説明

蛍光ランプ及びその製造方法

【課題】本発明は、ガラス基材、金属酸化物保護膜、及び蛍光層を含む蛍光ランプ及びその製造方法に関する。
【解決手段】本発明は、ゾル−ゲル反応によって製造された金属酸化物前駆体が分散したゾルを利用して、前記蛍光層及びガラス基材の間、ガラス基材上に形成された蛍光層の上部、または蛍光層と同一層に保護膜を形成する蛍光ランプの製造方法、及びこれによって製造された蛍光ランプに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光ランプ及びその製造方法に係り、より詳細には、微細管形態をはじめとする多様な形態のガラス基材に容易に導入することができて、均一な保護膜を製造することができ、蛍光ランプの駆動時に発生する黒化現象を防止または抑制するだけでなく、二次電子の放出率を増加させて、蛍光ランプの寿命及び輝度を向上させることができる、蛍光ランプ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
蛍光ランプは、電極がランプ用ガラス基材の内部に配置された冷陰極蛍光ランプ(Cold Cathode Fluorescent Lamp、CCFL)、及び電極がランプ用ガラス基材の外部に配置された外部電極蛍光ランプ(External Electrode Fluorescent Lamp、EEFL)がある。
【0003】
前記蛍光ランプは、ガラス基材の内壁面に、蛍光物質がコーティングされた蛍光層が形成され、ガラス基材の内部に、発光駆動のための一定量のガス及び水銀からなる放電ガスを含む。その中でも、特に、外部電極蛍光ランプは、電極がガラス基材の内部に配置されずにガラス基材の外壁に形成されることによって、微細管形態のランプに製造される。
【0004】
一般に、蛍光ランプの駆動は、電極に高電圧を印加して、ガラス基材の内部に存在する電子が電極(陽極)側に移動して中性気体原子と衝突し、中性原子をイオン化する。前記中性原子のイオン化によって生成されたイオンが電極(陰極)側に到達して、陰極から二次電子が放出されて放電が行われる。このような放電によってランプ用ガラス基材の内部で電子及び水銀原子の衝突によって約253.7nmの紫外線が放出され、この紫外線によって蛍光物質が励起されて可視光線を発する。
【0005】
しかし、長期間使用すると、蛍光ランプに封入された水銀及びガラス基材中のアルカリ成分が反応してアマルガムを形成したり、蛍光体に残留していた不純物が漏出したりして、ガラス基材に封入された純粋な放電ガスを不純ガスにして黒化現象が発生する問題がある。
【0006】
そこで、前記黒化現象を抑制するための多様な方法が試みられている。
【0007】
特許文献1は、外部電極蛍光ランプに関するものであって、ランプの寿命を向上させて二次電子の放出率を増加させる目的で、ガラス基材の内部にMgOまたはCaOのような金属酸化物の強誘電体層を塗布することが言及されている。しかし、特許文献1では、金属酸化物の使用による効果を予測しているだけで、その効果を立証しておらず、強誘電体層の形成方法も提示していない。
【0008】
特許文献2には、ガラス基材及び蛍光層の間に金属酸化物からなる保護膜が形成されていて、ガラス基材の黒化が抑制されて光速維持率が高く維持される蛍光ランプが開示されている。具体的には、γ−Alを水に分散させて形成されるサスペンション形態のコロイドを製造し、前記コロイドをガラス基板にコーティングした後に600℃で焼成して、保護膜を製造することが言及されている。
【0009】
しかし、特許文献2では、微細管形態の蛍光ランプ用ガラス基材でないガラス基板にコーティングして保護膜を形成しているので、実際に管径が小さいガラス基材を含む外部電極蛍光ランプに適用するのが困難であった。また、保護膜の材質であるγ−Alの粒子間の凝集が発生して、コロイドの安定性が低下し、結局、均一な保護膜を形成するのが難しいという問題がある。
【0010】
ここで、均一な保護膜を形成するために蒸着またはスパッタリングのような乾式コーティング方法が導入されるが、このような方法では、微細管形態の蛍光ランプ用ガラス基材の内部のコーティングそのものが不可能である。
