説明

薬液注入装置、透視撮像システム、コンピュータプログラム

【課題】会計処理装置での会計処理を簡単とすることができる構造の薬液注入装置を提供する。
【解決手段】薬液注入装置400は、装填された薬液シリンジ800から薬液条件データを取得して会計処理装置900に送信するので、この会計処理装置900では、受信した薬液条件データを会計関連データの一部として会計処理に利用することができる。その薬液条件データは実際に使用される薬液シリンジ800から薬液注入装置400に自動的に取得され、作業者が入力操作する必要がない。このため、実際に被験者に注入された薬液の薬液条件データを会計処理装置900に簡単かつ確実に提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透視画像データが撮像される被験者に薬液シリンジから薬液を注入する薬液注入装置、この薬液注入装置を一部とする透視撮像システム、薬液注入装置のコンピュータプログラム、に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、被験者の透視画像データである断層画像を撮像する透視撮像装置としては、CT(Computed Tomography)スキャナ、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、PET(Positron Emission Tomography)装置、超音波診断装置、等がある。また、被験者の透視画像データである血管画像を撮像する透視撮像装置としては、CTアンギオ装置、MRA(MR Angio)装置、等がある。
【0003】
上述のような透視撮像装置を使用するとき、被験者に造影剤や生理食塩水などの薬液を注入することがあり、この注入を自動的に実行する薬液注入装置も実用化されている。一般的な薬液注入装置は、薬液が充填されている薬液シリンジを保持し、そのシリンダ部材にピストン部材を圧入することで被験者に薬液を注入する。
【0004】
透視撮像装置はスタンドアロンでも機能するが、通常は透視撮像装置を一部とした透視撮像システムが構築される。このような透視撮像システムは、例えば、カルテ管理装置、撮像管理装置、透視撮像装置、データ保存装置、画像閲覧装置、等からなる。
【0005】
カルテ管理装置は、一般的にはHIS(Hospital Information System)等と呼称されており、いわゆる電子カルテを管理する。この電子カルテは、被験者ごとに作成されている。
【0006】
例えば、ある被験者から透視画像データを撮像する場合、その被験者の電子カルテに基づいてカルテ管理装置で撮像オーダデータが作成される。この撮像オーダデータは、被験者から透視画像データが撮像される撮像作業ごとに生成される。
【0007】
より具体的には、撮像オーダデータは、例えば、固有の識別情報である撮像作業ID(Identity)、透視撮像装置の識別情報、被験者ID、撮像開始および終了の日時、等からなる。
【0008】
このような撮像オーダデータがHISから撮像管理装置に供給される。撮像管理装置は、一般的にはRIS(Radiology Information System)等と呼称されており、被験者から透視画像データを撮像するための撮像オーダデータを記憶する。
【0009】
透視撮像装置は、RISから撮像オーダデータを取得して撮像作業を実行する。その場合、透視撮像装置では、撮像オーダデータに対応して被験者から透視画像データが撮像される。この透視画像データは、透視撮像装置で撮像オーダデータの少なくとも一部が付与されてデータ保存装置に出力される。
【0010】
このデータ保存装置は、一般的にはPACS(Picture Archive and Communication System)等と呼称されており、撮像オーダデータが付与された透視画像データを保存する。
【0011】
PACSには、一般にビューアと呼称される画像閲覧装置が接続されている。この画像閲覧装置は、例えば、撮像オーダデータを検索キーとして透視画像データを読み出し、その透視画像データを表示する。
【0012】
なお、上述のように撮像作業が完了すると、当然ながら、その撮像作業の会計処理が実行される。この会計処理を実行する会計処理装置としては、一般的に前述のHISが利用されている。
【0013】
上述の会計処理は、撮像作業に関連した撮像オーダデータや電子カルテなどの各種の会計関連データにより実行される。この会計関連データには、撮像作業で消費される薬液の費用などの薬液条件データが必須要素として内包されている。
【0014】
上述のような透視撮像システムとしては、各種の提案がある(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2001−101320号
【特許文献2】特開2005−198808号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上述のような透視撮像システムでは、HISに格納されている電子カルテに基づいてRISに撮像オーダデータが登録される。そして、薬液注入装置により造影剤などの薬液が注入される被験者から、撮像オーダデータに対応して透視撮像装置により透視画像データが撮像される。この撮像された透視画像データはPACSに保存され、撮像作業の会計処理はHISで実行される。
【0017】
この会計処理には、撮像作業で消費される薬液の費用などの薬液条件データが必須である。そこで、この薬液条件データを撮像オーダデータに登録しておけば、HISはRISから撮像オーダデータの薬液条件データを取得して会計処理に利用することができる。
【0018】
しかし、実際に撮像作業で利用される薬液は、現場の判断などのために変更されることがある。このような場合、撮像オーダデータの薬液条件データで会計処理が実行されると、その会計処理は実際の撮像作業と整合しないことになる。
【0019】
また、実際の医療現場では、リフィルタイプの薬液シリンジに薬液を充填し、実際に被験者に注入された薬液の容量に対応して会計処理を実行することもある。しかし、その薬液注入容量も現場の判断により変化することがある。従って、やはり撮像オーダデータに事前に薬液注入容量をデータ登録しておいて会計処理に利用することは困難である。
【0020】
このため、現在の医療現場では、薬液注入装置により薬液シリンジから被験者に薬液が注入されてから、その薬液条件データや薬液注入容量が、注入作業の現場から会計処理装置にオンラインやオフラインで通知されている。
【0021】
しかし、このためには注入作業の現場で作業者が端末に薬液条件データ等を入力操作することなどが必要である。この場合、その作業が煩雑であり、会計処理を迅速に開始することもできず、誤入力が発生することもある。
【0022】
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、実際に被験者に注入された薬液の薬液条件データを会計処理装置に簡単かつ確実に提供することができる薬液注入装置、この薬液注入装置を有する透視撮像システム、薬液注入装置のコンピュータプログラム、を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の薬液注入装置は、薬液条件データが記録されている薬液シリンジと、薬液シリンジを駆動して透視画像データが撮像される被験者に薬液を注入する薬液注入装置と、各種の会計関連データに基づいて撮像作業の会計処理を実行する会計処理装置と、を有する透視撮像システムの薬液注入装置であって、装填された薬液シリンジを駆動して薬液の注入を実行する注入実行機構と、注入実行機構に装填された薬液シリンジから薬液条件データを取得するデータ入力部と、取得された薬液条件データの少なくとも一部を会計関連データの一部として会計処理装置に送信するデータ出力部と、を有する。
【0024】
従って、本発明の薬液注入装置では、注入実行機構に薬液シリンジが装填されると、その薬液シリンジに記録されている薬液条件データがデータ入力部により取得される。そして、取得された薬液条件データの少なくとも一部がデータ出力部により会計処理装置に送信されるので、この会計処理装置では、受信した薬液条件データを会計関連データの一部として会計処理に利用することができる。
【0025】
本発明の透視撮像システムは、薬液条件データが記録されている薬液シリンジと、薬液シリンジを駆動して透視画像データが撮像される被験者に薬液を注入する薬液注入装置と、各種の会計関連データに基づいて撮像作業の会計処理を実行する会計処理装置と、を有する透視撮像システムであって、本発明の薬液注入装置を有する。
【0026】
本発明のコンピュータプログラムは、本発明の薬液注入装置のためのコンピュータプログラムであって、注入実行機構に装填された薬液シリンジから薬液条件データを取得するデータ入力処理と、取得された薬液条件データの少なくとも一部を会計関連データの一部として会計処理装置に送信するデータ出力処理と、を薬液注入装置に実行させる。
【0027】
なお、本発明で云う各種の構成要素は、その機能を実現するように形成されていればよく、例えば、所定の機能を発揮する専用のハードウェア、所定の機能がコンピュータプログラムにより付与されたデータ処理装置、コンピュータプログラムによりデータ処理装置に実現された所定の機能、これらの任意の組み合わせ、等として実現することができる。
【0028】
また、本発明で云う各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要もなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でよい。
【0029】
また、本発明で云う薬液シリンジとは、シリンジメーカで薬液が充填されて薬液条件データが記録されたプレフィルドシリンジでよい。ただし、シリンジメーカから医療現場にリフィルシリンジとして出荷され、医療現場で薬液が充填されるとともに薬液条件データが記録されたものでもよい。
【0030】
また、本発明で云う薬液条件データとは、例えば、プレフィルドシリンジの製剤IDや薬液IDやシリンジIDや充填容量や販売価格など、会計処理に利用される各種データでよい。ただし、会計処理に利用される各種データが会計処理装置などに登録されている場合は、薬液条件データは、その各種データの検索キーとなるIDデータのみでもよい。
【発明の効果】
【0031】
本発明の薬液注入装置では、注入実行機構に薬液シリンジが装填されると、その薬液シリンジに記録されている薬液条件データがデータ入力部により取得される。そして、取得された薬液条件データの少なくとも一部がデータ出力部により会計処理装置に送信されるので、この会計処理装置では、受信した薬液条件データを会計関連データの一部として会計処理に利用することができる。その薬液条件データは実際に使用される薬液シリンジから薬液注入装置に自動的に取得され、作業者が入力操作する必要がない。このため、実際に被験者に注入された薬液の薬液条件データを会計処理装置に簡単かつ確実に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態の薬液注入装置の論理構造を示す模式的なブロック図である。
【図2】透視撮像システムの論理構造を示す模式的なブロック図である。
【図3】透視撮像システムの物理構造を示すブロック図である。
【図4】CTスキャナの透視撮像ユニットと薬液注入装置の注入実行ヘッドとの外観を示す斜視図である。
【図5】薬液注入装置の外観を示す斜視図である。
【図6】薬液注入装置の注入実行ヘッドを薬液シリンジとともに示す分解斜視図である。
【図7】薬液注入装置の他の論理構造を示す模式的なブロック図である。
【図8】薬液注入装置の表示画面に身体区分の模式画像が表示出力された初期状態を示す模式的な正面図である。
【図9】身体区分と撮像部位とが選定された表示状態を示す模式的な正面図である。
【図10】注入制御データが表示出力された状態を示す模式的な正面図である。
【図11】被験者IDの取得中のガイダンスメッセージが表示出力された状態を示す模式的な正面図である。
【図12】被験者IDの取得エラーのガイダンスメッセージが表示出力された状態を示す模式的な正面図である。
【図13】一の注入条件データが表示出力された状態を示す模式的な正面図である。
【図14】他の注入条件データが表示出力された状態を示す模式的な正面図である。
【図15】薬液条件データが表示出力された状態を示す模式的な正面図である。
【図16】注入制御データが設定された表示状態を示す模式的な正面図である。
【図17】被験者IDの照合エラーのガイダンスメッセージが表示出力された状態を示す模式的な正面図である。
【図18】手動設定された注入制御データにより薬液注入動作が実行された場合の経時グラフが表示出力された状態を示す模式的な正面図である。
【図19】薬液条件データおよび注入条件データに基づいて自動設定された注入制御データにより薬液注入動作が実行された場合の経時グラフが表示出力された状態を示す模式的な正面図である。
【図20】薬液注入装置の処理動作の前半部分を示すフローチャートである。
【図21】薬液注入装置の処理動作の後半部分を示すフローチャートである。
