説明

蛍光性化粧料

【課題】十分な蛍光性を有し、且つ安全性が高く皮膚刺激性のない蛍光性化粧料を提供する。
【解決手段】下記一般式(I)で表されるアルキレンオキシド誘導体やコハク酸ジエトキシエチルを溶媒の主成分とし、シュウ酸及び/又はその誘導体を含む第1剤と、
下記一般式(I)で表されるアルキレンオキシド誘導体やコハク酸ジエトキシエチルを溶媒の主成分とし、過酸化水素を含む第2剤とからなり、
上記第1剤及び/又は第2剤に蛍光物質を含む蛍光性化粧料。
(化1)
O―[(AO)(EO)]―R ・・・(I)
(AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、1≦m≦70、1≦n≦70、AOとEOの合計に対するEOの割合は20〜80質量%、R,Rはそれぞれ炭素数1〜4の炭化水素基又は水素原子、R及びRの炭化水素基数に対する水素原子数の割合は0.15以下である。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は蛍光性化粧料、特に化学発光を利用した蛍光性化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、夜間や暗所において光って見えるいわゆる蛍光性化粧料が開発されており、その意匠性、話題性等から注目されている。一般的な蛍光性化粧料には、蓄光顔料として、3−ヒドロキシピレン−5,8,10−トリスルホン酸(特開昭58−198410号)、アルミン酸ストロンチウム(特開平10−330209号)等が配合されている。
しかしながら、上記蓄光顔料を配合した蛍光性化粧料においては、予め光に曝しておき蓄光する必要があるので、いつでも好きな時に発光させられるわけではない、また蓄光中にも徐々に光を放出するため十分に蓄光できず、製品価値を満たす蛍光性を十分に有していない、という問題があった。
【0003】
一方、化学発光は熱を伴わない発光であることから、ペンライト(ケミカルライト)等の非常時用ライトや、夜釣りの発光浮き等として有効に利用されている。
例えば、シュウ酸エステルと過酸化水素とを反応させることによって生じるエネルギーを、蛍光物質に与えて発光させる化学発光技術が、特開2002−265939号、特許第2746269号、特公平07−119180号等に開示されている。
【特許文献1】特開昭58−198410号
【特許文献2】特開平10−330209号
【特許文献3】特開2002−265939号
【特許文献4】特許第2746269号
【特許文献5】特公平07−119180号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記化学発光技術では、各成分を溶解させる溶媒として、フタル酸ジメチル等を用いているため、化粧料に応用するには、安全性や皮膚刺激性の面で問題がある。
本発明は、十分な蛍光性を有し、且つ安全性が高く皮膚刺激性のない蛍光性化粧料を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記事情を鑑み、溶媒を安全で皮膚刺激性のないシリコーンオイル等に換えてみたが、発光しなかった。そこで本発明者等は、課題の解決に向けて鋭意検討を行った結果、十分な蛍光性を得るためには、蛍光物質、シュウ酸化合物及び過酸化水素の各成分を均一に溶解できる溶媒が必要であることを見出した。さらに検討した結果、特定のアルキレンオキシド誘導体及び/又はコハク酸ジエトキシエチルを溶媒とする系において、蛍光性が十分に発揮されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】
すなわち本発明の蛍光性化粧料は、下記一般式(I)で表されるアルキレンオキシド誘導体及びコハク酸ジエトキシエチルからなる群より選択される1種又は2種以上を溶媒の主成分とし、シュウ酸及び/又はその誘導体を含む第1剤と、
下記一般式(I)で表されるアルキレンオキシド誘導体及びコハク酸ジエトキシエチルからなる群より選択される1種又は2種以上を溶媒の主成分とし、過酸化水素を含む第2剤とからなり、
上記第1剤及び/又は第2剤に蛍光物質を含むことを特徴とする。
(化1)
O―[(AO)(EO)]―R ・・・(I)
(式中、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、m及びnはそれぞれ前記オキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦m≦70、1≦n≦70である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は、20〜80質量%である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基はブロック状に付加していてもランダム状に付加していてもよい。R,Rは、同一もしくは異なってもよく、炭素数1〜4の炭化水素基又は水素原子であり、R及びRの炭化水素基数に対する水素原子数の割合は0.15以下である。)
【0007】
前記化粧料において、下記一般式(II)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンを第1剤及び/又は第2剤に含有することが好適である。
(化2)
―{(OR)OCONHR[NHCOO(RO)]} ・・・(II)
(式中、R、R及びRは、互いに同一でも異なっても良く炭化水素基を表し、Rはウレタン結合を有しても良い炭化水素基を表し、Rは直鎖、分岐鎖又は2級の炭化水素基を表し、pは2以上の数であり、hは1以上の数であり、j及びkは独立に0〜1000の範囲の数である)
また、前記疎水変性ポリエーテルウレタンの配合量は、化粧料全量に対して1.0〜10.0質量%であることが好適である。
また、美爪料の場合、25℃における粘度が5000〜50000mPa・sであることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の蛍光性化粧料は、特定のアルキレンオキシド誘導体及び/又はコハク酸ジエトキシエチルを溶媒とすることにより、蛍光性を十分に発揮し、且つ安全性が高く皮膚刺激性のないものとなった。また、本発明の化粧料をゲル状とする場合、増粘ゲル化剤として、疎水変性ポリエーテルウレタンを用いることにより過酸化水素とシュウ酸化合物との反応の場を維持しつつ粘度を上げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の蛍光性化粧料は、シュウ酸及び/又はその誘導体を含む第1剤、及び過酸化水素を含む第2剤からなる2剤型である。
本発明の蛍光性化粧料は、アルキレンオキシド誘導体及び/又はコハク酸ジエトキシエチルを溶媒とする系内において、シュウ酸及び/又はその誘導体と過酸化水素とが反応してエネルギーが発生し、そのエネルギーを受けて蛍光物質が蛍光を発することを特徴とする。すなわち、シュウ酸及び/又はその誘導体と過酸化水素との反応により発光中間体(過酸化物)が生じ、これと蛍光物質との間で電荷移動錯体が形成され、これから二酸化炭素と励起状態の蛍光物質とに分解し、強く発光する。
よって反応の観点からシュウ酸及び/又はその誘導体と過酸化水素水とを分けて保存しておく必要があり、これらを混ぜ合わせることにより初めて蛍光を発する(図1)。
【0010】
本発明の蛍光化粧料は、化学発光を用いているので光源を必要とせず、暗闇で光を発することができる。また発熱しないため、火傷の心配がない。

【0011】
[第1剤]
<アルキレンオキシド誘導体及び/又はコハク酸ジエトキシエチル>
本発明で用いられるアルキレンオキシド誘導体及び/又はコハク酸ジエトキシエチルは、水に対しても油に対しても溶解性を有するすなわち両親媒性の成分である。そのため親水性の過酸化水素と、親油性のシュウ酸エステルとを同一系内に取り込むことができ、反応が進行する。また、皮膚刺激性等がなく、保湿効果、肌荒れ改善効果等に優れるため、化粧料に好適に使用することができる。
【0012】
本発明の蛍光性化粧料の第1剤に用いられるアルキレンオキシド誘導体は、下記式(I)で示される。
(化3)
O−[(AO)(EO)]−R (I)
上記アルキレンオキシド誘導体において、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基であり、具体的には、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシイソブチレン基、オキシトリメチレン基、オキシテトラメチレン基などが挙げられる。好ましくは、オキシプロピレン基、オキシブチレン基が挙げられる。EOはオキシエチレン基である。
