説明

薬液噴出器

【課題】薬液パックを、ノズルユニットに簡単に連結できると共に、簡単にケース内に取り付けることができる薬液噴出器を提供する。
【解決手段】ケース3内に薬液パック5を交換自在に収納し、ポンプ式のノズルユニット4から薬液を噴出する薬液噴出器である。ノズルユニット5は連結部45を介して薬液パック5の下端部に着脱自在に連結される。ケース3は、ケース本体10と、該ケース本体の前面を開閉自在に覆う前カバー11とを備えている。ケース本体10内には、薬液パック用の載置壁31及び前支持壁32を有する薬液パック収納部30と、薬液パック収納部30よりも下方位置に配置されノズルユニット4が前方から取り付け可能なノズル取付部7とを備えている。前支持壁32は前方から薬液パック5が通過可能な第1の開口34を有し、載置壁31は連結部45が前方から通過可能な第2の開口35を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケース内に薬液パックを交換自在に収納し、該薬液パックに連結されたポンプ式のノズルユニットから、薬液パック内の薬液を噴出する薬液噴出器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の薬液噴出器は、主として手洗い場等に於ける液状石けん供給器又は消毒液供給器等として用いられており、維持管理において、薬液パックが空になると、使用済みの薬液パックを取り出し、新しい薬液パックが収納される。
【0003】
図14は、従来の壁掛け式の流動体取り出し装置を示しており(特許文献1)、該装置は、筒型の容器本体101と、該容器本体101の下端部に固着された台部102と、該台部102から前方に突出すると共に前端部にノズル部104を有するポンプ手段103と、該ポンプ手段103に連通すると共に台部102から上方に突出する吸い込み管106と、容器本体101に上端に着脱自在に配置された蓋体108等とから構成されている。容器本体101は、図示しないが吸盤等により壁面に固着され、前記吸い込み管106の上端部は斜めにカットされた尖端部106aとなっている。薬液パック107は、蓋体108を外した容器本体101内に上方から挿入され、下方へ押し込まれることにより、吸い込み管106の尖端部106aが薬液パック107の下面に突き刺さり、穿孔された後、台部102の上壁に載置される。
【0004】
別の従来例として、特許文献2に記載されているような折り畳み式石けんディスペンサーがあり、下端に接続部を備えた折り畳み式の薬液パックを、台部に固定されたノズルユニットに上方から着脱自在に接続するように構成されている。
【特許文献1】特許3558387号
【特許文献2】特許3739793号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図14に示す特許文献1の流動体取り出し装置では、ノズル部104を有するポンプ手段103は、台部102に取り外し不能に固定されているので、ポンプ手段103が詰まった時には、台部102と共にポンプ手段103を交換する必要があり、不経済である。また、薬液パック107を交換する際には、薬液パック107を上方から狭い容器内に挿入し、しかも、強く押し下げて穿孔する必要があるので、薬液パック107の交換作業に手間がかかると共に、薬液パック107を強く押し過ぎて、台部102を壁から脱落させるおそれがある。さらに、吸い込み管106で突き刺した孔から薬液が漏れるおそれもある。
【0006】
特許文献2の従来例でも、台部にノズルユニットが取り外し不能に固定されており、ノズルユニットが詰まった時には台部と共に薬液パックを交換する必要があり、不経済である。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、薬液パック及びノズルユニットを、前方から簡単にケース内に装着できる薬液噴出器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、ケース内に薬液パックを交換自在に収納し、該薬液パックに連結されたポンプ式のノズルユニットから、薬液パック内の薬液を噴出する、薬液噴出器において、ノズルユニットは連結部を介して薬液パックの下端部に着脱自在に連結され、ケースは、薬液パックが収納されるケース本体と、該ケース本体の前面を開閉自在に覆うと共に前記ノズルユニットが前方に突出する前カバーと、を備え、ケース本体内には、薬液パックを載置する載置壁及び薬液パックを前方から支持する前支持壁を有する薬液パック収納部と、該薬液パック収納部よりも下方位置に配置されてノズルユニットが前方から取り付け可能なノズル取付部と、を備え、薬液パック収納部の前支持壁は、前方から薬液パックが通過可能な第1の開口を有し、薬液パック収納部の載置壁は、連結部が前方から通過可能な第2の開口を有し、連結部を介して連結された薬液パックとノズルユニットとが、薬液パック収納部及びノズル取付部に、前方から第1及び第2の開口を通して取り付けられるようになっている。