【特許文献1】韓国特許出願公開第2001−0074017号明細書
【特許文献2】韓国特許出願公開第1999−0083535号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、ゾル−ゲル反応によって製造された金属酸化物前駆体が分散したゾルを利用して、湿式コーティング及び焼成によって、金属酸化物保護膜を形成する段階を含む、蛍光ランプの製造方法を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、前記金属酸化物の保護膜を含むことによって、蛍光ランプの駆動時に発生する黒化現象を防止または抑制するだけでなく、二次電子の放出率を増加させて、蛍光ランプの寿命及び輝度を向上させることができる、蛍光ランプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するために、本発明は、a)一側以上の領域が開放されたガラス基材に、ゾル−ゲル反応によって製造された金属酸化物前駆体が分散したゾルまたは蛍光体スラリーをコーティングする第1コーティング工程、b)前記第1コーティング工程でコーティングされない、金属酸化物前駆体が分散したゾルまたは蛍光体スラリーをコーティングする第2コーティング工程、c)前記a段階及びb段階でコーティングされたコーティング膜を焼成して、保護膜及び蛍光層を同時に形成する工程、d)ガラス基材の内部の気体を排気する真空排気工程、e)ガス注入後に密封する工程を含む、蛍光ランプの製造方法を提供する。
【0014】
前記金属酸化物前駆体は、焼成によって、MgO、CaO、SrO、及びBaOからなる群より選択される1種以上の金属酸化物に転換される。
【0015】
また、本発明は、前記製造方法によって製造された蛍光ランプを提供する。この時、前記蛍光ランプは、冷陰極蛍光ランプ(Cold Cathode Fluorescent Lamp、CCFL)、外部電極蛍光ランプ(External Electrode Fluorescent Lamp、EEFL)、または平板蛍光ランプ(Flat Fluorescent Lamp、FFL)が好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、金属酸化膜からなる保護膜が形成された外部電極蛍光ランプを製造することができる。このような外部電極蛍光ランプは、内壁面に形成された保護膜によって、長期間使用時に発生した黒化現象が抑制または防止されて、二次電子の放出率が増加して、寿命及び輝度が向上する。前記蛍光ランプは、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)のような平板ディスプレイのバックライト、照明用ランプ、またはサイン用光源などに適用され、これらの寿命及び信頼度を向上させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0018】
本発明では、ゾル−ゲル反応によって製造された金属酸化物前駆体が分散したゾルを利用して、蛍光ランプのガラス基材上に付着力が優れていて均一な保護膜を容易に導入することができる。
【0019】
ゾル−ゲル反応によって製造された金属酸化物前駆体ゾルは、焼成によって金属酸化物に転換可能な前駆体が均一な分散液を構成し、多様な形態のガラス基材に対する付着力が優れていて、焼成によって透明で均一な膜を形成することができる。特に、従来の管形態のガラス基材の場合、コーティングがほとんど不可能であったが、本発明による金属酸化物前駆体ゾルを利用することによって、毛細管現象によって湿式コーティングが可能になった。
【0020】
前記金属酸化物前駆体ゾルの製造は、この分野で公知のゾル−ゲル反応に従い、代表的には、反応器にゾル−ゲル前駆体及び溶媒を注入して加水分解反応(hydrolysis)及び縮合反応(condensation)を行って、金属酸化物前駆体が分散したゾルを製造する。
【0021】