mは炭素数3〜4のオキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1≦m≦70、好ましくは2≦m≦50である。nはオキシエチレン基の平均付加モル数であり、1≦n≦70、好ましくは5≦n≦55である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基またはオキシエチレン基が0であるとなめらかさが落ち、70を越えるとべたつき感がでてくる傾向がある。
【0013】
また、炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合が、20〜80質量%であることが好ましい。オキシエチレン基の割合が20質量%未満であるとなめらかさに劣る傾向にあり、80質量%を超えると使用後べたつきを生じる傾向にある。
エチレンオキシドおよび炭素数3〜4のアルキレンオキシドの付加する順序は特に指定はない。またオキシエチレン基と炭素数3〜4のオキシアルキレン基はブロック状に付加していてもランダム状に付加していてもよい。ブロック状には2段ブロックのみならず、3段以上のブロックも含まれる。
なお、オキシエチレン基と炭素数3〜4のオキシアルキレン基は、ランダム状に付加されているものであることが好適である。ランダム状のものはブロック状のものと比較して使用感触に優れている。
なお、[(EO)/(AO)]はランダム状結合を表し、以下このように略して記載することがある。
【0014】
及びRは炭素数1〜4の炭化水素基もしくは水素原子で、炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。好ましくはメチル基、エチル基である。炭素数5以上の炭化水素基では親水性が低下し、うるおい感が低下する。R,Rは、同一であっても異なっていても良い。
およびRはそれぞれ同種のものを用いても、炭素数1〜4の炭化水素基と水素原子とが混在しても、異種の炭素数1〜4の炭化水素基が混在してもよい。ただし、RおよびRの炭化水素基のうち、炭化水素基と水素原子の存在割合は、炭化水素基の数(X)に対する水素原子の数(Y)の割合Y/Xが0.15以下、好ましくは0.06以下である。Y/Xの割合が0.15を越えると、べたつき感がでてくる。
【0015】
本発明のアルキレンオキシド誘導体としては、具体的にはPOE(9)POP(2)ジメチルエーテル、POE(14)POP(7)ジメチルエーテル、POE(10)POP(10)ジメチルエーテル、POE(6)POP(14)ジメチルエーテル、POE(15)POP(5)ジメチルエーテル、POE(25)POP(25)ジメチルエーテル、POE(7)POP(12)ジメチルエーテル、POE(22)POP(40)ジメチルエーテル、POE(35)POP(40)ジメチルエーテル、POE(50)POP(40)ジメチルエーテル、POE(55)POP(30)ジメチルエーテル、POE(30)POP(34)ジメチルエーテル、POE(25)POP(30)ジメチルエーテル、POE(27)POP(14)ジメチルエーテル、POE(55)POP(28)ジメチルエーテル、POE(36)POP(41)ジメチルエーテル、POE(7)POP(12)ジメチルエーテル、POE(17)POP(4)ジメチルエーテル、POE(9)POB(2)ジメチルエーテル、POE(14)POB(7)ジメチルエーテル、POE(10)POP(10)ジエチルエーテル、POE(10)POP(10)ジプロピルエーテル、POE(10)POP(10)ジブチルエーテル等が挙げられる。
なお、上記POE、POP、POBは、それぞれポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレンの略であり、以下、このように略して記載することがある。
【0016】
<シュウ酸及びシュウ酸誘導体>
本発明の蛍光性化粧料の第1剤に用いられるシュウ酸誘導体としては、シュウ酸エステル、シュウ酸ジクロライド、シュウ酸ジブロマイド、シュウ酸アミド等がある。また、ポリアミドエステルやポリイミドエステル、ポリ炭酸エステルの様な共重合体も使用可能である。
シュウ酸エステルとしてはシュウ酸ジメチルエステル、シュウ酸ジブチルエステル、シュウ酸モノクロロメチルエステル、シュウ酸ジクロロメチルエステル、シュウ酸トリクロロメチルエステル、シュウ酸ジフェニルエステル、シュウ酸モノクロロ(フロロ)フェニルエステル、シュウ酸ジクロロ(フロロ)フェニルエステル、シュウ酸トリクロロ(フロロ)フェニルエステル、シュウ酸テトラクロロ(フロロ)フェニルエステル、その他、ブロモ、ヨード、ニトロ、メトキシ、メチル等の置換基が1から5個入ったフェニルエステル類も使用可能である。また、フェノール性水酸基を2個有する芳香族化合物とのエステル、例えば、シュウ酸とビスフェノール類等のからのポリエステル或いは共重合ポリエステルの使用も可能である。また2種類以上の併用も可能である。
【0017】
[第2剤]
<アルキレンオキシド誘導体及び/又はコハク酸ジエトキシエチル>
本発明の蛍光性化粧料の第2剤におけるアルキレンオキシド誘導体及び/又はコハク酸ジエトキシエチルは、上記第1剤と同様のものを用いることができる。
<過酸化水素>
水溶性過酸化物としては、例えば、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、過安息香酸、ヒドロキシペルオキシドとしてはtーブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、その他ペルオキシ琥珀酸、ベンゾイルペルオキシド等があるが、安全性や取り扱いの点から、本発明の蛍光性化粧料の第2剤に用いられる水溶性過酸化物としては、過酸化水素が好ましい。過酸化水素は水溶液の形態で配合することが好ましい。
また過酸化水素の活性を高めるために触媒を使用する事もできる。
【0018】
<蛍光物質>
蛍光物質は、第1剤及び/又は第2剤に配合することができる。蛍光物質としては、例えば緑色発光蛍光物質として9、10−ビス(フェニルエチニル)−アントラセン、橙色発光蛍光物質としてルプレン、5,6,11,12−テトラフェニルナフタセン、青色発光蛍光物質としてペリレン等が使用可能であるが、人体に安全なものであればこれらに限定されず用いることができる。本発明において、蛍光物質の配合量は蛍光性化粧料全体に対し、0.01〜1.0質量%であることが好ましい。
【0019】
本発明において、第1剤と第2剤との混合比は、特に限定されないが、過酸化水素と、シュウ酸及び/又はシュウ酸エステルとが過不足なく、反応が進行するようにすることが好ましい。
【0020】
<疎水変性ポリエーテルウレタン>
本発明の蛍光性化粧料をゲル状とする場合、増粘ゲル化剤として、下記一般式(II)で表される疎水性変性ポリエーテルウレタンを第1剤及び/又は第2剤に配合することが好ましい。
―{(OR)OCONHR[NHCOO(RO)} (II)
特に美爪料においては、通常皮膜形成剤としてニトロセルロースが使用されているが、ニトロセルロース等を用いると、系が固化してしまい、シュウ酸エステルと過酸化水素との反応が阻害され、発光時間が極めて短くなってしまう。また過酸化水素がニトロセルロースの酸化に消費されるため、過酸化水素を過剰に配合する必要がある。しかしながら疎水変性ポリエーテルウレタンを用いることにより、過酸化水素水と活性シュウ酸エステルの反応の場を維持しつつ粘度を上げることができる。よって美爪料においては、疎水変性ポリエーテルウレタンを用いたゲル状とし、さらに透明のトップコートを塗布することが好ましい。
【0021】
上記一般式(II)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンは、例えばR―[(OR)OH]で表される1種または2種以上のポリエーテルポリオールと、R(NCO)h+1で表される1種または2種以上のポリイソシアネートと、HO(RO)で表される1種または2種以上のポリエーテルモノアルコールとを反応させることにより得ることができる。
反応時の3者の混合比は、特に限定されないが、ポリエーテルポリオール及びポリエーテルモノアルコール由来の水酸基と、ポリイソシアネート由来のイソシアネート基の比が、NCO/OH=0.8:1〜1.4:1であることが好ましい。
上記R―[(OR)OH]で表されるポリエーテルポリオール化合物は、p価のポリオールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、エピクロルヒドリン等のアルキレンオキサイド、スチレンオキサイド等を付加重合することにより得られる。
【0022】
