説明

蛍光ランプ

【課題】コンパクト丸型蛍光灯は、寿命末期にフィラメント電極が高温となり、これに伴い、ガラス管が温度上昇し、ガラス管の管壁に開いたマイクロクラック部分で温度差が生じ、ガラス管のマイクロクラックが進行する事でクラックが生じ、破損し、ガラス片あるいは保持されていない発光管部分が落下する。
このことは、安全性に関わる問題であるので、ガラス片の脱落を確実に防止できる手段を見出すことは重要である。
【解決手段】内部両端部に電極13a,13bを有する二重渦巻形の発光管10と、前記発光管両端部外部に設けられ、この発光管の両端部より放電路に沿って発光管中央部に向かって延びる電極覆い部60とを備え、前記電極覆い部が前記発光管両端部の外部において前記電極を覆って設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一連の放電路が略円形の発光面をなすように形成された2重渦巻形発光管を備えた蛍光ランプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
地球環境保全のための省エネルギー化及び省資源化の時代を迎えて、近年は照明分野においても低効率の白熱電球や比較的大形の従来蛍光ランプに代替する省エネ・省資源光源として種々のコンパクト形蛍光ランプが開発・展開されてきた。
コンパクト形蛍光ランプの一種として、図7a,b,c,dに示すように、一連の放電路が略円錐面上を2重螺旋形状に旋回して構成された発光管110を備えた蛍光ランプ100が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この蛍光ランプ100は、いわゆる片口金タイプであって、発光管110の管両端部111a,111bが一個の口金140付きの保持部材120に保持されるとともに、前記管両端部111a,111bに封着された電極リード線(不図示)が前記口金140の電源接続端子に接続されている。なお、この蛍光ランプ100は、実用化されていない。
一方、これも実用化されていないが、図8に示すように、一連の放電路が略一平面上で二重渦巻形状に旋回して構成された発光管210を備えた蛍光ランプ200が知られている。(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
この蛍光ランプ200は、いわゆる両口金タイプであって、すなわち発光管210の管両端部211a,211bにそれぞれ電源接続端子240a,240bが装着されている。ここで、ピン付きのG型口金を有する蛍光ランプ200の特徴は、発光管210の外形が略円盤形状をなすいわゆる面光源であって、図7に示す外形が略円錐形状の蛍光ランプ100よりも薄形であることである。従って、灯具を薄く設計することができ、天井や壁にいわゆる直付けのダウンライトやウオールライト用の光源として好適である。また、蛍光ランプ200は、略円形の発光面を有するため被照射面の配光分布が好ましく、殊に店舗や住宅の照明用として好適である。
【特許文献1】欧州共同体意匠25861−0005号
【特許文献2】特開平9−45283号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来例における両口金タイプの蛍光ランプ200(図8)においては、寿命末期にフィラメント電極が高温となり、これに伴い、ガラス管が温度上昇し、ガラス管の管壁にあったマイクロクラック部分で温度差が生じ、ガラス管のマイクロクラックが進行する事でクラックが生じ、破損し、ガラス片あるいは保持されていない発光管部分が落下することが分かった。
【0006】
一方、片口金タイプの蛍光ランプ100(図7)においても同様の理由により発光管に破損が起こることが分かった。これらは、特に安全性に関わる問題であり、従って、蛍光ランプ200及び蛍光ランプ100を商品化するには、特に上記発光管の破損によるガラス片脱落を確実に防止できる手段を見出すことが主要な技術課題である。
本発明は、以上の状況に鑑みてなされたものであり、一連の放電路が略円形の発光面をなすように形成された二重渦巻形発光管を備えた蛍光ランプにおいて、寿命末期に発光管の破損によるガラス片の脱落を確実に防止できる手段を見出し、また電源リード線と電源接続端子の接続時のショート等による事故を回避できる安全性が高い蛍光ランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明は、内部両端部に電極を有する二重渦巻形の発光管と、前記発光管両端部外部に設けられ、この発光管の両端部より放電路に沿って発光管中央部に向かって延びる電極覆い部とを備え、前記電極覆い部が前記発光管両端部の外部において前記電極を覆って設けられていることを特徴とする。
また、前記電極覆い部の放電路方向の長さを前記電極を完全に覆う長さとしたことを特徴とする。
【0008】
