説明

蛍光性樹脂組成物及びその製造方法

【課題】ブリード現象や色移りがさらに起こり難く、蛍光強度が長期にわたって低下し難い蛍光性樹脂組成物及びその製造方法、並びにそれらに用いることが可能な蛍光性高分子化合物を提供する。
【解決手段】デシプラミンを主鎖に持つポリマーとポリエステルとをイソシアネート化合物で架橋する。こうして、蛍光性樹脂組成物を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光性樹脂組成物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プラスチックに蛍光性を付与するために、様々な有機系の蛍光性化合物が利用されている(特許文献1参照)。
【0003】
しかし、上記従来の有機系の蛍光性化合物は、低分子量の有機化合物を用いているため、この蛍光性化合物を樹脂に練り込んで蛍光性樹脂とした場合、時間の経過と共に樹脂に含有されている蛍光性化合物が樹脂の表面に移動するという、ブリード現象を起こしやすかった。このため、蛍光性化合物が脱離しやすくなり、蛍光性樹脂の蛍光強度が時間とともに低下してしまうという問題があった。また、こうして蛍光性樹脂の表面に移動した蛍光性化合物が、この蛍光性樹脂に接触するものに転写され、色移りを起こすおそれもあった。
【0004】
こうした問題を解決するため、発明者らはフェナザシリン誘導体の重合物等、蛍光性を有する高分子化合物(すなわち蛍光性高分子化合物)を樹脂に練り込んだ蛍光性樹脂組成物を開発している(特許文献2)。この蛍光性樹脂組成物では、蛍光性高分子化合物が樹脂の分子と複雑に絡み合うこととなるため、低分子の有機蛍光性化合物を樹脂に含有させた場合に比べてブリード現象を起こし難くなる。このため、蛍光強度が低下し難くなり、色移りも起こり難くなる。
【特許文献1】特開平7−157691号公報
【特許文献2】特開2004−250536号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献2に記載の、上記蛍光性高分子化合物を単に樹脂に練り込んだだけの蛍光性樹脂組成物では、なおブリード現象や色移りを起こす可能性があり、蛍光強度の長期安定性について問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであり、ブリード現象や色移りがさらに起こり難く、蛍光強度が長期にわたって低下し難い蛍光性樹脂組成物及びその製造方法、並びにそれらに用いることが可能な蛍光性高分子化合物を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の蛍光性樹脂組成物は、蛍光性高分子化合物と基材ポリマーとが、該蛍光性高分子化合物が有する官能基と該基材ポリマーが有する官能基との間で架橋剤によって架橋されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の蛍光性樹脂組成物では、蛍光性高分子化合物と基材ポリマーとが架橋剤によって直接化学結合によって架橋されている。このため、蛍光性高分子と基材ポリマーとを単に溶融混練しただけの蛍光性樹脂組成ものよりもさらにブリード現象が生じ難く、蛍光強度を長期間にわたって維持できる。また、蛍光性高分子が表面に移動することも防止されるため、色移りもし難くなる。
【0009】
基材ポリマーとしては、架橋剤と化学結合するための官能基を有する高分子であれば用いることができる。このような基材ポリマーとして、例えば、ポリエステル樹脂やポリアミド樹脂等、末端にカルボキシ基やアミノ基やヒドロキシ基を有するポリマーが挙げられる。これらの樹脂はそれらの末端官能基に架橋剤を結合させることができる。基材ポリマーとして架橋剤と化学結合するための官能基を有する生分解性高分子を用いることもできる。このような生分解性高分子として、例えば、ポリ乳酸、澱粉、酢酸セルロース、(キトサン/セルロース/澱粉)、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリ(ブチレンサクシネート/カーボネート)、ポリエチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート/テレフタレート)、ポリビニルアルコール等の合成高分子系の生分解性プラスチックや、ポリ( ヒドロキシブチレート/ヒドロキシバリレート)等が挙げられる。これらの生分解性樹脂は、土壌中で微生物によって分解されるため、環境問題を生じ難いという利点がある。
【0010】
蛍光性高分子化合物は、架橋剤と結合可能な官能基を有し、蛍光性を有する高分子であれば用いることができる。例えば、架橋剤と結合可能な官能基としてアミノ基を有するフェナザシリン誘導体の重合物やフェナザシリン誘導体を含む共重合物を挙げることができる。フェナザシリン誘導体の重合物及びフェナザシリン誘導体を含む共重合物は、ブラックライト等によって紫外線を照射されることにより、効率よく蛍光を発する性質を有している。また、これらの重合物及び共重合物は、ベンゼン環同士が架橋された構造を有することから、優れた耐熱性を示す。このため、従来の有機系の蛍光物質で問題となっていた、加熱による蛍光性の低下がそれほど生じない。さらに、これらの重合物や共重合物は、従来の有機系の蛍光物質と異なり、それ自身可視光領域に吸収を持ち、色を有している。このため、太陽光下での色と、ブラックライト等によって紫外線を照射した時の色とが異なることになり、色の変化による意匠性の演出が可能となる。また、これらの重合物や共重合物はガラス転移点が高く、他の樹脂との相溶性にも優れているため、ブリード現象を起こし難い。
【0011】
蛍光性高分子化合物は下記構造式(式中、Rは少なくとも1つのアミノ基を有するアルキル基又は少なくとも1つのアミノ基を有するアリール基)で示される蛍光性高分子化合物とすることもできる。
【化1】

