説明

螺旋角制御された情報

デバイス、多層記録担体及び方法が、制御された態様で情報を提供するために与えられる。多層記録担体は、その記録担体のコンテンツにアクセスする間、適用及び/又は検証されることになる螺旋角情報を持つ。そこへ、多層記録担体の2つのデータ層間の螺旋角(55)が検出される。螺旋角は、第1のデータ層(40)における第1の所定場所(51と、第2のデータ層(41)における第2の所定場所(52)との間の実際の回転角を示す。制御用の螺旋角情報と螺旋角とは、例えば、コピープロテクション、ソフトウェアの様々なバージョンのために情報の提供を制御するため又は記録担体を識別するためのパラメタを提供するために組み合わされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層記録担体を介して情報を提供する方法に関し、その記録担体は、少なくとも第1のデータ層と第2のデータ層とを有する。
【0002】
本発明は更に、情報を提供するための多層記録担体に関し、その記録担体は、少なくとも第1のデータ層と第2のデータ層とを有する。
【0003】
本発明は更に、情報を提供するためのコンピュータプログラムに関する。
【0004】
本発明は更に、情報を提供するため、放射線のビームを介して多層記録担体をスキャンするデバイスに関し、そのデバイスは、情報を記録及び/又は読み出すためのスキャニング手段を有し、そのスキャニング手段は、その放射線のビームを与えるためのヘッダを含む。
【背景技術】
【0005】
特に本発明は、例えば、コピープロテクションのために、光学ディスク上に与えられる情報へのユーザによるアクセスを制御する分野に関する。現在までの20年以上にわたり、PCや、MS Xbox、Sony PlayStation、Sega Dreamcast、Nintendo GameCubeといったPC同様のプラットフォームに対して、商業用のソフトウェアが安価で再生が容易な媒体で頒布されている。その媒体とは、最初はフロッピーディスクであり、最近では光学媒体である。このソフトウェアが不正にコピーされることを防止するための多くの方法が従来技術から知られている。例えば、リモートサーバ上で稼動するドングルなどである。安価で最も広範に使用される方法は、変更が公衆に利用可能なライタ(writer)で(容易に)再現されることができないようにして、頒布媒体を変更することである。その変更は、通常の再生ドライブを用いて検出可能であるべきである。例えば:物理媒体における穴(所定位置におけるエラーバーストを介して自ら姿を現す)、ECCパリティにおける意図的なエラー(所定位置におけるエラーバーストを介して自ら姿を現す)、DVDのリードインセクタに書き込まれるデータ(読み出しはDVD-ROMドライブでサポートされるが、書き込みは一般的にはDVDライタではサポートされていない)、(CDのサブチャネルR-Wのような)サブチャネルに書き込まれる重要なデータ、仕様に基づき書き込まれるのではない複数のセッションを伴う光学ディスク(恐らくライタは仕様に基づくデータしか書き込むことができない)がある。こうした変更は、ときどき、ROMサイドチャネルとして集合的に参照される。実行に際し、PC又はPC同様のプラットフォームに存在するソフトウェアは、要求された変更が媒体に存在するかどうかをチェックする。そして、もし存在しなければ、終了する。なぜなら、それは恐らく不正なコピーから起動しているからである。
【0006】
光学記録担体におけるコピープロテクション目的の斯かるサイドチャネルの例示は、光学ディスクにおける追加的な物理的マークに基づかれる。米国特許番号第6,470,452号は、CD又はDVDのような記録担体上で、特定の非反射領域の相対位置を測定することに基づかれる、コピープロテクション機構を開示する。非反射領域は、強力なレーザによる選択されたスポット上で、データ層からアルミニウムの反射層を除去することにより作り出される。多層記録担体に適用されるとき、斯かる非反射領域は、両方の層で実質的に同じ位置に作り出される。非反射領域の位置を示すためのバーコードが記録担体に追加される。オリジナルの記録担体における非反射領域の指定された位置と、疑わしい海賊版コピーの測定された方向とを比較することで、不正なコピーが防止される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
知られた方法の不利な点は、非反射領域が、高い位置精度の高出力レーザを用いて、製造時に追加的なステップにより作製されなければならない点である。更に、そのデバイスは、斯かる領域の特殊に偏差する反射レベルを検出することができなくてはならない。それは、通常の高及び低スキャニング信号レベルと、非反射領域における相対的に低いスキャニング信号レベルと間の差を検出するために追加的なハードウェア回路を必要とする。
【0008】
従って、本発明の目的は、追加的な反射レベルが検出される必要なく、記録担体を介して制御された態様で情報を提供するシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の側面によれば、上記目的は、冒頭に述べられたような多層記録担体を介して情報を提供する方法を用いて達成される。その記録担体は、螺旋角情報を有し、その方法は、第1のデータ層と第2のデータ層との間の螺旋角を検出するステップを有する。その螺旋角は、第1のデータ層における第1の所定位置と、第2のデータ層における第2の所定位置との間の実際の回転角を示すものである。そして、その方法は、上述の情報の提供を制御するために、その螺旋角情報と螺旋角とを組み合わせるステップを有する。
【0010】
本発明の第2の側面によれば、上記目的は、冒頭に述べられるような多層記録担体を用いて達成される。その記録は、螺旋角情報を有し、その螺旋角情報は、上述の情報の提供を制御するために螺旋角と組み合わされるものである。その螺旋角は、第1のデータ層における第1の所定位置と第2のデータ層における第2の所定位置との間の実際の回転角を示す。
