説明

薬液注入供試体の作製装置および作製方法

【課題】現地の応力状態や施工方法を再現しながら試料に薬液を注入して改良強度や浸透性の検討を行うための供試体を作製することができる薬液注入供試体の作製装置および作製方法を提供する。
【解決手段】試料を供試体に形成する供試体作製用モールド1と、当該供試体作製用モールド1内に拘束圧を付与する圧力管理装置2と、前記供試体作製用モールド1内に薬液を注入する薬液注入装置3とを備え、前記薬液注入装置3の駆動源としてスクリュージャッキ16を備えて構成する。薬液注入装置3は、薬液タンク18と、載荷板17と共に前記薬液タンク18内を進退移動するロッド15と、スクリュージャッキ16をコントロールするインバーターを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬液注入工法の室内配合試験において改良強度や浸透性の検討を行うための薬液注入供試体を作製する薬液注入供試体の作製装置および作製方法に関し、土の安定処理工法の一つである薬液注入工法の分野で行なわれる室内配合試験において、現地の応力状態や施工方法を再現しながら改良強度や浸透性の検討を行うための薬液注入供試体を作製することができる。
【背景技術】
【0002】
薬液注入工法は、土の間隙中に注入材が浸透し、間隙水を注入材で置き換えた状態で注入が生じる浸透注入を前提として行なう地盤改良工法である。
しかし、実際の注入では必ずしも浸透注入状態にはならず、特に細粒分を含む地盤では割裂注入が生じて注入材が地盤に不均一に入る場合が多い。
【0003】
このため、薬液注入工法の分野では、注入材が地盤中に均等に浸透し、薬液注入による地盤改良が確実に行われるように室内配合試験を行い、地盤に適した注入材の種類や注入量を決定している。
【0004】
室内配合試験は、試料に薬液を注入して作製した供試体について改良強度や浸透性などの検討を行い、供試体は様々な装置、作製方法によって作製される。
【0005】
例えば、図8に図示する供試体の作製方法は、薬液を溜めた供試体作製用モールド内にロート等で乾燥砂を所定の密度になるように落下投入して供試体を作製する水中落下方法を示したものである。
【0006】
また、図9に図示する供試体の作製方法は、プラスチック容器内の底に珪砂を敷き詰め、その上に供試体作製用モールドを並べ、その周囲に砂を敷き詰め、さらに注入圧によって供試体が膨張するのを防ぐ目的で供試体作製用モールドの上にポーラスストーンや鉛散弾により上載圧を加え、そして、プラスチック容器を真空槽に入れ、炭酸ガスを用いて脱気した薬液を供試体の下部から浸透させて供試体を作製する方法を示し、密度調整が容易で、また脱気した注入材を使用するため土の間隙を薬液と完全に置き換えることができるという特徴がある。そして、図10に図示する供試体の作製方法は、密度調整や水を注入した後、供試体の下側から薬液を注入して供試体を作製する方法法を示したものである。
【0007】
【特許文献1】特開平05−346017号公報
【特許文献2】特開2007−051497号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図8に図示する供試体の作製方法は簡易であるが、密度の調整が難しく、また細粒分を含む場合に細粒分が供試体作製用モールド上部から流出したりすることがある。また、酸性注入材の場合、試料に含まれる炭酸カルシウム等との反応により炭酸ガスが発生し供試体が膨張する可能性がある。
【0009】
図9に図示する供試体の作製方法は、地下水がある場合、砂の吸着水による見かけのシリカ濃度の低下を考慮できないだけでなく、拘束圧をある程度しかかけられないため、前述のような反応に伴なう伴試体の体積膨張の可能性があり、また細粒分を多く含む場合には注入が困難となる場合がある。
【0010】
そして、図10に図示する供試体の作製方法は、密度調整や水を注入した後、薬液を注入していることより前述の希釈問題はある程度考慮されているが、現地での施工は速度制御で行っているのに対し、室内注入方法は圧力制御で行なっている。
【0011】
また、いずれの供試体の作製方法も、比例吐出による2ショット型の注入材や瞬結型の注入材を使用する供試体の作製には適用できないという課題がある。
【0012】
また、現地では拘束圧が加えられた状態で改良や養生が行われるのに対し、いずれもこの影響を無視して作製されている。また,薬液注入工法は地下水以深に施工されることが多いが、地下水あるいは砂の吸着水による注入材の浸透希釈問題が全く考慮されていない。
【0013】
