説明

薬物送達デバイス用のアセンブリ及び表示器

薬物送達デバイス(1)用のアセンブリは、近位端及び遠位端、ピストンロッド(8)及び表示器(13)を有するハウジング(2)を含む。ピストンロッド(8)は、薬物(31)を送達するために、ハウジング(2)に対して、近位始動位置から離れて、遠位端位置に向かって遠位に変位するように適合される。表示器(13)は、アセンブリの少なくとも二つの異なった操作状態を表示するように適合され、表示器(13)は、ハウジング(2)に対して、アセンブリの第一の状態のための第一の表示位置から、アセンブリの第二の状態のための第二の表示位置に可動である。ピストンロッド(8)及び表示器(13)は、ピストンロッド(8)の動きを表示器(13)の動きに変換するために、機械的に相互作用するように構成される。第二の表示位置への動きが許容されるように、第一の表示位置において表示器(13)を解除可能に固定するように構成される第一の戻り止め(21)が備えられる。第一の表示位置への動きが阻止されるように第二の表示位置に表示器(13)を固定するように構成される第二の戻り止め(22)が備えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、薬物送達デバイス用のアセンブリに関する。更にその上、開示は薬物送達デバイス用の表示器に関する。
【背景技術】
【0002】
薬物送達デバイスにおいて、しばしば、薬剤の複数の用量を含むカートリッジ内の栓は、カートリッジに対して、ピストンロッドにより遠位方向に変位する。それにより、薬剤の用量はカートリッジから放出し得る。
【0003】
薬物送達デバイスは、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO第2008/031238号A1
【特許文献2】US第2007/0197976号A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の目的は、新規な、好ましくは、改良された薬物送達デバイスの提供を支援するアセンブリ及び表示器を提供することである。
【0006】
この目的は、特許請求範囲の独立項の主題により実施し得る。更に、特徴及び有利な実施態様は従属項の主題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様によると、薬物送達デバイス用のアセンブリが提供される。アセンブリはハウジングを含み得る。ハウジングは、近位端及び遠位端を有し得る。アセンブリは、ピストンロッドを含み得る。ピストンロッドは、薬物を送達するために、近位始動位置から離れて、遠位端位置に向かってハウジングに対して遠位に変位するように適合し得る。アセンブリは表示器を含み得る。表示器はアセンブリの少なくとも二つの異なった操作状態を表示するように適合し得る。表示器は、アセンブリの第一の状態、例えば、非プライミング状態に対する第一の表示位置から、アセンブリの第二の状態、例えば、プライミング状態に対する第二の表示位置へハウジングに対して可動である。ピストンロッド及び表示器は、ピストンロッドの動き、好ましくは、回転運動を、表示器の動き、好ましくは、回転運動に変換するために機械的に相互作用するように構成し得る。
【0008】
アセンブリは、第一の戻り止めを含み得る。第一の戻り止めは、第二の表示位置への動きが許容されるように、第一の表示位置において表示器を解除可能に固定するように構成し得る。アセンブリは第二の戻り止めを含み得る。第二の戻り止めは、第一の表示位置への動きが阻止されるように、表示器を第二の表示位置に固定するように構成し得る。
【0009】
更なる態様は、薬物送達デバイス用の表示器に関する。表示器は、内部部材含み得る。表示器は、外部表示エレメントを含み得る。外部表示エレメントは、表示面を提供し得る。外部表示エレメントは、少なくとも一つの可撓性部材により、内部部材に弾力的に連結し得る。
【0010】
更なる態様は、薬物送達デバイス用の表示器に関する。表示器は内部部材を含み得る。表示器は外部表示エレメントを含み得る。外部表示エレメントは、表示面を提供し得る。外部表示エレメントは、少なくとも一つの可撓性部材により内部部材に弾力的に連結し得る。表示器は少なくとも一つの第一の滑り止めを含み得る。表示器は少なくとも一つの第二の滑り止めを含み得る。第一の滑り止めは、第一の方向において表示器の回転を可能にするように適合し得る。第二の滑り止めは、第一の方向とは反対方向で表示器の回転を阻止するように適合し得る。
【0011】
薬物送達デバイスは、上記のアセンブリを都合よく含む。薬物送達デバイスは、薬剤を保持するカートリッジを含み得る。薬剤は、例えば、GLP−1、長期作用型又は短期作用型インスリン、ヘパリン又は成長ホルモンを含む液体薬剤であってもよい。栓はカートリッジ内に保持し得る。栓はカートリッジを近位的にシールし得る。薬物送達デバイスは注射デバイスであり得る。薬物送達デバイスはペン形デバイス、例えば、ペン形注射器であり得る。
【0012】
薬物送達デバイス及びハウジングは遠位端及び近位端を含む。用語「遠位端」は、薬物送達デバイスの端部、又は投与端に最も近く配置される、又は配置されるべきその構成部品(component)を意味する。用語「近位端」は、デバイスの端部、又はデバイスの投与端から最も遠く離れて配置される、又は配置されるべきその構成部品を意味する。
【0013】
実施態様によると、表示器は、プライミング状態表示器であるように構成される。第一の表示位置は、デバイスの非プライミング状態を意味する。第二の表示位置は、デバイスのプライミング状態を意味する。
【0014】
デバイスが非プライミング状態であるとき、ピストンロッドと栓の間でギャップが生じるかもしれない。ギャップは製造又は組立の許容誤差から発生するかもしれない。薬剤を送達するとき、ギャップは用量の精度を低下させることがあり得る。それ故、使用者は、致命的な又は致死的な結果をもたらすかもしれない過少用量を投与するかもしれない。
【0015】
ギャップを減少させ、特に、取り除くために、デバイスはプライミングをし得る。それにより、薬剤の最少用量、例えば、プライミング用量は、設定され、カートリッジから投与し得る。デバイスがプライミングされるとき、例えば、デバイスが非プライミング状態からプライミング状態に切り替わるとき、表示器は、駆動し、特に、ピストンロッドにより回転し得る。表示器の回転運動により、表示器は、第一の表示位置、例えば、非プライミング位置から第二の表示位置、例えば、プライミング位置へ切り替わる。表示器がプライミング位置にあるとき、使用者は、デバイスがプライミングされたことを表示される。この方法において、使用者にとって高い安全性をもたらす、使用者に優しい薬物送達デバイスが実現される。デバイスをプライミングした後、薬剤の第一の用量が設定され、使用者に送達される。
【0016】
実施態様によると、第二の戻り止めは、表示器を第二の表示位置に解除不能に固定し、一方、ピストンロッドは、遠位端位置へ走行する。
【0017】
