蛍光ランプ点灯装置およびそれを用いた照明器具
【課題】アマルガムの過冷却状態を検出することによって光束の低下を抑えた蛍光ランプ点灯装置およびそれを用いた照明器具を提供する。
【解決手段】蛍光ランプ点灯装置Aは、透光性材料からなり気密性を備えたバルブを具備し、バルブの内面に蛍光体膜が形成されるとともに内部に放電ガスおよびアマルガムが封入された蛍光ランプ2と、蛍光ランプ2を点灯させるための点灯回路1とを備える。点灯回路1は、蛍光ランプ2の電気特性を検出する制御回路13と、温度を検出する温度検出手段15とを有しており、制御回路13により検出した電気特性から推定される温度域と、温度検出手段15により検出した温度の高低を比較することでアマルガムの過冷却状態を検出する。そして、アマルガムの過冷却状態を検出した場合には、例えばインバータ回路12からの出力を増加させることで過冷却状態から通常状態に移行させることができ、光束低下を抑えることができる。
【解決手段】蛍光ランプ点灯装置Aは、透光性材料からなり気密性を備えたバルブを具備し、バルブの内面に蛍光体膜が形成されるとともに内部に放電ガスおよびアマルガムが封入された蛍光ランプ2と、蛍光ランプ2を点灯させるための点灯回路1とを備える。点灯回路1は、蛍光ランプ2の電気特性を検出する制御回路13と、温度を検出する温度検出手段15とを有しており、制御回路13により検出した電気特性から推定される温度域と、温度検出手段15により検出した温度の高低を比較することでアマルガムの過冷却状態を検出する。そして、アマルガムの過冷却状態を検出した場合には、例えばインバータ回路12からの出力を増加させることで過冷却状態から通常状態に移行させることができ、光束低下を抑えることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光ランプ点灯装置およびそれを用いた照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
誘導コイルによる誘導電磁界によってプラズマを発生させて発光する無電極ランプが従来から提供されているが、この無電極ランプでは、有電極ランプのように電極の消耗がないため有電極ランプよりも長寿命であり、また外部電極からの静電結合による電界によってプラズマを発生させる静電結合方式よりも高効率である。特に、低圧の無電極ランプは、バルブ内の水銀を励起させることで紫外線を発生させ、この紫外線をバルブ内面に塗布した蛍光体によって可視光に変換するものであり、長寿命且つ高効率な光源である。
【0003】
ここに、一般的な蛍光灯の光出力を高める場合、放電路長を長くする必要があるが、無電極ランプでは放電路長を長くしなくてもよく、比較的簡単に光出力を高めることができる。但し、光出力が高くなるとバルブの管壁温度が高くなることから、液体水銀ではバルブ内の水銀蒸気圧を最適値に維持することが困難となり、そのためアマルガムが用いられる。図10はアマルガムの水銀蒸気圧の温度特性を示しており(図中の実線d参照)、基体となる金属の配合や水銀比率によって蒸気圧を変えることができる。そして、アマルガムの仕様や設定温度などを最適設計することによって、図11に示すように広い温度範囲で良好な光出力を得ることができる。
【0004】
ところが、アマルガムの蒸気圧は、低温から高温に変化する場合と、高温から低温に変化する場合とでヒステリシスが生じる。これは、完全に溶融したアマルガムが、一部凝固を始める温度に低下しても凝固が起こらない現象、いわゆる過冷却現象に起因したものである。図12中の点線fは過冷却現象が生じた場合の水銀蒸気圧の推移を示し、本来高温から低温に温度変化した場合には実線dのように推移すべきであるが、過冷却現象が生じた場合には点線fのように推移する。このような過冷却状態になると、アマルガム温度がかなり低下した状態と同レベルの水銀蒸気圧になるため、光出力の低下が顕著に現れる。また、過冷却状態から通常状態に移行させる温度は確率的事象であってばらつきが大きく、そのため複数の照明器具を近くに配置した場合には、過冷却状態になったものとならないものとが混在することになり、照度に大きな差が生じるなどの不具合の原因となっていた。
【0005】
そこで、上記のような問題を解決するために、アマルガムを金属製の支持体に接触させることで接触部分が核となって結晶化を促進し、過冷却を抑制した蛍光ランプ(特許文献1)や、アマルガムを保持するガラス棒の表面に金属層を設けて結晶化を促進した蛍光ランプ(特許文献2)、アマルガムに粒状金属を接触させることで結晶化を促進した蛍光ランプ(特許文献3)などが提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭63−174259号公報(第3頁右上欄、及び、第2図)
【特許文献2】特開昭63−284748号公報(第3頁右上欄、及び、第2図)
【特許文献3】特開2001−283774号公報(段落[0025]−段落[0026]、及び、第3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の特許文献1〜3に示した蛍光ランプでは、バルブ内に封入されたアマルガムの過冷却状態を検出する機能を備えていないため、過冷却のばらつきや程度を低減できるものの過冷却状態から通常状態に移行させることができず、そのため光束の低下を招くものであった。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、アマルガムの過冷却状態を検出することによって光束の低下を抑えた蛍光ランプ点灯装置およびそれを用いた照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、透光性材料からなり気密性を備えたバルブを具備し、バルブの内面に蛍光体膜が形成されるとともに内部に放電ガスおよびアマルガムが封入された蛍光ランプと、蛍光ランプを点灯させるための点灯回路とを備え、点灯回路は、蛍光ランプの電気特性を検出する電気特性検出手段と、温度を検出する温度検出手段とを有し、電気特性検出手段により検出した電気特性から推定される温度域と、温度検出手段により検出した温度の高低を比較することによってアマルガムの過冷却状態を検出することを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、温度検出手段は、点灯回路自体の温度を検出することを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、バルブに近接配置されて、点灯回路から供給される高周波電力によってバルブ内に高周波電磁界を発生させる誘導コイルを備え、電気特性検出手段は、誘導コイルに印加される電圧または電流の少なくとも何れか一方を検出することを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、点灯回路は、蛍光ランプの始動後における一定期間は過冷却の検出を行わないことを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明は、点灯回路は、アマルガムの過冷却状態を検出すると、蛍光ランプへの供給電力を増加させることを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明は、アマルガムを加熱する加熱手段を備え、点灯回路は、アマルガムの過冷却状態を検出すると、加熱手段によりアマルガムを加熱することを特徴とする。
【0015】
請求項7の発明は、アマルガムに振動を与える振動手段を備え、点灯回路は、アマルガムの過冷却状態を検出すると、振動手段によりアマルガムに振動を与えることを特徴とする。
