説明

薬液投与のための自給型携帯装置

薬液を含有する可撓性パウチ(10)を入れるためのエンクロージャ(11)を有するハウジングを含み、その排出部が、該薬液をレシピエントに送達するための導管に接続可能な、薬液を投与するための自給型携帯装置が開示される。一定かつ制御可能なガス圧力をハウジングに供するために加圧システムが配置され、それによって制御可能な圧力が、薬液の制御可能な送達のために得られる。該加圧システムは、以下を含む:陽圧ガスを送るための圧力源(3);陽圧リザーバを供するように配置された、該源及び該エンクロージャ(11)に接続された圧力蓄積タンク;該圧力源から該圧力蓄積タンクの方向にのみガスが流れ得るように、圧力源及び圧力蓄積タンクの間に配置された一方向弁;及び該圧力蓄積タンク及び上記ハウジングの間に配置された機械的圧力調節器。これによって、極めて安定でかつよく制御された排出圧力及び排出流れが得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬液投与のための自給型携帯装置に関し、そして特に、例えば、手術後の鎮痛において使用するための、液状薬剤を患者に投与するために使用できる装置に関する。本装置は、非常に均一で制御可能な流速を供するようにアレンジされている。
【背景技術】
【0002】
医療用液体の投与は、多くは、受け入れ可能な距離でレシピエントの上に吊るされた瓶又は他の容器からの液体の重力誘起静水圧輸液によって実施される。その液体は、注入されることになる液体を運ぶ可撓性のチューブの制限又は圧迫によって流速を下げるいわゆる一滴毎の滴下(drop-by-drop)装置によって調節できる流速で重力によって空になる。この装置は病院において使用されるものの、かさばるし、動かし難く、扱い難くそして設定に時間がかかる。更に、患者又は瓶が移動し得るため、患者の受容部及び調合瓶の相対位置における変動が時間と共に起こり得る故に、流速は容易には制御されない。
【0003】
その上、以前から入手可能な圧力支援投与装置は、しばしば非常に複雑でかつ高価であり、そしてまたしばしば携帯性に欠けている。更に、これらの公知の装置は、しばしば、望みの流速を供することができず、また長期間に亘ってそれを連続的に維持できない。
【0004】
また更に、最もよく知られた投与装置では、薬液をその元の容器から、つまり、事前に包装された使い捨ての標準医療用容器から、投与装置の投与リザーバー中へ排出することが必要である。これは通常むしろ退屈で面倒な仕事であり、そしてまた、患者に導入される前の調製及び移動プロセスにおいて、溶液が追加の取り扱い工程を経ることが必要であるので、汚染のリスクを誘発する。
【0005】
多くの場合、患者は薬剤液を患者の体内に、数時間に亘って又は時には1日又はそれより長い日数に亘ってさえ、毎時2、3ミリリッターのような非常にゆっくりとかつ連続して導入することも必要になる。従って、これらの薬剤液又は製剤溶液の投与量が、全プロセス中で非常に安定に維持される高度に正確な導入速度(流速)で投与されることが非常に重要である。
【0006】
このために、多くの今日の投与装置は複雑な電子システムを含む。例えば、そのようなシステムは、それによって流体がチャンバー内に導入され、そしてそこから取り出され、そして圧力センサー、及び液体を動かす流体ポンプを制御する論理回路を含む電子回路によって制御される複雑な弁配置を含む。比較的にコンパクトで正確である一方、これらのシステムは、非常に複雑で高価でもあり、そして大量の操作電力を必要とする。更に、これらの装置は多数回の使用だけを意図したものであり、再使用前の装置の面倒かつ退屈な洗浄及び滅菌を必要とし、そして患者の汚染のリスクを誘発もする。
【0007】
更に、従来技術から、携帯用の機械的投与装置の生産が知られている。例えば、圧力で折り畳み式容器中に配置された医療用液体を移すため、比較的に正確に調整されたガス流を得るための、CO2カートリッジを使用する自給型携帯投与装置が特許文献1に開示されている。このために、ポンプ装置は、動かされるべき流体(医療用液体)を保有する折り畳み式ブラダ(bladder)、及び駆動流体で充填される第二の膨張性ブラダを含むケーシングを含み、それによって第二ブラダが膨張して医療用液体を制御された状態で排出することになる。しかしながら、この装置はまだ生産するのが比較的複雑でかつ高価であり、そして医療用液体を保有する、圧力でつぶし得る容器に作用するのに十分に連続的に安定でかつ制御可能な圧力を得る上での問題もある。同様の問題が、両方共、類似のタイプの投与装置に関係している特許文献2及び特許文献3において開示された装置においても見られる。
【0008】
従って、十分に安定でかつ制御可能な流速を供することもできて、及び同時に、生産及び使用するのにも安全で安価な投与装置に対する必要性が未だある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第3460277号公報
【特許文献2】米国特許第5954696号公報