【0011】
本発明の第3の側面によれば、上記目的は、冒頭に述べられるようなスキャニングデバイスを用いて達成される。そのデバイスは、第1のデータ層と第2のデータ層との螺旋角を検出する制御ユニットを有し、その螺旋角は、第1のデータ層における第1の所定位置と第2のデータ層における第2の所定位置との間の実際の回転角を示す。
【0012】
上述の所定位置は、データ層における螺旋間の回転角を規定する基準点であり、螺旋角情報に含まれるか、各データ層における標準的な、例えば、アドレスゼロに規定されることができる。螺旋角情報は、螺旋角が検出されるべきものであることをそのデバイスに示す。螺旋角情報は、存在すべき特定の螺旋角を示すデジタルコードであるか、又は、その螺旋角を確認するために適用される制御コード又は制御プロセスを示すことができる。螺旋角情報は、螺旋角の測定を実行することができる、又は検出された螺旋角に特殊な態様で反応することができるソフトウェアプログラムに埋め込まれることができる。
【0013】
その測定の効果は、検出された螺旋角が螺旋角情報と組み合わされる点、つまり、角度が、事前記録された螺旋角情報に基づき決定され、検証され、及び/又は適用される点である。組み合わせの結果は、ユーザに対する情報のフローを制御するのに使用される。その結果は、記録担体を識別するためのパラメタを与え、ユーザへの情報の提供に影響を与える。例えば、もし、螺旋角が螺旋角情報に対応している場合、ユーザはその記録担体に存在する情報の一部又は全部にアクセスすることができる。有利なことに、螺旋角を検出することは、スキャニング信号の偏差特性を検出するための追加的な検出回路を必要としない。
【0014】
本発明はまた、以下の認識に基づかれる。記録担体の物理的なパラメタを変調することに基づく、様々なアクセス制御スキームが知られている。斯かるスキームは、不正コピーの間模倣することを困難にすることはできるけれども、斯かるスキームは同時に、記録担体の製造コストを増加させてしまう。本願発明者は、多層記録担体における異なるデータ層の回転方向が、模倣されることのできない、記録担体の識別可能パラメタを与えることを発見した。そのパラメタは、驚くべきことに、製造プロセスを変更したり制御したりすることなく用いられることができる。
【0015】
記録担体の記録可能なタイプでの異なる層にある螺旋の方向が、影響されることはなく、螺旋の方向は、アドレスのような位置情報を含む実行済み(performed)トラックパターンに基づかれることに留意されたい。従って、記録可能な記録担体における不正コピーが、オリジナルの記録担体と同じ螺旋角を持つことはなくなる。オリジナルの記録担体の螺旋角は、その記録担体における適切な螺旋角情報と組み合わせて、その記録担体上の情報のアクセス又は使用を制御するのに様々な態様で適用されることができる。
【0016】
本方法の実施形態において、情報の提供を制御するために、螺旋角情報と螺旋角とを組み合わせることは、螺旋角情報を構成する螺旋角依存機能を介して、螺旋角に応じて異なるバージョンの情報を提供することを含む。これは、ユーザが一意的な記録担体を持つことを経験するという利点を持つ。例えば、螺旋角は、その記録担体に含まれるソフトウェアの事前定義された機能の間、例えば、一つのゲームの異なるバージョンを提供するゲームの間、又はサポート若しくは更新を受けるため記録単体を登録する間に適用されるディスク識別子として使用される。
【0017】
本方法の実施形態において、情報の提供を制御するために、螺旋角情報と螺旋角とを組み合わせることは、螺旋角、必要な螺旋角を示す螺旋角情報に応じて、情報へのアクセスを拒絶、又は許可することを含む。記録担体の製造の間に、必要とされる螺旋角は、データ層の方向を制御することにより、例えば、データ層を生成する製造サブユニットを制御することにより付け加えられる(applied)ことができる。また、螺旋角情報は、実際の回転角を測定した後、例えばデータ層のある記録可能な部分にデータを記録することにより、又は記録担体の中心領域へバーコードを書き込むことにより付け加えられることができる。
【0018】
本方法の実施形態において、情報の提供を制御するために、螺旋角情報と螺旋角とを組み合わせることは、例えばバーコード又はキーコードといったコードパラメタを記録担体から受信することを含む。その組み合わせにおけるコードパラメタは、螺旋角情報、螺旋角及び/又はアルゴリズムを介して関連付けられるコードパラメタを含む。螺旋角情報は、例えば、スタンピング(stamping)を介してマスター記録担体に適用されるような、データ層に含まれるデータの一部である。製造の間、実際の回転角が測定され、コードパラメタが計算され、記録担体に格納される。これは、製造者には知られているそのアルゴリズムが、データの改ざんに対して追加的な保護を与えるという利点を持つ。
【0019】
本方法の実施形態において、情報の提供を制御するために、螺旋角情報と螺旋角とを組み合わせることは、ユーザコードがユーザにより入力されることを要求することを含む。その組み合わせにおけるユーザコードは、螺旋角情報、螺旋角及び/又はアルゴリズムを介して関連付けられるユーザコードを含む。螺旋角情報は、例えば、スタンピングによりマスター記録担体に適用されるような、データ層に含まれるデータの一部である。製造の間、実際の回転角が測定され、ユーザコードが計算される。そのユーザコードは、安全性を増すため、又はユーザにウェブサイトを登録させる若しくはアクセスさせるためにユーザに別個に送信される。更に、そのアルゴリズムは、データの改ざんに対して追加的な保護を与えることができる。
【0020】
本方法の実施形態において、螺旋角情報は、正確な螺旋パラメタ情報を有し、その検出は、第1又は第2のデータ層における選択された場所を検出し、続いて、正確な螺旋パラメタ情報に基づき第1又は第2の所定の場所の位置を得ることを有する。
【0021】