【0016】
請求項8の発明は、バルブに近接配置されて、点灯回路から供給される高周波電力によってバルブ内に高周波電磁界を発生させる誘導コイルを備え、振動手段は、誘導コイルに印加する電圧を間欠発振することを特徴とする。
【0017】
請求項9の発明は、振動手段は、アマルガムが収納された金属容器を電磁吸引することによってアマルガムに振動を与える電磁石からなることを特徴とする。
【0018】
請求項10の発明は、振動手段を定期的に動作させるタイマ手段を備えることを特徴とする。
【0019】
請求項11の発明は、請求項1〜10の何れか1項に記載の蛍光ランプ点灯装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の発明によれば、電気特性検出手段により検出した蛍光ランプの電気特性から推定される温度域と、温度検出手段により検出した温度の高低を比較することによってアマルガムの過冷却状態を確実に検出することができ、さらにアマルガムの過冷却状態を検出した場合には、例えば点灯回路からの出力を増加させて過冷却状態から通常状態に移行させることで、光束の低下を抑えることができるという効果がある。
【0021】
請求項2の発明によれば、温度検出手段が点灯回路に設けられることから、温度検出手段を外部に設けた場合に比べて配線などが不要になり、その結果低コスト化が実現できるという効果がある。
【0022】
請求項3の発明によれば、誘導コイルに印加される電圧または電流を検出することによって放電インピーダンスの変化を検出でき、この放電インピーダンスの変化から温度変化を推定できるので、温度検出手段により検出した温度との比較からアマルガムの過冷却状態を確実に検出することができるという効果がある。
【0023】
請求項4の発明によれば、過冷却が起こり得ない始動時には過冷却を検出しないので、始動時の大きな温度変化による誤検出を防止することができ、その結果過冷却の検出精度を高めることができるという効果がある。
【0024】
請求項5の発明によれば、アマルガムの過冷却状態を検出した場合には、蛍光ランプへの供給電力を増加させるので過冷却による光束低下を抑制することができ、その結果安定した光出力を実現できるという効果がある。
【0025】
請求項6の発明によれば、アマルガムの過冷却状態を検出した場合には、加熱手段によりアマルガムを加熱することでアマルガムの結晶化が促進され、その結果過冷却状態から通常状態に移行させることができ、光束低下を抑制することができるという効果がある。
【0026】
請求項7の発明によれば、アマルガムの過冷却状態を検出した場合には、振動手段によりアマルガムに振動を与えることでアマルガムの結晶化が促進され、その結果過冷却状態から通常状態に移行させることができ、光束低下を抑制することができるという効果がある。
【0027】
請求項8の発明によれば、アマルガムの過冷却状態を検出した場合には、誘導コイルに印加する電圧を間欠発振させることでバルブが振動し、その結果バルブ内に封入されたアマルガムも振動することになるからアマルガムの結晶化が促進され、その結果過冷却状態から通常状態に移行させることができ、光束低下を抑制することができるという効果がある。
【0028】
請求項9の発明によれば、アマルガムの過冷却状態を検出した場合には、アマルガムが収納された金属容器を電磁石により電磁吸引することで、内部に収納されたアマルガムが振動することになるからアマルガムの結晶化が促進され、その結果過冷却状態から通常状態に移行させることができ、光束低下を抑制することができるという効果がある。
【0029】
請求項10の発明によれば、タイマ手段によって振動手段を定期的に動作させることで、アマルガムの結晶化が定期的に促進され、その結果過冷却の発生を未然に防止することができるという効果がある。
【0030】
請求項11の発明によれば、請求項1〜10の何れか1項に記載の蛍光ランプ点灯装置を備えることによって、過冷却による光束低下を抑制し、安定した光出力が可能な照明器具を提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】実施形態1の蛍光ランプ点灯装置を示す概略回路図である。
【図2】(a)は同上の概略斜視図、(b)は同上に用いられる蛍光ランプの正面断面図である。
【図3】同上のランプ出力とコイル電圧との関係を示すグラフである。
【図4】同上のランプ出力の温度特性を示すグラフである。
【図5】実施形態2の蛍光ランプ点灯装置を示す概略回路図である。
【図6】(a),(b)は同上を用いた照明器具の一例である。
【図7】実施形態3の蛍光ランプ点灯装置に用いられる蛍光ランプの正面断面図である。
【図8】実施形態4の蛍光ランプ点灯装置に用いられる誘導コイルへの印加電圧の波形図である。
【図9】実施形態5の蛍光ランプ点灯装置に用いられる蛍光ランプの一部省略せる正面断面図である。
【図10】液体水銀とアマルガムの水銀蒸気圧の温度特性を示すグラフである。
【図11】アマルガムを使用した場合のランプ出力の温度特性を示すグラフである。
【図12】アマルガムの過冷却状態での水銀蒸気圧を示すグラフである。
【図13】アマルガムが過冷却状態にある場合のランプ出力の温度特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、本発明に係る蛍光ランプ点灯装置およびそれを用いた照明器具の実施形態を図面に基づいて説明する。本発明に係る蛍光ランプ点灯装置は、例えば無電極の蛍光ランプを点灯させるために用いられるものであり、また本発明に係る照明器具は当該蛍光ランプ点灯装置を用いたものである。
【0033】
(実施形態1)
図1は本実施形態の蛍光ランプ点灯装置Aを示す概略回路図であり、本点灯装置Aは、無電極の蛍光ランプ2と、蛍光ランプ2を点灯させるための点灯回路1とを備えている。
【0034】
点灯回路1は、商用交流電源ACを所望の電圧値の直流電源に変換する電源回路11と、電源回路11の直流出力を受けて蛍光ランプ2を点灯させるインバータ回路12と、インバータ回路12の動作周波数を制御する制御回路13と、蛍光ランプ2のバルブ21(図2(b)参照)内に高周波電磁界を発生させる誘導コイル14と、蛍光ランプ2の電気特性を検出する電気特性検出手段と、温度を検出する温度検出手段15とを備えており、本実施形態ではインバータ回路12として、2個のスイッチング素子Q1,Q2を用いた所謂ハーフブリッジ型のインバータ回路を採用している。なお、本実施形態では、蛍光ランプ2の電気特性として誘導コイル14の両端電圧を検出し、制御回路13に入力している。つまり、本実施形態では、制御回路13により電気特性検出手段が構成されている。
【0035】
図2(a)は本実施形態の蛍光ランプ点灯装置Aの概略斜視図であり、図2(b)は蛍光ランプ2の正面断面図である。
【0036】
蛍光ランプ点灯装置Aは、図2(a)に示すように蛍光ランプ2と、蛍光ランプ2が装着される樹脂製の口金9と、蛍光ランプ2で発生する熱を放熱するための放熱板16と、上述した点灯回路1とで構成されており、点灯回路1にはプラグ10を介して商用交流電源ACから所定の電力が供給されるようになっている。
【0037】
蛍光ランプ2は、図2(b)に示すように透光性材料(例えばガラスなど)からなり気密性を備えた略電球形状のバルブ21を具備し、バルブ21の内部には、例えば希ガスなどの放電ガスが封入されている。また、バルブ21には、電磁誘導によってバルブ21内に高周波電磁界を発生させる誘導コイル14とフェライトコア6とを有するカプラ5が挿入されるキャビティ24が設けられている。