さらに、現場での施工は速度制御により注入材を注入するのに対しいずれも圧力制御によるものであり、注入形態が全く異なっている。この結果、室内配合試験結果と現地での改良効果が大きく異なるため、現行の設計法では安全率を高めに設定しなくてはならないという課題もある。
【0014】
本発明は、以上の課題を解決すべくなされたもので、供試体の作製および養生を一定の拘束圧を付与し、密度調整を容易に行うことができ、かつ地下水を考慮した飽和試料に一定の速度で注入を行うことにより、改良強度や浸透性の検討が可能なバラツキの少ない薬液注入供試体の作製装置および作製方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1記載の薬液供試体の作製装置は、試料を供試体に形成する供試体作製用モールドと、当該供試体作製用モールド内に拘束圧を付与する圧力管理装置と、前記供試体作製用モールド内に薬液を注入する薬液注入装置とを備え、前記薬液注入装置の駆動源としてスクリュージャッキを備えて構成されていることを特徴とするものである。
【0016】
本発明は、供試体作成用モールド内に投入した試料を所定の密度にあらかじめ締め固めて供試体を形成し、これに一定の拘束圧を付与した状態で注入速度を一定に保持しつつ注入材を浸透注入させることにより、実際の施工状況に近い状態での薬液注入を可能にして薬液注入供試体を作製できるようにしたものである。
【0017】
本発明によれば、特に薬液注入装置の駆動源としてスクリュージャッキを使用することにより、薬液の注入速度一定に保持することができ、また薬液の注入を供試体に一定の拘束圧を付与した状態で行なうことにより、酸性注入材のように反応生成物として炭酸ガス等が発生する場合でも所定の密度を有する供試体を作製することができるので、実際の施工状況に近い状態で薬液注入供試体を作製することができる。
【0018】
請求項2記載の薬液注入供試体の作製装置は、請求項1記載の薬液注入供試体の作製装置において、薬液注入装置は、薬液タンクと、載荷板と共に前記薬液タンク内を進退移動するロッドと、スクリュージャッキをコントロールするインバーターを備え、前記載荷板が前記薬液タンク内の注入材を加圧することにより、注入材が供試体作製用モールド内に注入されるように構成されていることを特徴とするものである。
【0019】
本発明は、特にスクリュージャッキをインバーターでコントロールすることにより、注入材の注入速度を間接的にコントロールできるようにしたものである。なお、注入材の注入量と注入速度はロッドに設置した変位計により、また注入材の注入圧は注入装置とモールド間に設置した圧力計により計測することができる。
【0020】
請求項3記載の薬液注入供試体の作製装置は、請求項1または22記載の薬液注入供試体の作製装置において、供試体作製用モールド内の供試体にエアを注入するエア注入装置と、供試体作製用モールド内の供試体に脱気水を注入する脱気水注入装置とを備えて構成されていることを特徴とするものである。
【0021】
本発明は、供試体作製用モールド内の供試体に炭酸ガスを注入し、続いて脱気水を注入することにより、供試体を脱気水で完全な飽和状態にすることができ、これによりモールド内に薬液を注入することにより供試体に薬液を均等に浸透させることができる。
【0022】
請求項4記載の薬液注入供試体の作製装置は、請求項2または3記載の薬液注入供試体の作製装置において、薬液タンク内に撹拌用翼が取り付けられていることを特徴とするものである。
【0023】
本発明は、薬液タンク内に薬液を撹拌するための撹拌用翼を取り付けることにより、溶液型の注入材だけでなく懸濁型の注入材を使用した薬液注入供試体も作製できるようにしたものである。
【0024】
請求項5記載の薬液注入供試体の作製装置は、請求項1〜4のいずれか1に記載の薬液注入供試体の作製装置において、複数台の薬液注入装置を備えていることを特徴とするものである。
【0025】
本発明は、注入速度の異なる比例吐出による注入を可能にして、瞬結型注入材を使用した薬液注入供試体の作製を可能にしたものである。
【0026】
