説明

薬害軽減剤としての芳香族化合物の使用

本発明は式(I)の化合物またはその塩に関し、ここでR1はカルボキシまたはカルボキシル基誘導体、好ましくは式:−CN、−C(=X)−Y−Rまたは−C(=X)−Hetの基であり;ここで、Xは式O、SまたはNRaまたはN−NRabであり、Yは式O、SまたはNRcまたはNRc−NRde、RはH、炭化水素基(KW)(置換)またはアシルであり、そしてHetは脂肪族N複素環であり、ここで各基Ra、Rb、Rc、RdおよびReの各々はRと同様に定義されるか、または、式OR*の基であり、ここでR*はRと同様に定義され、R2はHまたはKW(置換)または複素環であるか、または、Z=OまたはSである場合はアシル基であり、(R3)nはR3基n個であり、例えば請求項1に記載の通りであり、Zは式OまたはS(O)xの基であり、ここでx=0、1または2であり、そして、nは整数0、1、2、3または4である。本発明化合物は栽培または有用植物を農業用薬品の植物毒性作用に対抗して保護するための、該植物のための薬害軽減剤として、好ましくは該植物に対する農薬および除草剤作用に対抗する薬害軽減剤として使用される。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は作物植物または有用植物を、外来性生物致死剤(xenobiocide)または生物致死剤、例えば除草剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤または殺カビ剤のような農業用薬品(agrochemicals)の使用により生じる損傷に対して保護するための薬害軽減剤の分野に関する。特に本発明は薬害軽減剤としての特定のヒドロキシ芳香族化合物の新しい使用、および、これらの群の新しい化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
農薬(pesticide)の使用により農業または林業のために有用な植物の作物における望ましくない生物を防除する場合においては、有用植物は使用する農薬により、程度の差こそあれ、それ自体望ましくない程度にしばしば損傷を受ける。この影響は特に、かなりの量の除草剤を有用植物の単子葉植物および双子葉植物の作物において使用する場合に、そして主に発芽後の施用の場合に遭遇する。一部の例においては、薬害軽減剤または解毒剤を使用することにより、有害生物に対する農薬活性を減衰させることなく農薬の植物毒性特性に対して有用植物を保護することができる。
【0003】
薬害軽減剤としてこれまで報告されている化合物の作用は、特定の作物および特定のクラスの農薬に限定される場合が多かった。特に双子葉植物作物に対する市販の薬害軽減剤は何れも知られていない。同様に、多くの農薬、非選択的除草剤または全般除草剤については、いかなる薬害軽減剤も記載されていない。
【0004】
米国特許出願4,808,208は、除草剤グリホセート(ホスホノメチルグリシンおよびその塩)の植物毒性作用に対する大豆作物のための薬害軽減剤として、モノまたはジヒドロキシアセトフェノンのようなフェノール類またはヒドロキシケイヒ酸およびこれらのカルボン酸の一部の誘導体の使用を記載している。
【0005】
更にまた、DE−A−19933897は、不十分な選択性を有する農薬の使用により引き起こされる化学ストレスに対する作物植物の耐性は、プロヘキサジオン(塩)およびトリネキスパック−エチルまたはトリネキスパック塩のようなアシルシクロヘキサンジオン類またはアシベンゾラー−S−メチルおよびプロベナゾールのようなベンゾチアジアゾール類またはベンゾチアゾール類またはその誘導体のグループからの耐性誘導物質を使用することにより改善できることを開示している。
【0006】
更にまたジカンバ(2,5−ジクロロ−6−メトキシ安息香酸)およびフェノキシアルカンカルボン酸誘導体(2,4−D、MCPA)のような成長調節除草剤が一部の場合において同時使用除草剤のための作物植物保護化合物として使用されていることが公知である(例えば米国特許出願5,846,902、米国特許出願5,739,080、欧州特許出願512737)。
【0007】
米国特許出願4,321,084はハロゲン化フェノール類のグループからの解毒剤(=薬害軽減剤)と組み合わせたベルノレートまたはブチレートのような除草チオカーバメート類を含む除草剤組成物を記載している。これらのフェノール類は、ヒドロキシベンゾニトリル類のブロモキシニルおよびイオキシニルならびにニトリル基がカルボキシル、カルバルコキシまたはアルキル基により置き換えられている類縁体を含んでいる。
【0008】
国際特許出願WO−A−92/11761は生物致死剤が、殺虫剤、殺カビ剤または殺線虫剤であってよく、そして解毒剤が芳香族アミドも一般的に包含する種々の構造のアミ
ドの群から選択される除草剤/生物致死剤/解毒剤の組み合わせを記載しており、この組み合わせは除草剤と生物致死剤の相互作用における「負の相乗作用」を回避するために使用される。
【0009】
Acta Horticulturae 381 (1994)、p.390-397は植物の成長、水の取り込みおよび植物の浸透圧を調節するためのアセチルサリチル酸のようなフェノール性化合物の特定の誘導体の使用を記載しており、そして、乾燥のような種々のストレス要因に対抗する植物の耐性の改善におけるこれらの誘導体の作用を考察している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
今回、本発明者等は意外にも、以下に示す式(I)の化合物またはその塩が、作物植物または有用植物における好ましくは除草剤のような農業用薬品による損傷に対抗するこれらの植物のための薬害軽減剤として効果的に使用できることを発見した。
【課題を解決するための手段】
【0011】
従って、本発明は、作物植物または有用植物における農業用薬品の植物毒性作用に対するこれらの植物のための薬害軽減剤として、好ましくは除草剤のような農薬の作用に対抗する薬害軽減剤としての下記式(I):
【化1】