記録担体の実施形態において、螺旋角情報は、選択された場所と正確な螺旋パラメタ情報とに基づき、第1又は第2の所定の場所の位置を得るための正確な螺旋パラメタ情報を有する。
【0022】
本願発明者は、螺旋を作成する現在のマスタリング処理が、驚くほど正確であり、結果として、トラックピッチ及びデータビット長のような螺旋パラメタにより決定される高い精度の螺旋を生じさせることを理解した。正確な螺旋パラメタがそのデバイスに知られていることを仮定すれば、螺旋角は、各データ層における任意の選択された位置にアクセスし、続いて、所定の基準点の螺旋方向を計算することにより検出されることができる。螺旋パラメタは、個別の螺旋にある様々な場所での多数の測定により、デバイスにおいて検出されることができる。しかしながら、有利には、正確な螺旋パラメタは、螺旋角情報に含まれることができる。斯かる螺旋パラメタは、螺旋の物理形状と、例えば、10進で8桁の数字である、螺旋における物理アドレスの正確な位置とを計算するために十分な分解能と精度とを持つ必要がある点に留意されたい。
【0023】
本方法の実施形態において、前述の検出は、螺旋角を実際の回転角度値における所定かつ離散的な範囲に含まれる値として決定することを有する。実際の環境において、実際の回転値の検出における精度は限られる。この離散的な範囲は、有利なことに、結果として所定の予測可能な値を生じさせる。特定の場合において、本方法の実施形態は、主値、主値と可能性として次に低い値、又は、主値と可能性として次に高い値を示すことを含み、前述の組み合わせは、主値の組み合わせの後、続いて次に可能性のある螺旋角度値を組み合わせることを含む。実際の回転角は、特に、製造の間に何ら制御が加えられない場合、任意の値を持つことができることに留意されたい。従って、例えば様々なデバイスにおける検出の不正確さが原因で、結果として、境界例(borderline case)が異なる離散値をもたらす。可能性のある近接値を含めることは、前述の検出の間その近接する回転値が見つからない場合、斯かる値がなお予測可能な態様で受け入れられることができるという利点を持つ。
【0024】
本方法の実施形態において、前述の検出は、第1のデータ層と第2のデータ層との間の追加的な角をその螺旋角に含めることを有する。その追加的な角は、その第1のデータ層における第1の追加的な所定場所と、第2のデータ層における第2の追加的な所定場所との間の追加的な実際の回転角を示し、その追加的な場所は、第1の所定場所と第2の所定場所とは異なる。本願発明者は、適切に識別可能な多数の螺旋角が、検出の精度により限定されることになることを記録した。螺旋角に追加的な角を含める効果は、適切に識別可能な螺旋角の量が明らかに増加されることにある。記録担体の様々なデータ層における追加的な所定場所の位置を決定する螺旋パラメタは、製造に使用されるマスターによって固定され、従って実際の回転角間の関係もまた固定されることに留意されたい。斯かる螺旋パラメタは、トラックピッチとデータビット長とを含み、それらは、この実施形態においてそのデバイスに対して正確な値として転送されない。螺旋パラメタは、所定の場所及び追加的な所定の場所の両方の位置を模倣することの困難さを増すために、マスタリングの間に、(わずかに)操作されることさえ可能であることに留意されたい。従って、不正コピーにおいては、両方のデータ層が必要な方向を持つことを要求されるだけでなく、螺旋角が正確に制御されることも必要になることになる。
【0025】
本発明による追加的な好ましい実施形態が添付された請求項に与えられ、その開示は本書において参照により含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明のこれら及び他の側面は、以下の説明における例示により、及び対応する図面を参照して説明される実施形態から明らかとなり、及び実施形態を参照して更に説明されることになる。
【0027】
図において、既に説明された要素に対応する要素は、同じ参照番号を振ってある。
【0028】
図1は、螺旋角情報を持つディスク形状の記録担体11を示す。トラック9は、データ層に実質的に平行なトラックを構成する、中心穴10の周囲での回転の螺旋パターンに基づき配置される。図2に示されるように、記録担体は少なくとも2つのデータ層を持つ。そのデータ層は、トラックに含まれる、例えばスタンピングにより製造されるマークにより表される情報を含む。そのマークは、放射線のビーム、通常はレーザビームによりスキャンされることになる。そのマークは、物理パラメタの変化により構成され、それにより、例えば、その周囲とは異なる反射係数を持つ領域の形式で、その周囲とは異なる光学特性を持つ。読み出しの間、そのマークは、反射されるビームの変化、例えば、反射における変化によって検出可能である。記録担体は、例えば映像又は音声情報といったリアルタイムな情報又はコンピュータデータといった他の情報を運搬するように意図されることができる。
【0029】
その記録担体は、例えば、DVD+RW、DVD+R、DVD-RW又はDVD-Rといった記録可能なタイプの光学ディスクとすることができる。トラック9は、何も記録されていない(blank)記録担体の製造の間に提供されるプレトラック構造により指定される。それは、例えば、スキャニングの間読み出し/書き込みヘッドがトラック9に従うことを可能にするプレグルーブである。プレグルーブは、くぼみ又は上昇部として実現されることができ、又はプレグルーブの素材以外の異なる光学特性を持つ素材から構成されることができる。プレトラック構造は、周期的にサーボ信号が発生することをもたらす、規則的に広がったサブトラック又はプレピットにより形成されることもできる。記録の間、そのマークは、染料、合金又は相変化素材といった材料、又は光磁気素材における記録のとき得られる、その周囲とは異なる極性の方向を持つ領域の形式で作成される。
【0030】
