説明

蛍光検出で使用されるパルス光源用のシステムおよび方法

ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を遂行するためにDNAの熱サイクル中に個別的に、連続的に、または断続的に生物学的材料の複数の試料(94)から蛍光を検出する際に使用されるパルス光源(40)用のシステムおよび方法。生物学的材料の少なくとも1つの試料(94)を試料抽出する装置が、試料(94)と相互作用するパルス励起光(42)を放出する光源(40)と、試料(94)から放出された蛍光に敏感な検出器(50)とを備える。蛍光を検出するために少なくとも1つの試料(94)を試料抽出する方法が、パルス光源(40)でパルス励起光(42)を発生するステップと、パルス励起光(42)を試料(94)の中へ誘導するステップと、発光を発生させるためにパルス励起光(42)で試料(94)を照射するステップと、発光の光学的特徴を検出するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2005年5月4日出願の米国特許仮出願第60/677,747号の利益を主張するものであり、該仮出願の全体を参照により本願明細書に組み込む。
【0002】
(分野)
本発明は、複数の試料を走査する装置に関し、さらに詳細には蛍光検出で使用されるパルス光源用のシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
当業ではDNA試料の熱サイクルに関する技術が知られている。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行うことにより、DNAが増幅され得る。特別に構成された液体生物学的反応混合物の中のDNAを首尾よく増幅するために、特定の持続時間および温度範囲に渡り、この液体混合物を熱サイクルにかけることが望ましい。熱サイクルとは、DNAを溶解し、得られる1本鎖に短いプライマをアニーリングさせ、次いで2本鎖DNAの新たな複製を作成するために、これらのプライマを伸長する工程である。液体反応混合物は、高い温度で溶解し、アニーリングさせ、次いでより低い温度で伸長する当該工程に反復してかけられる。
【0004】
典型的な熱サイクル装置では、DNAを含む生物学的反応混合物が、熱ブロック組立体上の多数の試料ウェルの中に提供される。定量的PCR(qPCR)は、蛍光発生プローブを使用してDNAを検知する。qPCR用に設計された器具は、小容積の試料(例えば、約25μl)中で約1nMのこれらのプローブを検出できなければならない。検出方法は、qPCRに必要とされる熱サイクルに適合性がなければならない。検出方法はまた、同じ試料中の幾つかの蛍光発生プローブを識別できなければならない。
【0005】
qPCR器具または方法の蛍光検出の感度を高めると、より迅速に、すなわち、より少ない熱サイクルの後にDNAの検出を可能とすることによって、この器具または方法の有用性が向上する。感度が非光学的ノイズ(主として電子機器ノイズ)および/もしくは散射ノイズによって限定される器具または方法は、しばしばより高い強度の光源から利益を受ける。しかし輝度がより高い光源は、しばしばより高価であり、より大きな電源を必要とし、放散されねばならないより多くの熱量を発生し、かつ寿命がより短い。
【0006】
従来技術は、一定に留まる光源を使用する器具および方法を含む。Oldhamらへの米国特許第6,563,581号は、試料トレイ中の複数の試料から放出された蛍光を検出するシステムを開示する。Woudenbergらへの米国特許第6,015,674号は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などの核酸増幅工程からのポリヌクレオチド産物を実時間で測定するシステムを開示する。
【0007】
従来技術のシステムおよび方法の感度は、光源をパルス発振(pulsing)させることによって向上させることができた。したがって、当業では複数の試料を走査するためのパルス光源用の装置および方法に対する要望が存在する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(概要)
蛍光検出で使用されるパルス光源用のシステムおよび方法が、本明細書で開示される。
【0009】
本明細書で例示された態様によれば、生物学的材料の少なくとも1つの試料を試料抽出する装置であって、この少なくとも1つの試料と相互作用する励起光を画定された間隔で放出する少なくとも1つの光源と、この少なくとも1つの試料から放出された蛍光に敏感な検出器とを備える装置が提供される。
【0010】
本明細書で例示された態様によれば、パルス励起光を発生する少なくとも1つのパルス光源と、少なくとも1つの試料から放出された蛍光に敏感な少なくとも1つの検出器とを備える、少なくとも1つの試料から蛍光を検出するシステムが提供される。
【0011】
本明細書で例示された態様によれば、蛍光を検出するために少なくとも1つの試料を試料抽出する方法であって、パルス光源でパルス励起光を発生するステップと、このパルス励起光を試料の中へ誘導するステップと、発光を発生させるためにパルス励起光で試料を照射するステップと、発光の光学的特徴を検出するステップと、を含む方法が提供される。
【0012】
本発明は、幾つかの図を通して同じ構造が同じ数字によって呼ばれる添付の図面を参照してさらに詳細に説明される。示された図面は、必ずしも一定の尺度に比例しているわけではなく、一般的には本発明の原理を例示することに重点がおかれる。