【0038】
キャビティ24は、一方の端部が封止された筒体を、封止された面が内側となるようにバルブ21の底部に封着することで形成され、キャビティ24の底部中央には、細長い排気管27がその長手方向に沿って一体に設けられている。この排気管27には、バルブ21内の水銀蒸気圧を制御するためのアマルガムを収納した金属容器3と、この金属容器3を適正な位置に保持するためのガラスロッド4とが配置されている。ここに、排気管27は、バルブ21の内部空間から空気を排気するとともに、バルブ21内に放電ガスを充填するために用いられ、放電ガスの充填後開口端が封止される。なお、バルブ21およびキャビティ24の内面全体には、それぞれ保護膜22,25および蛍光体膜23,26が塗布されている。
【0039】
カプラ5は、例えば銅などの高熱伝導性材料からなる円筒状の放熱パイプ8と、放熱パイプ8の上端側に嵌装された円筒状のフェライトコア6と、フェライトコア6の外周部に巻回された誘導コイル14などで構成されている。放熱パイプ8の下端側は放熱シリンダ7に接続されており、蛍光ランプ2で発生する熱を、放熱シリンダ7を介して放熱板16や器具本体(図示せず)などに放熱するのである。なお、バルブ21は、上記の口金9を介してカプラ5と一体に結合され、また点灯回路1は、管灯線17を介して誘導コイル14に電気的に接続されている。
【0040】
次に、本点灯装置Aの動作について説明する。プラグ10を図示しないコンセントに接続して点灯回路1に交流電力を供給すると、点灯回路1から誘導コイル14に高周波電力が供給され、電磁誘導によって蛍光ランプ2のバルブ21内に高周波電磁界が発生する。バルブ21内に充填された放電ガスは、高周波電磁界からのエネルギーによって励起されて紫外線を放射する。そして、放射された紫外線は、バルブ21およびキャビティ24の内面に塗布された蛍光体膜23,26によって可視光に変換され、変換された可視光はバルブ21を透過して外部に放出される。
【0041】
上述のような無電極の蛍光ランプ2は、バルブ21内に電極を持たない構造であるから電極切れによる不点灯がなく、また有電極の蛍光ランプに比べて寿命が長いという特徴を有する。そして、電極がないことからプラズマ電流を大きくすることが可能であり、比較的高出力を得ることができる。
【0042】
このように大きな電力によって点灯させる無電極の蛍光ランプ2では、バルブ21の表面温度が液体水銀に適した温度(40℃付近)にはならず、したがって液体水銀を用いた場合にはバルブ21内の水銀蒸気圧が最適値よりも大きくなって、効率が低下するという問題があった。そこで、本実施形態では、液体水銀の代わりに、例えばビスマス、インジウムの合金からなる基体金属に3.5%の含有率で水銀を含有させた水銀アマルガムを用いている。なお、このアマルガムは、例えば鉄−ニッケル合金製の金属容器3に収納され、排気管27の適正位置に保持される。
【0043】
図10は、アマルガムの水銀蒸気圧の温度特性を示しており(図中の実線d参照)、基体となるビスマスやインジウムの配合や水銀比率、設定温度などを最適化することで、図11のように広い温度範囲で高い光出力を得ることができる。
【0044】
ところが、このようなアマルガムでは、温度が上昇する場合の蒸気圧と温度が下降する場合の蒸気圧との間にヒステリシスが生じるが(図13中の実線g,h参照)、これは完全に溶融したアマルガムが、一部凝固を始める温度に低下しても凝固が起こらない過冷却現象に起因したものである。この過冷却状態になると、バルブ21内の蒸気圧が本来の蒸気圧よりも極端に低くなり(図12中の破線f参照)、その結果所望の光出力が得られないという問題が生じる。また、この過冷却現象は確率的に大きなばらつきを有しており、例えば複数の照明器具が配置された空間などでは、過冷却現象のばらつきによって器具間の光出力が著しく異なるという問題も生じる。なお、図12中の実線eは液体水銀の水銀蒸気圧の温度特性を示しており、また図13中の実線gは低温から高温に温度変化する場合の光出力の温度特性を、実線hは高温から低温に温度変化する場合の光出力の温度特性をそれぞれ示している。
【0045】
ここで、図3は、高温から低温に温度変化させた場合の光出力(図中の実線a参照)と誘導コイル14のコイル電圧(図中の実線b参照)の関係を示すグラフであり、周囲温度が30℃〜15℃の領域では光出力は低下し、過冷却が発生している。このとき、コイル電圧は周囲温度が30℃以上のときよりも高くなっており、且つ、周囲温度が−10℃付近のときに近い値になっている。このことから、過冷却状態では周囲温度が低いときの光出力およびコイル電圧を示すことが分かる。したがって、本実施形態では、電気特性検出手段たる制御回路13が検出した誘導コイル14のコイル電圧から推定される周囲温度の温度域が、温度検出手段15により検出した周囲温度よりも低ければ過冷却状態であると判断しており、そして過冷却状態を検出した場合には、例えばインバータ回路12からの出力電力(供給電力)を増加させることで過冷却状態から通常状態に移行させることができ、その結果光束の低下が抑制され、安定した光出力を実現できる(図4中の破線c参照)。また、本実施形態のように誘導コイル14に印加される電圧を検出することによって放電インピーダンスの変化を検出でき、この放電インピーダンスの変化から温度変化を推定できるので、温度検出手段15により検出した温度との比較からアマルガムの過冷却状態を確実に検出することができる。
【0046】
ここにおいて、蛍光ランプ2の始動時には、ランプ温度は上昇することになるからアマルガムの過冷却は発生せず、したがって過冷却の検出は不要である。そのため、本実施形態では、蛍光ランプ2の始動時から一定期間は過冷却の検出を行わないように構成している。その結果、過冷却が起こり得ない始動時には過冷却を検出しないので、始動時の大きな温度変化による誤検出を防止することができ、過冷却の検出精度を高めることができる。
【0047】
なお、本実施形態では、蛍光ランプ2の電気特性として誘導コイル14に印加される電圧を検出しているが、電気特性はコイル電圧に限定されるものではなく、例えば誘導コイル14に流れる電流であってもよい。また、本実施形態では、無電極の蛍光ランプの場合を例に説明したが、有電極の蛍光ランプであってもよい。
【0048】
(実施形態2)
図5は本実施形態の蛍光ランプ点灯装置Aを示す概略回路図であり、実施形態1では温度検出手段15により周囲温度を検出しているが、本実施形態では点灯回路1自体の温度を検出するように温度検出手段15が点灯回路1の筐体(図示せず)内に設けられている。なお、それ以外の構成については実施形態1と同様であり、同一の構成要素には同一の符号を付して説明は省略する。
【0049】
本実施形態の蛍光ランプ点灯装置Aは、無電極の蛍光ランプ2と、点灯回路1とを備え、さらに点灯回路1は、電源回路11と、インバータ回路12と、制御回路13と、誘導コイル14と、電気特性検出手段と、温度検出手段15とで構成されている。なお、本実施形態においても制御回路13が電気特性検出手段を構成している。
【0050】
ここで、図6(a)(b)は本点灯装置Aを用いた照明器具Bの一例であり、このような照明器具Bでは蛍光ランプ2と点灯回路1とが近接する形で配置されることが多く、蛍光ランプ2周辺の温度と点灯回路1周辺の温度の間には一定の相関関係がある。したがって、本実施形態のように、温度検出手段15を点灯回路1内に設けた場合でも、実施形態1と同様にアマルガムの過冷却状態を検出することができ、また温度検出手段15を外部に設けた場合に比べて配線などが不要になり、その結果低コスト化が実現できる。なお、温度検出手段15の具体例としては、例えば温度センサが挙げられるが、温度特性のある電気素子(例えば感熱抵抗など)を用いることでも温度検出が可能であり、この場合さらに低コスト化を図ることができる。また、本実施形態の蛍光ランプ点灯装置Aを備えることによって、過冷却による光束低下を抑制し、安定した光出力が可能な照明器具Bを提供することができる。