[式中、R1はカルボキシルまたはカルボキシル基の誘導体、好ましくは下記式:
−CN、または、
−C(=X)−Y−R、または、
−C(=X)−Het
の基であり;
ここで、
Xは式O、SまたはNRaまたはN−NRabの2価の基であり、ここでRaおよびRbは後述するとおり定義され、
Yは式O、S、NRcまたはNRc−NRdeの基であり、ここでRc、RdおよびReは後述するとおり定義され、
Rは水素または未置換もしくは置換された炭化水素基または未置換もしくは置換された複素環基またはアシルであり、そして、
Hetは基C(=X)に複素環窒素原子を介して結合し、そして複素環原子としてイル位にある窒素原子のほかに、N、OおよびSよりなる群から選択される別のヘテロ原子を含有してよく、そして未置換または置換されている複素環環原子合計1〜4つを有する脂肪族窒素複素環であり、
ここで各々の場合相互に独立し、そして基Rと独立して(=Rのそれぞれの特定の意味とは独立して)、基XおよびY中の基Ra、Rb、Rc、RdおよびReの各々はRと同様に(=Rの一般的定義と同様に)定義されるか、または、式−OR*の基であり、ここでR*はRとは独立して、Rと同様に定義され、
2は水素または未置換もしくは置換された炭化水素基または未置換もしくは置換された複素環基であるか、またはZ=OまたはSである場合は、アシル基でもあり、
(R3)nはR3基n個であり、ここでR3基の各々は相互に独立して基ハロゲン、SCN、
CN、未置換または置換された炭化水素基、未置換または置換された複素環基および式−Z*−Aの基よりなる群から選択され、
ここで、
*は式OまたはS(O)xの基であり、ここでx=0、1または2であり、そして、
Aは水素または未置換もしくは置換された炭化水素基または未置換もしくは置換された複素環基またはアシル基であるが、ただしA=アシルである場合はZ*はOまたはSでのみあることができ、
Zは式OまたはS(O)xの基であり、ここでx=0、1または2であり、そして、
nは整数0、1、2、3または4、好ましくは0、1、2または3、特に0、1または2である]の化合物またはその塩の使用を提供する。
【0012】
水素シフトにより、その構造が式(I)により正式には包含されない互変異体を化合物が形成することが可能な場合は、そのような互変異体はなお本発明の式(I)の化合物の定義に包含される。
【0013】
式(I)はまた、その特定の立体化学的配置が式により明確に表示されない化合物の全ての立体異性体およびその混合物も包含する。式(I)のこのような化合物は非対称に置換されたC原子1つまたはそれ以上、または、式(I)において特に言及していない二重結合を含む。エナンチオマー、ジアステレオマー、ZおよびE異性体のような、それらの特定の空間的形態により定義される全ての可能な立体異性体は式(I)に包含され、そして、立体異性体の混合物から慣用的な方法により、または、立体化学的に純粋な出発物質の使用と組み合わせた立体選択的な反応により、得ることができる。
【0014】
適当な無機または有機酸、例えばHCl、HBr、H2SO4もしくはHNO3またはシュウ酸もしくはスルホン酸を塩基性の基、例えばアミノまたはアルキルアミノに添加することにより、式(I)の化合物は塩を形成することができる。脱プロトン化された形態において存在する適当な置換基、例えばスルホン酸またはカルボン酸は、アミノ基のような部分的にプロトン化されていることができる基と共に内部塩を形成することができる。塩はまた、適当な置換基、例えばスルホン酸またはカルボン酸における水素を農薬的に適当であるカチオンで置き換えることにより形成することもできる。これらの塩は、例えば金属塩、特にアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、特にナトリウムおよびカリウム塩、またはアンモニウム塩、有機アミンとの塩または第4アンモニウム塩である。
【0015】
式(I)において、そして全ての後記する式において、以下の定義を施用する。
カルボキシル基の適当な誘導体は上記した基に加えて、またはこれと重複して、アルデヒド基、ケト基、エステル基、チオエステル基、アミド基、ヒドラジド基、ヒドロキサム酸基である。
炭化水素基は脂肪族、脂環族または芳香族の単環、または未置換もしくは置換された炭化水素基の場合は、元素の炭素および水素をベースにした二環または多環の有機の基、例えば基アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、フェニル、ナフチル、インダニル、インデニル等を包含し;これはヒドロカルボキシ基にも相応に施用される。
特段の記載が無い限り、上記定義における炭化水素およびヒドロカルボキシ基は好ましくは炭素原子1〜20個、特に好ましくは炭素原子1〜16個、特に炭素原子1〜12個を有する。
【0016】
炭化水素基の炭素骨格および特定の基アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルアミノおよびアルキルチオならびに相応する不飽和および/または置換された基は各々の場合、直鎖または分枝鎖であってよい。
「(C1−C4)−アルキル」という用語は炭素原子1〜4個を有する開鎖のアルキルに
対する略記であり、即ち、これは基メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチルプロピルおよびt−ブチルを包含する。相応に、炭素原子のより広範に表記されている範囲を有する一般的なアルキル基、例えば「(C1−C6)−アルキル」もまた炭素原子のより多数を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基を包含し、即ち例示すれば、炭素原子5および6個を有するアルキルを包含する。
【0017】
特段の記載が無い限り、より低級の炭素骨格、例えば炭素原子1〜6個を有するもの、または、不飽和基の場合は、炭素原子2〜6個を有するものが、複合基も含めてアルキル、アルケニルおよびアルキニル基のような炭化水素基として好ましい。アルコキシ、ハロアルキル等のような複合体の意味も含めたアルキル基は、例えば、メチル、エチル、n−またはi−プロピル、n−、i−、t−または2−ブチル、ペンチル、ヘキシル、例えばn−ヘキシル、イソヘキシルおよび1,3−ジメチルブチル、ヘプチル、例えばn−ヘプチル、1−メチルヘキシルおよび1,4−ジメチルペンチルであり;アルケニルおよびアルキニル基はアルキル基の意味に相当する可能な不飽和の基を指し;アルケニルは例えば、ビニル、アリル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、2−ブテニル、ペンテニル、2−メチルペンテニルまたはヘキセニル、好ましくはアリル、1−メチルプロパ−2−エン−1−イル、2−メチルプロパ−2−エン−1−イル、ブタ−2−エン−1−イル、ブタ−3−エン−1−イル、1−メチルブタ−3−エン−1−イルまたは1−メチルブタ−2−エン−1−イルである。アルキニルは例えばエチニル、プロパルギル、1−メチル−2−プロピニル、2−メチル−2−プロピニル、2−ブチニル、2−ペンチニルまたは2−ヘキシニル、好ましくはプロパルギル、ブタ−2−イン−1−イル、ブタ−3−イン−1−イルまたは1−メチル−ブタ−3−イン−1−イルである。
アルキリデンは、例えば、(C1−C10)−アルキリデンの形態におけるものも、二重結合を介して結合している直鎖または分枝鎖のアルカンの基を指し、ここで結合点の位置はまだ決定されていない。分枝鎖アルカンの場合は当然ながら、水素原子二個が二重結合で置き換えられることができる位置のみが適しており;このような基は例えば=CH2、=CH−CH3、=C(CH3)−CH3、=C(CH3)−C25または=C(C25)−C25である。
【0018】
シクロアルキルは好ましくは3〜8炭素原子を有する炭素環の飽和環系を指し、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである。置換シクロアルキルはシクロアルキル基ヘの二重結合を有する置換基、例えばアルキリデン基、例えば、メチリデンを包含する置換基を有する環系を含む。置換されたシクロアルキルはまた多環の脂肪族系、例えばビシクロ[1.1.0]ブタン−1−イル、ビシクロ[1.1.0]ブタン−2−イル、ビシクロ[2.1.0]ペンタン−1−イル、ビシクロ[2.1.0]ペンタン−2−イル、ビシクロ[2.1.0]ペンタン−5−イル、アダマンタン−1−イルおよびアダマンタン−2−イルを含む。
【0019】
シクロアルケニルは好ましくは4〜8炭素原子を有する炭素環の非芳香族の部分不飽和の環系を指し、例えば1−シクロブテニル、2−シクロブテニル、1−シクロペンテニル、2−シクロペンテニル、3−シクロペンテニル、または1−シクロヘキセニル、2−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、1,3−シクロヘキサジエニルまたは1,4−シクロヘキサジエニルである。置換シクロアルケニルの場合は、置換されたシクロアルキルに関する記載を相応に適用する。
ハロゲンとは例えば、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を指す。ハロアルキル、−アルケニルおよび−アルキニルは、好ましくはフッ素、塩素および臭素よりなる群から選択される、特にフッ素および塩素よりなる群から選択される、同一かまたは異なるハロゲン原子で部分的または完全に置換された、それぞれ、アルキル、アルケニルおよびアルキニルを指し、例えばモノハロアルキル、パーハロアルキル、CF3、CHF2、CH2F、CF3CF2、CH2FCHCl、CCl3、CHCl2、CH2CH2Clであり;ハロアルコキシ
は例えばOCF3、OCHF2、OCH2F、CF3CF2O、OCH2CF3およびOCH2CH2Clであり;これはハロアルケニルおよび他のハロゲン置換された基にも相応に適用する。
【0020】
アリールとは単環、二環または多環の芳香族系、例えばフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インデニル、インダニル、ペンタレニル、フルオレニル等、好ましくはフェニルを指す。
【0021】
複素環の基または環(ヘテロシクリル)は飽和、不飽和または複素芳香族であることができ;特段の記載が無い限り、これは好ましくはN、OおよびSよりなる群から選択される複素環中のヘテロ原子を1つまたはそれ以上、特に1、2または3個を含み;これは好ましくは3〜7環原子を有する脂肪族複素環基または5もしくは6環原子を有する複素芳香族の基である。複素環基は例えば複素芳香族の基または環(ヘテロアリール)、例えば単環、二環または多環の芳香族系であり、ここで環少なくとも1つはヘテロ原子1つまたはそれ以上を含む。これは好ましくはN、OおよびSよりなる群から選択されるヘテロ原子を有する複素芳香族環、例えばピリジル、ピロリル、チエニルまたはフリルであり、更にまた、これは好ましくは、2または3ヘテロ原子を有する相当する複素芳香族環、例えばピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、チアゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリルおよびトリアゾリルである。更にまたこれは好ましくはN、OおよびSよりなる群から選択されるヘテロ原子を有する部分的または完全に水素化された複素環基、例えばオキシラニル、オキセタニル、オキソラニル(=テトラヒドロフリル)、オキサニル、ピロリニル、ピロリジルまたはピペリジルである。
【0022】
更にまた、これは好ましくはN、OおよびSよりなる群から選択される2ヘテロ原子を有する部分的または完全に水素化された複素環基、例えば、ピペラジニル、ジオキソラニル、オキサゾリニル、イソキサゾリニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニルおよびモルホリニルである。
【0023】
置換された複素環基のための適当な置換基は、後記する置換基およびさらにまたオキソである。オキソ基はまた種々の酸化状態で存在できる複素環の環原子上、例えばNおよびS上に存在してよい。
【0024】
ヘテロシクリルの好ましい例は、ピリジル、チエニル、フリル、ピロリル、オキシラニル、2−オキセタニル、3−オキセタニル、オキソラニル(=テトラヒドロフリル)、ピロリジル、ピペリジルよりなる群から選択される3〜6環原子を有する複素環基、特に、オキシラニル、2−オキセタニル、3−オキセタニルまたはオキソラニルであるか、または2または3ヘテロ原子を有する複素環基、例えばピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、チエニル、チアゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピペラジニル、ジオキソラニル、オキサゾリニル、イソキサゾリニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニルまたはモルホリニルである。
【0025】
基本構造が基(=残基)のリストまたは包括的に定義される基の群に属する「基1つまたはそれ以上で」置換されている場合、これには各々の場合、複数の同一および/または構造的に異なる基による同時置換が包含される。
【0026】
置換された基、例えば置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、フェニル、ベンジル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール基は、例えば未置換の基本構造から誘導された置換された基であり、置換基は例えばハロゲン、アルコキシ、アルキルチオ、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、アジド、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ホルミル、カルバモイル、モノおよびジアルキルアミノカルボニル、置換されたアミノ、例えばアシルアミノ、モノおよびジアルキルアミノ、および、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ならびに環状基の場合は、更にアルキル、ハロアルキル、アルキルチオアルキル、アルコキシアルキル、未置換または置換されたモノおよびジアルキルアミノならびにヒドロキシアルキルよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上、好ましくは1、2または3つの基であり;置換されたアルキル等のような「置換された基」という用語は置換基として上記した飽和炭化水素含有基のほかに、相当する不飽和の脂肪族および芳香族の基、例えば未置換または置換されたアルケニル、アルキニル、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、フェニル、フェノキシ等を包含する。環内に脂肪族部分を有する置換された環状の基はまた、二重結合を介して環に結合した置換基を有する環系、例えばメチリデンもしくはエチリデンのようなアルキリデン基またはオキソ基、イミノ基もしくは置換イミノ基により置換されたものも包含する。
【0027】
例示のために記載した置換基(「第1置換基レベル」)はそれらが炭化水素含有部分を含む場合は、適宜、その部分において更に、例えば第1置換基レベルに関して定義したものと同様の置換基の1つにより置換されていることができる(「第2置換基レベル」)。相当するそれ以上の置換基レベルも可能である。「置換された基」という用語は好ましくは1つまたは2つの置換基レベルを包含する。
【0028】
置換基レベルに関する好ましい置換基は例えばアミノ、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、メルカプト、カルボキシル、カルボキサミド、SF5、アミノスルホニル、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、N−アルカノイルアミノ、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルコキシ、シクロアルケニルオキシ、アルコキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アルキニルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アルカノイル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アルケニルチオ、シクロアルケニルチオ、アルキニルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、モノアルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、N−アルキルアミノカルボニル、N,N−ジアルキルアミノカルボニル、N−アルカノイルアミノカルボニル、N−アルカノイル−N−アルキルアミノカルボニル、アリール、アリールオキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、ベンジルチオ、アリールチオ、アリールアミノおよびベンジルアミノである。
【0029】
炭素原子を有する基の場合は、炭素原子1〜6個、好ましくは炭素原子1〜4個、特に炭素原子1または2個を有するものが好ましい。一般的に好ましいものはハロゲン、例えばフッ素および塩素、(C1−C4)−アルキル、好ましくはメチルまたはエチル、(C1−C4)−ハロアルキル、好ましくはトリフルオロメチル、(C1−C4)−アルコキシ、好ましくはメトキシまたはエトキシ、(C1−C4)−ハロアルコキシ、ニトロおよびシアノよりなる群から選択される置換基である。本発明においては、特に好ましい置換基はメチル、メトキシ、フッ素および塩素である。
【0030】
置換されたアミノ、例えばモノまたはジ置換されたアミノは、アルキル、アルコキシ、アシルおよびアリールよりなる群から選択される同一または異なる基1または2個によりN置換されている置換アミノ基の群から選択される基を指し;好ましくはモノおよびジアルキルアミノ、モノおよびジアリールアミノ、アシルアミノ、N−アルキル−N−アリールアミノ、N−アルキル−N−アシルアミノおよびN−複素環であり;本発明においては好ましいものは炭素原子1〜4個を有するアルキル基であり;アリールは好ましくはフェニルまたは置換されたフェニルであり;アシルに関しては、後述する定義も適用され、好ましくは(C1−C4)−アルカノイルである。これは置換されたヒドロキシルアミノまたはヒドラジノにも相応に適用される。
【0031】
未置換または置換されたフェニルは好ましくは、未置換であるか、または、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルキル、(C1−C4)−ハロアルコキシおよびニトロよりなる群から選択される同一または異なる基による一置換または多置換、好ましくは三置換までのフェニル、例えばo−、m−およびp−トリル、ジメチルフェニル、2−、3−および4−クロロフェニル、2−、3−および4−トリフルオロ−および−トリクロロ−フェニル、2,4−、3,5−、2,5−および2,3−ジクロロフェニル、o−、m−およびp−メトキシフェニルである。
【0032】
アシルは、形式的には酸性官能基からヒドロキシル基を除去することにより形成される有機酸の基を指し、酸中の有機基はヘテロ原子を介して酸性官能基に結合されることができる。アシルの例は、カルボン酸HO−CO−Rのうちの基−CO−Rおよびそれから誘導される酸の基、例えばチオカルボン酸、未置換もしくはN−置換イミノカルボン酸または炭酸モノエステル、N−置換カルバミン酸、スルホン酸、スルフィン酸、N−置換スルホンアミド酸、ホスホン酸、ホスフィン酸の基である。
【0033】
アシルとは例えばホルミル、アルキルカルボニル、例えば[(C1−C4)−アルキル]カルボニル、フェニルカルボニル、アルキルオキシカルボニル、フェニルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、N−アルキル−1−イミノアルキルおよび他の有機酸の基である。本発明においては、基は各々の場合において更にアルキルまたはフェニル部分において、例えばアルキル部分において、ハロゲン、アルコキシ、フェニルおよびフェノキシよりなる群から選択される1つまたはそれ以上の基により置換されてよく;フェニル部分における置換基の例は置換フェニルに関して一般的な態様において、前記した置換基である。
【0034】
アシルは好ましくはより狭義のアシル基、即ち酸基が有機基の炭素原子に直接結合している有機酸の基を指し、例えばホルミル、アルキルカルボニル、例えばアセチルまたは[(C1−C4)−アルキル]カルボニル、フェニルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニルおよび他の有機酸の基である。
一般的な基が「水素」と定義される場合は、これは水素原子を意味する。基(例えばアルキル基)の「イル位」とはその結合点を指す。
【0035】
以下の記載において、本発明により使用できる式(I)の化合物およびその塩は「本発明の化合物(I)と略記する場合がある。
特に薬害軽減剤としてのより良好な活性、より良好な選択性および/またはより良好な製造性の理由のために、上記した式(I)の化合物またはその塩の本発明による使用は個々の基が既に記載した、または後述する好ましい意味の1つを有するものが特に有利であり、そして特に、既に記載した、または後述する好ましい意味の1つまたはそれ以上の組み合わせを含むものが有利である。
特に有利なものは、R1がニトリル基(−CN)である式(I)の化合物またはその塩の本発明による使用である。
【0036】
また特に有利なものは、式中、
1は式−C(=X)−Y−Rまたは−C(=X)−Hetの基であり、
ここで、
Xは式O、S、NRaまたはN−NRabの2価の基であり、ここでRaおよびRbは後述するとおり定義され、そして/または
Yは式O、S、NRcまたはNRc−NRdeの基であり、ここでRc、RdおよびReは後述するとおり定義され、そして/または
Rは水素、(C1−C18)−アルキル、(C2−C18)−アルケニル、(C2−C18)−
アルキニル、(C3−C9)−シクロアルキル、(C5−C9)−シクロアルケニル、(C3−C9)−シクロアルキル−(C1−C12)−アルキル、フェニル、フェニル−(C1−C12)−アルキル、ヘテロシクリルもしくはヘテロシクリル−(C1−C12)−アルキル
[ここで、後者10基の各々は未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、ニトロ、チオシアナト、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルコキシ、(C2−C4)−アルケニルオキシ、(C2−C4)−ハロアルケニルオキシ、(C1−C4)−アルキルチオ、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルフィニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルホニル、モノ(C1−C4)−アルキルアミノ、ジ−(C1−C4)−アルキルアミノ、(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、[(C1−C4)−ハロアルコキシ]カルボニル、アミノカルボニル、モノ−[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ジ−[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ならびに環状基の場合は、更に、(C1−C4)−アルキルおよび(C1−C4)−ハロアルキルよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されている]、
または、
(C1−C6)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、[(C1−C4)−ハロアルコキシ]カルボニル、フェニルカルボニル、フェノキシカルボニル、[フェニル−(C1−C4)−アルキル]カルボニル、[フェニル−(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル(ここで後者4基の各々のフェニル環は未置換であるか、または置換されている)、アミノカルボニル、モノ−[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ジ−[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルフィニルまたは(C1−C4)−ハロアルキルスルホニルであり、そして、置換基も含めて、C原子1〜30個、好ましくはC原子1〜20個、特にC原子1〜16個を有し、そして/または
Hetは基C(=X)に複素環N原子を介して結合し、そして複素環原子としてイル位にあるN原子のほかに、N、OおよびSよりなる群から選択される別のヘテロ原子を含有してよく、そして、未置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルキル、(C1−C4)−ハロアルコキシ、(C1−C4)−アルキルチオおよびオキソよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されている、複素環環原子合計1〜3個および環原子合計5または6個を有する脂肪族窒素複素環であり、
ここで各々の場合相互に独立して、そして基Rと独立して、基XおよびY中の基Ra、Rb、Rc、RdおよびReの各々はRと同様に定義されるか、または、式−OR*の基であり、ここでR*はRとは独立して、Rと同様に定義される、式(I)の化合物またはその塩の本発明による使用である。
【0037】
特に有利なものは、式中、
1は式−C(=X)−Y−Rまたは−C(=X)−Hetの基であり、
ここで、
Xは式O、SまたはNRaまたはN−NRabの2価の基であり、ここでRaおよびRbは後述するとおり定義され、
Yは式O、S、NRcまたはNRc−NRdeの基であり、ここでRc、RdおよびReは後述するとおり定義され、そして、
Rは水素、(C1−C12)−アルキル、(C2−C12)−アルケニル、(C2−C12)−アルキニル、(C3−C6)−シクロアルキル、(C5−C6)−シクロアルケニル、(C3−C6)−シクロアルキル−(C1−C4)−アルキル、フェニル、フェニル−(C1−C4)−アルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリル−(C1−C4)−アルキル
[ここで、後者10基の各々は未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、(C1
−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルコキシ、(C2−C4)−アルケニルオキシ
、(C2−C4)−ハロアルケニルオキシ、(C1−C4)−アルキルチオ、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルフィニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルホニル、モノ(C1−C4)−アルキルアミノ、ジ(C1−C4)−アルキルアミノ、(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、[(C1−C4)−ハロアルコキシ]カルボニル、アミノカルボニル、モノ−[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ジ−[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ならびに環状基の場合は、更に、(C1−C4)−アルキルおよび(C1−C4)−ハロアルキルよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されている]、
または、
(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、[(C1−C4)−ハロアルコキシ]カルボニル、フェニルカルボニル、フェノキシカルボニル、[フェニル−(C1−C4)−アルキル]カルボニル、[フェニル−(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、アミノカルボニル、モノ−[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ジ−[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルフィニルまたは(C1−C4)−ハロアルキルスルホニルであり、そして/または、
Hetは各々の場合窒素環原子を介して結合しており、そして、未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルキル、(C1−C4)−ハロアルコキシ、(C1−C4)−アルキルチオおよびオキソよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上により置換されている、ピペラジニル、ピペリジニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニルおよびモルホリニルよりなる群から選択される脂肪族窒素複素環の基であり、
ここで各々の場合相互に、そして基Rと独立して、基XおよびY中の基Ra、Rb、Rc、RdおよびReの各々はRと同様に定義されるか、または、式−OR*の基であり、ここでR*はRとは独立して、Rと同様に定義される、式(I)の化合物またはその塩の本発明による使用である。
【0038】
好ましいものは、式中、
1は式−C(=X)−Y−Rの基であり、
ここで、
Xは式O、SまたはNRaまたはN−NRabの2価の基、好ましくはOまたはNRaであり、ここでRaおよびRbは後述するとおり定義され、
Yは式O、S、NRcまたはNRc−NRdeの基、好ましくはOまたはNRcであり、ここでRc、RdおよびReは後述するとおり定義され、そして、
Rは水素、(C1−C8)−アルキル、(C2−C8)−アルケニル、(C2−C8)−アルキニル、(C3−C6)−シクロアルキル、(C3−C6)−シクロアルキル−(C1−C4)−アルキル、フェニル、フェニル−(C1−C4)−アルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリル−(C1−C4)−アルキル
[ここで、後者9基の各々は未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルコキシ、(C1−C4)−アルキルチオ、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、モノ−(C1−C4)−アルキルアミノ、ジ−(C1−C4)−アルキルアミノ、(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、ならびに環状基の場合は、更に、(C1−C4)−アルキルおよび(C1−C4)−ハロアルキルよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されている]、
または、
(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、[(C1−C4)−ハロアルコキシ]カルボニル、フェニルカルボニ
ル、フェノキシカルボニル、[フェニル−(C1−C4)−アルキル]カルボニル、[フェニル−(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、アミノカルボニル、モノ−[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ジ−[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルフィニルまたは(C1−C4)−ハロアルキルスルホニルであり、
ここで各々の場合相互に、そして基Rと独立して基XおよびY中の基Ra、Rb、Rc、RdおよびReの各々はRと同様に定義されるか、または、式−OR*の基であり、ここで
*はRとは独立して、Rと同様に定義される、式(I)の化合物またはその塩の本発明による使用である。
【0039】
特に好ましいものは、式中、
1は下記式:
−CO−OR、または、
−C(=NRa)−OR、または、
−CO−NRcR、
の基であり;
ここで、R、RaおよびRcは上記したものである、式(I)の化合物またはその塩の本発明による使用である。
【0040】
好ましくは、
1は式−CO−ORの基であり、ここで、
Rは水素、(C1−C8)−アルキル、(C2−C8)−アルケニル、(C2−C8)−アルキニル、(C3−C6)−シクロアルキル、(C3−C6)−シクロアルキル−(C1−C4)−アルキル、フェニル、フェニル−(C1−C4)−アルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリル−(C1−C4)−アルキルであり、
ここで、後者9基の各々は未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルコキシ、(C1−C4)−アルキルチオ、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、モノ−(C1−C4)−アルキルアミノ、ジ−(C1−C4)−アルキルアミノ、(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]−カルボニル、ならびに環状基の場合は、更に、(C1−C4)−アルキルおよび(C1−C4)−ハロアルキルよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換され、そして、
特に、
Rは水素、(C1−C6)−アルキル、(C2−C8)−アルケニル、(C2−C8)−アルキニル、(C3−C6)−シクロアルキルまたは(C3−C6)−シクロアルキル−(C1−C4)−アルキルであり、
ここで、後者5基の各々は未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−アルキルチオ、ならびに環状基の場合は、更に、(C1−C4)−アルキルよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されているものである。
【0041】
極めて好ましくは、R1は下記式:
−CO−OH、または、
−CO−O-+、または、
−CO−OR、