好ましくは、表示器は第一の戻り止めを用いて解除可能に第一の表示位置に固定する。好ましくは、表示器は第二の戻り止めを用いて、解除不能に第二の表示位置に維持される。好ましくは、第二の戻り止めは、デバイスがプライミングされたとき、表示器の第一の表示位置へ回転して戻ることを阻止する。その結果、表示器は、デバイスがプライミングされたとき、プライミング位置に滞在し得る。この方法において、追加のプライミング用量の投与、及びそれによる、薬剤の用量の廃棄が阻止し得る。好ましくは、表示器は第一の戻り止め及び第二の戻り止めを含む。第一の戻り止め及び第二の戻り止めは、個々の窪みを含み、又は窪みを具体化し得る。
【0018】
実施態様によると、ピストンロッドは、ハウジングに対して第一の回転方向に回転可能である。アセンブリが第一の表示位置から第二の表示位置へ切り替わるとき、表示器が第一の回転方向において、少なくとも部分的にピストンロッドと一緒に回転するように、表示器は、ピストンロッドと機械的に相互作用するように配置し、構成し得る。
【0019】
好ましくは、第一の回転方向は送達方向である。送達方向は、例えば、反時計方向であり得る。デバイスがプライミングされるとき、表示器を第一の表示位置から第二の表示位置に切り替えるために、ピストンロッドは表示器を送達方向に駆動し得る。この方法により、効果的でそして取扱いが容易な薬物送達デバイスの提供が実現される。
【0020】
実施態様によると、第一の戻り止めは傾斜面を含む。傾斜面は、第一の表示位置において、解除可能に固定されるように適合し得る。傾斜面は第一の回転方向に上昇し得る。
【0021】
好ましくは、表示器を第一の表示位置から第二の表示位置へ切り替えるため、傾斜面は送達方向において表示器を回転させるのに必要なトルクを減少させる。この方法において、表示器の回転のために必要な力は減少し、そしてその結果、使用者に優しい薬物送達デバイスの提供が支援される。
【0022】
実施態様によると、駆動部材が提供される。用量ボタンも提供し得る。用量ボタンは、ハウジングに対して可動であり得る。用量ボタンの動きは、用量ボタン及び駆動部材の機械的相互作用により、駆動部材の動きに変換し得る。ハウジングに対して遠位方向における用量ボタンの動きは、表示器の第一の表示位置から、第二の表示位置へ移行し得る。
【0023】
プライミング用量を投与するために、使用者はハウジングに対して用量ボタンを遠位に動かし得る。用量ボタンの動きは、第二の表示位置において表示器を切り替えるために、表示器の回転運動に変換し得る。この方法により、容易に取り扱える薬物送達デバイスが実現する。デバイスの操作構成を表示するために必要な追加の工程は、余分であるかもしれない。
【0024】
実施態様によると、少なくとも一つのカウンターエレメントが提供される。カウンターエレメントは、個々の戻り止めを係合するように構成し得る。好ましくは、少なくとも一つのカウンターエレメントは、駆動部材の一部である。カウンターエレメントが、戻り止めの一つと係合するとき、カウンターエレメントは、もう一つの戻り止めとの係合を解除し得る。
【0025】
カウンターエレメントは突起部であってよい。好ましくは、デバイスがプライミングされていないとき、カウンターエレメントは第一の戻り止めと係合し、好ましくは、解除可能に係合する。解放可能な係合は、デバイスがプライミングされたとき、第二の表示位置に向かう表示器の回転を可能にする。デバイスがプライミングされたあと、カウンターエレメントは、第二の戻り止めと係合でき、好ましくは、解除不能に係合し得る。この方法において、表示器の第二の表示位置から第一の表示位置へ戻る表示器の回転が効果的に阻止し得る。
【0026】
実施態様によると、表示器は内部部材を含む。表示器は外部表示エレメントを含み得る。外部表示エレメントが第一の表示位置から第二の表示位置へ切り替わるとき、内部部材に対して可動であるように、内部部材及び外部表示エレメントは互いに弾力的に連結し得る。
【0027】
好ましくは、外部表示エレメントは、プライミング用量を投与するとき、内部エレメントに対して近位方向に可動である。好ましくは、内部部材は中央ハブである。好ましくは、外部表示エレメントは、外部リングである。
【0028】
実施態様によると、 内部部材及び外部表示エレメントは、少なくとも一つの可撓性部材を用いて連結される。第一の戻り止め、第二の戻り止めがカウンターエレメントから係合を解除されるとき、可撓性部材はハウジングに対して遠位方向に表示エレメントを変位させる傾向にある力を提供する。
【0029】
表示器が第二の表示位置に向かって回転するとき、カウンターエレメントを第一の戻り止めからの係合を解除するために、可撓性部材は、外部表示エレメントを、内部エレメントに対して近位方向において若干上昇させることを可能にする。それにより、可撓性部材は付勢され得る。可撓性部材は、デバイスをプライミングした後、第二の戻り止めと係合するために、外部表示エレメントに力を加えて、内部エレメントに対して遠位方向に戻し得る。この方法において、表示器を効率的に、解除不能に、第二の表示位置に固定させるために、可撓性部材は第二の戻り止めをカウンターエレメントに向かって押し付ける力を提供する。
【0030】
実施態様によると、可撓性部材は、外部表示エレメントの端面に固定する。可撓性部材は、ハウジングに対して半径方向に伸び(run)得る。可撓性部材はSのような形状であってもよい。
【0031】
これは、可撓性部材の可撓性を上昇させるのに役立つので、それ故、例えば、デバイスをプライミングするとき、使用者が表示器を回転させるために適用させなければならない力を低下し得る。
【0032】
実施態様によると、用量ボタンは、用量ボタンの内面上に配置された複数の突起を含む。第二の表示位置から離れて、第一の表示位置へ戻る表示器の動きを阻止するように、突起は少なくとも一つの可撓性部材と機械的に相互作用をするように構成し得る。
【0033】
カウンターエレメントを第二の戻り止めとの係合からもたらせるように、外力を適用するとき、可撓性部材は突起部と隣接し得る。この方法において、可撓性部材が曲げられるのに効率的な長さを減少することができ、その結果、外部表示エレメントの近位変位が阻止し得る。それ故、表示器は第二の表示位置から第一の表示位置へ切り替えることを効率的に阻止し得る。
【0034】
実施態様によると、内部部材は、第一の表示位置から第二の表示位置へ切り替えるために、ピストンロッドと協動するように構成し得る。内部部材は少なくとも一つの第一の表面を含む。ピストンロッドの動きは、第一の表面及びピストンロッドとの機械的協動による表示器の動きに変換し得る。
【0035】
実施態様によると、内部部材は少なくとも一つの第二の表面を含む。第二の表面及びピストンロッドとの機械的協動は、表示器を第一の表示位置に維持する。
【0036】
実施態様によると、第一の表面は、半径方向外側に内部部材から突出する。 第二の表面は、第一の表面よりピストンロッドの近位端により接近して配置し得る。 第二の表面とピストンロッド間の角距離は、第一の表面とピストンロッド間の角距離より小さくなり得る。
【0037】
好ましくは、ピストンロッドが近位始動位置にあるデバイスの初期位置において、例えば、デバイスがプライミングされる前に、第二の表面は、機械的にピストンロッドと相互作用する。第二の表面及びピストンロッドの機械的協動に基づき、表示器が、デバイスがプライミングされたことを表示する表示器の第二の表示位置に向かう無意識の回転を阻止し得る。その結果、デバイスがプライミングされる前にデバイスのプライミング状態に関する間違った表示が阻止される。
