(アルコールおよびポリオール)例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールおよびその異性体、グリセロール、ペンタエリトリトール、ソルビトール、マンニトール、トランスクトール(transcutol)、ジメチルイソソルビド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび他のセルロース誘導体、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体;
(ポリエチレングリコールのエーテル)約200〜約600の平均分子量を有する。例えば、テトラヒドロフルフリルアルコールPEGエーテル(グリコフロール、BASFからTetraglycolの商品名で市販される)またはメトキシPEG(Union Carbide);
(アミド)例えば、2−ピロリドン、2−ピペリドン、ε−カプロラクタム、N−アルキルピロリドン、N−ヒドロキシアルキルピロリドン、N−アルキルピペリドン、N−アルキルカプロラクタム、ジメチルアセトアミド、およびポリビニルピロリドン;
(エステル)例えば、エチルプロピオネート、トリブチルシトレート、アセチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、トリエチルシトレート、エチルオレエート、エチルカプリレート、エチルブチレート、トリアセチン、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ε−カプロラクタムおよびその異性体、δ−バレロラクトンおよびその異性体、β−ブチロラクトンおよびその異性体;
ならびに(他の可溶化剤)当該分野において公知。例えば、ジメチルアセトアミド、ジメチルイソソルビド(Arlasolve DMI(ICI))、N−メチルピロリドン(Pharmasolve(ISP))、モノオクタノイン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(Gattefosseから、Transcutolの商品名で市販)、および水。
【0125】
可溶化剤の混合物もまた、本発明の範囲内である。示されたもの以外に、これらの化合物は、標準的な市販の供給源から容易に入手可能である。
好ましい可溶化剤としては、トリアセチン、トリエチルシトレート、エチルオレエート、エチルカプリレート、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−ヒドロキシエチルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、エタノール、ポリエチレングリコール200−600、グリコフロール、トランスクトール、プロピレングリコール、およびジメチルイソソルビドが挙げられる。特に好ましい可溶化剤としては、ソルビトール、グリセロール、トリアセチン、エチルアルコール、PEG−400、グリコフロールおよびプロピレングリコールが挙げられる。
【0126】
本発明の組成物に含まれ得る可溶化剤の量は、具体的に限定されない。もちろん、このような組成物が最終的に患者に投与される場合、所与の可溶化剤の量は、生体受容可能量(当業者によって容易に決定される)に限定される。いくつかの場合において、例えば、蒸留またはエバポレーションのような従来の技術を使用して、組成物を患者に投与する前に、過剰の可溶化剤が除去されて、活性成分の濃度を最大にするために生体受容可能な量のかなり過剰な可溶化剤の量を含むことが有利であり得る。
【0127】
(5.2 酵素インヒビター)
活性成分が酵素分解に供される場合、この組成物は、酵素阻害剤を含み得る。酵素阻害剤は、例えば、Bernskop−Schnurch,A.,「The use of inhibitory agents to overcome enzymatic barrier to perorally administered therapeutic peptides and proteins」,J.Controlled Release 52,1−16(1998)に示され、この開示は、本明細書中で参考として援用される。
【0128】
一般的に、阻害剤は、以下の分類に分けられ得る:
アミノ酸に基づかないインヒビター。例えば、P−アミノベンズアミジン、FK−448、カモスタットメシレート、グリココール酸ナトリウム;
アミノ酸および改変アミノ酸。例えば、アミノホウ酸誘導体およびn−アセチルシステイン;
ペプチドおよび改変ペプチド。例えば、バシトラシン、ホスフィン酸ジペプチド誘導体、ペプスタチン、アンチパイン、ロイペプチン、キモスタチン(chymostatin)、エラスタチン(elastatin)、ベスタチン、ホスホラミドン、ピューロマイシン、サイトカラシン、ポテトカルボキシペプチダーゼインヒビター、およびアマスタチン;
ポリペプチドプロテーゼインヒビター。例えば、アプロチニン(ウシ膵臓トリプシンインヒビター)、Bowman−Birkインヒビターおよびダイズトリプシンインヒビター、鶏卵白色トリプシンインヒビター、ニワトリオボインヒビター、およびヒト膵臓トリプシンインヒビター;
錯化剤。例えば、EDTA、EGTA、1,10−フェナントロリンおよびヒドロキシキノリン;ならびに
粘膜付着性ポリマーおよびポリマー−インヒビター結合体。例えば、ポリアクリレート誘導体、キトサン、セルロース誘導体、キトサン−EDTA、キトサン−EDTA−アンチパイン、ポリアクリル酸−バシトラシン、カルボキシメチルセルロース−ペプスタチン、ポリアクリル酸−Bwoman−Birkインヒビター。
【0129】
酵素インヒビターの選択およびレベルは、毒性、プロテアーゼの特異性、および阻害の効力に基づく。インヒビターは、組成物予備濃縮物中に懸濁させられ得るかまたは可溶化され得るか、あるいは水性希釈液にまたは飲料として加えられ得る。
【0130】
理論によって束縛されることを望まないが、インヒビターは、単独でまたは以下と組み合わせて機能し得る:
競合的インヒビター。酵素の基質結合部位に結合し、それによって基質へのアクセスを妨げる;この機構によって作動すると考えられるインヒビターの例は、アンチパイン、エラスタチナールおよびBwoman−Birkインヒビターである;
非競合的インヒビター。基質と一緒に酵素部位に同時に結合し得、それらの結合部位が同一でない;ならびに/あるいは
錯化剤。酵素構造からの必須の金属イオンの剥奪によって引き起こされる酵素活性の減少に起因する。
【0131】
(5.3 他の添加剤)
薬学的組成物に慣用的に使用される他の添加剤が含まれ得、そしてこれらの添加剤は、当該分野において周知である。このような添加剤は、以下が挙げられる