【0013】
図面は本発明の好ましい実施形態を提示するが、文中に記載されているように本発明の他の実施形態も企図されている。本開示は、限定ではなく、図示することによって本発明の例示的な実施形態を供するものである。本発明の原理の範囲および趣旨の中に入る数多くの他の変型および実施形態が、当業者によって考案され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(詳細な説明)
本明細書では、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)、逆転写−ポリメラーゼ連鎖反応、蛍光検出、または他の核酸増幅型の実験を遂行するためのDNAの熱サイクル中に、生物学的材料の複数の試料から蛍光を検出する際に使用されるパルス光源用のシステムおよび方法が開示される。本システムおよび方法は、熱サイクル中に個別的に、連続的に、または断続的な時間間隔で蛍光を検出することができる。
【0015】
図1は、1つまたは複数の核酸増幅反応の進行を実時間で監視する蛍光に基づくシステムで使用するために、複数の試料を走査するパルス光源30を示す。本システムに使用される増幅方式の種類はそれほど決定的に重要ではないが、一般に本システムは、エキソヌクレアーゼ活性を有する核酸ポリメラーゼ、または監視されている反応の過程時に増加する2本鎖DNAの集団を使用することが必要である。
【0016】
サーマルサイクラは、PCRの単一サイクル、すなわち、鋳型変性、プライマのアニーリング、およびプライマの伸長を構成する温度依存段階を通して、試料の温度を制御しかつ維持するプログラマブル加熱ブロックである。これらの温度は、DNA標的の増幅を実現するために40回以上もサイクルにかけられる。サーマルサイクラは、限定するものではないが、ペルティエ加熱および冷却、抵抗加熱、および受動的な空気または水加熱を含む温度変化を引き起こすために様々な技術を利用する。
【0017】
本明細書で使用されるように、「光学モジュール」とは、限定するものではないが、モジュール方式の光学機器、非モジュール方式の光学機器、および他の任意適切な光学機器を含めて、当業で知られている熱サイクル用システムの光学機器を指す。光学モジュールは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を遂行するためにDNAを熱サイクルにかけた後に;定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)を遂行するためにDNAを熱サイクルにかけている間に個別的に、連続的に、もしくは断続的に;逆転写−ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を遂行するために逆転写反応後にDNAを熱サイクルにかけた後に;逆転写−定量的ポリメラーゼ連鎖反応(RT−qPCR)を遂行するために逆転写反応後にDNAを熱サイクルにかけている間に個別的に、連続的に、もしくは断続的に;または他の核酸増幅型の実験中の蛍光検出に、生物学的材料の複数の試料を走査するために使用され得る。
【0018】
図1は、複数の試料を走査するためのパルス光源を有する例示的な光学モジュール30を示す。この光学モジュール30は、qPCR試料中の蛍光発生プローブを励起するための光源40を含む。蛍光検出の感度は照射の強度に依存する。光学的ノイズが主要ノイズ源になる点まで照射強度を増大すると、読取りの感度が増大する。照射強度の増大には、より多くの電力およびより多くの熱放散が必要である。これらの要件は、光源をパルス発振させることによって軽減可能である。
【0019】
光学モジュール30は、複数の試料から蛍光を検出するために使用される。光学モジュール30は少なくとも光源40と検出器50とを含む。光学モジュール30はまた、励起フィルタ62および放出フィルタ64を含んでもよい。光源40に電力を供給し、かつ検出器50から信号を測定するための電子機器が必要であるが、この電子機器は光学モジュール30に遠くに離して取り付けられる。この電子機器はコンピュータ制御下にあり得る。光学モジュール30は単一の構成要素でもよいし、または複数の組立部品から構成されてもよい。
【0020】
図1の例示的な光学モジュールは、複数の試料チューブ90の1つの上方にあるときに光42を放出するパルス光源40を有する光学モジュール30を示す。本実施形態では、多連光源40が、試料チューブの内容物を照射するために、光学モジュール30の周囲上に配列され、向けられ、かつ合焦される。複数の光線42が光源40から放出される。それぞれの光源40からの光42は、励起フィルタ62を通過し、次いでレンズ72によって試料チューブ90に向かって合焦される。焦点は試料チューブ90の内部のいずれかの箇所が好ましいが、光源40からの光42を試料チューブ90の蓋92を狙って、その上に合焦することが効果的である。
【0021】
光42は、蓋92を通過して試料チューブ90の中へ進入し、そこで光は、qPCRで典型的に使用され、試料チューブ92中の試料94の内部にある蛍光発生プローブを励起して試料に蛍光を発生させる。試料94から放出された蛍光96は、蓋92を通過し、放出フィルタ64を通過して検出器50に到達する。
【0022】