p価のポリオールにおいて、pは2〜8であることが好ましく、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール、グリセリン、トリオキシイソブタン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、ペンタメチルグリセリン、ペンタグリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール、ペンタエリスリトール、1,2,3,4−ペンタンテトロール、2,3,4,5−ヘキサンテトロール、1,2,4,5−ペンタンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロール等の4価のアルコール、アドニット、アラビット、キシリット等の5価アルコール、ジペンタエリスリトール、ソルビット、マンニット、イジット等の6価アルコール、ショ糖等の8価アルコール等が挙げられる。
【0023】
また、付加させるアルキレンオキサイド、スチレンオキサイドは、入手が容易であり、優れた効果を発揮させることができることから、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドあるいはスチレンオキサイドが好ましい。
付加させるアルキレンオキサイド、スチレンオキサイド等は単独重合、2種類以上のランダム重合、あるいはブロック重合であっても良い。付加の方法は通常の方法であれば良い。また、重合度kは、0〜1000であり、好ましくは1〜500、更に好ましくは10〜200である。また、Rに占めるエチレン基の割合が、好ましくは全てのRに対して50〜100質量%である。
また、R―[(OR)OH]で表されるポリエーテルポリオール化合物の分子量は500〜10万のものが好ましく、1000〜5万のものが特に好ましい。
【0024】
上記R−(NCO)h+1で表されるポリイソシアネートは、分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものであれば特に限定されない。例えば、脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、フェニルメタンのジイソシアネート、トリイソシアネート、テトライソシアネート等が挙げられる。
【0025】
脂肪族イソシアネートとしては、例えば、メチレンジイソシアネート、ジメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジプロピルエーテルジイソシアネート、2,2−ジメチルペンタンジイソシアネート、3−メトキシヘキサンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルペンタンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、3−ブトキシヘキサンジイソシアネート、1,4−ブチレングリコールジプロピルエーテルジイソシアネート、チオジヘキシルジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、パラキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0026】
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、メタフェニレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジメチルベンゼンジイソシアネート、エチルベンゼンジイソシアネート、イソプロピルベンゼンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネート、2,7−ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
【0027】
ビフェニルジイソシアネートとしては、例えば、ビフェニルジイソシアネート、3,3'−ジメチルビフェニルジイソシアネート、3,3'−ジメトキシビフェニルジイソシアネート等が挙げられる。
フェニルメタンのジイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、2,2'−ジメチルジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ジフェニルジメチルメタン−4,4'−ジイソシアネート、2,5,2',5'−テトラメチルジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、シクロヘキシルビス(4−イソシオントフェニル)メタン、3,3'−ジメトキシジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、4,4'−ジメトキシジフェニルメタン−3,3'−ジイソシアネート、4,4'−ジエトキシジフェニルメタン−3,3'−ジイソシアネート、2,2'−ジメチル−5,5'−ジメトキシジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、3,3'−ジクロロジフェニルジメチルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ベンゾフェノン−3,3'−ジイソシアネート等が挙げられる。
【0028】
トリイソシアネートとしては、例えば、1−メチルベンゼン−2,4,6−トリイソシアネート、1,3,5−トリメチルベンゼン−2,4,6−トリイソシアネート、1,3,7−ナフタレントリイソシアネート、ビフェニル−2,4,4'−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4,4'−トリイソシアネート、3−メチルジフェニルメタン−4,6,4'−トリイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4',4''−トリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等が挙げられる。
【0029】
また、これらのポリイソシアネート化合物のダイマー、トリマー(イソシアヌレート結合)で用いられても良く、また、アミンと反応させてビウレットとして用いても良い。
さらに、これらのポリイソシアネート化合物と、ポリオールを反応させたウレタン結合を有するポリイソシアネートも用いることができる。ポリオールとしては、2〜8価のものが好ましく、前述のポリオールが好ましい。なお、3価以上のポリイソシアネートを用いる場合は、このウレタン結合を有するポリイソシアネートが好ましい。
【0030】
上記HO─(RO)─Rで表されるポリエーテルモノアルコールは、直鎖および分岐鎖または2級の1価アルコールのポリエーテルであれば特に限定されない。このような化合物は、直鎖および分岐鎖または2級の1価アルコールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、エピクロルヒドリン等のアルキレンオキサイド、スチレンオキサイド等を付加重合することにより得ることができる。
【0031】
ここでいう直鎖アルコールとは、下記一般式(III)で表される。
(化4)
−OH (III)
また、ここでいう分岐鎖アルコールとは、下記一般式(IV)で表される。
(化5)

また、ここでいう2級アルコールとは、下記一般式(V)で表される。
(化6)

【0032】
したがって、Rは、上記一般式(III)〜(V)において水酸基を除いた基である。上記の一般式(III)〜(V)においてR、R、R10、R11及びR13は炭化水素基であり、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等である。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、イソステアリル基、イコシル基、ドコシル基、テトラコシル基、トリアコンチル基、2−オクチルドデシル基、2−ドデシルヘキサデシル基、2−テトラデシルオクタデシル基、モノメチル分岐−イソステアリル基等が挙げられる。
【0033】
アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、イソペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、オレイル基等が挙げられる。
アルキルアリール基としては、フェニル基、トルイル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ベンジル基、フェネチル基、スチリル基、シンナミル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基等が挙げられる。