【図22】透視撮像システムの処理動作を示す模式的なタイムチャートである。
【図23】一の変形例の薬液注入装置の注入実行ヘッドの外観を示す斜視図である。
【図24】他の変形例の薬液注入装置の注入実行ヘッドの外観を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の実施の形態を図面を参照して以下に説明する。本発明の実施の形態の透視撮像システム1000は、図2および図3に示すように、撮像管理装置であるRIS100、透視撮像装置であるCTスキャナ200、データ保存装置であるPACS300、薬液注入装置400、データ制御装置である制御ボックス500、画像閲覧装置600、会計処理装置であるHIS900、を有する。
【0034】
本実施の形態の透視撮像システム1000では、図示するように、HIS900が、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク700によりRIS100と接続されている。
【0035】
このRIS100およびPACS300は、通信ネットワーク701,702によりCTスキャナ200と接続されている。一方、制御ボックス500も、通信ネットワーク703〜705により、RIS100、PACS300、薬液注入装置400、と接続されている。そして、PACS300には、画像閲覧装置600が通信ネットワーク706により接続されている。
【0036】
本実施の形態の透視撮像システム1000は、いわゆるDICOM(Digital Imaging and COmmunications in Medicine)規格に準拠している。このため、その各種装置100〜600,900は、DICOMの規約で各種データを相互通信する。
【0037】
本実施の形態の透視撮像システム1000では、CTスキャナ200、PACS300、薬液注入装置400、制御ボックス500、HIS900、が各々一個であり、何れの組み合わせも一対一の関係となっている。
【0038】
本実施の形態のHIS900は、いわゆるコンピュータ装置からなり、専用のコンピュータプログラムが実装されている。このコンピュータプログラムに対応してコンピュータ装置が各種処理を実行することにより、HIS900には、カルテ管理部901、会計処理部902、等の各部が各種機能として論理的に実現されている。
【0039】
カルテ管理部901は、上述のコンピュータプログラムに対応して認識されるHDD(Hard Disc Drive)の記憶エリアなどに相当し、いわゆる電子カルテを記憶している。この電子カルテは、被験者ごとに作成されており、例えば、固有の識別情報であるカルテID、被験者ごとの被験者ID、被験者の体重や性別や年齢などの個人データ、被験者の疾病に関するカルテデータ、等のテキストデータからなる。
【0040】
会計処理部902は、コンピュータプログラムと入力データとに対応してCPU(Central Processing Unit)が所定処理を実行する機能などに相当し、詳細には後述するが、各種の会計関連データに基づいて撮像作業の会計処理を実行する。
【0041】
本実施の形態のRIS100も、いわゆるコンピュータ装置からなり、実装されている専用のコンピュータプログラムに対応して各種処理を実行することにより、オーダ管理部101、オーダ選定部102、統合制御部103、等の各部が各種機能として論理的に実現されている。
【0042】
オーダ管理部101は、上述のコンピュータプログラムに対応して認識されるHDDの記憶エリアなどに相当し、被験者から透視画像データを撮像するための撮像オーダデータを固有の識別情報で管理する。
【0043】
この撮像オーダデータは、HIS900から取得する電子カルテに基づいて作成される。このように作成される撮像オーダデータは、例えば、固有の識別情報である撮像作業ID、前述の電子カルテの被験者IDと個人データとカルテデータ、CTスキャナ200の識別情報、撮像開始および終了の日時、身体区分または撮像部位、薬液である造影剤の製品名称、等のテキストデータからなる。
【0044】
オーダ選定部102は、例えば、キーボードなどの入力操作に対応してCPUが所定処理を実行する機能などに相当し、作業者の入力操作に対応して複数の撮像オーダデータから一つを選定する。
【0045】
統合制御部103は、例えば、CPUが通信I/F(Interface)により各種データを送受信する機能などに相当し、上述の選定されている一つの撮像オーダデータをCTスキャナ200や制御ボックス500から受信する取得要求に対応して返信する。
【0046】
本実施の形態のCTスキャナ200は、図3に示すように、撮像実行機構である透視撮像ユニット201と撮像制御ユニット210とを有する。透視撮像ユニット201は、被験者から透視画像データを撮像する。撮像制御ユニット210は、透視撮像ユニット201を動作制御する。
【0047】
より詳細には、撮像制御ユニット210は、専用のコンピュータプログラムが実装されているコンピュータ装置からなる。このコンピュータ装置がコンピュータプログラムに対応して各種処理を実行することにより、撮像制御ユニット210には、要求送信部211、オーダ受信部212、撮像制御部213、データ付与部214、画像送信部215、等の各部が各種機能として論理的に実現されている。
【0048】
要求送信部211は、キーボードなどの入力操作に対応してCPUが通信I/Fにより各種データを送受信する機能などに相当し、作業者の入力操作に対応してRIS100に撮像オーダデータの取得要求を送信する。オーダ受信部212は、RIS100から返信される撮像オーダデータを受信する。
【0049】
撮像制御部213は、受信した撮像オーダデータに対応して透視撮像ユニット201を動作制御する。データ付与部214は、透視撮像ユニット201で撮像された透視画像データに撮像オーダデータを付与する。
【0050】
画像送信部215は、撮像オーダデータが付与された透視画像データをPACS300に送信する。なお、上述のように生成される透視画像データは、例えば、断層画像のビットマップデータからなる。
【0051】
本実施の形態のPACS300は、やはり専用のコンピュータプログラムが実装されているデータベースサーバからなる。PACS300は、CTスキャナ200から撮像オーダデータが付与された透視画像データを受信して保存する。
【0052】
本実施の形態の薬液注入装置400は、図5に示すように、注入制御ユニット401と注入実行ヘッド410とを有する。注入制御ユニット401が注入実行ヘッド410を動作制御する。注入実行ヘッド410は、図6に示すように、着脱自在に装着される薬液シリンジ800を駆動して薬液を被験者に注入する。
【0053】
より詳細には、注入制御ユニット401は、図3に示すように、メイン操作部402、タッチパネル403、コントローラユニット404、コンピュータユニット405、通信I/F406、等を有する。
【0054】
注入実行ヘッド410は、注入実行機構の一部として薬液シリンジ800を保持するシリンジ保持機構411、薬液シリンジ800を駆動するシリンジ駆動機構412、シリンジ駆動機構412の動作指示などが入力操作されるサブ操作部413、各種データを表示出力するデータ表示デバイスであるヘッドディスプレイ415、等を有する。
【0055】
サブ操作部413は、後述する最終確認スイッチ414を有する。ヘッドディスプレイ415は、注入実行ヘッド410の後方側部に直接に固定されており、シリンジ保持機構411とシリンジ駆動機構412との近傍に配置されている。
【0056】
なお、本実施の形態の薬液シリンジ800としては複数種類があり、その一部には所定位置にRFIDチップ810が搭載されている。注入実行ヘッド410は、シリンジ保持機構411で薬液シリンジ800が適正に保持されたときのみRFIDチップ810と無線通信する位置にRFIDリーダ416が搭載されている。
【0057】
薬液シリンジ800のRFIDチップ810には、少なくとも薬液に関連する薬液条件データが登録されている。より詳細には、薬液シリンジ800は、薬液が充填された状態で出荷される、いわゆるプレフィルドタイプであり、RFIDチップ810には、出荷される以前に薬液条件データが登録される。
【0058】
この薬液条件データは、例えば、充填されている薬液に関連する、製品名称、薬液ID、化学分類、含有成分、粘度、消費期限、などの各種データと、その薬液シリンジ800に関連する、シリンジ容量、シリンダ耐圧、シリンダ内径、ピストンストローク、ロット番号、販売価格、などの各種データからなる。
【0059】
なお、上述の薬液条件データの薬液IDは、その薬液の化学分類と含有成分と化学構造とに起因して登録されており、シリンジ容量などには関連していない。例えば、CT用で心臓用の造影剤としてA社とB社との製品が存在している場合、薬液の種別である「CT用で心臓用の造影剤」は共通でも、水溶性か油性か、イオン性か非イオン性か、モノマー型かダイマー型か、などの化学分類が相違するならば、その薬液IDは相違する。
【0060】
さらに、その薬液種別と化学分類とが共通でも、含有成分が相違するならば薬液IDは相違し、薬液種別と化学分類と含有成分とが共通でも、例えば、一つでも含有成分の化学構造が相違するならば薬液IDは相違する。
【0061】
一方、プレフィルドタイプで容量が「200(ml)」と「500(ml)」との薬液シリンジに同一の薬液が充填されているならば、その薬液シリンジは容量により製品としては別個であるが薬液条件データの薬液IDは同一である。
【0062】
薬液注入装置400のコンピュータユニット405には、上述の各部が接続されている。コンピュータユニット405は、接続されている各部を実装されているコンピュータプログラムに対応して統合制御する。
【0063】
このため、薬液注入装置400は、シリンジ保持機構411に装填された薬液シリンジ800から薬液条件データを取得するデータ入力部421、設定される注入制御データに対応してシリンジ駆動機構412を動作制御する注入制御部422、取得された薬液条件データの少なくとも一部を注入制御データの少なくとも一部として注入制御部422に設定する制御設定部423、薬液の注入が完了すると薬液条件データの少なくとも一部を会計関連データの一部としてHIS900に送信するデータ出力部424、等の各部を各種機能として論理的に有する。
【0064】
より詳細には、上述のような薬液注入装置400の各部421,424は、上述のコンピュータプログラムに対応してコンピュータユニット405が通信I/F406によりRIS100やPACS300とデータ通信する機能などに相当し、その他の各部422,423は、コンピュータユニット405が所定のデータ処理を実行する機能などに相当する。
【0065】
前述のように薬液シリンジ800は、薬液条件データが記録されているRFIDチップ810が搭載されているので、データ入力部421は、薬液シリンジ800のRFIDチップ810からRFIDリーダ416により薬液条件データを取得する。
【0066】
また、データ入力部421は、RIS100から撮像オーダデータの少なくとも一部も取得し、制御設定部423は、取得された撮像オーダデータの少なくとも一部も注入制御データの少なくとも一部として注入制御部422に設定する。
【0067】
より具体的には、図8に示すように、注入制御ユニット401のタッチパネル403には、例えば、注入制御データの入力操作の初期画面の左上に、人体の正面画像と「i」との模式図からなる取得要求の操作アイコンが表示出力される。
【0068】
そこで、この取得要求の操作アイコンが入力操作されると、制御ボックス500を経由して撮像オーダデータの一部が注入条件データとして取得される。そして、この注入条件データから、被験者ID、撮像部位、等が注入制御データの少なくとも一部として注入制御部422に設定される。
【0069】
このような注入制御データは、例えば、シリンジ駆動機構412の作動ストロークや作動圧力が経過時間ごとに所定コマンドなどで設定された、プロトコルデータなどからなる。
【0070】
なお、本実施の形態の薬液注入装置400は、上述の各部421〜423等を利用して注入制御データを自動設定することができるが、手動操作により注入制御データの新規設定および設定編集も実行することもできる。
【0071】
このため、薬液注入装置400は、図7に示すように、条件記憶部441、画像記憶部442、区分表示部445、区分入力部446、部位表示部447、部位入力部448、動作読出部449、身体入力部451、等の各部も各種機能として論理的に実現されている。
【0072】
薬液注入装置400の画像記憶部442は、人体の複数の身体区分と多数の撮像部位との模式画像を関連させて記憶している。区分表示部445は、画像記憶部442が記憶している複数の身体区分の模式画像を人体に対応した配列で表示する。
【0073】
区分入力部446は、区分表示部445で画像表示出力された複数の身体区分から一つを選択する入力操作を、一つの注入制御データの入力操作として受け付ける。部位表示部447は、区分入力部446で選択された身体区分に対応して少なくとも一つの撮像部位の模式画像を表示出力する。部位入力部448は、部位表示部447で画像表示出力された撮像部位を選定する入力操作を、一つの注入制御データの入力操作として受け付ける。
