説明

虫除け用具

【課題】開閉機構の機能を損ねずに隙間からの虫などの進入を防ぐために好適な虫除け用具を提供する。
【解決手段】虫除け用具100は、片面に接着部材を配した板状の胴体部110と、胴体部110に接合されている複数の毛を有するブラシ部120と、胴体部110の一部又は全部の領域に設けられ、アルコール・フェノール等を染み込ませたスポンジ部130とを備える。虫除け用具100は、ドア、扉、襖などの開閉機構と、床や天井等と、の隙間を埋めるように、接着部材で開閉機構に取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉機構の機能を損ねずに隙間からの虫などの進入を防ぐために好適な虫除け用具に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅には、扉、ドア、襖などの開閉機構が多く設置されている。開閉機構は人間が部屋を行き来するたびに開閉されるのであるが、建築する際の立て付け次第では隙間ができる場合がある。一方で、スムーズに開閉を繰り返すためには、ある程度の隙間を空けておかなければならない事情もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のように扉等の開閉のために適度の大きさの隙間を作ったとしても、虫が進入するためには十分な大きさになってしまう可能性がある。特に、ゴキブリなどの害虫の進入を許してしまうと、住宅内の衛生上の問題が発生したり、住人の快適な生活を害する問題が発生したりしてしまう。
【0004】
本発明は、このような課題を解決するものであり、開閉機構の機能を損ねずに隙間からの虫などの進入を防ぐために好適な虫除け用具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の原理にしたがって、下記の発明を開示する。
【0006】
本発明の第1の観点に係る虫除け用具は、胴体部、ブラシ部、スポンジ部を備える。
胴体部は、片面に接着部材が予め取り付けられた板状の形をしている。
ブラシ部は、前記胴体部に接合されており、複数の毛を有する。
スポンジ部は、前記胴体部の一部又は全部の領域に設けられ、アルコール又はフェノーを予め染み込ませてある。
【0007】
ブラシ部の毛は、直毛、波状毛、縮毛のうち少なくとも一つ以上を含んでもよい。
【0008】
ブラシ部の毛は、ポリアミド系樹脂、植物系繊維、動物性繊維のうち少なくとも一つ以上を含んでもよい。
【0009】
本発明の第2の観点に係る虫除け用具は、胴体部、ブラシ部を備える。
胴体部は、片面に接着部材が取り付けられた板状又は平面状の形をしている。
ブラシ部は、胴体部に接合されており、複数の毛を有する。
そして、ブラシ部の毛には、樟脳、ナフタレン、パラジクロロベンゼン、ピレスロイドのうち少なくとも一つ以上の固体粉末を付着させてある。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、開閉機構の機能を損ねずに隙間からの虫などの進入を防ぐために好適な虫除け用具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の実施例に係る虫除け用具100の概観図である。
【0013】
虫除け用具100は、胴体部110とブラシ部120と吸湿性スポンジ部130とから構成される。
【0014】
図2は、前後に開閉するドア200に虫除け用具100を設置したときの概観図である。ドア200は、矢印Y1方向に開閉可能である。
【0015】
図3は、左右に開閉する扉300に虫除け用具100を設置したときの概観図である。扉300は、矢印Y2方向に開閉可能である。
【0016】
胴体部110の横幅Lは、ドア200の横幅とほぼ同じ長さである。横幅Lは、ドア200の横幅と一致することが望ましい。
【0017】
胴体部110の奥行き(厚さ)Dは、典型的には数ミリメートル程度である。図中では、本発明の理解を容易にするために、奥行きDの大きさをやや誇張して描いている。
【0018】
胴体部110の高さH1は、典型的には約2〜3センチメートル程度である。
【0019】
高さH1のうち、ブラシ部120に相当する部分の高さH2は、ドア200と床面との隙間より若干長い程度であり、隙間を埋めるために十分な長さである。典型的には約1センチメートル程度である。
【0020】
胴体部110のドア200側の片面は、粘着テープあるいは糊のような接着部材を貼り付けている接着面になっている。ユーザは、容易に虫除け用具100をドア200や扉300に貼り付けることができる。
【0021】
胴体部110の材質は、本発明によって限定されない。例えば、紙、板、プラスチックなどを用いることができる。
【0022】
胴体部110には、ブラシ部120が接合されている。胴体部110からブラシ部120が接合される向きが床面側になる。
【0023】
ブラシ部120は、柔らかいポリアミド系樹脂(通称:ナイロン)やアラミド樹脂等の高分子化合物、植物系繊維、動物性繊維等の材質で作られている、糸状あるいは繊維質の複数の毛から構成される。また、これらの材質の組み合わせや混合物でも良い。ただし、ブラシ部120全体の材質は、総じて、床面を傷つけない程度の堅さ(柔らかさ)であることが望ましい。
【0024】
毛の形状は、典型的には直線状(直毛)である。しかし、波状毛、縮毛などでもよく、形状は限定されない。例えば、いわゆるアフロヘアーのように、縮毛を膨らませ丸い形にすることもできる。
【0025】
胴体部110の一部領域は、吸湿性スポンジ部130(図中では130A,130B,130Cの3つ)になっている。吸湿性スポンジ部130は、胴体部110に埋め込まれるように設けられる。
【0026】