【0034】
シクロアルキル基、シクロアルケニル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、メチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、メチルシクロペンテニル基、メチルシクロヘキセニル基、メチルシクロヘプテニル基等が挙げられる。
【0035】
上記一般式(IV)において、R11は炭化水素基、またはフッ化炭素基であり、例えば、アルキレン基、アルケニレン基、アルキルアリーレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基等である。
また、Rは、炭化水素であり、そのうちアルキル基であることが好ましく、さらにその合計の炭素数は8〜36が好ましく、12〜24が特に好ましい。
【0036】
また、付加させるアルキレンオキサイド、スチレンオキサイド等は、単独重合、2種以上のランダム重合あるいはブロック重合であっても良い。付加の方法は通常の方法であれば良い。重合度nは0〜1000であり、好ましくは1〜200、更に好ましくは10〜50である。また、Rに占めるエチレン基の割合は、好ましくは全てのRに対し50〜100質量%、さらに好ましくは、65〜100質量%である。
【0037】
上記の疎水変性ポリエーテルウレタンを製造する方法としては、通常のポリエーテルとイソシアネートとの反応と同様にして例えば80〜90℃で1〜3時間加熱し、反応せしめて得ることができる。
また、R−[(OR)−OH]で表されるポリエーテルポリオールと、R−(NCO)h+1で表されるポリイソシアネートと、HO−(RO)−Rで表されるポリエーテルモノアルコールとを反応させる場合には、一般式(II)の構造の化合物以外のものも副生することがある。この場合、特に一般式(II)型の化合物を分離することなく、一般式(II)型の化合物を含む混合物の状態で本発明に使用することができる。
【0038】
また、本発明においては前記疎水変性ポリエーテルウレタンとして市販品を用いても良い。市販品としては、例えば、アデカノールGT-700TM(旭電化社製)が挙げられる。
本発明の化粧料において、前記疎水変性ポリエーテルウレタンは、化粧料全量に対して、1.0〜10.0質量%配合することが好ましい。配合量が1.5質量%未満では、粘度が低すぎて剤型を保持できなくなる場合があり、一方で3.0質量%を超えて配合すると、基剤の粘度が高くなりすぎて発光が妨げられる場合があり好ましくない。
特に美爪料とする場合は、25℃における粘度を5000〜50000mPa・sとすることが好ましい。5000mPa・s未満の場合、粘度が低すぎて剤型を保持できなくなるほか、トップコートが塗りづらい場合があり、50000mPa・sを超えると発光が妨げられる場合がある。
【0039】
また、本発明の効果を損なわない質的・量的範囲内に限り、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA、PVM、PVP、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸A1Mg(ビーガム)、ラポナイト、無水ケイ酸等、他の増粘ゲル化剤を併用することもできる。
【0040】
また本発明の化粧料には、上記成分に加え必要に応じて水、粉末成分、油分、界面活性剤、低級アルコール、多価アルコール、保湿剤、紫外線吸収剤、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料等を本発明の所期の効果を損なわない質的、量的範囲で配合することが可能である。
【0041】
本発明に配合されうる粉末成分としては、例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、黒雲母、金雲母、合成雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム、焼セッコウ、リン酸カルシウム、フッ素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム等)の無機粉末;ポリアミド樹脂粉末、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレン−アクリル酸共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四フッ化エチレン粉末、セルロース粉末等の有機粉末;二酸化チタン、酸化亜鉛等の無機白色系顔料;酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等の無機赤色系顔料;γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料;黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料;黒酸化鉄、カーボン、低次酸化チタン等の無機黒色系顔料;マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色系顔料;酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等の無機緑色系顔料;群青、紺青等の無機青色系顔料;酸化チタン被覆マイカ、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、着色酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等のパール顔料;アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等の金属粉末顔料;赤色202号、赤色205号、赤色220号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、青色404号等の有機顔料;赤色3号、赤色104号、赤色227号、赤色401号、橙色205号、黄色4号、黄色202号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム、アルミニウムレーキ等の有機顔料;クロロフィル、β−カロチン等の天然色素が挙げられる。
【0042】
本発明の化粧料に配合され得る油分としては、例えば、液体油脂として、アボガド油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、ミンク油、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン等;固体油脂として、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等;ロウとして、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナバロウ、イボタロウ、鯨ロウ、ラノリン、還元ラノリン等、炭化水素として、流動パラフィン、スクワラン、パラフィン、セレシン、ワセリン、スクワレン、マイクロクリスタリンワックス等;高級脂肪酸として、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸等;高級アルコールとして、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、モノステアリルグリセロールエーテル、モノパルミチルグリセロールエーテル、コレステロール、フィトステロール、イソステアリルアルコール等;エステル油として、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル、ジオクタン酸エチレングリコール、リンゴ酸次イソステアリル、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラオクタン酸ペンタエリスリトール、トリオクタン酸グリセリン、トリイソステアリン酸グリセリン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等;シリコーンとして、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム等が挙げられるが、上記の油分に限定されるものではない。またこれら油分は、本発明の化粧料において1種あるいは2種以上を任意に選択して用いることができる。
【0043】
本発明の化粧料においては、通常化粧料に配合されうる界面活性剤を、そのイオン性の有無に関わらず用いることができる。