【特許文献3】米国特許第4673392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明の目的は、従来技術の上で議論した問題を少なくとも軽減する、薬液投与のための自給型携帯装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は添付された特許請求の範囲に記載の投与装置によって達成される。
【0012】
本発明によると、薬液を投与するための自給型携帯装置であって、該装置は:
薬液を含有している可撓性のパウチを入れるためのエンクロージャを有するハウジング、ここで該エンクロージャが、該パウチ内の第一のチャンバー及び該パウチの外側に配置された第二のチャンバーを有し、そしてこれらのチャンバーが該エンクロージャ内に圧力を伝える関係に配置されている;
上記薬液をレシピエントに送達するための導管に接続可能な上記第一のチャンバーからの排出部;及び
一定かつ制御可能なガス圧力を上記第二のチャンバーに供するための加圧システム、ここで制御可能な圧力が、薬液の制御可能な送達のための上記第一のチャンバーにおいて得られる;
を含む自給型携帯装置が供される。
【0013】
更に、該加圧システムは以下を含む:
陽圧ガスを送達するための圧力源;
該源に接続され、かつ陽圧リザーバを備えるように配置される、上記第二のチャンバーに接続された圧力蓄積タンク;
該圧力源から該圧力蓄積タンクの方向にのみガスが流れることを可能にする、圧力源及び圧力蓄積タンクの間に配置された一方向弁;及び
該圧力蓄積タンク及び該第二のチャンバーの間に配置された機械的圧力調節器。
【0014】
本発明に記載の投与装置は比較的に単純であり、そして比較的にコスト効率的に生産できる。これによって、使い捨ての、一回限りの使用のため等としてこの投与装置を供し、その結果、それを汚染の観点から非常に安全でそして確実なものとすることが可能になる。更に、とりわけ蓄積タンクを含む本発明の加圧システムは、多様な加圧源の使用と同時に、非常に安定でかつ制御可能なシステムの提供を可能ならしめ、ここで、ハウジングのエンクロージャにおいて薬液を含有する可撓性のパウチに作用する圧力は経時的に非常に安定であり、そして可撓性のパウチが満杯又はほとんど空な時でさえも本質的に一定である。従って、本発明は、薬液に対して非常に安定でかつ一定の送出圧力を供する。更に、加圧システムにおける圧力は常に3バール未満に保たれ得るため、システムの安全リスクを低減し、そしてシステムの安全要件をも低減する。これに対する唯一の例外はおそらく、より高い圧力が供され得る圧力源である。しかしながら、その場合、蓄積タンクがシステムの残りの部分に対する緩衝体として機能し、それによってシステム全体の適切な安全が確保される。
【0015】
本投与装置には、柔軟材料でできた包装済みの使い捨て用の標準的な薬液容器などの、薬液を保有するための如何なるタイプの可撓性のパウチも装着され得る。
【0016】
本発明は、患者の手術後の治療中の、長期間に亘る低い投与速度での、例えば麻酔剤などの鎮痛剤の投与に対して特に有用である。例えば、装置は、1〜200ml/hの範囲の、そして好ましくは1〜20ml/hの範囲の、そして最も好ましくは4〜12ml/hの範囲の、薬液の排出流速を供するようにアレンジされている。更に、装置が、少なくとも1時間、好ましくは少なくとも12時間、そして最も好ましくは少なくとも24時間、本質的に一定の排出圧力及び排出流速を供するようにアレンジされている。
【0017】
本投与装置は、ロピバカインの溶液及び例えば、両者ともAstraZeneca社によって生産されているNarop(登録商標)及びNaropin(登録商標)などの他の局部麻酔剤のような、手術後の鎮痛のための液状薬剤などの如何なるタイプの薬液に対しても使用され得る。しかしながら、本投与装置は、静脈内輸液及び化学療法、抗ウイルス療法及び抗生物質療法を含むさまざまな薬物療法用の溶液を送るためにも使用され得る、そしてまた生理食塩水、グルコース溶液及び医薬品を含む他の種々の溶液の静脈導入を含む。例えば、麻酔剤の手術後の使用において、手術後及び外科的切開を閉じた後にカテーテルを通して薬液が投与され得る。
【0018】
本発明は、その操作のために如何なる電子部品なども必要としない、完全に機械的な構造である。更に、本装置は非常にコンパクトに作られ得て、そしてそのことによって携帯可能でありそして自給型であり得る。また更に、薬液は常に加圧システムから分離されて維持されるため、装置を非常に安全にし、そして薬液の汚染リスクを著しく低減し、かつまた、これらの材料が薬液に適合する必要がない、等のため、加圧システムにおいて、より低価格な材料を使用することが可能である。
【0019】
加圧システムによって供され、そして薬液を保有する可撓性のパウチに作用する格段に正確な圧力故に、薬液を患者に運ぶ導管における流れ調整などは原則として必要ない。しかしながら、ほとんどの場合、導管システムにおいては、流れ制御手段がやはり有利であり得る。例えば、患者への連続した薬剤投与を供する一つの分岐を有する、そしてボーラス投与の可能性を供する液体受器を有する第二分岐を有する、分岐された導管システムを供することが有利であり得る。通常、連続した薬剤投与は、例えば、1〜20ml/h、そして好ましくは2〜14ml/hであり得て、そしてバッチ的な(ボーラス)投与量は例えば、1〜6時間毎に、例えば余分に5〜30mlであり得る。更に、加圧システムによって本質的に一定の圧力が薬液を保持する可撓性のパウチ上に供される故に、装置からの排出液流を非常に正確に、そして比較的単純な手段によって制御することも可能になる。