【0074】
より具体的には、薬液注入装置400では、複数の身体区分として「頭部,胸部,腹部,脚部」が規定されており、これらの各々に対応した模式画像がコンピュータユニット405に登録されている。
【0075】
そこで、薬液注入装置400に所定操作を実行すると、図8に示すように、「頭部,胸部,腹部,脚部」の模式画像が人体形状に対応してタッチパネル403の画面上部に表示出力される。
【0076】
また、上述の身体区分である「頭部」の模式画像には、複数の撮像部位として「脳部,顎部,首部」等の模式画像が関連されて登録されている。同様に、「胸部」の模式画像には「心臓部,肺部」、「腹部」の模式画像には「胃部,肝臓部,...」、「脚部」の模式画像には「上部,下部」、などの模式画像が関連されて登録されている。
【0077】
そこで、タッチパネル403に人体形状で表示出力された複数の身体範囲の模式画像の一つが手動操作されると、その一つの模式画像のみ上方にスキャナ機構の模式画像が表示出力され、手動操作された一つの模式画像のみが明転するとともに他の模式画像は暗転する(図示せず)。
【0078】
同時に、その下部には関連する複数の撮像部位の模式画像が表示出力される。そこで、その表示出力された複数の撮像部位の模式画像の一つが手動操作されると、図9に示すように、その一つの模式画像のみが明転するとともに他の模式画像は暗転する。
【0079】
条件記憶部441は、人体の多数の撮像部位ごとにシリンジ駆動機構412の動作条件データを記憶している。この動作条件データは、例えば、人体の撮像部位ごとの造影剤の注入総量などとして設定されている。
【0080】
動作読出部449は、部位入力部448で選定された撮像部位に対応する動作条件データを条件記憶部441から読み出し、注入制御データの一部として注入制御部422に設定する。
【0081】
身体入力部451は、透視画像データの撮像に関連する人体の身体事項として体重の入力操作を受け付け、その体重を注入制御データの一部として注入制御部422に設定する。
【0082】
より具体的には、前述のように撮像部位が模式画像の手動操作により選定された状態で、「条件」なる操作アイコンが手動操作されると、体重や注入容量や注入時間などを入力操作できる状態となる。そこで、このような状態で体重の数値などが入力操作される。すると、図10に示すように、これらが注入制御データの一部として表示出力されるとともに設定される。
【0083】
なお、薬液注入装置400は、前述のようにHIS900がRIS100を経由して接続されている。このため、データ出力部424は、薬液条件データの一部を撮像作業IDおよび被験者IDとともに、会計関連データの一部としてRIS100を経由してHIS900まで送信する。
【0084】
さらに、薬液注入装置400は、注入条件データに対応したシリンジ駆動機構412の動作履歴からなる注入履歴データを生成する履歴生成部425も有し、データ出力部424は、生成された注入履歴データをPACS300に送信して透視画像データとともに保存させる。
【0085】
このような注入履歴データは、例えば、横軸と縦軸との一方が経過時間で他方が注入速度の経時グラフの画像データからなり、注入制御データや被験者IDや注入作業ID等がテキストデータで付与される。
【0086】
なお、履歴生成部425は、会計関連データの一部としてHIS900に送信された薬液条件データの少なくとも一部と、注入条件データの少なくとも一部と、も注入履歴データに登録する。
【0087】
本実施の形態の制御ボックス500は、図3に示すように、やはり専用のコンピュータプログラムが実装されているコンピュータユニット501、通信I/F502、等を有する。
【0088】
制御ボックス500も、コンピュータユニット501がコンピュータプログラムに対応して各種処理を実行する。このため、制御ボックス500には、図2に示すように、取得仲介部511、履歴転送部514、等の各部が各種機能として論理的に実現されている。
【0089】
取得仲介部511は、薬液注入装置400から受信した取得要求に対応して、撮像オーダデータをRIS100から取得し、取得された撮像オーダデータの一部を注入制御データの一部として薬液注入装置400に返信する。履歴転送部514は、注入履歴データを薬液注入装置400から受信してPACS300に転送する。
【0090】
このため、本実施の形態のPACS300は、前述のようにCTスキャナ200から受信する透視画像データを保存するだけではなく、上述のように制御ボックス500から受信する注入履歴データも保存する。
【0091】
そして、前述のように透視画像データには撮像オーダデータが付与されており、この撮像オーダデータの撮像作業IDが注入履歴データに付与されている。このため、撮像オーダデータと注入履歴データとは撮像作業IDにより関連付けられた状態でPACS300に保存される。
【0092】
本実施の形態の画像閲覧装置600も、専用のコンピュータプログラムが実装されているコンピュータ装置からなる。画像閲覧装置600は、図3に示すように、コンピュータユニット601、ディスプレイユニット602、コントローラユニット603、通信I/F604、等を有する。
【0093】
画像閲覧装置600は、コンピュータユニット601がコンピュータプログラムに対応して各種処理を実行することにより、図2に示すように、データ読出部611、データ表示部612、を有する。
【0094】
データ読出部611は、例えば、コンピュータユニット601がコンピュータプログラムとコントローラユニット603への入力データとに対応して通信I/F604からPACS300にアクセスする機能などに相当し、撮像作業IDで関連付けられている透視画像データと注入履歴データとをPACS300から読み出す。
【0095】
データ表示部612は、コンピュータユニット601が通信I/F604の受信データをディスプレイユニット602に表示させる機能などに相当し、読み出された透視画像データと注入履歴データとを表示する。
【0096】
なお、上述のようなRIS100のコンピュータプログラムは、例えば、撮像作業IDや被験者IDや注入条件データが設定されている撮像オーダデータを記憶すること、作業者の入力操作に対応して複数の撮像オーダデータから一つを選定すること、選定されている一つの撮像オーダデータをCTスキャナ200や制御ボックス500から受信する取得要求に対応して返信すること、制御ボックス500から受信する薬液条件データをHIS900に転送すること、等をRIS100に実行させるためのソフトウェアとして記述されている。
【0097】
また、CTスキャナ200のコンピュータプログラムは、例えば、作業者の入力操作に対応してRIS100に撮像オーダデータの取得要求を送信すること、RIS100から返信される撮像オーダデータを受信すること、受信した撮像オーダデータに対応して透視撮像ユニット201を動作制御すること、透視撮像ユニット201で撮像された透視画像データに撮像オーダデータを付与すること、撮像オーダデータが付与された透視画像データをPACS300に送信すること、等を撮像制御ユニット210に実行させるためのソフトウェアとして記述されている。
【0098】
また、薬液注入装置400のコンピュータプログラムは、例えば、シリンジ保持機構411に装填された薬液シリンジ800のRFIDチップ810からRFIDリーダ416により薬液条件データを取得すること、RIS100から撮像オーダデータを取得すること、取得された薬液条件データと撮像オーダデータとに対応して注入制御データを生成すること、生成された注入制御データに対応してシリンジ駆動機構412を動作制御すること、その動作制御と薬液条件データと撮像オーダデータとに対応して注入履歴データを生成すること、生成された注入履歴データをPACS300に送信して透視画像データとともに記憶させること、薬液条件データをHIS900に送信して会計処理に利用させること、等をコンピュータユニット405に実行させるためのソフトウェアとして記述されている。
【0099】
また、制御ボックス500のコンピュータプログラムは、例えば、薬液注入装置400の取得要求に対応してRIS100から撮像オーダデータを取得すること、取得された撮像オーダデータの被験者ID等を薬液注入装置400に返信すること、薬液注入装置400から注入履歴データと薬液条件データを受信すること、受信された注入履歴データをPACS300に転送するとともに薬液条件データをRIS100に転送すること、等をコンピュータユニット501に実行させるためのソフトウェアとして記述されている。
【0100】
また、PACS300のコンピュータプログラムは、例えば、撮像オーダデータが付与された透視画像データをCTスキャナ200から受信して保存すること、撮像オーダデータの撮像作業IDが付与された注入履歴データを制御ボックス500から受信して保存すること、等をPACS300に実行させるためのソフトウェアとして記述されている。
【0101】
そして、画像閲覧装置600のコンピュータプログラムは、例えば、撮像作業IDで関連付けられている透視画像データと注入履歴データをPACS300から読み出すこと、読み出された透視画像データと注入履歴データを表示すること、等をコンピュータユニット601に実行させるためのソフトウェアとして記述されている。
【0102】
また、HIS900のコンピュータプログラムは、例えば、電子カルテを保持すること、RIS100から受信する薬液条件データを会計関連データとして会計処理に利用すること、等をHIS900に実行させるためのソフトウェアとして記述されている。
【0103】
上述のような構成において、本実施の形態の透視撮像システム1000を使用して被験者から透視画像データを撮像する方法を以下に順番に説明する。まず、作業者は事前にRIS100に撮像オーダデータを登録しておく。
【0104】
この撮像オーダデータは、例えば、撮像作業ID、CTスキャナ200の識別情報、撮像開始および終了の日時、撮像部位、等のテキストデータからなる。この撮像オーダデータは、通常は被験者ごとの電子カルテに基づいて作成される。
【0105】
そこで、撮像オーダデータを作成する作業者は、RIS100を手動操作してHIS900から電子カルテを取得する。このため、撮像オーダデータには、被験者IDや氏名や体重なども登録される。
【0106】
ただし、撮像オーダデータは、CTスキャナ200での撮像作業に必要な各種データからなる。このため、薬液注入装置400の注入作業を特定できるデータは内包されていない。
【0107】
このような撮像オーダデータがRIS100に登録された状態で、撮像作業が実行されるときには、作業者がRIS100を手動操作することにより、その撮像作業に対応した一つの撮像オーダデータが選定される。
【0108】
一方、撮像作業の現場では、図4に示すように、CTスキャナ200の透視撮像ユニット201の近傍に薬液注入装置400が配置される。そして、透視撮像ユニット201に位置する被験者(図示せず)に延長チューブで薬液シリンジ800が連結され、この薬液シリンジ800が薬液注入装置400の注入実行ヘッド410に装填される。
【0109】
つぎに、図20に示すように、作業者が注入制御ユニット401のメイン操作部402の入力操作などで薬液注入装置400を起動させると(ステップS1)、図8に示すように、タッチパネル403に複数の身体区分の模式画像が人体形状に対応して表示出力される(ステップS2)。
【0110】
本実施の形態の薬液注入装置400では、注入制御データが設定されていない初期状態では、注入制御データによるシリンジ駆動機構412の動作制御は禁止されている。そして、薬液注入装置400は、上述のように初期画面が表示出力された状態で、注入制御データの全部を手動設定することもでき、その一部を撮像オーダデータから自動設定することもできる。
【0111】
手動設定する場合、タッチパネル403に表示出力された複数の身体区分の模式画像の一つを作業者が手指で押圧する。すると、その選択された身体区分の模式画像のみ明転するとともに他の模式画像は暗転し、その選択された身体区分の模式画像の上方にスキャナ機構の模式画像が表示出力される。
【0112】
同時に、その下部には選択された身体区分に関連する複数の撮像部位の模式画像が読み出されて選択画面に表示出力される。そこで、その一つを作業者が手指などで入力操作すると、図9に示すように、その選択された一つの模式画像のみが明転するとともに他の模式画像は暗転する。
【0113】
上述のように撮像部位が選択されると、薬液注入装置400では、その撮像部位に対応した動作条件データが読み出されて注入制御データとして設定される。さらに、図10に示すように、被験者の体重、注入速度、注入総量、注入時間、等が注入制御データとして作業者によりメイン操作部402に入力操作される(ステップS4)。
【0114】
このとき、本実施の形態の薬液注入装置400では、RFIDリーダ416により薬液シリンジ800にRFIDチップ810が搭載されているかも確認される(ステップS5)。
【0115】