(抗接着剤)(抗固着剤、グリダント(glidant)、流動促進剤、潤滑剤)。例えば、滑石、ステアリン酸マグネシウム、ヒュームドシリカ(Carbosil,Aerosil)、微粉シリカ(Syloid No.FP 244, Grace U.S.A.)、ポリエチレングリコール、界面活性剤、ワックス、ステアリン酸、ステアリン酸塩、ステアリン酸誘導体、デンプン、硬化植物油、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ロイシン、PEG−4000およびラウリル硫酸マグネシウム;
(抗凝固剤)例えば、アセチル化モノグリセリド;
(消泡剤)例えば、長鎖アルコールおよびシリコーン誘導体;
(抗酸化剤)例えば、BHT、BHA、没食子酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、およびトコフェロール;
(結合剤(接着剤))、すなわち、粒子−粒子結合によって粉末化材料に粘着性の性質を与える薬剤。例えば、マトリクス結合剤(乾燥デンプン、乾燥糖)、フィルム結合剤(PVP、デンプンペースト、セルロース、ベントナイト、スクロース)、ならびに化学結合剤(ポリマー性セルロース誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロース、HPCおよびHPMC);糖シロップ;コーンシロップ;水溶性多糖類(例えば、アカシア、トラガカント、グアーおよびアルギネート);ゼラチン;ゼラチン加水分解物;寒天;スクロース;デキストロース;および非セルロース結合剤、例えば、PVP、PEG、ビニルピロリドンコポリマー、予備ゼラチン化デンプン、ソルビトール、およびグルコース);
(緩衝剤)酸が薬学的に受容可能である場合、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、リン酸、酢酸、アクリル酸、アジピン酸、アルギニン酸、アルカンスルホン酸、アミノ酸、アスコルビン酸、安息香酸、ホウ酸、酪酸、炭酸、クエン酸、脂肪酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、ヒドロキノスルホン酸、イソアスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、パラ−ブロモフェニルスルホン酸、プロピオン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、チオグリコール酸、トルエンスルホン酸および尿酸であり、塩基が薬学的に受容可能な塩基である場合、例えば、アミノ酸、アミノ酸エステル、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ハイドロタルサイト、水酸化アルミニウムマグネシウム、ジイソプロピルエチルアミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリイソプロパノールアミン、または薬学的に受容可能なカチオンならびに酢酸、アクリル酸、アジピン酸、アルギニン酸、アルカンスルホン酸、アミノ酸、アスコルビン酸、安息香酸、ホウ酸、酪酸、炭酸、クエン酸、脂肪酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、ヒドロキノスルホン酸、イソアスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、パラ−ブロモフェニルスルホン酸、プロピオン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、チオグリコール酸、トルエンスルホン酸および尿酸の塩である;
(キレート剤)例えば、EDTAおよびEGTA塩;
(凝固剤)例えば、アルギナート;
(着色料または不透明剤(opaquant))例えば、二酸化チタン、食用色素、レーキ、天然植物着色剤、酸化鉄、シリケート、スルフェート、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;
(着色剤)例えば、ハロゲン化炭化水素(例えば、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、ジクロロメタン、フロロトリクロロメタン)、ジエチルエーテルおよび液体窒素;
(凍結保護物質)例えば、トレハロース、ホスフェート、クエン酸、酒石酸、ゼラチン、デキストランおよびマンニトール;
(希釈剤または充填剤)例えば、ラクトース、マンニトール、滑石、ステアリン酸マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、クエン酸、スプレー乾燥ラクトース、加水分解デンプン、直接圧縮可能デンプン、微結晶セルロース、セルロース誘導体、ソルビトール、スクロース、スクロースベースの物質、硫酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウムおよびデキストロース;
(崩壊剤または超崩壊剤(super disintegrant)例えば、クロスカルメロースナトリウム(croscarmellose sodiumu)、デンプン、デンプン誘導体、クレー、ガム、セルロース、セルロース誘導体、アルギネート、架橋ポリビニルピロリドン、ナトリウムデンプングリコレートおよび微結晶セルロース;
(水素結合剤)例えば、酸化マグネシウム;
(芳香剤(flavorant)または減感剤)例えば、スプレー乾燥香料、精油およびエチルバニリン;
(イオン交換樹脂)例えば、スチレン/ジビニルベンゼンコポリマー、および第4級アンモニウム化合物;
(可塑剤)例えば、ポリエチレングリコール、クエン酸エステル(例えば、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル)、アセチル化モノグリセリド、グリセリン、トリアセチン、プロピレングリコール、フタル酸エステル(例えば、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル)、ヒマシ油、ソルビトールおよびジブチルセクケート(seccate);
(防腐剤)例えば、アスコルビン酸、ホウ酸、ソルビン酸、安息香酸、およびこれらの塩、パラベン、フェノール、ベンジルアルコール、および第4級アンモニウム化合物;
(溶媒)例えば、アルコール、ケトン、エステル、塩素化炭化水素および水;
(甘味料)天然甘味料(例えば、マルトース、スクロース、グルコース、ソルビトール、グリセリンおよびデキストリン)、ならびに人工甘味料(例えば、アスパルテーム、サッカリンおよびサッカリン塩)を含む;
(濃厚剤)(粘度改変剤、濃化剤)例えば、糖、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体およびアルギネート。
【0132】
添加剤はまた、タンパク質(例えば、コラーゲン、ゼラチン、ゼイン、グルテン、ムゼル(mussel)タンパク質、リポタンパク質);炭水化物(例えば、アルギネート、カラゲーナン、セルロース誘導体、ペクチン、デンプン、キトサン);ゴム(例えば、キサンタンガム、アラビアゴム);鯨ろう;天然または合成ワックス;カルナウバ(carnuaba)ろう;脂肪酸(例えば、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸);脂肪アルコール;糖;セラック(例えば、糖(例えば、ラクトース、スクロース、デキストロース)またはデンプンに基づくも);多糖類ベースのセラック(例えば、マルトデキストリンおよびマルトデキストリン誘導体、デキストレート(dextrate)、シクロデキストリン、シクロデキストリン誘導体);セルロースベースのセラック(例えば、微結晶セルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、酪酸酢酸セルロース、トリメリト酸酢酸セルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート);無機物(例えば、リン酸ジカルシウム、ヒドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、滑石およびチタニア);ポリオール(例えば、マンニトール、キシリトールおよびソルビトール);ポリエチレングリコールエステル;ならびにポリマー(例えば、アルギネート、ポリ(ラクチドコグリコリド)、ゼラチン、架橋ゼラチン、および寒天−寒天のような物質であり得る。
【0133】
所与の添加剤がしばしば当該分野の異なる当業者によって異なるように分類されるか、または任意のいくつかの異なる機能について通常使用されるので、通常の用法において上に列挙された添加剤間でかなりの重複が存在することが理解されるべきである。従って、上に列挙された添加剤は、単なる例示として受け取られるべきであり、本発明の組成物に含まれ得る添加剤の型を制限しない。このような添加剤の量は、所望の特定の性質に従って、当業者によって容易に決定され得る。
【0134】
(6.投薬形態)
本発明の組成物は、凝集(agglomeration)、空気懸濁物(air suspension)のチリング(chilling)、空気懸濁物の乾燥、ボーリング(balling)、コアセルベート化、コーティング、粉砕、圧縮、凍結ペレット化(cryopelletization)、カプセル化、押出し、湿式顆粒化(wet granulation)、乾式顆粒化(dry granulation)、均質化、封入複合体形成、凍結乾燥、融解、マイクロカプセル化、混合、成形、パンコーティング、溶媒脱水、超音波処理、球状化(spheronization)、スプレーチリング、スプレー凝固、スプレー乾燥、または当該分野で公知の他のプロセスにより処理され得る。この組成物は、以下の形態で提供され得る:ミニカプセル、カプセル、錠剤、インプラント、トローチ、ロゼンジ(ミニ錠剤)、一時的懸濁液または持続性懸濁液、膣坐剤(ovule)、坐剤、カシェ剤、チュアブル錠剤(chewable tablet)、即時型(quick)または高速型(fast)溶解錠剤、発泡錠剤、頬腔固体または舌下固体、顆粒、フィルム、散在剤、ペレット、ビーズ、ピル、粉末、粉砕剤、小板、ストリップ、またはサシェ(sachet)。組成物はまた、「乾燥シロップ」として投与され得、ここで、完成した投薬形態は、舌に直接置かれ、そして飲料(drinkまたはbeverage)と一緒に飲み込まれる(swallowまたはfollow)。これらの形態は、当該分野で周知であり、そして適切にパッケージ化される。この組成物は、経口送達、経鼻送達、頬腔送達、眼送達、尿道送達、経粘膜送達、腟送達、局所送達、または直腸送達、のために処方されるが、経口送達が現在好ましい。
【0135】
薬学的組成物および/または固体キャリア粒子を、腸溶コーティング、シール(seal)コーティング、フィルムコーティング、バリア(barrier)コーティング、圧縮(compress)コーティング、高速分解(fast disintegrating)コーティング、または酵素分解コーティングの1つ以上を用いてコーティングされ得る。複数のコーティングは、所望の性能のために適用され得る。さらに、投薬形態は、即時放出用、拍動性(pulsatile)放出用、制御された放出用、長期放出用、遅延性放出用、標的化放出用、同時放出用、または標的化遅延性放出用に設計され得る。放出/吸収制御について、固体キャリアは、活性成分の有りまたは無しで、種々の成分型およびコーティングのレベルまたは厚さで作製され得る。このような多様な固体キャリアは、所望の性能を達成するための投薬形態中にブレンドされ得る。これらの用語の定義は、当業者に公知である。さらに、投薬形態放出プロフィールは、ポリマーマトリクス組成物、コーティングマトリクス組成物、多粒子組成物、コーティング多粒子組成物、イオン交換樹脂ベース組成物、浸透ベース組成物、または生分解性ポリマー組成物によって、実施され得る。理論に束縛されることなく、この放出は、好ましい拡散、溶解、腐食、イオン交換、浸透またはそれらの組み合わせを通して実施され得ると考えられる。
【0136】
カプセルとして処方される場合、カプセルは、硬質ゼラチンカプセルまたは軟質ゼラチンカプセル、デンプンカプセル、あるいはセルロースカプセルであり得る。このような投薬形態は、例えば、シールコーティング、腸溶性コーティング、長期放出コーティング、または標的化遅延性放出コーティングを用いてさらにコーティングされ得る。これらの種々のコーティングは当業者に公知であるが、明確にするために、以下に簡単な記載を提供する:
シールコーティング(すなわち、隔離相を用いるコーティング):20ミクロンの厚さまでの薄層を、種々の理由(粒子多孔性の減少のため、粉塵を減少させるため、化学的保護のため、風味を遮蔽するため、匂いを減少させるため、胃腸刺激作用を最小限にするためなどを含む)のために適用し得る。隔離効果は、コーティングの厚さに比例する。水溶性セルロースエーテルは、この適用に好ましい。HPMCおよびエチルセルロースの組み合わせ、またはEudragit E100は、風味を遮蔽する適用に特に適切である。他の個所に列挙した伝統的な腸溶コーティング材料はまた、隔離相を形成するために適用され得る。