具体的には、アニオン界面活性剤として例えば、セッケン用素地、ラウリン酸ナトリウム等の脂肪酸セッケン、ラウリル硫酸ナトリウム等の高級アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレン(以下、POEと略する)ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン酸、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、POEステアリルエーテルリン酸塩等のリン酸エステル塩、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等の高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸化塩、POEアルキルエーテルカルボン酸塩、POEアルキルアリルエーテルカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、二級アルコール硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、ロウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム、N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン、カゼインナトリウム等が挙げられる。
【0044】
カチオン界面活性剤として例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム等のジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化セチルピリジウム等のアルキルピリジニウム塩、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモリホニウム塩、POEアルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0045】
両性界面活性剤として例えば、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム等のイミダゾリン系両性界面活性剤、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のベタイン系両性界面活性剤等が挙げられる。
【0046】
親油性非イオン系界面活性剤として例えば、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンセスキオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル、モノステアリン酸グリセリン等のグリセリンポリグリセリン脂肪酸類、モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0047】
親水性非イオン系界面活性剤として例えば、POEソルビタンモノステアレート等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POEソルビットモノオレエート等のPOEソルビット脂肪酸エステル、POEグリセリンモノイソステアレート等のPOEグリセリン脂肪酸エステル類、POEステアリルエーテル、POEコレスタノールエーテル等のPOEアルキルエーテル、POEノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル、プルロニック等のプルアロニック型類、POE・ポリオキシプロピレン(以下、POPと略する)セチルエーテル等のPOE・POPアルキルエーテル、テトロニック等のテトラPOE・テトラPOPエチレンジアミン縮合体、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等のPOEヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体、POEミツロウ・ラノリン誘導体、アルカノールアミド、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、POEアルキルアミン、POE脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル、POEノニルフェニルホルムアルデヒド縮合物、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド、トリオレイルリン酸等が挙げられるが、上記の界面活性剤に限定されるものではない。また、これら界面活性剤は、本発明蛍光性化粧料において1種あるいは2種以上を任意に選択して配合することができる。
【0048】
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t-ブチルアルコール等が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6-ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2-メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等);2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等);2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等);グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等);グリソリッド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POE-テトラハイドロフルフリルアルコール;POP-ブチルエーテル;POP・POE-ブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテルリン酸;POP・POE-ペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。
【0049】
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル-12-ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl-ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
【0050】
紫外線吸収剤としては、例えば、安息香酸系紫外線吸収剤(例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N-ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N-ジエトキシPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAブチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル等);アントラニル酸系紫外線吸収剤(例えば、ホモメンチル-N- アセチルアントラニレート等);サリチル酸系紫外線吸収剤(例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p-イソプロパノールフェニルサリシレート等);桂皮酸系紫外線吸収剤(例えば、オクチルメトキシシンナメート、エチル-4-イソプロピルシンナメート、メチル-2,5-ジイソプロピルシンナメート、エチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、メチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、プロピル-p-メトキシシンナメート、イソプロピル-p-メトキシシンナメート、イソアミル-p-メトキシシンナメート、オクチル-p-メトキシシンナメート(2-エチルヘキシル-p-メトキシシンナメート) 