【0051】
なお、照明器具に用いる蛍光ランプ点灯装置は、上述した実施形態1や後述する実施形態3〜5のものでもよく、同様に過冷却による光束低下を抑制し、安定した光出力が可能な照明器具を提供することができる。また、本実施形態においても有電極の蛍光ランプであってもよい。
【0052】
(実施形態3)
図7は本実施形態の蛍光ランプ点灯装置に用いられる蛍光ランプ2の正面断面図であり、実施形態1,2ではアマルガムの過冷却状態を検出した場合、インバータ回路12からの出力電力を増加させることで過冷却状態から通常状態に移行させているが、本実施形態ではアマルガムを加熱することで過冷却状態から通常状態に移行させている。なお、それ以外の構成については実施形態1と同様であり、同一の構成要素には同一の符号を付して説明は省略する。
【0053】
本実施形態の蛍光ランプ2は、図7に示すように、アマルガムが収納された金属容器3に近接する形で加熱手段(例えばヒータなど)18が配置されており、制御回路(図示せず)がアマルガムの過冷却状態を検出した場合には、加熱手段18に通電して金属容器3内のアマルガムを加熱する。その結果、アマルガムが溶融することで過冷却状態から通常状態に移行し、蛍光ランプ2の光束低下が抑制される。
【0054】
而して、本実施形態によれば、アマルガムの過冷却状態を検出した場合には、加熱手段18によりアマルガムを加熱することでアマルガムの結晶化が促進され、その結果過冷却状態から通常状態に移行させることができ、光束低下を抑制することができる。
【0055】
(実施形態4)
本発明に係る蛍光ランプ点灯装置の実施形態4を図1,図2および図8に基づいて説明する。実施形態1,2ではアマルガムの過冷却状態を検出した場合、インバータ回路12からの出力電力を増加させることで過冷却状態から通常状態に移行させているが、本実施形態では誘導コイル14に印加する電圧を間欠発振させることで過冷却状態から通常状態に移行させている。なお、それ以外の構成については実施形態1と同様であり、同一の構成要素には同一の符号を付して説明は省略する。
【0056】
本実施形態の点灯回路1は間欠発振回路(図示せず)を備えており、制御回路13がアマルガムの過冷却状態を検出した場合には、間欠発振回路が1000Hzの周波数で間欠発振を繰り返すことで、図8に示すような電圧(以下、再点弧電圧という)が誘導コイル14に印加される。そして、再点弧電圧が誘導コイル14に印加されることで、フェライトコア6の磁束が急激に変化して磁歪振動が発生し、この磁歪振動によって放熱パイプ8が振動することで排気管27内に配置された金属容器3内のアマルガムが振動する。その結果、アマルガムの結晶化が促進されるので、過冷却状態から通常状態に移行させることができ、蛍光ランプ2の光束低下を抑制することができる。ここに、本実施形態では、間欠発振回路により振動手段が構成されている。
【0057】
(実施形態5)
図9は本実施形態の蛍光ランプ点灯装置に用いられる蛍光ランプ2の一部破断せる正面断面図であり、実施形態4では誘導コイル14に印加する電圧を間欠発振させることでアマルガムに振動を与えているが、本実施形態では電磁石20による電磁吸引によってアマルガムに振動を与えている。なお、それ以外の構成については実施形態4と同様であり、同一の構成要素には同一の符号を付して説明は省略する。
【0058】
本実施形態の蛍光ランプ2は、図9に示すように、アマルガムが収納された金属容器3に近接する形で電磁石20が配置されており、制御回路(図示せず)がアマルガムの過冷却状態を検出した場合には、電磁石20がONになることで金属容器3が引きつけられて金属容器3内のアマルガムに振動が与えられる。なお、電磁石20のON/OFFを周期的に繰り返した場合には、より大きな振動をアマルガムに与えることができる。その結果、アマルガムの結晶化が促進されるので、過冷却状態から通常状態に移行させることができ、蛍光ランプ2の光束低下を抑制することができる。ここに、本実施形態では、電磁石20により振動手段が構成されている。
【0059】
ここにおいて、上記の実施形態4,5では、アマルガムの過冷却状態を検出した場合にのみ振動手段を動作させているが、例えば蛍光ランプ点灯装置にタイマ手段(図示せず)を設け、このタイマ手段によって定期的に振動手段を動作させるようにしてもよい。この場合、アマルガムの結晶化が定期的に促進されるので、過冷却の発生を未然に防止することができる。
【符号の説明】
【0060】
1 点灯回路
2 蛍光ランプ
12 インバータ回路
13 制御回路(電気特性検出手段)
15 温度検出手段
A 蛍光ランプ点灯装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光ランプ点灯装置およびそれを用いた照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
誘導コイルによる誘導電磁界によってプラズマを発生させて発光する無電極ランプが従来から提供されているが、この無電極ランプでは、有電極ランプのように電極の消耗がないため有電極ランプよりも長寿命であり、また外部電極からの静電結合による電界によってプラズマを発生させる静電結合方式よりも高効率である。特に、低圧の無電極ランプは、バルブ内の水銀を励起させることで紫外線を発生させ、この紫外線をバルブ内面に塗布した蛍光体によって可視光に変換するものであり、長寿命且つ高効率な光源である。
【0003】
ここに、一般的な蛍光灯の光出力を高める場合、放電路長を長くする必要があるが、無電極ランプでは放電路長を長くしなくてもよく、比較的簡単に光出力を高めることができる。但し、光出力が高くなるとバルブの管壁温度が高くなることから、液体水銀ではバルブ内の水銀蒸気圧を最適値に維持することが困難となり、そのためアマルガムが用いられる。図10はアマルガムの水銀蒸気圧の温度特性を示しており(図中の実線d参照)、基体となる金属の配合や水銀比率によって蒸気圧を変えることができる。そして、アマルガムの仕様や設定温度などを最適設計することによって、図11に示すように広い温度範囲で良好な光出力を得ることができる。
【0004】
ところが、アマルガムの蒸気圧は、低温から高温に変化する場合と、高温から低温に変化する場合とでヒステリシスが生じる。これは、完全に溶融したアマルガムが、一部凝固を始める温度に低下しても凝固が起こらない現象、いわゆる過冷却現象に起因したものである。図12中の点線fは過冷却現象が生じた場合の水銀蒸気圧の推移を示し、本来高温から低温に温度変化した場合には実線dのように推移すべきであるが、過冷却現象が生じた場合には点線fのように推移する。このような過冷却状態になると、アマルガム温度がかなり低下した状態と同レベルの水銀蒸気圧になるため、光出力の低下が顕著に現れる。また、過冷却状態から通常状態に移行させる温度は確率的事象であってばらつきが大きく、そのため複数の照明器具を近くに配置した場合には、過冷却状態になったものとならないものとが混在することになり、照度に大きな差が生じるなどの不具合の原因となっていた。
【0005】