【0009】
上記構成において、薬液パックの交換に際には、前カバーを開き、使用済みの薬液パックをノズルユニットと共にケース本体から取り出し、ケース外において、新しい薬液パックを、連結部を介してノズルユニットノズルに連結する。その後、薬液パック、連結部及びノズルユニットの一体物を、ケース本体の前方から、第1及び第2の開口を通過させ、薬液パックを薬液パック収納部内に収納すると同時に、ノズルユニットをノズル取付部に取り付ける。すなわち、薬液パックとノズルユニットとを、ケース外で、薬液を漏らすことなく簡単に連結できると共に、連結した薬液パックとノズルユニットとを、ケース本体内に前方から簡単に装着することができ、薬液パックの交換作業が、簡単かつ確実に行える。
【0010】
また、ノズルユニットがケース及び薬液パックに対して着脱自在であるので、ノズルユニットを容易に洗浄でき、ノズルユニットの詰まりによって生じるトラブルを回避することができる。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の薬液噴出器において、ノズル取付部は、上部に連結部が前方から通過可能な第3の開口を有する部分円筒形の取付部本体と、ノズルユニットの後部に形成された位置決め孔が前方から嵌合可能な位置決め突起と、を備えている。
【0012】
上記構成によると、部分円筒形のノズル取付部に対し、ノズルを前方から、所定位置に簡単且つ確実に位置決めし、固定することができる。また、部品点数が少なく、簡単な構成であるため、安価である。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の薬液噴出器において、ノズル取付部の取付部本体の外周面に、ノズルユニット抜け止め用のロック用突起を設け、ノズルユニットには、該ノズルユニットの軸芯回りに回動可能で前記係止突起に係合可能な回動体が設けられている。
【0014】
上記構成によると、簡単な操作により、ノズルユニットがノズル取付部から前方に抜け出すのを確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明による薬液噴出器の一実施の形態を、図1〜図13に基づいて説明する。図1は本発明による薬液噴出器を前右上方から見た斜視図、図2は薬液噴出器のケース3を開いた状態で示す図1と同様の斜視図である。図2において、薬液噴出器2は、ケース3と、ポンプ式のノズルユニット4と、薬液パック5と、から主構成されている。ケース3は、部屋の壁面等に略垂直姿勢で取り付けられる前面開口状のケース本体10と、該ケース本体10と分離可能で、ケース本体10の前面に開閉自在に取り付けられる前カバー11と、を備えており、ケース本体10内には、薬液パック収納部30が設けられると共に、該薬液パック収納部30の下方位置にノズル取付部7が設けられている。図1に示すように、前カバー11の下端部には、ケース3内のノズルユニット4を前方に突出させる開口16が形成されている。
【0016】
(ケースの開閉構造)
図3は前カバー11を前右上方から見た斜視図、図4はケース本体10を前右上方から見た斜視図、図5はケース本体10の正面図、図6は図5のVI-VI断面図である。図3において、前カバー11の下端部の左右の内側面には、後方に延びる一対の連結板15が設けられており、該連結板15は、連結板長さ方向に長い長孔17を有すると共に、左右方向に撓み可能な樹脂により形成されている。また、前カバー11の上端面には、ロック片20が設けられている。一方、図4において、ケース本体10の左右の内側面には、前カバー連結用の一対の連結ピン18が形成されており、ケース本体10の上端面には前カバーロック用突起21が形成されている。
【0017】