、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート、シクロヘキシル-p-メトキシシンナメート、エチル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、2-エチルヘキシル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、グリセリルモノ-2-エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメート等);ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2'- ジヒドロキシ-4- メトキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- メトキシ-4'-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸塩、4-フェニルベンゾフェノン、2-エチルヘキシル-4'-フェニル-ベンゾフェノン-2-カルボキシレート、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、4-ヒドロキシ-3-カルボキシベンゾフェノン等);3-(4'-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー;2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール;2,2'-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール;2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル) ベンゾトリアゾール;2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニルベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;4-メトキシ-4'-t-ブチルジベンゾイルメタン;5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン、ジモルホリノピリダジノン等が挙げられる。
【0051】
単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D-グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等);四炭糖(例えば、D-エリトロース、D-エリトルロース、D-トレオース、エリスリトール等);五炭糖(例えば、L-アラビノース、D-キシロース、L-リキソース、D-アラビノース、D-リボース、D-リブロース、D-キシルロース、L-キシルロース等);六炭糖(例えば、D-グルコース、D-タロース、D-ブシコース、D-ガラクトース、D-フルクトース、L-ガラクトース、L-マンノース、D-タガトース等);七炭糖(例えば、アルドヘプトース、ヘプロース等);八炭糖(例えば、オクツロース等);デオキシ糖(例えば、2-デオキシ-D-リボース、6-デオキシ-L-ガラクトース、6-デオキシ-L-マンノース等);アミノ糖(例えば、D-グルコサミン、D-ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等);ウロン酸(例えば、D-グルクロン酸、D-マンヌロン酸、L-グルロン酸、D-ガラクツロン酸、L-イズロン酸等)等が挙げられる。
【0052】
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、グンチアノース、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α-トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類等が挙げられる。
【0053】
多糖としては、例えば、セルロース、クインスシード、コンドロイチン硫酸、デンプン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、アラビアガム、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、キサンタンガム、ムコイチン硫酸、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、カロニン酸等が挙げられる。
【0054】
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム) 、アシルグルタミン酸塩、アシルβ-アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
【0055】
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル−1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール等が挙げられる。
高分子エマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、アクリルレジン液、ポリアクリルアルキルエステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン、天然ゴムラテックス等が挙げられる。
【0056】
pH調整剤としては、例えば、乳酸−乳酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウム、コハク酸−コハク酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、B1、B2、B6、C、Eおよびその誘導体、パントテン酸およびその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
【0057】
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0058】
その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン等);消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);美白剤(例えば、胎盤抽出物、ユキノシタ抽出物、アルブチン等);各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);血行促進剤(例えば、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等);抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等);抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等)等が挙げられる。
【0059】
さらに、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リンゴ酸等の金属封鎖剤、カフェイン、タンニン、ベラパミル、トラネキサム酸及びその誘導体、甘草、カリン、イチヤクソウ等の各種生薬抽出物、酢酸トコフェロール、グリチルレジン酸、グリチルリチン酸及びその誘導体又はその塩等の薬剤、ビタミンC、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸グルコシド、アルブチン、コウジ酸等の美白剤、アルギニン、リジン等のアミノ酸及びその誘導体、フルクトース、マンノース、エリスリトール、トレハロース、キシリトール等の糖類等も適宜配合することができる。
【0060】
本発明の化粧料は、外皮に適用される化粧料に広く適用することが可能である。その剤型は任意であり、溶液系、可溶化系、乳化系、粉末分散系、水-油二層系、水-油-粉末三層系、ゲル、エアゾール、ミスト、及びカプセル等、任意の形態で提供されることができる。また、本発明の化粧料の製品形態も任意であり、化粧水、乳液、クリーム、パック等のフェーシャル化粧料;ファンデーション、おしろい、頬紅、口紅、アイシャドー、アイライナー、マスカラ、サンスクリーン等のメーキャップ化粧料;美爪料;ボディー化粧料;芳香化粧料;メーク落とし、洗顔料、ボディーシャンプー等の皮膚洗浄料;ヘアーリンス、シャンプー等の毛髪化粧料;軟膏;浴用剤等、従来皮膚外用剤に用いるものであればいずれの形で適用することもできる。
【0061】
本発明の蛍光性化粧料は、シュウ酸及び/又はその誘導体を含む第1剤、及び過酸化水素を含む第2剤からなる2剤型である。反応が進まないよう両剤は分けた状態で保存される。両剤は、使用時に混合して適用することも、別々に順に適用することもできる。
両剤は、別々の小容器に収納してさらに両剤が同時に押し出されるように一つの容器に収納した構成とすることも可能である。また、両剤を仕切りのある噴霧形の容器に収納し、噴霧させる際に1つの押しボタンで両剤が同時に噴霧できるような構造とすることも可能である。