そこで、上記のような問題を解決するために、アマルガムを金属製の支持体に接触させることで接触部分が核となって結晶化を促進し、過冷却を抑制した蛍光ランプ(特許文献1)や、アマルガムを保持するガラス棒の表面に金属層を設けて結晶化を促進した蛍光ランプ(特許文献2)、アマルガムに粒状金属を接触させることで結晶化を促進した蛍光ランプ(特許文献3)などが提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭63−174259号公報(第3頁右上欄、及び、第2図)
【特許文献2】特開昭63−284748号公報(第3頁右上欄、及び、第2図)
【特許文献3】特開2001−283774号公報(段落[0025]−段落[0026]、及び、第3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の特許文献1〜3に示した蛍光ランプでは、バルブ内に封入されたアマルガムの過冷却状態を検出する機能を備えていないため、過冷却のばらつきや程度を低減できるものの過冷却状態から通常状態に移行させることができず、そのため光束の低下を招くものであった。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、アマルガムの過冷却状態を検出することによって光束の低下を抑えた蛍光ランプ点灯装置およびそれを用いた照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、透光性材料からなり気密性を備えたバルブを具備し、バルブの内面に蛍光体膜が形成されるとともに内部に放電ガスおよびアマルガムが封入された蛍光ランプと、蛍光ランプを点灯させるための点灯回路とを備え、点灯回路は、蛍光ランプの電気特性を検出する電気特性検出手段と、温度を検出する温度検出手段とを有し、電気特性検出手段により検出した電気特性から推定される温度域と、温度検出手段により検出した温度の高低を比較することによってアマルガムの過冷却状態を検出することを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、温度検出手段は、点灯回路自体の温度を検出することを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、バルブに近接配置されて、点灯回路から供給される高周波電力によってバルブ内に高周波電磁界を発生させる誘導コイルを備え、電気特性検出手段は、誘導コイルに印加される電圧または電流の少なくとも何れか一方を検出することを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、点灯回路は、蛍光ランプの始動後における一定期間は過冷却の検出を行わないことを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明は、点灯回路は、アマルガムの過冷却状態を検出すると、蛍光ランプへの供給電力を増加させることを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明は、アマルガムを加熱する加熱手段を備え、点灯回路は、アマルガムの過冷却状態を検出すると、加熱手段によりアマルガムを加熱することを特徴とする。
【0015】
請求項7の発明は、アマルガムに振動を与える振動手段を備え、点灯回路は、アマルガムの過冷却状態を検出すると、振動手段によりアマルガムに振動を与えることを特徴とする。
【0016】
請求項8の発明は、バルブに近接配置されて、点灯回路から供給される高周波電力によってバルブ内に高周波電磁界を発生させる誘導コイルを備え、振動手段は、誘導コイルに印加する電圧を間欠発振することを特徴とする。
【0017】
請求項9の発明は、振動手段は、アマルガムが収納された金属容器を電磁吸引することによってアマルガムに振動を与える電磁石からなることを特徴とする。
【0018】
請求項10の発明は、振動手段を定期的に動作させるタイマ手段を備えることを特徴とする。
【0019】
請求項11の発明は、請求項1〜10の何れか1項に記載の蛍光ランプ点灯装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の発明によれば、電気特性検出手段により検出した蛍光ランプの電気特性から推定される温度域と、温度検出手段により検出した温度の高低を比較することによってアマルガムの過冷却状態を確実に検出することができ、さらにアマルガムの過冷却状態を検出した場合には、例えば点灯回路からの出力を増加させて過冷却状態から通常状態に移行させることで、光束の低下を抑えることができるという効果がある。
【0021】
請求項2の発明によれば、温度検出手段が点灯回路に設けられることから、温度検出手段を外部に設けた場合に比べて配線などが不要になり、その結果低コスト化が実現できるという効果がある。
【0022】
請求項3の発明によれば、誘導コイルに印加される電圧または電流を検出することによって放電インピーダンスの変化を検出でき、この放電インピーダンスの変化から温度変化を推定できるので、温度検出手段により検出した温度との比較からアマルガムの過冷却状態を確実に検出することができるという効果がある。
【0023】
請求項4の発明によれば、過冷却が起こり得ない始動時には過冷却を検出しないので、始動時の大きな温度変化による誤検出を防止することができ、その結果過冷却の検出精度を高めることができるという効果がある。
【0024】
請求項5の発明によれば、アマルガムの過冷却状態を検出した場合には、蛍光ランプへの供給電力を増加させるので過冷却による光束低下を抑制することができ、その結果安定した光出力を実現できるという効果がある。
【0025】
請求項6の発明によれば、アマルガムの過冷却状態を検出した場合には、加熱手段によりアマルガムを加熱することでアマルガムの結晶化が促進され、その結果過冷却状態から通常状態に移行させることができ、光束低下を抑制することができるという効果がある。
【0026】
請求項7の発明によれば、アマルガムの過冷却状態を検出した場合には、振動手段によりアマルガムに振動を与えることでアマルガムの結晶化が促進され、その結果過冷却状態から通常状態に移行させることができ、光束低下を抑制することができるという効果がある。
【0027】
請求項8の発明によれば、アマルガムの過冷却状態を検出した場合には、誘導コイルに印加する電圧を間欠発振させることでバルブが振動し、その結果バルブ内に封入されたアマルガムも振動することになるからアマルガムの結晶化が促進され、その結果過冷却状態から通常状態に移行させることができ、光束低下を抑制することができるという効果がある。
【0028】
請求項9の発明によれば、アマルガムの過冷却状態を検出した場合には、アマルガムが収納された金属容器を電磁石により電磁吸引することで、内部に収納されたアマルガムが振動することになるからアマルガムの結晶化が促進され、その結果過冷却状態から通常状態に移行させることができ、光束低下を抑制することができるという効果がある。
【0029】
請求項10の発明によれば、タイマ手段によって振動手段を定期的に動作させることで、アマルガムの結晶化が定期的に促進され、その結果過冷却の発生を未然に防止することができるという効果がある。
【0030】
請求項11の発明によれば、請求項1〜10の何れか1項に記載の蛍光ランプ点灯装置を備えることによって、過冷却による光束低下を抑制し、安定した光出力が可能な照明器具を提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】実施形態1の蛍光ランプ点灯装置を示す概略回路図である。