吸湿性スポンジ部130には、エタノール等の液体のアルコール類、あるいはフェノール類を染み込ませている。ユーザは、吸湿性スポンジ部130の上部から適宜エタノール等を注入することができる。例えば、ユーザは、吸湿性スポンジ部130が乾燥しても随時エタノール等を補充して染み込ませることができる。
【0027】
本実施例では、吸湿性スポンジ部130は3カ所設けられているが、2カ所以下、あるいは、4カ所以上でもかまわない。また、胴体部110全体が吸湿性スポンジ部130を構成していてもよい。
【0028】
吸湿性スポンジ部130の表面に、染み込ませたエタノール等が容易に揮発しないようにするため、適度に穴を開けたシートをかぶせても良い。
【0029】
液体のアルコール類、あるいはフェノール類の代わりに、樟脳、ナフタレン、パラジクロロベンゼン、天然ピレスロイド、合成ピレスロイドなどの固体粉末を、吸湿性スポンジ部130に付着させても良い。
【0030】
なお、樟脳、ナフタレン、パラジクロロベンゼン、天然ピレスロイド、合成ピレスロイドなどの固体粉末を、吸湿性スポンジ部130ではなく、ブラシ部120に付着させても良い。この場合、虫除け用具100は、吸湿性スポンジ部130を備えなくても良い。
【0031】
上述のように毛の形状を波状毛、縮毛などにすると、吸湿性スポンジ部130に染み込ませたアルコール類・フェノール類の保湿性が向上し、あるいは、樟脳、ナフタレン、パラジクロロベンゼン、天然ピレスロイド、合成ピレスロイドなどの固体粉末の定着性が向上するため、好適である。
【0032】
ドア200あるいは扉300と床面との隙間は、柔らかい毛でできたブラシ部120によって埋められるので、ドア200あるいは扉300の開閉機構に支障を来すことなく、虫などの進入を防ぐことができる。
【0033】
更に、吸湿性スポンジ部130に例えばエタノール等を染み込ませることにより、ゴキブリなどを寄せ付けない効果が得られる。
【0034】
図中では、ドア200あるいは扉300の片面にのみ虫除け用具100を貼り付けているが、両面に貼り付けるとより効果的である。
【0035】
また、虫除け用具100は、ドア200あるいは扉300の床側の隙間を埋めるだけでなく、天井側の隙間や、図4のように横の隙間を埋めるように接着することもできる。
【0036】
図4の場合、幅Lをドア200あるいは扉300の高さとほぼ同じ長さにして、高さ(H1−H2)をドア200あるいは扉300の厚さとほぼ同じにすればよい。
【実施例2】
【0037】
次に、本発明の第2の実施例について説明する。虫除け用具100は、開閉装置の隙間だけでなく、水道管やパイプ等にも取り付けることができる。
【0038】
図5は、筒状のパイプ400の内面に貼り付けたときの虫除け用具100の概観図である。
【0039】
ゴキブリなどの小さな虫は、パイプ内を伝って家屋内に侵入する場合がある。本図に示すように、虫除け用具100は、ブラシ部120の毛が家屋外に向かう方向に伸びるような向きに貼り付けることが望ましい。
【0040】
図6は、筒状のパイプ400の外面に貼り付けたときの虫除け用具100の概観図である。
【0041】
本図に示すように、台所の下のパイプ400と周りの板450との隙間を埋めるように、虫除け用具100を設置することができる。
【0042】
以上説明したように、本発明によれば、開閉機構の機能を損ねずに隙間からの虫などの進入を防ぐために好適な虫除け用具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】虫除け用具の構成を説明するための図である。
【図2】前後に開閉するドアに虫除け用具を設置したときの概観図である。
【図3】左右に開閉する扉の床面側に虫除け用具を設置したときの概観図である。
【図4】左右に開閉する扉の側面側に虫除け用具を設置したときの概観図である。
【図5】筒状のパイプの内側に虫除け用具を設置したときの概観図である。
【図6】筒状のパイプの外側に虫除け用具を設置したときの概観図である。
【符号の説明】
【0044】
100 虫除け用具
110 胴体部
120 ブラシ部
130 吸湿性スポンジ部
200 ドア
300 扉
400 パイプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
片面に接着部材が取り付けられた板状又は平面状の胴体部、
前記胴体部に接合されており、複数の毛を有するブラシ部、
前記胴体部の一部又は全部の領域に設けられ、アルコール又はフェノールを染み込ませたスポンジ部、
を備えることを特徴とする虫除け用具。
【請求項2】
請求項1に記載の虫除け器具であって、
前記ブラシ部の毛は、直毛、波状毛、縮毛のうち少なくとも一つ以上を含む、
ことを特徴とする虫除け器具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の虫除け器具であって、
前記ブラシ部の毛は、ポリアミド系樹脂、植物系繊維、動物性繊維のうち少なくとも一つ以上を含む、
ことを特徴とする虫除け器具。
【請求項4】
片面に接着部材が取り付けられた板状又は平面状の胴体部、
前記胴体部に接合されており、複数の毛を有するブラシ部、
を備え、
前記ブラシ部の毛には、樟脳、ナフタレン、パラジクロロベンゼン、ピレスロイドのうち少なくとも一つ以上の固体粉末を付着させてある、
ことを特徴とする虫除け器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−201494(P2009−201494A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−76651(P2008−76651)
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【出願人】(507245467)
【Fターム(参考)】