そこで、薬液シリンジ800にRFIDチップ810が搭載されていた場合は、RFIDリーダ416により薬液条件データが取得される(ステップS6)。この薬液条件データは、前述のように、充填されている薬液に関連する製品名称や消費期限などの各種データと、その薬液シリンジ800に関連する容量やロット番号などの各種データからなる。
【0116】
そこで、このように取得された薬液条件データの一部が、図15に示すように、注入制御ユニット401のタッチパネル403と注入実行ヘッド410のヘッドディスプレイ415とに表示出力される(ステップS7)。
【0117】
このとき、タッチパネル403およびヘッドディスプレイ415には、表示出力されている薬液条件データが薬液シリンジ800のRFIDチップ810から取得されたことが、「RFID」なる所定のロゴマークにより表示出力される。
【0118】
従って、作業者は上述のように表示処理される薬液条件データを確認して注入制御データを入力操作する(ステップS8)。このように注入制御データの設定が完了すると(ステップS9,S10)、注入開始を入力操作できる状態となる。
【0119】
そこで、この注入開始がタッチパネル403などで入力操作されると(ステップS11)、設定された注入制御データに対応してシリンジ駆動機構412が動作制御されるので、これで被験者に造影剤と生理食塩水とが適切に注入される。
【0120】
なお、本実施の形態の透視撮像システム1000では、上述のように注入制御データを薬液注入装置400に手動操作で設定することの他、自動設定することもできる。より具体的には、本実施の形態の薬液注入装置400では、図8に示すように、注入作業の初期画面の左上に取得要求の操作アイコンも表示出力される。
【0121】
そこで、この取得要求の操作アイコンが手動操作されると(ステップS3)、図22に示すように、取得要求が制御ボックス500に送信される。この制御ボックス500は、薬液注入装置400から受信した取得要求をRIS100に転送する。
【0122】
すると、このRIS100は、前述のように選定されている一つの撮像オーダデータを制御ボックス500に返信する。この制御ボックス500は、RIS100から撮像オーダデータを受信すると、その撮像オーダデータの一部を注入条件データの少なくとも一部として薬液注入装置400に返信する。
【0123】
より具体的には、撮像オーダデータは、前述のように、撮像作業ID、CTスキャナ200の識別情報、撮像開始および終了の日時、被験者IDと氏名と体重、身体区分または撮像部位、等からなる。
【0124】
そこで、制御ボックス500は、取得した撮像オーダデータから、撮像作業ID、被験者IDと氏名と体重、身体区分または撮像部位、等を抽出し、これを注入条件データとして薬液注入装置400に返信する。
【0125】
上述のような通信中には、図11に示すように、薬液注入装置400では通信中を示すガイダンスデータがタッチパネル403およびヘッドディスプレイ415に表示出力される。このため、利用者は薬液注入装置400が通信中であることをリアルタイムに確認できる。
【0126】
さらに、通信エラーなどのために注入条件データが取得できないと、図12に示すように、データ取得の失敗を示すガイダンスデータがタッチパネル403およびヘッドディスプレイ415に表示出力される。このため、利用者はデータ取得の失敗を迅速に認識して再試行などを実行することができる。
【0127】
薬液注入装置400では、取得要求に対応して制御ボックス500から取得された注入条件データが(ステップS12)、図13および図14に示すように、タッチパネル403およびヘッドディスプレイ415に表示出力される(ステップS13)。
【0128】
このとき、被験者の氏名や性別なども注入条件データとして表示出力されるので、これで作業者は注入条件データと実際の被験者との整合を確認する。また、タッチパネル403およびヘッドディスプレイ415には、上述のように表示出力される注入条件データとともに、その注入条件データを注入制御データとして使用するか使用しないかの設定指示の操作アイコンも表示出力される。
【0129】
そこで、作業者が確認した注入条件データを注入制御データとして設定する場合には、「使用する」の操作アイコンを入力操作する。すると、これを検知した薬液注入装置400では(ステップS14)、図19に示すように、注入条件データが注入制御データに設定される(ステップS19)。
【0130】
さらに、本実施の形態の薬液注入装置400では、上述のように注入条件データから注入制御データが設定されるとき(ステップS12〜S19)、RFIDリーダ416により薬液シリンジ800にRFIDチップ810が搭載されているかも確認される(ステップS15)。
【0131】
そこで、薬液シリンジ800にRFIDチップ810が搭載されていた場合は、RFIDリーダ416により薬液条件データが取得される(ステップS16)。この薬液条件データは、前述のように、充填されている薬液に関連する薬液IDや製品名称や消費期限などの各種データと、その薬液シリンジ800に関連する容量やロット番号などの各種データからなる。
【0132】
そこで、このように取得された薬液条件データの一部が、図15に示すように、注入制御ユニット401のタッチパネル403と注入実行ヘッド410のヘッドディスプレイ415とに表示出力される(ステップS17)。
【0133】
このとき、タッチパネル403およびヘッドディスプレイ415には、表示出力されている薬液条件データが薬液シリンジ800のRFIDチップ810から取得されたことが、「RFID」なる所定のロゴマークにより表示出力される。
【0134】
さらに、上述のようにタッチパネル403およびヘッドディスプレイ415に薬液条件データが表示出力されるとき、この薬液条件データを注入制御データとして使用するか使用しないかの設定指示の操作アイコンも表示出力される。
【0135】
そこで、作業者が確認した薬液条件データを注入制御データとして使用する場合には、「使用する」の操作アイコンを入力操作する。すると、これを検知した薬液注入装置400では(ステップS18)、薬液条件データの一部が注入制御データとして設定される(ステップS19)。
【0136】
すると、図15に示すように、薬液条件データの一部である製品名称やロット番号などが、薬液条件データから設定された注入制御データである注入容量などとともに、タッチパネル403およびヘッドディスプレイ415に表示出力される。
【0137】
なお、薬液シリンジ800にRFIDチップ810が搭載されていない場合は、当然ながらRFIDリーダ416により検知されないので(ステップS15)、前述のように注入条件データから設定された注入制御データが利用される(ステップS19)。
【0138】
また、本実施の形態の薬液注入装置400では、前述のように注入条件データから注入制御データを設定することなく手動設定するときにも(ステップS4〜S11)、上述のように薬液シリンジ800のRFIDチップ810から薬液条件データを取得して注入制御データとして設定することは有効となっている(ステップS5〜S8)。
【0139】
上述のように薬液条件データの表示出力される一部は、作業者が目視により確認することが有用な製品名称や消費期限などからなる。また、薬液条件データの注入制御データとして設定される一部は、当然ながら、注入制御データとして有用な容量や耐圧などからなる。
【0140】
なお、図13に示すように、注入条件データに撮像部位は登録されているが体重などが登録されてない場合、注入条件データから設定される注入制御データは撮像部位のみとなる。この場合、その他の注入条件データから設定される注入制御データは手動設定されることになる(ステップS20〜S22)。
【0141】
また、上述のように注入条件データや薬液条件データにより設定された注入制御データも(ステップS19〜S22)、作業者の入力操作により修正することができる(ステップS20,S21)。
【0142】
本実施の形態の薬液注入装置400は、上述のように撮像オーダデータから注入条件データが取得されて注入制御データの設定が完了した場合(ステップS12〜S22)、この状態では薬液注入を開始できる状態とならない。
【0143】
そこで、作業者は、上述のように注入制御データの設定が完了すると(ステップS22)、延長チューブに気泡が混入していないかなどの最終確認を実行し、この最終確認が完了すると注入実行ヘッド410の最終確認スイッチ414を入力操作する。
【0144】
すると、これを検知した薬液注入装置400は(ステップS23)、最終確認が実行されたものとして薬液注入の動作ロックを解除する(ステップS24)。ただし、本実施の形態の薬液注入装置400では、このように最終確認が実行されて動作ロックが解除されても、それだけでは薬液注入は実行できない。
【0145】
つまり、薬液注入装置400は、上述のように最終確認スイッチ414が入力操作されると(ステップS23)、最初のときと同様に制御ボックス500にRIS100から撮像オーダデータを再度取得させ、その一部を注入条件データとして制御ボックス500から再度取得する(ステップS25)。
【0146】
そして、注入制御データとして設定されている注入条件データと、再度取得された注入条件データと、が比較される(ステップS26)。これで注入条件データが一致しないと、例えば、「撮像オーダが変更されています、確認してください」などの確認警告のエラーガイダンスとともに(ステップS27)、第一回目と第二回目との取得日時、一致した項目と一致しない項目との一覧、一致しないデータ内容、等がタッチパネル403およびヘッドディスプレイ415に表示出力される(図示せず)。
【0147】
この場合、例えば、確認完了がタッチパネル403およびヘッドディスプレイ415に入力操作されると初期状態に復帰する(ステップS3)。このため、撮像オーダデータが変更されている状態で注入動作が開始されることがない。
【0148】
一方、注入制御データとして設定されている注入条件データと、再度取得された注入条件データとの一致が確認されると(ステップS26)、タッチパネル403およびヘッドディスプレイ415により注入開始を入力操作できる状態となる。
【0149】
そこで、この注入開始が入力操作されると(ステップS28)、設定された注入制御データに対応してシリンジ駆動機構412が動作制御されるので、これで被験者に薬液として造影剤と生理食塩水とが適切に注入される(ステップS29)。
【0150】
このとき、リアルタイムに経過時間が計測されるとともに、実際の注入速度も検出されるので、その注入速度が注入制御データに適合するようにシリンジ駆動機構412の動作がフィードバック制御される。
【0151】
さらに、実際の注入速度からなる経時グラフがリアルタイムに生成され(ステップS30)、例えば、注入制御データとともにタッチパネル403およびヘッドディスプレイ415に表示出力される(ステップS31)。
【0152】
前述のように、注入条件データが取得されることなく注入制御データが手動設定された場合は、図18に示すように、経時グラフは手動設定された注入制御データとともに表示出力される。
【0153】
一方、注入条件データや薬液条件データが取得されて注入制御データが自動設定された場合は、図19に示すように、経時グラフは自動設定された注入制御データおよび注入条件データや薬液条件データなどとともに表示出力される。さらに、この場合は、注入条件データから取得された撮像開始時刻も、経時グラフに所定のシンボルマークで表示出力される。
【0154】
そして、注入作業が完了すると(ステップS32)、実際の注入速度の経時グラフを内包する注入履歴データが生成される(ステップS33)。このように生成される注入履歴データは、注入条件データが取得されることなく注入制御データが手動設定された場合は、経時グラフの画像データと手動設定された注入制御データのテキストデータからなる。
【0155】
注入条件データや薬液条件データが取得されて注入制御データが自動設定された場合は、注入履歴データは、経時グラフの画像データと、注入制御データおよび注入条件データのテキストデータからなる。
【0156】
このテキストデータは、例えば、注入作業ごとに固有の識別情報である注入作業ID、実際の注入開始および終了の日時、薬液注入装置400の識別情報、注入制御データ、その注入制御データの全部が手動入力されたか一部が撮像オーダデータから取得されたか一部が薬液条件データから取得されたかの情報、撮像オーダデータから取得された場合は最初と確認との取得日時、取得された注入条件データや薬液条件データ、等からなる。
【0157】
さらに、薬液シリンジ800のRFIDチップ810から薬液条件データが取得された場合には、その薬液条件データの一部も注入履歴データにテキストデータなどで設定される。
【0158】
このようなテキストデータは、例えば、薬液条件データがRFIDチップ810から取得されたか手動入力されたかの情報、薬液の製品名称、薬液ID、化学分類、含有成分、消費期限、シリンダ耐圧、ロット番号、販売価格、などからなる。
【0159】
また、薬液注入装置400は、注入作業が完了すると、少なくとも注入作業IDが付与されていて完了を通知する完了通知データも生成する(ステップS34)。そこで、注入作業を完了した薬液注入装置400は、完了通知データと注入履歴データとを制御ボックス500に送信する(ステップS35)。