生物学的プローブは、それぞれの熱サイクル中にDNA鎖が自己複製するときに放出された蛍光の量が、試料中のDNA量に関係付けられるように、それぞれのDNA試料の中に配置され得る。適切な光学検出システムが、試料からの発光放射を検出する。放出された蛍光96の量を検出することによって、検出システムは産生されたDNAの量を測定する。それぞれの試料チューブ90からデータが収集されかつコンピュータによって分析され得る。
【0023】
図2はパルス光源を示すが、光学モジュールが試料チューブと試料チューブとの間にあるときに、それは光を放出しない。パルス光源がオフであるとき、光はパルス光源から放出されない。光学モジュールが試料からの蛍光を検出していないときに光源をオフにしても、試料の検出感度に影響を及ぼすことはなく、光源を冷却させ、光源を連続的に動作させることに比べて光源に必要とされる総電力を削減する。パルス光源がオンおよびオフである時点の時間調整は、限定するものではないが、下で論じられる横列パルス発振、試料パルス発振、および高周波パルス発振を含む様々な状況下で、このパルス光源の性能を最適化する機会を提供する。
【0024】
光源40は、広域帯または狭帯域でよく、それは光学モジュール30が、反応、例えば、qPCRで使用されるプローブの濃度を検出できるほどに十分な輝度でなければならない。光源は、例えば、1つもしくは複数のLED、レーザダイオード、レーザ、または白熱光源であり得る。光パルスの持続時間および周波数は、光源の容量と整合しているべきである。白熱光源は、安定状態に到達する前に他の光源よりも長い準備時間が必要であり、白熱光源は、それらに対する電力が円滑に周期変動するとき、より長い寿命を有する。白熱光源は、相対的に低い周波数でもパルス発振が可能であり、依然としてqPCRに有用である。試料の測定は、1熱サイクル当たりほんの数回または場合によっては1回のみ行われるので、低い周波数がqPCRで可能であり、典型的な用途におけるそれぞれの熱サイクルは約30秒以上持続する。その他の光源の寿命は、電力がどれだけ急激に周期変動するかによって受ける影響がはるかに少なく、他の光源は、それらの性能を大して損なうことなく、白熱光源に適切な周波数よりも高い周波数でパルス発振が可能である。
【0025】
それぞれの種類の光源の内部では、同様に配慮を要する異なる容量が使用可能であり得る。例えば、幾つかのレーザは10fsほどのパルス幅を有し、他方では他のレーザが10ns以上のパルスを有する。これらのパルス幅は、高周波パルス発振にまたはロックイン検出に有用である(下でそれぞれが説明される)。これらの用途のいずれにおいても、検出電子機器は、パルス発振周波数に基づいて設計されなければならない。パルス幅は、電子機器の時定数よりも大きくなるべきである。
【0026】
1つの発光ダイオード(LED)または複数のLEDがパルス光源40として特に適切であるが、その理由は、一旦電流がLEDに印加されると、それらが非常に急速に安定し、それらのパルス周波数および持続時間が、値の範囲にわたって制御可能であるからである。LEDとは、電界発光によって光を放出する半導体素子である。LEDとは特殊な種類の半導体ダイオードである。通常のダイオードと同様に、LEDは、pn接合と呼ばれる構造を創出するために、不純物が含浸された、すなわち、ドープされた半導体材料のチップから成る。電荷担体(電子および空孔)が、接合を通過する電流によって創出される。電子が空孔に衝突するとき、その電子はより低いエネルギー準位に落ち込み、エネルギーを光の形態で解放する。
【0027】
LEDは、順方向へ電気的に偏倚されるとき非干渉性の準単色光を放出する。放出された光の色は、使用される半導体材料に応じて、近紫外、可視、または赤外であり得る。放出された光の波長、したがってその色は、pn接合を形成する材料のバンドギャップエネルギーに応じる。典型的にシリコンまたはゲルマニウムから作製された通常のダイオードは、可視の遠赤外光を放出するが、LEDに使用される材料は、近赤外、可視、または近紫外光に対応するバンドギャップエネルギーを有する。
【0028】
検出器50は、試料中の蛍光発生プローブからの蛍光を電圧に変換することによって、その蛍光を検出することができる。検出器は、例えば、フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード(APD)、光電子倍増管(PMT)、または電荷結合素子(CCD)であり得る。フォトダイオードは、最も小型でかつ最も費用の掛からない検出方法に向いている。アバランシェフォトダイオードは、典型的にフォトダイオードよりも信号に対する応答が速いが、動作させるのにより高い電圧を必要とし、かつより高価である。これらのすべての検出器の中で、光電子倍増管が典型的に最も敏感であり、かつ最も高価なものであり、それらは最も高い電圧電源を必要とする。電荷結合素子は、フォトダイオードに匹敵する感度を有し、それらは検出された光に空間分解能を与え、かつそれらはフォトダイオードよりも高価である。パルス光源に使用するための検出器を選択する際に、検出器およびその電子機器は、パルス発振の利点が失われないように、パルス発振に対して十分に迅速に応答するべきである。電子機器および検出器がパルス間で完全に回復できない場合には、光源をパルス発振してもシステムの感度がほとんど向上しない。
【0029】