前記ゾル−ゲル前駆体は、ゾル−ゲル反応によって金属酸化物前駆体を形成する化合物であって、アルカリ土類金属系の金属であるMg、Ca、Sr、及びBaからなる群より選択される1種以上の金属を含むアルコキシド(alcoxide:−OCH)、ナイトライド(−(NO・6HO)などを使用することができる。前記溶媒は、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ノーマルプロパノール、ノーマルブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、酢酸エチル、メチルアセテート、キシレン、及びトルエンからなる群より選択される1種以上の溶媒を使用し、好ましくは、水及びC1乃至C5の低級アルコールの混合溶媒を使用することができる。
【0022】
この時、加水分解反応を促進して、焼成工程で熱処理温度を低くするために、酸または塩基を添加することができる。前記酸の例としては、酢酸、リン酸、硫酸、塩酸、硝酸、クロロスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリクロロアセト酸、ポリホスホン酸、アイオディン酸、ヨード酸無水物、パークロロリク酸などのような酸触媒系列がある。前記塩基の例としては、苛性ソーダ、水酸化カリウム、n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、イミダゾール、アンモニウムパークロレートなどのような塩基触媒系列がある。好ましくは、加水分解反応の初期に液と液の間の層分離を防止して、液体の濃度を調節するために、アルコール系の溶媒に酢酸を使用することができる。
【0023】
前記金属酸化物前駆体が分散したゾルは、湿式コーティングが可能なように、濃度が0.01乃至70%、好ましくは0.05乃至50%である。
【0024】
必要に応じて、前記金属酸化物前駆体が分散したゾルは、水銀低減防止剤及び暗黒特性向上剤をさらに含むことができる。
【0025】
前記水銀低減防止剤は、高電圧によって加速されたイオン及び電子によってガラス基材の劣化が発生し、このような劣化によって水銀ガスの消耗量が大きく増加するのを防止するためである。前記水銀低減防止剤の例としては、Y、CeO、及びAlからなる群より選択される1種以上の金属酸化物がある。このような水銀低減防止剤は、本発明のアルカリ土金属系の金属酸化物前駆体の固形分の含有量100重量部に対して1.0乃至90重量部で使用することができる。
【0026】
前記暗黒特性向上剤は、暗黒状態で速やかにランプの始動を行って暗黒特性を改良することができるものであって、Cs化合物が使用される。具体的には、このようなCs化合物として、Cs単独、またはCsO、CsO、Cs、CsSO、及びCs(OH)からなる群より選択されるCs酸化物があって、これらの中から1種以上を使用することができ、本発明のアルカリ土金属系の金属酸化物前駆体の固形分の含有量100重量部に対して1.0乃至90重量部で使用することができる。
【0027】
特に、本発明では、前記金属酸化物前駆体が分散したゾルは、蛍光ランプに湿式コーティングした後に焼成を行うことによって、金属酸化物からなる保護膜を形成することができる。
【0028】
前記湿式コーティングは、この分野で行われる通常の方法が可能である。代表的なコーティング方法として、ディップコーティング、ロールコーティング、ブレードコーティング、スリットコーティング、及びスプレーコーティングなどがある。本発明の具体的な一例として、管形態のガラス基材に対する金属酸化物前駆体が分散したゾルの湿式コーティングは、前記ゾルが含まれている浸漬槽内にガラス基材を一定の長さだけ浸漬させることによって、毛細管現象によってガラス基材の内壁面にゾルをコーティングすることができる。また、平板形態のガラス基材に対する湿式コーティングは、ディップコーティング及びスプレーコーティングなどが全て可能である。
【0029】
前記焼成工程は、ガラス基材の変形温度以下及び焼成によって有機物を全て酸化させることができる温度以上で行い、好ましくは、350乃至600℃で行う。
【0030】
その結果製造された保護膜は、MgO、CaO、SrO、またはBaOなどの金属酸化物が緻密に存在する構造からなる。また、前記保護膜内の金属酸化物は、粒子の大きさが0.001乃至100μm、好ましくは、0.01乃至50μmである。前記保護膜の厚さは、蛍光層と類似して、0.1乃至10μmが適当である。前記保護膜の厚さが薄い場合には寿命に問題が発生するが、本発明では、ゾル状態の金属酸化物から前記範囲内の保護膜が形成される。