【0160】
すると、この制御ボックス500は、薬液注入装置400から受信した完了通知データをRIS100に転送する。このRIS100は、受信した完了通知データを注入作業IDにより撮像オーダデータに関連させた状態で保存する。
【0161】
また、制御ボックス500は、薬液注入装置400から受信した注入履歴データをPACS300に転送する。このPACS300は、受信した注入履歴データを撮像作業IDで管理する状態で保存する。
【0162】
通常の作業では、前述のように薬液注入装置400による注入作業が完了する前後に、CTスキャナ200による撮像作業が開始される。その場合、作業者によりCTスキャナ200の撮像制御ユニット210に撮像開始が入力操作される。
【0163】
すると、CTスキャナ200の撮像制御ユニット210は、RIS100に撮像オーダデータの取得要求を送信する。すると、このRIS100は、前述のように選定されている一つの撮像オーダデータがCTスキャナ200に返信される。
【0164】
そこで、このCTスキャナ200では、撮像制御ユニット210が受信した撮像オーダデータに対応して透視撮像ユニット201が動作制御されることにより、透視画像データの撮像作業が実行される。
【0165】
これで透視撮像ユニット201により被験者から透視画像データが撮像されると、撮像制御ユニット210では、透視画像データに撮像オーダデータが付与される。つぎに、撮像制御ユニット210では、撮像オーダデータが付与された透視画像データがPACS300に送信される。
【0166】
このPACS300は、受信した透視画像データを撮像オーダデータの撮像作業IDで管理する状態で保存する。そして、作業者が透視画像データを閲覧するときは、例えば、画像閲覧装置600の手動操作によりPACS300から透視画像データを読み出す。
【0167】
その場合、例えば、撮像作業IDが検索キーとして入力操作されることにより、その撮像作業IDの透視画像データがPACS300から読み出されて画像閲覧装置600のディスプレイユニット602に表示出力される。
【0168】
このとき、その撮像作業IDにより注入履歴データもPACS300から読み出されるので、必要により画像閲覧装置600のディスプレイユニット602に表示出力される。
【0169】
このように表示出力される注入履歴データにより、その注入作業の注入制御データの全部が手動入力されたか、一部が撮像オーダデータから取得されたか、一部が薬液条件データから取得されたか、撮像オーダデータから取得された場合は最初と確認との日時、取得された注入条件データ、等も確認される。
【0170】
さらに、上述の注入履歴データにより、薬液条件データがRFIDチップ810から取得されたか手動入力されたか、RFIDチップ810から取得された場合は、その薬液の製品名称、薬液ID、消費期限、販売価格、等も確認される。
【0171】
また、本実施の形態の薬液注入装置400は、前述のように薬液の注入が完了すると(ステップS32)、薬液シリンジ800のRFIDチップ810から薬液条件データが取得されていた場合は(ステップS36)、その薬液条件データの一部が、撮像作業IDおよび被験者IDとともに、会計関連データとして制御ボックス500にテキストデータで送信される(ステップS37)。
【0172】
このように送信されるテキストデータは、例えば、撮像作業ID、被験者ID、薬液ID、薬液シリンジ800の販売価格、などからなる。この会計関連データは、制御ボックス500からRIS100を経由してHIS900まで転送される。
【0173】
そこで、このHIS900では、受信した薬液検出データを会計関連データとして、撮像作業の会計処理を実行する。その場合、撮像作業に関連した各種の会計関連データがオンラインや手動操作でHIS900に入力される。
【0174】
このHIS900は、撮像作業に使用された薬液シリンジ800の販売価格を、上述の薬液条件データから取得する。この薬液条件データには撮像作業IDと被験者IDも付与されているので、撮像作業ごとの会計処理が確実に実行される。
【0175】
本実施の形態の透視撮像システム1000では、上述のようにシリンジ駆動機構412に薬液シリンジ800が装填されると、その薬液シリンジ800に記録されている薬液条件データが取得され、この取得された薬液条件データの少なくとも一部がHIS900に送信される。このため、HIS900では、受信した薬液条件データを会計関連データの一部として会計処理に利用することができる。
【0176】
その薬液条件データは実際に使用される薬液シリンジ800から薬液注入装置400に自動的に取得され、作業者が入力操作する必要がない。従って、実際に被験者に注入された薬液の薬液条件データをHIS900に簡単かつ確実に提供することができる。
【0177】
しかも、上述のように薬液シリンジ800から薬液注入装置400に取得された薬液条件データは、その薬液注入を動作制御する注入制御データの一部として設定される。つまり、薬液シリンジ800から取得した薬液条件データを、注入制御と会計処理とに利用することができる。
【0178】
特に、本実施の形態の透視撮像システム1000では、被験者IDが設定されている撮像オーダデータをRIS100が記憶し、その撮像オーダデータに対応してCTスキャナ200が被験者から透視画像データを撮像する。
【0179】
そして、薬液注入装置400は、RIS100から撮像オーダデータの一部として注入条件データを取得する。この注入条件データも薬液条件データとともに注入制御データに自動設定され、この注入制御データで薬液の注入が制御される。このため、作業者が注入制御データの全部を手動入力する必要がなく、的確な注入制御データを簡単に設定することができる。
【0180】
さらに、薬液注入装置400は、上述のように薬液シリンジ800から取得した薬液条件データを薬液注入が完了すると会計関連データとしてHIS900に送信する。従って、薬液注入装置400に一度は装填されたものの交換されて使用されなかった薬液シリンジ800の薬液条件データが会計関連データとしてHIS900に送信されるようなことがない。
【0181】
このため、実際に薬液注入に利用された薬液シリンジ800の薬液条件データのみを、最速のタイミングでHIS900に提供することができる。従って、HIS900は、実際に使用された薬液シリンジ800の薬液条件データで会計処理を迅速に実行することができる。
【0182】
しかも、薬液注入装置400は、上述のようにRIS100から取得した撮像オーダデータの撮像作業IDと被験者IDも薬液条件データに付与してHIS900に送信する。
【0183】
このため、HIS900では、受信した薬液条件データに該当する撮像作業を簡単かつ確実に特定することができる。従って、薬液条件データを会計関連データとした会計処理を的確に実行することができる。
【0184】
しかも、上述のように自動的に取得される注入条件データや薬液条件データが表示出力されるので、作業者は注入条件データや薬液条件データが適正かを簡単かつ確実に確認することができる。
【0185】
特に、注入条件データとして被験者の氏名や性別、薬液条件データである製品名称、等も表示出力される。このため、これで作業者は注入条件データと実際の被験者との整合や、使用する薬液が適正かなどを、簡単かつ確実に確認することができる。
【0186】
なお、被験者ID等からなる注入条件データの取得は、「i」なるロゴと人体の模式画像による専用のアイコンにより入力操作される。このため、作業者は注入条件データの取得操作を直感的に実行することができる。
【0187】
また、RFIDチップ810から取得された薬液条件データは、「RFID」なる所定のロゴマークとともに表示出力される。このため、表示出力された薬液条件データがRFIDチップ810から取得されたことを、作業者は直感的に確認することができる。
【0188】
特に、上述のような表示出力は、薬液注入装置400の注入制御ユニット401のタッチパネル403だけではなく注入実行ヘッド410のヘッドディスプレイ415にも表示出力される。このため、作業者は注入実行ヘッド410の位置で作業しながらでも注入条件データや薬液条件データを確認することができる。
【0189】
さらに、本実施の形態の透視撮像システム1000では、薬液シリンジ800のRFIDチップ810に薬液条件データが記録されており、薬液注入装置400は、RFIDリーダ416でRFIDチップ810から薬液条件データを取得する。このため、薬液注入装置400は、薬液シリンジ800から大容量の薬液条件データを簡単かつ確実に取得することができる。
【0190】
特に、薬液注入装置400は、薬液シリンジ800が適正に装填されないと薬液条件データを取得しない。このため、薬液シリンジ800が適正に装填されていない状態で薬液注入が実行されることを防止できる。
【0191】
さらに、本実施の形態の薬液注入装置400は、注入直前の最終確認が入力操作されるとRIS100から撮像オーダデータの一部として注入条件データを再度取得し、事前取得された注入条件データと再度取得された注入条件データとの一致を確認する。
【0192】
その一致が確認されるまで注入制御データによる薬液注入を実行しないので、適正でない注入制御データで注入動作が実行されることを簡単かつ確実に防止することができる。
【0193】
例えば、撮像スケジュールが急遽変更となって撮像オーダデータが修正されたり消去されたような場合、最初の撮像オーダデータに対応して注入動作が開始されることがない。
【0194】
さらに、撮像オーダデータが一致しないことが薬液注入装置400により作業者に報知されるので、作業者は撮像オーダデータの変更を確実に認識して確認することができる。
【0195】
しかし、注入制御データの全部が手動入力されたときは、注入制御データの設定が完了すれば注入動作を開始することができる。このため、注入動作の禁止と解禁とを簡単な条件で適切に制御することができる。
【0196】
また、薬液注入装置400を利用した一般的な注入作業では、上述のように注入実行ヘッド410から離間した注入制御ユニット401で注入制御データを設定するが、この設定が完了すると注入実行ヘッド410の位置で薬液シリンジ800や被験者の状態などを最終確認することになる。
【0197】
そして、本実施の形態の薬液注入装置400では、上述のように注入直前に撮像オーダデータを再度取得して一致を確認するための最終確認スイッチ414が注入実行ヘッド410に配置されている。
【0198】
このため、従来から必須の注入実行ヘッド410の位置での最終確認のときに、撮像オーダデータの再度取得と一致確認とを入力操作できる。特に、この薬液注入装置400は、最終確認が実行されて最終確認スイッチ414が入力操作されないと薬液注入の動作ロックが解除されない。
【0199】
このため、一個の最終確認スイッチ414を入力操作するだけで、最終確認の完了入力による注入動作のロック解除と、撮像オーダデータの再確認とを、ともに実行することができる。
【0200】
さらに、薬液注入装置400では、注入制御データに基づいて注入動作が実行されるとき、経時グラフがリアルタイムに表示出力される。このため、作業者は注入状態をリアルタイムに確認することができる。
【0201】
特に、注入制御データがPACS300から取得されて設定された場合、その各種の設定内容が経時グラフとともに表示出力される。このため、作業者は注入制御データの設定内容を常時確認することができる。
【0202】
さらに、本実施の形態の薬液注入装置400では、RIS100から撮像オーダデータが取得された場合は、その撮像オーダデータに基づいて経時グラフに撮像開始時刻が表示出力される。
【0203】
このため、作業者は注入状況と撮像開始時刻との関係をリアルタイムに確認することができる。特に、その撮像開始時刻は専用のロゴマークにより表示出力されるので、作業者は直感的に確認することができる。
【0204】
しかも、本実施の形態の透視撮像システム1000では、上述のようにPACS300で保存される透視画像データに関連付けられて注入履歴データも保存される。特に、この注入履歴データには注入制御データと薬液条件データとの一部も内包される。
【0205】
このため、例えば、透視画像データを閲覧するときに注入履歴データと注入制御データと薬液条件データも確認することができる。従って、透視画像データを閲覧する作業者が、その透視画像データの撮像時に被験者に薬液が如何に注入されたかまで確認することができる。
【0206】
しかも、上述のように透視画像データと注入履歴データとは撮像作業IDで関連されるが、その撮像作業IDは、注入制御データを自動設定するときに撮像オーダデータとして薬液注入装置400に取得される。
【0207】
つまり、RIS100から制御ボックス500を経由して薬液注入装置400に取得される撮像オーダデータを、注入制御データの設定と注入履歴データの生成との両方に利用することができる。
【0208】
また、もしも造影剤の注入作業に疑義が発生したような場合でも、透視画像データとともに注入履歴データを注入制御データおよび薬液条件データとともに確認することができる。このため、その注入履歴データと注入制御データと薬液条件データとを証拠とすることができる。