フィルタ62、64は、使用される場合には、特定の帯域を超える周波数および下回る周波数を減衰する挟域の帯域フィルタであることが好ましい。これらのフィルタは、励起フィルタ62および放出フィルタ64から成るフィルタの整合対であることが好ましい。励起フィルタ62は、対象となる特定の蛍光発生プローブを励起する光を透過し、他のプローブを励起する光を効果的に遮断する。放出フィルタ64は、同じ励起された蛍光発生プローブからの光を効率的に透過するが、他のプローブからの光を効果的に遮断する。フィルタの仕様は光源に応じる。例えば、白熱光源はLED光源よりも広いスペクトルを有するので、白熱光源に使用されるフィルタは、LED光源に使用されるフィルタよりも大きい波長域を減衰する必要がある。
【0030】
電子機器は光源40に電力を供給し、検出器50からの信号を人間またはコンピュータ可読であり得る数字に変換する。図3は、パルス光源のパルス切換え回路の模式図である。光源40をパルス発振させるために、光源に供給された電流がパルス発振される。光源中の変動が、検出された信号の中にノイズを追加するので、あらゆるパルスがほとんど同じ輝度を有するように注意されるべきである。光源を駆動する電流に対するノイズは光源中のかなりの変動源となる恐れがあり、したがって光源を駆動する電流は一定に保たれるべきである。この目標は、定電流回路46の使用によって、図3に示された模式図で実現される。電流変化を低く保つために、定電流回路46は、安定性のある基準電圧47を使用する。
【0031】
定電流回路46は、光源40に電力を供給するために電流パルスを送出することによってパルス光を発生させる。電流パルスは、パルス切換え回路48によって画定されかつ制御される。センサ(例えば、光学モジュールが横列を走査中である時点を検出するセンサ)が、パルス切換え回路が動作中であるかどうかを制御する場合には、イネーブル入力49が使用される。この回路からのパルス発振は、アナログまたはデジタル制御に由来し得る。パルスを制御するアナログ回路は、受動的な電子機器構成要素、スイッチ、および/またはリレーから成る。デジタル回路は、例えば、書替え可能ゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号処理チップ(DSP)、および/またはパルス発振を制御するためのコンピュータプログラムからのプログラムされた命令を使用する。デジタル制御はパルス幅および周波数を試験および最適化するのにより適切な融通性を提供し、他方でアナログ制御はより費用が掛からず、かつより高い周波数に及ぶ。低周波数では(例えば、下で説明する横列パルス発振および試料パルス発振では)、光源がアナログまたはデジタル制御によってパルス発振され得る。プロセッサからのデジタル信号は、電流源がその出力を制御するために使用できる電子的パルスを提供することができる。より高い周波数では、デジタル信号は十分に速いパルスを提供できない恐れがある。これらの周波数でパルス発振させるために、アナログ発振器が必要になり得る。
【0032】
高い周波数では、ロックイン検出を利用することによって感度が高められ得る。ロックイン検出は、画定された周波数の信号を優先的に増幅する。この増幅は、パルス固定回路54で行われるように、図3で模式的に例示される。パルス固定回路54は、検出器(検出器入力52)からの信号をパルス切換え回路48からのパルス列(これは光源40に対する電流を制御するパルスと同期している)に比較する。パルス固定回路54は、他の任意の周波数の信号に比べて、高度に優先的に、パルス切換え回路48からのパルス列と同じ周波数にある検出器50からの検出器入力52信号を増幅する。増幅された信号は、信号電圧を数値に変換しかつ他の分析を行うために、パルス固定回路54からコンピュータ56に送信される。パルス固定回路54およびこのパルス固定回路54へのパルス列は、高周波パルス発振のみに使用される。
【0033】
光学的ノイズが感度を限定するものではないとき、光源40からの照射をパルス発振させると、光学モジュール30の感度を向上させることができる。試料により多くの光が当たると、試料からより大きな信号が得られる。光を増やすことが比例してノイズも増大させない限り、より多くの光はより大きな感度をもたらす。光源をより高い出力(より高い輝度)で動作させると、しばしばより高い動作温度をもたらすので、光源が耐え得る温度の限界によって、光源の輝度の限界がしばしば設定される。光源は、それがオフであるときに冷却するので、検出器50が試料の蛍光を検知しているときのみに光源40をオンにすると、光が連続してオンである場合よりも光が測定中に高い輝度であることを可能にする。光源の温度上昇ΔTは、定常状態では光源の中へ供給されたエネルギーが光源によって放散されたエネルギーに等しいことに注目することによって計算され得る。光源の中へ供給されたエネルギーは、下式、すなわち、
【数1】

【0034】
によって与えられ、上式で、kは光源に依存する定数であり、P(t)は時間の関数としての光源に供給された電力であり、Rは光源の電気抵抗であり、I(t)は時間の関数としての光源に供給された電流の平方であり、積分はパルスの周期にわたる。
【0035】
光源によって放散されたエネルギーは、
keΔT
であり、kは光源とその環境に対するこの光源の関係とに依存する定数であり、ΔTは光源とその環境との間の温度差である。
【0036】
これらの項を等式化し、かつ温度上昇に関して解くと、温度上昇が光源の中へ供給された平均電流の平方に比例することを示す。すなわち、
【数2】

【0037】
である。この近似式では、電流が時間平均されるので、光源を駆動する電流の実際の一時的プロファイルは関係がなく、このプロファイルは、最大許容温度上昇をもたらす水準にその時間平均値を維持しながら最高の信号を生成するように最適化され得ることになる。光学モジュールの感度が光源からのノイズによって限定されない場合、このプロファイルは、平均電流が最大許容温度上昇を与える値であるときおよび光源が測定中に最も輝度が高く、かつその他のすべての時間にオフであるときに最適化される。