このような化合物として、例えば下記構造式(式中、R’はアルキル基)で示される蛍光性高分子化合物が挙げられる。
【化2】

【0012】
蛍光性高分子化合物は下記構造式(式中、R’’は少なくとも1つのアミノ基を有するアルキル基又は少なくとも1つのアミノ基を有するアリール基であり、Arは置換されていてもよい二価のアリール基である)で示される蛍光性高分子化合物とすることもできる。
【化3】

【0013】
このような化合物として、例えば下記構造式(式中、R’’’はアルキル基であり、Arは置換されていてもよい二価のアリール基である)で示される蛍光性高分子化合物が挙げられる。
【化4】

【0014】
さらに、具体的には、下記構造式で示される蛍光性高分子化合物が挙げられる。
【化5】

【0015】
また、Arで表される二価のアリール基としては、o−、p−フェニレン、チオフェン−2,5−ジイル、チオフェン−2,3−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,3−ジイル、ピリジン−4,5−ジイル、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−1,2−ジイル、ナフタレン−1,7−ジイル、アントラセン−9,10−ジイル、アントラセン−1,4−ジイル、アントラセン−2,6−ジイル、アントラセン−1,7−ジイル、ビフェニレン−4,4’−ジイル,フルオレン―2,7ジイルが挙げられ、これらの芳香族化合物の芳香環上が置換された化合物も含まれる。
【0016】
また、架橋剤としては、蛍光性高分子化合物と基材ポリマーとを化学結合によって架橋できるものであれば用いることができる。このような架橋剤としては、例えば一分子中に複数のイソシアナート基を有するイソシアナート化合物や、一分子中に複数のエポキシ基を有するエポキシ化合物等が挙げられる。
こうした多官能イソシアナート化合物としては、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアナート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、3−イソシアナートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアナート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアナート、2,6−ジイソシアナートヘキサン酸メチルエステル、2−イソシアナートエチル−2,6−ジイソシアナートカプロエート、3−イソシアナートプロピル−2,6−ジイソシアナートカプロエート等の脂肪族イソシアナート類、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、2,4−トリレンジイソシアナートと2,6−トリレンジイソシアナートとの混合イソシアナート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、水素化ジェフェニルメタンジイソシアナート、ジフェニルメチルメタンジイソシアナート、1,3−フェニレンジイソシアナート、1,5−ナフチレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート等の芳香族イソシアナート類、トリメチロールプロパンとトルイレンジイソシアナートとのアダクト体、トリメチロールプロパンと1,6−ヘキサメチレンジイソシアナートとのアダクト体、等のトリイソシアナート類が挙げられる。またこれらのイソシアナートが互いに結合した化合物であるイソシアヌレート型イソシアナート、アダクト型イソシアナート及びビュレット型イソシアナートを用いることもできる。さらには、上記のイソシアナートの中の1種もしくは2種以上を用いることもできる。
【0017】