図2において、ケース本体10に形成された連結ピン18は、前カバー11の連結板15の長孔17に摺動自在に係合しており、これにより、前カバー11をケース本体10に対して脱落不能に連結すると共に、前カバー11を前下方に開いた時、連結板15によって前カバー11を、略水平姿勢に保持できるようになっている。
【0018】
また、図2のように前カバー11を開いた状態から、図1のように前カバー11を閉じた時には、前カバー11のロック片20が、該ロック片20の弾性を利用してケース本体10のロック用突起21に係合し、これにより、前カバー11を閉状態にロックできるようになっている。
【0019】
(薬液パック5及びポンプ式ノズルユニット4の構成)
図7はノズルユニット4の縦断側面図、図8は図7のVIII-VIII断面図、図9は薬液パック5の正面図、図10は薬液パック5の底面図である。図9において、薬液パック5は、柔軟性を有する袋本体60と、該袋本体60の下端部に設けられた筒形のアダプタ61とから構成されており、アダプタ61の外周面にはおねじ部61aが形成されている。図10において、袋本体60は前後の扁平面60aを有する扁平状に形成されており、図2のように薬液パック収納部30に収納する時には、扁平面60aが前後に向く姿勢で収納される。
【0020】
図7において、ポンプ式のノズルユニット4は、薬液通路41aを有する垂直断面円形のユニット本体部41と、該ユニット本体部41の前端小径部47の前端部に螺着されたポンプ部42と、該ポンプ部42から前方に突出するプランジャ43の前端に設けられたノズル部44と、ユニット本体部41の上端部に上方突出状に設けられると共にユニット本体部41内の薬液通路41aに連通する薬液通路45aを有する連結部45と、から主構成されている。連結部45の内面にはめねじ部45bが形成されており、該連結部45には、薬液パック5の下端アダプタ61が螺着され、これにより、連結部45を介して、袋状本体60内とノズルユニット4の薬液通路45a及び41aとが連通するようになっている。すなわち、薬液パック5内に薬液は、連結部45内の薬液通路45aを通してユニット本体部41内の薬液通路41aに取り入れられ、ポンプ部42のプランジャ43を後方に押し込むことにより、ノズル部44から薬液を下方に噴出するようになっている。
【0021】
ユニット本体部41の後端部には、該ユニット本体部41と同一軸芯の位置決め孔49を有する位置決め嵌入部48がユニット本体部41と一体に形成されている。
【0022】
さらにユニット本体部41の前端小径部47の外周面には、ノズルユニット4を脱落不能にロックするためのフランジ(回動体)50が回動自在に嵌合している。フランジ50の外周面には、フランジ50を回動するための取手51が形成され、フランジ50内には、フランジ50の周方向に円弧状に延びる係合孔52が一対形成されている。図8において、前記一対の係合孔52の円周方向の一端部の後面には、ノズル取付部7のロック用突起75が後方から挿入可能な開口53が形成されている。すなわち、取付部本体71のロック用突起75は、フランジ50のロック孔52内に開口53を介して挿入することができ、挿入後、フランジ50を所定角度回動することにより、ロック用突起75がロック用孔52内を周方向に相対的に移動し、図7において、フランジ50の後壁50aに係合ロック用突起75が係合することにより、ノズルユニット4を取付部本体71に対して脱落不能にロックできるようになっている。
【0023】
(ケース本体10内の構成)
図4において、ケース本体10内に設けられる薬液パック収納部30は、ケース本体10の後壁10aから前方へ略水平に突出する載置壁31と、該載置壁31の前端部から略垂直に立ち上がる前支持壁32と、載置壁31の左右両端から立ち上がる左右側壁33と、から構成されている。前支持壁32の左右幅の中央部には第1の開口34が形成され、載置壁31の左右幅の中央部には第2の開口35が形成されている。前記第1の開口34の左右幅は、図9の薬液パック5の袋本体60の扁平面60aを左右に向けた状態で、薬液パック5を通過させることができる大きさとなっており、図4の第2の開口35の左右幅は、図7のノズルユニット4の連結部45を前方から通過させることができる大きさとなっている。該実施の形態では、図4の第1の開口34の左右幅と第の開口35の左右幅は略同じ大きさに設定され、かつ、平面視で略同一位置に形成されている。
【0024】