請求項6記載の薬液注入供試体の作製方法は、供試体作製用モールド内に試料を投入して供試体を形成する工程、供試体作製用モールド内にエアを注入する工程、供試体作製用モールド内に脱気水を注入する工程、供試体作製用モールド内に拘束圧を付与する工程、供試体作製用モールド内に薬液を注入する工程とからなり、前記供試体作製用モールド内に一定の拘束圧を付与した状態で注入速度、注入量および注入圧を管理しながら供試体作製用モールド内に薬液を注入することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、試料を所定の密度にあらかじめ締め固めて形成した供試体に薬液を一定速度で浸透注入することにより、注入材の注入にバラツキの少ない薬液注入供試体を作製することができ、また酸性注入材のように反応生成物として炭酸ガス等が発生する場合でも所定の密度を保持することができる。
【0028】
炭酸ガス、脱気水、脱気薬液を使用することにより完全飽和状態の薬液注入供試体を作製することができ、しかも従来法では得られない砂の吸着水の影響を見ることができる。
【0029】
また、一度に様々な拘束圧を付与することができると共に、同時作製や養生を行うことができる。
【0030】
注入装置は速度管理をすることができ、実際の注入形態を再現することができ、特に比例吐出や2ショット配合の注入を行うことができると共に、注入に伴う圧力変化を圧力計により観察することができる。
【0031】
また、供試体作製用モールドを長尺にすることにより、注入材の浸透性や浸透距離と改良強度との関係や、注入に伴う圧力変化を観察することにより、地盤の特性が注入材の浸透性に与える影響をあらかじめ把握することができ、これを設計に反映させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
図1−図5は、本発明の一実施形態を示し、図において、符号1は供試体作製用モールド(以下「モールド」)、2は圧力管理装置、3は薬液注入装置、4は炭酸ガス注入装置、そして、符号5は脱気水注入装置である。
【0033】
モールド1は、砂などの試料を円柱状の供試体に形作るための型であり、図2に図示するようなアクリルを素材に円筒状に形成され、上端部と下端部がそれぞれ支持体の上部フランジ6aと下部フランジ6bに固定されている。
【0034】
モールド1の上部には圧力管理装置2から送られてくる空圧をモールド1内に設置された載荷板7に伝えるバルブ8と、モールド1内の空気や水を抜く中空ロッド9が接続されている。中空ロッド9は上部フランジ6aにベアリング10を介して取り付けられ、下端部は上部フランジ6aを貫通し、載荷板7に接続されている。
【0035】
そして、圧力管理装置2から送られてくる空圧をバルブ8によって調整(正・負圧)することにより、載荷板7と中空ロッド9は空圧によってモールド1内を昇降し、特にモールド1内の空圧を正圧としたときモールド1内に投入されて供試体となる試料に必要な拘束圧を与える。
【0036】
そして、これと同時に試料内の残留空気や水は中空ロッド9を介してモールド1の外に排出され、廃水槽11に放出される。
【0037】
また、モールド1の下部には薬液注入装置3、炭酸ガス注入装置、脱気水注入装置4からそれぞれ送られてくる薬液、炭酸ガスおよび脱気水を注入するバルブ12が接続され、さらに、モールド1内の底部と天井部にはモールド1内の試料に薬液と脱気水が一様に浸透するように多孔質の通水層13がそれぞれ設置されている。
【0038】
圧力管理装置2は、モールド1内の試料に積荷板7を介し、空圧によって必要な拘束圧を与える装置であって、図3に図示するように一台のコンプレッサー14を分岐し、数種類のレギュレータ15によりモールド1内の供試体にさまざまな拘束圧を一度に与えることができるように構成されている。
【0039】
また、圧力管理装置2は、数種類の試験条件の下であっても一度に供試体の作製と養生を行なえるように構成されている。
【0040】
薬液注入装置3は、モールド1内に薬液を送り、モールド1内の供試体に薬液を浸透注入させるための装置であり、図4に図示するようにスクリュージャッキ16によってロッド15が駆動し、ロッド15の先端に取り付けられ載荷板17が薬液タンク18内の注入材を押すことにより注入材をモールド1内に送り、モールド1内の供試体に薬液を一定の速度で浸透注入させるように構成されている。
【0041】
なお、スクリュージャッキ16はインバーターの働きによりその速度をコントロールすることができ、これにより注入材の注入速度、注入量および注入圧を調整できるようになっている。
【0042】
また、薬液注入装置3には注入材の注入圧を計測する圧力計19と、注入速度と注入量を管理するための変位計20がそれぞれ取り付けられ、変位計20はスクリュージャッキ16によって上下するロッド15に取り付けられている。
【0043】
さらに、薬液注入装置3の薬液タンク18内に攪拌翼21が取り付けられ、これにより溶液型注入材のみならず、沈降のおそれのある懸濁型注入材の注入も行えるようになっている。