また、前記電極覆い部に放熱手段を設けたことを特徴とする。
また、前記電極覆い部内部に前記発光管の管端部が当接する位置決め手段を設けたことを特徴とする。
また、前記発光管の中央部を横切るように前記発光管支持用の支持部材を設け、この支持部材の両端部に前記電極覆い部を発光管保持部として有することを特徴とする。
【0009】
また、前記支持部材に4本の電極接続端子付き口金を設け、前記口金と前記電極とを電気的に接続する4本のリード線を前記支持部材に内装したことを特徴とする。
さらに、前記支持部材の前記電極接続端子近傍に十字形状リブを設け、裸線である前記4本のリード線を前記十字形状リブで分離状態にして前記口金の電力供給端子に接続したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、発光管両端部を電極覆い部で覆うことにより、蛍光ランプの寿命末期時のガラス管破損による脱落を容易に防ぎ、これによりガラス片落下による怪我等の災害を回避することができる。また、前記電極覆い部に放熱手段を設けたことで、発光管の寿命末期でも温度差を減らしガラス管の破損が少なくなる。また、電極覆い部内面に位置決め手段を設けたので、電極覆い部によって電極を確実に覆うことができる。さらに、裸線である4本のリード線同士が接触しないように構成したので、ショート等の事故を完全に回避することができ、安全性の高い蛍光ランプを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図6を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態である発光面が略円形の平面状をなす、例えば管入力80Wのコンパクト丸形蛍光ランプの典型的な発光管の構成を示す。発光管10は、一連の屈曲ガラス管12からなる放電路が管中央部12Cを中心として略一平面上で渦巻状に旋回された二重渦巻形状を有している。そして、略対向して離れた両端部すなわち管端部11a,11bには、電極としてタングステンフィラメントコイル電極13a,13bが封着されている。タングステンフィラメントコイル電極13a,13bはビーズガラスマウント15a,15bにより保持した一対の電極リード線14a,14a’,14b,14b’がそれぞれ架設されている。なお、一方の管端部11aには、併せて排気管16(発光管排気後に、先端部封止)が封着されている。発光管10の主要な内表面には、希土類蛍光体(不図示)が塗布され、また管内には5mgの水銀17のほかに、緩衝ガスとして約350PaのアルゴンArが封入されている。
【0012】
なお、上記発光管10は、特に管中央部12Cが突出した凸形状に構成されており、ここにランプ点灯時における最冷点個所が形成されている。そして、最高領域のランプ効率を得るために、特に発光管10の先端部12Cの凸形状は、最冷点温度が例えば発光管10の主要部内径が4mm〜18mmの設定に対して50〜65℃の範囲になるように設計されている。
【0013】
その他に、二重渦巻形屈曲ガラス管12の部材としてバリウム・ストロンチウムシリケートガラス(軟化点675℃の軟質ガラス)を用い、また希土類蛍光体として3種類の赤、緑及び青発光のY2O3:Eu、LaPO4:Ce,Tb及びBaMg2Al16O27:Eu,Mn蛍光体を混合したものを用いている。
管内に封入される水銀17は、水銀単体のほかに、例えば亜鉛水銀及び錫水銀や、更にはビスマス・インジウム水銀などのアマルガムの形態であってもよく、また緩衝ガスとしてアルゴン、ネオン、クリプトン等の混合ガスが封入されてもよい。
図2及び図3を用いて本発明の実施の形態である上記発光管10を装備したコンパクト丸形蛍光ランプ1の組立構成を示す。
【0014】
本実施形態である蛍光ランプ1の組立構成の基本的特徴は、上記発光管10の管端部11a,11bが、ランプ組立用として発光管10を横切るように配置された支持部材20の両端に設けられた発光管保持部60により保持・固定されている点である。発光管保持部60は発光管10の外部に設けられ、発光管10の両端部より放電路に沿って発光管中央部に向かって延び、フィラメントコイル電極13a,13bを覆うよう構成されている。すなわち、フィラメントコイル電極13a,13bは保持部60内に位置して設けられている。
【0015】
なお、上記発光管10の略対向していて、離れて位置する管端部11a,11bの内部に存在するタングステンフィラメントコイル電極13a,13b部分までが発光管保持部60によって完全に覆われた状態となっている。発光管保持部60は発光管10の寿命末期に管端部11a,11bが破損した場合、発光管保持部60でガラス破片が保持されて、外部に脱落することがない。すなわち、寿命末期に最も高温となり、かつクラックの生じやすい電極付近の管端部を保持部で覆っているため、例えクラックが生じても、クラックが生じた部分近傍の管端部が保持部に、いわば引っかかって保持されるようになるため発光管の落下を防止できる。