【0031】
前記金属酸化物前駆体が分散したゾルから製造された保護膜は、蛍光ランプに導入されて、蛍光ランプの駆動時に放電空間にそのまま露出されて、高電圧によって加速されたイオン及び電子によるガラス基材または蛍光層の劣化を防止し、水銀ガスの消耗量の増加を抑制して、蛍光ランプの寿命及び輝度を大きく向上させる。
【0032】
本発明による蛍光ランプへの保護膜の導入は、以下の方法で行われる。本発明による蛍光ランプは、a)一側以上の領域が開放されたガラス基材にゾル−ゲル反応によって製造された金属酸化物前駆体が分散したゾルまたは蛍光体スラリーをコーティングする第1コーティング工程、b)前記第1コーティング工程でコーティングされない、金属酸化物前駆体が分散したゾルまたは蛍光体スラリーをコーティングする第2コーティング工程、c)前記a段階及びb段階でコーティングされたコーティング膜を焼成して、保護膜及び蛍光層を同時に形成する工程、d)ガラス基材の内部の気体を排気する真空排気工程、e)ガス注入後に密封する工程を経ることによって製造される。
【0033】
具体的には、前記a段階及びb段階で、ガラス基材に金属酸化物前駆体が分散したゾルを先にコーティングした場合には、次に蛍光体スラリーをコーティングすることができ、また、ガラス基材に蛍光体スラリーを先にコーティングした場合には、次に金属酸化物前駆体ゾルをコーティングすることができる。
【0034】
この時、蛍光ランプは、冷陰極蛍光ランプ、外部電極蛍光ランプ、または平板蛍光ランプであり、前記a乃至e段階を経て製造される。
【0035】
前記冷陰極蛍光ランプは、内部に放電空間が形成されている管形態のガラス基材を含み、前記ガラス基材の内壁面に蛍光層が形成され、前記ガラス基材の内部の両末端に一対の内部電極が形成されている構造からなる。
【0036】
また、外部電極蛍光ランプは、内部に放電空間が形成されている管形態のガラス基材を含み、前記ガラス基材の内壁面に蛍光層が形成され、前記ガラス基材の外部の両末端に一対の外部電極が形成されている構造からなる。
【0037】
前記平板蛍光ランプは、互いに平行に維持されて互いに対向する板形態の一対のガラス基材、前記ガラス基材の内部に封入された放電ガス、前記ガラス基材の外部の両末端に位置する一対の外部電極を含み、前記一対のガラス基材のうちのいずれか一つのガラス基材上に蛍光層が形成される。
【0038】
この時、蛍光ランプは、多様な形態及び位置に保護膜を導入することができ、以下では、理解しやすく説明するために、外部電極蛍光ランプを利用して保護膜の適用について詳細に説明する。
【0039】
図1は本発明の第1実施例による外部電極蛍光ランプを示した側断面図であり、図2は製造方法を示したブロック図である。
【0040】
図1を参照すれば、外部電極蛍光ランプ100aは、内部に放電ガスが封入されたガラス基材10a、前記ガラス基材10aの外部の両末端に位置した一対の外部電極16a、前記ガラス基材10aの内壁面に形成された蛍光層14aを含む。
【0041】
この時、保護膜12aは、ガラス基材10a及び蛍光層14aの間に位置して、保護膜12a及び蛍光層14aの全てがガラス基材10aの内壁の全面にかけて形成される。
【0042】
前記保護膜12aは、上述のゾル−ゲル反応によって製造された金属酸化物前駆体が分散したゾルを使用して製造することができ、したがって、アルカリ土類金属系の金属酸化物として、MgO、CaO、SrO、BaOなどがあり、これらの中の単一種あるいは複数種の金属酸化物が可能である。
【0043】
ガラス基材10aは、透明管であって、ソーダ石灰ガラス、鉛ガラスなどの軟質ガラス、または硼珪酸ガラスなどの硬質ガラス、半硬質ガラスを使用することができる。前記ガラス基材10aは、図1のように、チューブ型(tube−type)で適用されるが、その使用目的によって、バルブ型、直管型、平板型、及びその他の任意の断面形状に製造される。
【0044】
放電ガスは、ガラス基材10aの内部に封入され、水銀にアルゴンまたはネオンなどのガスを混合した混合ガスが使用される。