【図2】(a)は同上の概略斜視図、(b)は同上に用いられる蛍光ランプの正面断面図である。
【図3】同上のランプ出力とコイル電圧との関係を示すグラフである。
【図4】同上のランプ出力の温度特性を示すグラフである。
【図5】実施形態2の蛍光ランプ点灯装置を示す概略回路図である。
【図6】(a),(b)は同上を用いた照明器具の一例である。
【図7】実施形態3の蛍光ランプ点灯装置に用いられる蛍光ランプの正面断面図である。
【図8】実施形態4の蛍光ランプ点灯装置に用いられる誘導コイルへの印加電圧の波形図である。
【図9】実施形態5の蛍光ランプ点灯装置に用いられる蛍光ランプの一部省略せる正面断面図である。
【図10】液体水銀とアマルガムの水銀蒸気圧の温度特性を示すグラフである。
【図11】アマルガムを使用した場合のランプ出力の温度特性を示すグラフである。
【図12】アマルガムの過冷却状態での水銀蒸気圧を示すグラフである。
【図13】アマルガムが過冷却状態にある場合のランプ出力の温度特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、本発明に係る蛍光ランプ点灯装置およびそれを用いた照明器具の実施形態を図面に基づいて説明する。本発明に係る蛍光ランプ点灯装置は、例えば無電極の蛍光ランプを点灯させるために用いられるものであり、また本発明に係る照明器具は当該蛍光ランプ点灯装置を用いたものである。
【0033】
(実施形態1)
図1は本実施形態の蛍光ランプ点灯装置Aを示す概略回路図であり、本点灯装置Aは、無電極の蛍光ランプ2と、蛍光ランプ2を点灯させるための点灯回路1とを備えている。
【0034】
点灯回路1は、商用交流電源ACを所望の電圧値の直流電源に変換する電源回路11と、電源回路11の直流出力を受けて蛍光ランプ2を点灯させるインバータ回路12と、インバータ回路12の動作周波数を制御する制御回路13と、蛍光ランプ2のバルブ21(図2(b)参照)内に高周波電磁界を発生させる誘導コイル14と、蛍光ランプ2の電気特性を検出する電気特性検出手段と、温度を検出する温度検出手段15とを備えており、本実施形態ではインバータ回路12として、2個のスイッチング素子Q1,Q2を用いた所謂ハーフブリッジ型のインバータ回路を採用している。なお、本実施形態では、蛍光ランプ2の電気特性として誘導コイル14の両端電圧を検出し、制御回路13に入力している。つまり、本実施形態では、制御回路13により電気特性検出手段が構成されている。
【0035】
図2(a)は本実施形態の蛍光ランプ点灯装置Aの概略斜視図であり、図2(b)は蛍光ランプ2の正面断面図である。
【0036】
蛍光ランプ点灯装置Aは、図2(a)に示すように蛍光ランプ2と、蛍光ランプ2が装着される樹脂製の口金9と、蛍光ランプ2で発生する熱を放熱するための放熱板16と、上述した点灯回路1とで構成されており、点灯回路1にはプラグ10を介して商用交流電源ACから所定の電力が供給されるようになっている。
【0037】
蛍光ランプ2は、図2(b)に示すように透光性材料(例えばガラスなど)からなり気密性を備えた略電球形状のバルブ21を具備し、バルブ21の内部には、例えば希ガスなどの放電ガスが封入されている。また、バルブ21には、電磁誘導によってバルブ21内に高周波電磁界を発生させる誘導コイル14とフェライトコア6とを有するカプラ5が挿入されるキャビティ24が設けられている。
【0038】
キャビティ24は、一方の端部が封止された筒体を、封止された面が内側となるようにバルブ21の底部に封着することで形成され、キャビティ24の底部中央には、細長い排気管27がその長手方向に沿って一体に設けられている。この排気管27には、バルブ21内の水銀蒸気圧を制御するためのアマルガムを収納した金属容器3と、この金属容器3を適正な位置に保持するためのガラスロッド4とが配置されている。ここに、排気管27は、バルブ21の内部空間から空気を排気するとともに、バルブ21内に放電ガスを充填するために用いられ、放電ガスの充填後開口端が封止される。なお、バルブ21およびキャビティ24の内面全体には、それぞれ保護膜22,25および蛍光体膜23,26が塗布されている。
【0039】
カプラ5は、例えば銅などの高熱伝導性材料からなる円筒状の放熱パイプ8と、放熱パイプ8の上端側に嵌装された円筒状のフェライトコア6と、フェライトコア6の外周部に巻回された誘導コイル14などで構成されている。放熱パイプ8の下端側は放熱シリンダ7に接続されており、蛍光ランプ2で発生する熱を、放熱シリンダ7を介して放熱板16や器具本体(図示せず)などに放熱するのである。なお、バルブ21は、上記の口金9を介してカプラ5と一体に結合され、また点灯回路1は、管灯線17を介して誘導コイル14に電気的に接続されている。
【0040】
次に、本点灯装置Aの動作について説明する。プラグ10を図示しないコンセントに接続して点灯回路1に交流電力を供給すると、点灯回路1から誘導コイル14に高周波電力が供給され、電磁誘導によって蛍光ランプ2のバルブ21内に高周波電磁界が発生する。バルブ21内に充填された放電ガスは、高周波電磁界からのエネルギーによって励起されて紫外線を放射する。そして、放射された紫外線は、バルブ21およびキャビティ24の内面に塗布された蛍光体膜23,26によって可視光に変換され、変換された可視光はバルブ21を透過して外部に放出される。
【0041】
上述のような無電極の蛍光ランプ2は、バルブ21内に電極を持たない構造であるから電極切れによる不点灯がなく、また有電極の蛍光ランプに比べて寿命が長いという特徴を有する。そして、電極がないことからプラズマ電流を大きくすることが可能であり、比較的高出力を得ることができる。
【0042】
このように大きな電力によって点灯させる無電極の蛍光ランプ2では、バルブ21の表面温度が液体水銀に適した温度(40℃付近)にはならず、したがって液体水銀を用いた場合にはバルブ21内の水銀蒸気圧が最適値よりも大きくなって、効率が低下するという問題があった。そこで、本実施形態では、液体水銀の代わりに、例えばビスマス、インジウムの合金からなる基体金属に3.5%の含有率で水銀を含有させた水銀アマルガムを用いている。なお、このアマルガムは、例えば鉄−ニッケル合金製の金属容器3に収納され、排気管27の適正位置に保持される。
【0043】
図10は、アマルガムの水銀蒸気圧の温度特性を示しており(図中の実線d参照)、基体となるビスマスやインジウムの配合や水銀比率、設定温度などを最適化することで、図11のように広い温度範囲で高い光出力を得ることができる。
【0044】
ところが、このようなアマルガムでは、温度が上昇する場合の蒸気圧と温度が下降する場合の蒸気圧との間にヒステリシスが生じるが(図13中の実線g,h参照)、これは完全に溶融したアマルガムが、一部凝固を始める温度に低下しても凝固が起こらない過冷却現象に起因したものである。この過冷却状態になると、バルブ21内の蒸気圧が本来の蒸気圧よりも極端に低くなり(図12中の破線f参照)、その結果所望の光出力が得られないという問題が生じる。また、この過冷却現象は確率的に大きなばらつきを有しており、例えば複数の照明器具が配置された空間などでは、過冷却現象のばらつきによって器具間の光出力が著しく異なるという問題も生じる。なお、図12中の実線eは液体水銀の水銀蒸気圧の温度特性を示しており、また図13中の実線gは低温から高温に温度変化する場合の光出力の温度特性を、実線hは高温から低温に温度変化する場合の光出力の温度特性をそれぞれ示している。
【0045】