本発明によれば、記録担体は、螺旋角情報を具備する多層記録担体である。図1において螺旋角情報12は、螺旋角情報が所定位置又はアドレス上のトラックに、又はファイルに配置される第1の実施形態を示す。螺旋角情報は、以下の図4及び図5に説明されるように、追加的なデータにアクセスする前、又は記録担体からデータ又はソフトウェアコンテンツを処理する間に、両方のデータ層における螺旋間の実際の回転角に対して検証されるべきものである。螺旋角情報12は、例えば、制御ファイル、専用ファイルの一部として、又は標準的な記録フォーマットにより予め定められるような所定位置において、螺旋角を示す大量のデジタルデータであることができる。
【0031】
ある実施形態において、螺旋角情報12は、例えば、プレグルーブのウォブル(wobble)の変調により、プレトラック構造にエンコードされる。記録可能タイプの記録担体に関し、螺旋角情報と特定の実際の回転角との組み合わせは、記録可能なタイプの記録担体に記録されたデータを制御するシステムを与える。更に、螺旋角情報は、秘密の場所に記録されることができ、及び/又は保護される情報の所有者だけが知る暗号化アルゴリズムを用いて計算されることができる。適切な検証プロセスは、例えば、公開鍵に基づき適用されることができる。
【0032】
ある実施形態において、螺旋角情報は、ホストコンピュータで実行されるソフトウェアプログラムに埋め込まれる。実行されるとき、そのプログラムは、以下に説明されるように、記録担体から実際の回転角を取得し、そのプログラムの機能を制御するために必要な値を適用するための読み出しデバイスを必要とすることになる。基本的なアイデアは、記録担体に格納されたコンテンツの挙動を変えるために、測定された実際の回転角度値を使用することである。それにより、単一のマスター(通常イメージと呼ばれる)のみを必要としつつ、いくつかの変形版(variant)を示す記録担体を大量生産することができる。例えば、記録担体におけるゲームに対して、そのゲームは、測定された値に応じて異なった実行をする。それは、異なる開始条件を持ち、異なる冒頭紹介(intro)ムービーを示し、(ロールプレイングゲームにおいて)そのプレイヤに対する異なるロール(role)を提供し、レベルを変えたり追加したりすることなどができる。どこか似た挙動は、乱数関数(random function)を介して生成されることができるが、しかしそれは、ゲームが開始される度に毎回異なるゲームを生じさせることに留意されたい。実際の螺旋角度値を用いることにより、そのゲームは、特定のディスクから起動される場合、常に同じであることになるが、異なるディスクから起動される場合、異なることになる。これは、複数のディスクを取得する、又は更に言えばディスクの変形版をすべて収集する衝動を作り出すのに使用されることができる。また、単一のディスクが、他の商品と共に含まれ、プロモーションアイテムとして頒布されることができ、その場合でもなお、他の商品の売上を刺激するために多数の異なる特徴を与えることができる。
【0033】
図1において、螺旋角情報バーコード13が、螺旋角情報の第2の実施形態を示す。そのバーコードは、例えば、所定の半径位置上といった、データトラック用の通常の領域の外側に配置される。例えば、DVD標準規格は、中心領域バーコードを追加するための領域を既に提供する。斯かる中心領域バーコードと同様、螺旋角情報バーコードは、トラックからのマークの読み出しのためにも使用される放射線のビームを用いて読み出されることができる。螺旋角情報バーコード13は、代替手段として又は螺旋角情報12と共に使用されることができ、バーコードを書き込む前に測定される実際の回転角を反映することができる。
【0034】
図2は、多層光学ディスクを示す。L0は、第1のデータ層40であり、L1は、第2のデータ層41である。第1の透過層43が第1のデータ層を覆い、スペーサ層42がデータ層40、41を共に分離し、基板層44は、第2のデータ層41の下に示される。第1の(つまり上側の)データ層40は、第2の(つまり下側の)データ層41より記録担体の表面(entrance face)47に近い位置に配置される。レーザビームは第1の状態45においてLO層上に焦点が合わされ、レーザビームは第2の状態46においてL1層に焦点が合わされることが示される。3又はそれ以上のデータ層を持つ書き込み可能及び書き換え可能な光学記録媒体も同様に考えられる。
【0035】
図3は、螺旋角情報制御を持つスキャニングデバイスを示す。そのデバイスは、記録担体11上のトラックをスキャンするスキャニング手段を具備する。その手段は、記録担体11を回転させる駆動ユニット21と、ヘッド22と、トラック上のヘッド22の位置決めをするサーボユニット25と制御ユニット20とを含む。ヘッド22は、記録担体の情報層のトラック上の放射線スポット23に焦点が合わされる光学要素を介してガイドされる放射線ビーム24を生成する、知られたタイプの光学システムを有する。放射線ビーム24は、例えば、レーザダイオードのような放射線源により生成される。ヘッドは、すべての光学要素、レーザ及び検出器を、通常光学ピックアップユニット(OPU)と呼ばれる集積ユニットとして含むことができる。また、ヘッドは、光学要素のいくらかだけを移動可能なユニットとして含むことができる。その場合、残りの光学要素とレーザと検出器とは、通常スプリットオプティクスと呼ばれる、機械的に固定された場所にあるユニットに配置され、ビームは、両ユニット間を例えば鏡を介して転送される。ヘッドは更に、放射線ビーム24の焦点をそのビームの光学軸に沿って動かす(図示省略された)焦点アクチュエータと、そのトラックの真中で、半径方向にあるスポット23の精密な(fine)位置決めをするためのトラッキングアクチュエータとを有する。トラッキングアクチュエータは、半径方向に光学要素を動かすコイルを有するか、又は代替的に反射要素の角度を変えるよう配置されることができる。焦点アクチュエータ及びトラッキングアクチュエータは、サーボユニット25からのアクチュエータ信号により駆動される。読み出しのため、情報層により反射された放射線が、ヘッド22における、例えば、フォー・クアドラント・ダイオード(four-quadrant diode)のような通常のタイプの検出器により検出される。そのヘッドは、トラッキング及びフォーカシング(focusing)用の主スキャニング信号33とエラー信号35とを含む様々なスキャニング信号を生成するフロントエンドユニット31に結合され、検出器信号を生成する。エラー信号35は、上記トラッキングアクチュエータ及び焦点アクチュエータを制御するため制御ユニット25に結合される。主スキャニング信号33は、情報を読み出すための復調装置、デフォーマッタ(deformatter)及び出力ユニットを含む通常のタイプの読み出し処理ユニット30により処理される。