の基であり;
ここで、
Rは(C1−C4)−アルキルであり、これは未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロ
キシル、(C1−C4)−アルコキシおよび(C1−C4)−アルキルチオよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されており、
+は農薬的に適当であるカチオン、好ましくはアルカリ金属またはアルカリ土類金属と等価な1つのカチオン、特にナトリウムイオンもしくはカリウムイオン、または、未置換もしくは置換されたアンモニウムイオン、好ましくはNH4+または有機アミンのアンモニウムイオンまたは第4級アンモニウムイオンである。
【0042】
そのような基の例は:
1=カルボキシルおよびその塩、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プ
ロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、(2−ヒドロキシエトキシ)−カルボニルである。
【0043】
好ましくは、R1はまた下記式:
−C(=NRa)−ORの基であり、ここで、
RおよびRaは上記の通り定義され、好ましくは、
Rは(C1−C8)−アルキル、(C2−C8)−アルケニル、(C2−C8)−アルキニル、(C3−C6)−シクロアルキル、(C3−C6)−シクロアルキル−(C1−C4)−アルキル、フェニル、フェニル−(C1−C4)−アルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリル−(C1−C4)−アルキル
[ここで、後者9基の各々は未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルコキシ、(C1−C4)−アルキルチオ、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、モノ−(C1−C4)−アルキルアミノ、ジ−(C1−C4)−アルキルアミノ、(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、ならびに環状基の場合は、更に、(C1−C4)−アルキルおよび(C1−C4)−ハロアルキルよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されている]、
または、
(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、[(C1−C4)−ハロアルコキシ]カルボニル、フェニルカルボニル、フェノキシカルボニル、[フェニル−(C1−C4)−アルキル]カルボニル、[フェニル−(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、アミノカルボニル、モノ−[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ジ−[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルフィニルまたは(C1−C4)−ハロアルキルスルホニルであり、
そして、
aは水素、または相互に独立して上記基Rと同様に定義されるか、
または、好ましくは、
(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、[(C1−C4)−ハロアルコキシ]カルボニル、フェニルカルボニル、フェノキシカルボニル、[フェニル−(C1−C4)−アルキル]カルボニル、[フェニル−(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、アミノカルボニル、モノ−[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ジ−[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルフィニルまたは(C1−C4)−ハロアルキルスルホニルである。
【0044】
このような基の例は:
1=メトキシアセトイミノカルボニル、エトキシアセトイミノカルボニル、n−プロポキシアセトイミノカルボニル、イソプロポキシアセトイミノカルボニル、(2−ヒドロキシエトキシ)アセトイミノカルボニル、アセトキシイミノカルボニル、アセトキシメチルイミノカルボニル、アセトキシエチルイミノカルボニル、アセトキシアセトイミノカル
ボニルである。
【0045】
好ましくは、R1はまた下記式:
−CO−NRcRの基であり、ここで、RおよびRcは上記の通り定義され、好ましくは、
Rは水素、(C1−C8)−アルキル、(C2−C8)−アルケニル、(C2−C8)−アルキニル、(C3−C6)−シクロアルキル、(C3−C6)−シクロアルキル−(C1−C4)−アルキル、フェニル、フェニル−(C1−C4)−アルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリル−(C1−C4)−アルキル
[ここで、後者9基の各々は未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルコキシ、(C1−C4)−アルキルチオ、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、モノ−(C1−C4)−アルキルアミノ、ジ−(C1−C4)−アルキルアミノ、(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、ならびに環状基の場合は、更に、(C1−C4)−アルキルおよび(C1−C4)−ハロアルキルよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されている]、
または、
(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、[(C1−C4)−ハロアルコキシ]カルボニル、フェニルカルボニル、フェノキシカルボニル、[フェニル−(C1−C4)−アルキル]カルボニル、[フェニル−(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、アミノカルボニル、モノ−[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ジ−[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルフィニルまたは(C1−C4)−ハロアルキルスルホニルであり、
そして、
cは水素、または相互に独立して上記基Rと同様に定義されるか、または、好ましくは、
cは水素、(C1−C4)−アルキル[これは未置換であるか、または、ハロゲン、ヒドロキシル、(C1−C4)−アルコキシおよび(C1−C4)−アルキルチオよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されている]、
または、
(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、[(C1−C4)−ハロアルコキシ]カルボニル、(C1−C4)−アルキルスルフィニルおよび(C1−C4)−アルキルスルホニル、
または、
特に水素もしくは(C1−C4)−アルキルである。
【0046】
このような基の例は:
1=アミノカルボニル、N−メチルアミノカルボニル、N−エチルアミノカルボニル、N−(n−プロピル)−アミノカルボニル、N−イソプロピルアミノカルボニル、N−ブチルアミノカルボニル、N−(2−ヒドロキシエチル)アミノカルボニル、N−シクロプロピルアミノカルボニル、N−アセチルアミノカルボニル、N−プロピオニルアミノカルボニル、N,N−ジメチルアミノカルボニル、N,N−ジエチルアミノカルボニル、N−エチル−N−メチルアミノカルボニル、N−アセチル−N−メチル−アミノカルボニルである。
【0047】
特に有利なものは、式中、
2は水素、(C1−C18)−アルキル、(C2−C18)−アルケニル、(C2−C18)−アルキニル、(C3−C9)−シクロアルキル、(C5−C9)−シクロアルケニル、(C3−C9)−シクロアルキル−(C1−C12)−アルキル、フェニル、フェニル−(C1−C1
2)−アルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリル−(C1−C12)−アルキル
[ここで、後者10基の各々は未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、ニトロ、チオシアナト、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルコキシ、(C2−C4)−アルケニルオキシ、(C2−C4)−ハロアルケニルオキシ、(C1−C4)−アルキルチオ、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルフィニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルホニル、モノ−(C1−C4)−アルキルアミノ、ジ−(C1−C4)−アルキルアミノ、(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、[(C1−C4)−ハロアルコキシ]カルボニル、アミノカルボニル、モノ−[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ジ[(C1−C4)−アルキルア
ミノ]カルボニル、ならびに環状基の場合は、更に、(C1−C4)−アルキルおよび(C1−C4)−ハロアルキルよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されている]、
または、ZがOまたはSである場合はアシル基、好ましくは基(C1−C6)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、[(C1−C4)−ハロアルコキシ]カルボニル、フェニルカルボニル、フェノキシカルボニル、[フェニル−(C1−C4)−アルキル]カルボニル、[フェニル−(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル(ここで後者4基の各々のフェニル環は未置換であるか、または置換されている)、アミノカルボニル、モノ−[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ジ−[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルフィニルおよび(C1−C4)−ハロアルキルスルホニルよりなる群から選択されるアシル基であり、
そしてR2は置換基も含めて、炭素原子1〜30個、好ましくは炭素原子1〜20個、特に炭素原子1〜16個を有するものである、式(I)の化合物またはその塩の本発明による使用である。
【0048】
好ましいものは式中、
2が水素、(C1−C12)−アルキル、(C2−C12)−アルケニル、(C2−C12)−アルキニル、(C3−C6)−シクロアルキル、(C5−C6)−シクロアルケニル、(C3−C6)−シクロアルキル−(C1−C6)−アルキル、フェニル、フェニル−(C1−C6)−アルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリル−(C1−C6)−アルキル、炭化水素含有の基としては好ましくは(C1−C8)−アルキル、(C2−C8)−アルケニル、(C2−C8)−アルキニル、(C3−C6)−シクロアルキル、(C3−C6)−シクロアルキル−(C1−C2)−アルキル、フェニル、フェニル−(C1−C2)−アルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリル−(C1−C2)−アルキル
[ここで、後者19基の各々は未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、ニトロ、チオシアナト、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルコキシ、(C2−C4)−アルケニルオキシ、(C2−C4)−ハロアルケニルオキシ、(C1−C4)−アルキルチオ、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルフィニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルホニル、モノ−(C1−C4)−アルキルアミノ、ジ−(C1−C4)−アルキルアミノ、(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、[(C1−C4)−ハロアルコキシ]カルボニル、アミノカルボニル、モノ−[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ジ−[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ならびに環状基の場合は、更に、(C1−C4)−アルキルおよび(C1−C4)−ハロアルキルよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されている]、
または、ZがOまたはSである場合はアシル基、好ましくは基(C1−C6)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、[(C1−C4)−ハロアルコキシ]カルボニル、フェニルカルボニル、フェノキシカルボニル、[
フェニル−(C1−C4)−アルキル]カルボニル、[フェニル−(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル(ここで後者4基の各々のフェニル環は未置換であるか、または置換されている)、アミノカルボニル、モノ−[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ジ−[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルフィニルおよび(C1−C4)−ハロアルキルスルホニルよりなる群から選択されるアシル基であり、
そしてR2は置換基も含めて、炭素原子1〜30個、好ましくは炭素原子1〜20個、特に炭素原子1〜16個を有するものであり、そして、
Zは式OまたはS(O)xの基であり、ここでx=0、1または2であり、好ましくはZはOまたはSである、式(I)の化合物またはその塩の本発明による使用である。
【0049】
ここで、ヘテロシクリルは好ましくはN、OおよびSよりなる群から選択される複素環原子合計1〜3個、および、未置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルキル、(C1−C4)−ハロアルコキシ、(C1−C4)−アルキルチオおよびオキソよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されている環原子合計5または6個を有する脂肪族または芳香族の複素環である。
【0050】
更にまた、好ましいものは式中、
2が水素、(C1−C8)−アルキル、(C2−C8)−アルケニル、(C2−C8)−アルキニルまたは(C3−C6)−シクロアルキル
[ここで、後者4基の各々は未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルコキシ、(C1−C4)−アルキルチオ、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、ならびに環状基の場合は、更に、(C1−C4)−アルキルおよび(C1−C4)−ハロアルキルよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されている]、
または、ZがOまたはSである場合はアシル基、好ましくは基(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、[(C1−C4)−ハロアルコキシ]カルボニル、フェニルカルボニル、フェノキシカルボニル、[フェニル−(C1−C4)−アルキル]カルボニルおよび[フェニル−(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル[ここで後者4基の各々のフェニル環は未置換であるか、またはハロゲン、(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルキル、(C1−C4)−ハロアルコキシおよび(C1−C4)−アルキルチオよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されている]よりなる群から選択されるアシル基であり、
Zは式OまたはS(O)xの基であり、ここでx=0、1または2であり、好ましくはZはOまたはSである、式(I)の化合物またはその塩の本発明による使用である。
【0051】
特に好ましくは、
2は水素、(C1−C4)−アルキル、(C2−C4)−アルケニル、(C2−C4)−アルキニルまたは(C3−C6)−シクロアルキル
[ここで、後者4基の各々は未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルコキシ、(C1−C4)−アルキルチオ、ならびに環状基の場合は、更に、(C1−C4)−アルキルおよび(C1−C4)−ハロアルキルよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されている]、
または、ZがOまたはSである場合はアシル基、好ましくは基(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、[(C1−C4)−ハロアルコキシ]カルボニルよりなる群から選択されるアシル基であり、
Zは式OまたはS(O)xの基であり、ここでx=0、1または2であり、好ましくはZ
はOまたはSである。
【0052】
基R2−Z−は好ましくはヒドロキシル基、またはアシルオキシ基、例えばアセチルオ
キシまたはプロピオニルオキシである。
特に有利なものは、式中、
(R3)nはR3基n個であり、ここでR3基の各々は相互に独立して基ハロゲン、SCN、CN、および(C1−C18)−アルキル、(C2−C18)−アルケニル、(C2−C18)−アルキニル、(C3−C9)−シクロアルキル、(C5−C9)−シクロアルケニル、(C3−C9)−シクロアルキル−(C1−C12)−アルキル、フェニル、フェニル−(C1−C12)−アルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロシクリル−(C1−C12)−アルキル
[ここで、後者10基の各々は未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、ニトロ、チオシアナト、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルコキシ、(C2−C4)−アルケニルオキシ、(C2−C4)−ハロアルケニルオキシ、(C1−C4)−アルキルチオ、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルフィニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルホニル、モノ−(C1−C4)−アルキルアミノ、ジ−(C1−C4)−アルキルアミノ、(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、[(C1−C4)−ハロアルコキシ]カルボニル、アミノカルボニル、モノ−[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ジ−[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ならびに環状基の場合は、更に、(C1−C4)−アルキルおよび(C1−C4)−ハロアルキルよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されている]、
ならびに式−Z*−Aの基よりなる群から選択され、
【0053】
ここで、
*は式OまたはS(O)xの基であり、ここでx=0、1または2であり、そして、
Aは水素または、
(C1−C18)−アルキル、(C2−C18)−アルケニル、(C2−C18)−アルキニル、(C3−C9)−シクロアルキル、(C5−C9)−シクロアルケニル、(C3−C9)−シクロアルキル−(C1−C12)−アルキル、フェニル、フェニル−(C1−C12)−アルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリル−(C1−C12)−アルキル、または好ましくは、(C1−C12)−アルキル、(C2−C12)−アルケニル、(C2−C12)−アルキニル、(C3−C6)−シクロアルキル、(C5−C6)−シクロアルケニル、(C3−C6)−シクロアルキル−(C1−C6)−アルキル、フェニル、フェニル−(C1−C6)−アルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリル−(C1−C6)−アルキル
[ここで、後者20基の各々は未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、ニトロ、チオシアナト、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルコキシ、(C2−C4)−アルケニルオキシ、(C2−C4)−ハロアルケニルオキシ、(C1−C4)−アルキルチオ、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルフィニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルホニル、モノ−(C1−C4)−アルキルアミノ、ジ−(C1−C4)−アルキルアミノ、(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、[(C1−C4)−ハロアルコキシ]カルボニル、アミノカルボニル、モノ−[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ジ−[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ならびに環状基の場合は、更に、(C1−C4)−アルキルおよび(C1−C4)−ハロアルキルよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されている]、
または、アシル基であり、ただしA=アシルである場合はZ*はOまたはSのみであることができ、
【0054】
好ましくは、基(C1−C6)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、[(C1−C4)−ハロアルコキシ]カルボニル、フェニルカルボニル、フェノキシカルボニル、[フェニル−(C1−C4)−アルキル]カルボニル、[フェニル−(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル(ここで後者4基の各々のフェニル環は未置換であるか、または置換されている)、アミノカルボニル、モノ−[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ジ−[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルフィニルおよび(C1−C4)−ハロアルキルスルホニルよりなる群から選択されるアシル基であり、
ここでR3は置換基も含めて、炭素原子1〜30個、好ましくは炭素原子1〜20個、特に炭素原子1〜16個を有するものである、式(I)の化合物またはその塩の本発明による使用である。
【0055】
好ましいものは、式中、
(R3)nはR3基n個であり、ここでR3基の各々は相互に独立して基ハロゲン、SCN、CN、および(C1−C6)−アルキル、(C2−C6)−アルケニル、(C2−C6)−アルキニル、(C3−C6)−シクロアルキル、(C3−C6)−シクロアルキル−(C1−C4)−アルキル、フェニル、フェニル−(C1−C4)−アルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロシクリル−(C1−C4)−アルキル、そして好ましくは(C1−C4)−アルキル、(C2−C4)−アルケニル、(C2−C4)−アルキニル、(C3−C6)−シクロアルキル、(C3−C6)−シクロアルキル−(C1−C2)−アルキル、フェニル、フェニル−(C1−C2)−アルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロシクリル−(C1−C2)−アルキル
[ここで、後者19基の各々は未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、ニトロ、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルコキシ、(C2−C4)−アルケニルオキシ、(C2−C4)−ハロアルケニルオキシ、(C1−C4)−アルキルチオ、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルフィニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルホニル、モノ−(C1−C4)−アルキルアミノ、ジ−(C1−C4)−アルキルアミノ、(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、[(C1−C4)−ハロアルコキシ]カルボニル、アミノカルボニル、モノ[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ジ−[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ならびに環状基の場合は、更に、(C1−C4)−アルキルおよび(C1−C4)−ハロアルキルよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されている]、
ならびに式−Z*−Aの基よりなる群から選択され、
【0056】
ここで、
*は式OまたはS(O)xの基であり、ここでx=0、1または2であり、そして、
Aは水素または、
(C1−C8)−アルキル、(C2−C8)−アルケニル、(C2−C8)−アルキニル、(C3−C6)−シクロアルキル、(C5−C6)−シクロアルケニル、(C3−C6)−シクロアルキル−(C1−C6)−アルキル、フェニル、フェニル−(C1−C6)−アルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリル−(C1−C6)−アルキル、または、好ましくは、
(C1−C4)−アルキル、(C2−C4)−アルケニル、(C2−C4)−アルキニル、(C3−C4)−シクロアルキル、(C3−C6)−シクロアルキル−(C1−C4)−アルキル、フェニル、フェニル−(C1−C4)−アルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリル−(C1−C4)−アルキル
[ここで、後者19基の各々は未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、ニトロ、チオシアナト、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルコキシ、(C2−C4)−アルケニルオキシ、(C2−C4)−ハロアルケニルオキシ、(C1−C4)−アルキルチオ、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルフィニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルホニル、モノ−(C1−C4)−アルキルアミノ、ジ−(C1−C4)−アルキルアミノ、(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、[(C1−C4)−ハロアルコキシ]カルボニル、アミノカルボニル、モノ−[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ジ−[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ならびに環状基の場合は、更に、(C1−C4)−アルキルおよび(C1−C4)−ハロアルキルよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されている]、
または、アシル基、ただしA=アシルである場合はZ*はOまたはSのみであることができ、
好ましくは、基(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、[(C1−C4)−ハロアルコキシ]カルボニル、フェニルカルボニル、フェノキシカルボニル、[フェニル−(C1−C4)−アルキル]カルボニル、[フェニル−(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル[ここで後者4基の各々はフェニル環において未置換であるか、または、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルキル、(C1−C4)−ハロアルコキシおよび(C1−C4)−アルキルチオよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されている]である、式(I)の化合物またはその塩の本発明による使用である。
【0057】
本発明においては、ヘテロシクリルは好ましくはN、OおよびSよりなる群から選択される複素環原子合計1〜3個、および、未置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルキル、(C1−C4)−ハロアルコキシ、(C1−C4)−アルキルチオおよびオキソよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されている環原子合計5または6個を有する脂肪族または芳香族の複素環である。
【0058】
更に好ましいものは、式中、
(R3)nはR3基n個であり、ここでR3基の各々は相互に独立して基ハロゲン、SCN、CN、および(C1−C4)−アルキル、(C2−C4)−アルケニル、(C2−C4)−アルキニルおよび(C3−C6)−シクロアルキル
[ここで、後者4基の各々は未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルコキシ、(C1−C4)−アルキルチオ、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、ならびに環状基の場合は、更に、(C1−C4)−アルキルおよび(C1−C4)−ハロアルキルよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されている]、
ならびに式−Z*−Aの基よりなる群から選択され、
ここで、
*は式OまたはS(O)xの基であり、ここでx=0、1または2であり、そして、
Aは水素または、
(C1−C4)−アルキル、(C2−C4)−アルケニル、(C2−C4)−アルキニル、(C3−C6)−シクロアルキル
[ここで、後者4基の各々は未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルコキシ、(C1−C4)−アルキルチオ、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、ならびに環状基の場合は、更に、(C1−C4)−アルキルおよび(C1−C4)−ハロアルキルよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されている]、
または、アシル基であり、ただしA=アシルである場合はZ*はOまたはSでのみあることができ、
好ましくは基(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、[(C1−C4)−ハロアルコキシ]カルボニルよりなる群から選択されるアシル基である、式(I)の化合物またはその塩の本発明による使用である。
【0059】
特に好ましいものは、式中、
(R3)nはR3基n個であり、ここでR3基の各々は相互に独立して基ハロゲン、例えばF、Cl、BrおよびI、ならびにSCN、CN、ならびに、
(C1−C4)−アルキル、(C2−C4)−アルケニル、(C2−C4)−アルキニルおよび(C3−C6)−シクロアルキル
[ここで、後者4基の各々は未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルコキシ、(C1−C4)−アルキルチオ、ならびに環状基の場合は、更に、(C1−C4)−アルキルおよび(C1−C4)−ハロアルキルよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されている]、
ならびに式−Z*−Aの基よりなる群から選択され、
ここで、
*は式OまたはS(O)xの基であり、ここでx=0、1または2であり、そして、
Aは水素または、
(C1−C4)−アルキル、(C2−C4)−アルケニル、(C2−C4)−アルキニル、(C3−C6)−シクロアルキル
[ここで、後者4基の各々は未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルコキシ、(C1−C4)−アルキルチオ、ならびに環状基の場合は、更に、(C1−C4)−アルキルおよび(C1−C4)−ハロアルキルよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されている]、
または、アシル基であり、ただしA=アシルである場合はZ*はOまたはSでのみあることができ、
好ましくは基(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、[(C1−C4)−ハロアルコキシ]カルボニルよりなる群から選択されるアシル基である、式(I)の化合物またはその塩の本発明による使用である。
【0060】
ここで基A−Z*−は特に好ましくはヒドロキシル基またはアシルオキシ基、例えばアセチルオキシまたはプロピオニルオキシである。
特に好ましいものは、式中、
nが0、1、2、3または4、好ましくは1または2、特に1である、式(I)の化合物またはその塩の本発明による使用である。
【0061】
ここで特に有利なものは、下記式(I−1)、(I−2)、(I−3)および(I−4):
【化2】