【0137】
長期放出コーティング:本明細書中で使用される場合、用語「長期放出コーティング」は、長期間にわたって、送達をもたらすように設計されたコーティングを意味する。好ましくは、長期放出コーティングは、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アクリル酸エステル、またはカルボキシメチルセルロースナトリウムから形成されるpH非依存性コーティングである。種々の長期放出投薬形態は、コーティング材料および/またはコーティングの厚さの選択に依存して、小腸および大腸の両方、小腸のみ、または大腸のみに、送達を達成するように、当業者によって容易に設計され得る。
【0138】
腸溶性コーティング:本明細書中で使用される場合、用語「腸溶性コーティング」は、キャリアまたは組成物に適用されるか、合わせられるか、混合されるか、または他の方法で加えられる薬学的に受容可能な賦形剤の混合物に関する。このコーティングは、キャリアまたは組成物の、圧縮または成形または押出し成形された錠剤、ゼラチンカプセル、および/またはペレット、ビーズ、顆粒または粒子に適用され得る。このコーティングは、水分散を通して、または適切な溶媒中への溶解後に、適用され得る。追加の添加剤およびそれらのレベル、ならびに主なコーティング材料(単数または複数)の選択は、以下の特性に依存する:
1.胃内での溶解および崩壊に対する耐性;
2.胃内での胃液および薬物/キャリア/酵素に対する不浸透性;
3.標的腸部位における迅速に溶解または崩壊する能力;
4.保存の間の物理的および化学的安定性;
5.非毒性;
6.コーティングとしての容易な適用(基質親和性(substrate f
riendly));および
7.経済的実用性。
【0139】
本発明の組成物の投薬形態はまた、下部胃腸管における放出を実施するために、腸溶コーティング遅延性放出経口投薬形態として、すなわち、腸溶性コーティングを利用する本明細書中に記載される薬学的組成物の経口投薬形態として処方され得る。腸管コート投薬形態は、活性薬剤および/または他の組成物成分の顆粒、ペレット、ビーズまたは粒子(これらは、それ自体コートされるかコートされない)を含有する、圧縮または成形または押出し成形された錠剤/モールド(コートされるかまたはコートされない)であり得る。腸溶性コート経口投薬形態はまた、それ自体コートされるかまたはコートされない固体キャリアまたは組成物のペレット、ビーズまたは顆粒を含有するカプセル(コートされるかまたはコートされない)であり得る。
【0140】
本明細書中で使用される場合、用語「遅延性放出」は、送達を意味し、その結果、放出は、遅延性放出の変更が存在しない場合に達成される位置に対してより遠位の下部胃腸管内の幾つかの一般的に予測可能な位置において達成され得る。
遅延性放出のための好ましい方法は、コーティングである。任意のコーティングは、コーティング全体が約5未満のpHにおいて胃腸液に溶解しないが、pH約5以上において溶解するような十分な厚みに適用されるべきである。pH依存性溶解プロフィールを示す任意のアニオン性ポリマーが、本発明の実施における腸溶性コーティングとして使用され、下部胃腸管への送達を達成し得る。本発明における用途に好ましいポリマーは、アニオン性カルボン酸ポリマーである。より好ましいポリマーおよびそれらの適合性混合物、およびそれらの特性の幾つかとして、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
Shellac。精製ラックとも呼ばれ、昆虫の樹脂性分泌物から得られた精製産物。このコーティングは、pH>7の培地に溶解する。
【0141】
アクリルポリマー(好ましい)。アクリルポリマーの性能(主に、生物学的流体におけるそれらの溶解度)は、置換の程度および型に基づいて変化し得る。適切なアクリル性ポリマーの例としては、メタクリル酸コポリマーおよびアンモニオメタクリレートコポリマーが挙げられる。EudragitシリーズE、L、S、RL、RSおよびNE(Rohm Phama)は、有機溶媒、水分散液、または乾燥粉末に溶解される際に有用である。EudragitシリーズRL、NE、およびRSは、胃腸管において不溶であるが、浸透性であり、そして主に長期放出に使用される。EudragitシリーズEは、胃内で溶解する。EudraditシリーズL、L−30DおよびSは、胃内で不溶であり、腸内で溶解する。
【0142】
セルロース誘導体(これもまた好ましい)。適切なセルロース誘導体の例は以下である:
エチルセルロース;
セルロースの部分的酢酸エステルの無水フタル酸との反応混合物。性能は、置換の程度および型に基づいて変化し得る。酢酸フタル酸セルロース(CAP)は、pHが6より上の場合に溶解する。Aquateric(FMC)は、水ベースの系であり、そして1μm未満の粒子を有するスプレイ乾燥CAP偽ラテックス(psuedolatex)である。Aquateric中の他の成分としては以下が挙げられる:pluronic、Tween、およびアセチル化モノグリセリド;
セルロースアセテートトリメリテート(Eastman);
メチルセルロース(Pharmacoat、Methocel);
ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)。この性能は、置換の程度および型に基づいて変化し得る。HP−50、HP−55、HP−55S、HP−55F等級が、適切である;
ヒドロキシプロピルメチルセルローススクシネート(HPMCS;AQOAT(Shin Etsu))。
【0143】
性能は、置換の程度および型に基づいて変化し得る。適切な等級として、AS−LG(LF)(これは、pH5で溶解する)、AS−MG(MF)(これは、pH5.5で溶解する)、およびAS−HG(HF)(これは、より高いpHで溶解する)が挙げられる。これらのポリマーは、顆粒として提供されるか、または水分散体のための微細粉末として提供される;
ポリ酢酸フタル酸ビニル(PVAP)。PVAPは、pHが5より上の場合に溶解し、それは水蒸気および胃液に対してほどんど浸透性がない;および
Cotteric(Colorconによる)。
【0144】
上記材料の組み合わせもまた、使用され得る。
コーティングは、可塑剤およびおそらく他のコーティング賦形剤(例えば、顔料、滑石、および/またはステアリン酸マグネシウム)を含み得、通常は、含む。これらは当業者に周知である。適切な可塑剤としては、クエン酸トリエチル(Citroflex 2)、トリアセチン(グリセリルトリアセテート)、クエン酸アセチルトリエチル(Citroflec A2)、Carbowax400(ポリエチレングリコール400)、ジエチルフタレート、クエン酸トリブチル、アセチル化モノグリセリド、グリセロール、脂肪酸エステル、プロピレングリコール、およびジブチルフタレートが挙げられる。特に、アニオン性カルボキシルアクリルポリマーは、通常、可塑剤、特にジブチルフタレート、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチルおよびトリアセチンの10〜25重量%を含
む。スプレーまたはパンコーティングのような従来のコーティング技術は、コーティングを適用するために使用される。コーティング厚みは、経口投薬形態が下部胃腸管内の局所送達の所望の部位に到達するまでインタクトなままであることを確実にするのに十分でなければならない。
【0145】
着色料、抗接着剤、界面活性剤、消泡剤、潤滑剤、安定剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース)、酸/塩基が、可塑剤に加えてコーティングに加えられ、コーティング材料を可溶化または分散し得、そしてコーティング性能およびコート生成物を改善し得る。
【0146】
特に適切なメタクリルコポリマーは、Rohm Pharma、Germanyによって製造されたEudragit L.RTM(特に、L−30D.RTMおよびEudragit 100−55.RTM)である。EudragitL−30D.RTMにおいて、エステル基に対する遊離のカルボキシル基の比は、およそ1:1である。さらに、このコポリマーは、5.5未満のpH(一般に1.5〜5.5)を有する胃腸管液体中で不溶であることが公知であり、すなわち、このpHは、上部胃腸管の液体内に存在するが、5.5より上のpHでは容易に可溶かまたは部分的に可溶である。すなわち、このpHでは、一般的に下部胃腸管の液体中に存在する。
【0147】
単独で、または他のコーティングと組み合わせて、本明細書中に記載される組成物および方法に使用され得る組成物または固体キャリアをコーティングする際の使用に適切な別のメタクリル酸ポリマーは、Rohm Pharma,Germanyによって製造されるEudragit S.RTMである。Eudragit S.RTM.は、エステル基に対する遊離カルボキシル基の比がおよそ1:2である範囲でのみ、Eudragit L−30−D.RTMとは異なる。Eudragit S.RTMは、pH5.5未満で不溶性であるが、Eudragit L−30−D.RTMと異なり、小腸媒質中に存在するような、5.5〜7.0のpHを有する胃腸液中で貧溶性である。このコポリマーは、pH7.0以上で可溶である。すなわち、このpHは、一般に、結腸内で見られる。Eudragit S.RTMは、遅延性放出機構を介して大腸で開始する、送達を提供するためのコーティングとして単独で使用され得る。さらに、Eudragit S.RTM(pH7未満の腸液に貧溶である)は、遅延性放出組成物を実施するために、pH5.5を超える腸液に可溶のEudragit L−30−D.RTMと組み合わせて使用され得る。より多くのEudragit S.RTMが使用されるにつれて、より近位の放出および送達が開始し、そしてより多くのEudragit S.RTMが使用されるにつれて、より遠位の放出および送達が開始する。Eudragit L−30−D−RTMおよびEudragit S.RTMの両方は、同様のpH溶解度特性を有する他の薬学的に受容可能なポリマーと置き換えられ得る。
【0148】
好ましい材料としては、shellac、アクリルポリマー、セルロース誘導体、ポリ酢酸フタル酸ビニル、およびそれらの混合物が挙げられる。より好ましい材料として、EudragitシリーズE、L、S、RL、RS、NE、L.RTM、L300.RTM、S.RTM、100−55RTM、セルロースアセテートフタレート、Aquateric、セルロースアセテートトリメリテート、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルローススクシネート、ポリ酢酸フタル酸ビニル、およびCottericが挙げられる。最も好ましい材料としては、EudragitシリーズL.RTM、L300.RTM、S.RTM、L100−55RTM、セルロースアセテートフタレート、Aquateric、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルローススクシネート、ポリ酢酸フタル酸ビニル、およびCottericが挙げられる。
【0149】
本発明の組成物の投薬形態についての長期放出コーティングおよび標的化遅延性放出コーティングは、米国特許第5,622,721号および同第5,686,105号によってより完全に記載され、これらの開示は、全体を通して本明細書中で参考として援用される。
【0150】
即時放出のための高速分解コーティング:固体キャリアの即時放出は、一般に、製品の見た目の美しさ(elegance)を改善するため、ならびに水分バリア(moisture barrier)ならびに風味および匂いの遮蔽に用いられる。胃の媒質におけるフィルムの迅速な分解は、重要であり、これは、有効な崩壊および溶解をもたらす。Eudragit RD100(Rohm)は、このようなコーティングの例である。これは、水に不溶性のカチオン性メタクリル酸コポリマーと水溶性セルロースエーテルとの組合せ物である。粉末形態では、これは、容易にスプレー可能な懸濁液中に、容易に調剤可能である。この懸濁液は乾燥すると、滑らかなフィルムになる。このようなフィルムは、pHおよびフィルムの厚さに無関係な速度で水性媒質中に迅速に崩壊可能である。
【0151】
(7.プロセス)
本発明の組成物は、基板上にカプセルコーティングを塗布するか、または多粒子または粉末のような基板遊離固体キャリアを形成するための種々のプロセスによって調製され得る。一般に利用されるコーティングおよび小球化プロセスとしては、ボーリング、球状化(spheronization)、押しだし成形、スプレー凝固、スプレー乾燥、パンコーティング、流体化ベッドコーティング、溶融押し出し成形、結晶化、低温小球化(cryopelletization)、ナノカプセル化、コアセルベーションなどが挙げられる。適切な添加物が、この組成物に取り込まれ得るか、またはこのプロセスの間に、個々のプロセスの必要性に依存して固体キャリアまたは投与形態の調製を容易にし得る。