【0036】
制御ユニット20は、情報のスキャニング及び読み出しを制御し、ユーザ又はホストコンピュータからコマンドを受信するよう配置されることができる。制御ユニット20は、制御線26、例えばシステムバスを介して、記録担体の回転を制御するモータ21を含む、そのデバイスにおける他のユニットへ接続される。制御ユニット20は、以下に述べられる手順及び機能を実行するため、例えば、マイクロプロセッサのような制御回路、プログラムメモリ及びインタフェースを有する。制御ユニット20は、論理回路におけるステートマシンとして実現されることもできる。
【0037】
ある実施形態において、そのデバイスは、書き込み可能又は書き換え可能なタイプの記録担体に情報を記録するための記録手段を具備する。記録手段は、入力ユニット27、フォーマッタ28、レーザユニット29、フロントエンドユニット31及び放射線の書き込みビームを生成するためのヘッド22を含む。フォーマッタ28は、例えば、エラー訂正コード(ECC)、同期化パターン、インターリービング及びチャネルコーディングを追加することにより、制御データを追加し、記録フォーマットに従って、データをフォーマット化及びエンコードするためのものである。フォーマット化されたユニットは、アドレス情報を有し、制御ユニット20の制御のもと、記録担体上の対応するアドレス管理可能な場所に書き込まれる。フォーマッタ28の出力からのフォーマット化されたデータは、選択された記録層におけるマークを書き込むためのレーザパワーを制御するレーザユニット29に渡される。
【0038】
ある実施形態において、ソースデバイスからのリアルタイム情報が、アナログ音声及び/若しくはビデオ、又はデジタル未圧縮な音声/ビデオといった入力信号のための圧縮手段を有することができる入力ユニット27に与えられる。適切な圧縮手段は、例えば、音声用として国際特許出願 WO 98/16014-A1(PHN 16452)に記載され、ビデオ用としてMPEG2標準規格がある。入力ユニット27は、音声及び/又はビデオを情報の単位へと処理し、それは、フォーマッタ28に渡される。読み出し処理ユニット30は、適切な音声及び/又はビデオデコーディングユニットを有することができる。
【0039】
本発明によれば、制御ユニット20は、以下の図4を参照して説明されるように、選択された位置に基づき実際の回転角を検出する角ユニット32を含む。実際の回転角を検出することは、まず、記録担体の第1のデータ層における第1の選択された場所へビームを動かし、その存在を検出した後、第2のデータ層へレイヤジャンプ(layer jump)を行い、及び例えばアドレスを読み出すことにより第2の層におけるビームの第2の選択された場所を検出することで実現されることができる。第2の選択された場所の相対的な角度の位置は、記録担体の回転率と検出された両方の場所の時間差とが分かれば簡単に計算されることができる。時間測定に変わるものとして、例えば、記録担体を回転させるモータ21への制御信号から、記録担体の回転量が直接的に監視されることができる。斯かる制御信号は、通常制御ユニットで制御されるか、又は制御ユニットにおいて少なくとも利用可能である。
【0040】
ある実施形態において、そのデバイスは、例えばコンピュータにおいて使用される光学ディスクドライブといった、ストレージシステムのみである。すると、制御ユニット20は、標準化されたインタフェースを介してホストコンピュータシステムにおける処理ユニットと通信するよう整えられる。螺旋角を検出する処理は、専用のソフトウェアプログラムによりそのデバイス又はホストで、つまり標準的なディスクドライブを介して実行されることができることに留意されたい。例えば、そのデバイスの角度ユニット32の機能として述べられた時間差を介して螺旋角を検出することは、そのソフトウェアプログラムにより実現されることができる。
【0041】
ある実施形態において、制御ユニット20は、以下の図5を参照して説明されるように、螺旋角と螺旋角情報とに応じて、その情報の読み出し及び/又は機能を制御するよう整えられる。また、螺旋角情報に応じて情報の読み出し及び/又は機能を制御するための機能は、データ担体で又はインターネットのようなネットワークを介して提供されるソフトウェアドライバ又はアプリケーションソフトウェアプログラムを介して、例えばホストコンピュータのような異なる処理ユニットで部分的に行われることができる。
【0042】
ある実施形態において、そのデバイスは、例えば、個人使用(consumer use)のためのビデオ記録装置のようなスタンドアロンユニットとして配置される。制御ユニット20又はそのデバイスに含まれる追加的なホストのような制御ユニットは、ユーザにより直接的に制御されるよう、及びファイル管理システムの機能を実行するよう整えられる。
【0043】