[式中、R1、R2、R3およびZは式(I)の通り定義される]の化合物である。
【0062】
特に有利なものは、更に、下記式(I−5)、(I−6)、(I−7)、(I−8)、(I−9)および(I−10)の化合物または下記式(I−11)、(I−12)、(I−13)、(I−14)および(I−15)の更に置換された化合物:
【化3】

[式(I−5)〜(I−15)中、R1、R2、R3およびZは各々の場合、式(I)の通り定義され、そして基R3は相互に独立して定義され、即ち、同一または異なる基である]
である。
【0063】
好ましいものは、式中、
基R3の各々は他のものとは独立して、ハロゲンおよび(C1−C4)−アルキル[これは未置換であるか、または、ハロゲン、ヒドロキシル、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルコキシよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されている]、
ならびに式−Z*−Aの基よりなる群から選択され、ここで、
*は式OまたはSの基であり、そして、
Aは水素または、
(C1−C4)−アルキル、(C2−C4)−アルケニル、(C2−C4)−アルキニル、(C3−C6)−シクロアルキル
[ここで、後者4基の各々は未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルコキシ、(C1−C4)−アルキルチオ、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、ならびに環状基の場合は、更に、(C1−C4)−アルキルおよび(C1−C4)−ハロアルキルよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されている]、
または、アシル基、
好ましくは基(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、[(C1−C4)−ハロアルコキシ]カルボニルよりなる群から選択されるアシル基である、式(I−1)〜(I−15)、好ましくは式(I−1)、(I−2)、(I−3)および(I−4)の化合物またはその塩の本発明による使用である。
【0064】
特に好ましいものは、式中、
基R3の各々は他のものとは独立して、基ハロゲン、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、ジメトキシメチル、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、アセトキシ、プロピオニルオキシ、トリフルオロアセトキシよりなる群から選択され、
好ましくは、好ましい基およびR1、R2およびZの意味と組み合わせたものである、式(I−1)〜(I−15)、好ましくは式(I−1)、(I−2)、(I−3)および(I−4)の化合物またはその塩の本発明による使用である。
【0065】
本発明により使用される化合物の例を以下の表に列挙する。
式(I)の化合物の一部は既知であるか、または既知の方法と同様にして製造できる。植物における薬害軽減剤としてのそれらの使用は現在まで知られていない。
【0066】
式(I)の化合物またはその塩(以降、総称して「本発明の化合物(I)」または「化合物(I)」または「薬害軽減剤」と称する)の一部は新規であり、本発明の主題を構成する。
式(I)の化合物は慣用的な方法により親化合物としてのヒドロキシベンゾエートまたはチオールベンゾエートおよびそのカルボキシル誘導体を誘導体化、例えばアシル化またはエーテル化することにより製造できる。
【0067】
本発明はまた農薬または肥料のような農業用薬品の植物毒性作用に対抗して、または、植物に損傷を与える環境要因に対抗して作物植物または有用植物を保護する方法を提供し、その方法は、好ましくは式(I)の化合物またはそれらの塩の有効量を植物、植物の部分または種子に施用することにより式(I)の化合物またはその塩を薬害軽減剤として使用することを包含する。
【0068】
農薬的に活性な化合物(農薬または肥料)、好ましくは農薬と組み合わせた薬害軽減剤は多くの植物作物において、例えば商業的に重要な作物、例えば穀物(コムギ、オオムギ、ライムギ、ライコムギ、コメ、トウモロコシ、アワ)、テンサイ、サトウキビ、ナタネ、メンカおよびダイズにおいて有害生物を選択的に防除するために適している。特に有利なものは、単子葉植物の作物、例えば穀物(コムギ、オオムギ、ライムギ、ライコムギ、モロコシ)、例えばトウモロコシおよびコメ、および単子葉植物の野菜作物、並びに双子葉植物の作物、例えばダイズ、ナタネ、メンカ、ブドウ、野菜植物、果実植物および観賞植物における使用である。また有利なものは、一部の農薬に部分的に耐性である突然変異作物、または部分的に耐性であるトランスジェニック作物、例えばグルホシネートまたはグリホセートに耐性のトウモロコシ作物、または除草剤イミダゾリノンに耐性のダイズ作物である。しかしながら、薬害軽減剤の新しい使用の特定の利点は、通常、上記農薬に対して耐性ではない作物におけるそれらの有効な作用である。
【0069】
農業用薬品/農薬の複合使用のためには、本発明の式(I)の化合物を活性化合物と同時に、または、何れかの順序で施用することができ、そしてその後、これらは、望ましくない有害生物に対するこれらの活性化合物の活性を損なったり実質的に低減することなく、作物植物におけるこれらの活性化合物の有害な副作用を低減または完全に排除することができる。ここで複数の農薬、例えば複数の除草剤、殺虫剤もしくは殺カビ剤、または、殺虫剤もしくは殺カビ剤と組み合わせた除草剤を使用することにより起こる損傷であっても、実質的に低減または完全に排除することができる。この態様において、従来の除草剤の使用の領域をかなり拡大することができる。
【0070】
本発明の組成物が農薬を含む場合、これらの組成物は適切な希釈の後、耕作地に対し、既に発芽した有害および/または有用植物に対し、または、既に出芽した有害および/または有用植物に対して、直接施用する。本発明の組成物が何れの農薬も含まない場合、これらの組成物はタンクミックス法により使用でき、即ち、使用者が処理すべき領域への施用の直前、または、農薬の施用の前、または農薬の施用後、または、種子の前処理のため、即ち、例えば有用植物の種子の粉衣のために、個別に入手可能な製品(=有用植物を保護する農薬および薬剤)を混合および希釈する。
【0071】
本発明の化合物(I)の好都合な作用はそれらを発芽前または発芽後の方法により、例えば同時施用の場合はタンクミックスまたは共製剤として、または、分離施用の場合は、平行して、もしくは、継続して(スプリット施用)農薬と共に使用する場合に観察される。多数回施用を反復することも可能である。場合により、発芽前施用を発芽後施用と組み合わせることが好都合である場合がある。大部分の場合においては1つの選択肢は農薬の同時施用または後の施用と組み合わせた有用植物または作物植物に対する発芽後の施用である。更に種子粉衣、種子の(ディップ)処理または他の増殖物(例えばジャガイモの塊茎)の処理のための本発明の化合物(I)の使用も可能である。
【0072】
農薬、例えば除草剤と共に本発明の化合物(I)を使用する場合は、薬害軽減剤の作用のほかに、有害植物に対する増強作用、例えば除草剤作用もしばしば観察される。更に多くの場合において、有用植物および作物植物の向上した生育が観察され、そして収穫量の増大が可能である。
最後に言及した好都合な作用の一部は、化合物(I)を別の農薬を伴わずに使用する場合、特に他の環境要因が植物の成長に負の影響を与える場合に観察される。
【0073】
本発明の組成物は農薬1つまたはそれ以上を含んでよい。適当な農薬は例えば除草剤、殺虫剤、殺カビ剤、殺ダニ剤および殺線虫剤であり、これらは、それら自体で使用した場合には、作物植物に植物毒性の損傷を与えるか、おそらくは損傷を与える。特に有利なも
のは、除草剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤および殺カビ剤の群に属する相応した農薬活性化合物、特に除草剤である。
【0074】
農薬に対する薬害軽減剤の質量比は広範な範囲で変動し得、そして一般的に1:100〜100:1、好ましくは1:20〜20:1、特に1:10〜10:1の範囲である。農薬に対する薬害軽減剤の至適質量比は使用するそれぞれの薬害軽減剤およびそれぞれの農薬の両方に、そして、保護すべき有用植物または作物植物の種類により変動する。薬害軽減剤の所要施用率は使用する農薬および保護すべき有用植物の種類に応じて広範な範囲で変動し、そして一般的にはヘクタール当たり薬害軽減剤0.001〜10kg、好ましくは0.005〜5kg、特に0.1〜1kgの範囲である。
【0075】
種子粉衣の場合は、例えば種子キログラム当たり薬害軽減剤0.005〜20g、好ましくは種子キログラム当たり薬害軽減剤0.01〜10g、特に種子キログラム当たり薬害軽減剤0.05〜5gを使用する。
【0076】
薬害軽減剤の溶液を種子粉衣のために使用し、そして種子または苗を溶液で湿潤させる場合は、適当な濃度は一般的に質量に基づいて、1〜10000ppm、好ましくは100〜1000ppmである。良好な処理のために必要な量および質量比は単純な予備実験により決定できる。
【0077】
薬害軽減剤は慣用的な態様において、個別に、または農業用薬品、例えば農薬または肥料と共に製剤化できる。従って、本発明はまた有用植物保護または作物植物保護の組成物を提供する。
【0078】
式(I)の化合物を使用して作物植物に対する植物毒性作用を低減できる除草剤は完全に異なる構造クラスのものであってよく、そして完全に異なる作用機序を有することができる。好ましいものは例えばハンドブックである「The Pesticide Manual」, 13th Edition 2003, The British Crop Protection Councilおよびthe e-Pesticide Manual Version 3(2003)に記載の市販の除草剤、または「Compendium of Pesticide Common Names」(インターネット検索可能)およびその引用文献で参照できる商品名および一般名のものである。以下に記載する除草剤および植物成長調節剤は例示のためのものであり、各々の場合、「国際標準化機構」(ISO)に従ったそれらの標準的一般活性化合物名により、または、化学名またはコード番号により表記する。作物植物および有用植物における植物毒性作用が本発明の化合物(I)により低減できる活性化合物の例は:アセトクロル;アシフルオルフェン(−ナトリウム);アクロニフェン;AKH7088、即ち[[[1−[5−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−2−ニトロフェニル]−2−メトキシエチリデン]アミノ]オキシ]酢酸およびそのメチルエステル;アラクロル;アロキシジム(−ナトリウム);アメトリン;アミカルバゾン、アミドクロル、アミドスルフロン;アミノピラリド、アミトロール;AMS、即ちスルファミン酸アンモニウム;アニロホス;アスラム;アトラジン;アゼフェニジン;アジムスルフロン(DPX−A8947);アジプロトリン;バルバン;BAS516H、即ち、5−フルオロ−2−フェニル−4H−3,1−ベンゾキサジン−4−オン;ベフルブタミド;ベナゾリン(−エチル);ベンフルラリン;ベンフレセート;ベンスルフロン(−メチル);ベンスリド;ベンタゾン(−ナトリウム);ベンズフェンジゾン、ベンゾビシクロン;ベンゾフェナップ;ベンゾフルオロ;ベンゾイルプロプ(−エチル);ベンズチアズロン;ビアラホス(ビラナホス);ビフェノクス;ビスピリバク−(−ナトリウム);ブロマシル;ブロモブチド;ブロモフェノキシム;ブロモキシニル;ブロムロン;ブミナホス;ブソキシノン;ブタクロル;ブタフェナシル;ブタミホス;ブテナクロル;ブチダゾール;ブトラリン;ブトロキシジム;ブチレート;カフェンストロール(CH−900);カルベタミド;カルフェントラゾン(−エチル);カロキシジム、CDAA、即ち2−クロロ−N,N−ジ−2−プロペニルアセトアミド;CDEC、即ち、2−クロロアリルジエチルジチオカーバメート;クロメトキシフェン;クロラムベン;クロラジホップ−ブチル;クロルブロムロン;クロルブファム;クロルフェナック;クロルフェンプロプ、クロルフルレノール−メチル;クロリダゾン;クロリムロン(−エチル);クロルニトロフェン;クロロトルロン;クロロクスロン;クロルプロファム;クロロスルフロン;クロルタール−ジメチル;クロルチアミド;クロルトルロン;シニドン−(−メチルまたは−エチル)、シンメチリン;シノスルフロン;クレトジム;クレホキシジム、クロジナホップおよびそのエステル誘導体(例えばクロジナホップ−プロパルギル);
【0079】
クロマゾン;クロメプロプ;クロプロプ、クロプロキシジム;クロピラリド;クロピラスルフロン(−メチル);クロランスラム(−メチル);クミルロン(JC940);シアナジン;シクロエート;シクロスルファムロン(AC104);シクロキシジム;シクルロン;シハロホップおよびそのエステル誘導体(例えばブチルエステル、DEH−112);シペルクワット;シプラジン;シプラゾール;ダイムロン;2,4−D;2,4−DB;ダラポン;ダゾメット、デスメジファム;デスメトリン;ジアレート;ジカンバ;ジクロベニル;ジクロロプロプ(−P);ジクロホップおよびそのエステル、例えばジクロホップ−メチル;ジクロスラム、ジエタチル(−エチル);ジフェノクスロン;ジフェンゾコート;ジフルフェニカン;ジフルフェンゾピル;ジメフロン;ジメピペレート;ジメタクロル;ジメタメトリン;ジメテンアミド(SAN−582H);ジメテナミド(−P);ジメタゾン、ジメチピン;ジメキシフラム、ジメトラスルフロン、ジニトラミン;ジノセブ;ジノテルブ;ジフェナミド;ジプロペトリン;ジクワット;ジチオピル;ジウロン;DNOC;エグリナジン−エチル;EL77、即ち、5−シアノ−1−(1,1−ジメチルエチル)−N−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド;エンドタール;エポプロダン、EPTC;エスプロカルブ;エタルフルラリン;エタメツルフロン−メチル;エチジムロン;エチオジン;エトフメセート;エトキシフェンおよびそのエステル(例えばエチルエステル、HC−252)、エトキシスルフロン、エトベンザニド(HW52);F5231、即ち、N−[2−クロロ−4−フルオロ−5−[4−(3−フルオロプロピル)−4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1H−テトラゾール−1−イル]−フェニル]エタンスルホンアミド;フェノプロプ;フェノキサン、フェノキサプロプおよびフェノキサプロプ−Pおよびそれらのエステル、例えばフェノキサプロプ−P−エチルおよびフェノキサプロプ−エチル;フェノキシジム;フェントラザミド;フェヌロン;フラムプロプ(−メチルまたは−イソプロピルまたは−イソプロピル−L);フラザスルフロン;フロラスラム;フルアジホップおよびフルアジホップ−Pおよびそれらのエステル、例えばフルアジホップ−ブチルおよびフルアジホップ−P−ブチル;フルアゾレート、フルカルバゾン(−ナトリウム);フルセトスルフロン、フルクロラリン;フルフェナセット(FOE5043)、フルフェンピル、フルメツラム;フルメツロン;フルミクロラク(−ペンチル);フルミオキサジン(S−482);フルミプロピン;フルオメツロン;フルオロクロリドン、フルオロジフェン;フルオログリコフェン(−エチル);フルポキサム(KNW−739);フルプロパシル(UBIC−4243);フルプロアネート、フルピルスルフロン(−メチルまたは−ナトリウム);フルレノール(−ブチル);フルリドン;フルロクロリドン;フルロキシピル(−メプチル);フルルプリミドール、フルルタモン;フルチアセット(−メチル);フルチアミド(フルフェナセットとしても知られている);ホメサフェン;ホラムスルフロン;ホサミン;フリラゾール(MON13900)、フリルオキシフェン;グルホシネート(−アンモニウム);グリホセート(−イソプロピルアンモニウム);ハロサフェン;ハロスルフロン(−メチル)およびそのエステル(例えばメチルエステル、NC−319);
【0080】
ハロキシホップおよびそのエステル;ハロキシホップ−P(=R−ハロキシホップ)およびそのエステル;HC−252(ジフェニルエーテル)、ヘキサジノン;イマザメタベンズ(−メチル);イマザメタピル;イマザモックス;イマザピック、イマザピル;イマザ
キンおよび塩、例えばアンモニウム塩;イマゼタメタピル;イマゼタピル、イマゾスルフロン;インダノファン;ヨードスルフロン−(メチル)−(ナトリウム)、イオキシニル;イソカルバミド;イソプロパリン;イソプロツロン;イソウロン;イソキサベン;イソキサクロルトール;イソキサフルトール;イソキサピリホップ;カルブチレート;ラクトフェン;レナシル;リヌロン;MCPA;MCPA−チオエチル、MCPB;メコプロプ(−P);メフェナセット;メフルイジド;メソスルフロン(−メチル);メソトリオン;メタム、メタミホップ、メタミトロン;メタザクロル;メタベンズチアズロン;メタゾール;メトキシフェノン;メチルジムロン;メトベンズロン、メトブロムロン;(S−)メトラクロル;メトスラム(XRD511);メトクスロン;メトリブジン;メツルフロン−メチル;MK−616;モリネート;モナリド;硫酸2水素モノカルバミド;モノリヌロン;モヌロン;MT128、即ち6−クロロ−N−(3−クロロ−2−プロペニル)−5−メチル−N−フェニル−3−ピリダジンアミン;MT5950、即ちN−[3−クロロ−4−(1−メチルエチル)−フェニル]−2−メチルペンタナミド;ナプロアニリド;ナプロパミド;ナプタラム;NC310、即ち4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1−メチル−5−ベンジルオキシピラゾール;ネブロン;ニコスルフロン;ニピラクロフェン;ニトラリン;ニトロフェン;ニトロフルオルフェン;ノルフルラゾン;オルベンカルブ;オリザリン;オキサジアルギル(RP−020630);オキサジアゾン;オキサスルフロン;オキサジクロメホン;オキシフルオルフェン;パラカット;ペブレート;ペラルゴン酸;ペンジメタリン;ペノクスラム;ペンタノクロル、ペントキサゾン;パーフルイドン;ペトキサミド、フェンイソファム;フェンメジファム;ピクロラム;ピコリナフェン;ピペロホス;ピリブチカルブ;ピリフェノップ−ブチル;プレチラクロル;プリミスルフロン(−メチル);プロカルバゾン(−ナトリウム);プロシアジン;プロジアミン;プロフルアゾール、プロフルラリン;プログリナジン(−エチル);プロメトン;プロメトリン;プロパクロル;プロパニル;プロパキザホップ;プロパジン;プロファム;プロピソクロル;プロポキシカルバゾン−(−ナトリウム)、プロピザミド;プロスルファリン;プロスルホカルブ;プロスルフロン(CGA−152005);プリナクロル;ピラクロニル、ピラフルフェン(−エチル);ピラゾリネート;ピラゾン;ピラゾスルフロン−(−エチル);ピラゾキシフェン;ピリベンゾキシム;ピリブチカルブ;ピリダホール;ピリデート;ピリフタリド、ピリミドバク(−メチル);ピリチオバク(−ナトリウム)(KIH−2031);ピロキソホップおよびそのエステル(例えばプロパルギルエステル);キンクロラク;キンメラク;キノクラミン、キノホップおよびそのエステル誘導体、キザロホップおよびキザロホップ−Pおよびそれらのエステル誘導体、例えばキザロホップ−エチル;キザロホップ−P−テフリルおよび−エチル;
【0081】
レンリズロン;リムスルフロン(DPX−E9636);S275、即ち、2−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(2−プロピニルオキシ)フェニル]−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール;セクブメトン;セトキシジム;シズロン;シマジン;シメトリン;SN106279、即ち、2−[[7−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−2−ナフタレニル]オキシ]プロパン酸およびそのメチルエステル;スルコトリオン;スルフェントラゾン(FMC−97285、F−6285);スルファズロン;スルホメツロン(−メチル);スルホセート(ICI−A0224);スルホスルフロン;TCA;テブタム(GCP−5544);テブチウロン;テプラロキシジム;テルバシル;テルブカルブ;テルブクロル;テルブメトン;テルブチラジン;テルブトリン;TFH450、即ち、N,N−ジエチル−3−[(2−エチル−6−メチルフェニル)スルホニル]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド;テニルクロル(NSK−850);チアフルアミド;チアザフルロン;チアゾピル(Mon−13200);チジアジミン(SN−24085);チジアズロン、チフェンスルフロン(−メチル);チオベンカルブ;チオカルバジル;トラルコキシジム;トリアレート;トリアスルフロン;トリアジフラム;トリアゾフェンアミド;トリベヌロン(−メチル);2,3,6−トリクロロ安息香酸(2,3,6−TBA);トリクロピル;トリジファン;トリエタジン;トリフロキシスルフロン(−ナトリウム)、トリフルラリン;トリフルスルフロンおよびエステル(例えばメチルエステル、DPX−66037);トリメツロン;トリトスルフロン;ツイトデフ;ベルノレート;WL110547、即ち5−フェノキシ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−テトラゾール;UBH−509;D−489;LS82−556;KPP−300;NC−324;NC−330;KH−218;DPX−N8189;SC−0774;DOWCO−535;DK−8910;V−53482;PP−600;MBH−001;KIH−9201;ET−751;KIH−6127;KIH−2023およびKIH5996である。
【0082】
作物植物に対する植物毒性副作用が式(I)の化合物を使用して低減できる除草剤は、例えばカーバメート類、チオカーバメート類、ハロアセトアニリド類、置換フェノキシ−、ナフトキシ−およびフェノキシフェノキシカルボン酸誘導体およびヘテロアリールオキシフェノキシアルカンカルボン酸誘導体、例えばキノリルオキシ−、キノキサリルオキシ−、ピリジルオキシ−、ベンゾキサゾリルオキシ−およびベンゾチアゾリルオキシフェノキシアルカンカルボン酸エステル類、シクロヘキサンジオンオキシム類、ベンゾイルシクロヘキサンジオン類、ベンゾイルイソキサゾール類、ベンゾイルピラゾール類、イミダゾリノン類、ピリミジニルオキシピリジンカルボン酸誘導体、ピリミジルオキシ安息香酸誘導体、スルホニル尿素類、スルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン類、トリアゾロピリミジンスルホンアミド誘導体、ホスフィン酸誘導体およびその塩、グリシン誘導体、チアゾリノン、トリアジノンおよび更にS−(N−アリール−N−アルキルカルバモイルメチル)ジチオリン酸エステル類、ピリジンカルボン酸類、ピリジン類、ピリジンカルボキサミド類、1,3,5−トリアジン類およびその他よりなる群から選択される除草剤である。