【0152】
頻繁に、コーティングプロセスは、コーティング溶液を基板にスプレーする工程を包含する。このコーティング溶液は、分散媒体の含まないカプセルコーティング組成物の溶融溶液であり得る。このコーティング溶液はまた、水性媒体、有機溶媒、超臨界流体、またはそれらの混合物中で、このカプセルコーティングの組成物を溶解または懸濁させることによって調製され得る。このコーティングプロセスの目的において、この残留分散媒体は、さらに、適切な乾燥プロセス(例えば、減圧留去、加熱、凍結乾燥など)を利用して所望のレベルまでさらに除去され得る。
【0153】
小球化プロセスは、代表的に、固体キャリアの組成物の溶融溶液、あるいは水性媒体、有機溶媒、超臨界流体、またはそれらの混合物中で溶解されるか、もしくは懸濁される固体キャリアの組成物の分散物を調製する工程を包含する。次いで、このような溶液または分散物は、特定の開口部を通過させ、所望の形状、サイズ、よび他の特性を達成する。同様に、適切な乾燥プロセスが採用され、必要な場合に、残渣分散媒体のレベルを制御する。
【0154】
上記のプロセス、このプロセスの組合せ、またはこのプロセスの改変は、当該分野で周知である。このプロセスのいくつかは、参考のために本明細書中に手短に記載される。
(ボーリング、球状化または押出し成形)
広範の意味で、ペレットは、顆粒およびビーズと非常によく類似しており;ペレットを製造するための技術によりまた、顆粒、ビーズなどを製造し得る。ペレット、顆粒またはビーズは、小球化、球状化または押し出し成形の目的で形成される。この小球化、粒状化または押し出し成形はまた、液体の添加物を含む、平面または湾曲面上で回転またはひっくり返すことによって、連続的に微細に分断された粒子の塊からほぼ球体を形成し得る。
【0155】
小球化は、水平ドラムのような軸の角度に基づいて分類され得るか、または皿押し小球化を含む。回転式流動顆粒化はまた、小球化のために使用され得る。標準的な流動乾燥ボールは、エアディストリビューターのような回転プレートと置換され得る。顆粒化のために、結合剤液体は、粉末ベッドの回転移動に対して軸方向に配置された1または2のバイナリーノズルを介してスプレーされる。この操作の結果として、この顆粒を、ほぼ球形のペレットまで丸くする。このようなボーリングまたは攪拌技術は、条件(例えば、架橋/結合液体要求、この材料の小球化での残留時間、小球化器の傾斜角度、小球化器に充填された材料の量、結合剤の選択およびレベルなど)を操作することによって影響を与え得る。当業者は、満足な生成物を得るためにこのような因子を容易に調節し得る。
【0156】
本発明の成分は、自己結合し得る。液体成分は、適切な固体化剤、結合剤または濃厚剤の補助を伴って小球化され得る。
同様に、所定の適用のための適切な結合剤の選択は、当業者によって容易に決定される。最小において、この結合剤は、小球化または顆粒化される粒子の表面を湿潤化することができなければならない。結合剤は、塊を取り扱うのに十分な湿潤強度を有し、そして意図される目的のために適切となるような十分な乾燥強度を有さなければならない。しかし、各々のプロセスは、力の異なるシステムの使用を達成し、そして異なる塊強度を必要とし得る。結合剤の最終の選択は、使用される装置のタイプを基礎としてなされるべきである。ペレットのサイズおよびサイズ分布、かさ密度、強度およびフロー特性はまた、ペレットの性能に影響を与え、そしてこれらの特性は、添加物の封入、装置の選択、おおび処理条件によって、当業者により調製され得る。
【0157】
(押し出し成形)
押し出し成形は、オリフィスまたは規定された開口部を流れるまで、組成物(湿潤または溶融組成物)に圧力を加える周知の方法である。押し出し可能な長さは、押し出されるべき材料の物理的特性、押し出し方法、および押し出し後の粒子の製造プロセスで変化する。種々のタイプの押し出しデバイス(例えば、スクリュー、篩およびバスケット、回転およびラム押出し成形機)が、使用され得る。
【0158】
(押し出し成形によるカプセル化:)この方法において、エマルジョンの形態中の液体組成物を、少量の水分で溶融した、少量のマルトデキストリンもしくは糖、または修飾された食用デンプンに添加し、混合し、そして冷却浴に押し出し成形した。この固体化組成物は、さらに下に置かれ得る。必要に応じて、遠心分離押し出し成形を効率化のために利用し得る。
【0159】
(溶融押し出し成形:)本発明の成分は溶融され、そして添加物を封入または封入しない、連続的な溶媒を用いない押し出し成形プロセスで押し出し成形した。このようなプロセスは、当業者に十分構築され、そして周知である。
【0160】
(球状化)
球状化は、材料を球形(体積比に対して最も少ない表面積を有する形状)に変換するプロセスである。球状化は、代表的に、湿潤押し出し成形粒子を伴って開始する。押し出し成形された粒子は、即座にまたは徐々に球状に変換された単位長に破壊される。さらに、粉末化原料(ミキサから液体または材料のいずれかの添加を必要とする粉末化原料)は、空気−補助球状化において処理され得る。
【0161】
(スプレー凝固)
スプレー凝固は、この材料の構造をキレートするのに一般に使用される方法であり、液体からフリーフロー粉末(free flowing powder)が得られ、そして約0.25〜2.0mmのサイズの範囲のペレットが提供される。スプレー凝固は、目的の基板が、他の添加物のホットメルトにおいて、溶融、分散、または溶解され、次いで、空気チャンバにスプレーされるプロセスであり、ここで、この温度は、球形に凝固されたペレットを提供するために、処方物の成分の融点未満である。空気は、融合の潜熱を取り除く。使用された冷却空気の温度は、製造物の凝固点に依存する。この粒子は、凝固された溶融から形成された固体結合によって共に含まれる。ほとんどのスプレー凝固プロセス中で溶媒留去しないことに起因して、この粒子は、一般に、非多孔質かつ強力であり、そして攪拌においてインタクトなままである。最終の凝固産物の特性は、使用した添加物の特性に一部依存する。供給物と入口/出口温度の比が調節され、微粒子化液滴の凝固を確実にする。供給物は、適切な粘度を有し、同質性を確実にする。溶融供給物の粉末への変換は、単一の連続工程である。適切な微粒子化および制御された冷却速度は、高い表面積、単一および同質の凝固ペレットを得るために重要である。これらのパレメーターの調節は、当業者によって容易に達成される。
【0162】
このスプレー凝固方法は、周囲温度が乾燥させるために使用される場合、加熱不安定基板に特に適しており、そして非水性組成物が利用され得る場合、水分感受性基板に特に適している。スプレー凝固は、溶媒が利用されることを除いて、スプレー乾燥と類似している。スプレー凝固は、単一かつ迅速なプロセスであり、そして製造物が任意の装置表面と接触する前に完了する。室温で固体であり、かつ分解無しで溶融する、ほとんどの添加物は、本発明に適切である。
【0163】
冷却吸気を用いて操作する従来のスプレー乾燥を、スプレー凝固のために使用した。溶融した塊を微細化するいくつかの方法(例えば、圧力、気体または遠心分離微紛化)を利用し得る。スプレー凝固技術の当業者にとって、いくつかの局面(例えば、マトリクス材料、粘性、および処理因子(例えば、温度、微紛化、および冷却速度))は、スプレー凝固ペレットの質(形態、粒子サイズ分布、多型、および融解特性)に影響を与える。このスプレー凝固粒子は、錠剤顆粒形態、カプセル形態で使用され得るか、または液体懸濁形態に取り込まれ得る。
【0164】
(溶媒脱水(スプレー乾燥))
天然において油状物である組成物に対して、このスプレー乾燥技術が一般に使用される。この油状材料は、一般に、ポリマー材料(例えば、ゼラチン、植物性ガム、改質デンプン、デキストリン、または他の適切な添加剤)と共に混合される。必要とされる場合、乳化剤を添加して、水中油のエマルジョンを形成する。このエマルジョンは、乾燥チャンバ中の乾燥空気のカラム中で微粒化され、結果として、水の迅速なエバポレーションが生じる。あるいは、このエマルジョンは、極性溶媒(例えば、イソプロパノール、エタノール、グリセロール、またはポリグリコール)中で直接微粒子化され、エアロゾル粒子を脱水する。この方法は、親油性コアが得られる、親油性活性剤または添加物を含む組成物に特に適切である。スプレー乾燥/溶媒脱水はまた、親水性活性成分または添加物に適用され、スプレー乾燥した水中油のエマルジョンを形成する。この結果、同質の固体組成物が得られる。さらに、処方物に基づく水または有機溶媒を、不活性プロセスガス(例えば、窒素、アルゴンなど)を使用することによりスプレー乾燥し得る。
【0165】
(結晶化)
本発明の成分は、適切な溶媒中に溶解され、そして当該分野で周知の球状結晶化技術に供される。
【0166】
(ナノカプセル化)
ナノカプセル化は、弱い極性ビヒクル中の活性成分および他の成分の水溶液を可溶化する工程を包含する。有機外部層中において活性を有するミセルが、形成される。次いで、両親媒性モノマーが、親水性外部層に添加される。次いで、これにより混合されたミセルは、適切な手順(例えば、UVまたはγ放射、加熱、または化学的薬剤)で重合される。この硬化した固体化ミセルは、水により外部親水性ビヒクルを置換することによって層変換を受けるように作製される。適切なモノマーを選択することによって、ネットワーク剤(networking agent)および補助剤、80〜250nm程度の小ささのナノカプセルを、調製し得る。
【0167】
(超臨界流体プロセス)
本発明の成分は、超臨界流体中で分散され、そして必要とされる場合、結晶化され得る。超臨界流体を含む現在の技術は、超臨界溶液の迅速な膨張による沈殿、ガスアンチ(gas anti)溶媒プロセス、およびガス飽和溶液での沈殿を含む。
【0168】
(コアセルベーション)
コアセルベーションは、コアセルベーション層の溶媒和状態から、各粒子の周りにフィルムが存在する層へのフィルム特性を有する高分子の移動である。このコアセルベーション方法は、ポリマー性コロイド(例えば、ゼラチンアルギネート)の分散物中に組成物を分散する工程、および温度またはpHなどで混合物を衝撃処置して、2層系を形成する工程を包含する。次いで、この所望の層は、架橋剤(例えば、グルタルアルデヒド)で硬化される。
【0169】
(低温小球化)
低温小球化手順は、溶融された塊、水性溶液または懸濁物を、固体、ビーズ様粒子に変換することを可能にする。この溶融された塊溶液または懸濁物を、適切に設計されたデバイスにより液体窒素にドリップする。小滴の製造および液体窒素冷却は、非常に迅速でかつ均一な処理された材料の凍結を可能にする。このペレットは、従来の凍結乾燥で乾燥される。低温小球化はまた、滅菌処置の無菌条件下で実施され得る。球状化(globulization)によって球状粒子を製造する最も重要な工程は、液滴形成である。液滴形成は、処方物に関連する変量(例えば、活性成分および添加物、粘性、全固体内容物、表面張力など)によって影響される。さらなに注意して、懸濁液を処理して、同質性を保証しなければならない。さらに、装置の設計および処理変量はまた、重要な役割となる。当業者は、種々の因子と容易にバランスをとり、良好な製造物を製造し得る。高い分子量のポリエチレン(例えば、PEG−20,000)を含有する、ポリアクリル酸(例えば、Carbopol)を含む、腸内マトリクスペレットが、形成され得る。
【0170】
本発明の薬学的組成物の固体組成物を製造するために適切な他のプロセスとしては、押し出し成形およびスプレー冷却が挙げられる。これらのプロセスは、米国特許第5,965,161号および同第5,539,000号にそれぞれ記載される。
【0171】
カプセル化組成物を処理するために、様々な方法を使用し得る。用語「マイクロカプセル化」は、マイクロカプセル中への封入または被包に適用される。マイクロカプセル化は、脂質および分散物の固体の小粒子または液滴にコーティングを適用する方法である。用語「コーティングされた」、「保護された」または「層状化された」は、一般に、用語「カプセル化された」と交換可能に使用される。全てのこれらの用語は、外殻に入れられるかまたは封入される実質的に任意のコア材料を言及するために使用され得る。コーティングを適用するために使用される典型的な装置としては、従来のパン(Pellegrini;Italy)、改変された多孔パン(マルチコーター(multicoater)、Thomas Eng.,IL)、またはGlattパウダードーター(doater)/造粒機(Glatt Artechniques)のWursterコーターが挙げられる。
【0172】
(溶媒ベースの溶液コーティング)
溶媒ベースのコーティングは、本発明の成分が溶媒に可溶化および/または分散される場合のコーティングである。この溶媒は水性であり得る。この溶媒が水性ベースである場合、この成分は適切な乳化剤、有機溶媒または超臨界流体で乳化され得る。水より低い融点およびより高い蒸発数を有する溶媒が好ましい。他の有機溶媒または水との溶媒混合物は、適切な粘度および成分の可溶化を得るためにしばしば用いられる。典型的な溶媒としては、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、ジクロロメタン、トリクロロメタンおよび酢酸エチルが挙げられる。適切なポリマーはまた、必要に応じて添加され得る。セルロース誘導体およびポリメタクリレートは、有機溶媒コーティングのために特に適切な添加剤である。成分の溶解および可溶化は、激しい撹拌および加熱によって促進される。可塑剤もまた、溶解を刺激するために添加され得る。着色剤および固着防止剤は必要に応じて用いられ得る。