図4は、螺旋間の実際の回転角を決定することを示す。第1のデータ層40は、第1の螺旋56と第1のデータ層40における第1の所定場所51とを持つ。第2のデータ層41は、第2の螺旋57と第2のデータ層41における第2の所定場所52とを持つ。所定場所51、52は、螺旋角を検出するための基準点を与え、例えば、所定のアドレス又は特定の同期フィールドとすることができる。ある実施形態において、その所定場所は、所定の半径方向の位置に配置され、アドレス又は他の位置データが、両方の層における所定の半径方向の位置で読み出される。第1の所定場所51は、第1の角度位置53に配置されることが検出される。第2の所定場所52は、第2の角度位置54に配置されることが検出される。両方の角度位置53、54における差は、第1のデータ層40における第1の所定場所51と第2のデータ層41における第2の所定場所52との間の実際の回転角を示す。
【0044】
所定場所51、52つまり螺旋角を規定するための基準点は、それら自身に実際にアクセスされることができることに留意されたい。例えば、その所定場所の物理アドレスにあるデータブロックは読み出される。ある実施形態において、例えばトラックピッチ及びデータビット長のような螺旋パラメタは、その所定場所付近の任意に選択された場所にアクセスすることに基づき、その所定場所の位置を計算するのに使用される。特定の実施形態において、正確な螺旋パラメタは、記録担体の螺旋角情報に含まれることができる。その記録担体は、正確な形状の螺旋を持つ。すると任意に選択された場所は、その記録担体上のいずれかの場所とすることができ、任意に選択された場所からの計算と正確な螺旋パラメタとが、結果として実質的にその所定場所と同じ位置を生じさせることになる。そのデバイスは、様々な半径方向の位置における多数の選択された場所にさえアクセスし、その所定場所の対応する位置を計算し、続いて検出された実際の螺旋角の精度を増加させるために平均を取るか又は元のディスクに存在する正確な螺旋形状を持たない不正コピーを検出するため分散又は広がり(spread)を監視することができる。螺旋角の検出の説明にあたり、「選択された場所」という言葉が用いられるが、その場所は、所定の場所であるか、又はその所定場所の位置を計算するのに螺旋パラメタと共に用いられる、任意にアクセスされる場所とすることができるかのいずれかであってよい。
【0045】
図3を参照して上述されたようなデバイスにおいて、角度ユニット32は、次の様にして、第1のデータ層と第2のデータ層との間の螺旋角を検出するよう整えられる。ある実施形態において、例えば、モータの回転を示すタコメータ信号又は同期モータに対する周期的な駆動信号といった、モータ21を制御又は監視する駆動信号に角度ユニットは結合される。その駆動信号から、角度ユニットは、第1及び第2の選択された場所が検出される時点でのモータの回転位置を決定する。また、まず、回転速度又は回転時間が知られるか又は検出され、次に第1及び第2の選択された場所の検出の間の時間差が正確に測定される。回転時間は、選択されたアドレスを連続的に2回読み出す間の時間を測定することにより正確に測定されることができる。第1及び第2の層の間でのレイヤジャンプが、両方の測定の間で必要とされ、それは、単一の回転時間よりも長くかかることに留意されたい。実際の回転角55を計算するために、(測定されるような)時間差を回転時間で割った余りが取られ(taken modulo the rotation time)、残りの分数は、実際の回転角55を見つけるために回転時間で割られる。
【0046】
ある実施形態において、角度ユニット32は、実際の回転角度値についての所定の離散的な範囲に含まれる値として、螺旋角を決定するよう整えられる。特定の環境において、実際の回転値を検出する精度は限られる。離散的な範囲は、予め定められておくことができ、その範囲におけるステップは、例えば、平均精度の5倍といった、精度の観点から設定される。追加的な実施形態において、角度ユニット32は、螺旋角を決定し、及び最適な値を示すよう以下のように整えられる。測定角度がステップに割り当てられる値の範囲の境界に近い場合、最適な値が示される。最初に、実際の回転角度値の所定の離散的な範囲に含まれる、最も起こりそうな主値が検出される。測定された値がそのステップの境界に近い場合がある。もし主値がそのステップの中央領域、例えば中央50%領域に含まれる場合、その主値だけが示される。しかしながら、測定された角度が、そのステップ範囲の下位25%に含まれる場合、主値及び可能性として次に低い値が示され、測定された角度が、そのステップ範囲の上位25%に含まれる場合、主値及び可能性として次に高い値が示される。ステップは、重複する領域を持つとも考えられ、測定値が斯かる重複に含まれる場合、2つのステップが示されることに留意されたい。実際の回転角を備える螺旋角情報の検証は、主値を組み合わせることで開始するが、その主値の組み合わせの後、続いて可能性のある次の螺旋角度値を組み合わせることを含む。
【0047】
ある実施形態において、角度ユニット32は、第1のデータ層と第2のデータ層との間の追加的な角度を螺旋角に含めるよう整えられる。すると、螺旋角は、第1のデータ層における第1の追加的な所定場所と第2のデータ層における第2の追加的な所定場所との間の追加的な実際の回転角を示す追加的な角度を含む少なくとも2つの値を含む。その追加的な場所は、第1の所定場所51と第2の所定場所52とは異なり、例えば、第1及び第2の所定場所は、半径方向の外側の位置に配置される一方で、第1及び第2の追加的な所定場所は、半径方向の内側の位置に配置される。その追加的な回転角は、実際の回転角55と同じ方法により測定される。追加的な所定場所を螺旋角のパラメタとして含めることは、螺旋パラメタが余り高い精度ではないか、又は少なくともそのデバイスに対して正確に伝わっていないことを仮定することに留意されたい。上述されるように、知られた正確な螺旋パラメタは、記録担体上の任意の追加的な場所からの主基準点(所定場所)と、追加的な基準点との計算を可能にすることになり、測定が冗長であることになる。
【0048】