【0038】
好ましくは、第一の表面は、デバイスがプライミングされたとき、特に、プライミング用量が送達されたとき、ピストンロッドと機械的に相互作用する。この方法において、ピストンロッドの回転は、表示器を第一の表示位置から第二の表示位置へ切り替わるための表示器の回転に効率的に変換し得る。
【0039】
好ましい実施態様によると、薬物送達デバイス用のアセンブリが提供される。アセンブリは、近位端及び遠位端を有するハウジング;薬剤の送達のために近位始動位置から離れて遠位端位置に向かう、ハウジングに対して遠位に変位するように適合されるピストンロッド、及びアセンブリの少なくとも二つの異なった操作状態を表示するための表示計を含む。表示器は、アセンブリの第一の状態に対する第一の表示位置から、アセンブリの第二の状態に対する第二の表示位置へ、ハウジングに対して可動である。ピストンロッド及び表示器は、ピストンロッドの動きを表示器の動きへ変換するために機械的に相互作用するように構成される。第二の表示位置への動きが許容されるように、第一の表示位置において表示器を解除可能に固定し得るように構成される第一の戻り止めが提供され、そして第一の表示位置への動きが阻止し得るように、第二の表示位置において表示器を固定するように構成される第二の戻り止めが提供される。
【0040】
デバイス、特に、表示器は、使用者に、デバイスが第一の状態、例えば、非プライミング状態にあるか、又は第二の状態、例えば、プライミング状態にあるかにあるかどうかを表示する明確な視覚信号を提供し得る。信号は、好ましくは、二進法であるので、それを間違えて解釈することは非常にまれである。それ故、使用者に高い安全性を提供する使用者に優しい、そして取扱いが容易な薬物送達デバイスが実現される。
【0041】
もちろん、異なった態様及び実施態様に関連した上記の特徴は、互いに、そして下記の特徴とも組み合わせ得る。
【発明を実施するための形態】
【0042】
更なる特徴及び改良は、添付の図面と関連した典型的な実施態様の次の記述から明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】薬物送達デバイスの典型的な実施態様の透視断面図を概略的に示す。
【図2】図1の薬物送達デバイスの部分の透視断面図を概略的に示す。
【図3】図2の薬物送達デバイスの部分の透視断面図を概略的に示す。
【図4】図3の薬物送達デバイスの部分の透視断面図を概略的に示す。
【図5】非プライミング状態における図1の薬物送達デバイスの部分の透視断面図を概略的に示す。
【図6】プライミング状態における図1の薬物送達デバイスの部分の透視断面図を概略的に示す。
【図7】図1の薬物送達デバイスの部分の透視断面図を概略的に示す。
【図8】図3及び4の薬物送達デバイスの部分の平面図を概略的に示す。
【図9】非プライミング状態から、プライミング状態へ切り替わる間の、図1の薬物送達デバイスの部分の透視断面図を概略的に示す。
【0044】
類似のエレメント、同種の、及び同等に作用するエレメントは、図において、同一の参照番号を備え得る。
【0045】
図1において、薬物送達デバイスが示される。薬物送達デバイス1は、カートリッジホルダ3を含む。デバイス1は、カートリッジ4を含む。カートリッジ4は、カートリッジホルダ3に保持される。カートリッジホルダ3は、カートリッジ4を機械的に安定化させる。
【0046】
カートリッジ4は、薬物31の複数の用量を保持する。薬物31は、好ましくは、例えば、GLP−1、短時間作用型又は長時間作用型インスリンなどのインスリン、ヘパリン又は成長ホルモンを含む液体薬剤である。
【0047】
本明細書で使用する用語「薬物」は、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで一実施態様において、薬学的に活性な化合物は、最大で1500Daまでの分子量を有し、及び/又は、ペプチド、蛋白質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、抗体、酵素、抗体、ホルモン、若しくはオリゴヌクレオチド、又は上記の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈又は肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、癌、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症、及び/又は、関節リウマチの治療、及び/又は、予防に有用であり、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の治療、及び/又は、予防のための、少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリン、又はヒトインスリン類似体若しくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、又はその類似体若しくは誘導体、又はエキセンジン−3又はエキセンジン−4、若しくはエキセンジン−3又はエキセンジン−4の類似体若しくは誘導体を含む。
【0048】
インスリン類似体は、例えば、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;ヒトインスリンであり、ここで、B28位におけるプロリンは、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaで代替され、そして、B28位において、Lysは、Proで代替されてもよく;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、及びDes(B30)ヒトインスリンである。
【0049】
インスリン誘導体は、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイル ヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0050】
エキセンジン−4は、例えば、エキセンジン−4(1−39)、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドを意味する。
【0051】
エキセンジン−4誘導体は、例えば、以下の化合物リスト:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);又は
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
ここで、基−Lys6−NH2は、エキセンジン−4誘導体のC−末端と連結してもよく;
【0052】
又は以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
H−desAsp28 Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