【0209】
特に、注入履歴データに薬液条件データが内包されているので、会計処理に疑義が発生した場合にも、薬液条件データを注入履歴データや注入制御データなどとともに確認することができる。
【0210】
しかも、本実施の形態の透視撮像システム1000の各種装置100〜600,900はDICOMの規約で各種データを相互通信する。DICOMの通信データは改竄が困難なので、注入履歴データと注入制御データと薬液条件データとの証拠能力が高い。
【0211】
しかも、注入作業の完了通知データが薬液注入装置400から制御ボックス500を経由してRIS100に保存される。このRIS100では、完了通知データが撮像オーダデータと関連されて管理されるので、例えば、RIS100からCTスキャナ200に撮像オーダデータとともに薬液注入の開始時刻や終了時刻などを通知することもできる。
【0212】
この場合、CTスキャナ200を操作する作業者が薬液注入の開始時刻や終了時刻を参照することができるので、その時刻に対応して画像撮像の開始時刻を調整するようなことができる。
【0213】
なお、本発明は上記形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態では薬液シリンジ800にRFIDチップ810で薬液条件データが記録されており、その薬液条件データを薬液注入装置400がRFIDリーダ416で取得することを例示した。
【0214】
しかし、薬液条件データが磁気ストライプや二次元コードやバーコードで薬液シリンジに記録されており、このような薬液条件データを薬液注入装置が磁気ヘッドや二次元スキャナやラインスキャナで取得してもよい(図示せず)。
【0215】
さらに、上記形態では薬液シリンジ800に記録されている薬液条件データに各種データが内包されていることを例示した。しかし、薬液シリンジに記録されている薬液条件データが製品IDのみでもよい。
【0216】
この場合、例えば、前述のような薬液条件データの各種データが製品IDとともにHIS900やRIS100やPACS300などのデータベースに記録されており、その薬液条件データの各種データが製品IDで検索されて薬液注入装置に取得されればよい(図示せず)。
【0217】
また、上記形態では薬液シリンジ800がプレフィルドシリンジからなり、その薬液条件データがシリンジメーカで記録されていることを想定した。しかし、薬液シリンジがリフィルシリンジからなり、充填される薬液に対応して医療現場で薬液条件データが記録されてもよい。
【0218】
さらに、薬液注入装置が注入された薬液の容量を薬液注入容量として検出し、この薬液注入容量も会計関連データの一部としてHIS900に送信されてもよい。この場合、例えば、リフィルシリンジで注入した薬液の容量に対応して会計処理を実行するようなことができる。
【0219】
また、上記形態では薬液注入装置400が薬液の注入を完了したときに、薬液条件データを会計関連データの一部としてHIS900に送信することを例示した。しかし、薬液注入装置400が薬液条件データを保持しておき、これがHIS900から要求されたときに送信されてもよい。
【0220】
さらに、上記形態では会計処理を実行するHIS900に薬液注入装置400が制御ボックス500とRIS100とを経由して接続されており、薬液条件データが会計関連データとして薬液注入装置400から制御ボックス500とRIS100とを経由してHIS900まで送信されることを例示した。
【0221】
しかし、HIS900に薬液注入装置400が制御ボックス500のみを経由して接続されていてもよく、RIS100のみを経由して接続されていてもよく、直接に接続されていてもよい(図示せず)。
【0222】
また、上記形態では会計処理を実行するHIS900と撮像オーダデータを管理するRIS100とが別体に形成されていることを例示した。しかし、このようなHISとRISとが一体に形成されていてもよい(図示せず)。
【0223】
また、上記形態では薬液注入装置400がRIS100から取得する撮像オーダデータと薬液シリンジ800から取得する薬液条件データとに基づいて注入制御データを自動的に設定することを例示した。
【0224】
しかし、このような注入制御データが注入履歴データや被験者IDなどとともにPACS300等に登録され、その注入制御データがPACS300等から薬液注入装置400に被験者ID等により取得されて注入作業に利用されてもよい。
【0225】
この場合、同一の被験者で過去に撮像作業を実行していた場合は、その過去の注入制御データを再度利用することができる。このため、複雑な注入動作を注入制御データで設定した場合でも、その注入動作を簡単に再現することができる。
【0226】
さらに、薬液注入装置400で注入作業とともに生成された注入履歴データが被験者ID等とともにPACS300に登録され、その注入履歴データがPACS300から薬液注入装置400に被験者ID等により取得され、注入制御データとして注入作業に利用されてもよい。
【0227】
この場合、薬液注入装置400で注入履歴データから注入制御データを生成する作業が必要となるが、PACS300に注入履歴データを登録しておけば注入制御データの登録を無用とすることができる。
【0228】
また、このようにPACS300から薬液注入装置400に取得された過去の注入制御データが新規の注入条件データに対応して自動調整されてもよい。このような注入条件データとしては、被験者の体重、薬液の成分濃度、薬液の含有成分、等を利用することができる。
【0229】
例えば、PACS300から薬液注入装置400に取得された過去の注入制御データに付与されている被験者の体重が50kgで、薬液注入装置400に入力されている現在の体重が60kgならば、その注入制御データの注入速度や注入総量を1.2(=60/50)倍にする、等の処理動作が好適である。
【0230】
同様に過去の注入制御データに付与されている薬液の成分濃度が10%で、薬液注入装置400に薬液条件データとして取得されている現在の成分濃度が20%ならば、その注入制御データの注入速度や注入総量を0.5(=10/20)倍にする、等の処理動作が好適である。
【0231】
さらに、上記形態では薬液シリンジ800に搭載されているRFIDチップ810から薬液条件データを薬液注入装置400が取得して表示出力することにより、作業者が薬液の製品名称や含有成分や化学分類などを確認できることを例示した。
【0232】
しかし、RIS100が撮像オーダデータとともに薬液シリンジ800の薬液条件データも記憶し、薬液注入装置400がRIS100から撮像オーダデータとともに薬液条件データも取得し、撮像オーダデータとともに取得された薬液条件データと薬液シリンジ800から取得された薬液条件データとの一致を確認し、薬液条件データが一致しないと警告を報知出力してもよい(図示せず)。
【0233】
さらに、このように薬液条件データが一致しないと薬液注入を禁止してもよい。これらの場合、薬液注入装置に装填された薬液シリンジが予定と相違することを作業者に警告することができ、予定と相違する薬液が安易に注入されることを防止できる。
【0234】
また、被験者ごとに警告要否が撮像オーダデータに設定されており、薬液注入装置が、取得された撮像オーダデータに警告必要が設定されていると警告を報知出力してもよい。この場合、被験者がアレルギ体質であることなどを作業者に警告することができる。さらに、上述のような警告状態で薬液注入が禁止され、これが被験者を確認した作業者の手動操作によりリセットされてもよい。
【0235】
さらに、RIS100が、被験者ごとに注入に不適な薬液IDが不適IDとして被験者IDとともに設定されている撮像オーダデータを記憶し、薬液注入装置400が、薬液シリンジ800のRFIDチップ810から薬液条件データを取得するとともに撮像オーダデータから不適IDを取得し、薬液シリンジ800から取得された薬液条件データの薬液IDと撮像オーダデータから取得された不適IDとの一致を確認し、その薬液条件データと不適IDとが整合すると、「この薬液は、この被験者には注入できません。」などの警告メッセージをタッチパネルに表示出力させるとともに、注入実行機構を作動不能に動作制御してもよい。
【0236】
この場合、例えば、被験者に注入される薬液がCT用の造影剤などの種別は適切でありながらも、副作用などの被験者の個人的な理由で注入不適な場合に、これを薬液注入装置400が自動的に検出して作業者に報知出力することができる。従って、作業者は迅速に自体を認識して薬液の変更などの対処を実行することができる。
【0237】
反対に、RIS100が、被験者ごとに注入に不適な薬液IDが適正IDとして被験者IDとともに設定されている撮像オーダデータを記憶し、薬液注入装置400が、薬液シリンジ800のRFIDチップ810から薬液条件データを取得するとともに撮像オーダデータから適正IDを取得し、薬液シリンジ800から取得された薬液条件データの薬液IDと撮像オーダデータから取得された適正IDとの一致を確認し、その薬液条件データと適正IDとが整合しないと、「この薬液は、この被験者には注入できません。」などの警告メッセージをタッチパネルに表示出力させるとともに、注入実行機構を作動不能に動作制御してもよい。
【0238】
特に、薬液シリンジ800が注入実行ヘッド410に装填されると自動的に薬液条件データが取得され、注入制御データとして撮像オーダデータが入力されると不適IDも自動的に取得される。このため、その取得や照合のために専用の作業などが必要なく、簡単かつ確実に薬液条件データと不適IDとを照合することができる。
【0239】
同様に、RIS100が、被験者ごとに注入に不適な薬液の含有成分や化学分類が不適成分や不適分類として被験者IDとともに設定されている撮像オーダデータを記憶し、薬液注入装置400が、薬液シリンジ800のRFIDチップ810から含有成分や化学分類を取得するとともに撮像オーダデータから不適成分や不適分類を取得し、薬液シリンジ800から取得された含有成分や化学分類と撮像オーダデータから取得された不適成分や不適分類との整合を確認し、含有成分が不適成分に整合したり化学分類が不適分類に整合すると警告を報知出力させるとともに、注入実行機構を作動不能に動作制御してもよい。
【0240】
これらの場合、被験者への注入の適否を含有成分や化学分類ごとに管理することができる。このため、例えば、初めて注入する薬液でも適否を的確に予想するようなことができる。
【0241】
さらに、RFIDチップ810に薬液条件データの少なくとも一部として撮像作業に対応した作業種別を適正種別として記録しておき、撮像オーダデータに作業種別を設定しておき、RFIDチップ810から取得された適正種別と注入条件データに設定されている作業種別とを薬液注入装置400が照合して整合しないと警告を報知してもよい。
【0242】
この場合、例えば、CTスキャナ200により透視画像が撮像される被験者にMRI用の造影剤が注入されるような医療ミスを防止することができる。反対に、撮像作業に対応した薬液種別を撮像オーダデータに適正種別として設定しておき、RFIDチップ810から取得された薬液種別と注入条件データに設定されている適正種別とを薬液注入装置400が照合して整合しないと警告を報知してもよい。
【0243】
同様に、撮像作業に対応した薬液IDを撮像オーダデータに適正IDとして設定しておき、RFIDチップ810から取得された薬液IDと注入条件データに設定されている適正IDとを薬液注入装置400が照合して整合しないと警告を報知してもよい。
【0244】
さらに、上記形態ではRIS100に登録されている撮像オーダデータから被験者IDや撮像部位などが薬液注入装置400に取得されることにより、作業者が薬液注入装置400に被験者ID等を入力操作する必要がなく、その誤入力にも防止できることを例示した。
【0245】
しかし、上述の被験者IDや撮像部位などの一部ないし全部が薬液注入装置400に入力操作されてもよい。また、透視撮像システム1000が、少なくとも被験者IDが記録されているRFIDチップが搭載されている被験者ごとの被験者管理媒体(図示せず)を有し、薬液注入装置400が、被験者管理媒体のRFIDチップから被験者IDを取得してもよい。
【0246】
上述のような被験者管理媒体は、例えば、RFIDチップが搭載されているカルテファイル、被験者の腕部に装着される管理腕章、等として実現することができる(図示せず)。
【0247】
この場合、やはり作業者による被験者IDの入力操作を無用とすることができ、その誤入力も防止することができる。さらに、このような被験者管理媒体のRFIDチップに撮像部位や体重などの注入条件データも登録しておき、これを薬液注入装置400に取得させて注入制御データの自動調整に利用させてもよい。
【0248】
また、上記形態ではRIS100の撮像オーダデータの注入条件データを薬液注入装置400が注入直前にも取得して確認することにより、撮像オーダデータの変更などに対処できることを例示した。
【0249】