【0038】
最高感度のために光源の強度を最適化するにはノイズ源の理解が有益である。低い光水準では、検出および電子機器ノイズの両方が感度を限定する。光源がオフであるとき(図2)、信号は検出されず、ノイズのみが検出される。このノイズは光強度とは無関係である。光源をオンにすると、光強度と光学モジュール30からの信号とが増大し、ノイズの量は相対的に一定に留まるので光学モジュール30のより大きな感度が得られる。ある一定の光強度水準で、光強度に関連するノイズ源が検出および電子機器ノイズよりも大きくなる。ノイズ源の一部は光強度に比例し、一部は光強度の平方根に比例する。感度は、光強度に比例するノイズ源がノイズの最大成分を含むまで、光強度の増大と共に上昇し続ける。この比例するノイズ源は、典型的には光を発生する過程に起因し、しばしば光源を駆動するために使用される電流のノイズに起因する。
【0039】
光強度は、光学モジュールの感度がもはや増大しなくなる前に可能な限り高く高められるべきである。ノイズ源を慎重に特徴付けることは、最適の光強度を予測する手段を提供するが、ノイズを特徴付けるときに、確認不可能な近似および仮定がしばしば必要とされるので、一般に実験法が最適化を完了するために必要である。光源の強度を最適化するこの方法は、光源が常にオンであろうが、またはそれがパルス発振されようが有効である。
【0040】
光源をパルス発振させることは他の利点も提供する。多連光学モジュールが多重用途(同じ試料から異なる蛍光発生プローブを検出すること)に使用されるとき、1つのモジュールからの散乱光が別のモジュールに達し、それによってその背景が増大してその感度を低減させる恐れがある。パルス発振は、異なる蛍光体に合わせて調整される異なる色の光源からの光を一時的に食い違わせる機会を与える。1つのモジュールのみがオンであり、1回に1つの試料からの信号を検出するようにパルスを時間調節すると、1つのモジュールから別のモジュールの中へ散乱する問題を排除し、一方が他方の放出波長に近いかまたは同じの励起波長を有する蛍光体の対を含む、最適の性能を実現できる蛍光体の組合せを増加させる。
【0041】
光源をパルス発振させるとロックイン検出の可能性が見込めるので、パルス発振はqPCRの用途にも有益であり得る。ロックイン検出は、パルス周波数の信号のみを増幅すること(すなわち、他の周波数のノイズおよび/または信号は増幅されない)によって感度を高める。システム中のノイズは、周波数域にわたるスプリアス信号から成る。ロックイン検出とは、狭い周波数域のみにわたる信号を検出することによって、当該周波数域外のスプリアス信号、したがって、ノイズが減衰されるように、このスプリアス信号の影響を低減する方法である。特に、qPCR器具中の光源がパルス発振されるとき、試料からの信号は、光源からのパルスと同じ周波数を有する。この周波数の信号を増幅するが、他のすべての周波数を減衰するロックイン検出は、システムのノイズを低減し、それによってその感度を向上させる助けになる。
【0042】
パルス繰り返し数は、光源が測定時にオンになって安定的であり、かつ可能な限り長い間オフであるように最適化されなければならない。試料を走査する(例えば、試料の上方で光学モジュールを物理的に移動させることによって、または別様に蛍光を試料から順次に収集することによって)光学システムで使用される光源では、モジュールが試料を照射しかつ試料からの蛍光を収集するために定位置にある間、光源はオンになっているべきである。光源は、限定するものではないが、準備時間、電子機器のノイズ、およびシステムの費用を含む他の設計上の制約によって許容される程度に、他のすべての時間ではオフになっているべきである。
【0043】
図4は、パルス光源のためのパルス時間調整オプションを示す図である。図4は、(1)横列パルス発振、(2)試料パルス発振、および(3)高周波パルス発振を含む異なるパルス発振方式のための時間調整の可能性を模式的に示す。水平軸は、光学モジュールが上方にある位置によって標識された経過時間を表す。垂直軸は光源がオンかそれともオフであるかを示し、明瞭にするために、それぞれのパルス列に関する目盛が相互からずらされている。例示目的のために使用される試料構成は、3×2の長方形であるが、試料の他の配置および数も本発明の趣旨および範囲の中にある。
【0044】
図4では、横列パルス発振(一点鎖線によって示される)は、光学モジュールがそれぞれの横列の上方にある直前から直後まで光源はオンであり、かつ他の時間(例えば、横列間および走査の合間)ではオフであることを示す。試料の長方形アレイを走査する光学モジュールでは、基本的なパルス発振方式は、モジュールが試料の横列の上方で走査している間(横列パルス発振)、光源をオンにし、かつモジュールが横列の第1の試料に到達していないか、横列の最終試料を通過したか、横列から横列へ移動中であるか、または走査の合間にあるときに、オフにすることを含む。横列パルス発振は、光源の低周波数を切換えるだけで済むことによって費用および電子機器ノイズを最小化する。
【0045】