【0083】
好ましいものは、フェノキシフェノキシ−およびヘテロアリールオキシフェノキシカルボン酸のエステルおよび塩、シクロヘキサンジオンオキシム、ベンゾイルシクロヘキサンジオン類、ベンゾイルイソキサゾール類、スルホニル尿素、スルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン類、イミダゾリノン類および上記活性化合物の相互の、および/または、除草剤の活性スペクトルを拡大するために使用されている活性化合物、例えばベンタゾン、シアナジン、アトラジン、ブロモキシニル、ジカンバおよび他の葉面作用性除草剤との混合物である。
【0084】
本発明の薬害軽減剤との組み合わせに適する除草剤の例は以下の通りである。
A)フェノキシフェノキシ−およびヘテロアリールフェノキシ−カルボン酸誘導体の型の除草剤、例えば、
A1)フェノキシフェノキシ−およびベンジルオキシフェノキシカルボン酸誘導体、例えばメチル2−(4−(2,4−ジクロロフェノキシ)フェノキシ)プロピオネート(ジクロホップ−メチル)、
メチル2−(4−(4−ブロモ−2−クロロフェノキシ)フェノキシ)プロピオネート(DE−A2601548)、
メチル2−(4−(4−ブロモ−2−フルオロフェノキシ)フェノキシ)プロピオネート(US−A4,808,750)、
メチル2−(4−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェノキシ)フェノキシ)プロピオネート(DE−A2433067)、
メチル2−(4−(2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェノキシ)フェノキシ)プロピオネート(US−A4,808,750)、
メチル2−(4−(2,4−ジクロロベンジル)フェノキシ)プロピオネート(DE−A2417487)、
エチル4−(4−(4−トリフルオロメチルフェノキシ)フェノキシ)ペンタ−2−エノエート、
メチル2−(4−(4−トリフルオロメチルフェノキシ)フェノキシ)プロピオネート(DE−A2433067)、
ブチル(R)−2−[4−(4−シアノ−2−フルオロフェノキシ)フェノキシ]プロピオネート(シハロホップ−ブチル)。
【0085】
A2)「単環」のヘテロアリールオキシフェノキシアルカンカルボン酸誘導体、例えば、
エチル2−(4−(3,5−ジクロロピリジル−2−オキシ)フェノキシ)プロピオネート(EP−A0002925)、
プロパルギル2−(4−(3,5−ジクロロピリジル−2−オキシ)フェノキシ)プロピオネート(EP−A0003114)、
メチル(RS)−または(R)−2−(4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)フェノキシ)プロピオネート(ハロキシホップ−メチルまたはハロキシホップ−P−メチル)、
エチル2−(4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)フェノキシ)プロピオネート(EP−A0003890)、
プロパルギル2−(4−(5−クロロ−3−フルオロ−2−ピリジルオキシ)フェノキシ)プロピオネート(クロジナホップ−プロパルギル)、
ブチル(RS)−または(R)−2−(4−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)フェノキシ)プロピオネート(フルアジホップ−ブチルまたはフルアジホップ−P−ブチル)、
(R)−2−[4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)フェノキシ]プロピオン酸。
【0086】
A3)「二環」ヘテロアリールオキシフェノキシアルカンカルボン酸誘導体、例えば、
メチルおよびエチル(RS)−または(R)−2−(4−(6−クロロ−2−キノキサリルオキシ)フェノキシ)プロピオネート(キザロホップ−メチルおよび−エチルまたはキザロホップ−P−メチルおよび−P−エチル)、
メチル2−(4−(6−フルオロ−2−キノキサリルオキシ)フェノキシ)プロピオネート(J.Pest.Sci. Vol.10, 61(1985)参照)、
2−イソプロピリデンアミノオキシエチル(R)−2−(4−(6−クロロ−2−キノキサリルオキシ)フェノキシ)プロピオネート(プロパキザホップ)、
エチル(RS)−または(R)−2−(4−(6−クロロベンゾキサゾール−2−イルオキシ)フェノキシ)プロピオネート(フェノキサプロプ−エチルまたはフェノキサプロプ−P−エチル)、
エチル2−(4−(6−クロロベンゾキサゾール−2−イルオキシ)フェノキシ)プロピオネート(DE−A−2640730)、
テトラヒドロ−2−フリルメチル(RS)−または(R)−2−(4−(6−クロロキノキサリルオキシ)フェノキシ)プロピオネート(EP−A−0323727)。
【0087】
B)スルホニル尿素群の除草剤、例えば、ピリミジニル−またはトリアジニルアミノカルボニル[ベンゼン−、−ピリジン−、−ピラゾール−、−チオフェン−および−(アルキル−スルホニル)アルキルアミノ]スルファミド。ピリミジン環またはトリアジン環上の好ましい置換基はアルコキシ、アルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロゲンまたはジメチルアミノであり、全ての置換基は相互に独立して組み合わせることができる。ベンゼン、ピリジン、ピラゾール、チオフェンまたは(アルキルスルホニル)アルキル−アミノ部分における好ましい置換基はアルキル、アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルコキシアミノカルボニル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシアルキル、(アルカンスルホニル)アルキルアミノである。このような適当なスルホニル尿素は例えば以下の通りである。
【0088】
B1)フェニル−およびベンジルスルホニル尿素および関連化合物、例えば、
1−(2−クロロフェニルスルホニル)−3−(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)尿素(クロルスルフロン)、
1−(2−エトキシカルボニルフェニルスルホニル)−3−(4−クロロ−6−メトキシピリミジン−2−イル)尿素(クロリムロン−エチル)、
1−(2−メトキシフェニルスルホニル)−3−(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)尿素(メツルフロン−メチル)、
1−(2−クロロエトキシフェニルスルホニル)−3−(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)尿素(トリアスルフロン)、
1−(2−メトキシカルボニルフェニルスルホニル)−3−(4,6−ジメチルピリミジン−2−イル)尿素(スルフメツロン−メチル)
1−(2−メトキシカルボニルフェニルスルホニル)−3−(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−3−メチル尿素(トリベヌロン−メチル)、
1−(2−メトキシカルボニルベンジルスルホニル)−3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)尿素(ベンスルフロン−メチル)、
1−(2−メトキシカルボニルフェニルスルホニル)−3−(4,6−ビス−(ジフルオロメトキシ)ピリミジン−2−イル)尿素(ピリミスルフロン−メチル)、
3−(4−エチル−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−1−(2,3−ジヒドロ−1,1−ジオキソ−2−メチルベンゾ[b]チオフェン−7−スルホニル)尿素(EP−A079683)、
3−(4−エトキシ−6−エチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−1−(2,3−ジヒドロ−1,1−ジオキソ−2−メチルベンゾ[b]チオフェン−7−スルホニル)尿素(EP−A0079683)、
3−(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−1−(2−メトキシカルボニル−5−ヨードフェニルスルホニル)尿素(WO92/13845)、
メチル2−[4−ジメチルアミノ−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,5−トリアジン−2−イルカルバモイルスルファモイル]−3−メチルベンゾエート(DPX−66037、トリフルスルフロン−メチル)、
オキセタン−3−イル2−[(4,6−ジメチルピリミジン−2−イル)カルバモイルスルファモイル]ベンゾエート(CGA−277476、オキサスルフロン)、
メチル4−ヨード−2−[3−(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)ウレイドスルホニル]ベンゾエートナトリウム塩(ヨードスルフロン−メチル−ナトリウム)、
メチル2−[3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ウレイドスルホニル]−4−メタンスルホニルアミノメチルベンゾエート(メソスルフロン−メチル、WO95/10507)、
N,N−ジメチル−2−[3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ウレイドスルホニル]−4−ホルミルアミノベンズアミド(ホラムスルフロン、WO95/01344)、
1−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−3−[2−(2−メトキシエトキシ)フェニルスルホニル]尿素(シノスルフロン)、
メチル2−[(4−エトキシ−6−メチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルバモイルスルファモイル]ベンゾエート(エタメトスルフロン−メチル)、
1−(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−3−[2−(3,3,3−トリフルオロプロピル)フェニルスルホニル]尿素(プロスルフロン)、
メチル2−(4,6−ジメチルピリミジン−2−イルカルバモイルスルファモイル)ベンゾエート(スルホメツロン−メチル)、
1−(4−メトキシ−6−トリフルオロメチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−3−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル)尿素(トリトスルフロン);
【0089】
B2)チエニルスルホニル尿素、例えば、
1−(2−メトキシカルボニルチオフェン−3−イル)−3−(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)尿素(チフェンスルフロン−メチル);
B3)ピラゾリルスルホニル尿素、例えば、
1−(4−エトキシカルボニル−1−メチルピラゾール−5−イルスルホニル)−3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)尿素(ピラゾスルフロン−エチル)、
メチル3−クロロ−5−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイルスルファモイル)−1−メチルピラゾール−4−カルボキシレート(ハロスルフロン−メチル)、
メチル5−(4,6−ジメチルピリミジン−2−イル−カルバモイルスルファモイル)−1−(2−ピリジル)ピラゾール−4−カルボキシレート(NC−330、Brighton Crop Prot.Conference“Weeds”1991, Vol.1, p.45ff 参照)、
1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−3−[1−メチル−4−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)ピラゾール−5−イルスルホニル]尿素(DPX−A8947、アジムスルフロン);
【0090】
B4)スルホンジアミド誘導体、例えば、
3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−1−(N−メチル−N−メチルスルホニルアミノスルホニル)尿素(アミドスルフロン)およびその構造類縁体(EP−A0131258およびZ.Pfl.Krankh.Pfl. Schutz, special issue XII, 489-497(1990));
B5)ピリジルスルホニル尿素、例えば、
1−(3−N,N−ジメチルアミノカルボニルピリジン−2−イルスルホニル)−3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)尿素(ニコスルフロン)、
1−(3−エチルスルホニルピリジン−2−イルスルホニル)−3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)尿素(リムスルフロン)、
メチル2−[3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ウレイドスルホニル]−6−トリフルオロメチル−3−ピリジン−カルボキシレートナトリウム塩(DPX−KE459、フルピルスルフロン−メチル−ナトリウム)、
3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−1−(3−N−メチルスルホニル−N−メチルアミノピリジン−2−イル)スルホニル尿素またはその塩(DE−A4000503およびDE−A4030577)、
1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−3−(3−トリフルオロメチル−2−ピリジルスルホニル)尿素(フラザスルフロン)、
1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−3−[3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジルスルホニル]尿素ナトリウム塩(トリフロキシスルフロン−ナトリウム);
【0091】
B6)アルコキシフェノキシスルホニル尿素、例えば、
3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−1−(2−エトキシフェノキシ)スルホニル尿素またはその塩(エトキシスルフロン);
B7)イミダゾリルスルホニル尿素、例えば、
1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−3−(2−エチルスルホニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)スルホニル尿素(MON37500,スルホスルフロン)、
1−(2−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルスルホニル)−3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)尿素(イマゾスルフロン);
B8)フェニルアミノスルホニル尿素、例えば、
1−[2−(シクロプロピルカルボニル)フェニルアミノスルホニル]−3−(4,6−
ジメトキシピリミジン−2−イル)尿素(シクロスルファムロン);
【0092】
C)クロロアセトアニリド類、例えば、
アセトクロル、アラクロル、ブタクロル、ジメタクロル、ジメテナミド、メタザクロル、メトラクロル、S−メトラクロル、ペトキサミド、プレチラクロル、プロパクロル、プロピソクロルおよびテニクロル;
【0093】
D)チオカーバメート類、例えば、
S−エチルN,N−ジプロピルチオカーバメート(EPTC)、
S−エチルN,N−ジイソブチルチオカーバメート(ブチレート)、
シクロエート、ジメピペレート、エスプロカルブ、モリネート、オルベンカルブ、ペブレート、プロスルホカルブ、チオベンカルブ、チオカルバジルおよびトリアレート;
【0094】
E)シクロヘキサンジオンオキシム類、例えば、
アロキシジム、ブトロキシジム、クレトジム、クロプロキシジム、シクロキシジム、プロトキシジム、セトキシジム、テプラロキシジムおよびトラルコキシジム;
【0095】
F)イミダゾリノン類、例えば、
イマザメタベンズ−メチル、イマザピック、イマザモックス、イマザピル、イマザキンおよびイマゼタピル;
【0096】
G)トリアゾロピリミジンスルホンアミド誘導体、例えば、
クロランスラム−メチル、ジクロスラム、フロラスラム、フルメツラム、メトスラムおよびペノクスラム;
【0097】
H)ベンゾイルシクロヘキサンジオン類、例えば、
2−(2−クロロ−4−メチルスルホニルベンゾイル)シクロヘキサン−1,3−ジオン(SC−0051、スルコトリオン)、
2−(2−ニトロベンゾイル)−4,4−ジメチルシクロヘキサン−1,3−ジオン(EP−A0274634)、
2−(2−ニトロ−3−メチルスルホニルベンゾイル)−4,4−ジメチルシクロヘキサン−1,3−ジオン(WO91/13548)、
2−[4−(メチルスルホニル)−2−ニトロベンゾイル]−1,3−シクロヘキサンジオン(メソトリオン);
【0098】
I)ベンゾイルイソキサゾール類、例えば、
5−シクロプロピル−[2−(メチルスルホニル)−4−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]イソキサゾール(イソキサフルトール);
【0099】
J)ベンゾイルピラゾール類、例えば、
2−[4−(2,4−ジクロロ−m−トルイル)−1,3−ジメチルピラゾール−5−イルオキシ]−4’−メチルアセトフェノン(ベンゾフェナップ);
4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチルピラゾール−5−イルトルエン−4−スルホネート(ピラゾリネート)、
2−[4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチルピラゾール−5−イルオキシ]アセトフェノン(ピラゾキシフェン);
【0100】
K)スルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン類、例えば、
4,5−ジヒドロ−3−メトキシ−4−メチル−5−オキソ−N−(2−トリフルオロ
メトキシフェニルスルホニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキシアミド
ナトリウム塩(フルカルバゾン−ナトリウム)、
メチル2−(4,5−ジヒドロ−4−メチル−5−オキソ−3−プロポキシ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)カルボキシアミドスルホニルベンゾエートナトリウム塩(プロポキシカルバゾン−Na);
【0101】
L)トリアゾリノン類、例えば、
4−アミノ−N−t−ブチル−4,5−ジヒドロ−3−イソプロピル−5−オキソ−1,2,4−1H−トリアゾール−1−カルボキシアミド(アミカルバゾン)、
2−(2,4−ジクロロ−5−プロパ−2−イニルオキシフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]−ピリジン−3(2H)−オン(アザフェニジン)、
エチル(RS)−2−クロロ−3−[2−クロロ−5−(4−ジフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3−メチル−5−オキソ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−4−フルオロフェニル]プロピオネート(カルフェントラゾン−エチル)、
2’,4’−ジクロロ−5’−(4−ジフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3−メチル−5−オキソ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メタンスルホンアニリド(スルフェントラゾン);
【0102】
M)ホスフィン酸およびその誘導体、例えば、
4−[ヒドロキシ(メチル)ホスフィノイル]−L−ホモアラニル−L−アラニル−L−アラニン(ビラナホス)、
DL−ホモアラニン−4−イル(メチル)ホスホン酸アンモニウム塩(グリホシネート−アンモニウム);
【0103】
N)グリシン誘導体、例えば、
N−(ホスホノメチル)グリシンおよびその塩(グリホセートおよび塩、例えばナトリウム塩またはイソプロピルアンモニウム塩)、
N−(ホスホノメチル)グリシントリメシウム塩(スルホセート);
【0104】
O)ピリミジニルオキシピリジンカルボン酸誘導体およびピリミジニルオキシ安息香酸誘導体、例えば、
ベンジル3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)オキシピリジン−2−カルボキシレート(EP−A0249707)、
メチル3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)オキシピリジン−2−カルボキシレート(EP−A0249707)、
1−(エトキシカルボニルオキシエチル)2,6−ビス[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)オキシ]ベンゾエート(EP−A0472113)、
2,6−ビス[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)オキシ]安息香酸(ビスピリバック−ナトリウム)、
ピリベンゾキシム、ピリフタリド、ピリミノバク−メチルおよびピリチオバク−ナトリウム;
【0105】
P)S−(N−アリール−N−アルキルカルバモイルメチル)ジチオホスホン酸エステル類、例えばS−[N−(4−クロロフェニル)−N−イソプロピルカルバモイルメチル]O,O−ジメチルジチオホスフェート(アニロホス);
【0106】
Q)トリアジノン類、例えば、
3−シクロヘキシル−6−ジメチルアミノ−1−メチル−1,3,5−トリアジン−2,4−(1H,3H)−ジオン(ヘキサジノン)、