【0020】
圧力源は好ましくは手動ポンプである。これによって、薬剤投与を始める前に、蓄積タンクを適切な圧力で手動で充填するためにポンプが使用されてもよく、そして使用中に、蓄積タンク中の圧力を上げるためにも使用され得る。最も好ましくは、ポンプが、圧力蓄積タンク上をスライド可能なように配置されている空気圧縮カップを含む。これによって、非常にコンパクトな製品が得られる。しかしながら、蓄積タンクを充填するために、圧力源が液化ガス容器、そして好ましくは液化CO2容器、又は加圧空気を用いる容器などの他の代替圧力源も、蓄積タンクを充填するために使用され得る。
【0021】
加圧されたガスが圧力源から蓄積タンクの方向に移動されるのみで、そして逆方向には移動されないことが、一方向弁によって確保される。これによって、患者に薬品を投与し始める前の最初だけ、又は蓄積タンク中の圧力が所定の閾値より低くなる時だけなど、一時的に又は断続的にのみ圧力源を作動することが可能になる。
【0022】
機械的圧力調整器によって、安定でかつ一定のガス圧力が蓄積タンクから第二のチャンバーに供されることが、そして薬液を保有する可撓性のパウチが空である間、エンクロージャ中の圧力が自動的に調整されることが保証される。そのような機械的圧力調整器それ自体は以前から知られている。
【0023】
本装置は、好ましくは、薬液の本質的に一定の排出圧力を供するようにアレンジされ、そして該排出圧力が好ましくは0.1〜1.0バールの範囲に、そして最も好ましくは0.3〜0.6バールの範囲にある。
【0024】
圧力蓄積タンクは、1バールを超える、そして好ましくは2バールを超える圧力を好ましくは蓄積できる。更に、安全対策として、圧力蓄積タンクには、もし、圧力が3バールの限界値のようなある限界値を超えると、蓄積タンクから圧力を解放するようにアレンジされた高圧安全弁が好ましくは備わっている。同様に、ハウジング中のエンクロージャには、もし圧力がある限界値を超えると、エンクロージャから圧力を解放するようにアレンジされた高圧安全弁が備えられ得る。
【0025】
第二のチャンバーは好ましくは膨張し得るブラダとして配置され、ここで該ブラダが該エンクロージャ内の前記可撓性のパウチに隣接して配置されている。しかしながら、代替法として、第一のチャンバーを保持するコンパートメント及び第二のチャンバーを形成するコンパートメントの間に配置された可撓性の膜を用いて、第二のチャンバーがエンクロージャ中に供され得る。また更に、第二のチャンバーは、薬液を保有する可撓性のパウチから外側にあるエンクロージャの全体であってもよく、それにより可撓性のパウチ上にガスが直接作用する。
【0026】
ハウジングは比較的剛性の材料、そして好ましくは剛性のプラスチック材料で作られる。
【0027】
マノメーターが、好ましくは、圧力蓄積タンク上に配置されていて、該タンク中の現在圧力の指示を出す。これは、タンクの現在圧力を監視するために、そして薬液の操作を監視するためにも使用できる。
【0028】
更に好ましくは、ハウジングには、第二のチャンバーの圧力を解放するための手動で制御できる弁が備わっている。これによって、例えば、可撓性のパウチの交換又は他の保守操作のために、第二のチャンバーの圧力が常に大気圧に解放できる。
【0029】
また更に、機械的圧力調節器が前記圧力蓄積タンク及び前記第二のチャンバーの間に配置され、第二のチャンバーに異なる圧力を供するように制御できる。これによって、第二のチャンバー中の圧力が制御可能になり、そして圧力調整器の制御を用いて異なる圧力レベルに設定できる。これは、例えば、種々のタイプの使用のために、又は使用中の第二のチャンバーの圧力制御のために、薬液の排出流の制御のための投与装置の設定のために使用できる。
【0030】
本発明の別の態様によると、薬液を投与するための方法を含む方法が供され、
以下の工程を含む:
ハウジングに薬液を含有する可撓性パウチを備えること;及び
該ハウジング内の該パウチの外側に配置された第二のチャンバーに、該薬液をレシピエントに送達するために可撓性のパウチ上に作用する圧力を供すること、
ここで第二のチャンバーの上記圧力が:
圧力源から陽圧を供すること;
該圧力の少なくとも一部を、圧力源から該源に接続された圧力蓄積タンクに逆戻りを可能にしない方法で送ること;及び
該圧力の少なくとも一部を、圧力蓄積タンクから、第二のチャンバーに該圧力蓄積タンク及び該第二のチャンバーの間に配置された機械的圧力調節器を通して送ること;
のさらなる工程によって供される。
【0031】
本発明のこの態様を用いて、同様の利点が得られ、そして本発明の対応する第一態様に関して、上述したように、対応する好ましい実施態様が実行できる。
【0032】