【0173】
基質の表面積、形状、多孔性および安定性は、優れたコーティングの重要な決定因子である。球形粒子が好ましく、これらは球形化または球形結晶化プロセスによって生成され得る。結晶または乾燥圧縮または押出しプロセスによる圧縮顆粒(しばしば市販される)は、優れた基質として働く。
【0174】
カプセル化は、従来のパンコーティングまたは流動床技術によって行われ得る。いくつかのプロセス(空気供給、温度、スプレー速度、スプレーシステム、粉末供給、摩擦)および処方因子は、最終生成物の質を決定し、そして当業者は、このようなパラメーターを必要に応じて容易に調整し得る。
【0175】
回転流動床造粒機における空気懸濁は、基質にカプセル化コートを沈着するために使用され得、従って、低い薬物損失を伴う速い薬物適用速度が可能となる。さらに、水性溶媒および有機溶媒の両方を使用し得る。Wursterプロセス(空気懸濁技術)は、非常に微細な粉末を含むカプセル化のためにより適切である。
【0176】
(無溶媒コーティング)
このプロセスは、溶融状態で適用され得るコーティング材料を使用する工程を伴う。適切なコーティング材料の選択は、融点、融点範囲、および液体状態における粘度に依存する。流動床は、約100ミクロン〜約2000ミクロンの範囲のサイズである基質の溶融コーティングのために理想的である。流動床コーティング、溶融材料の噴霧は、適切なカプセル化が起こり得るプロセスパラメーターの適切なバランスを達成する工程を包含する。流動空気により懸濁され、そして互いに分離された基質粒子は、微細に微粉化されたコーティング液体のゾーンに入る。コーティングは液滴として生じ、このサイズは実質的に基質より小さく、粒子に衝突し、広がり、そして凝固する。複数の層がコーティングされ、そして噴霧の完了は、生成物の安定化または冷却工程に続く。いくつかの重要な首尾良いパラメーターとしては、床温度、微粒化温度、微粒化液体温度、または液滴サイズ、スプレーの型、噴霧速度、粒子表面上のコーティング液滴の凝固の速度、粒子サイズ、形状などが挙げられる。不活性材料(例えば、塩化ナトリウム、クエン酸、塩化カリウム)は、基質として働き得る。当業者は、十分な生成物を達成するために、このようなパラメーターを容易に調整し得る。
【0177】
上記のプロセスは、本発明の基質ベースの組成物または非基質ベースの組成物を処理するために適切である。従って、一実施形態において、本発明の薬学的組成物は、シード粒子(例えば、従来の薬物または他の追加の凝集デンプンまたは糖ビーズ)を含まない。代わりに、この組成物は加工され、そして基質ビーズにコーティングする必要なく固体組成物が形成されるように、組成物が選択される。このような組成物は、活性成分、界面活性剤、トリグリセリドおよび/または添加剤のほぼ均一な分布を有する、ビーズレット(beadlet)、ビーズ、顆粒、ペレットなどの形態であり得る。これらの組成物は、ペレッタイザーまたは流動床造粒機のボーリング、および圧縮または押出し/球形化によって生成され得る。さらに、これらの組成物は、無溶媒スプレー凝固プロセスまたは滴下(小球化)方法を使用して生成され得る。滴下手順は、水溶液または懸濁液の固体形態への変換を包含する。冷却浴における液滴の凝固は、化学反応(例えば、可溶性塩または錯体形成)、ゾル/ゲル変換または液体窒素または水素化炭化水素の冷却浴における凍結により援助され得る
(8.特定の処方物)
一実施形態において、固体薬学的組成物は、固体キャリアを含み、この固体キャリアは基質およびこの基質上のカプセル化コートを含む。カプセル化コートは、少なくとも1つのイオン性または非イオン性親水性界面活性剤を含む。必要に応じて、このカプセル化コートは、薬学的活性成分、親油性成分(例えば、親油性界面活性剤またはトリグリセリド)、または薬学的活性成分および親油性成分の両方を含み得る。
【0178】
従来技術は、湿潤機能を提供し、疎水性薬剤がビーズおよび/または水溶性結合剤に適切に接着するのを可能にするため、被覆ビーズ組成物を処方する際に界面活性剤を使用してきた。例えば、米国特許第4,717,569号(Harrisonら)は、親水性界面活性剤で湿潤され水溶性結合剤によってビーズに接着された疎水性ステロイド化合物の被覆ビーズ組成物を開示する。このステロイド化合物は、微細に分割された粒子として存在し、結合剤によってビーズに保持される。本発明は、驚くべきことに、界面活性剤および他の成分の適切な選択により、様々な親水性活性成分または疎水性活性成分を用いて組成物が調製され得ることを見出した。例えば、Harrisonの参考文献は、界面活性剤の湿潤剤としての使用を開示しているが、本発明は、高レベルの界面活性剤(すなわち、湿潤機能のために必要なまたは適切な量を遙かに越えた量)により、薬学的活性成分は、結合剤マトリクスに単に物理的に結合されるよりむしろ、十分にかまたは少なくとも部分的にカプセル化コート材料自体に可溶化され得ることを見出した。実際に、結合剤は本発明の組成物において必要に応じて使用され得るが、より高い濃度の本発明の界面活性剤(すなわち、可溶化量)は、結合剤の必要性を排除し、そして結合剤を必要とする代わりに結合剤の必要を任意にする。
【0179】
この実施形態において使用される親水性界面活性剤の量は、薬学的活性成分を少なくとも部分的に可溶化するように調整され得、任意の親油性界面活性剤およびトリグリセリドは、この薬学的活性成分の溶解度をさらに増加するように選択される。
【0180】
本発明の薬学的組成物から生じると考えられるさらなる利点は、この組成物が患者に投与された際、この組成物中に存在する高レベルの界面活性剤および他の成分が、薬学的活性成分の迅速な可溶化を促進することである。従って、Harrisonの従来技術の組成物は、例えば、胃腸管における乳化およびミセル化によって、インビボにおけるさらなる可溶化を必要とする形態の薬物を含むが、本発明の組成物中の活性成分は、この組成物自体に少なくとも部分的に可溶化され、そして投与の際に活性成分の迅速な分散(乳化/ミセル化)および持続的な可溶化を促進するために、この組成物に界面活性剤および他の成分がさらに提供される。
【0181】
この実施形態において、カプセル化コートは、活性成分なしで代替的に処方され得ることに留意しなければならない。この局面において、この活性成分は、所望ならば、カプセル化コートではなく、この組成物自体に提供され得る。現在は好ましくないが、このような処方物は、分散(乳化/ミセル化)を促進する界面活性剤および他の成分と共に、患者に活性成分を送達し、従って、より迅速な活性成分の提供を吸収部位にさらに提供する。あるいは、この活性成分は、本発明の組成物の投与の前、同時またはその後に、分離投薬形態(従来の投薬形態を含む)で投与され、類似の利点を達成する。
【0182】
任意の親油性界面活性剤およびトリグリセリドを必要に応じて使用して、活性成分の可溶化をさらに増大するか、またはインビボにおける分散(乳化/ミセル化)を促進するか、または吸収部位におけるインビボ吸収を促進し得る。
【0183】
さらに親水性の活性成分について、カプセル化コート材料は、より効果的な吸収を促進するバリア膜を横切る活性成分の効果的な輸送を促進する成分を提供する。これらの活性成分について、カプセル化コートに親油性成分を含めることが好ましい。
【0184】
別の実施形態において、固体薬学的組成物は、固体キャリアを含み、この固体キャリアは基質およびこの基質上のカプセル化コートを含む。カプセル化コートは、親油性成分(例えば、親油性界面活性剤またはトリグリセリド)を含む。必要に応じて、カプセル化コートは、薬学的活性成分、イオン性親水性界面活性剤もしくは非イオン性親水性界面活性剤、または薬学的活性成分および親水性界面活性剤の両方を含み得る。この実施形態において、親油性界面活性剤またはトリグリセリドは、この組成物中に、カプセル化コート中の活性成分の少なくとも部分的な可溶化を可能にするような量で存在し得るか、または別々に投与され得る。
【0185】
別の実施形態において、固体薬学的組成物は、親水性活性剤の吸収の促進を助ける活性成分と共にかまたはなしで、親油性成分を効果的に提供する。
別の実施形態において、この固体薬学的組成物は、固体キャリアを含み、この固体キャリアは基質およびこの基質上のカプセル化コートを含む。このカプセル化コートは、薬学的活性成分およびイオン性親水性界面活性剤もしくは非イオン性親水性界面活性剤;薬学的活性成分および親油性成分(例えば、親油性界面活性剤またはトリグリセリド);または薬学的活性成分および親水性界面活性剤、および親油性成分の両方を含む。
【0186】
別の実施形態において、固体薬学的組成物は、固体キャリアを含み、ここで、この固体キャリアは、薬学的活性成分;イオン性もしくは非イオン性親水性界面活性剤;および親油性成分(例えば、親油性界面活性剤およびトリグリセリド)からなる群から選択される少なくとも2つの成分から形成される。
【0187】
この実施形態において、固体薬学的組成物は、基質シード粒子の必要性なく、処方される。選択された組み合わせの活性成分、界面活性剤およびトリグリセリドは、必要ならば適切な賦形剤と共に加工され、シード基質の非存在下で固体伽理を形成する。好ましくは、これらの成分は、上記のように、活性成分を少なくとも部分的に可溶化するように選択される。
【0188】
(9.方法)
本発明はまた、上記の薬学的組成物を使用する方法を提供する。1つの局面において、本発明は、薬学的活性成分で患者を処置する方法を提供し、この方法は、上記のような、活性成分を含む薬学的組成物の投薬形態を提供する工程、およびこの投薬形態を患者に投与する工程を包含する。この患者は、動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくは、ヒトであり得る。
【0189】
別の局面において、本発明は、上記のような薬学的組成物の投薬形態を提供する工程、薬学的活性成分の投薬形態を提供する工程、およびその投薬形態を患者に投与する工程を包含する方法を提供する。この方法は、活性成分またはさらなる活性成分の全てまたは一部が、薬学的組成物の投与の前、同時または後に、別個の投薬形態で患者に投与される場合に、有利である。
【0190】
別の局面において、本発明は、上記のような薬学的組成物中の活性成分を提供することによって、薬学的活性成分の嗜好性および/または食味のマスキングを改良する方法を提供する。活性成分は脂質コートにカプセル化されるため、この活性成分は口内では直ぐに溶解されないが、その代わりに、口腔を通過した領域で溶解され、それにより活性成分と口との間の所望でない接触を実質的に回避するかまたは少なくとも軽減する。
【0191】
本発明の別の局面において、この組成物は、活性成分の胃耐性または酸分解の減少を可能にする。
本発明の別の局面において、固体キャリアは、活性成分の化学的安定性を改善する。
【0192】
本発明の別の局面において、固体キャリアは、上部胃腸管を活性成分の悪影響から保護する。
別の局面において、本発明は、上記の組成物中の活性成分を投与することによってか、または上記の組成物と共に活性成分を同時投与することによって、薬学的活性成分の溶解および/または吸収を改善する方法を提供する。
【0193】
(実施例)
(実施例1:被覆されたビーズの調製)
本発明による組成物を、以下のように調製した。使用した特定の成分を、実施例2〜5に詳述する。
【0194】
被覆材料のスプレー溶液を、所望の量の活性成分を親水性および/または親油性の界面活性剤とともに、有機溶媒または有機溶媒の混合物に溶解し、そして混合することによって、調製した。この被覆溶液のために使用した有機溶媒は、塩化メチレンとイソプロピルアルコールとの、3:1〜1:1の重量比の混合物であった。
【0195】
市販の糖ビーズ(30/35メッシュサイズ)を、スプレー銃(Campbell Hausfield,DH7500)を有する従来の被覆パンにおいて、1.2mmのノズル直径および25psiの空気圧で、被覆した。スプレープロセスの間、床温度を、約32℃に維持した。スプレープロセスの間、適切な量のタルクを、ビーズ上に撒布して、被覆されたビーズの凝集を減少させた。スプレープロセスの完了時に、被覆されたビーズを室温まで冷却した。次いで、被覆されたビーズを減圧下で乾燥して、残余の溶媒レベルを最小にした。次いで、乾燥した被覆されたビーズをふるい分けし、そして収集した。
【0196】
(実施例2:組成物I)
基質粒子、活性成分(グリブリド)、および親水性界面活性剤(PEG−40ステアレート)と親油性界面活性剤(グリセロールモノラウレート)との混合物を含む薬学的組成物を、実施例1の方法に従って調製した。成分およびそれらの量は、以下の通りであった:
【0197】
【表20】