図4において、ノズル取付部7は、上部に第3の開口73を有する部分円筒形の取付部本体71と、該取付部本体71内に、取付部本体71と同一軸芯に配置された位置決めピン72とから構成されている。取付部本体71及び位置決めピン72は、いずれもケース本体10の左右幅の中央部に配置されると共に、ケース本体10の後壁10aから前方に略水平に突出している。取付部本体71の内径は、図7のノズルユニット4のユニット本体部41の外径に略対応する寸法となっており、取付部本体71内に前方からユニット本体部41が差し込めるようになっている。
【0025】
また、図4の位置決めピン72の外径は、図7のノズルユニット4の位置決め孔49の内径に略対応する寸法となっており、ノズルユニット4の位置決め孔45を前方から嵌合できるようになっている。
【0026】
図4に戻り、取付部本体71の前端の外周面には、前述の一対のロック用突起75が形成されており、両ロック用突起75は、取付部本体71の左右両端に配置されている。
【0027】
第3の開口73は、薬液パック収納部30の第1及び第2の開口34、35と、平面視で略同一位置に形成されており、また、第1の開口34と、第2の開口35と、第3の開口73の各左右幅に中心線は、略同一垂直面上内に位置している。
【0028】
(作用)
図11は、ケース3の開閉要領を示す作用説明図、図12は、薬液パック5とノズルユニット4とを、ケース3内に装着する作業を示す作用説明図、図13は、ノズルユニット4をノズル取付部7に前方から取り付ける作業を示す作用説明図であり、これらの図面に基づいて薬液パック5の交換作業を順次説明する。
【0029】
(1)図11(a)において、前カバー11のロック片21を上方に撓ませることにより、ロック片21をケース本体10のロック用突起20から外す。
【0030】
(2)ロック片21によるロックを解除後、図11(b)において、前カバー11を前方に引くことにより、ケース本体10を開く。
【0031】
(3)続いて、図11(c)に示すように、連結ピン18を回動支点として、前カバー11を水平状態まで前方に開く。これにより、ケース本体10の前面を開放状態とする。そして、空の薬液パック5とノズルユニット4とを、ケース本体10内から第1,第2及び第3の開口34、35、73等を通して前方に取り出す。すなわち、空の薬液パック5は第1の開口34を通して前方に取り出し、連結部45は第2及び第3の開口35、73を通して前方に取り出す。また、ノズルユニット4は、フランジ50を回動して、ノズルユニット4のロックを解除した後、ノズル取付部7から前方に引き出す。
【0032】
(4)次に、図12(a)において、新しい薬液パック5の下端アダプタ61を、ノズルユニット4の連結部45に螺着し、薬液パック5を薬液パック収納部30の第1の開口34の前方に位置させると共に、ノズルユニット4をノズル取付部7の前方に位置させる。
【0033】
(5)図12(b)において、薬液パック5を、袋本体60の扁平面60aが概ね左右に向くように90°程度捩る。
【0034】
(6)図12(c)において、薬液パック5は、第1の開口34を通過させて、薬液パック収納部30へ収納し、同時に、連結部45は、第2の開口35及び第3の開口73を通過させてケース本体10内に収納し、さらにノズルユニット4は、ノズル取付部7内に前方から差し込む。
【0035】
(7)図12(d)において、薬液パック収納部30内に収納された薬液パック5は、袋本体60の扁平面60aが前後に向くように捩り戻し、載置壁31上に載置する。これにより、薬液パック5は、下面が載置壁31に支持され、前面が前支持壁32に支持され、左右側面が側壁33により支持される。
【0036】
(8)次に、図13により、ノズルユニット4の取付作業を詳しく説明する。図13(a)において、ノズルユニット4は、前述のようにノズル取付部7の取付部本体71の前方に配置され、薬液パック5と共に後方に移動され、図13(b)のように、ユニット本体部41が取付部本体71内に前方から挿入される。この時、連結部45は上述のように第3の開口73を通過する。
【0037】
(9)さらにノズルユニット4を後方に押し込むことにより、図13(c)に示すように、位置決め嵌入部48内に、ノズル取付部7の位置決めピン72が嵌入される。位置決めピン72が完全に嵌入されると、図7に仮想線で示すように、取付部本体71のロック用突起75は、フランジ50のロック孔52内に開口53を介して入り込んでおり、この状態で、取手51を持ってフランジ50を所定角度回動することにより、ロック用突起75がフランジ50の後壁50aに係合し、ノズルユニット4をノズル取付部7に対して脱落不能にロックする。