本発明のこれらの及び他の態様が、以下に述べられる実施態様から明らかになり、そしてそれらを参照して明らかにされるであろう。
【0033】
例示目的で、添付図面に示された本発明の実施態様を参照しながら、本発明をさらにきめ細かく詳細に以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の第一実施態様に記載の投与装置の主要構造の模式図である。
【図2】本発明に記載の投与装置の第二実施態様を示す。
【図3】図2の投与装置の分解図である。
【図4】本発明及び多くの比較例に対する、全操作サイクルに亘る平均排出流におけるずれを示す図である。
【図5】操作中の、図2及び3の投与装置の、第二のチャンバー及び蓄積タンクでの測定圧力、並びに第二のチャンバーに対して得られた流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
ここで実施態様を用いて本発明をより詳細に論じる。他に特別に断らない限り、異なる特長が実施態様間で相互交換可能であり、そして更に、図面及び明細書全体を通して、類似又は対応する部分を命名するために、同じ参照番号が使用される。
【0036】
図1に示される通り、基本的な第一実施態様によると、薬液投与のための投与装置は、薬液を含有する可撓性のパウチ(図示されていない)を入れるためのエンクロージャ2を有するハウジング1を含む。この文脈において、「可撓性の」とは、パウチが圧力折り畳み可能なリザーバを形成し、それによりパウチ中に配置された液が、それに働く圧縮によって放出可能であることを指し示す。エンクロージャは、前記パウチ内の第一のチャンバー及び該パウチの外側に配置された第二のチャンバーを形成し、ここでこれらのチャンバーは該エンクロージャ内に圧力を伝えるように配置されている。これによって、第二のチャンバーに供された圧力が第一のチャンバーに移され、その結果、第二のチャンバーに供された圧力が、可撓性のパウチ中に含有される薬液で得られた圧力と本質的に等しくなる。
【0037】
このように、本ハウジングは、大きな共通したインターフェースを有する、各々別々の隣接する折り畳み可能な容器によって形成される、駆動ガス及び動かされる薬液のための別々のチャンバーを形成する。本ハウジングは剛性の容器又は枠を形成する。薬液の新しい医療用容器の挿入及び空になった容器の除去を可能ならしめるように、本ハウジングの一部は、蓋又は取り外し可能な壁セクションによって形成されている。
【0038】
内部バッグの状態の即座の視覚的モニタリングを可能ならしめるために、本ハウジングは好ましくは、少なくとも部分的に、透明なプラスチック材料で作られる。更に、本ハウジングは射出成形、圧縮成形などされ得る。
【0039】
第一のチャンバーからの排出部は、前記薬液をレシピエント、そして特に患者に送るための導管(図示されていない)に接続できる。例えば、導管は第一のチャンバーから通じるチュービング、導管を開閉するための弁、及び薬液を患者に導入するためのカテーテルを含み得る。例えば、一方の分岐が患者への連続した薬物投与を与える、そして第二の分岐がボーラス投与の可能性を与える薬液のリザーバを有する、分岐された導管システムを備えることが有利であり得る。そのような導管は、当業界で自体公知であり、本願においては詳細には論じない。
【0040】
更に、投与装置は一定かつ制御可能なガス圧力を前記第二のチャンバーに供するための加圧システムを含む。加圧システムは陽圧ガスを送達するための圧力源3を含む。この実施態様において、圧力源は手動ポンプであるが、液体ガスカートリッジなどの他の圧力源も実行可能である。これらの要件に合致する加圧された駆動流体の供給は例えば、液体−ガス平衡を維持するために要求される圧力下で含有される液化CO2、フッ化炭素又は炭化水素、又は高圧下のN2又は空気のようなガスがその中に貯蔵されるカートリッジである。他の代替法は外部圧力源を使用することであろうが、これはその場合、装置の使用前に蓄積タンクをローディングするために使用でき、そして使用中に引き続く再ローディングさえも可能となる。
【0041】
圧力源3は、陽圧のリザーバを備える圧力蓄積タンク5に接続される。蓄積タンクは好ましくは、投与装置の起動中陽圧にまで、例えば1〜2バールまで又は3バールまでさえ加圧されるようにアレンジされている。しかしながら、多くの場合に、投与システムに接続された3バール未満の圧力を有する蓄積タンクを有することが有利であり、何故ならば、この圧力は安全のリスクを与えるのがより低く、従って要求される安全性の要件がより少ないからである。多くの適用においては、全投与プロセスにとって蓄積タンクの最初のローディングで十分であろう。しかしながら、操作中に蓄積タンクを再ローディングすることも可能である。圧力源3及び蓄積タンク5の間に一方向弁4が供され、それによってガスが圧力源から蓄積タンクに流れることが可能となるが、ガスが反対方向に流れるのを防止する。
【0042】