これらの多官能イソシアナートの中から、基材ポリマーの特性に応じて、適宜選択することができる。例えば、生分解性に優れた難燃性ポリ乳酸樹脂組成物を目的とする場合には、微生物によって分解がし易い、芳香環を含有しない脂肪族系の多官能イソシアナート化合物を選択する。
【0018】
また、1分子中に3つのイソシアナート基を有する2−イソシアナートエチル−2,6−ジイソシアナートカプロエート(LTI)も好ましい。この多官能イソシアナートは分子中に3つの官能基を有するため、基材ポリマーどうしの共鎖延長を生じる可能性が高くなるためである。
【0019】
基材ポリマーとしてポリ乳酸を用いる場合、使用者が自ら合成してもよいが、入手のし易さから市販されているものを用いることも可能である。具体的には、Cargill−DOW社製のNatu re Works(登録商標) 、トヨタ自動車(株)製のU’z(登録商標)、(UCC 社製のTONE(登録商標) 、島津製作所( 株)製のラクティ(登録商標) 、ユニチカ(株)製のテラマック(登録商標) 、三井化学(株)製のレイシア(登録商標)、カネボウ合繊社製ラクトロン(登録商標) 、三菱樹脂社製のエコロージュ(登録商標)、クラレ(株)社製のプラスターチ(登録商標)、東セロ(株)社製のパルグリーン(登録商標)等が挙げられる。また、ポリ乳酸はL体、D体、ラセミ体のいずれであっても良い。
【0020】
基材ポリマーとしてポリ乳酸を用いる場合には、重量平均分子量が50 ,000〜1000,000の範囲のものが好ましい。かかる範囲を下回るものでは機械的強度が弱くなり、それ以上の分子量のものは、加工性の劣るものとなってしまうためである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の蛍光性樹脂組成ものは、蛍光性高分子化合物と基材ポリマーとを架橋剤によって架橋することによって得ることができる。架橋方法については特に限定されるものではないが、工業的には連続的に処理できる方法が好ましい。具体的には、例えば、上記の成分を所定の割合で混合したものを一軸スクリュー押出機や二軸混練押出機などで溶融し、直ちに成形して成形品とすることができる。また、上記の成分を所定の割合で量り取り、溶剤によって均一に溶解してから溶媒を留去させてもよいが、多官能イソシアナート化合物には水分等との反応性の高いイソシアナート基を含有するため、水分を含まない溶媒を用いる必要がある。
【0022】
また、架橋剤は、蛍光性高分子化合物と基材ポリマーとを加熱溶融混合した後に添加し、再度加熱溶融混合してもよいし、全ての成分を同時に加熱溶融混合してもよい。
【0023】
本発明の蛍光性樹脂組成物には、発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて副次的な添加物を加えて様々な改質を行うことが可能である。副次的な添加物の例としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、顔料、抗菌剤、安定剤、静電剤、難燃剤、核形成材、各種フィラー等その他の類似のものが挙げられる。
【0024】
以下、本発明をさらに具体化した実施例について比較例と比較しつつ説明する。
(実施例1)
実施例1では、ポリデシプラミンとポリカプロラクトンとを4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下MDI)で架橋することにより、蛍光性樹脂組成物を合成した。ポリデシプラミンが蛍光性高分子であり、ポリカプロラクトンが基材ポリマーである。製造方法の詳細を以下に示す。
−ポリデシプラミンの合成−
デシプラミン塩酸塩605.7mg(2mmol)を、過硫酸アンモニウム4mmol(910mg)を含む1M過塩素酸リチウム水溶液中20mlに加えて2日間撹拌して得られた粉末を、ヒドラジン水溶液、水及びメタノールで洗浄した。こうして得られた粉末を減圧乾燥することにより、ポリデシプラミン218mg(モノマー単位として1.45mmol)を得た。
【化6】