desMet(O)14,Asp28,Pro36,Pro37,Pro38 エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25, Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
又は前述のいずれかのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物;
から選択される。
【0053】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(ホリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン (ソマトロピン)、デスモプレッシン、テルリプレッシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどのRote Liste、2008年版、50章に表示されている脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は規制活性ペプチド及びそれらの拮抗剤である。
【0054】
多糖類としては、例えば、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、又は超低分子量ヘパリン、若しくはその誘導体などのグルコアミノグリカン、又はスルホン化された、例えば、上記多糖類のポリスルホン化形体、及び/又は、薬学的に許容可能なその塩がある。ポリスルホン化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例としては、エノキサパリンナトリウム塩がある。
【0055】
薬学的に許容可能な塩は、例えば、酸付加塩及び塩基塩がある。酸付加塩としては、例えば、HCl又はHBr塩がある。塩基塩は、例えば、アルカリ又はアルカリ土類金属、例えば、Na+、又は、K+、又は、Ca2+から選択されるカチオン、又は、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)を有する塩であり、ここで、R1〜R4は互いに独立に、水素;場合により置換されるC1−C6アルキル基;場合により置換されるC2−C6アルケニル基;場合により置換されるC6−C10アリール基、又は場合により置換されるC6−C10ヘテロアリール基である。薬学的に許容される塩の更なる例は、“Remington's Pharmaceutical Sciences”17編、Alfonso R.Gennaro(編集),Mark
Publishing社,Easton, Pa., U.S.A.,1985 及び Encyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0056】
薬学的に許容可能な溶媒和物としては、例えば、水和物がある。
【0057】
カートリッジ4は出口5を有する。薬剤31は、出口5を通して投与し得る。デバイス1は、外部影響からカートリッジ4を保護するキャップ14を含む。
【0058】
薬物送達デバイス1は、注射デバイスであり得る。薬物送達デバイス1は、ペン形デバイス、特に、ペン形注射器であり得る。デバイス1は、使い捨て、又は再使用可能なデバイスであり得る。好ましくは、デバイス1は固定用量デバイスであり、特に、使用者により変更できない薬剤31の用量を投与するように構成されたデバイスである。あるいは、デバイス1は、薬剤31の変更可能な、好ましくは使用者が設定可能な用量を投与するように構成し得る。薬物送達デバイス1は、手動で、特に非電気的に駆動されるデバイスであり得る。
【0059】
薬物送達デバイス1は、ハウジング2を含む。薬物送達デバイス1及びハウジング2は、遠位端及び近位端を有する。用語「遠位端」は、薬物送達デバイス1の端部、又は薬物送達デバイス1の投与端に最も近く配置され、又は配置されるべきその構成成分を指定する。デバイス1の遠位端は、矢印15で示される。用語「近位端」は、デバイス1の端部、又はデバイス1の投与端から最も遠く離れて配置され、又は配置されるべきその構成部品を指定する。デバイス1の近位端は、矢印16で示される。
【0060】
薬物送達デバイス1は栓7を含む。栓7はカートリッジ4内に保持される。栓7はカートリッジ4に対して可動である。栓7はカートリッジ4を近位的にシールする。カートリッジ4に関する遠位方向における栓7の動きは、薬剤31を出口5を通してカートリッジ4から投与させることになる。
【0061】
デバイス1は、ピストンロッド8を含む。ピストンロッド8は、薬物送達デバイス1のハウジング2を通して操作する。ピストンロッド8は、用量の送達のために、ハウジング8に対して送達方向で回転可能である。ピストンロッド8は、例えば、薬剤31を投与する目的のために薬物送達デバイス1を通して軸方向の動きを伝達するように設計される。特に、ピストンロッド8は、栓7に力を伝達するように設計され、それにより、カートリッジ4に対して遠位方向に栓7を押す。この方法において、薬剤31の用量は、カートリッジ4から投与される。投与される用量のサイズは、栓7をカートリッジ4に対して遠位方向に変位させる距離により決められる。
【0062】
デバイス1は、駆動機構を含む。駆動機構は薬物送達デバイス1のハウジング2内に配置される。駆動機構は用量ボタン12を含む。用量ボタン12は、スリーブを含むことができ、又はスリーブとして具体化し得る。用量ボタン12は、ハウジング2に対して可動である。好ましくは、用量ボタン12は、ハウジング2にスプライン結合される。用量ボタン12は、薬剤31の用量を設定するためにハウジング2に対して近位方向に可動である。用量ボタン12は、薬剤31の用量を送達するためにハウジング2に対して遠位方向に可動である。
【0063】
用量ボタン12が薬剤31の用量を設定するためにハウジング2に対して近位方向に動く距離は、用量のサイズを決め得る。ハウジング2に関する用量ボタン12の近位端位置及び遠位端位置は、ハウジング2に関する用量ボタン12の近位的又は遠位的運動を制限するそれぞれの停止機構(明確に図示されていないが)により決められる。
【0064】
駆動機構は駆動部材11を含む。駆動部材11はスリーブを含むことができ、又はスリーブとして具体化し得る。駆動部材11は、ハウジング2に対して軸方向に可動である。駆動部材11は、ハウジング11に対して回転を阻止される。駆動部材11は、用量ボタン12に関する運動に対して固定される。用量ボタン12の軸方向の動きは、ハウジング2に対して駆動部材11の軸方向の動きに変換される。
【0065】
用量ボタン12をハウジング2に対して遠位に動かす使用者が適用する力は、用量を投与するための駆動機構によりピストンロッド8に移行する(図1及び9参照)。ピストンロッド8は、ねじ山9Bを含む。ねじ山9Bは、ピストンロッド8の近位端部分に配置される。ねじ山9Bは、ピストンロッド8の可撓性アーム上に形成される(図9におけるアーム32A、32B参照)。駆動部材11は、嵌み合いねじ山11Aを含む。ねじ山11Aは、駆動部材11の内面に配置される。ねじ山11Aは一側面上に傾斜面を含む。ねじ山9B及び嵌み合いねじ山11Aの機械的協動のために、駆動部材11の軸運動が、薬剤31の用量を投与するため送達方向におけるピストンロッド8の回転に変換される。回転軸はハウジング2又はデバイス1の主縦軸である。好ましくは、回転軸は、ピストンロッド8に沿って続き、そして、特に、ピストンロッド8の伸長の主方向に沿って続く。