ここで、図3は、高温から低温に温度変化させた場合の光出力(図中の実線a参照)と誘導コイル14のコイル電圧(図中の実線b参照)の関係を示すグラフであり、周囲温度が30℃〜15℃の領域では光出力は低下し、過冷却が発生している。このとき、コイル電圧は周囲温度が30℃以上のときよりも高くなっており、且つ、周囲温度が−10℃付近のときに近い値になっている。このことから、過冷却状態では周囲温度が低いときの光出力およびコイル電圧を示すことが分かる。したがって、本実施形態では、電気特性検出手段たる制御回路13が検出した誘導コイル14のコイル電圧から推定される周囲温度の温度域が、温度検出手段15により検出した周囲温度よりも低ければ過冷却状態であると判断しており、そして過冷却状態を検出した場合には、例えばインバータ回路12からの出力電力(供給電力)を増加させることで過冷却状態から通常状態に移行させることができ、その結果光束の低下が抑制され、安定した光出力を実現できる(図4中の破線c参照)。また、本実施形態のように誘導コイル14に印加される電圧を検出することによって放電インピーダンスの変化を検出でき、この放電インピーダンスの変化から温度変化を推定できるので、温度検出手段15により検出した温度との比較からアマルガムの過冷却状態を確実に検出することができる。
【0046】
ここにおいて、蛍光ランプ2の始動時には、ランプ温度は上昇することになるからアマルガムの過冷却は発生せず、したがって過冷却の検出は不要である。そのため、本実施形態では、蛍光ランプ2の始動時から一定期間は過冷却の検出を行わないように構成している。その結果、過冷却が起こり得ない始動時には過冷却を検出しないので、始動時の大きな温度変化による誤検出を防止することができ、過冷却の検出精度を高めることができる。
【0047】
なお、本実施形態では、蛍光ランプ2の電気特性として誘導コイル14に印加される電圧を検出しているが、電気特性はコイル電圧に限定されるものではなく、例えば誘導コイル14に流れる電流であってもよい。また、本実施形態では、無電極の蛍光ランプの場合を例に説明したが、有電極の蛍光ランプであってもよい。
【0048】
(実施形態2)
図5は本実施形態の蛍光ランプ点灯装置Aを示す概略回路図であり、実施形態1では温度検出手段15により周囲温度を検出しているが、本実施形態では点灯回路1自体の温度を検出するように温度検出手段15が点灯回路1の筐体(図示せず)内に設けられている。なお、それ以外の構成については実施形態1と同様であり、同一の構成要素には同一の符号を付して説明は省略する。
【0049】
本実施形態の蛍光ランプ点灯装置Aは、無電極の蛍光ランプ2と、点灯回路1とを備え、さらに点灯回路1は、電源回路11と、インバータ回路12と、制御回路13と、誘導コイル14と、電気特性検出手段と、温度検出手段15とで構成されている。なお、本実施形態においても制御回路13が電気特性検出手段を構成している。
【0050】
ここで、図6(a)(b)は本点灯装置Aを用いた照明器具Bの一例であり、このような照明器具Bでは蛍光ランプ2と点灯回路1とが近接する形で配置されることが多く、蛍光ランプ2周辺の温度と点灯回路1周辺の温度の間には一定の相関関係がある。したがって、本実施形態のように、温度検出手段15を点灯回路1内に設けた場合でも、実施形態1と同様にアマルガムの過冷却状態を検出することができ、また温度検出手段15を外部に設けた場合に比べて配線などが不要になり、その結果低コスト化が実現できる。なお、温度検出手段15の具体例としては、例えば温度センサが挙げられるが、温度特性のある電気素子(例えば感熱抵抗など)を用いることでも温度検出が可能であり、この場合さらに低コスト化を図ることができる。また、本実施形態の蛍光ランプ点灯装置Aを備えることによって、過冷却による光束低下を抑制し、安定した光出力が可能な照明器具Bを提供することができる。
【0051】
なお、照明器具に用いる蛍光ランプ点灯装置は、上述した実施形態1や後述する実施形態3〜5のものでもよく、同様に過冷却による光束低下を抑制し、安定した光出力が可能な照明器具を提供することができる。また、本実施形態においても有電極の蛍光ランプであってもよい。
【0052】
(実施形態3)
図7は本実施形態の蛍光ランプ点灯装置に用いられる蛍光ランプ2の正面断面図であり、実施形態1,2ではアマルガムの過冷却状態を検出した場合、インバータ回路12からの出力電力を増加させることで過冷却状態から通常状態に移行させているが、本実施形態ではアマルガムを加熱することで過冷却状態から通常状態に移行させている。なお、それ以外の構成については実施形態1と同様であり、同一の構成要素には同一の符号を付して説明は省略する。
【0053】
本実施形態の蛍光ランプ2は、図7に示すように、アマルガムが収納された金属容器3に近接する形で加熱手段(例えばヒータなど)18が配置されており、制御回路(図示せず)がアマルガムの過冷却状態を検出した場合には、加熱手段18に通電して金属容器3内のアマルガムを加熱する。その結果、アマルガムが溶融することで過冷却状態から通常状態に移行し、蛍光ランプ2の光束低下が抑制される。
【0054】
而して、本実施形態によれば、アマルガムの過冷却状態を検出した場合には、加熱手段18によりアマルガムを加熱することでアマルガムの結晶化が促進され、その結果過冷却状態から通常状態に移行させることができ、光束低下を抑制することができる。
【0055】
(実施形態4)
本発明に係る蛍光ランプ点灯装置の実施形態4を図1,図2および図8に基づいて説明する。実施形態1,2ではアマルガムの過冷却状態を検出した場合、インバータ回路12からの出力電力を増加させることで過冷却状態から通常状態に移行させているが、本実施形態では誘導コイル14に印加する電圧を間欠発振させることで過冷却状態から通常状態に移行させている。なお、それ以外の構成については実施形態1と同様であり、同一の構成要素には同一の符号を付して説明は省略する。
【0056】
本実施形態の点灯回路1は間欠発振回路(図示せず)を備えており、制御回路13がアマルガムの過冷却状態を検出した場合には、間欠発振回路が1000Hzの周波数で間欠発振を繰り返すことで、図8に示すような電圧(以下、再点弧電圧という)が誘導コイル14に印加される。そして、再点弧電圧が誘導コイル14に印加されることで、フェライトコア6の磁束が急激に変化して磁歪振動が発生し、この磁歪振動によって放熱パイプ8が振動することで排気管27内に配置された金属容器3内のアマルガムが振動する。その結果、アマルガムの結晶化が促進されるので、過冷却状態から通常状態に移行させることができ、蛍光ランプ2の光束低下を抑制することができる。ここに、本実施形態では、間欠発振回路により振動手段が構成されている。
【0057】
(実施形態5)
図9は本実施形態の蛍光ランプ点灯装置に用いられる蛍光ランプ2の一部破断せる正面断面図であり、実施形態4では誘導コイル14に印加する電圧を間欠発振させることでアマルガムに振動を与えているが、本実施形態では電磁石20による電磁吸引によってアマルガムに振動を与えている。なお、それ以外の構成については実施形態4と同様であり、同一の構成要素には同一の符号を付して説明は省略する。
【0058】
本実施形態の蛍光ランプ2は、図9に示すように、アマルガムが収納された金属容器3に近接する形で電磁石20が配置されており、制御回路(図示せず)がアマルガムの過冷却状態を検出した場合には、電磁石20がONになることで金属容器3が引きつけられて金属容器3内のアマルガムに振動が与えられる。なお、電磁石20のON/OFFを周期的に繰り返した場合には、より大きな振動をアマルガムに与えることができる。その結果、アマルガムの結晶化が促進されるので、過冷却状態から通常状態に移行させることができ、蛍光ランプ2の光束低下を抑制することができる。ここに、本実施形態では、電磁石20により振動手段が構成されている。