【0016】
この実施例では発光管10が支持部材20に取り付けられた発光管保持部60によって保持されるよう構成されているが、発光管保持部60は支持部材20との機械的結合のない単なる電極覆い部であってもよい。
さらに、発光管10の管端部11a,11bが発光管保持部60に入る挿入量が規定できるように位置決め用手段である突起61が発光管保持部60の内面に複数個設けられている。この突起61に当たるまで発光管10を挿入すれば、タングステンフィラメントコイル電極13a,13b部分までが発光管保持部60によって完全に覆われることになる。図1,2の実施の形態では、管端部11a,11bの先端部が扁平状に加工されており、この扁平部が4つの突起61の間に入り、扁平部の四隅を保持する。そして管端部11a,11bの幅が広くなったところが突起61に当接する。この突起61は、発光管10の挿入量の規制以外に発光管10の回転防止、すなわち発光管10の上下・左右の規制も同時になし得る。61は特に突起である必要はなく、管端部11a,11bが当接して位置決めがされるものであれば単なる突片、リブでもよい。
【0017】
さらに、図2のCに示されるように、放電管保持部60の先端とフィラメントコイル電極13a,13bおよび電極リード線14a,14a’,14b,14b’の接続部間との長さXが5〜40mmに設定され、フィラメントコイル電極13a,13bが発光管保持部60ですっぽりと覆われている。発光管保持部60の長さXを必要以上に長くすると発光管10の発光部分が減るので好ましくない。
【0018】
また支持部材20の中央付近には4つの電源接続端子ピン付きの一個の口金40が付設されるとともに、作業に際して作業者が直に手で保持するための装着・脱着取手27a,27bが設けられている。これらの装着・脱着取手27a,27bを手で持つことにより、ランプ口金40を灯具ソケットへ装着したり、脱着したりすることができる。
なお口金40の形態は、4つの電源接続端子ピン付きの一個の口金でなくても、例えば図3に示す口金部62のように、発光管保持部60にそれぞれ2本ずつ電源接続端子62a,62bが一定のピッチで固定された形態でも良い。
【0019】
また支持部材20には、その中央部近郊から前記発光管10が保持・固定される端付近まで、連続した貫通穴20a,20bが、発光管10の中央部を対称にそれぞれ設けられている。着脱可能な発光管フック46がこの貫通穴20a,20bを移動可能に複数個装着されており、この発光管フック46によって発光管10が保持されている。
発光管フック46が支持部材20の貫通穴20a,20bを移動および脱着可能に複数個装着できることにより、発光管10の巻き数が増えた場合であっても、発光管フック46の数を増せば、発光管10の支持強度を確保できる。また、発光管フック46が移動可能であることから、発光管10の巻きピッチが製造上変化した場合であっても確実に発光管10を保持することができる。
【0020】
また、支持部材20の口金40が設けられた面側に、カバー取付突起47と基台48とが複数個具備されている。これらの、カバー取付突起47と基台48によって、例えば照明器具に装着またはランプカバー等を取り付けることができる。
さらに、寿命末期の電極部13a,13bの温度を最小限に抑えるために、発光管保持部60に放熱手段60a,60bが設けられている。放熱孔手段60a,60bは、具体的にはスリットあるいは透孔である。寿命末期にガラス管が破損した場合に、その破片が前記スリット、透孔から出ないように、スリットの幅は小さくし、透孔の径は小さいくし、これらを多数設けることが好ましい。また、別の手段として溝状の凹凸、孔状の凹凸を多数設けてもよい。放熱面積が大きくなって放電効果が得られる。スリット、透孔、凹凸の組合せで放熱手段60a,60bを構成してもよい。
【0021】
これによって、発光管保持部60の内部熱を放熱させることができ発光管10の寿命末期において電極部13a,13bの温度を抑えることができる。
当組立構成の基本的特徴の冒頭で述べたように、発光管10を横切るように配置された支持部材20の両端に設けられた発光管保持部60に発光管10の略対向しており、離れて位置する発光管10の両端部の内部に保持されたタングステンフィラメントコイル電極の電極部分までが発光管保持部60によって覆われた状態で保持・固定される。このことにより、寿命末期に電極部が高温になることによりガラス管が破損した際でも、ガラス片が脱落せず、発光管保持部内に留めることができる。またこの動作の効果を高めるため、リード線が気密封着された発光管10の管両端部11a,11bが発光管保持部60で完全に覆われるよう、発光管10の挿入量が規定できる位置決め用の突起61を設けている。突起61には発光管10の挿入量規制以外に発光管10の回転防止、すなわち上下・左右の規制の役目を兼ねている。さらに寿命末期に電極部13a,13bの温度を最小限に抑えるために、発光管保持部60の内部熱を放熱させるため発光管保持部60にスリット・透孔等を複数個具備することでその効果を挙げている。この結果、目的とする安全性が高いコンパクト丸形蛍光ランプを商品化することができる。