【0066】
ピストンロッド8は、更に、ねじ山9Aを含む。ねじ山9A、及び駆動機構の更なる構成部品の嵌み合いねじ山との機械的協動に基づき(明確に示されていないが)、ピストンロッド8は、薬剤31の用量を投与するためにハウジング2に対して遠位方向に走行する。それにより、カートリッジ内に保持されている薬剤のプライミング用量の投与(後程より詳細に説明するが)から、最終用量の投与まで、ピストンロッド8は、薬剤31を送達するために、近位始動位置から離れて、そして遠位端位置に向かって、ハウジング2に対して遠位に走行する。
【0067】
デバイス1の初期状態、例えば、デバイス1の非プライミング状態において、図1で示す通り、ピストンロッド8と栓7の間でギャップ33が存在する。ギャップ33は製造又はアセンブリの許容誤差から発生する。ギャップ33のサイズは変わり得る。しかし、薬剤31の送達時に、ピストンロッド8と栓7の間のギャップ33は、用量の精度を低下させる。何故ならば、ピストンロッド8は、栓が前進し、そして薬剤31が放出される前に、ギャップ33を閉じる必要があるからである。
【0068】
ギャップ33を減少させるために、特に、取り除くために、デバイス1はプライミングする必要がある。デバイス1をプライミングするために、しばしば、薬剤31の最少用量、例えば、プライミング用量がカートリッジ4から設定され、そして投与される。プライミング用量を投与中、ピストンロッド8と栓7の間の距離が取り除かれ、そして少量の薬剤31がカートリッジ4から送達される。後程、ピストンロッド8は、栓7に隣接し、即ち、ピストンロッド8と栓7の間のギャップ33が取り除かれる。ギャップ33を取り除いた後、デバイス1は、薬剤31の第一の用量の設定、及び使用者への送達のために準備されている。
【0069】
しばしば、デバイス1がプライミングされたかどうか、即ち、デバイス1が第一の用量を送達する準備がなされているかどうかを使用者が理解することは難しい。しかし、あたかも使用者が、間違ってデバイス1を、既にプライミングされたにも拘わらず、プライミングし、使用者が薬剤31の用量を捨てることになるかもしれないので、デバイス1がプライミングされたかどうかを知ることは使用者にとっては重要である。他方、使用者が第一の用量を投与する場合、デバイス1が既にプライミングされたことを信じて、使用者にとって、致命的な又は致死的な結果をもたらすかもしれない過少用量を使用者が注射するかもしれない。
【0070】
非プライミングデバイス1から、使用者に対して第一の用量を設定し、及び送達するために準備されているプライミングされたデバイス1を区別するために、例えば、プライミング用量が投与されたか、どうかを表示するために、デバイス1は表示器13を含む(特に、図2〜4参照)。表示器13は、プライミング状態表示器である。表示器13は、二つの異なった操作状態、即ち、デバイス1のプライミング状態(図6参照)及び非プライミング状態(図5参照)を表示するように適合される。
【0071】
表示器13は、デバイス1の近位端部分に配置される。表示器13は用量ボタン12に保持される。表示器13は、制限された方式で用量ボタンに対して回転可能である。表示器13は、用量ボタン12に対して、従って、駆動部材11に対して、表示器13の近位端面13と用量ボタン12の近位内面30との機械的協動、特に、隣接を用いての(図2参照)、近位変位に対して固定される。表示器13は、用量ボタン12に関する、その結果、駆動部材11に関する、表示器13の遠位端面と駆動部材11の近位端面との機械的協動、特に、隣接を用いての(図2参照)遠位変位に対して固定される。
【0072】
表示器13は、デバイス1がプライミングされるとき、特に、プライミング用量が投与されるとき、ピストンロッド8と機械的に協動するように構成される。ピストンロッド8が、プライミング用量を投与するためにハウジング2に対して送達方向に回転するとき、ピストンロッド8は、表示器13が制限された方式で、送達方向においてピストンロッド8の回転を続けるように,表示器13と相互作用する。
【0073】
表示器13は、例えば、図2で示す内部部材18を含む。内部部材18は、ピストンロッド8と協動するように適合される。表示器13は外部表示エレメント17を含む(図2及び、また、図3及び4参照)。外部表示エレメント17は、内部部材18から半径方向に相殺される。特に、外部表面、例えば、外部表示エレメント17の表示面17A、17Bは、内部部材18の外部表面より用量ボタン12の内面に近接して配置される。内部部材18は、内部部材17とピストンロッド8との機械的協動を可能にするために、外部表示エレメント17より、ハウジング2に対して近位方向により遠く到達する。内部部材18は、外部部材17の内側に部分的に配置される。外部表示エレメント17は、外部リングを含むことができ、又は外部リングとして刻み込むことがし得る。内部部材18は中央ハブを含むことができ、又は中央ハブとして刻み込み得る。
【0074】
外部表示エレメント17は、プライム用量を投与する間、それは図5及び6と関連して、より詳細に説明するが、内部部材18に対して若干軸方向に可動である。外部表示エレメント17は、複数の可撓性部材23を用いて、内部部材18と弾力的に連結される(図3及び4参照)。個々の可撓性部材23は可撓性ウェッブである。可撓性部材23、内部部材18及び外部表示エレメント17は一体的に形成される。
【0075】
可撓性部材23は外部表示エレメント17の近位端面及び近位部材18に固定される。特に、可撓性部材23は、内部部材18の近位端面を外部表示エレメント17の近位端面に弾力的に連結させる。可撓性部材23は、ハウジング2に対して半径方向に伸長する。可撓性部材23は、Sのような形状である。これは可撓性部材23の可撓性を増大させるのに役立ち、その結果、使用者が、例えば、デバイス1をプライミングするとき、表示器13を回転させるために適用させなければならない力を低下させ得る。それ故、使用者に優しい薬物送達デバイスが実現される。
【0076】
デバイス1が組立てられるとき、特に、用量ボタン12が表示器13上に組立てられるとき、用量ボタン12は、内部部材18にハウジング2に対して遠位方向に力を加え、それにより、可撓性部材23を変形させる。この変形は、ハウジング2に対して遠位方向に、そして駆動部材11上に遠位に外部表示エレメント17を偏らせることになるが、それは、後程、より詳細に説明する。
【0077】
内部部材18は第一の相互作用表面20を含む。第一の相互作用表面20は、内部部材18の遠位端部分において配置される。第一の相互作用表面20は、内部部材18から半径方向外側に突出する。第一の相互作用表面20及び内部部材18は一体的に形成される。
【0078】