4−アミノ−4,5−ジヒドロ−3−メチル−6−フェニル−1,2,4−トリアジン−
5−オン(メタミトロン)、
4−アミノ−6−t−ブチル−4,5−ジヒドロ−3−メチルチオ−1,2,4−トリアジン−5−オン(メトリブジン);
【0107】
R)ピリジンカルボン酸、例えば、
クロピラリド、フルロキシピル、ピクロラムおよびトリクロピル;
S)ピリジン類、例えば、
ジチオピルおよびチアゾピル;
T)ピリジンカルボキシアミド類、例えば、
ジフルフェニカンおよびピコリナフェン;
【0108】
U)1,3,5−トリアジン類、例えば、
アメトリン、アトラジン、シアナジン、ジメタメトリン、プロメトン、プロメトリン、プロパジン、シマジン、シメトリン、テルブメトン、テルブチラジン、テルブトリンおよびトリエタジン;
V)植物成長調節剤、例えば、
ホルクロロフェヌロンおよびチジアズロン。
【0109】
群A〜Vの除草剤は例えばそれぞれの上記した出版物および“The Pesticide Manual”, The British Crop Protection Council, 13th Edition 2003またはthe e-Pesticide Manual, Version 3.0, British Crop Protection Council 2003に記載されている。
【0110】
本発明による作物植物保護化合物(I)と組み合わせて使用できる殺カビ活性化合物は好ましくは市販の活性化合物、例えば(除草剤の場合と同様、化合物はその一般名により主に表示する):2−フェニルフェノール;8−ヒドロキシキノリンサルフェート;アシベンゾラー−S−メチル;アクチノベート;アルジモルフ;アミドフルメト;アムプロピルホス;アムプロピルホス−カリウム;アンドプリム;アニラジン;アザコナゾール;アゾキシストロビン;ベナラキシル;ベノダニル;ベノミル;ベンチアバリカルブ−イソプロピル;ベンザマクリル;ベンザマクリル−イソブチル;ビナパクリル;ビフェニル;ビテルタノール;ブラスチシジン−S;ボスカリド;ブロムコナゾール;ブピリメート;ブチオベート;ブチラミン;カルシウムポリスルフィド;カプシマイシン;カプタホル;カプタン;カルベンダジム;カルボキシン;カルプロパミド;カルボン;キノメチオナト;クロベンチアゾン;クロルフェナゾール;クロロネブ;クロロタロニル;クロゾリネート;シス−1−(4−クロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)シクロヘプタノール;クロジラコン;シアゾファミド;シフルフェナミド;シモキサニル;シプロコナゾール;シプロジニル;シプロフラム;Dagger G;デバカルブ;ジクロフラニド;ジクロン;ジクロロフェン;ジクロシメト;ジクロメジン;ジクロラン;ジエトフェンカルブ;ジフェノコナゾール;ジフルメトリム;ジメチリモール;ジメトモルフ;ジモキシストロビン;ジニコナゾール;ジニコナゾール−M;ジノカップ;ジフェニルアミン;ジピリチオン;ジタリムホス;ジチアノン;ドジン;ドラゾキソロン;エジフェンホス; エポキシコナゾール;エタボキサム;エチリモール;エトリジアゾール;ファモキサドン;フェナミドン;フェナパニル;フェナリモル;フェンブコナゾール;フェンフラム;フェンヘキサミド;フェニトロパン;フェノキサニル;フェンピクロニル;フェンプロピジン;フェンプロピモルフ;フェルバム;フルアジナム;フルベンジミン;フルジオキソニル;フルメトベル;フルモルフ;フルオロミド;フルオキサストロビン;フルキンコナゾール;フルルプリミドール;フルシラゾール;フルスルファミド;フルトラニル;フルトリアホル;ホルペット;ホセチル−Al;ホセチル−ナトリウム;フベリダゾール;フララキシル;フラメトピル;フルカルバニル;フルメシクロクス;グアザチン;ヘキサクロロベンゼン;ヘキサコナゾール;ヒメキザゾール;イマザリル;イミベンコナゾール;3酢酸イミノクタジン;イミノクタジントリス(アルベシレート);ヨードカルブ;イプコナゾール;イプロベンホス;イプロジオン;イプロバリカルブ;イルママイシン;イソプロチオラン;イソバレジオン;カスガマイシン;クレソキシム−メチル;マンコゼブ;マネブ;メフェリムゾン;メパニピリム;メプロニル;メタラキシル;メタラキシル−M;メトコナゾール;メタスルホカルブ;メトフロキサム;メチル1−(2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−1H−インデン−1イル)−1H−イミダゾール−5−カルボキシレート;メチル2−[[[シクロプロピル[(4−メトキシフェニル)イミノ]メチル]チオ]メチル]−α−(メトキシメチレン)ベンゼンアセテート;メチル2−[2−[3−(4−クロロフェニル)−1−メチル−アリリデンアミノオキシメチル]フェニル]−3−メトキシアクリレート;メチラム;メトミノストロビン;メトラフェノン;メトスルホバックス;ミルジオマイシン;
【0111】
炭酸1カリウム;ミクロブタニル;ミクロゾリン;N−(3−エチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル)−3−ホルミルアミノ−2−ヒドロキシベンズアミド;N−(6−メトキシ−3−ピリジニル)シクロプロパンカルボキシアミド;N−ブチル−8−(1,1−ジメチルエチル)−1−オキサスピロ[4.5]デカン−3−アミン;ナタマイシン;ニトロタール−イソプロピル;ノビフルムロン;ヌアリモル;オフレース;オリサストロビン;オキサジキシル;オキソリン酸;オキソポコナゾール;オキシカルボキシン;オキシフェンチイン;パクロブトラゾール;ペフラゾエート;ペンコナゾール;ペンシクロン;ペンチオピラド;ホスジフェン;フタリド;ピコベンザミド;ピコキシストロビン;ピペラリン;ポリオキシンズ;ポリオキソリム;プロベナゾール;プロクロラズ;プロシミドン;プロパモカルブ;プロパノシン−ナトリウム;プロピコナゾール;プロピネブ;プロキナジド;プロチオコナゾール;ピラクロストロビン;ピラゾホス;ピリフェノクス;ピリメタニル;ピロキロン;ピロキシフル;ピロールニトリン;キノコナゾール;キノキシフェン;キントゼン;シルチオファム;シメコナゾール;テトラチオ炭酸ナトリウム;スピロキサミン;イオウ;テブコナゾール;テクロフタラム;テクナゼン;テトシクラシス;テトラコナゾール;チアベンダゾール;チシオフェン;チフルザミド;チオファネート−メチル;チラム;チアジニル;チオキシミド;トルクロホス−メチル;トリルフルアニド;トリアジメホン;トリアジメノール;トリアズブチル;トリアゾキシド;トリシクラミド;トリシクラゾール;トリデモルフ;トリフロキシストロビン;トリフルミゾール;トリホリン;トリチコナゾール;ユニコナゾール;バリダマイシンA;ビンクロゾリン;ジネブ;ジラム;ゾキサミド;(2S)−N−[2−[4−[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロピニル]オキシ]−3−メトキシフェニル]エチル]−3−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]−ブタナミド;1−(1−ナフタレニル)−1H−ピロール−2,5−ジオン;2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン;2,4−ジヒドロ−5−メトキシ−2−メチル−4−[[[[1−[3−(トリフルオロメチル)−フェニル]エチリデン]アミノ]オキシ]メチル]フェニル]−3H−1,2,3−トリアゾール−3−オン;2−アミノ−4−メチル−N−フェニル−5−チアゾールカルボキシアミド;2−クロロ−N−(2,3−ジヒドロ−1,1,3−トリメチル−1H−インデン−4−イル)−3−ピリジンカルボキシアミド;3,4,5−トリクロロ−2,6−ピリジンジカルボニトリル;3−[(3−ブロモ−6−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−1−イル)スルホニル]−N,N−ジメチル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−スルホンアミド;銅塩および銅調製物、例えばボルドー混合物;水酸化銅;ナフテン酸銅;オキシ塩化銅;硫酸銅;クフラネブ;酸化銅(I);マンコッパー;オキシン−コッパー。
【0112】
殺虫および殺ダニ活性を有する化合物は、例えば(除草剤および殺カビ剤と同様、化合物は可能な場合、それらの一般名で表示する):アラニカルブ、アルジカルブ、アルドキシカルブ、アリキシカルブ、アミノカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ブフェンカルブ、ブタカルブ、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、クロエトカルブ、ジメチラン、エチオフェンカルブ、フェノ
ブカルブ、フェノチオカルブ、ホルメタネート、フラチオカルブ、イソプロカルブ、メタ
ム−ナトリウム、メチオカルブ、メトミル、メトルカルブ、オキサミル、ピリミカルブ、プロメカルブ、プロポクスル、チオジカルブ、チオファノックス、トリメタカルブ、XMC、キシリルカルブ、アセフェート、アザメチホス、アジンホス(−メチル、−エチル)、ブロモホス−エチル、ブロムフェンビンホス(−メチル)、ブタチオホス、カヅサホス、カルボフェノチオン、クロレトキシホス、クロルフェンビホス、クロルメホス、クロルピリホス(−メチル/−エチル)、クマホス、シアノフェンホス、シアノホス、クロルフェンビンホス、デメトン−S−メチル、デメトン−S−メチルスルホン、ジアリホス、ジアジノン、ジクロロフェンチオン、ジクロルボス/DDVP、ジクロトホス、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジオキサベンゾホス、ジスルホトン、EPN、エチオン、エトプロホス、エトリムホス、ファムフール、フェナミホス、フェニトロチオン、フェンスルホチオン、フェンチオン、フルピラゾホス、ホノホス、ホルモチオン、ホスメチラン、ホスチアゼート、ヘプテノホス、ヨードフェンホス、イプロベンホス、イサゾホス、イソフェンホス、イソプロピルO−サリシレート、イソキサチオン、マラチオン、メカルバム、メタクリホス、メタミドホス、メチダチオン、メビンホス、モノクロトホス、ナレド、オメトエート、オキシデメトン−メチル、パラチオン(−メチル/−エチル)、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホスホカルブ、ホキシム、ピリミホス(−メチル/−エチル)、プロフェノホス、プロパホス、プロペタンホス、プロチオホス、プロトエート、ピラクロホス、ピリダフェンチオン、ピリダチオン、キナルホス、セブホス、スルホテプ、スルプロホス、テブピリムホス、テメホス、テルブホス、テトラクロルビンホス、チオメトン、トリアゾホス、トリクロルホン、バミドチオン、アクリナトリン、アレスリン(d−シス−トランス、d−トランス)、β−シフルスリン、ビフェンスリン、ビオアレスリン、ビオアレスリン−S−シクロペンチル−異性体、
【0113】
ビオエタノメトリン、ビオペルメトリン、ビオレスメトリン、クロバポルトリン、シス−シペルメトリン、シス−レスメトリン、シス−ペルメトリン、クロシトリン、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シペルメトリン(アルファ−、ベータ−、シータ−、ゼータ−)、シフェノトリン、デルタメトリン、エンペントリン(1R−異性体)、エスフェンバレレート、エトフェンプロクス、フェンフルトリン、フェンプロパトリン、フェンピリトリン、フェンバレレート、フルブロシトリネート、フルシトリネート、フルフェンプロクス、フルメトリン、フルバリネート、フブフェンプロクス、ガンマ−シハロトリン、イミプロトリン、カデトリン、ラムダ−シハロトリン、メトフルトリン、ペルメトリン(シス−、トランス−)、フェノトリン(1R−トランス異性体)、プラレトリン、プロフルトリン、プロトリフェンブト、ピレスメトリン、レスメトリン、RU15525、シラフルオフェン、タウ−フルバリネート、テフルトリン、テラレトリン、テトラメトリン(−1R−異性体)、トラロメトリン、トランスフルトリン、ZXI8901、ピレスリン(ピレスラム)、DDT、インドキサカルブ、アセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、ニテンピラム、ニチアジン、チアクロプリド、チアメトキサム、ニコチン、ベンスルタップ、カルタップ、カンフェクロル、クロルダン、エンドスルファン、ガンマ−HCH、HCH、ヘプタクロル、リンダン、メトキシクロルスピノサド、アセトプロール、エチプロール、フィプロニル、バニリプロール、アベルメクチン、エマメクチン、エマメクチン−ベンゾエート、イベルメクチン、ミルベマイシン、ジオフェノラン、エポフェノナン、フェノキシカルブ、ヒドロプレン、キノプレン、メトプレン、ピリプロキシフェン、トリプレン、クロマフェノジド、ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド、ビストリフルロン、クロフルアズロン、ジフベンズロン、フルアズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン、ペンフルロン、テフルベンズロン、トリフルムロン、ブプロフェジン、シロマジン、ジアフェンチウロン、アゾシクロチン、シヘキサチン、フェンブタチン−オキシド、クロルフェナピル、ビナパシル、ジノブトン、ジノカップ、DNOC、フェナザキン、フェンピロキシメート、ピリミジフェン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド、ヒドラメチルノン、ジコホール、ロテノン、アセキノシル、フルアクリピリム、バチルス・チューリンゲンシス菌株、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、3−(2,5−ジメチルフェニル)−8−メトキシ−2−オキソ−1−アザスピロ[4.5]デカ−3−エン−4−イルエチルカーボネート(別名:炭酸、3−(2,5−ジメチルフェニル)−8−メトキシ−2−オキソ−1−アザスピロ[4.5]デカ−3−エン−4−イルエチルエステル、CAS−Reg.No.:382608−10−8)および炭酸、シス−3−(2,5−ジメチルフェニル)−8−メトキシ−2−オキソ−1−アザスピロ[4.5]デカ−3−エン−4−イルエチルエステル(CAS−Reg.No.:203313−25−1)、フロニカミド、アミトラズ、プロパルギット、N2−[1,1−ジメチル−2−(メチルスルホニル)エチル]−3−ヨード−N1−[2−メチル−4−[1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]−1,2−ベンゼンジカルボキシアミド(CAS−Reg.No.:272451−65−7)、シュウ酸水素チオシクラム、チオスルタップ−ナトリウム、アザジラクチン、バチルス種、ボーベリア種、コドレモン、メタリジウム種、ペシロマイセス種、ツリンゲンシン、ヴェルチシリウム種、リン化アルミニウム、臭化メチル、フッ化スルフリル、クリオライト、フロニカミド、ピメトロジン、クロフェンテジン、エトキサゾール、ヘキシチアゾクス、アミドフルメット、ベンクロチアズ、ベンゾキシメート、ビフェナゼート、ブロモプロピレート、ブプロフェジン、キノメチオネート、クロルジメホルム、クロロベンジレート、クロロピクリン、クロチアゾベン、シクロプレン、ジシクラニル、フェノキサクリム、フェントリファニル、フルベンジミン、フルフェネリム、フルテンジン、ゴシプルール、ヒドラメチルノン、ジャポニルール、メトキサジアゾン、石油、ピペロニルブトキシド、オレイン酸カリウム、ピリダリル、スルフラミド、テトラジホン、テトラスル、トリアラテン、ベルブチン。
【0114】
それら自体または除草剤とともに植物に損傷をもたらす場合がある殺虫剤は、例えば以下を含む:
有機リン酸エステル、例えばテルブホス(Counter(R))、ホノホス(Dyfonate(R))、ホレート(Thimet(R))、クロルピリホス(Reldan(R))、カーバメート類、例えばカルボフラン(Furadan(R))、ピレスロイド殺虫剤、例えばテフルトリン(Force(R))、デルタメトリン(Decis(R))およびトラロメトリン(Scout(R))および異なる作用機序を有する他の殺虫剤。
【0115】
式(I)の化合物および上記した農薬の1つまたはそれ以上とのそれらの組み合わせは一般的な物理化学および生物学的なパラメーターに応じて種々の方法で製剤化できる。適当な製剤の種類は以下の通りである。
【0116】
乳剤、これは活性化合物を、有機溶媒、例えばブタノール、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、キシレンまたは他の比較的高沸点の炭化水素または有機溶媒の混合物中で、イオン性および/または非イオン性の界面活性剤1つまたはそれ以上を添加しながら溶解することにより製造する(乳化剤)。適当な乳化剤は例えばカルシウムアルキルアリールスルホネート類、脂肪酸ポリグリコールエステル類、アルキルアリールポリグリコールエーテル類、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、プロピレンオキシド/エチレンオキシド凝縮物、アルキルポリエーテル類、ソルビタンエステル類およびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;
【0117】
粉剤、これは活性化合物を微細分散の無機または有機の物質、例えばタルク、天然粘土、例えばカオリン、ベントナイトおよびピロフィライト、珪藻土またはミールと共に粉砕することにより得られる;
水系または油系のフロアブル剤、これは例えばビーズミルを用いて湿式粉砕することにより製造できる;
水溶性粉末;
水溶性濃縮物;
粒剤、例えば水溶性粒剤、水分散性粒剤およびブロードキャスティングおよび土壌施用による施用のための粒剤;
湿潤粉末、これは活性化合物の他に希釈剤または不活性物質および界面活性剤を含有する;
カプセル懸濁液およびマイクロカプセル;
超低容量製剤。
【0118】
上記した製剤型は当業者が知る通りであり、そして、例えばK.Martens, 「Spray Drying Handbook」, 3rd Ed., G.Goodwin Ltd., London, 1979;W.van Valkenburg, 「Pesticide Formulations」, Marcel Dekker, N.Y.1973;Winnaker-Kuchler, 「Chemische Technologie」[Chemical Technology], volume 7, C.Hanser Verlag Munich, 4th edition 1986;「Perry’s Chemical Engineer's Handbook」, 5th Ed., McGraw-Hill, N.Y.1973, p.8-57に記載されている。
【0119】
必要とされる製剤助剤、例えば不活性物質、界面活性剤、溶媒および他の添加剤も知られており、そして例えばMcCutcheon, 「Detergents and Emulsifiers Annual」, MC Publ.Corp., Ridgewood N.J.;C.Marsden, 「Solbents Guide」, 2nd ED., Interscience,N.Y.1963;H.von Olphen, 「Introduction to Clay Colloid Chemistry」, 2nd Ed., J.Wiley & Sons, N.Y.;Schonfeldt, 「Grenzflachenaktive Athylenoxidaddukte」[Surface-active ethylene oxide adducts], Wiss.Verlagsgesellschaft, Stuttgart 1976;Sisley and Wood,「Encyclopedia of Surface Active Agents」, Chem.Publ.Co.Inc., N.Y.1964;Watkins, 「Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers」, 2nd Ed., Darland Books, Caldwell N.J.;Winnacker-Kuchler, 「Chemische Technologie」, Volume 7, C.Hanser Verlag Munich, 4th edition 1986に記載されている。
【0120】
上記した製剤助剤のほかに、有用植物保護組成物は適宜、慣用的な濃厚化剤、水和剤、分散剤、浸透剤、乳化剤、保存料、凍結防止剤、充填剤、担体、着色料、消泡剤、蒸発防止剤およびpHまたは粘度の調節剤を含んでよい。
【0121】
製剤の種類に応じて、有用植物保護組成物は一般的に式Iの薬害軽減剤1つまたはそれ以上または薬害軽減剤と農薬の組み合わせ0.1〜99質量%、特に0.2〜95質量%を含む。更にまた、個体または液体の添加剤1つまたはそれ以上を1〜99.9、特に4〜99.5質量%、および、界面活性剤0〜25、特に0.1〜25質量%を含む。乳剤の場合、活性化合物の濃度、即ち薬害軽減剤および/または農薬の濃度は一般的に1〜90、特に5〜80質量%である。粉剤は通常、活性化合物1〜30、好ましくは5〜20質量%を含む。水和剤においては、活性化合物の濃度は一般的に10〜90質量%である。水分散性粒剤においては、活性化合物の含有量は例えば1〜95質量%、好ましくは10〜80質量%である。
【0122】
使用のためには、市販の形態で存在する製剤は、適宜、慣用的な態様において、例えば水和剤、乳剤、分散剤および水分散性粒剤の場合は水で希釈する。粉剤、粒剤および噴霧溶液の形態の製剤は通常、別の不活性物質で使用前に全く希釈しない。薬害軽減剤の必要な施用率は外部条件、例えば特に温度、湿度および使用する除草剤の種類により変動する。
【0123】
本発明を説明するものであるが、これを限定しない下記実施例において、量は特段の記載が無い限り質量に基づくものである。
【実施例】
【0124】
A)化学実施例
本発明の式(I)の化合物の実施例を以下の表にまとめる。表1中:
Comp.=化合物
c=シクロ
i=イソ
n=ノルマル(直鎖)
s=第2
t=第3
Ac=アセチル
Bu=n−ブチル
n−Bu=n−ブチル
Et=エチル
Me=メチル
n−Pr=n−プロピル
i−Pr=イソプロピル
c−Pr=シクロプロピル
i−Pen=イソペンチル
(R3)n=Hとはn=0、即ち置換基R3が存在しない(即ち未置換の骨格のみ)を意味する。
(R3)n=3−MeとはメチルがR1に対してメタ位であり−Z−R2に対してオルト位であることを意味する(上記式(I)における環原子の番号付けは表参照)。
【0125】
【表1】