図4では、試料パルス発振(点線によって示される)は、光学モジュールがそれぞれの試料の上方にある直前から直後まで光源はオンであり、かつ他の時間(例えば、試料間、横列間、走査の合間)ではオフであることを示す。走査モジュールは、モジュールが試料の上方にある間のみ光源をオンにし(試料パルス発振)、次いで、それが試料間を移動中であるか、横列の第1の試料に到達していないか、横列の最終試料を通過したか、横列から横列へ移動中であるか、または走査の合間にある間、オフにすることができる。試料パルス発振は、走査が横列よりも多い試料を横切るので、横列パルス発振よりも高い周波数のパルス発振を必要とする。より高い周波数は、より複雑な電子機器を必要とし、かつ、光学モジュールが試料の蛍光を調べるために定位置にある間にパルスが生じることを保証するために、より多くの注意が走査動作とパルス発振との調和に必要である。これらの要因のすべてが、横列パルス発振に比べて、試料パルス発振の困難さおよび費用を上昇させる。さらには、より高い周波数のパルス発振は、光学モジュールの感度を低減する恐れのある電子機器ノイズを増大させる。
【0046】
光源はまた、モジュールが試料の上方にある間に何回も(約3回を超える)光源がオンおよびオフになるように一層速くパルス発振させることも可能である(高周波パルス発振)。図4では、高周波パルス発振(実線によって示される)は、光源がそれぞれの試料ごとに4つの光パルスを発生する周波数で連続的にパルス発振される走査中だけ、光源がオンであることを示す。他の高周波パルス発振パターンも、実験全体を通じてパルス繰り返し数を一定にしておくこと(走査の合間であっても)ならびに、他の包絡線を使用して(横列パルス発振または試料パルス発振など)高周波パルス発振がイネーブルにされなければならない時点および光源がオフでなければならない時点を画定することを含めて、本発明の趣旨および範囲の中にある。高周波パルス発振は、より複雑であり、かつより多くの費用が掛かる。さらには、高周波パルス発振には、光源がオンである間に検出器からの信号が試料抽出されることを保証するために、より多くの注意が必要である。
【0047】
これらの考慮は、試料を横切って走査しない(例えば、フラッド(flood)照射として知られる、同時にすべての試料を照射しかつそれらから検出する)光学システムにも該当する。その場合には、光は測定中のみオンになっているべきである。より高いパルス繰り返し数を使用してピーク電力を増大させるか、またはロックイン検出を可能にすることができる。
【0048】
測定とパルス発振とを同期させることが有益である。横列パルス発振では、測定とパルとの間の同期化がほとんど不要である。測定試料速度は、それらが走査速度に対して高くなるように容易に設定可能である。試料速度および電子機器時定数は、モジュールが試料の上方にある可能な限り多くの時間の間に、測定が行われるように設定されるべきである。
【0049】
パルス発振の周波数が増大するにつれて、試料測定によって試料から可能な限り多くの情報が収集されることを保証するために、より多くの配慮が必要である。試料パルス発振では、測定試料速度および電子機器時定数は、横列パルス発振に関する場合と同じ基本指針で設定され得る。より高い周波数では、測定は、光源照射によって生じた試料からの蛍光が検出可能である間に行われなければならない。この測定を行うために、検出器からの信号は、光源がオンである間に、好ましくはパルス端の近くで測定されるべきである。この同期化は、検出器の試料抽出の開始寸前に光源に対する電流を開始することによって実現され得る。別法として、2つのパルス列が、例えば、デジタル電子機器によって、所望のパルス周波数で相互からわずかに位相をずらして生成され得る。これらのパルス列を使用して光源への電力および検出器の試料抽出を制御することができよう。
【0050】
信号が電子的に加算されている間の時間である電子機器時定数が、この同期化全体に結合される。この時定数は、一般に抵抗器およびコンデンサなどの受動的な電子機器構成要素を使用して制御可能であり、測定が時定数とほぼ同じ周期で行われるように測定試料速度と調和されるべきである。
【0051】
準備時間が特定のパルス発振方式にとって問題である場合には、試料の測定が行われる前に光源が準備時間よりも長い間オンであることを保証することによって対処される必要がある。準備時間に対処することは、より高いパルス繰り返し数では準備時間が光源のオンである時間のより高い比率を占めるので、パルス繰り返し数が増やされるとき、より大きな問題である。
【0052】
図5に示されているように、光学モジュール30は、蓋を介して試料に光学的アクセスを可能にする96ウェル(8×12のアレイ)サーマルサイクラの試料の上方で走査するために使用可能である。図5は、試料のアレイの上方で光学モジュールに走査させる蛇行方法を示す。光学モジュール30は、コンピュータによって制御され得る2軸動作システム80に装着されて示されている。光学モジュール30が通過する経路82は、blind stepping(予め画定された時間間隔の間、軸を駆動する)によって画定され得る。別法として、経路82は、1つまたは複数のセンサ(図示せず)からのフィードバックによって画定され得る。このようなセンサは、例えば、光学モジュール30の絶対位置を測定するために使用される目盛、または光学モジュール30が特定の横列もしくは縦列の上方またはその端部にあるときに検知するように設定されたリミットスイッチであり得る。経路82は蛇行しており、光学モジュール30を試料のそれぞれの横列に沿って案内し、横列の最左端の試料の左側から始まり、隔列の最右端の試料の右側で終わる。その場合に動作システム80は、今までの横列とは反対の方向へ光学モジュール30に走査させる前に、光学モジュール30を次の横列に移動させる。図5は96ウェルのサーマルサイクラ上方の光学モジュールの経路を示すが、48ウェル、384ウェル、1536ウェル、および他の多ウェル式サーマルサイクラが本発明の趣旨および範囲の中にあることを当業者は認識しよう。