【0198】
(実施例3:組成物II)
基質粒子、活性成分(プロゲステロン)、および親水性界面活性剤(Solulan C−24)と2種の親油性成分(デオキシコール酸および蒸留したモノグリセリド)との混合物を含む薬学的組成物を、実施例1の方法に従って調製した。成分およびそれらの量は、以下の通りであった:
【0199】
【表21】

【0200】
(実施例4:組成物III)
基質粒子、活性成分(イトラコナゾール)、および非イオン性親水性界面活性剤(Cremophor RH−40およびPEG−150モノステアレート)と、イオン性親水性界面活性剤(タウロコール酸ナトリウム)と、親油性界面活性剤(グリセロールモノラウレート)との混合物を含む薬学的組成物を、実施例1の方法に従って調製した。成分およびそれらの量は、以下の通りであった:
【0201】
【表22】

【0202】
(実施例5:組成物IV)
基質粒子、活性成分(オメプラゾール)、2種の親水性界面活性剤(PEG−150モノステアレートおよびPEG−40モノステアレート)の混合物、およびトリグリセリド含有親油性成分(Maisine 35−1)との混合物を含む薬学的組成物を、実施例1の方法に従って調製した。成分およびそれらの量は、以下の通りであった:
【0203】
【表23】

【0204】
(実施例6:シール被覆)
実施例3の、乾燥した被覆されたビーズを、ポリマー層によってさらにシール被覆した。このシール被覆ポリマー層を、プロゲステロン被覆したビーズに、Uni−Glatt流動床コーターにおいて適用した。ポリビニルピロリドン(PVP−K30)を、イソプロピルアルコールに溶解して、5% w/wの溶液を形成した。このシール被覆溶液を、Wursterボトムスプレーインサートを用いて、被覆されたビーズにスプレーした。入口および出口の空気温度を、それぞれ30℃および40℃に維持した。スプレープロセスの完了時に、50〜55℃の乾燥空気を5〜15分間供給することによって、ビーズをさらに乾燥した。
次いで、シール被覆したビーズを、装置内で、20〜25℃の乾燥空気を5〜15分間供給することによって、冷却した。乾燥したシール被覆されたビーズを収集し、そして容器内に貯蔵した。
【0205】
(実施例7:保護被覆)
実施例5の、乾燥した被覆されたビーズを、保護ポリマー層によってさらに被覆した。この保護被覆を、オメプラゾール被覆したビーズに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)溶液でのスプレーによって、適用した。保護被覆HPMC溶液を、6グラムのHPMCをエタノールに溶解することによって調製した。この溶液に、塩化メチレンを添加し、続いて2mLのクエン酸トリエチル(可塑剤として)および1gのタルクを添加した。このHPMC溶液を、実施例6において記載されるように、ビーズ上にスプレーし、次いで保護被覆されたビーズを乾燥および収集した。
【0206】
(実施例8:腸溶被覆)
実施例5の、乾燥した被覆されたビーズを、腸溶被覆層によってさらに被覆した。この腸溶層を、オメプラゾール被覆したビーズに、Eudragit L100溶液をスプレーすることによって、適用した。Eudragit L100とは、Rohm Pharmaから市販されているアクリレートポリマーである。スプレー溶液を、15gのEudragit L100を200mLのエタノールに分散して透明な溶液を得ることによって調製した。次いで、この溶液に、4gのクエン酸トリエチルを可塑剤として添加した。2gの精製タルクもまた、この溶液に添加した。次いで、実施例6において記載されるように、この溶液をビーズ上にスプレーし、そしてビーズを乾燥した。
【0207】
(実施例9:比較溶解研究I)
比較溶解研究を、以下の3種の形態の活性成分に対して実施した:実施例2のグリブリド被覆ビーズ、市販のグリブリド製品(Micronase(登録商標)、Pharmacia & Upjohnから入手可能)、および純粋なグリブリドバルク薬物。溶解研究を、USP溶解2型装置を使用して実施した。これら3つの形態の各々に関して、5mgのグリブリドに等価の材料を、500mLの等張性のpH7.4のリン酸緩衝液における各三連の溶解の実施において使用した。溶解媒体を37℃に維持し、そして100rpmの速度で絶えず撹拌した。溶解媒体を、15分、30分、45分、60分、120分および180分において、サンプリングした。各時点において、3mLの媒体をサンプリングし、そしてその媒体を、3mLの新鮮な緩衝液で再補充した。これらのサンプルを、サンプリングの直後に、0.45μのフィルターを通して濾過した。次いで、これらの濾液をメタノールで希釈して、グリブリド特異的HPLCアッセイに適した濃度にした。
【0208】
HPLCアッセイを、Varian 1090システムにおいて、50μLのサンプルを注入することによって、実施した。サンプルを、Phenominex C18カラムにおいて、75:25 v/vのメタノール/リン酸緩衝液(0.1M リン酸二水素カリウム(リン酸を使用してpHを3.5に調整した))の移動相を、1mL/分の流速で周囲温度で流すことによって、分離した。グリブリドを、229nmにおけるUV吸収によって、検出した。
【0209】
比較溶解測定の結果を、所定の時点において溶解媒体中に溶解/放出したグリブリドの、溶解媒体中に存在する初期の全グリブリド含有量(5mg/500mL)に対する百分率として表した。その結果を図1に示す。ここで、エラーバーは、標準偏差を表す。図が示すように、本発明のグリブリド被覆ビーズは、市販のMicronase(登録商標)および純粋なバルク薬物と比較して、溶解媒体中へのグリブリドの溶解/放出の速度、範囲および変動性の優れた溶解プロフィールを示した。
【0210】
(実施例10:比較溶解研究II)
比較溶解研究を、以下の3種の形態の活性成分に対して実施した:実施例3のプロゲステロン被覆ビーズ、実施例6のシール被覆されたプロゲステロン被覆ビーズ、および純粋なプロゲステロンバルク薬物。溶解研究を、USP溶解2型装置を使用して実施した。これら3つの形態の各々に関して、100mgのプロゲステロンに等価の材料を、900mLの等張性のpH7.4のリン酸緩衝液(0.5% w/vのTween80を含む)における各二連の溶解の実施において使用した。溶解媒体を37℃に維持し、そして100rpmの速度で絶えず撹拌した。溶解媒体を、30分、60分、120分および180分において、サンプリングした。各時点において、3mLの媒体をサンプリングし、そしてその媒体を、3mLの新鮮な緩衝液/Tween溶液で再補充した。これらのサンプルを、サンプリングの直後に、0.45μのフィルターを通して濾過した。次いで、これらの濾液をメタノールで希釈して、プロゲステロン特異的HPLCアッセイに適した濃度にした。
【0211】
HPLCアッセイを、Varian 1090システムにおいて、50μLのサンプルを注入することによって、実施した。サンプルを、Phenominex C18カラムにおいて、75:25 v/vのメタノール/リン酸緩衝液(0.1M リン酸二水素カリウム(リン酸を使用してpHを3.5に調整した))の移動相を、1mL/分の流速で周囲温度で流すことによって、分離した。グリブリドを、229nmにおけるUV吸収によって、検出した。
【0212】
比較溶解測定の結果を、所定の時点において溶解媒体中に溶解/放出したプロゲステロンの、溶解媒体中に存在する初期の全プロゲステロン含有量(100mg/900mL)に対する百分率として表した。その結果を図2Aに示す。図が示すように、シール被覆ありまたはなしの、本発明のプロゲステロン被覆ビーズは、純粋なバルク薬物と比較して、溶解媒体中へのプロゲステロンの溶解/放出の速度と範囲との両方の優れた溶解プロフィールを示した。
【0213】
(実施例11:比較溶解研究III)
比較溶解研究を、以下の3種の形態の活性成分に対して実施した:実施例3のプロゲステロン被覆ビーズ、実施例6のシールコートされたプロゲステロン被覆ビーズ、および純粋なプロゲステロンバルク薬物。Prometrium(登録商標)とは、内部で植物性油のブレンド中に微粉化したプロゲステロンが懸濁した、カプセル投薬形態である。Prometrium(登録商標)カプセルの溶解を、USP溶解1型装置を使用して実施し、そして他のサンプルの溶解を、USP溶解2型装置を使用して実施した。これら3つの形態の各々に関して、100mgのプロゲステロンに等価の材料を、900mLの等張性のpH7.4のリン酸緩衝液における各溶解の実施において使用した。溶解媒体を37℃に維持し、そして100rpmの速度で絶えず撹拌した。溶解媒体を、15分、30分、45分、60分および180分において、サンプリングした。各時点において、3mLの媒体をサンプリングし、そしてその媒体を、3mLの新鮮な緩衝液/Tween溶液で再補充した。これらのサンプルを、サンプリングの直後に、0.45μのフィルターを通して濾過した。次いで、これらの濾液をメタノールで希釈して、プロゲステロン特異的HPLCアッセイに適した濃度にした。
【0214】
HPLCアッセイを、Varian 1090システムにおいて、50μLのサンプルを注入することによって、実施した。サンプルを、Phenominex C18カラムにおいて、75:25 v/vのメタノール/リン酸緩衝液(0.1M リン酸二水素カリウム(リン酸を使用してpHを3.5に調整した))の移動相を、1mL/分の流速で周囲温度で流すことによって、分離した。グリブリドを、229nmにおけるUV吸収によって、検出した。
【0215】
比較溶解測定の結果を、所定の時点において溶解媒体中に溶解/放出したプロゲステロンの、溶解媒体中に存在する初期の全プロゲステロン含有量(100mg/900mL)に対する百分率として表した。その結果を図2Bに示す。図が示すように、シール被覆ありまたはなしの、本発明のプロゲステロン被覆ビーズは、市販のPrometrium(登録商標)および純粋なバルク薬物と比較して、溶解媒体中へのプロゲステロンの溶解/放出の速度と範囲との両方の優れた溶解プロフィールを示した。
【0216】
(実施例12:比較溶解研究IV)
保護被覆されたオメプラゾールで被覆された実施例7のビーズ、腸溶被覆されたオメプラゾールで被覆された実施例8のビーズ、および市販のオメプラゾール製品(Prilosec(登録商標)、Astra Zenecaから入手可能)の溶解の速度および範囲を比較する比較溶解研究を、実施した。溶解研究を、USP溶解2型装置を使用して実施した。これら3つの投薬形態の各々に関して、5mgのオメプラゾールに等価の材料を、500mLの等張性のpH7.4のリン酸緩衝液における各溶解の実施において使用した。溶解媒体を37℃に維持し、そして100rpmの速度で絶えず撹拌した。溶解媒体を、15分、30分、45分および60分において、サンプリングした。各時点において、3mLの媒体をサンプリングし、そしてその媒体を、3mLの新鮮な緩衝液で再補充した。これらのサンプルを、サンプリングの直後に、0.45μのフィルターを通して濾過した。次いで、これらの濾液をメタノールで希釈して、オメプラゾール特異的HPLCアッセイに適した濃度にした。
【0217】
HPLCアッセイを、Varian 1090システムにおいて、50μLのサンプルを注入することによって、実施した。サンプルを、Phenominex C18カラムにおいて、30:70 v/vのアセトニトリル/リン酸緩衝液(pH7.4)の移動相を、1.1mL/分の流速で周囲温度で流すことによって、分離した。オメプラゾールを、302nmにおけるUV吸収によって、検出した。
【0218】
比較溶解測定の結果を、所定の時点において溶解媒体中に溶解したオメプラゾールの、溶解媒体中に存在する初期の全オメプラゾール含有量(5mg/500mL)に対する百分率として表した。その結果を図3に示す。図が示すように、本発明のオメプラゾール被覆ビーズは、市販のPrilose(登録商標)製品と比較して、溶解媒体中へのオメプラゾールの溶解/放出の速度と範囲との両方の優れた溶解プロフィールを示した。
【0219】
以下の非限定的な実施例13〜28は、本発明によって調製され得る組成物を示す。これらの組成物は、活性成分の非存在下で調製され得、次いで任意の所定の投薬形態において、適切な量の活性成分が、この組成物とともにかまたは別に投与され得ることが、理解されるべきである。これらの組成物は、さらに、さらなる添加剤、賦形剤、および他の成分を、本明細書中に記載されるように、当業者に周知であるように、組成物または薬学的投薬形態の調製を含むプロセス容易にする目的で含み得ることもまた、理解されるべきである。
【0220】
(実施例13)
【0221】
【表24】