蓄積タンクは、第二のチャンバー内の圧力を所定の圧力レベルに制御するように配置された機械的圧力調整器6を介して、エンクロージャ2内の第二のチャンバーに接続されており、ここで該圧力レベルは蓄積タンクの圧力よりも低い。圧力調整器は、機械的にかつ自動的に排出圧力を所定の値に制御するようにアレンジされている。場合により、操作中に所定の値の調整を可能ならしめるために、又は種々のタイプの操作の間の調整のために、この所定の値は手動で制御され得る。このように、圧力調整器6はレバーp1からレバーp2へ駆動流体の圧力を下げ、そして後者が調整器制御(図示されていない)の調整によって制限内で変更され得る。通常、p2はp1よりはるかに低い。排出圧力の調整のための調整器制御は、例えば調整器のバネ張力を調整してもよい。バネ式及びダイアフラム式の両者の幾つかの圧力調整器は業界において自体公知であり、市販されている。
【0043】
投与装置は好ましくは、自給型かつ携帯型の装置として配置されている。この目標は図1に関して上述した装置を用いて達成され得るものの、図2及び3において示された実施態様は更に、よりコンパクトで、携帯型のかつ自給型の装置を示す。
【0044】
ハウジング1は、可撓性材料でできた包装済みの、使い捨ての、標準的な医療用容器のような、薬液を保有するための可撓性のパウチ10を受け入れ、ここで該パウチは第一のチャンバーを形成する。実際には、多くの標準的薬液容器の任意の一つが、本発明の投与装置と共に使用され得るが、50〜500mlの範囲にある溶液容器が好ましく、そして100〜300mlの範囲にあるものが最も好ましい。
【0045】
膨張性ブラダ11は可撓性のパウチ10の周りを包み、そしてハウジング1内にも配置され、それによって第二のチャンバーを形成する。
【0046】
ハウジング1は開けられる蓋13を有する容器を形成する。可撓性のパウチ10が挿入された後、蓋13が閉じられる。好ましくは、蓋は、可撓性ロックアーム15などのスナップロックを用いて配置されている。しかしながら、蓋は、プッシュピン、ねじ、スナップ式ポスト及び戻り止め等の、多様な従来の機械的ファスナーの任意のものによってハウジング底部に取り付けられ得る。
【0047】
更に、蓋は好ましくは、ハウジング1内に挿入される内壁14を有して配置されている。この結果、蓋はハウジングを安定化させ、それによって、操作中のハウジング内の陽圧蓄積に抗する抵抗に役立つ。また更に、蓋は好ましくは、該薬液をレシピエント、特に患者に送達するための導管(図示されていない)に接続できる排出開口部16を有して配置されている。薬液を患者に送達するための導管は、流体を投与するための針又はカテーテルなどの他の装置、及び排出開口部16を針又はカテーテル端に接続させるチュービングを含み得る。導管は、空気除去フィルター及び粒子除去フィルター等のフィルター、ボーラス投与及び連続投与の両方を可能ならしめる二分(bisections)、流れ制御抵抗内腔又はオリフィス等も含む。そのような導管は、当業者に自体公知である。
【0048】
排出開口部は、ハウジング内へのパウチの挿入時、及び蓋を閉める際に、可撓性のパウチの膜を突き通す内部針又はスパイクに接続し得る。これによって、ハウジング内への可撓性のパウチの配置の際に、可撓性のパウチ及び投与導管の間の流体接続が自動的に得られる。薬用のスパイクはそれ自体、当業界で周知であるタイプのものであり得る。しかしながら、他のタイプのアクセス手段も実施可能である。例えば、排出開口部は単純に、それを通して可撓性のパウチの接続部分がアクセスできる開口部であり得る。
【0049】
加圧システムはハウジングの側部上に配置され、そしてハウジング1の上又はその内に一体化された部分として形成される。この実施態様において、蓄積タンク5はハウジングの側部に配置され、そして本質的にハウジングの全長に亘って伸びている。蓄積タンクがハウジングに一端においてのみ接続されるように、蓄積タンク及びハウジングの間で、タンクの一方の端部に隙間が形成される。更に、蓄積タンクは、少なくともハウジングに接続されていない一部で均一な断面そして好ましくは本質的に円形の断面を有する。更に、逆止弁4を有する開口部がタンクの接続されていない端部側に配置されている。圧力源3として機能する手動ポンプが、蓄積タンク5の外側に、そして特にハウジングに接続されていないタンクの部分の外側に配置され、そしてタンクの長さ方向に移動又は滑らせることができる。これによってポンプが、一般に蓄積タンクの対応する部分の外部断面に対応する内部断面を有する円筒又は圧縮カップ(cup)を形成し、それによってポンプ及び蓄積タンクの間に比較的に気密なシールが形成される。しかしながら、他の代替圧力源も、液化ガス容器及び好ましくは液化CO2容器又は圧縮空気の容器のような蓄積タンクを充填するために使用され得る。
【0050】
蓄積タンク5は、膨張性ブラダ内の圧力を、蓄積タンクの圧力よりも低い所定の圧力レベルに制御するように配置された機械的圧力調整器6を介して、エンクロージャ2内の膨張性ブラダ11に接続される。
【0051】
操作中に、ポンプ3は蓄積タンク上を上下に移動され、それによって空気が一方向弁4から蓄積タンク5内に強制的に通され、それによってタンク内に圧力が蓄積される。この陽圧が、調整器6の正確な制御を通して膨張性ブラダ11へ次第に放出され、それによって非常に正確かつ一定の圧力が、可撓性のパウチ10内に配置された液体医薬上に印加される。