【0045】
外部電極16aは、外部電極蛍光ランプ100aを発光させることができるように、外部電流によって電場を形成することができる金属を使用することが可能で、本発明では、特にその材質を限定せず、通常の電極材料を使用することが可能である。好ましくは、前記外部電極16aの材質としては、電気抵抗が少ない導電性材料を使用することが好ましい。
【0046】
この時、外部電極16aは、ガラス基材10aの両末端を完全に囲む形態に製造される。前記外部電極16aは、金属材からなるキャップまたは金属テープを付着する方式や、前記ガラス基材11の両末端を金属溶液にディッピングする方式など多様な方式が可能であるが、本発明では、特に限定しない。
【0047】
蛍光層12aは、通常の蛍光ランプに使用される蛍光体物質からなり、本発明では、特に限定しない。前記蛍光層12aは、厚さが1.0乃至20μm、好ましくは、5.0乃至10μmである。
【0048】
前記構造の外部電極蛍光ランプ100aは、外部電極16aに連続的な交流電圧やパルス電圧を印加して、発光及び点灯される。つまり、一対の外部電極16aに印加される高周波電圧による電界によってガラス基材10aの内部の空間で放電が起こり、このような放電によって発生した紫外線によってガラス基材10aの内壁面に塗布された蛍光層14aの蛍光体が発光して、可視光線を発光する。
【0049】
図1の実施例による外部電極蛍光ランプ100aは、保護膜12aによってガラス基材10aの材質中のアルカリ成分及び蛍光体に残留していた不純物が放電領域に移動するのを防止して、黒化現象を防止または抑制し、二次電子の放出率を増加させて、外部電極蛍光ランプ100aの寿命及び輝度を向上させる。
【0050】
図2を参照すれば、第1実施例による外部電極蛍光ランプは、ガラス基材の内壁の全面にかけて金属酸化物前駆体が分散したゾルを湿式コーティングした後(第1コーティング工程)、その上部にガラス基材の全面にかけて蛍光体スラリーを湿式コーティングして(第2コーティング工程)、焼成工程を経て、保護膜及び蛍光層を同時に形成する。次に、ガラス基材の内部の気体を真空排気する真空排気工程、そして放電ガス注入後に密封する工程を経て製造される。
【0051】
前記金属酸化物前駆体が分散したゾル及び蛍光体スラリーのコーティングは、ディップコーティング、ロールコーティング、ブレードコーティング、スリットコーティング、及びスプレーコーティングなどが可能である。
【0052】
図3は本発明の第2実施例による外部電極蛍光ランプを示した横断面図であり、図4はその製造方法を示したブロック図である。
【0053】
図3を参照すれば、第2実施例による外部電極蛍光ランプ100bは、ガラス基材10bの内壁の全面にかけて蛍光層14bが形成され、前記蛍光層14b上に保護膜12bが形成され、この時、前記保護膜12bは、ガラス基材10bの内壁の全面にかけて形成される。
【0054】
その他の外部電極蛍光ランプの構成要素に対する詳細な説明は、前記第1実施例で言及した通りである。
【0055】
図4を参照すれば、第2実施例の外部電極蛍光ランプは、ガラス基材の内壁の全面にかけて蛍光体スラリーをコーティングした後(第1コーティング工程)、その上部にガラス基材の全面にかけて金属酸化物ゾルをコーティングして(第2コーティング工程)、焼成工程を経て、蛍光層及び保護膜を形成する。次に、ガラス基材の内部の気体を真空排気する真空排気工程、そして放電ガス注入後に密封する工程を経て製造される。
【0056】
図5は本発明の第3実施例による外部電極蛍光ランプを示した側断面図であり、図6はその製造方法を示したブロック図である。
【0057】
図5を参照すれば、第3実施例による外部電極蛍光ランプ100cは、外部電極16cの長さに相当する領域(L、L´)に保護膜12cが形成され、前記保護膜12cを含むようにガラス基材の内壁の全面にかけて蛍光層14cが形成される。
【0058】
その他の外部電極蛍光ランプ100cの構成要素に対する詳細な説明は、前記第1実施例で言及した通りである。
【0059】