【0222】
(実施例14)
【0223】
【表25】

【0224】
(実施例15)
【0225】
【表26】

【0226】
(実施例16)
【0227】
【表27】

【0228】
(実施例17)
【0229】
【表28】

【0230】
(実施例18)
【0231】
【表29】

【0232】
(実施例19)
【0233】
【表30】

【0234】
(実施例20)
【0235】
【表31】

【0236】
(実施例21)
【0237】
【表32】

【0238】
(実施例22)
【0239】
【表33】

【0240】
(実施例23)
【0241】
【表34】

【0242】
(実施例24)
【0243】
【表35】

【0244】
(実施例25)
【0245】
【表36】

【0246】
(実施例26)
【0247】
【表37】

【0248】
(実施例27)
【0249】
【表38】

【0250】
(実施例28)
【0251】
【表39】

【0252】
本発明は、その意図および本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で実施され得る。記載された実施形態は、全てに関して、例示的とのみみなされるべきであり、限定的であるとはみなされるべきではない。従って、本発明の範囲は、上記の説明によるのではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の均等物の意味および範囲内において生じる全ての変化は、特許請求の範囲内に包含されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体キャリアの形態の薬学的組成物であって、薬学的活性成分、有効可溶化量の少なくとも1つの親水性界面活性剤、および以下:親油性界面活性剤、トリグリセリド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの親油性添加剤の混合物を含み、ここで、該有効可溶化量の少なくとも1つの親水性界面活性剤が、該固体キャリア中の該薬学的活性成分を部分的または完全に可溶化するのに有効な量である、薬学的組成物。
【請求項2】
前記少なくとも1つの親水性界面活性剤が、少なくとも10のHLB値を有する非イオン性の親水性界面活性剤を含む、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項3】
前記非イオン性の親水性界面活性剤が、以下:アルキルグルコシド;アルキルマルトシド;アルキルチオグルコシド;ラウリルマクロゴールグリセリド;ポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルフェノール;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー;ポリグリセロール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレングリセリド;ポリオキシエチレンステロール、それらの誘導体、およびアナログ;ポリオキシエチレン植物油;ポリオキシエチレン硬化植物油;脂肪酸、グリセリド、植物油、硬化植物油、およびステロールからなる群の少なくとも1つのメンバーとポリオールとの反応混合物;トコフェロールポリエチレングリコールスクシネート;糖エステル;糖エーテル;スクログリセリド;およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項2に記載の薬学的組成物。
【請求項4】
前記少なくとも1つの親水性界面活性剤が、イオン性界面活性剤を含む、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項5】
前記イオン性界面活性剤が、以下:アルキルアンモニウム塩;胆汁酸およびその塩、アナログ、ならびに誘導体;アミノ酸、カルニチン、オリゴペプチド、およびポリペプチドの脂肪酸誘導体;アミノ酸、オリゴペプチド、およびポリペプチドのグリセリド誘導体;アシルラクチレート;モノアセチル化、ジアセチル化したモノグリセリド、ジグリセリドの酒石酸エステル;スクシニル化モノグリセリド;モノグリセリド、ジグリセリドのクエン酸エステル、ジグリセリド;アルギン酸塩;プロピレングリコールアルギネート;レシチンおよび水素化レシチン;リゾレシチンおよび水素化リゾレシチン;リゾリン脂質およびそれらの誘導体;リン脂質およびそれらの誘導体;アルキル硫酸塩;脂肪酸塩;ナトリウムドキュセート;ならびにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項4に記載の薬学的組成物。
【請求項6】
前記固体キャリアが、ビーズ、ビーズレット、顆粒、小球、ペレット、マイクロカプセル、ミクロスフェア、ナノスフェア、フィルム、ウエハ、スプリンクル、移植片、トローチ、ロゼンジ、血小板、ナノカプセルまたは小片である、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項7】
前記親油性添加剤が、アルコール;ポリオキシエチレンアルキルエーテル;脂肪酸;胆汁酸;グリセロール脂肪酸エステル;アセチル化グリセロール脂肪酸エステル;低級アルコール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル;ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレングリセリド; モノ/ジグリセリドの乳酸誘導体;プロピレングリコールジグリセリド;ソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー;トランスエステル化植物油;ステロール;ステロール誘導体;糖エステル;糖エーテル;スクログリセリド;ポリオキシエチレン植物油;ポリオキシエチレン硬化植物油;脂肪酸、グリセリド、植物油、硬化植物油、およびステロールからなる群の少なくとも1つのメンバーとポリオールの反応混合物;ならびにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項8】
前記親油性添加剤が、植物油、魚油、動物性脂肪、硬化植物油、部分的に硬化された植物油、合成トリグリセリド、修飾されたトリグリセリド、分画されたトリグリセリド、およびそれらの混合物からなる群から選択されるトリグリセリドである、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項9】
前記固体キャリアが、腸溶コート、高速分解のためのコート、シールコート、フィルムコート、バリアコート、圧縮コート、または酵素分解性コーティングでコートされる、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項10】
前記組成物が、カプセル化、押出し成形、圧縮、ペレット化、コート、混合、顆粒化、結晶化、凍結乾燥、または成形される、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項11】
請求項1に記載の薬学的組成物であって、該薬学的組成物が、カプセル、錠剤、膣坐剤、坐剤、ウエハ、チュアブル錠剤、頬腔錠剤、舌下錠剤、即時型溶解錠剤、発泡錠剤、顆粒、ペレット、ビーズ、丸剤、サシェ、スプリンクル、フィルム、乾燥シロップ、再構成可能な固体、懸濁液、ロゼンジ、トローチ、インプラント、粉末、粉砕剤、小板またはストリップの形態である、薬学的組成物。
【請求項12】
前記組成物が、即時放出、拍動性放出、制御された放出、長期の放出、遅延性放出、標的化放出、または標的化遅延性放出のために処方される、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項13】
前記組成物が、経口送達、経鼻送達、眼の送達、尿道送達、舌下送達、経粘膜送達、膣送達、局所送達または直腸送達のために処方される、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項14】
前記活性成分が、薬物、栄養分、薬用化粧品、診断剤、それらの塩、それらの異性体、それらの誘導体、またはそれらの混合物である、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項15】
前記活性成分が疎水性であり、そして1mg/mL未満の固有の水溶解度を有する、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項16】
前記活性成分が、以下:鎮痛薬、抗炎症薬、駆虫薬、抗不整脈薬、抗菌薬、抗ウイルス薬、抗凝固薬、抗抑制薬、抗糖尿病薬、鎮痙薬、抗真菌薬、抗痛風薬、抗高血圧薬、抗マラリア薬、抗片頭痛薬、抗ムスカリン様薬、抗新形成薬、勃起性機能不全改善薬、免疫抑制薬、抗原虫薬、抗甲状腺薬、抗不安薬、鎮静薬、催眠薬、神経弛緩薬、β遮断薬、強心薬、コルチコステロイド、利尿薬、抗パーキンソン薬、胃腸薬、ヒスタミンレセプターアンタゴニスト、角質溶解薬、脂質調節薬、抗狭心症薬、cox−2インヒビター、ロイコトリエンインヒビター、マクロライド系抗生物質、筋弛緩剤、栄養剤、オピオイド鎮痛薬、プロテアーゼインヒビター、性ホルモン、興奮薬、筋弛緩薬、抗骨粗鬆症薬、抗肥満薬、認識エンハンサー、抗尿失禁薬、栄養性油、抗良性前立腺肥大薬、必須脂肪酸、非必須脂肪酸、およびその混合物からなる群の疎水性メンバーから選択される、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項17】