【0025】
−ポリデシプラミンとポリカプロラクトンとの架橋反応−
上述のようにして得られたポリデシプラミンと市販のポリカプロラクトンとをMDIで架橋した。すなわち、MDI(0.25 g)とポリカプロラクトン(分子量500)(0.45 g)とをトルエン10 mlに溶解し、100°Cで4時間撹拌した後、上記の方法で得られたポリデシプラミン(39 mg)を加えてさらに1時間撹拌した。その後、反応混合物をメタノールに加え、析出した粉末をろ過して乾燥した。
架橋剤のイソシアナート基は、デシプラミンの2級のアミノ基と尿素結合するとともに、ポリカプロラクトンのカルボキシル基とアミド結合したり、ポリカプロラクトンのヒドロキシ基とウレタン結合したりして、ポリデシプラミンとポリカプロラクトンとが架橋される。
【0026】
(比較例1)
比較例1では、ポリデシプラミンを添加することなくポリカプロラクトンのみをMDIで架橋した。架橋方法は、ポリデシプラミンを添加しなかったこと以外は実施例1と同様であり、MDI(0.25g)とポリカプロラクトン(分子量500)(0.45g)とをトルエン10mlに溶解し、100°Cで4時間撹拌した後、反応混合物をメタノールに加え、析出した粉末をろ過して乾燥した。
【0027】
<評価>
こうして得られた実施例1の蛍光性ポリカプロラクトン組成物の重量平均分子量をGPCで測定したところ、49700(ポリスチレン換算)であった。これに対して、比較例1のポリカプロラクトン組成物は38300で、実施例1より小さかった。この結果は、実施例1の蛍光性ポリカプロラクトン組成物は、ポリカプロラクトンとポリデシプラミンとがMDIによって架橋されて分子量が大きくなったことにより説明できる。また、蛍光スペクトルを蛍光分光光度計(日立製作所製F-4010)を用いて測定した。その結果、図1に示すように406nmで最大となる蛍光が観測された。
【0028】
以上の試験結果から、実施例1の蛍光性ポリカプロラクトン組成物は、蛍光性高分子であるポリデシプラミンがポリカプロラクトンとMDIによって架橋されていると考えられる。そのため、蛍光性高分子と基材ポリマーとを単に溶融混錬しただけの蛍光性樹脂組成物よりもさらにブリード現象が生じ難く、蛍光強度を長期間にわたって維持できると考えられる。また、蛍光性高分子が表面に移動することも防止されるため、色移りもし難くなる。
【0029】
(実施例2)
上述のようにして得られたポリデシプラミンと市販のポリカプロラクトンとをLTIで架橋した。すなわち、LTI(0.53 g)とポリカプロラクトン(分子量500)(0.9 g)とをN,N-ジメチルホルムアミド10 mlに溶解し、100°Cで1時間撹拌した後、上記の方法で得られたポリデシプラミン(79 mg)を加えてさらに1時間撹拌した。その後、反応混合物をメタノールに加え、析出した粉末をろ過して乾燥した。
得られた化合物のDMF溶液は408nmに蛍光極大波長を示した。蛍光スペクトルは図2に示すとおりである。
【0030】
(実施例3)
実施例3では、ポリデシプラミンとポリ乳酸とを4,4’−ジフェニルメタンイソシアネートで架橋して、蛍光性樹脂組成物を合成した。ここで、ポリデシプラミンが蛍光性高分子であり、ポリ乳酸が基材ポリマーである。製造方法の詳細は以下のとおりである。
【0031】
−ポリデシプラミンとポリ乳酸との架橋反応−
実施例1の場合と同様の方法により合成したポリデシプラミン(3mg)と、市販のポリ乳酸(島津製作所製ラクティ 30g)と、MDI(15mg)とをビーカーに入れて混合し、さらに溶融混練機によってペレットを作製し、さらに射出成形することにより、ダンベル形状の実施例2の試料片を作製した。
【0032】
こうして得られた実施例2の蛍光性樹脂組成物について、蛍光スペクトルを蛍光分光光度計(日立製作所製F-4010)を用いて測定した。その結果、図3に示すように、417nmで最大となる蛍光が観測された。また、得られた試験片の分子量は82000であった。
【0033】
(実施例4)
【化7】