図6を参照すれば、第3実施例の外部電極蛍光ランプは、ガラス基材の両末端に外部電極の長さに相当する領域(L、L´)だけに金属酸化物ゾルをコーティングした後(第1コーティング工程)、これを含むようにその上部にガラス基材の全面にかけて蛍光体スラリーをコーティングして(第2コーティング工程)、焼成工程を経て、保護膜及び蛍光層を形成する。この時、金属酸化物ゾルのコーティングは、金属酸化物ゾルが満たされた浸漬槽にガラス基材の両末端を浸漬させて、毛細管現象によって所定の高さまでコーティングする。次に、ガラス基材の内部の気体を真空排気する真空排気工程、そして放電ガス注入後に密封する工程を経て製造される。
【0060】
図7は本発明の第4実施例による外部電極蛍光ランプを示した側断面図である。
【0061】
図7を参照すれば、第4実施例による外部電極蛍光ランプ100dは、図3に示された外部電極蛍光ランプ100cの構造とは異なって、先に蛍光層14dがガラス基材10aの内壁の全面にかけて形成された後、前記蛍光層14d上に外部電極16aの長さに相当する領域(L、L´)に保護膜12dが形成された構造から成る。
【0062】
その他の外部電極蛍光ランプ100dの構成要素に対する詳細な説明は、前記第1実施例で言及した通りである。
【0063】
図8を参照すれば、第4実施例の外部電極蛍光ランプは、ガラス基材の内壁の全面にかけて蛍光層をコーティングした後(第1コーティング工程)、ガラス基材の両末端に外部電極の長さに相当する領域だけ金属酸化物ゾルをコーティングして(第2コーティング工程)、焼成工程を経て、蛍光層及び保護膜を形成する。次に、ガラス基材の内部の気体を真空排気する真空排気工程、そして放電ガス注入後に密封する工程を経て製造される。
【0064】
図9は本発明の第5実施例による外部電極蛍光ランプを示した側断面図である。
【0065】
図9を参照すれば、第5実施例による外部電極蛍光ランプ100eは、ガラス基材10eの内壁面に外部電極16eの長さに相当する領域(L、L´)に保護膜12eが形成され、これを除く領域(M)に蛍光層14eが形成される。
【0066】
その他の外部電極蛍光ランプ100eの構成要素に対する詳細な説明は、前記第1実施例で言及した通りである。
【0067】
前記第2実施例乃至第5実施例で提示された構造の外部電極蛍光ランプ100b、100c、100d、100eも、保護膜12b、12c、12d、12eの導入によって黒化現象が防止または抑制されて、外部電極蛍光ランプ100b、100c、100d、100eの寿命及び輝度が向上する効果を得ることができる。
【0068】
図10を参照すれば、第5実施例の外部電極蛍光ランプは、ガラス基材の内壁の全面にかけて蛍光層をコーティングした後(第1コーティング工程)、ガラス基材の両末端に外部電極の長さに相当する領域をブラッシング(blushing)して除去して、同一領域に金属酸化物ゾルをコーティングした後(第2コーティング工程)、焼成工程を経て、蛍光層及び保護膜を形成する。次に、ガラス基材の内部の気体を真空排気する真空排気工程、そして放電ガス注入後に密封する工程を経て製造される。
【0069】
前記では、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれに限定されず、特許請求の範囲、発明の詳細な説明、及び添付した図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これも本発明の範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の第1実施例による外部電極蛍光ランプを示す側断面図である。
【図2】第1実施例による外部電極蛍光ランプの製造段階を示すブロック図である。
【図3】本発明の第2実施例による外部電極蛍光ランプを示す横断面図である。
【図4】第2実施例による外部電極蛍光ランプの製造段階を示すブロック図である。
【図5】本発明の第3実施例による外部電極蛍光ランプを示す側断面図である。
【図6】第3実施例による外部電極蛍光ランプの製造段階を示すブロック図である。
【図7】本発明の第4実施例による外部電極蛍光ランプを示す側断面図である。
【図8】第4実施例による外部電極蛍光ランプの製造段階を示すブロック図である。