【0044】
さらに、図5に図示するように、薬液注入装置3を複数台接続することにより、比例吐出で注入を行う注入材や瞬結型注入材による薬液注入供試体の作製も行えるようになっている。
【0045】
炭酸ガス注入装置4は、供試体作製用モールド1内に炭酸ガスを注入するための装置である。この場合、モールド1内に炭酸ガスを注入することで、その後、脱気水注入装置5から脱気水を注入してモールド1内の試料を完全な飽和状態にすることができ、これによりモールド1内の供試体に薬液を均等に浸透させることができる。
【0046】
また、脱気水注入装置5の水槽内と薬液注入装置3の薬液タンク18内は、真空ポンプにより事前に水と薬液の脱気処理を行なうことにより高品質の薬液注入供試体を作製することができる。
【0047】
次に、本発明の装置及び方法による薬液注入供試体の作製方法を説明する。
【0048】
最初に、モールド1の内周に作製後の供試体の脱型を容易にすべくグリスを塗り、モールド1の底部には多孔質の通水層を設置する。また、モールド1内に試料を投入し、所定密度になるように締め固め、その上に通水層を設置する。そして、モールド1の上端部を上フランジに固定する。
【0049】
なお、試料の密度は、原地盤より採取した不攪乱試料の湿潤密度と含水比を用いるか、不攪乱試料が得られない場合には, Meyerhofの提案する標準間入試験のN値と最大最少密度試験より予測を行う。
【0050】
次に、こうしてモールド1内の試料を所定の密度に締め固めて供試体を作製したら、図1に図示するようにモールド1を圧力管理装置2、薬液注入装置3、炭酸ガス注入装置4、脱気水注入装置5にそれぞれ接続する。
【0051】
次に、圧力管理装置2からモールド1内に空圧を送り込むことにより供試体の上面に積載板7を介して拘束圧を付与する。また、供試体に拘束圧を付与した状態で、炭酸ガス注入装置4からモールド1内に炭酸ガスを注入する。
【0052】
こうして、供試体の間隙に炭酸ガスを注入して水で完全に飽和しやすい状態にした後、脱気水注入装置5からモールド1内に脱気水を注入する。
【0053】
なお、脱気水には現地より採取した地下水や海水を使用することができる。また、供試体の拘束圧は事前調査から得られる密度測定結果やN値より算定する。深度における有効拘束圧を付加する場合や、三軸試験を行う場合にはそれぞれ所定の応力状態となるように設定することができる。
【0054】
こうして、供試体の間隙を完全に飽和した後、モールド1内に薬液を注入するが、薬液はあらかじめ脱気することにより薬液の置換率を高めることができる。
【0055】
脱気した薬液は、スクリュージャッキ16のインバーターにより設定された一定速度の下、定吐出で注入する。このときの注入材の注入速度と注入量は変位計15により管理し、注入に伴う圧力変化は薬液注入装置3の下部の圧力計19により測定することができる。
【0056】
なお、モールド1の径や長さは試験目的により異なり、一軸圧縮強度や三軸圧縮強度試験に用いる供試体の作製では、φ35mm〜50mm、高さ70m〜100mmを標準とし、ねじりせん断試験を行う場合にはその試験法に対応した改良体を作製し、浸透性を検討する浸透試験ではφ35〜100mm、高さ500mm〜2000mmなど様々な試験を実施することができる。
【0057】
表1は、砂の物理特性に特徴がある試料として貝殻が多く混入されている場合、あるいは細粒分が多く含まれる場合にそれぞれ酸性系注入材を混合法と本装置により作成した場合の改良効果の違いを示している。
【0058】
細粒分含有率が多い場合、細粒分の流出により過大評価となり、貝殻を含む試料では過小評価となる傾向が得られた。
【0059】
【表1】

【0060】
図6に図示するグラフは、浸透試験を実施した結果、注入材の特性として、溶液型注入材と懸濁型注入材を硅砂に同一速度にて注入した場合の注入量と注入圧の関係を示したものである。懸濁型注入材は溶液型注入材と比較して初期段階で注入圧が高い傾向を示し、その後注入に伴い、注入圧が増加する傾向を示すことより注入材の特性が表れた。
【0061】
浸透試験の結果、懸濁型注入材の特性として、前述のように注入に伴い、圧力の上昇がみられたほか、図7に図示するように懸濁型注入材は浸透方向に対し改良強度が低下する傾向を示すが、これは懸濁粒子が砂によってフィルタリング作用を受けたと考えられると共に、混合法による供試体の強度と比較すると80cm程度までであれば浸透可能と判断することができる結果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、現地の応力状態や施工方法を再現しながら試料に薬液を注入して改良強度や浸透性の検討を行うための供試体を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】薬液注入供試体の作製装置の一実施形態を示す概略図である。