窒素雰囲気下で、2,8-ジブロモデシプラミン塩酸塩(230 mg,0.5 mmol)とジドデシルジボロン酸(295 mg,0.5 mmol)をトルエン(10mL)に溶かし、さらに1M 炭酸ナトリウム水溶液11 mLを加え、さらにPd(PPh3)4 32 mgを加えた。反応混合物を90℃に昇温させ、72時間かくはんした。反応溶液にクロロホルムと水を加えて分液して有機層を抽出し、有機層を濃縮した後にメタノールに再沈殿させることにより、301mgのコポリマーを黄色粉末として得た。
【0034】
−成型体の作成−
ポリ乳酸(PLA)(30g)、ポリデシプラミン(3mg)、MDI(15mg)をビーカーに混ぜて、混練機によりペレットの作成を行い、さらに180℃で押出成型することにより試験片の作製を行った。得られた試験片の分子量は81000であった。試験片は402nmに極大波長を示した。蛍光スペクトルを図4に示す。
【0035】
比較例2
ポリ乳酸(PLA)(30g)、MDI(15mg)をビーカーに混ぜて、混練機によりペレット作成を行い、さらに200℃で押出成型することにより試験片の作製を行った。
試験片の分子量は55000であった。
【0036】
この発明は、上記発明の実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】実施例1の蛍光性樹脂組成物の蛍光スペクトルである。
【図2】実施例2の蛍光性樹脂組成物の蛍光スペクトルである。
【図3】実施例3の蛍光性樹脂組成物の蛍光スペクトルである。
【図4】実施例4の蛍光性樹脂組成物の蛍光スペクトルである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光性高分子化合物と基材ポリマーとが、該蛍光性高分子化合物が有する官能基と該基材ポリマーが有する官能基との間で架橋剤によって架橋されていることを特徴とする蛍光性樹脂組成物。
【請求項2】
蛍光性高分子化合物は下記構造式(式中、Rは少なくとも1つのアミノ基を有するアルキル基又は少なくとも1つのアミノ基を有するアリール基)で示されることを特徴とする請求項1記載の蛍光性樹脂組成物。
【化1】

【請求項3】
蛍光性高分子化合物は下記構造式(式中、R’はアルキル基)で示されることを特徴とする請求項2記載の蛍光性高分子化合物。
【化2】

【請求項4】
蛍光性高分子化合物は下記構造式(式中、R’’は少なくとも1つのアミノ基を有するアルキル基又は少なくとも1つのアミノ基を有するアリール基であり、Arは置換されていてもよい二価のアリール基である)で示されることを特徴とする請求項1記載の蛍光性樹脂組成物。
【化3】

【請求項5】
蛍光性高分子化合物は下記構造式(式中、R’’’はアルキル基であり、Arは置換されていてもよい二価のアリール基である)で示されることを特徴とする請求項4記載の蛍光性高分子化合物。
【化4】

【請求項6】
架橋剤は一分子中に複数のイソシアナート基を有するイソシアナート化合物であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の蛍光性樹脂組成物。
【請求項7】
基材ポリマーはポリエステルであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の蛍光性樹脂組成物。
【請求項8】
基材ポリマーはポリ乳酸であることを特徴とする請求項7項記載の蛍光性樹脂組成物。
【請求項9】
基材ポリマーはポリカプロラクトンであることを特徴とする請求項7項記載の蛍光性樹脂組成物。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の蛍光性高分子化合物と基材ポリマーとを、該蛍光性高分子化合物が有する官能基と該基材ポリマーが有する官能基との間で架橋剤によって架橋することを特徴とする蛍光性樹脂組成物の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−231135(P2008−231135A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−68174(P2007−68174)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成18年度、経済産業省、地域新生コンソーシアム研究開発事業委託研究、産業再生法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(591270556)名古屋市 (77)
【Fターム(参考)】