【0052】
圧力蓄積タンクの容量及び圧力源によって供されるような初期圧力は、好ましくは、投与しようとする薬の全容量、及びハウジングの第二のチャンバーにおける所望の排出圧力に依存して選択される。好ましくは、装置の全体サイズを小さくするために、蓄積タンクの容量は比較的小さい。例えば、蓄積タンクが、薬液を保有するパウチ(第一のチャンバー)の内部容量Vpouchよりも小さい内部容量Vaccを有することが好ましく、そして好ましくはこの容量の70%未満、そして最も好ましくはこの容量の50%未満である。更に、パウチを完全に空にするのに十分である蓄積タンクへの初期圧力を供するように圧力源が操作できることが好ましい。従って好ましくは、下記の条件を満たす蓄積タンクへの圧力Pacc,initialを供するように圧力源は操作され得る:
acc,initial≧Preg*(Vacc+Vpouch)/Vacc
ここで、Pregは第一のチャンバー(つまり、パウチ)に作用する、第二のチャンバーの調整された圧力であり、Vpouchはパウチの容量、つまり投与される薬の容量であり、そしてVaccは蓄積タンクの容量である。
【0053】
本投与装置は、患者の手術後の治療中の長期間に亘る低投与速度での、例えば麻酔剤などの鎮痛剤の投与に対して特に有用である。例えば、装置が、1〜200ml/hの範囲の、そして好ましくは1〜20ml/hの範囲の、そして最も好ましくは4〜12ml/hの範囲の、薬液の排出流速を供するようにアレンジされる。更に、装置が、少なくとも1時間、そして好ましくは少なくとも12時間、そして最も好ましくは少なくとも24時間、本質的に一定の排出流速を供するようにアレンジされる。更に、それによって薬液に対して本質的に一定の、例えば0.1〜1.0バールの範囲に、そして最も好ましくは0.3〜0.6バールの範囲にある排出圧力を供することができる。
【0054】
更に、安全対策として、圧力蓄積タンクには、もし、圧力がある限界値を超えると、蓄積タンクから圧力を放出するように配置された高圧安全弁が備わっている。同様に、ハウジング中のエンクロージャには、もし圧力がある限界値を超えると、エンクロージャから圧力を放出するように配置された高圧安全弁が備わっている。それが作動された際に、口笛調などの警告音等を供するように高圧安全弁が配置されてもよい。使用中に例えば圧力蓄積タンク又は第二のチャンバー中の現在圧力の表示を供するために、マノメーター等が供されてもよい。そのようなマノメーターは投与装置からの薬液の流れをモニタリングするために、及び/又は可撓性のパウチ中に残っている薬液量の測定に使用してもよい。
【0055】
実験結果
図2を参照して上述された投与装置が実験測定のために使用された。装置の排出口は、0.4バールの超過圧力で4ml/hの流れを可能ならしめる流れ調節器に接続された。流れ調節器の排出はカテーテルを通して進められ、そしてカテーテルを通して投与された薬物は集められて質量を測定された。更に、ハウジングの第一及び第二のチャンバー中の圧力を測定するためにマノメーターが使用された。
【0056】
実験用に、薬液を保有するパウチがハウジング内に配置され、そして投与装置を用いて投与された。投与された薬物の質量は、パウチから公称容量が送達されるまで、第一及び第二のチャンバー中の圧力と共に連続的に測定された。
【0057】
この測定の結果が図5のグラフに示されている。この図においてx−軸は、0分近くから約1500分(25時間)までに亘る時間を表し、これはパウチから公称容量が送達された時間である。y−軸上には、流れ及び圧力が表わされている。図5は第二のチャンバー中の圧力(破線)及び蓄積タンク中の対応する圧力(実線)を示す。更に、得られた流速(一点鎖線)が示されている。従って、蓄積タンク中の圧力が、比較的高い圧力レベルから第二のチャンバー中の圧力をごくわずかだけ上回る圧力レベルに如何に一定に低下するかが、そして一方、第二のチャンバー中の圧力及び排出流速が、全プロセス中で本質的に一定かつ極めて安定にとどまるかが、明らかに認められる。
【0058】
従って、新しい薬剤投与装置は、全プロセスに亘って非常に限られた変動しか有しない非常に安定な排出流れ及び排出圧力を示す。比較として、幾つかの市販の薬剤投与装置に対して同様の評価が実施された。この評価の結果が図4のグラフに示されており、ここでx−軸は、公称値の0%から公称容量の100%に亘る、送られた薬物の相対量を表わす。y−軸は、各時点での平均流れからのずれをパーセントで指し示す。評価された投与装置は:
−本発明に記載の投与装置(点線);
−比較例Iは、5ml/hの公称流速及び240mlの公称容量を有するエラストマーバルーン輸液システムである(破線);
−比較例IIは、5ml/hの公称流速及び270mlの公称容量を有するエラストマーバルーン輸液システムである(実線);
−比較例IIIは、4ml/hの公称流速及び100mlの最大容量を有するバネ−操作輸液システムである(一点鎖線);及び
−比較例IVは、5ml/hの公称流速及び275mlの公称容量を有するエラストマーバルーン輸液システムである(二点鎖線);であった。