【図2】供試体作製用モールドの構造を示す概略図である。
【図3】圧力管理装置の構造を示す概略図である。
【図4】薬液注入装置の構造を示す概略図である。
【図5】供試体作製用モールドに複数台の薬液注入装置が接続された構造を示す概略図である。
【図6】溶液型注入材と懸濁型注入材を硅砂に同一速度にて注入した場合の注入量と注入圧の関係を示すグラフである。
【図7】懸濁型注入材の浸透試験の結果を示すグラフである。
【図8】供試体作製装置の従来例を示す概略図である。
【図9】供試体作製装置の従来例を示す概略図である。
【図10】供試体作製装置の従来例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0064】
1 モールド (供試体作製用モールド)
2 圧力管理装置
3 薬液注入装置
4 炭酸ガス注入装置
5 脱気水注入装置
6a 支持体の上部フランジ
6b 支持体の下部フランジ
7 載荷板
8 バルブ
9 中空ロッド
10 ベアリング
11 廃水槽
12 バルブ
13 多孔質の通水層
14 コンプレッサー
15 レギュレータ
16 スクリュージャッキ
17 載荷板
18 薬液タンク
19 圧力計
20 変位計
21 攪拌翼

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を供試体に形成する供試体作製用モールドと、当該供試体作製用モールド内に拘束圧を付与する圧力管理装置と、前記供試体作製用モールド内に薬液を注入する薬液注入装置とを備え、前記薬液注入装置の駆動源としてスクリュージャッキを備えて構成されていることを特徴とする薬液注入供試体の作製装置。
【請求項2】
薬液注入装置は、薬液タンクと、載荷板と共に前記薬液タンク内を進退移動するロッドと、スクリュージャッキをコントロールするインバーターを備え、前記載荷板が前記薬液タンク内の注入材を加圧することにより、注入材が供試体作製用モールド内に注入されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の薬液注入供試体の作製装置。
【請求項3】
供試体作製用モールド内の供試体にエアを注入するエア注入装置と、前記供試体に脱気水を注入する脱気水注入装置とを備えて構成されていることを特徴とする1または2記載の薬液注入供試体の作製装置。
【請求項4】
薬液タンク内に撹拌用翼が取り付けられていることを特徴とする請求項2または3記載の薬液注入供試体の作製装置。
【請求項5】
複数台の薬液注入装置を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の薬液注入供試体の作製装置。
【請求項6】
供試体作製用モールド内に試料を投入して供試体を形成する工程、前記供試体作製用モールド内にエアを注入する工程、前記供試体作製用モールド内に脱気水を注入する工程、前記供試体作製用モールド内に拘束圧を付与する工程、供試体作製用モールド内に薬液を注入する工程とからなり、前記供試体作製用モールド内に一定の拘束圧を付与した状態で注入速度、注入量および注入圧を管理しながら前記供試体作製用モールド内に薬液を注入することを特徴とする薬液注入供試体の作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−133816(P2010−133816A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−309675(P2008−309675)
【出願日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り (1)社団法人地盤工学会 第43回地盤工学研究発表会 平成20年度発表講演集 平成20年(2008年)7月9日〜12日 広島市において(2分冊の1)発行日:平成20年6月12日 (2)社団法人土木学会 第63回年次学術講演会講演概要集(全国大会開催期間:平成20年9月10日〜12日)(CD−ROM)発行日:平成20年8月13日
【出願人】(000162652)強化土エンジニヤリング株式会社 (116)
【Fターム(参考)】