ピストンロッド8がプライミング用量を投与するために回転するとき、ピストンロッド8、特に、ピストンロッド8の可撓性アーム32A(図9参照)は、可撓性アーム32Aが第一の相互作用表面20に隣接するまで、第一の相互作用表面20に向かって動く。ピストンロッド8が、ハウジング2に対して送達方向に更に回転するとき、可撓性アーム32Aは、力を第一の相互作用表面20上に、その結果、表示器13上に適用する。結果として、ピストンロッド8は、表示器13をハウジング2に対して送達方向に回転させ、それ故、表示器13を第一の表示位置から、例えば、デバイス1がプライミングされていないとき、表示器13の位置から、第二の表示位置へ、例えば、デバイス1がプライミング状態にあるとき、表示器13の位置へ切り替わる。
【0079】
異なった操作状態、例えば、デバイス1のプライミング状態及び非プライミング状態を表示するために、外部表示エレメント17は二つの第一の表示面17Aを提供する。外部表示エレメント17は、二つの第二の表示面17Bを提供する。個々の表示面17A及び17Bは互いに異なる。例えば、第一の表示面17Aは、第二の表示面17Aと比べて異なった色を有し得る。好ましくは、第一の表示面17Aは、デバイス1が非プライミング状態であることを表示するために、オレンジ又は赤色を含む。第二の表示面17Aは、デバイス1がプライミング状態であることを表示するために、緑又は白色を含み得る。
【0080】
二つの第一の表示面17は、向い合って配置されている。二つの第二の表示面17Bは、向い合って配置されている。用量ボタン12は二つの開口部25を含む。二つの開口部25は、向い合って配置されている。開口部25は外部表示エレメント17と、特に、個々の表示面17A、17Bと軸方向に重なる。
【0081】
第一の表示位置において、例えば、デバイス1が非プライミング状態にあるとき、個々の第一の表示面17Aは個々の開口部25を通して視認し得る。表示器13及び、その結果、外部表示エレメント17が、第二の表示位置へ回転したとき、例えば、デバイス1が、プライミング用量を投与するために、プライミング状態に切り替わったとき、個々の第二の相互作用表面17Bは個々の開口部25を通して視認し得る。この方法において、使用者は、デバイス1の操作状態が使用者に対してデバイス1の位置とは無関係であることを容易に理解し得る。それ故、使用者に非常に優しい、そして安全な薬物送達デバイス1が実現する。
【0082】
デバイス1がプライミングされていないとき、即ち、表示器13が第一の表示位置にあるとき、振動、衝撃、又は使用者の叩きにより発生する外部から適用される力は、第一の表示面17A、例えば、オレンジ表面は視界から消え去り、そして、使用者は、デバイス1がプライミングされたことを間違って表示されると、表示器13を無意識に第二の表示位置へ回転させることになる。使用者にとって致命的な結果をもたらすことになるかもしれない、表示器13がデバイスをプライミングせずに第二の表示位置において回転することを阻止するために、内部部材18は第二の相互作用表面19を含む。
【0083】
第二の相互作用表面19及び内部部材18は一体的に形成される。第二の相互作用表面19はリブの一部である。第二の相互作用表面19は、第一の相互作用表面20より内部部材18の近位端部分に接近して配置される。デバイス1が初期位置にあるとき、即ち、ピストンロッド8が近位始動位置にあるとき、これは、ピストンロッド8及び内部部材18の相互作用を支援する。
【0084】
第二の相互作用表面19は、デバイス1が初期状態にあるとき、可撓性アーム32Aに対して第一の相互作用表面20が有するものより、ピストンロッド8に対して、特に、ピストンロッド8の可撓性アーム32Bに対して、小さい角距離を有する(図2及び、特に、図8における矢印29参照)。好ましくは、表示器13は、第二の相互作用表面19及び可撓性アーム32Bの機械的協動によりピストンロッド8にスプライン結合される。第二の相互作用表面19及び可撓性アーム32Bの機械的協動は、デバイス1が初期状態にあるとき、表示器13の、従って、送達方向における外部表示エレメント17の、第二の表示位置への無意識な回転を阻止する。換言すれば、表示器13は、相互作用表面19及びピストンロッド8の機械的協動を用いて、第一の表示位置に維持される。更にその上、第一の、又は第二の表示位置において表示器13を維持するために、外部表示エレメント17は、図5に示す通り、二つの第一の戻り止め21を含む。個々の第一の戻り止め21は窪みである。外部表示エレメント17は、図6で示す通り、二つの第二の戻り止め22を含む。個々の第二の戻り止め22は窪みである。個々の戻り止め21、22は、外部表示エレメント17の遠位端部分において配置される。
【0085】
二つの第一の戻り止め21は、向い合って配置される。二つの第二の戻り止め22は、向い合って配置される。第一の戻り止め21及び第二の戻り止め22は、外部表示エレメント17と一体的に形成される。好ましくは、戻り止め21、22は、外部表示エレメント17に成形され又はミリングされる
【0086】
デバイス1は、二つのカウンターエレメント24を含む。カウンターエレメント24は、駆動部材11の一部である。カウンターエレメント24は、向い合って配置される。駆動部材11及びカウンターエレメント24は、一体的に形成される。個々のカウンターエレメント24は、ハウジング2に対して近位方向に駆動部材11から突出する突起部である。
【0087】
個々のカウンターエレメント24は、外部表示エレメント17を維持するために、個々の戻り止め21又は22の一つと係合し、従って、一つの個々の表示位置において表示器13と係合する。換言すれば、第一の表示位置において、例えば、非プライミング位置において、個々のカウンターエレメント24は、個々の第一の戻り止め21と係合する。第二の表示位置において、例えば、プライミング位置において、個々のカウンターエレメント24は、個々の第二の戻り止め22と係合する。特に、カウンターエレメント24が、第一の戻り止め21と係合するとき、第二の戻り止め22は係合を解除され、逆もまた真である。
【0088】
第一の戻り止め21は傾斜面を含む。傾斜面はピストンロッド8の回転方向、即ち送達方向に上昇する。傾斜面は、第一の表示位置において表示器13を、解除可能に固定するように適合される。傾斜面は送達方向において、そしてプライミング用量を投与中にカウンターエレメント24との係合から、表示器13を回転させるに必要なトルクを減少させる。表示器13が送達方向に回転するとき、カウンターエレメント24は傾斜面に沿って摺動し、その結果、戻り止め21との係合からもたらされる。
【0089】
表示エレメント17の近位端面に固定された可撓性部材23は、外部表示エレメント17を第一の戻り止め21上に乗り上げることを可能にする。換言すれば、可撓性部材23は、プライミング用量を投与中に、特に、第一の表示位置から、第二の表示位置へ表示器を13切り替え中に、カウンターエレメント24との係合を解除するために、外部表示エレメント17の若干の近位運動を可能にする。可撓性部材23は、プライミング用量が投与されたときに、外部表示エレメント17を、特に、第二の戻り止め22を、カウンターエレメント24と協動するよう強制する。
【0090】