【0022】
以下、本実施形態であるランプ組立構成及び工程について詳しく説明する。
図4は、本発明の実施の形態である上記発光管10を装備したコンパクト丸形蛍光ランプ1の形態であるランプ組立に用いる支持部材20の構成を拡大して示す。この支持部材20は、発光管10の管端部11a,11bを保持・固定するための支持部材本体21と、発光管10に電力を供給する電力供給部材22とから構成されている。
【0023】
図4aが支持部材本体21を示しており、図4bが電力供給部材22を示している。ここで、支持部材本体21と電力供給部材22はそれぞれ一体物として成形加工された樹脂部材であり、両者はいわゆる嵌合によって支持部材20に組立てられる。
まず、支持部材本体21は、図4(a)に模式的に示すように、中央部が円形で両翼が長尺方形の保持基板23と、その両端に管端部11a,11bを挿入・保持するために設けられた発光管保持部24a,24bとからなっている。
【0024】
発光管保持部24a,24bは、発光管10の略対向して離れて位置する管両端部11a,11bに保持されたタングステンフィラメントコイル電極の電極部分までが発光管保持部24a,24bによって覆われた状態で保持・固定されるよう構成されている。この場合、上記発光管保持部24a,24bは、管端部11a,11bが挿入・固定されるところの底面が半円曲状の溝部25a,25bを形成する外囲形状からなり、ここで溝部25a,25bの一方の端面26a,26bは開口されており、ここからランプ組立で管端部11a,11bが挿入されることになる。この際、リード線が気密封着された発光管の管両端部11a,11bが発光管保持部24a,24bで完全に覆われるよう、発光管の挿入量が規定できる位置決め用の突起61を設置している。突起61には発光管の挿入量規制以外に発光管の回転防止、すなわち上下・左右の規制の役目を兼ねている。また上記保持基板23の中央円形部の下面23Bには、ランプ装着・脱着作業での発光管破損を防止するために、一対の保持取手27a,27bがこれも一体物で付設されている。ここで、実際の蛍光ランプ1の装着・脱着は、作業者が上記保持取手27a,27bを例えば親指と人差指で挟み持って行なわれる。また、上記保持基板23の両翼の上面23Aには、ランプ組立で発光管端部11a,11bからの一対の電極リード線を口金40へとそれぞれ配線するための一対の配線溝28a,28a’,28b,28b’が形成されている。
【0025】
さらに4本の裸線である電源リード線もしくは電源リード線を延長した4本の裸線である延長コード(非表示)は配線溝28a,28a’,28b,28b’を通り、中央部まで引き回され、略中央に具備された十字形状リブ63で分離されそれぞれ4個の空間で垂直に立ち上げられる。
一方、もう1つの電力供給部材22は、図2(b)に模式的に示すように、前記支持部材本体21の保持基板23に組合されて嵌合される電力供給基板29と、その両端に前記支持部材本体20の発光管保持部24a,24bに被覆・嵌合される管端被覆部30a,30bとからなっている。そして、上記電力供給基板29の中央円形部の上面には、上記一個の口金40(JIS−GU10q型)が付設されている。
【0026】
上記口金40は、外枠が円筒形状の外枠材41からなっている。そして、外枠材41の上蓋部41Aには略正方形の凹部42が形成され、凹部42にランプ組立で発光管10からの電極リード線が接続されるところの4本の電源接続端子ピン43a,43a’,43b,43b’が配置されている。また、上記外枠材41の凹部42の両側に連なり、ランプ組立で前記電極リード線の電源接続端子ピン43a,43a’,43b,43b’への架締接合をし易くするための溝部44a,44bが形成されている。そして、当該溝部44a,44bは、口金40の灯具ソケットへの嵌合による装着を図るために、外枠材41の両側壁の底部まで延長して形成されている。また、カバー取付突起47、基台48およびロックピン48bが、電力供給部材22の両端均衡に設置されている。
【0027】
上記本実施形態である蛍光ランプ1の組立工程は、発光管10の管端部11a,11bを保持部材本体21の発光管保持部24a,24bに挿入した後に、両者をシリコーン樹脂により固定する。発光管10の中央部12の底面も支持部材本体21の保持基板23の下面23Aにシリコーン樹脂により固定される。次いで、発光管10の電極リード線を電力供給部材22の口金40の電源接続端子ピン43a,43a’,43b,43b’に架締接合により接続する。最終的に支持部材本体21と電力供給部材22を嵌合により支持部材20として、一体に組立てる。