しかし、薬液注入装置400が、RIS100の撮像オーダデータから取得した被験者IDと、被験者管理媒体のRFIDチップから取得した被験者IDと、の一致も確認し、その一致が確認されるまでシリンジ駆動機構412の動作制御を禁止してもよく、一致が確認されないと所定の確認警告を報知出力してもよい。
【0250】
さらに、上記形態では薬液注入装置400が提供する被験者ID等に該当する複数の注入制御データがPACS300に登録されていた場合、その複数の注入制御データがPACS300から薬液注入装置400に送信され、この薬液注入装置400で最新の一つの注入制御データが選択されることを例示した。
【0251】
しかし、PACS300で最新の一つの注入制御データが選択されて薬液注入装置400に送信されてもよい。この場合、PACS300に専用の処理動作が必要となるが、送信データの容量を削減して輻輳を防止することができる。
【0252】
また、PACS300から送信された複数の注入制御データが薬液注入装置400で一覧表示され、その一覧表示された注入制御データの一つが選択操作されてもよい。この場合、作業者が所望により最適な注入制御データを選択することができる。さらに、PACS300から送信された複数の注入制御データから、例えば、体重が最も近いなどの所定条件に対応して薬液注入装置400が一つを選択してもよい。
【0253】
また、上記形態ではRIS100で管理されている撮像オーダデータの全部が制御ボックス500に取得され、この制御ボックス500から薬液注入装置400に撮像オーダデータの一部が注入条件データとして取得されることを例示した。しかし、撮像オーダデータの全部が注入条件データとして薬液注入装置400に取得されてもよい。
【0254】
さらに、上記形態ではRIS100がプッシュ型であり、制御ボックス500が適正な撮像オーダデータをタイミングにより取得することを例示した。しかし、RIS100がプル型であってもよい。
【0255】
その場合、CTスキャナ200は、撮像オーダデータの取得要求を少なくとも一つのオーダ検索キーとともにRIS100に送信する。すると、RIS100は、CTスキャナ200から受信した取得要求とオーダ検索キーとに対応して複数の撮像オーダデータから一つを選定して返信する。
【0256】
そして、制御ボックス500は、薬液注入装置400から受信する撮像オーダデータの取得要求をRIS100に送信する。すると、RIS100は、制御ボックス500から受信した取得要求に対応して選定されている一つの撮像オーダデータを返信する。
【0257】
または、RIS100は、CTスキャナ200から受信した取得要求に対応して複数の撮像オーダデータを返信する。この場合、CTスキャナ200は、返信された複数の撮像オーダデータから一つが選定される操作を受け付け、選定された撮像オーダデータをRIS100に通知する。
【0258】
または、RIS100は、CTスキャナ200から受信した取得要求とオーダ検索キーとに対応して複数の撮像オーダデータから一部を検索して返信する。CTスキャナ200は、返信された撮像オーダデータから一つが選定される操作を受け付け、選定された撮像オーダデータをRIS100に通知する。
【0259】
そこで、制御ボックス500が、撮像オーダデータの取得要求をRIS100に転送すると、RIS100は、制御ボックス500から受信した取得要求に対応してCTスキャナ200から通知されている一つの撮像オーダデータを返信する。
【0260】
上述のようにすることで、RIS100がプル型であっても、制御ボックス500が適正な撮像オーダデータを取得して撮像作業IDなどを注入履歴データに付与することができる。
【0261】
さらに、上記形態では制御ボックス500がRIS100から撮像オーダデータを取得することを例示した。しかし、RIS100とCTスキャナ200とが制御ボックス500を経由して接続されており、RIS100からCTスキャナ200まで送信される撮像オーダデータを制御ボックス500が取得してもよい。
【0262】
また、制御ボックス500がRIS100に接続されることなくCTスキャナ200に接続されており、このCTスキャナ200から制御ボックス500が撮像オーダデータを取得してもよい。
【0263】
その場合、例えば、制御ボックス500が、薬液注入装置400から受信する取得要求をCTスキャナ200に転送し、CTスキャナ200が、制御ボックス500から受信した取得要求に対応して撮像オーダデータを返信すればよい。
【0264】
または、CTスキャナ200が、プル型のRIS100から返信された複数の撮像オーダデータから一つが選定される操作を受け付け、その選定された撮像オーダデータを制御ボックス500に転送してもよい。
【0265】
さらに、制御ボックス500がRIS100とCTスキャナ200とに接続されており、最初の撮像オーダデータはRIS100から取得され、確認の撮像オーダデータはCTスキャナ200から取得されてもよい。
【0266】
さらに、上記形態では薬液注入装置400で生成された注入履歴データや注入制御データがCTスキャナ200で生成された透視画像データとともにPACS300に保存されることを例示した。
【0267】
しかし、薬液注入装置400から制御ボックス500を経由してRIS100に注入履歴データや注入制御データを送信し、この注入履歴データや注入制御データをRIS100に保存させてもよい。この場合、RIS100では、撮像オーダデータと注入履歴データや注入制御データを作業IDなどで関連させて管理することができる。
【0268】
この場合でも、PACS300に登録されている透視画像データにも撮像オーダデータの作業IDが付与されているので、やはり透視画像データと注入履歴データや注入制御データを関連させることができる。
【0269】
さらに、上記形態では撮像オーダデータの全部が透視画像データに付与されてPACS300に保存されることを例示した。しかし、撮像オーダデータの撮像作業IDのみが透視画像データに付与されてもよい。
【0270】
この場合でも、撮像作業IDにより透視画像データと注入履歴データや注入制御データを関連付けることができ、撮像オーダデータは撮像作業IDによりRIS100から読み出すことができる。
【0271】
また、撮像オーダデータの撮像作業IDのみ透視画像データに付与し、撮像オーダデータの全部を注入履歴データや注入制御データに付与してもよく、撮像オーダデータを透視画像データと注入履歴データや注入制御データとに振り分けて付与してもよい。さらに、薬液注入装置400のタッチパネル403およびヘッドディスプレイ415の表示画像の全体を注入履歴データに内包させてもよい。
【0272】
また、上記形態では薬液注入装置400に注入制御データが設定されることのみ例示した。しかし、その注入制御データが薬液注入装置400から制御ボックス500に通知されてもよく、その注入制御データが制御ボックス500からRIS100に通知されてもよい。この場合、注入制御データをRIS100からCTスキャナ200に撮像オーダデータなどとともに通知することができる。
【0273】
従って、CTスキャナ200を操作する作業者が注入制御データを参照することができるので、注入制御データに対応して撮像動作を調整するようなことができる。また、CTスキャナ200の撮像制御ユニット210が取得した注入制御データに基づいて撮像動作を自動調整することも不可能ではない。
【0274】
また、上記形態では薬液注入装置400で注入履歴データを完成してから制御ボックス500に送信することを例示した。しかし、薬液注入装置400が注入履歴データを制御ボックス500に分散して送信し、制御ボックス500で注入履歴データを完成してもよい。
【0275】
より具体的には、薬液注入装置400が注入開始とともに注入制御データや開始日時などを制御ボックス500に送信し、注入過程で注入速度などを逐次送信し、注入終了とともに終了日時などを送信する。この場合、制御ボックス500が注入開始から注入終了まで蓄積した各種データから注入履歴データを完成して出力することができる。
【0276】
また、上記形態では各種装置100〜600,900が改竄困難なDICOM形式で各種データを相互通信することにより、注入履歴データなどの証拠能力が高いことを例示した。しかし、薬液注入装置400が注入履歴データをPDF(Portable Document Format)などの改竄困難なデータフォーマットで生成してもよい。
【0277】
同様に、制御ボックス500が薬液注入装置400からJPEG(Joint Photographic Coding Experts Group)形式で受信した注入履歴データをPDF形式に変換してもよい。さらに、薬液注入装置400や制御ボックス500が、いわゆるインターネットに接続されており、電子署名を取得して注入履歴データに付与してもよい。
【0278】
さらに、上記形態では注入実行ヘッド410の手前となる左側面の後部から下方にヘッドディスプレイ415が直接に装着されていることを例示した。しかし、このようなヘッドディスプレイ415は、注入実行ヘッド410の操作を阻害せず、画面を確認できればよい。
【0279】
このため、図23に示すように、ヘッドディスプレイ415が、注入実行ヘッド410の右側面に装着されていてもよく、前部に装着されていてもよく、上方に装着されていてもよい。また、図24に示すように、ヘッドディスプレイ415が注入実行ヘッド410に可動アーム418などにより移動自在に装着されていてもよい。
【0280】
さらに、上記形態では薬液注入装置400が二個の薬液シリンジ800により被験者に造影剤と生理食塩水とを注入することを例示した。しかし、薬液注入装置が一個の薬液シリンジ800により薬液として造影剤や生理食塩水などを被験者に注入してもよい(図示せず)。
【0281】
また、上記形態では透視撮像装置としてCTスキャナ200を使用し、薬液注入装置400が薬液としてCT用の造影剤を注入することを例示した。しかし、透視撮像装置がMRIやPET装置や超音波診断装置などからなり、それ用の造影剤などを薬液注入装置が注入してもよい。
【0282】
さらに、上記形態ではCTスキャナ200と薬液注入装置400とが個々にスタンドアロンで動作することを例示した。しかし、CTスキャナ200と薬液注入装置400とがデータ通信により各種の動作を連動させてもよい。
【0283】
また、上記形態では説明を簡単とするため、透視撮像システム1000の各部が各々一個であることを例示した。しかし、大規模な病院などでは、複数の透視撮像システム1000の各々がRIS100とCTスキャナ200と薬液注入装置400と制御ボックス500とを一個ずつ有し、その複数の透視撮像システムがPACS300と画像閲覧装置600とを共有する構造でよい(図示せず)。ただし、このような場合でも、RIS100やPACS300や画像閲覧装置600などのハードウェアは並列に接続された複数であってよい(図示せず)。
【0284】
さらに、上記形態では一個のPACS300で透視画像データと注入履歴データや注入制御データが保存されることを例示した。しかし、透視画像データと注入履歴データと注入制御データとを保存するハードウェアが別個に形成されていて通信ネットワークで接続されていてもよい。
【0285】
また、上記形態では、RIS100、CTスキャナ200、PACS300、薬液注入装置400、制御ボックス500、画像閲覧装置600、HIS900、が別体に形成されていて通信ネットワーク700〜706により接続されていることを例示した。
【0286】
しかし、上述のような各種装置100〜600,900が各種の組み合わせで一体に形成されていてもよい。例えば、薬液注入装置400の注入制御ユニット401と制御ボックス500が一体に形成されていること、これにRIS100やPACS300が一体に形成されていること、PACS300と画像閲覧装置600とが一体に形成されていること、等も可能である。
【0287】
また、制御ボックス500に、RIS100やPACS300が一体に形成されていること、制御ボックス500とPACS300と画像閲覧装置600とが一体に形成されていること、等も可能である。
【0288】
さらに、CTスキャナ200の撮像制御ユニット210とRIS100と制御ボックス500とが一体に形成されていること、CTスキャナ200の撮像制御ユニット210とPACS300と制御ボックス500とが一体に形成されていること、これに画像閲覧装置600が一体に形成されていること、等も可能である。
【0289】
また、画像閲覧装置600とPACS300とが一体に形成されていること、これに制御ボックス500やCTスキャナ200の撮像制御ユニット210が一体に形成されていること、等も可能である。
【0290】
さらに、上記形態ではコンピュータプログラムに対応してコンピュータ装置が動作することにより、各種装置100〜600,900の各部が各種機能として論理的に実現されることを例示した。
【0291】
しかし、その各部の各々を固有のハードウェアとして形成することも可能であり、一部をソフトウェアとして形成するとともに一部をハードウェアとして形成することも可能である。
【0292】