【0126】
【表2】

【0127】
【表3】

【0128】
【表4】

【0129】
【表5】

【0130】
【表6】

【0131】
【表7】

【0132】
【表8】

【0133】
【表9】

【0134】
【表10】

【0135】
【表11】

【0136】
【表12】

【0137】
【表13】

【0138】
【表14】

【0139】
【表15】

【0140】
【表16】

【0141】
【表17】

【0142】
【表18】

【0143】
【表19】

【0144】
【表20】

【0145】
【表21】

【0146】
【表22】

【0147】
【表23】

【0148】
【表24】

【0149】
【表25】

【0150】
【表26】

【0151】
【表27】

【0152】
【表28】

【0153】
【表29】

【0154】
【表30】

【0155】
【表31】

【0156】
【表32】

【0157】
【表33】

【0158】
【表34】

【0159】
【表35】

【0160】
【表36】

【0161】
【表37】

【0162】
【表38】

【0163】
【表39】

【0164】
【表40】

【0165】
【表41】

【0166】
【表42】

【0167】
【表43】

【0168】
B.製剤実施例
a)粉剤は式(I)の化合物または式(I)の化合物と農薬の組み合わせ10質量部および不活性物質としてのタルク90質量部を混合し、そしてハンマーミル内でこの混合物を
粉砕することにより得られる。
b)水中で容易に分散できる水和剤は、式(I)の化合物または式(I)の化合物と農薬の組み合わせ25質量部、不活性物質としてカオリン含有石英64質量部、水和剤および分散剤としてのリグノスルホン酸カリウム10質量部およびオレオイルメチルタウリン酸ナトリウム1質量部を混合し、そして混合物をピンディスクミル中で粉砕することにより得られる。
c)水中で容易に分散できる分散剤は、式(I)の化合物または式(I)の化合物と農薬の組み合わせ20質量部とアルキルフェノールポリグリコールエーテル((R)TritonX207)6質量部、イソトリデカノールポリグリコールエーテル(8EO)3質量部およびパラフィン系鉱物油(沸点範囲例えば約255〜277℃超)71質量部を混合し、そして混合物を5ミクロン未満の細粒度となるまでボールミル中で粉砕することにより得られる。
d)乳剤は、式(I)の化合物または式(I)の化合物と農薬の組み合わせ15質量部。溶媒としてシクロヘキサノン75質量部および乳化剤としてエトキシル化ノニルフェノール10質量部から得られる。
【0169】
e)水分散性粒剤は、下記成分:
式(I)の化合物または式(I)の化合物と農薬の組み合わせ75質量部、
リグノスルホン酸カルシウム10質量部、
ラウリル硫酸ナトリウム5質量部、
ポリビニルアルコール3質量部、および、
カオリン7質量部、
を混合し、混合物をピンディスクミルで粉砕し、そして造粒液体として水上に噴霧することにより流動床内で粉末を顆粒化することにより得られる。
f)水分散性粒剤もまた、コロイドミル上で下記成分:
式(I)の化合物または式(I)の化合物と農薬の組み合わせ25質量部、
2,2’−ジナフチルメタン−6,6’−ジスルホン酸ナトリウム5質量部、
オレオイルメチルタウリン酸ナトリウム2質量部、
ポリビニルアルコール1質量部、
炭酸カルシウム17質量部、および、
水50質量部、
をホモゲナイズおよび予備粉砕し、その後混合物をビーズミル内で粉砕し、得られた懸濁物を単物質ノズルを用いて噴霧塔内で霧状化および乾燥することにより得られる。
【0170】
C)生物学的実施例
C1)噴霧施用としてのタンクミックス中の除草剤および薬害軽減剤
C1.1)タンクミックス法による除草剤および薬害軽減剤の発芽前施用
種々の作物植物および雑草種の種子を直径13cmの丸型プラスチックポット内の砂質壌土に播種し、約1cmの厚みの砂質壌土の層で被覆した。液体(例えば乳剤)または乾燥(例えば水分散性粉末)した製剤の形態の除草剤および薬害軽減剤を脱イオン水で希釈して所要の濃度とし、そして1ヘクタール当たり300リットルの水散布率を用いてスプレーバーにより土壌表面に施用した。以下に示す実験において、薬害軽減剤は20パーセント濃度の水分散性粉末として使用し、除草剤イソキサフルトールは水性フロアブル剤として使用した(表1.1.1参照)。
【0171】
ポットを良好な生育条件下で温室内に入れた。除草剤の作用の目視による評点を除草剤施用後4週間目に実施した。評価は未処理の対照植物との比較によりパーセント基準で行った(0%=未処理植物と比較して検知可能な作用無し、100%=処理植物死滅)。
【0172】
【表44】

【0173】
C1.2)タンクミックス法による除草剤および薬害軽減剤の発芽後施用
種々の作物植物および雑草種の種子を直径13cmの丸型プラスチックポット内の砂質壌土に播種し、約1cmの厚みの砂質壌土の層で被覆した。ポットを約2〜3週間の期間良好な生育条件下で温室内に入れ、植物を2〜4葉の成長段階まで生育させた。液体(例えば乳剤)または乾燥(例えば水分散性粉末)した製剤の形態の除草剤を標準的な添加剤(ナタネ油メチルエステル系)と混合し、脱イオン水で希釈して所要の濃度とし、1ヘクタール当たり300リットルの水散布率を用いてスプレーバーにより植物の緑色部分および土壌表面の非被覆部分に施用した。以下に示す実験において、薬害軽減剤および除草剤のホラムスルフロンは各々20パーセント濃度の水分散性粉末として使用した(結果は表1.2.1参照)。
【0174】
ポットを良好な生育条件下で温室内に入れた。除草剤の作用の目視による評点を除草剤施用後4週間目に実施した。評価は未処理の対照植物との比較によりパーセント基準で行った(0%=未処理植物と比較して検知可能な作用無し、100%=処理植物死滅)。
【0175】
【表45】