図5は、記録担体上のコンテンツへのアクセス又はその機能を制御するため、螺旋角情報を適用する処理を示す。第1のステップIN60において、記録担体は、データにアクセスするためのデバイスに入れられる。次のステップREAD61において、そのデバイスは、螺旋角情報を読み出す。螺旋角情報が存在することは、記録担体のタイプから知られることができるか、又はそのデバイスが螺旋角情報を常に探すようデザインされてもよいことに留意されたい。螺旋角情報は、例えば、ホストコンピュータを介して、ユーザのコマンドの下で記録担体から読み出されるコンテンツ又はソフトウェアの一部として読み出されることもできる。ステップSAI62において、螺旋角情報の存在が検出されることができる。もし何ら螺旋角情報が利用可能でない場合、そのドライブはその記録担体をアクセス制御が不要なものとして受け入れ、ステップACCESS67におけるその記録担体へのアクセスへと処理を進める。螺旋角情報が存在する場合、実際の回転角がステップANGLE63で検出され、螺旋角として提供される。次のステップVERIFY64において、螺旋角と螺旋角情報とが組み合わされ、検証が行われる。検証の結果を用いるいくつかのオプションが与えられ、ステップSTOP65で一致が確認できない場合にその記録担体への追加的なアクセスを拒絶することを含む。一致が確認できる場合、螺旋角は適切なものとしてステップAPPLY66において適用され、そのステップは、以下に説明されるようにユーザコード又は記録担体コードの追加的なチェックを含むことができる。最終的に、螺旋角情報と螺旋角とが検証され、チェックがOKである場合、ユーザは、ステップACCESS67に意図されるように、その記録担体にアクセスし、又はその記録担体からソフトウェアを使用することができる。
【0049】
ステップVERIFY64の処理の実施形態において、情報の提供を制御するため螺旋角情報と螺旋角とを組み合わせることは、螺旋角に応じて情報へのアクセスを拒絶又は許可することを含む。螺旋角情報は、所定の螺旋角を示すことができる。記録担体の製造の間、所定の角度は、データ層の方向を制御することにより適用される。また、螺旋角情報は、製造後実際の回転角を測定した後、例えばデータ層のある記録可能な部分にデータを記録すること又は記録担体の図1に示されるような中央領域に螺旋角情報バーコード13を書き込むことにより、適用されることができる。
【0050】
ステップAPPLY66の処理の実施形態において、情報の提供を制御するため螺旋角情報と螺旋角とを組み合わせることは、その記録担体からコードパラメタを読み出すことを含む。コードパラメタは、その記録担体に追加的に記録されるバーコード又はキーコードとすることができる。コードパラメタは、前述の組み合わせの計算に含まれ、螺旋角情報、螺旋角及び/又はコードパラメタは、あるアルゴリズム、例えば不可逆(one-way)暗号化関数を介して関連付けられる。螺旋角情報は、例えばスタンピングにより、マスター記録担体を介して適用されるようなデータ層に含まれるデータの一部である。製造の間、実際の回転角が測定され、コードパラメタが計算され、記録担体に格納される。これは、コンテンツの所有者に知られたそのアルゴリズムが、データの改ざんに対して追加的な保護を提供するという利点を持つ。
【0051】
そのプロセス、特にステップVERIFY64とステップAPPLY66とにおける実施形態において、螺旋角情報を組み込むプログラムが記録担体で頒布され、ユーザにユーザコードの入力を要求する。そのプログラムは、代替的にインターネットのようなネットワークを介して頒布され、螺旋角情報が記録担体に含まれる場合もある。ユーザコードは、安全性を増すため又はユーザにウェブサイトを登録させる若しくはアクセスさせるために、ユーザに別個に送信されることができる。ユーザは、公式ライセンス文書又はウェブサイト等からユーザコードを取得することができる。ユーザコードは、実際の回転角と比較される。特に、組み込まれた螺旋角情報は、アルゴリズムによる計算において、実際の回転角度値及びユーザコードと組み合わされることができる。その要素は、所定のアルゴリズム的な関連を持つ。例えば、よく知られた暗号化技術が、ユーザコードを生成するのに適用されることができ、ユーザの場所において、ユーザコードを検証するのに適用されることができる。螺旋角情報は、例えば、スタンピングによりマスター記録担体を介して適用されるようなデータ層上に含まれるデータの一部である。製造の間、頒布前又はユーザによるリクエストに応じて、実際の回転角が測定され、ユーザコードが計算される。実際の角度は、ユーザのデバイスでも測定されることができ、続いて角度コードが生成され、ユーザはユーザコードを受信する前に最初に角度コードを入力するよう尋ねられることができる。
【0052】
本発明は、主に螺旋形状のトラックを持つ2層光学ディスクを用いた実施形態により説明されてきたが、本発明は、長方形の光学カード、光学磁気ディスク、又は任意の配置において少なくとも2つの独立したデータ層を持つ任意の他のタイプの情報ストレージシステムといった他の記録担体にも適用される。従って、この文書における螺旋という用語は、環状形状又は線形トラックパターンをも含み、回転角は、斯かる配置のいずれかの尺度を含む。更に、3つ又はそれ以上のデータ層を持つ多層記録担体において、2つ以上のデータ層間の配置が考慮されることができる。
【0053】
この文書において、単語「comprising(有する)」は、記載されている他の構成要素又はステップの存在を排除するものではなく、構成要素に先行する単語「a」又は「an」は、斯かる構成要素の存在が複数であることを排除するものではない。いずれの参照符号も請求項の範囲を限定するものではなく、本発明は、ハードウェア及びソフトウェアの両方で実現されることができ、及びいくつかの「手段」又は「ユニット」は、ハードウェア又はソフトウェアの同じアイテムにより表現されることができる。更に、本発明の範囲は、実施形態に限定されるものではなく、本発明は、上述された特徴のそれぞれ及びすべての新規な特徴又はその組み合わせ中に存在する点に留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】螺旋角情報を持つディスク形状の記録担体を示す図である。