なお、当然ながら、上述した実施の形態および複数の変形例は、その内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。また、上述した実施の形態および変形例では、各部の構造などを具体的に説明したが、その構造などは本願発明の機能を満足する範囲で各種に変更することができる。
【符号の説明】
【0293】
100 RIS
101 オーダ管理部
102 オーダ選定部
103 統合制御部
200 CTスキャナ
201 透視撮像ユニット
210 撮像制御ユニット
211 要求送信部
212 オーダ受信部
213 撮像制御部
214 データ付与部
215 画像送信部
300 PACS
400 薬液注入装置
401 注入制御ユニット
402 メイン操作部
403 タッチパネル
404 コントローラユニット
405 コンピュータユニット
406 通信I/F
410 注入実行ヘッド
411 シリンジ保持機構
412 シリンジ駆動機構
413 サブ操作部
414 最終確認スイッチ
415 ヘッドディスプレイ
416 RFIDリーダ
418 可動アーム
421 データ入力部
422 注入制御部
423 制御設定部
424 データ出力部
425 履歴生成部
441 条件記憶部
442 画像記憶部
445 区分表示部
446 区分入力部
447 部位表示部
448 部位入力部
449 動作読出部
451 身体入力部
500 制御ボックス
501 コンピュータユニット
502 通信I/F
511 取得仲介部
514 履歴転送部
600 画像閲覧装置
601 コンピュータユニット
602 ディスプレイユニット
603 コントローラユニット
611 データ読出部
612 データ表示部
700〜706 通信ネットワーク
800 薬液シリンジ
810 RFIDチップ
900 HIS
901 カルテ管理部
902 会計処理部
1000 透視撮像システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬液条件データが記録されている薬液シリンジと、前記薬液シリンジを駆動して透視画像データが撮像される被験者に薬液を注入する薬液注入装置と、各種の会計関連データに基づいて撮像作業の会計処理を実行する会計処理装置と、を有する透視撮像システムの前記薬液注入装置であって、
装填された前記薬液シリンジを駆動して前記薬液の注入を実行する注入実行機構と、
前記注入実行機構に装填された前記薬液シリンジから前記薬液条件データを取得するデータ入力部と、
取得された前記薬液条件データの少なくとも一部を前記会計関連データの一部として前記会計処理装置に送信するデータ出力部と、
を有する薬液注入装置。
【請求項2】
前記薬液シリンジは、前記薬液条件データが記録されているRFID(Radio Frequency Identification)チップが搭載されており、
前記データ入力部は、前記薬液シリンジの前記RFIDチップから前記薬液条件データを取得する請求項1に記載の薬液注入装置。
【請求項3】
前記データ出力部は、前記薬液の注入が完了すると前記薬液条件データの少なくとも一部を前記会計関連データの一部として前記会計処理装置に送信する請求項1または2に記載の薬液注入装置。
【請求項4】
設定される注入制御データに対応して前記注入実行機構を動作制御する注入制御部と、
取得された前記薬液条件データの少なくとも一部を前記注入制御データの少なくとも一部として前記注入制御部に設定する制御設定部とを、さらに有する請求項1ないし3の何れか一項に記載の薬液注入装置。
【請求項5】
前記注入制御部は、注入された前記薬液の容量を薬液注入容量として検出し、
前記データ出力部は、前記薬液注入容量も前記会計関連データの一部として前記会計処理装置に送信する請求項4に記載の薬液注入装置。
【請求項6】
前記透視撮像システムは、前記被験者から前記透視画像データが撮像される前記撮像作業ごとの撮像オーダデータを保持する外部処理装置を、さらに有し、
前記データ入力部は、前記外部処理装置から前記撮像オーダデータの少なくとも一部も取得し、
前記制御設定部は、取得された前記撮像オーダデータの少なくとも一部も前記注入制御データの少なくとも一部として前記注入制御部に設定する請求項4または5に記載の薬液注入装置。
【請求項7】
前記データ出力部は、前記撮像オーダデータの少なくとも一部も前記会計処理装置に送信する請求項6に記載の薬液注入装置。
【請求項8】
前記データ出力部は、前記会計処理装置が前記外部処理装置を経由して接続されており、前記薬液条件データの少なくとも一部を前記会計関連データの一部として前記外部処理装置を経由して前記会計処理装置まで送信する請求項6または7に記載の薬液注入装置。
【請求項9】
前記透視撮像システムは、前記会計処理装置と前記外部処理装置とが一体に形成されており、
前記データ出力部は、前記撮像オーダデータを取得した前記会計処理装置に前記薬液条件データの少なくとも一部を前記会計関連データの一部として送信する請求項6または7に記載の薬液注入装置。
【請求項10】
前記外部処理装置は、前記薬液条件データの少なくとも一部が設定されている前記撮像オーダデータを保持し、
取得された前記撮像オーダデータに設定されている前記薬液条件データと取得された前記薬液条件データとの整合を確認するデータ確認部と、
前記薬液条件データが整合しないと警告を報知出力する警告報知部とを、さらに有する請求項6ないし9の何れか一項に記載の薬液注入装置。
【請求項11】
前記注入制御部は、前記薬液条件データが整合しないと前記薬液注入を禁止する請求項10に記載の薬液注入装置。
【請求項12】
前記撮像オーダデータは、前記被験者ごとに警告要否が設定されており、
取得された前記撮像オーダデータに警告必要が設定されていると警告を報知出力する警告報知部を、さらに有する請求項6ないし11の何れか一項に記載の薬液注入装置。
【請求項13】
前記薬液シリンジは、前記薬液条件データの少なくとも一部として前記撮像作業に対応した作業種別が適正種別として記録されており、
前記撮像オーダデータは、前記作業種別が設定されており、
取得された前記薬液条件データの前記適正種別と前記撮像オーダデータの前記作業種別とを照合するデータ照合部と、
前記適正種別と前記作業種別とが整合しないと警告を報知する警告報知部とを、さらに有する請求項6ないし12の何れか一項に記載の薬液注入装置。
【請求項14】
前記薬液シリンジは、前記薬液条件データの少なくとも一部として薬液種別が記録されており、
前記撮像オーダデータは、前記撮像作業に対応した前記薬液種別が適正種別として設定されており、
取得された前記薬液条件データの前記薬液種別と前記撮像オーダデータの前記適正種別とを照合するデータ照合部と、
前記薬液種別と前記適正種別とが整合しないと警告を報知する警告報知部とを、さらに有する請求項6ないし13の何れか一項に記載の薬液注入装置。
【請求項15】
前記薬液シリンジは、前記薬液条件データの少なくとも一部として薬液IDが記録されており、
前記撮像オーダデータは、前記撮像作業に適合した前記薬液条件データが適正IDとして設定されており、
取得された前記薬液条件データの前記薬液IDと前記撮像オーダデータの前記適正IDとを照合するデータ照合部と、
前記薬液IDと前記適正IDとが整合しないと警告を報知する警告報知部とを、さらに有する請求項6ないし14の何れか一項に記載の薬液注入装置。
【請求項16】
前記薬液シリンジは、前記薬液条件データの少なくとも一部として薬液IDが記録されており、
前記撮像オーダデータは、前記被験者ごとに注入に不適な前記薬液IDが不適IDとして設定されており、
取得された前記薬液条件データの前記薬液IDと前記撮像オーダデータの前記不適IDとを照合するデータ照合部と、
前記薬液IDが前記不適IDに整合すると警告を報知する警告報知部とを、さらに有する請求項6ないし15の何れか一項に記載の薬液注入装置。
【請求項17】
前記薬液シリンジは、前記薬液条件データの少なくとも一部として前記薬液の少なくとも含有成分が記録されており、
前記撮像オーダデータは、前記被験者ごとに少なくとも注入に不適な前記含有成分が不適成分として設定されており、
取得された前記薬液条件データの前記含有成分と前記撮像オーダデータの前記不適成分とを照合するデータ照合部と、
前記含有成分が前記不適成分に整合すると警告を報知する警告報知部とを、さらに有する請求項6ないし16の何れか一項に記載の薬液注入装置。
【請求項18】
前記薬液シリンジは、前記薬液条件データの少なくとも一部として前記薬液の少なくとも化学分類が記録されており、
前記撮像オーダデータは、前記被験者ごとに少なくとも注入に不適な前記化学分類が不適分類として設定されており、
取得された前記薬液条件データの前記化学分類と前記撮像オーダデータの前記不適分類とを照合するデータ照合部と、
前記化学分類が前記不適分類に整合すると警告を報知する警告報知部とを、さらに有する請求項6ないし17の何れか一項に記載の薬液注入装置。
【請求項19】
人体の多数の撮像部位ごとに前記注入実行機構の動作条件データを記憶している条件記憶部と、人体の複数の身体区分と多数の撮像部位との模式画像を関連させて記憶している画像記憶部と、複数の前記身体区分の模式画像を前記人体に対応した配列で表示する区分表示部と、画像表示出力された複数の前記身体区分から一つを選択する入力操作を受け付ける区分入力部と、選択された前記身体区分に対応して少なくとも一つの前記撮像部位の模式画像を表示出力する部位表示部と、画像表示出力された前記撮像部位を選定する入力操作を受け付ける部位入力部と、選定された前記撮像部位に対応する前記動作条件データを前記注入条件データの一部として前記注入制御部に設定する動作読出部とを、さらに有し、
前記制御設定部は、取得された前記撮像オーダデータの少なくとも一部に前記撮像部位が内包されていると前記動作読出部に対応する前記動作条件データを前記注入条件データの一部として前記注入制御部に設定する請求項6ないし18の何れか一項に記載の薬液注入装置。
【請求項20】
前記透視撮像システムは、撮像された前記透視画像データを保存するデータ保存装置を、さらに有し、
前記データ出力部は、前記薬液条件データの少なくとも一部を前記データ保存装置にも送信して前記透視画像データとともに保存させる請求項1ないし19の何れか一項に記載の薬液注入装置。
【請求項21】
前記透視撮像システムは、撮像された前記透視画像データを保存するデータ保存装置を、さらに有し、
前記注入条件データに対応した前記注入実行機構の動作履歴からなる注入履歴データを生成する履歴生成部を、さらに有し、
前記データ出力部は、生成された前記注入履歴データを前記データ保存装置に送信して前記透視画像データとともに保存させる請求項1ないし20の何れか一項に記載の薬液注入装置。
【請求項22】
前記履歴生成部は、前記注入条件データの少なくとも一部も前記注入履歴データに登録する請求項21に記載の薬液注入装置。
【請求項23】
前記履歴生成部は、前記薬液条件データの少なくとも一部も前記注入履歴データに登録する請求項21または22に記載の薬液注入装置。
【請求項24】
前記履歴生成部は、前記会計関連データの一部として前記会計処理装置に送信された前記薬液条件データの少なくとも一部を前記注入履歴データに登録する請求項23に記載の薬液注入装置。
【請求項25】
薬液条件データが記録されている薬液シリンジと、前記薬液シリンジを駆動して透視画像データが撮像される被験者に薬液を注入する薬液注入装置と、各種の会計関連データに基づいて撮像作業の会計処理を実行する会計処理装置と、を有する透視撮像システムであって、
請求項1ないし24の何れか一項に記載の前記薬液注入装置を有する透視撮像システム。
【請求項26】
被験者から透視画像データが撮像される撮像作業ごとの撮像オーダデータを保持する外部処理装置を、さらに有し、
請求項6ないし19の何れか一項に記載の前記薬液注入装置を有する請求項25に記載の透視撮像システム。
【請求項27】
撮像された前記透視画像データを保存するデータ保存装置を、さらに有し、
請求項20ないし24の何れか一項に記載の前記薬液注入装置を有する請求項25または26に記載の透視撮像システム。
【請求項28】
請求項1ないし24の何れか一項に記載の薬液注入装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記注入実行機構に装填された前記薬液シリンジから前記薬液条件データを取得するデータ入力処理と、
取得された前記薬液条件データの少なくとも一部を前記会計関連データの一部として前記会計処理装置に送信するデータ出力処理と、
を前記薬液注入装置に実行させるコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−248216(P2012−248216A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−182954(P2012−182954)
【出願日】平成24年8月22日(2012.8.22)
【分割の表示】特願2007−168466(P2007−168466)の分割
【原出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【出願人】(391039313)株式会社根本杏林堂 (80)
【Fターム(参考)】