【0059】
ここにおいて、上記の実施形態4,5では、アマルガムの過冷却状態を検出した場合にのみ振動手段を動作させているが、例えば蛍光ランプ点灯装置にタイマ手段(図示せず)を設け、このタイマ手段によって定期的に振動手段を動作させるようにしてもよい。この場合、アマルガムの結晶化が定期的に促進されるので、過冷却の発生を未然に防止することができる。
【符号の説明】
【0060】
1 点灯回路
2 蛍光ランプ
12 インバータ回路
13 制御回路(電気特性検出手段)
15 温度検出手段
A 蛍光ランプ点灯装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性材料からなり気密性を備えたバルブを具備し、バルブの内面に蛍光体膜が形成されるとともに内部に放電ガスおよびアマルガムが封入された蛍光ランプと、蛍光ランプを点灯させるための点灯回路とを備え、前記点灯回路は、前記蛍光ランプの電気特性を検出する電気特性検出手段と、温度を検出する温度検出手段とを有し、前記電気特性検出手段により検出した電気特性から推定される温度域と、前記温度検出手段により検出した温度の高低を比較することによって前記アマルガムの過冷却状態を検出することを特徴とする蛍光ランプ点灯装置。
【請求項2】
前記温度検出手段は、前記点灯回路自体の温度を検出することを特徴とする請求項1記載の蛍光ランプ点灯装置。
【請求項3】
前記バルブに近接配置されて、前記点灯回路から供給される高周波電力によって前記バルブ内に高周波電磁界を発生させる誘導コイルを備え、前記電気特性検出手段は、前記誘導コイルに印加される電圧または電流の少なくとも何れか一方を検出することを特徴とする請求項1または2の何れか1項に記載の蛍光ランプ点灯装置。
【請求項4】
前記点灯回路は、前記蛍光ランプの始動後における一定期間は過冷却の検出を行わないことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の蛍光ランプ点灯装置。
【請求項5】
前記点灯回路は、前記アマルガムの過冷却状態を検出すると、前記蛍光ランプへの供給電力を増加させることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の蛍光ランプ点灯装置。
【請求項6】
前記アマルガムを加熱する加熱手段を備え、前記点灯回路は、前記アマルガムの過冷却状態を検出すると、前記加熱手段により前記アマルガムを加熱することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の蛍光ランプ点灯装置。
【請求項7】
前記アマルガムに振動を与える振動手段を備え、前記点灯回路は、前記アマルガムの過冷却状態を検出すると、前記振動手段により前記アマルガムに振動を与えることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の蛍光ランプ点灯装置。
【請求項8】
前記バルブに近接配置されて、前記点灯回路から供給される高周波電力によって前記バルブ内に高周波電磁界を発生させる誘導コイルを備え、前記振動手段は、前記誘導コイルに印加する電圧を間欠発振することを特徴とする請求項7記載の蛍光ランプ点灯装置。
【請求項9】
前記振動手段は、前記アマルガムが収納された金属容器を電磁吸引することによって前記アマルガムに振動を与える電磁石からなることを特徴とする請求項7記載の蛍光ランプ点灯装置。
【請求項10】
前記振動手段を定期的に動作させるタイマ手段を備えることを特徴とする請求項7〜9の何れか1項に記載の蛍光ランプ点灯装置。
【請求項11】
請求項1〜10の何れか1項に記載の蛍光ランプ点灯装置を備えることを特徴とする照明器具。
【請求項1】
透光性材料からなり気密性を備えたバルブを具備し、バルブの内面に蛍光体膜が形成されるとともに内部に放電ガスおよびアマルガムが封入された蛍光ランプと、蛍光ランプを点灯させるための点灯回路とを備え、前記点灯回路は、前記蛍光ランプの電気特性を検出する電気特性検出手段と、温度を検出する温度検出手段とを有し、前記電気特性検出手段により検出した電気特性から推定される温度域と、前記温度検出手段により検出した温度の高低を比較することによって前記アマルガムの過冷却状態を検出することを特徴とする蛍光ランプ点灯装置。
【請求項2】
前記温度検出手段は、前記点灯回路自体の温度を検出することを特徴とする請求項1記載の蛍光ランプ点灯装置。
【請求項3】
前記バルブに近接配置されて、前記点灯回路から供給される高周波電力によって前記バルブ内に高周波電磁界を発生させる誘導コイルを備え、前記電気特性検出手段は、前記誘導コイルに印加される電圧または電流の少なくとも何れか一方を検出することを特徴とする請求項1または2の何れか1項に記載の蛍光ランプ点灯装置。
【請求項4】
前記点灯回路は、前記蛍光ランプの始動後における一定期間は過冷却の検出を行わないことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の蛍光ランプ点灯装置。
【請求項5】
前記点灯回路は、前記アマルガムの過冷却状態を検出すると、前記蛍光ランプへの供給電力を増加させることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の蛍光ランプ点灯装置。
【請求項6】
前記アマルガムを加熱する加熱手段を備え、前記点灯回路は、前記アマルガムの過冷却状態を検出すると、前記加熱手段により前記アマルガムを加熱することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の蛍光ランプ点灯装置。
【請求項7】
前記アマルガムに振動を与える振動手段を備え、前記点灯回路は、前記アマルガムの過冷却状態を検出すると、前記振動手段により前記アマルガムに振動を与えることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の蛍光ランプ点灯装置。
【請求項8】
前記バルブに近接配置されて、前記点灯回路から供給される高周波電力によって前記バルブ内に高周波電磁界を発生させる誘導コイルを備え、前記振動手段は、前記誘導コイルに印加する電圧を間欠発振することを特徴とする請求項7記載の蛍光ランプ点灯装置。
【請求項9】
前記振動手段は、前記アマルガムが収納された金属容器を電磁吸引することによって前記アマルガムに振動を与える電磁石からなることを特徴とする請求項7記載の蛍光ランプ点灯装置。
【請求項10】
前記振動手段を定期的に動作させるタイマ手段を備えることを特徴とする請求項7〜9の何れか1項に記載の蛍光ランプ点灯装置。
【請求項11】
請求項1〜10の何れか1項に記載の蛍光ランプ点灯装置を備えることを特徴とする照明器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−44404(P2011−44404A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−193464(P2009−193464)
【出願日】平成21年8月24日(2009.8.24)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月24日(2009.8.24)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]