【0059】
図4における評価から、市販の比較例I−IVは全て、プロセス中で平均流速からはるかに高いずれを有し、そして通常、薬液を含むチャンバー又はパウチが満杯である初期段階においてはるかに平均を超える流速を、そしてチャンバー/パウチがほとんど空である最終段階では、はるかに平均を下回る流速を有することが明らかに顕著である。
【0060】
結論
本発明の薬剤投与装置は、その使用の簡便性及び単純さ故に、多様な薬剤投与適用に対してよく適合する自給型携帯装置である。本発明に記載の装置は使用において如何なるスキルも必要としない。それは容易にかつ迅速に位置を合わせられる。それは、負傷した人又は医療スタッフによって容易に動かすことができそして運ぶことができ、それ故に患者の取り扱い及び輸送において何の障害も引き起こさない。構成部品の単純さ故に、低い生産コストを保証する。従って、本装置は、使い捨ての、一人だけの患者に使用するためのものとして製作できる。これは加圧システム及び薬物の分離、並びに薬物がその包装済みの容器中にとどめられ得るという事実との組み合わせで、非常に清潔かつ確実な薬物投与を提供し、それによって患者に対する汚染リスクが最小化される。
【0061】
同時に、本発明は、医療用液体投与システムにおいて、選択的に、確実に、かつ正確に薬物を移動させ、そして実質的に一定の流速で薬物を流すために、加圧システムから適切に調節された排出圧力を供し、投与すべき薬物に作用させる手段を提供する。この結果、薬物とは流体的に分離された加圧システムを用いて、全投与プロセス中、薬物が包装済みの可撓性バッグ内にとどまる事を可能ならしめ、そしてまた効率的で、正確なかつ低コストの投与を提供するのに、標準的な製造業者の薬液容器を用いて使用可能である。
【0062】
示された実施態様の投与装置は、機械的な、手動ポンプ等のコンパクトで信頼性がありコストパフォーマンスに優れる圧力源を使用する。本投与装置は、操作を制御し又はモニタリングするための電子部品も、更に主電源としてのバッテリーも含まないため、特に信頼性がありかつコストパフォーマンスに優れる。本発明に記載の投与装置は、そのコンパクトな構造故に、かつ電子部品がない故に、落とされた後でさえも機能でき、そして外部からの水等と接触した際でさえ、ポンプは操作できる。また更に、ポンプ手段が、蓄積タンクの周りに配置されたカップ状の部材として非常にコンパクトに製作できる。また更に、本投与装置は薬物を保有するパウチを容易に交換することを可能ならしめる。
【0063】
本発明の格別な実施態様をここに述べてきたが、当業者には自明なはずであるように、幾つかの代替が可能である。例えば、ハウジング内の第一のチャンバー、つまりパウチ、上に、外部圧力を供する第二のチャンバーは、種々の方法で提供され得る。一つの代替法は、上述の通り、第二のパウチ、又は可撓性バッグ内に第二のチャンバーを配置することである。薬液を保有するパウチの各側上に配置された二つの可撓性バッグのような、第二のチャンバーを形成する一つより多くのパウチが備えられてもよい。他の代替法はハウジングを気密にすることであり、それによって第二のチャンバーが薬液を保有するパウチから外側でハウジングの部分であり得る。
【0064】
更に、本投与装置の重要な適用が、麻酔剤のような薬液を患者に直接投与することであるとしても、薬液を他の装置などに投与することなどの他の適用も実施可能である。更に、本投与装置は、例えば術後処理のためなど開放創における使用のため、術中使用のため、静脈内使用のため、硬膜外投与のため、がん処置、脳神経外科のためなど、多様な異なる薬物に対して使用し得る。一般的に、本投与装置は、薬物容器からそれが必要な場所に薬物を送るために圧力が必要な全ての適用に対して使用可能である。
【0065】
また更に、本装置は第一のチャンバーから所定の排出圧力及び排出流れを供するように配置され得る。或いは、例えば蓄積タンク及び第二のチャンバーの間に制御可能な圧力調整器を備えることによって排出圧力が制御可能であってよい。代替法として又は追加として、流れ調整器又は種々のサイズのキャピラリーのような制御可能な流れ制限器が、第一のチャンバーからの排出流れを制御するために使用され得る。
【0066】
そのようなそして他の自明な改変は、添付された請求の範囲によって画成されているように、本発明の範囲内にあると考えられなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬液を投与するための自給型携帯装置であって:
薬液を含有している可撓性のパウチを入れるためのエンクロージャを有するハウジング、ここで該エンクロージャが、該パウチ内の第一のチャンバー及び該パウチの外側に配置された第二のチャンバーを有し、そしてこれらのチャンバーが該エンクロージャ内に圧力を伝える関係に配置され;
上記薬液をレシピエントに送達するための導管に接続可能な上記第一のチャンバーからの排出部;及び
一定かつ制御可能なガス圧力を上記第二のチャンバーに供するための加圧システム、ここで制御可能な圧力が、薬液の制御可能な送達のための上記第一のチャンバーにおいて得られ、ここで該加圧システムが以下を含む:
陽圧ガスを送達するための圧力源;
該源に接続され、かつ陽圧リザーバを備えるように配置される、上記第二のチャンバーに接続された圧力蓄積タンク;
該圧力源から該圧力蓄積タンクの方向にのみガスが流れることを可能にする、圧力源及び圧力蓄積タンクの間に配置された一方向弁;及び
該圧力蓄積タンク及び該第二のチャンバーの間に配置された機械的圧力調節器;
を含む、上記自給型携帯装置。
【請求項2】
圧力源が手動ポンプを含む、請求項1記載の装置。
【請求項3】
ポンプが、圧力蓄積タンク上をスライド可能に配置されている空気圧縮キャップを含む、請求項1記載の装置。
【請求項4】
圧力源が液化ガス容器、及び好ましくは液化CO2容器を含む、請求項1記載の装置。
【請求項5】
薬液が麻酔剤である、請求項1〜4の何れか1項に記載の装置。
【請求項6】
装置が、1〜200ml/hの範囲の、好ましくは1〜20ml/hの範囲の、そして最も好ましくは4〜12ml/hの範囲の、薬液の排出流速を供するようにアレンジされる、請求項1〜5の何れか1項に記載の装置。
【請求項7】
装置が、少なくとも1時間、好ましくは少なくとも12時間、そして最も好ましくは少なくとも24時間、本質的に一定の排出流速を供するようにアレンジされる、請求項1〜6の何れか1項に記載の装置。
【請求項8】
装置が、薬液の本質的に一定の排出圧力を供するようにアレンジされ、そして該排出圧力が好ましくは0.1〜1.0バールの範囲に、そして最も好ましくは0.3〜0.6バールの範囲にある、請求項1〜7の何れか1項に記載の装置。
【請求項9】
圧力蓄積タンクが、1バールを超える、そして好ましくは2バールを超える圧力を蓄積できる、請求項1〜8の何れか1項に記載の装置。
【請求項10】
圧力蓄積タンクには、圧力が一定の限界値を超える場合、蓄積タンクから圧力を解放するようにアレンジされた高圧安全弁が備わっている、請求項1〜9の何れか1項に記載の装置。
【請求項11】
高圧安全弁が、蓄積タンクにおいて約3バールを下回る圧力を維持するようにアレンジされる、請求項10記載の装置。
【請求項12】
ハウジング中のエンクロージャには、圧力が一定の限界値を超える場合、エンクロージャから圧力を解放するようにアレンジされた高圧安全弁が備わっている、請求項1〜11の何れか1項に記載の装置。
【請求項13】
第二のチャンバーには、膨張可能なブラダが備わっていて、該ブラダは、エンクロージャ内の可撓性パウチに隣接して配置される、請求項1〜12の何れか1項に記載の装置。
【請求項14】
ハウジングが、比較的剛性の材料、そして好ましくは剛性のプラスチック材料で作られている、請求項1〜13の何れか1項に記載の装置。
【請求項15】
装置が、一度きりの使用のための使い捨て製品を形成する、請求項1〜14の何れか1項に記載の装置。
【請求項16】
ハウジングのエンクロージャが、標準的な使い捨てのプレフィルド薬剤容器である、薬液のパウチを受けるように配置されている、請求項1〜15の何れか1項に記載の装置。
【請求項17】
マノメーターが、圧力蓄積タンク上に配置されていて、該タンク中の現在圧力の指示を供する、請求項1〜16の何れか1項に記載の装置。
【請求項18】
ハウジングには更に、第二のチャンバーの圧力を解放するための手動で制御可能な弁が備わっている、請求項1〜17の何れか1項に記載の装置。
【請求項19】
圧力蓄積タンク及び第二のチャンバーの間に配置された機械的圧力調節器が、第二のチャンバーに種々の圧力を供するように制御できる、請求項1〜18の何れか1項に記載の装置。
【請求項20】
薬液を投与するための方法であって:
ハウジング中に薬液を含有する可撓性パウチを備えること;及び
該ハウジング内の該パウチの外側に配置された第二のチャンバーに、該薬液をレシピエントに送達するために可撓性のパウチに作用する圧力を供すること;
の工程を含み、
ここで、第二のチャンバーの上記圧力が:
圧力源から陽圧を供すること;
該圧力の少なくとも一部を、圧力源から該源に接続された圧力蓄積タンクに逆戻りを可能にしない方法で送ること;及び
該圧力の少なくとも一部を、圧力蓄積タンクから、第二のチャンバーに該圧力蓄積タンク及び該第二チャンバーの間に配置された機械的圧力調節器を通して送ること;
のさらなる工程によって供される、上記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−500117(P2011−500117A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−528395(P2010−528395)
【出願日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際出願番号】PCT/EP2008/063531
【国際公開番号】WO2009/047289
【国際公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(501249869)アストラ・テック・アクチエボラーグ (22)
【Fターム(参考)】