第二の戻り止め22は、傾斜面を含まないが、しかし、ハウジング2の主縦軸に平行に続く側面を含む。これは、第二の表示位置から戻って、第一の表示位置へ表示器13を回転することを阻止するのに役立つ。この方法において、第二の戻り止め22は、第二の表示位置における表示器13を解除不能に固定することを支援し、一方、ピストンロッド8は、デバイスがプライミングされた後、使用者に薬剤31を送達するとき、遠位端位置に向かって走行する(travel)。
【0091】
第二の表示位置から戻って、第一の表示位置への表示器13の動きを阻止するのに役立つために、用量ボタン12は、図7で示す複数の突起部26を含む。突起部は傾斜面形状であり、傾斜面は送達方向に上昇する。突起部26は用量ボタン12の内側に配置される。突起部26は用量ボタン12の近位内部面に配置される。ウンターエレメント24が第一の戻り止め21又は第二の戻り止め22と係合するとき、突起部26は、可撓性部材23の外部表面の中央で軸方向に位置合わせをおこなう。
【0092】
第二の戻り止め22との係合からカウンターエレメント24をもたらすために、外部の力を適用するとき、例えば、外部表示エレメント17が、内部部材18に対して近位的に若干変位するとき、可撓性部材23の中央部は突起部26と隣接する。この方法において、可撓性部材23が曲げられるに有効な長さは低下し、その結果、カウンターエレメント24との係合から第二の戻り止め22をもたらすための、外部表示エレメント17の近位変位は最小化され、又は阻止される。それ故、表示器13は、効率的に、第二の表示位置から戻って第一の表示位置へ切り替わることを阻止する。
【0093】
従って、突起部26は、第一の表示位置から第二の表示位置への表示器13の無意識な切り替えをおこなうための、送達方向とは反対方向における表示器13の回転を阻止するよう操作する。しかし、突起部26は送達方向において、傾斜面形状であるので、第一の表示位置から第二の表示位置への表示器13の切り替えのため、カウンターエレメント24との係合から第一の戻り止め21をもたらすための外部表示エレメント17の近位変位は、表示器13が送達方向に回転するとき、阻止されない。
【0094】
次に、デバイス1をプライミングする操作は図9で示す通りに記述される:
【0095】
使用者は、プライミング用量を設定するために、近位的に用量ボタン12を引く。用量ボタン12の近位運動は、ハウジング2に対して、駆動部材11の近位運動に変換される。表示器13は用量ボタン12及び駆動スリーブ11と一緒に近位的に動く。
【0096】
プライミング用量が設定された後、使用者は用量ボタン12を、そしてその結果、駆動部材11を遠位に押す。それにより、表示器13は、第一の相互作用表面20は、ピストンロッド8の可撓性アーム32Aと軸方向で重なるように遠位に動く。駆動部材11の遠位運動は、ハウジング2に対して送達方向において、ピストンロッド8の遠位及び回転運動に変換される。
【0097】
可撓性アーム32Aは、第一の相互作用表面20と隣接し、それ故、ピストンロッド8の回転は送達方向において表示器13の回転に変換されるので(図9における矢印28参照)、それにより、プライミングされた戻り止め21の傾斜面は、図で既に記述した通り、カウンターエレメント24との係合から外部表示エレメント17を持ち上げる。第一の表示面17Aは、開口部25から回転し、そして第二の表示面17Bは、開口部内へ回転する。
【0098】
外部表示エレメント17が可撓性部材23を用いて遠位に偏らされ、そしてその結果、第二の戻り止め22がカウンターエレメント24に到達したとき、第二の戻り止め22は、カウンターエレメント24と係合し、表示器13を第二の表示位置から戻って、第一の表示位置へ切り替えることになる表示器13の更なる回転を阻止する。いま、デバイス1はプライミング状態にあり、そして表示器13は第二の表示位置において解除不能に固定される。
【0099】
従って、使用者は、デバイス1がプライミングされ、そしてその結果、デバイス1が、薬剤の第一の用量を設定し、及び投与する用意ができていることを表示される。第一の用量が設定されるとき、第一の相互作用表面20は、可撓性アーム32Aとの係合を解除される。それ故、ピストンロッド8及び表示器13の機械的協動は、ピストンロッド8が薬剤31を投与するために遠位端位置に向かって走行するとき阻止される。薬剤31の用量の設定及び投与は、プライミング用量を設定し、投与するために記述した方法と同様の方法で起こり得る。
【0100】
上記で記述したデバイス1は、使用者にデバイス1が、プライミングがされたかどうかを表示する明確に視認し得る信号を提供する。信号が二進法の場合、それを誤解することは非常にまれである。従って、使用者に優しいそして取扱いが簡単な薬物送達デバイス1が実現する。可撓性部材23の形状のために、デバイス1をプライミングするに必要な力を、デバイス1は最少化でき、それは、機動性に限界のある使用者にとって、特に、有用である。上記で記述した表示器13は、構成部品を製造するに容易であり、それゆえ、非常にコスト効率の優れた薬物送達デバイス1が実現される。
【0101】
他の実施も次の請求項の範囲内にある。異なった実施の要素は、本明細書で具体的に記述しなかった実施を形成するために組合せ得る。
【0102】
参照番号:
1:薬物送達デバイス;
2:ハウジング;
3:カートリッジホルダ;
4:カートリッジ;
5:出口;
7:栓;
8:ピストンロッド
9A:ねじ山;
9B:ねじ山;
11:駆動部材;
11A:ねじ山;
12:用量ボタン;
13:表示器;
14:キャップ;
15:遠位端;
16:近位端;
17:外部表示エレメント;
17A:第一の表示面;
17B:第二の表示面;
18:内部部材;
19:第一の相互作用表面;
20:第二の相互作用表面;
21:第一の戻り止め;
22:第二の戻り止め;
23:可撓性部材;
24:カウンターエレメント;
25:開口部;
26:突起部;
27:矢印;
28:矢印;
29:矢印;
30:内面;
31:薬物;
32A:可撓性アーム;
32B:可撓性アーム;
33:ギャップ;

【特許請求の範囲】
【請求項1】
-近位端及び遠位端を有するハウジング(2);
-薬物(31)送達のための、近位始動位置から離れ、遠位端位置に向って、ハウジング(2)に対して遠位に変位するように適合されたピストンロッド(8);
-アセンブリの少なくとも二つの異なった操作状態を表示するための表示器(13)で、アセンブリの第一の状態のための第一の表示位置から、アセンブリの第二の状態のための第二の表示位置にハウジング(2)に対して可動である、該表示器(13);
を含んでなる、薬物送達デバイス(1)用のアセンブリであって:
ここで、
-ピストンロッド(8)及び表示器(13)は、ピストンロッド(8)の動きを表示器(13)の動きに変換させるために、機械的に相互作用するように構成され;そしてここで、
-第二の表示位置への動きが許容されるように、第一の表示位置において表示器(13)を解除可能に固定するように構成された第一の戻り止め(21)が備えられ;そして
-第一の表示位置への動きが阻止されるように、第二の表示位置において表示器(13)を固定するように構成された第二の戻り止め(22)が備えられる;
上記アセンブリ。
【請求項2】