【0038】
(実施の形態の効果)
(1)薬液パック5とノズルユニット4とを、ケース3外で連結し、薬液パック5とノズルユニット4を連結させた状態で、ケース3内に収納し、載置又は固定することができるので、薬液パック5を確実にノズルユニット4に連結できると共に、容易に交換できる。
【0039】
(2)ノズルユニット4は、ケース3及び薬液パック5のいずれに対しても着脱自在であるので、ノズルユニット4を容易に洗浄でき、ノズルユニット4の詰まりによって生じるトラブルを防ぐことができる。
【0040】
(3)前カバー11をケース本体10に連結板15及び連結ピン15を介して開閉自在に連結しているので、薬液パック5の交換時、前カバー11を一時的に置く場所を確保する必要がなく、狭い場所でも迅速に薬液パック5を交換できる。
【0041】
(4)薬液パック5とノズルユニット4とを、ケース3外で連結部45及びアダプタ61により連結するので、薬液パック5の交換時、図14の従来例のように、薬液パックを突き破ってノズルユニットに連通する構造に比べて、薬液漏れが生じるおそれがない。
【0042】
(5)液漏れ防止のために逆止弁等を用いる必要がなく、部品点数が少ない簡単な連結構造とすることができる。
【0043】
(6)前カバー11とケース本体10とを、連結板15及び連結ピン18により連結しているので、薬液パック5の交換時、前カバー11の落下を防止でき、前カバー11を傷付けたり、破損するおそれがない。
【0044】
(7)薬液パック5の下端に設けたアダプタ61を、下方のノズルユニット4の連結部45に連結するので、薬液パック5内の薬液を、無駄なく最後まで使用することができる。
【0045】
(8)壁掛け式の薬液噴出装置において、ノズルユニット4は、プランジャ43を後方に押すことにより薬液を噴出させる構造となっているので、薬液噴出時に、ケース3に対して下向きの力がかかることはなく、力の掛け過ぎによりケース本体10が落下するトラブルを防止できる。
【0046】
(9)ノズルユニット4に設けたフランジ50の回動により、ノズルユニット4を脱落不能にロックすることができるので、簡単に、かつ安定した状態に、ノズルユニット4を固定することができる。
【0047】
(10)部分円筒形の取付部本体71と、これと同一軸芯の位置決めピン72を利用して、ノズルユニット4をノズル取付部7に取り付けるので、簡単、かつ、正確に所定位置に取り付けることができる。
【0048】
[発明の他の実施の形態]
(1)ノズルユニットとして、泡を噴出する構造のものを採用することも可能である。
【0049】
(2)ノズルユニット4のロック構造として、図7及び図8のような開口53及びロック孔52を有するフランジ50と、ノズル取付部7のロック用突起75を備える代わりに、フランジ50にめねじ部を形成し、ノズル取付部7におねじ部を形成し、フランジ50をノズル取付部7に螺着する構造とすることもできる。
【0050】
(3)フランジの代わりに径方向のロックピンを用い、ノズル取付部に形成した径方向のピン挿入孔に前記ロックピンを挿入することにより、ノズルユニットを脱落不能に固定する構造とすることもできる。
【0051】
(4)ノズル取付部7の位置決めピン72を、前方に向かって小径となるテーパー状に形成することも可能である。この場合、位置決めピン72の全長をテーパー形状にする構造と、位置決めピン72の前端部のみをテーパー形状とする構造のいずれをも適用することもできる。このように、位置決めピン72にテーパーを持たせることにより、ノズルユニット4をノズル取付部7に取り付ける際、ノズルユニット4とノズル取付部7との軸芯が多少ずれていても、位置決め嵌入部48の位置決め孔49に、位置決めピン72を容易に導入することができる。すなわち、ノズルユニット4をケース本体10の所定位置に、容易に取り付けることができる。
【0052】