前記活性成分が、以下:アセトレチン、アルベンダゾール、アルブテロール、アミノグルテチミド、アミオダロン、アムロジピン、アンフェタミン、アンホテリシンB、アトルバスタイン、アトバクウォン、アジスロマイシン、バクロフェン、ベクロメタゾン、ベネゼプリル、ベンゾナテート、ベータメタゾン、ビカルタニド、ブデソニド、ブプロピオン、ブスルファン、ブテナフィン、カルシフェジオール、カルシポトリエン、カルシトリオール、カンプトセシン、カンデサルタン、カプサイシン、カルバメゼピン、カロチン、セレコキシブ、セリバスタチン、セチリジン、クロルフェニラミン、コレカルシフェロール、シロスタゾール、シメチジン、シンナリジン、シプロフロキサシン、シサプリド、クラリスロマイシン、クレマスチン、クロミフェン、クロミプラミン、クロピドグレル、コデイン、補酵素Q10、シクロベンザプリン、サイクロスポリン、ダナゾール、ダントロレン、デキシクロルフェニラミン、ジクロフェナク、ジクマロール、ジゴキシン、デヒドロエピアンドロステロン、ジヒドロエルゴタミン、ジヒドロタキステロール、ジリスロマイシン、ドネゼピル、エファビレンズ、エポサルタン、エルゴカルシフェロール、エルゴタミン、必須脂肪酸供給源、エトドラック、エトポシド、ファモチジン、フェノフィブレート、フェンタニール、フェキソフェナジン、フィナステリド、フルコナゾール、フルルビプロフェン、フルバスタチン、フォスフェニトイン、フロバトリプタン、フラゾリドン、ギャバペンチン、ゲムフィブロジル、グリベンクラミド、グリピジド、グリブリド、グリメピリド、グリセオフルビン、ハロファントリン、イブプロフェン、イルベサルタン、イリノテカン、二硝酸イソソルビド、イトトレチノイン、イトラコナゾール、イベルメクチン、ケトコナゾール、ケトロラク、ラモトリジン、ラノソプラゾール、レフルノミド、リシノプリル、ロペラミド、ロラタジン、ロバスタチン、L−スリロキシン、ルテイン、リコピン、メドロキシプロゲステロン、ミフェプリストン、メフロキン、酢酸メゲストロール、メタドン、メトキサレン、メトロニダゾル、ミコナゾール、ミダゾラム、ミグリトール、ミノキシジル、ミトザントロン、モンテルカスト、ナブメトン、ナルブフィン、ネルフィナビル、ニフェジピン、ニルソルジピン、ニルタニド、ニトロフラントイン、ニザチジン、オメプラゾール、オプレベルキン、エストラジオール、オキサプロジン、パクリタキセル、パラカルシトール、パロキセチン、ペンタゾシン、ピオグリタゾン、ピゾフェチン、プラバスタチン、プレドニゾロン、プロブコール、プロゲステロン、プソイドエフェドリン、ピリドスチグミン、ラベプラゾール、ラロキシフェン、ロフェコキシブ、レパグリニド、リファブチン、リファペンチン、リメキソロン、リタノビル、リザトリプタン、ロシグリタゾン、サキナビル、セルトラリン、シブトラミン、クエン酸シルデナフィル、シンバスタチン、シロリムス、スピロノラクトン、スマトリプトファン、タクリン、タクロリムス、タモキシフェン、タムスロジン、ターグレチン、タザロテン、テルミサータン、テニポシド、テルビナフェン、テラゾシン、テトラヒドロカナビノール、チアガビン、チクロビジン、チロフィブラン、チザニジン、トピラメート、トポテカン、トレミフェン、トラマドール、トレチノイン、トログリタゾン、トロバフロキサシン、ユビデカルノン、バルサータン、ベンラファキシン、ベルテポルフィン、ビガバトリン、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ザフィルルカスト、ジルートン、ゾルミトリプタン、ゾルピデム、ゾピクロン、その薬学的に受容可能な塩、異性体および誘導体、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項18】
前記活性成分が、少なくとも約1mg/mLの見かけ上の水溶解度を有する親水性活性成分である、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項19】
前記活性成分が、親水性の薬物、サイトカイン、ペプチド模倣物、ペプチド、タンパク質、トキソイド、血清、抗体、ワクチン、ヌクレオシド、ヌクレオチド、遺伝物質の部分、核酸、またはそれらの混合物である、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項20】
前記活性成分が、以下:鎮痛薬、抗炎症薬、駆虫薬、抗不整脈薬、抗菌薬、抗ウイルス薬、抗凝固薬、抗抑制薬、抗糖尿病薬、鎮痙薬、抗真菌薬、抗痛風薬、抗高血圧薬、抗マラリア薬、抗片頭痛薬、抗ムスカリン様薬、抗新形成薬、勃起性機能不全改善薬、免疫抑制薬、抗原虫薬、抗甲状腺薬、抗不安薬、鎮静薬、催眠薬、神経弛緩薬、β遮断薬、強心薬、コルチコステロイド、利尿薬、抗パーキンソン薬、胃腸薬、ヒスタミンレセプターアンタゴニスト、角質溶解薬、脂質調節薬、抗狭心症薬、cox−2インヒビター、ロイコトリエンインヒビター、マクロライド系抗生物質、筋弛緩剤、栄養剤、オピオイド鎮痛薬、プロテアーゼインヒビター、性ホルモン、興奮薬、筋弛緩薬、抗骨粗鬆症薬、抗肥満薬、認識エンハンサー、抗尿失禁薬、栄養性油、抗良性前立腺肥大薬、必須脂肪酸、非必須脂肪酸、およびその混合物からなる群の親水性メンバーから選択される、請求項19に記載の薬学的組成物。
【請求項21】
前記活性成分が、以下:アカルボース;アシクロビル;アセチルシステイン;塩化アセチルコリン;アラトロフロキサシン;アレンドロネート;アルグルセラーゼ;塩酸アマンタジン;アンベノニウム;アミホスチン;塩酸アミロライド;アミノカプロン酸;アンホテリシンB;抗血友病因子(ヒト);抗血友病因子(ブタ);抗血友病因子(組換え体);アプロチニン;アスパラギナーゼ;アテノロール;ベシル酸アトラクリウム;アトロピン;アジスロマイシン;アズトレオナム;BCGワクチン;バシトラシン;ベカレルミン;ベラドーナ;塩酸ベプリジル;硫酸ブレオマイシン;ヒトカルシトニン;サケカルシトニン;カルボプラチン;カペシタビン;硫酸カプレオマイシン;セファマンドールナファート;セファゾリンナトリウム;塩酸セフェピム;セフィキシム;セフォニシドナトリウム;セフォペラゾン;セフォテタン二ナトリウム;セフォタキシム;セフォキシチンナトリウム;セフチゾキシム;セフトリアキソン;セフロキシムアキセチル;セファレキシン;セファピリンナトリウム;コレラワクチン;絨毛性ゴナドトロピン;シドフォビル;シスプラチン;クラドリビン;臭化クリジニウム;クリンダマイシンおよびクリンダマイシン誘導体;シプロフロキサシン;クロドロネート;コリスチンメタナトリウム;硫酸コリスチン;コルチコトロピン;コシントロピン;クロモリンナトリウム;シタラビン;ダルテパリンナトリウム;ダナパロイド;デフェロキサミン;デニロイキンジフチトクス;デスモプレシン;ジアトリゾアートメグルミンおよびジアトリゾアートナトリウム;ジサイクロミン;ジダノシン;ジリスロマイシン;塩酸ドパミン;デオキシリボヌクレアーゼα;塩化ドキサクリウム;ドキソルビシン;エチドロン酸二ナトリウム;エナラプリラート;エンケファリン;エノキサシン;エノキサパリンナトリウム;エフェドリン;エピネフリン;エポエチンα;エリスロマイシン;塩酸エスモロール;第IX因子;ファムシクロビル;フルダラビン;フルオキセチン;ホスカネットナトリウム;ガンシクロビル;顆粒球コロニー刺激因子;顆粒球マクロファージ刺激因子;成長ホルモン−ヒト組換え体;成長ホルモン−ウシ;ゲンタマイシン;グルカゴン;グリコピロレート;生殖腺刺激ホルモン放出ホルモンおよびその合成アナログ;GnRH;ゴナドレリン;グレパフロキサシン;ヘモフィルスB結合ワクチン;不活性化A型肝炎ウイルスワクチン;不活性化B型肝炎ウイルスワクチン;ヘパリンナトリウム;硫酸インジナビル;インフルエンザウイルスワクチン;インターロイキン−2;インターロイキン−3;インスリン−ヒト;インスリン リスプロ;インスリン プロシン;インスリン NPH;インスリン アスパルト;インスリン グラルギン;インスリン デテミル;インターフェロンα;インターフェロンβ;イプラトロピウムブロミド;イホスファミド;日本脳炎ウイルスワクチン;ラミブジン;ロイコボリンカルシウム;酢酸ロイプロリド;レボフロキサシン;リンコマイシンおよびリンコマイシン誘導体;ロブカビル;ロメフロキサシン;ロラカルベフ;マンニトール;麻疹ウイルスワクチン;髄膜炎菌性ワクチン;メノトロピン;臭化メペンゾレート;メサラミン;メテナミン;メトトレキサート;メトスコポラミン;塩酸メトホルミン;メトプロロール;メゾシリンナトリウム;ミバクリウムクロライド;流行性耳下腺炎ワクチン;ネドクロミルナトリウム;ネオスチグミン臭化物;ネオスチグミンメチル硫酸塩;ニューロンチン;ノルフロキサシン;酢酸オクトレオチド;オフロキサシン;オルパドロネート;オキシトシン;パミドロン酸二ナトリウム;臭化パンクロニウム;パロキセチン;ペルフロキサシン;イセチオン酸ペンタミジン;ペントスタチン;ペントキシフィリン;ペリシクロビル;ペンタガストリン;フェントラミンメシレート;フェニルアラニン;サリチル酸フィゾスチグミン;ペストワクチン;ピペラシリンナトリウム;血小板由来増殖因子−ヒト;肺炎球菌多価ワクチン;不活化ポリオウイルスワクチン;ポリオウイルス生ワクチン(OPV);硫酸ポリミキシンB;塩化プラリドキシム;プラムリンチド;プレガバリン;プロパフェノン;臭化プロパンテリン;臭化ピリドスチグミン;狂犬病ワクチン;レシドロネート;リババリン;塩酸リマンタジン;ロタウイルスワクチン;サルメテロールキシナホエート;シンカリド;痘瘡ワクチン;ソラトール;ソマトスタチン;スパルフロキサシン;スペクチノマイシン;スタブジン;ストレプトキナーゼ;ストレプトゾシン;スキサメトニウムクロライド;塩酸タクリン;硫酸テルブタリン;チオペタ;チカルシリン;チルドロネート;チモロール;組織型プラスミノーゲン活性化因子;TNFR:Fc;TNK−tPA;トランドラプリル;グルコン酸トリメトレキサート;トロスペクチノマイシン;トロバフロキサシン;塩化ツボクラリン;腫瘍壊死因子;腸チフス生ワクチン;尿素;ウロキナーゼ;バンコマイシン;バラシクロビル;バルサルタン;水痘ウイルス生ワクチン;バソプレシンおよびバソプレシン誘導体;臭化ベクロニウム;ビンブラスチン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ビタミンB12;ワルファリンナトリウム;黄熱ワクチン;ザルシタビン;ザナミビル;ゾランドロネート;ジドブジン;それらの薬学的受容可能な塩、異性体および誘導体;ならびにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項20に記載の薬学的組成物。
【請求項22】
哺乳動物に活性成分を投与するための、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項23】
前記哺乳動物がヒトである、請求項22に記載の薬学的組成物。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−116863(P2012−116863A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−29635(P2012−29635)
【出願日】平成24年2月14日(2012.2.14)
【分割の表示】特願2001−539423(P2001−539423)の分割
【原出願日】平成12年11月22日(2000.11.22)
【出願人】(505433002)リポシン・インコーポレーテッド (6)
【Fターム(参考)】