次に実施例等を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれによって、その技術的範囲が限定されるものではない。なお、配合量は特に断らない限り、質量%で表す。
【実施例1】
【0062】
<溶媒の種類と蛍光性>
表2に記載の各種溶媒を使用して、表1の処方における蛍光性を試験した。
〔蛍光性の評価基準〕
◎:透明均一系で発光も良好
○:均一系で発光するも混濁状態
△:発光するも二層に分離
×:発光せず
(表1) (質量%)
処方 第1剤 第2剤
――――――――――――――――――――――――――――――――――
表2に記載の溶媒 99.0 77.5
30%過酸化水素水 1.0 ―――
2,4−ジニトロフェニルシュウ酸エステル ――― 0.4
9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン ――― 0.1
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル ――― 20.0
――――――――――――――――――――――――――――――――――
第1剤と第2剤の混合比 1:1
【0063】
(表2)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試験例1 コハク酸ジエトキシエチル ◎
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試験例2 一般式(I)のアルキレンオキシド誘導体 ◎
(POE(14)POP(7)ジメチルエーテル)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試験例3 マカデミアナッツ油 ×
(TZオイルTM:日本油脂KK社製)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試験例4 ジメチルポリシロキサン ×
(シリコーン96A−6TTM:信越工業株式会社製)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試験例5 メチルフェニルポリシロキサン ×
(シリコーンKF56TM:信越化学工業株式会社製)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試験例6 ホハバ油 ×
(精製NMオイルTM:太陽化学KK社製)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試験例7 2−エチルヘキサン酸セチル ×
(CIOTM:日光ケミカルズ社製)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試験例8 ジカプリン酸ネオペンチルグリコール ×
(エステモールN−01TM:日清オイリオグループ株式会社製)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試験例9 リンゴ酸ジイソステアリル ×
(コスモール222TM:日清オイリオグループ株式会社製)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試験例10 トリオクタン酸トリメチロールプロパン ×
(RA−TM308TM:日本精化株式会社製)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試験例11 テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット ×
(RA−PE408TM:日本精化株式会社製)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試験例12 ピバリン酸トリプロピレングリコール △
(サラコスTPGTM:日清オイリオグループ株式会社製)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試験例13 ジペンタエリスリット脂肪酸エステル(1) ×
(コスモール168ARTM:日清オイリオグループ株式会社製)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試験例14 セバシン酸ジイソプロピル △
(エセラン200TM:日本精化株式会社製)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0064】
下記一般式(I)で表されるアルキレンオキシド誘導体、又はコハク酸ジエトキシエチルを溶媒とした試験例1,2においては、蛍光性(緑色発光)が確認された。これに対し、その他の溶媒では蛍光性が確認されなかった。
【実施例2】
【0065】
<ゲル化剤の種類とゲル化能>
表4に記載の各種溶媒及びゲル化剤を使用して、表3の処方におけるゲル化能を試験した。
〔ゲル化能の評価基準〕
◎:良好なゲルとなる
○:ゲル化するも◎に比べ効果は弱い
△:溶解するもゲル化せず
×:溶解せず
(表3) (質量%)
処方 第1剤 第2剤
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
表4に記載の溶媒 94.0 72.5
表4のゲル化剤 5.0 5.0
30%過酸化水素水 1.0 ―――
2,4−ジニトロフェニルシュウ酸エステル ――― 0.4
9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン ――― 0.1
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル ――― 20.0
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
第1剤と第2剤の混合比 1:1
【0066】
(表4)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
溶 媒
POE(14)POP(7) コハク酸
ジメチルエーテル ジエトキシエチル
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ゲル化剤
試験例15 疎水変性ポリエーテルウレタン
(アデカノールTM:旭電化工業株式会社製)
◎ ○
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試験例16 無水ケイ酸
(アエロジルTM:東新化成株式会社製)
× ×
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試験例17 ポリアクリル酸 × ×
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試験例18 寒天 ○ △
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試験例19 パルチミン酸デキストリン(レオパールKLTM
× ×
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試験例20 ベヘン酸/エイコサン二酸グリセリル
(ノムコートHK−GTM:日清オイリオグループ株式会社製)
× ×
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試験例21 12−ヒドロキシステアリン酸
× ×
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0067】
アルキレンオキシド誘導体及びコハク酸ジエトキシエチルは、水溶性の高い油分であるため、一般的な油性増粘剤では増粘することができず(試験例19〜21)、一方で水性増粘剤でも十分に増粘することはできない(試験例16〜18)。しかしながら、試験例15のように疎水変性ポリエーテルウレタンを用いることにより、ゲル化することができた。また試験例15においては、固化することはなく、蛍光性も発揮された。
【実施例3】
【0068】
<濃度と蛍光性>
シュウ酸化合物と過酸化水素の濃度を変えて、蛍光性を試験した。結果を表5に示す。
(表5) (質量%)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(1)一般式(I)で表されるアルキレンオキシド誘導体 残余 残余 残余
(POE・POPランダム重合体メチルエーテル)
(2)疎水変性ポリエーテルウレタン 5.0 5.0 5.0
(アデカノールGT-700TM:旭電化社製)
(3)30%過酸化水素水 0.075 0.2 0.4
(4)2,4−ジニトロフェニルシュウ酸エステル 0.025 0.05 0.1