第二の戻り止め(22)は、ピストンロッド(8)が遠位端位置に走行する間、第二の表示位置において表示器(13)を解除不能に固定する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
ピストンロッド(8)が、ハウジング(2)に対して第一の回転方向に回転可能であり、そしてここで、アセンブリが第一の表示位置から第二の表示位置に切り替わるとき、表示器(13)が第一の回転方向にピストンロッド(8)と共に少なくとも部分的に回転するように、表示器(13)は配置され、ピストンロッド(8)と機械的に相互作用するように構成される、請求項1又は2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
第一の戻り止め(21)が、第一の表示位置において表示器(13)を解除可能に固定するための傾斜面を含んでなり、そしてここで、傾斜面は第一の回転方向に持ち上がる、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
表示器(13)が第一の戻り止め(21)及び第二の戻り止め(22)を含んでなり、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項6】
駆動部材(11)及び用量ボタン(12)を含んでなり、ここで、用量ボタン(12)は、ハウジング(2)に対して可動であり、用量ボタン(12)の動きは、用量ボタン(12)及び駆動部材(11)の機械的相互作用により、駆動部材(11)の動きに変換され、ここで、ハウジング(2)に対して遠位方向への用量ボタン(12)の動きが、第一の表示位置から第二の表示位置への表示器(13)の移行を生じさせる、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項7】
個々の戻り止め(21、22)と係合するための少なくとも一つのカウンターエレメント(24)を含んでなり、ここで、少なくとも一つのカウンターエレメント(24)は、駆動部材(11)の一部であり、そしてここで、カウンターエレメント(24)が、戻り止め(21、22)の一つと係合するとき、カウンターエレメント(24)は、戻り止め(21、22)の他方の一つとの係合から解除される、請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項8】
表示器(13)は、内部部材(18)及び外部表示エレメント(17)を含んでなり、第一の表示位置から第二の表示位置に切り替わるとき、外部表示エレメント(17)は、内部部材(18)に対して可動であるように、内部部材(18)及び外部表示エレメント(17)は互いに弾力的に連結される、請求項1〜7のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項9】
内部部材(18)が、第一の表示位置から第二の表示位置に切り替えるために、ピストンロッド(8)と協動するように構成され、ここで、内部部材(18)が少なくとも一つの第一の相互作用表面(20)を含んでなり、ここで、ピストンロッド(8)の動きが、第一の相互作用表面(20)及びピストンロッド(8)の機械的協動により表示器(13)の動きに変換される、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項10】
内部部材(18)が、少なくとも一つの第二の相互作用表面(19)を含んでなり、第二の相互作用表面(19)及びピストンロッド(18)の機械的協動が、第一の表示位置に表示器(13)を維持する、請求項8又は9に記載のアセンブリ。
【請求項11】
第一の相互作用表面(20)が、内部部材(18)から半径方向外側に突出し、そして第二の相互作用表面(19)が、第一の相互作用表面(20)よりもピストンロッド(8)の近位端の近くに配置され、そしてここで、第二の相互作用表面(19)とピストンロッド(8)間の角距離は、第一の相互作用表面(20)とピストンロッド(8)間の角距離より小さい、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項12】
内部部材(18)及び外部表示エレメント(17)が少なくとも一つの可撓性部材(23)を用いて連結され、そしてここで、第一の戻り止め(21)及び第二の戻り止め(22)がカウンターエレメント(24)から係合を解除されるとき、可撓性部材(23)は、表示エレメント(17)をハウジング(2)に対して遠位方向に変位させる傾向がある力を生じさせる、請求項8〜11のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項13】
可撓性部材(23)が、外部表示エレメント(17)の端面に固定され、可撓性部材(23)が、ハウジング(2)に対して半径方向に伸び、そしてここで、可撓性部材がSのような形状である、請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項14】
用量ボタン(12)が、用量ボタン(12)の内面上に配置された複数の突起部(26)を含んでなり、突起部(26)は、第二の表示位置から離れて第一の表示位置に向って戻る表示器(13)の動きが阻止されるように、少なくとも一つの可撓性部材(23)と機械的に相互作用するように構成される、請求項12又は13に記載のアセンブリ。
【請求項15】
表示器(13)が、プライミング状態表示器(13)であるように構成され、そしてここで、第一の表示位置がアセンブリの非プライミング状態を示し、そして第二の表示位置がアセンブリのプライミング条件を示す、請求項1〜14のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項16】
表示器(13)が、内部部材(18)及び外部表示エレメント(17)を含んでなり、外部表示エレメント(17)が、表示面(17A、17B)を備え、そして少なくとも一つの可撓性部材(23)により内部部材(18)に弾力的に連結され、ここで、表示器(13)は少なくとも一つの第一の戻り止め(21)及び少なくとも一つの第二の戻り止め(22)を含んでなり、第一の戻り止め(21)は、表示器(13)の第一の方向への回転を可能にするように適合され、そして第二の戻り止め(22)は、表示器(13)の第一の方向と反対方向への回転を阻止するように適合される、薬物送達デバイス(1)用の表示器(13)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−505094(P2013−505094A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−530238(P2012−530238)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【国際出願番号】PCT/EP2010/063842
【国際公開番号】WO2011/036134
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(397056695)サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (456)
【Fターム(参考)】