【図9】本発明の第5実施例による外部電極蛍光ランプを示す側断面図である。
【図10】第5実施例による外部電極蛍光ランプの製造段階を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0071】
10 ガラス基材
12 保護膜
14 蛍光層
16 外部電極
100 外部電極蛍光ランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)一側以上の領域が開放されたガラス基材に、ゾル−ゲル反応によって製造された金属酸化物前駆体が分散したゾルまたは蛍光体スラリーをコーティングする第1コーティング工程、
b)前記第1コーティング工程でコーティングされない、金属酸化物が分散したゾルまたは蛍光体スラリーをコーティングする第2コーティング工程、
c)前記a段階及びb段階でコーティングされたコーティング膜を焼成して、保護膜及び蛍光層を同時に形成する工程、
d)ガラス基材の内部の気体を排気する真空排気工程、
e)ガス注入後に密封する工程を含む、蛍光ランプの製造方法。
【請求項2】
前記金属酸化物前駆体は、Mg、Ca、Sr、及びBaからなる群より選択される1種以上の金属を含むアルコキシドまたはナイトライドである、請求項1に記載の蛍光ランプの製造方法。
【請求項3】
前記金属酸化物前駆体が分散したゾルは、濃度が0.1乃至70%である、請求項1に記載の蛍光ランプの製造方法。
【請求項4】
前記第1コーティング工程及び第2コーティング工程は、ディップコーティング、ロールコーティング、ブレードコーティング、スリットコーティング、及びスプレーコーティングからなる群より選択される方法で行う、請求項1に記載の蛍光ランプの製造方法。
【請求項5】
前記焼成は、350乃至600℃で行う、請求項1に記載の蛍光ランプの製造方法。
【請求項6】
前記金属酸化物前駆体が分散したゾルは、ガラス基材の内壁の全面にかけて塗布する、またはガラス基材の内壁の電極の長さに相当する領域に選択的に塗布する、請求項1に記載の蛍光ランプの製造方法。
【請求項7】
前記金属酸化物前駆体が分散したゾルは、水銀低減防止剤及び暗黒特性向上剤からなる群より選択される1種以上の添加剤をさらに含む、請求項1に記載の蛍光ランプの製造方法。
【請求項8】
前記水銀低減防止剤は、Y、CeO、及びAlからなる群より選択される1種以上の金属酸化物である、請求項7に記載の蛍光ランプの製造方法。
【請求項9】
前記暗黒特性向上剤は、Cs、CsO、CsO、Cs、CsSO、及びCs(OH)からなる群より選択される1種以上のCs化合物である、請求項7に記載の蛍光ランプの製造方法。
【請求項10】
前記添加剤の含有量は、前記金属酸化物前駆体が分散したゾルの固形分の含有量100重量部に対して1.0乃至90重量部である、請求項7に記載の蛍光ランプの製造方法。
【請求項11】
請求項1の製造方法で製造されて、金属酸化物の保護膜が形成されている、蛍光ランプ。
【請求項12】
前記保護膜は、蛍光層及びガラス基材の間、ガラス基材に形成された蛍光層の上部、または蛍光層と同一層に電極領域に形成されている、請求項11に記載の蛍光ランプ。
【請求項13】
前記保護膜は、MgO、CaO、SrO、及びBaOからなる群より選択される1種以上の金属酸化物を含む、請求項11に記載の蛍光ランプ。
【請求項14】
前記保護膜は、結晶粒子の大きさが0.001乃至100μmである金属酸化物を含む、請求項11に記載の蛍光ランプ。
【請求項15】
前記保護膜は、厚さが0.1乃至10μmである、請求項11に記載の蛍光ランプ。
【請求項16】
前記蛍光ランプは、冷陰極蛍光ランプ、外部電極蛍光ランプ、または平板蛍光ランプである、請求項11に記載の蛍光ランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−180019(P2007−180019A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−320713(P2006−320713)
【出願日】平成18年11月28日(2006.11.28)
【出願人】(504024704)株式会社ディエムエス (8)
【Fターム(参考)】