(5)9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン 0.05 0.05 0.05
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
蛍光性 (直後) ◎ ◎ ◎
(30分後) △ ◎ ◎
(1時間後) × ◎ ◎
(2時間後) × ○ ◎
(4時間後) × × ○
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0069】
蛍光性には濃度依存性があり、シュウ酸化合物と過酸化水素の濃度を変えることにより、蛍光時間を適宜変化できることが確認された。
【実施例4】
【0070】
美爪料(図2):粘度40000mPa・s
(処方)
第1剤 (質量%)
――――――――――――――――――――――――――――――――――
(1)一般式(I)で表されるアルキレンオキシド誘導体 残余
(POE・POPランダム重合体メチルエーテル)
(2)疎水変性ポリエーテルウレタン 5.0
(アデカノールGT-700TM:旭電化社製)
(3)30%過酸化水素水 0.8
(4)9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン 0.05
――――――――――――――――――――――――――――――――――
第2剤
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
(1)一般式(I)で表されるアルキレンオキシド誘導体
POE・POPランダム重合体メチルエーテル 残余
(2)疎水変性ポリエーテルウレタン 5.0
(アデカノールGT-700TM:旭電化社製)
(3)ニトロセルロース 5.0
(4)2,4−ジニトロフェニルシュウ酸エステル 0.2
(5)9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン 0.05
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
(製法)
ディスパー攪拌機にて4000rpm・3min.でそれぞれのパーツ(1剤・2剤)を攪拌混合する。
【実施例5】
【0071】
ヘアスタイリング剤:粘度20000mPa・s
(処方)
第1剤 (質量%)
――――――――――――――――――――――――――――――――――
(1)一般式(I)で表されるアルキレンオキシド誘導体 残余
(POE・POPランダム重合体メチルエーテル)
(2)疎水変性ポリエーテルウレタン 3.0
(アデカノールGT-700TM:旭電化社製)
(3)30%過酸化水素水 0.8
(4)9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン 0.05
――――――――――――――――――――――――――――――――――
第2剤
――――――――――――――――――――――――――――――――――
(1)一般式(I)で表されるアルキレンオキシド誘導体 残余
(POE・POPランダム重合体メチルエーテル)
(2)疎水変性ポリエーテルウレタン 3.0
(アデカノールGT-700TM:旭電化社製)
(3)ビニルアセテート・ビニルピロリドン共重合体 3.0
(4)2,4−ジニトロフェニルシュウ酸エステル 0.2
(5)パール剤 0.05
(6)9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン 0.1
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
(製法)
ディスパー攪拌機にて4000rpm・3min.でそれぞれのパーツ(1剤・2剤)を攪拌混合する。
【実施例6】
【0072】
ボディグリッター:粘度10000mPa・s
(処方)
第1剤 (質量%)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(1)一般式(I)で表されるアルキレンオキシド誘導体 残余
(POE・POPランダム重合体メチルエーテル)
(2)疎水変性ポリエーテルウレタン 2.0
(アデカノールGT-700TM:旭電化社製)
(3)30%過酸化水素水 0.8
(4)9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン 0.05
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
第2剤
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(1)一般式(I)で表されるアルキレンオキシド誘導体 残余
(POE・POPランダム重合体メチルエーテル)
(2)疎水変性ポリエーテルウレタン 2.0
(アデカノールGT-700TM:旭電化社製)
(3)グリセリン 2.0
(4)2,4−ジニトロフェニルシュウ酸エステル 0.2
(5)9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン 0.05
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(製法)
ディスパー攪拌機にて4000rpm・3min.でそれぞれのパーツ(1剤・2剤)を攪拌混合する。
上記実施例4〜6の蛍光性化粧料は、いずれも十分な蛍光性を有し、且つ安全性が高く皮膚刺激性のないものであった。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明における発光のメカニズムを示した図である。
【図2】本発明における美爪料を示した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)で表されるアルキレンオキシド誘導体及びコハク酸ジエトキシエチルからなる群より選択される1種又は2種以上を溶媒の主成分とし、シュウ酸及び/又はその誘導体を含む第1剤と、
下記一般式(I)で表されるアルキレンオキシド誘導体及びコハク酸ジエトキシエチルからなる群より選択される1種又は2種以上を溶媒の主成分とし、過酸化水素を含む第2剤とからなり、
上記第1剤及び/又は第2剤に蛍光物質を含むことを特徴とする蛍光性化粧料。
(化1)
O―[(AO)(EO)]―R ・・・(I)
(式中、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、m及びnはそれぞれ前記オキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦m≦70、1≦n≦70である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は、20〜80質量%である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基はブロック状に付加していてもランダム状に付加していてもよい。R,Rは、同一もしくは異なってもよく、炭素数1〜4の炭化水素基又は水素原子であり、R及びRの炭化水素基数に対する水素原子数の割合は0.15以下である。)
【請求項2】
請求項1記載の化粧料において、下記一般式(II)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンを第1剤及び/又は第2剤に含有することを特徴とする蛍光性化粧料。
(化2)
―{(OR)OCONHR[NHCOO(RO)]} ・・・(II)
(式中、R、R及びRは、互いに同一でも異なっても良く炭化水素基を表し、Rはウレタン結合を有しても良い炭化水素基を表し、Rは直鎖、分岐鎖又は2級の炭化水素基を表し、pは2以上の数であり、hは1以上の数であり、j及びkは独立に0〜1000の範囲の数である)
【請求項3】
請求項2記載の化粧料において、前記疎水変性ポリエーテルウレタンの配合量が、化粧料全量に対して1.0〜10.0質量%であることを特徴とする蛍光性化粧料。
【請求項4】
請求項1〜3記載の化粧料において、25℃における粘度が5000〜50000mPa・sであることを特徴とする美爪料。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−249012(P2006−249012A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−69036(P2005−69036)
【出願日】平成17年3月11日(2005.3.11)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】