【図2】多層光学ディスクを示す図である。
【図3】螺旋角情報制御を持つスキャニングデバイスを示す図である。
【図4】螺旋間の実際の回転角を決定することを示す図である。
【図5】記録担体上のコンテンツへのアクセス又はその機能を制御するため、螺旋角情報を適用するプロセスを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層記録担体を介して情報を提供する方法において、前記記録担体が少なくとも第1のデータ層と第2のデータ層と螺旋角情報とを有し、該方法は、
−前記第1のデータ層と前記第2のデータ層との間の螺旋角であって、前記第1のデータ層における第1の所定場所と前記第2のデータ層における第2の所定場所との間の実際の回転角を示す螺旋角を検出し、
−前記情報の提供を制御するために、前記螺旋角情報と前記螺旋角とを組み合わせることを有する方法。
【請求項2】
前記情報の提供を制御するために、前記螺旋角情報と前記螺旋角とを組み合わせることが、
−前記螺旋角情報を構成する螺旋角依存関数を介して、前記螺旋角に基づき前記情報の異なるバージョンを提供する事と、
−前記螺旋角と、必要とされる螺旋角を示す前記螺旋角情報とに基づき、前記情報へのアクセスを拒絶又は許可する事と、
−コードパラメタであって、前記組み合わせることにおいて、前記螺旋角情報、前記螺旋角及び/又はアルゴリズムを介して関連付けられるコードパラメタを含むコードパラメタを前記記録担体から読み出す事と、
−ユーザコードであって、前記組み合わせることにおいて、前記螺旋角情報、前記螺旋角及び/又はアルゴリズムを介して関連付けられるユーザコードを含むユーザコードがユーザにより入力されることを要求する事とのうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記螺旋角情報が、正確な螺旋パラメタ情報を有し、前記検出することは、前記第1又は第2のデータ層における選択された場所を検出し、続いて前記正確な螺旋パラメタ情報に基づき前記第1又は前記第2の所定場所の位置を取得することを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記検出することが、実際の回転角度値の所定かつ離散的な範囲に含まれる値として前記螺旋角を決定することを有し、特定の場合には、主値を示す、主値と可能性として次に低い値とを示す、又は主値と可能性として次に高い値とを示すことを含み、前記組み合わせることは、前記主値を組み合わせた後、続いて、前記可能性のある次の螺旋角度値を組み合わせることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記検出することが、前記螺旋角に、前記第1のデータ層と前記第2のデータ層との間の追加的な角度を含めることを有し、前記追加的な角度は、前記第1のデータ層における第1の追加的な所定場所と前記第2のデータ層における第2の追加的な所定場所との間の追加的な実際の回転角を示し、前記追加的な場所が、前記第1の所定場所と前記第2の所定場所とは異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
情報を提供するためのコンピュータプログラムであって、請求項1乃至5のいずれかに記載の方法をプロセッサに実行させるよう動作するプログラム。
【請求項7】
情報を提供するための多層記録担体であって、前記記録担体が少なくとも第1のデータ層と第2のデータ層と螺旋角情報とを有し、
前記螺旋角情報は、前記情報の提供を制御すべく螺旋角と組み合わされるものであり、前記螺旋角が、前記第1のデータ層における第1の所定場所と前記第2のデータ層における第2の所定場所との間の実際の回転角を示す、多層記録担体。
【請求項8】
前記第1のデータ層と前記第2のデータ層とが、前記螺旋角情報に対応する角度位置に配置される、請求項7に記載の記録担体。
【請求項9】
前記螺旋角情報が、前記第1又は前記第2の所定場所の位置を得るための正確な螺旋パラメタ情報を有し、前記第1又は前記第2の所定場所の位置は、選択された場所と前記正確な螺旋パラメタ情報とに基づき得られる、請求項7に記載の記録担体。
【請求項10】
前記記録担体が、請求項6に記載のコンピュータプログラムを有する、請求項7に記載の記録担体。
【請求項11】
請求項1乃至5のいずれかに記載の情報を提供する方法において使用する、放射線のビームを介して記録担体をスキャンするデバイスであって、
該記録担体が、少なくとも第1のデータ層と第2のデータ層と螺旋角情報とを有し、
該デバイスは、
−前記情報を記録及び/又は読み出すスキャニング手段であって、前記放射線のビームを提供するヘッドを含むスキャニング手段と、
−前記第1のデータ層と前記第2のデータ層との間の螺旋角であって、前記第1のデータ層における第1の所定場所と前記第2のデータ層における第2の所定場所との間の実際の回転角を示す前記螺旋角を検出する制御ユニットとを有する、デバイス。
【請求項12】
前記制御ユニットが、前記情報の提供を制御するため、前記螺旋角情報と前記螺旋角とを組み合わせるようにされる、請求項11に記載のデバイス。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2007−536690(P2007−536690A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−512615(P2007−512615)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【国際出願番号】PCT/IB2005/051384
【国際公開番号】WO2005/109433
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】