【0053】
パルス光源は、様々な構造および型式のサーマルサイクラに使用可能であり、図1〜5に例示された光学モジュールにおける使用に限定されない。qPCR反応から蛍光を検出する他のサーマルサイクラのシステムおよび方法もパルス光源から利益を受け得る。例えば、パルス光源は、本譲受人の米国特許第6,657,169号(この特許の全体を本願明細書に参照により組み込む)に説明された生物学的材料の試料を熱サイクルにかける装置に使用されてもよい。パルス光源はまた、光電子倍増管で検出された各試料を順次に調べるタングステンハロゲン電球を使用するMx3000P Real-Time PCR SystemおよびMx4000 Multiplex Quantitative PCR System(La Jolla,カリフォルニア在のStratagene California社から市販されている)に使用可能である。さらには、パルス光源は、各試料を順次に調べるタングステンハロゲン電球;走査光学モジュール;各ウェル用の静止LEDおよび全ウェル用の同一検出器;静止式の試料、光源、および検出器;静止LEDおよびスピン回転試料を順次に調べるための検出器;プレート全体を照射するタングステンハロゲン電球およびプレート全体のCCD検出;静止光源およびスピン回転毛細管を順次に試料抽出する多連検出器;各試料から光を収集する別々の光ファイバを使用して静止試料を順次に調べる静止式のレーザおよび検出器;プレート全体を照射するためのタングステンハロゲン電球およびプレート全体のCCD検出;ならびに当業で知られている他のサーマルサイクラのいずれかまたはすべてを組み込むサーマルサイクラに使用され得る。
【0054】
生物学的材料の試料は、典型的には複数の試料チューブの中に収容される。試料チューブは、3つの一般的な形態で、すなわち、単一チューブ、相互に付着されているチューブ8本のストリップ、および付属の試料チューブ96本を有するチューブトレイの形で利用可能である。光学モジュール30は、これらの3つの設計のいずれかと互換性のあるように設計されることが好ましい。
【0055】
それぞれの試料チューブはまた、試料チューブの中に生物学的な反応混合物を保持するための対応する蓋を有してもよい。これらの蓋は、試料チューブの上部円筒表面の内側に挿入されるのが典型である。これらの蓋は、光が蓋を介して透過され得るように相対的に透明である。試料チューブと同様に、これらの蓋は典型的には成形ポリプロピレンから作製されるが、他の適切な材料も許容可能である。それぞれの蓋は、蓋の上部表面に薄く平らなプラスチック製の光学窓を有する。それぞれの蓋の中の光学窓は、励起光などの放射が試料中の蛍光発生プローブに透過され、かつ試料中の蛍光発生プローブから放出された蛍光が、サイクル時に再び光学検出システムに透過されることを可能にする。
【0056】
スライド、仕切り、ビード、チャンネル、反応チャンバ、容器、表面、または試料を保持する他の任意適切な装置など、他の試料保持構造が本発明に使用可能である。試料保持構造の中に配置されるべき試料は、生物学的な反応混合物に限定されない。試料には、任意の種類の細胞、組織、微生物、または非生物学的材料が含まれ得る。
【0057】
パルス光源は、限定されるものではないが、緑色蛍光タンパク質、DNAマイクロアレイチップ、タンパク質マイクロアレイチップ、流動細胞計測法、および当業者に知られた同様の反応を含む他の生物学的用途で蛍光を検出ために使用可能である。
【0058】
蛍光を検出するための少なくとも1つの試料を試料抽出する方法は、パルス光源でパルス励起光を発生させること、パルス励起光を試料の中へ誘導すること、発光を発生させるためにパルス励起光で試料を照射すること、および発光の光学的特徴を検出することを含む。
【0059】
本明細書で引用された特許、特許出願、公開文献のすべてを、参照によりその全体を本願明細書に組み込む。本発明は、特にその好ましい実施形態を参照して図示されかつ説明されたが、添付の特許請求の範囲によって包含される本発明の範囲から逸脱することなく、形態および細部の様々な変更が本発明に実施されてもよいことが、当業者に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】パルス光源の図であり、試料チューブの上方にあるときに光を放出している光学モジュールを示す。
【図2】パルス光源の図であり、試料チューブの間にあるときに光を放出していない光学モジュールを示す。
【図3】パルス光源のパルス切換え回路の模式図である。
【図4】パルス光源用のパルス時間調整オプションを示す図である。
【図5】パルス光源が複数の試料チューブの上方で走査されているときの経路を示す組立体に装着されたパルス光源の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物学的材料の少なくとも1つの試料を試料抽出する装置であって、
前記少なくとも1つの試料と相互作用する励起光を画定された間隔で放出する少なくとも1つの光源と、
前記少なくとも1つの試料から放出された蛍光に敏感な検出器と、
を備える装置。
【請求項2】