【0176】
C2)種子粉衣としての薬害軽減剤およびその後の除草剤の噴霧施用
C2.1)種子粉衣
薬害軽減剤の各施用率のために必要な作物植物種子の数量を計算した。十分な種子をスクリューキャップつきのガラス瓶に計量して入れた。ガラス瓶の容量は計量した種子の約2倍となるようにした。
薬害軽減剤は20パーセント濃度の水分散性粉末として製剤化した。これらの製剤を所要の施用率となるように計量した(活性成分g/kg種子)。試料をガラス容器中の種子に添加し、次に適当な種子粉衣を形成するために十分な水を添加した。ガラス瓶を閉鎖し、次にオーバーヘッドシェーカーに取り付ける(1時間の期間、適度な速度で瓶を回転させた)ことにより、種子が種子粉衣で均一に被覆されるようにした。瓶を開放し、以下に記載する通り種子を発芽前または発芽後の実験に使用する準備をした。
【0177】
C2.2)薬害軽減剤による種子粉衣の後の除草剤の発芽前施用
薬害軽減剤で処理してある種子および対照としての未処理種子を直径13cmの丸型プラスチックポット内の砂質壌土に播種し、約1cmの厚みの砂質壌土の層で被覆した。液体(例えば乳剤)または乾燥(例えば水分散性粉末)した製剤の形態の除草剤を脱イオン水で希釈して所要の濃度とし、1ヘクタール当たり300リットルの水散布率を用いてスプレーバーにより土壌表面に施用した。以下に示す2実験(結果は表2.2.1および2.2.2参照)において、除草剤イソキサフルトールは水性フロアブル剤として使用した。
【0178】
ポットを良好な生育条件下で温室内に入れた。除草剤の作用の目視による評点を除草剤施用後4週間目に実施した。評価は未処理の対照植物との比較によりパーセント基準で行った(0%=未処理植物と比較して検知可能な作用無し、100%=処理植物死滅)。
【0179】
【表46】

【0180】
【表47】

【0181】
C2.3)薬害軽減剤による種子粉衣後の除草剤の発芽後施用
薬害軽減剤で処理された種子および未処理種子を直径13cmの丸型プラスチックポット内の砂質壌土に播種し、約1cmの厚みの砂質壌土の層で被覆した。ポットを約2〜3週間の期間良好な生育条件下で温室内に入れ、植物を2〜4葉の成長段階まで生育させた。液体(例えば乳剤)または乾燥(例えば水分散性粉末)した製剤の形態の除草剤を標準的な添加剤(ナタネ油メチルエステル系)と混合し、脱イオン水で希釈して所要の濃度とし、1ヘクタール当たり300リットルの水散布率を用いてスプレーバーにより植物の緑色部分および土壌表面の非被覆部分に施用した。以下に示す実験において、除草剤のホラムスルフロンは20パーセント濃度の水分散性粉末として使用した(結果は表2.3.1参照)。
【0182】
ポットを良好な生育条件下で温室内に入れた。除草剤の作用の目視による評点を除草剤施用後4週間目に実施した。評価は未処理の対照植物との比較によりパーセント基準で行った(0%=未処理植物と比較して検知可能な作用無し、100%=処理植物死滅)。
【0183】
【表48】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
作物植物または有用植物における農業用薬品の植物毒性作用に対するこれらの植物のための薬害軽減剤としての、下記式(I):
【化1】

[式中、R1はカルボキシルまたはカルボキシル基の誘導体、好ましくは下記式:
−CN、または、
−C(=X)−Y−R、または、
−C(=X)−Het
の基であり;
ここで、
Xは式O、S、NRaまたはN−NRabの2価の基であり、ここでRaおよびRbは後述するとおり定義され、
Yは式O、S、NRcまたはNRc−NRdeの基であり、ここでRc、RdおよびReは後述するとおり定義され、
Rは水素または未置換もしくは置換された炭化水素基または未置換もしくは置換された複素環基またはアシルであり、そして、
Hetは基C(=X)に複素環窒素原子を介して結合し、そして複素環原子としてイル位にある窒素原子のほかに、N、OおよびSよりなる群から選択される別のヘテロ原子を含有してよく、そして未置換または置換されている複素環環原子合計1〜4つを有する脂肪族窒素複素環であり、
ここで各々の場合相互に独立し、そして基Rと独立して、基XおよびY中の基Ra、Rb、Rc、RdおよびReの各々はRと同様に定義されるか、または、式−OR*の基であり、ここでR*はRとは独立して、Rと同様に定義され、
2は水素または未置換もしくは置換された炭化水素基または未置換もしくは置換された複素環基であるか、またはZ=OもしくはSである場合は、アシル基でもあり、
(R3)nはR3基n個であり、ここでR3基の各々は相互に独立して基ハロゲン、SCN、CN、未置換もしくは置換された炭化水素基、未置換もしくは置換された複素環基および式−Z*−Aの基よりなる群から選択され、
ここで、
*は式OまたはS(O)xの基であり、ここでx=0、1または2であり、そして、
Aは水素または未置換もしくは置換された炭化水素基または未置換もしくは置換された複素環基またはアシル基であるが、ただしA=アシルである場合はZ*はOまたはSでのみあってよく、
Zは式OまたはS(O)xの基であり、ここでx=0、1または2であり、そして、
nは整数0、1、2、3または4である]
の化合物またはその塩の使用。
【請求項2】
式(I)中、
1は式−C(=X)−Y−Rまたは−C(=X)−Hetの基であり、
ここで、
Xは式O、S、NRaまたはN−NRabの2価の基であり、ここでRaおよびRbは後述するとおり定義され、そして
Yは式O、S、NRcまたはNRc−NRdeの基であり、ここでRc、RdおよびReは後述するとおり定義され、そして、
Rは水素、(C1−C18)−アルキル、(C2−C18)−アルケニル、(C2−C18)−アルキニル、(C3−C9)−シクロアルキル、(C5−C9)−シクロアルケニル、(C3−C9)−シクロアルキル−(C1−C12)−アルキル、フェニル、フェニル−(C1−C12)−アルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリル−(C1−C12)−アルキル
[ここで、後者10基の各々は未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、ニトロ、チオシアナト、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルコキシ、(C2−C4)−アルケニルオキシ、(C2−C4)−ハロアルケニルオキシ、(C1−C4)−アルキルチオ、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルフィニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルホニル、モノ(C1−C4)−アルキルアミノ、ジ(C1−C4)−アルキルアミノ、(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、[(C1−C4)−ハロアルコキシ]カルボニル、アミノカルボニル、モノ[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ジ[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ならびに環状基の場合は、更に、(C1−C4)−アルキルおよび(C1−C4)−ハロアルキルよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されている]、
または、
(C1−C6)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、[(C1−C4)−ハロアルコキシ]カルボニル、フェニルカルボニル、フェノキシカルボニル、[フェニル−(C1−C4)−アルキル]カルボニル、[フェニル−(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル(ここで後者4基の各々のフェニル環は未置換であるか、または置換されている)、アミノカルボニル、モノ[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ジ[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルフィニルまたは(C1−C4)−ハロアルキルスルホニルであり、ここでRは置換基も含めて、炭素原子1〜30個を有するものであり、そして
Hetは基C(=X)に複素環窒素環原子を介して結合し、そして複素環環原子としてイル位にある窒素原子のほかに、N、OおよびSよりなる群から選択される別のヘテロ原子を含有してよく、そして、未置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルキル、(C1−C4)−ハロアルコキシ、(C1−C4)−アルキルチオおよびオキソよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されている、複素環環原子合計1〜3個および環原子合計5または6個を有する脂肪族窒素複素環であり、
ここで各々の場合相互に、そして基Rと独立して、基XおよびY中の基Ra、Rb、Rc、RdおよびReの各々はRと同様に定義されるか、または、式−OR*の基であり、ここでR*はRとは独立して、Rと同様に定義され、
2は水素、(C1−C18)−アルキル、(C2−C18)−アルケニル、(C2−C18)−アルキニル、(C3−C9)−シクロアルキル、(C5−C9)−シクロアルケニル、(C3−C9)−シクロアルキル−(C1−C12)−アルキル、フェニル、フェニル−(C1−C12)−アルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリル−(C1−C12)−アルキル
[ここで、後者10基の各々は未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、ニトロ、チオシアナト、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルコキシ、(C2−C4)−アルケニルオキシ、(C2−C4)−ハロアルケニルオキシ、(C1−C4)−アルキルチオ、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルフィニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルホニル、モノ(C1−C4)−アルキルアミノ、ジ(C1−C4)−アルキルアミノ、(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、[(C1−C4)−ハロアルコキシ]カルボニル、アミノカルボニル、モノ[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ジ[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ならびに環状基の場合は、更に、(C1−C4)−アルキルおよび(C1−C4)−ハロアルキルよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されている]、
または、ZがOまたはSである場合はアシル基であり、
ここでR2は置換基を含めて炭素原子1〜30個を有し、そして、
(R3)nはR3基n個であり、ここでR3基の各々は相互に独立して基ハロゲン、SCN、CN、および(C1−C18)−アルキル、(C2−C18)−アルケニル、(C2−C18)−アルキニル、(C3−C9)−シクロアルキル、(C5−C9)−シクロアルケニル、(C3−C9)−シクロアルキル−(C1−C12)−アルキル、フェニル、フェニル−(C1−C12)−アルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロシクリル−(C1−C12)−アルキル
[ここで、後者10基の各々は未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、ニトロ、チオシアナト、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルコキシ、(C2−C4)−アルケニルオキシ、(C2−C4)−ハロアルケニルオキシ、(C1−C4)−アルキルチオ、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルフィニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルホニル、モノ(C1−C4)−アルキルアミノ、ジ(C1−C4)−アルキルアミノ、(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、[(C1−C4)−ハロアルコキシ]カルボニル、アミノカルボニル、モノ[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ジ[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ならびに環状基の場合は、更に、(C1−C4)−アルキルおよび(C1−C4)−ハロアルキルよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されている]、
ならびに式−Z*−Aの基よりなる群から選択され、
ここで、
*は式OまたはS(O)xの基であり、ここでx=0、1または2であり、そして、
Aは水素または、
(C1−C18)−アルキル、(C2−C18)−アルケニル、(C2−C18)−アルキニル、(C3−C9)−シクロアルキル、(C5−C9)−シクロアルケニル、(C3−C9)−シクロアルキル−(C1−C12)−アルキル、フェニル、フェニル−(C1−C12)−アルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリル−(C1−C12)−アルキル
[ここで、後者10基の各々は未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、ニトロ、チオシアナト、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルコキシ、(C2−C4)−アルケニルオキシ、(C2−C4)−ハロアルケニルオキシ、(C1−C4)−アルキルチオ、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルフィニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルホニル、モノ(C1−C4)−アルキルアミノ、ジ(C1−C4)−アルキルアミノ、(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、[(C1−C4)−ハロアルコキシ]カルボニル、アミノカルボニル、モノ[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ジ[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ならびに環状基の場合は、更に、(C1−C4)−アルキルおよび(C1−C4)−ハロアルキルよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されている]、
または、アシル基であり、ただしA=アシルである場合はZ*はOまたはSでのみあることができ、
Zは式OまたはS(O)xの基であり、ここでx=0、1または2であり、そして、
nは整数0、1、2、3または4である、
請求項1記載の使用。
【請求項3】
式(I)中、
1は式−C(=X)−Y−Rまたは−C(=X)−Hetの基であり、
ここで、
Xは式O、S、NRaまたはN−NRabの2価の基であり、ここでRaおよびRbは後述するとおり定義され、
Yは式O、S、NRcまたはNRc−NRdeの基であり、ここでRc、RdおよびReは後述するとおり定義され、
Rは水素、(C1−C12)−アルキル、(C2−C12)−アルケニル、(C2−C12)−アルキニル、(C3−C6)−シクロアルキル、(C5−C6)−シクロアルケニル、(C3−C6)−シクロアルキル−(C1−C4)−アルキル、フェニル、フェニル−(C1−C4)−アルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリル−(C1−C4)−アルキル
[ここで、後者10基の各々は未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルコキシ、(C2−C4)−アルケニルオキシ、(C2−C4)−ハロアルケニルオキシ、(C1−C4)−アルキルチオ、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルフィニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルホニル、モノ(C1−C4)−アルキルアミノ、ジ(C1−C4)−アルキルアミノ、(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、[(C1−C4)−ハロアルコキシ]カルボニル、アミノカルボニル、モノ[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ジ[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ならびに環状基の場合は、更に、(C1−C4)−アルキルおよび(C1−C4)−ハロアルキルよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されている]、
または、
(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、[(C1−C4)−ハロアルコキシ]カルボニル、フェニルカルボニル、フェノキシカルボニル、[フェニル−(C1−C4)−アルキル]カルボニル、[フェニル−(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、アミノカルボニル、モノ[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ジ[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルフィニルまたは(C1−C4)−ハロアルキルスルホニルであり、そして
Hetは各々の場合窒素環原子を介して結合しており、そして、未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルキル、(C1−C4)−ハロアルコキシ、(C1−C4)−アルキルチオおよびオキソよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上により置換されている、ピペラジニル、ピペリジニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニルおよびモルホリニルよりなる群から選択される脂肪族窒素複素環の基であり、
ここで各々の場合相互に、そして基Rと独立して、基XおよびY中の基Ra、Rb、Rc、RdおよびReの各々はRと同様に定義されるか、または、式−OR*の基であり、ここでR*はRとは独立して、Rと同様に定義される、
請求項1または2記載の使用。
【請求項4】
式(I)中、
2は水素、(C1−C12)−アルキル、(C2−C12)−アルケニル、(C2−C12)−アルキニル、(C3−C6)−シクロアルキル、(C5−C6)−シクロアルケニル、(C3−C6)−シクロアルキル−(C1−C6)−アルキル、フェニル、フェニル−(C1−C6)−アルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリル−(C1−C6)−アルキル
[ここで、後者10基の各々は未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、ニトロ、チオシアナト、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルコキシ、(C2−C4)−アルケニルオキシ、(C2−C4)−ハロアルケニルオキシ、(C1−C4)−アルキルチオ、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルフィニル、(C1−C4)−ハロアルキルスルホニル、モノ(C1−C4)−アルキルアミノ、ジ(C1−C4)−アルキルアミノ、(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、[(C1−C4)−ハロアルコキシ]カルボニル、アミノカルボニル、モノ[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ジ[(C1−C4)−アルキルアミノ]カルボニル、ならびに環状基の場合は、更に、(C1−C4)−アルキルおよび(C1−C4)−ハロアルキルよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されている]、
または、ZがOまたはSである場合はアシル基であり、
Zは式OまたはS(O)xの基であり、ここでx=0、1または2である、
請求項1〜3のいずれかに記載の使用。
【請求項5】
式(I)中、
(R3)nはR3基n個であり、ここでR3基の各々は相互に独立して基ハロゲン、SCN、CN、および(C1−C4)−アルキル、(C2−C4)−アルケニル、(C2−C4)−アルキニルおよび(C3−C6)−シクロアルキル
[ここで、後者4基の各々は未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルコキシ、(C1−C4)−アルキルチオ、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、ならびに環状基の場合は、更に、(C1−C4)−アルキルおよび(C1−C4)−ハロアルキルよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されている]、
ならびに式−Z*−Aの基よりなる群から選択され、
ここで、
*は式OまたはS(O)xの基であり、ここでx=0、1または2であり、そして、
Aは水素または、
(C1−C4)−アルキル、(C2−C4)−アルケニル、(C2−C4)−アルキニル、(C3−C6)−シクロアルキル
[ここで、後者4基の各々は未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルコキシ、(C1−C4)−アルキルチオ、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−アルカノイル、(C1−C4)−ハロアルカノイル、[(C1−C4)−アルコキシ]カルボニル、ならびに環状基の場合は、更に、(C1−C4)−アルキルおよび(C1−C4)−ハロアルキルよりなる群から選択される基1つまたはそれ以上で置換されている]、
または、アシル基であり、ただしA=アシルである場合はZ*はOまたはSでのみあることができる、
請求項1〜4のいずれかに記載の使用。
【請求項6】
式(I)中、n=0、1または2である、請求項1〜5のいずれかに記載の使用。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の式(I)の化合物またはその塩を植物における農業用薬品の植物毒性作用における薬害軽減剤として使用する、請求項1〜6のいずれかに記載の使用。
【請求項8】
除草剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤および殺カビ剤よりなる群から選択される農薬の植物毒性作用に対する薬害軽減剤として式(I)の化合物またはその塩を使用する、請求項7記載の使用。
【請求項9】
植物、植物の部分、植物の種子に対して、農業用薬品の前、後または同時に請求項1〜6のいずれかに記載の式(I)の化合物またはその塩1種またはそれ以上の有効量を施用することを含む、農業用薬品の植物毒性副作用に対抗して有用植物または作物植物を保護するための方法。
【請求項10】
施用が発芽後法による請求項9記載の方法。
【請求項11】
施用が植物種子を処理することによる請求項9記載の方法。
【請求項12】
施用が発芽前法による請求項9記載の方法。
【請求項13】
請求項1〜6のいずれかに記載の式(I)の化合物またはその塩および製剤補助剤を含む作物保護組成物。
【請求項14】
農業用薬品1種またはそれ以上を更に含む請求項13記載の作物保護組成物。

【公表番号】特表2007−501197(P2007−501197A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522272(P2006−522272)
【出願日】平成16年7月23日(2004.7.23)
【国際出願番号】PCT/EP2004/008233
【国際公開番号】WO2005/015994
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(500137954)バイエル クロップサイエンス ゲーエムベーハー (31)
【Fターム(参考)】