【0028】
このとき電源接続端子ピン43a,43a’,43b,43b’に4本の電極リード線が接続される際、十字形状リブ63がガイドとなり4本の電極リード線同士の接触を防止することができる。
図5は発光管フック46の斜視図、図6は発光管10と支持部材20とを発光管フックにより結合した状態を示している。
【0029】
以上のように、一連の放電路が略円形で平面状の発光面をなすように形成された二重渦巻形発光管を備えたコンパクト丸形蛍光ランプにおいて、上記本実施形態であるランプ構成を備えることにより、寿命末期に電極部が高温になることによりガラス管が破損した際でも、ガラス片が脱落せず、発光管保持部内に留めることができる。さらにこの動作の効果を高めるため、発光管の挿入量が規定できる位置決め用の突起を設けることにより、リード線が気密封着された発光管の管両端部が発光管保持部で完全に覆うことができる。
【0030】
突起には発光管の挿入量規制以外に発光管の回転防止、すなわち上下・左右の規制の役目を兼ねている。また、寿命末期に電極部が高温になり、発光管保持部も高温になることから、放熱孔を設けることで放熱し、温度上昇を抑え、保持部材の溶融防止の機能を具備することも有効な手段である。さらには支持部材本体の略中央部に十字形状リブを設置することで、電源リード線と電源接続端子を接続する際、ショート等の事故を完全に回避することができ、この結果、目的とする安全性が高いコンパクト丸形蛍光ランプが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】a、bは本発明の実施の形態であるコンパクト丸形蛍光ランプの発光管の断平面図および側面図である。
【図2】a,b,cは同コンパクト丸形蛍光ランプの斜視図および断平面図である。
【図3】は他の実施例におけるコンパクト丸形蛍光ランプの斜視図である。
【図4】a,bは図2に示すコンパクト丸形蛍光ランプ組立用の支持部材の平面図、断側面図、裏面図である。
【図5】同発光管フックの斜視図である。
【図6】同発光管のフックによって組立てられた蛍光ランプの断側面図である。
【図7】a,b,c,dは従来技術による二重螺旋形発光管を備えた蛍光ランプの平面図、裏面図および側面図である。
【図8】a,b,cは従来技術による二重渦巻形発光管を備えた蛍光ランプの平面図および側面図である。
【符号の説明】
【0032】
1 コンパクト丸形蛍光ランプ
10 二重渦巻形発光管
11a,11b 管端部
13a,13b フィラメントコイル電極
20 支持部材
21 支持部材本体
22 電力供給部材
23 保持基板
60 発光管保持部
60a,60b 放熱孔
61 位置決め用突起
63 十字形状リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部両端部に電極を有する二重渦巻形の発光管と、前記発光管両端部外部に設けられ、この発光管の両端部より放電路に沿って発光管中央部に向かって延びる電極覆い部とを備え、前記電極覆い部が前記発光管両端部の外部において前記電極を覆って設けられていることを特徴とする蛍光ランプ。
【請求項2】
前記電極覆い部の放電路方向の長さを前記電極を完全に覆う長さとしたことを特徴とする請求項1記載の蛍光ランプ。
【請求項3】
前記電極覆い部に放熱手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の蛍光ランプ。
【請求項4】
前記電極覆い部内部に前記発光管の管端部が当接する位置決め手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の蛍光ランプ。
【請求項5】
前記発光管の中央部を横切るように前記発光管支持用の支持部材を設け、この支持部材の両端部に前記電極覆い部を発光管保持部として有することを特徴とする請求項1記載の蛍光ランプ。
【請求項6】
前記支持部材に4本の電極接続端子付き口金を設け、前記口金と前記電極とを電気的に接続する4本のリード線を前記支持部材に内装したことを特徴とする請求項5記載の蛍光ランプ。
【請求項7】
前記支持部材の前記電極接続端子近傍に十字形状リブを設け、裸線である前記4本のリード線を前記十字形状リブで分離状態にして前記口金の電力供給端子に接続したことを特徴とする請求項6記載の蛍光ランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−273336(P2007−273336A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−98949(P2006−98949)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】