前記励起光は、1つの光学モジュールから別の光学モジュールの中へ散乱するのを最小限にするためにパルス発振(pulse)される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記光源のパルス周波数にある、前記検出器からの信号が増幅される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの光源を収容する光学モジュールをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記光源は発光ダイオードを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記光源はタングステンハロゲン電球を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記光源はレーザを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記光源のパルス発振(pulsing)を制御するアナログ回路をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記光源のパルス発振を制御するデジタル回路をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記検出器は電荷結合素子を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記検出器はフォトダイオードを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記検出器は光電子増倍管を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記検出器はアバランシェフォトダイオードを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
パルス励起光を発生する少なくとも1つのパルス光源と、
少なくとも1つの試料から放出された蛍光に敏感な少なくとも1つの検出器と、
を備える、少なくとも1つの試料から蛍光を検出するシステム。
【請求項15】
少なくとも1つのパルス光源を収容する光学モジュールをさらに備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記パルス光源は、光学モジュールが試料の横列の上方にある間はオンであり、他の時間ではオフである、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記パルス光源は、光学モジュールが試料から蛍光を検出している間はオンであり、他の時間ではオフである、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記パルス光源のパルス発振を制御するアナログ回路をさらに備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記パルス光源のパルス発振を制御するデジタル回路をさらに備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
特定の周波数にある信号を増幅する回路をさらに備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項21】
蛍光を検出するために少なくとも1つの試料を試料抽出する方法であって、
パルス光源でパルス励起光を発生するステップと、
前記パルス励起光を前記試料の中へ誘導するステップと、
発光を発生させるために前記パルス励起光で前記試料を照射するステップと、
前記発光の光学的特徴を検出するステップと、
を含む方法。
【請求項22】
パルス光源を収容する光学モジュールを前記試料の上方で移動させるステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
光学モジュールが前記少なくとも1つの試料の横列の上方にある間は前記パルス光源を起動し、他の時間では前記パルス光源を停止させるステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
光学モジュールが試料の上方にある間は前記パルス光源を起動し、他の時間では前記パルス光源を停止させるステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記光源のパルス周波数にある前記発光の前記検出を増幅するステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記パルス光源のパルス発振をアナログ回路によって制御するステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記パルス光源のパルス発振をデジタル回路によって制御するステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−541139(P2008−541139A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515702(P2008−515702)
【出願日】平成18年5月2日(2006.5.2)
【国際出願番号】PCT/US2006/016808
【国際公開番号】WO2006/119277
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】