(5)薬液パック5の袋本体60として、軟らかい材質のブロー容器、又は、多層ブロー容器を用いることができる。上記のようなブロー容器を用いることにより、薬液パック内の薬液が減少すると、薬液パックが自動的に縮むため、容積を小さくなり、ゴミとして排出される容量を減らすことができる。また、薬液パック5は、図10に示すように平面視で唇形状となっている構造だけでなく、たとえば平面視で長方形状となっている薬液パック5を用いることもでき、この場合は、平面視で長辺が前後に向く状態で薬液パック収納部30に収納されるが、第1の第1の開口34を通して薬液パック収納部30に挿入する場合には、短辺が前後に向くように略90°程捩った状態とする。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の薬液噴出器は、簡単かつ確実に薬液パックを交換できるため、前述のように液状石けん又は消毒液の噴出薬液噴出器の他に、ミネラル水等の飲料物の噴出器としても利用可能であり、産業上の利用可能性が大である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明による薬液噴出器の一実施の形態であり、前右上方から見た斜視図である。
【図2】図1の薬液噴出器を開いた状態で前右上方から見た斜視図である。
【図3】図1の薬液噴出器の前カバーを前右上方から見た斜視図である。
【図4】図1の薬液噴出器のケース本体を前右上方から見た斜視図である。
【図5】図1の薬液噴出器のケース本体の正面図である。
【図6】図5のVI-VI断面図である。
【図7】図1の薬液噴出器のノズルユニットの縦断側面図である。
【図8】図7のVIII-VIII断面図である。
【図9】薬液パックの正面図である。
【図10】図9の薬液パックの底面図である。
【図11】図1の薬液噴出器のケースの開閉要領を示す作用説明図である。
【図12】薬液パックとノズルユニットとをケース内に装着する作業を示す作用説明図である。
【図13】ノズルユニットをノズル取付部に固定する作業を示す作用説明図である。
【図14】従来例の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0055】
2 薬液噴出器
3 ケース
4 ノズルユニット
5 薬液パック
10 ケース本体
11 前カバー
30 薬液パック収納部
31 載置壁
32 前支持壁
34 第1の開口
35 第2の開口
41 ユニット本体部
44 ノズル部
45 連結部
48 位置決め嵌入部
49 位置決め孔
50 フランジ(ロック用の回動体)
70 ノズル取付部
71 取付部本体
72 位置決めピン
75 ロック用突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース内に薬液パックを交換自在に収納し、該薬液パックに連結されたポンプ式のノズルユニットから、薬液パック内の薬液を噴出する、薬液噴出器において、
ノズルユニットは連結部を介して薬液パックの下端部に着脱自在に連結され、
ケースは、薬液パックが収納されるケース本体と、該ケース本体の前面を開閉自在に覆うと共に前記ノズルユニットが前方に突出する前カバーと、を備え、
ケース本体内には、薬液パックを載置する載置壁及び薬液パックを前方から支持する前支持壁を有する薬液パック収納部と、該薬液パック収納部よりも下方位置に配置されてノズルユニットが前方から取り付け可能なノズル取付部と、を備え、
薬液パック収納部の前支持壁は、前方から薬液パックが通過可能な第1の開口を有し、
薬液パック収納部の載置壁は、連結部が前方から通過可能な第2の開口を有し、
連結部を介して連結された薬液パックとノズルユニットとが、薬液パック収納部及びノズル取付部に、前方から第1及び第2の開口を通して取り付けられるようになっていることを特徴とする薬液噴出器。
【請求項2】
請求項1記載の薬液噴出器において、
ノズル取付部は、上部に連結部が前方から通過可能な第3の開口を有する部分円筒形の取付部本体と、ノズルユニットの後部に形成された位置決め孔が前方から嵌合可能な位置決め突起と、を備えている薬液噴出器。
【請求項3】
請求項2記載の薬液噴出器において、
ノズル取付部の取付部本体の外周面に、ノズルユニット抜け止め用のロック用突起を設け、
ノズルユニットには、該ノズルユニットの軸芯回りに回動可能で前記係止突起に係合可能な回動体が設けられている薬液噴出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−296923(P2008−296923A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−141904(P2007−141904)
【出願日】平成19年5月29日(2007.5.29)
【出願人】(000133445)株式会社ダスキン (119)
【Fターム(参考)】