説明

血中低分子量含窒素化合物の濃度を低減させる病態改善用食品

本発明は、腎不全では血液透析療法への移行を防止しもしくは遅延させ、または当該療法の実施回数を減らし、また肝不全における高アンモニア血症の発生を予防または軽減することができる、新規な病態改善用食品を提供することを目的とする。 この目的を達成するため、本発明の病態改善用食品は、難消化性多糖類を主成分とし、蛋白質成分の添加を制限したことを特徴とする。 これにより、難消化性多糖の資化によって生じるエネルギーを用い、腸内に分泌漏出する尿素またはアンモニアをN源として菌体蛋白を合成させ、増殖した菌体を糞便として排出させる機能を通じて血液中の低分子窒素化合物を減少させ、結果として腎障碍及び肝障碍を改善することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、特に腎不全または肝不全患者に好適に用いられる病態改善用食品に関する。さらに詳しくは、腎不全では血液透析療法への移行を防止しもしくは遅延させ、または当該療法の実施回数を減らし、また肝不全における高アンモニア血症の発生を予防または軽減する目的で用いることのできる病態改善用の食品に関するものである。
【背景技術】
人および動物において、食物繊維、あるいは非繊維性含水炭素が小腸で消化を受けることなく糞中窒素排泄量を増加させることは以前から知られていた。例えば、Sealock,R.R.,Basinski,D.H.& Murlin,J.R.:J.Nutrition,22,589−596(1941)、Mason,V.C.& Palmer,R.M.:Proc.Nutr.Soc.,32,82A,83A(1973)、Weber,F.L.Gastroenterology:77,518−523(1979)およびStephen,A.,M.& Cummings,J.H.:Proc,Nutr.Soc.,38,141A(1979)参照。
上記のような食物繊維を腎疾患に適用した例として、特開平2−101016号公報には、食物種子の外皮から得られる食物繊維を有効成分とする腎疾患改善剤が開示されている。この発明では、外皮から得られた食物繊維が腎結紮によって作られた急性腎不全ラットの生存期間延長に有効である旨が指摘されているが、腎結紮という腎障害の急性モデルは人間における慢性疾患のモデルとしては不適切であり、また、食物繊維が腎疾患に有効である理由も明らかでないため、多種類の食物繊維を画一的に扱っており、したがって単純に増量して摂取した場合には、下痢等の副作用を生ずる恐れがある等、不十分なものであった。
一方、糞中窒素の40〜70%は腸内細菌の菌体の菌体蛋白質に由来するものであって、腸内細菌は腸内に分泌される尿素を分解して生成するアンモニアを、菌体蛋白の合成に利用していることが知られていた(Wrong,O.M.& Vince,A.:Proc.Nutr.Soc.,43,77−86(1984)を参照)。
しかしながら、この腸内細菌の菌体蛋白合成の素材として腸内に分泌される尿素を積極的に活用させ、これによって腎不全における血中尿素濃度の低下を試みることは無かった。
実際に行われているのは、腎不全に対しては、血中尿素窒素(Blood Urea Nitrogen、BUN)の上昇を防ぐために、蛋白質摂取量を制限(0.5〜0.6g/kg体重)することが腎臓学会治療指針(日本腎臓学会編「腎疾患の生活指導、食事指導ガイドライン」(東京:東京医学社;1998))で推奨されている。蛋白質の摂取量を制限することに加えて、蛋白質の質については生物価の高い蛋白質(動物性蛋白質、魚介類、全卵など)に傾けることが推奨されている。
この目的を果たすために、腎不全食のための低グルテン小麦が推奨され高生物価低蛋白食品が腎不全用として多く開発された。さらに、必須アミノ酸をバランスよく配合された補助食品やエレメンタル・ダイエットなどが考案、利用されている。
また、肝不全については、高生物価の高蛋白食が用いられるが、殊に、分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシンおよびイソロイシン)がインスリン分泌を促し、また血液脳関門に関してトリプトファンと拮抗してトリプトファン由来の脳内アミンであるセロトニン等の形成を抑制し肝昏睡を予防〜覚醒させること、またこれに配合されたアルギニンが尿素サイクルを活性化することなどから、これらのアミノ酸を含有する高カロリーの肝疾患用のエレメンタル・ダイエットが考案され、利用されている。
しかし、これらの場合は、いずれも高い生物価の蛋白質を供給するか、あるいは配合設計された良好な濃度比のアミノ酸で構成される食品を供給することを通して、尿素ないしアンモニアなどの低分子量含窒素化合物の供給を減らすか、または上記疾患による症状を改善する効果を期待する食品または経腸栄養剤であって、摂取した含窒素化合物を通常の主たる代謝排泄ルート以外の、通常は主要でない他のルートによる体外への排出量を増加させてBUNを低下させる目的や機能を果たすものではない。
したがって、腎不全においては、食物中の蛋白、アミノ酸に由来して生成する尿素などの低分子量窒素化合物が腎臓に残存する濾過能力を超えて血中に蓄積するに至ったときは、血液透析療法によって体外に排出することになる。
肝不全において、血中アンモニア濃度の減少をはかるために、上記のような食事による方法の外に、腸管内に排出されてくるアンモニアを活性炭、あるいは陽イオン交換樹脂などの薬剤に吸着、非動化して糞便として排出、除去する手段がしばしば利用される。
上記の目的を達成するために、食事療法による指針として下記が実施されている。
(1)蛋白質の量的制限と質的向上:
蛋白質の量的制限と質的向上低蛋白食にして、窒素代謝産物の負荷を軽減させ、腎機能の低下を阻止すること。一般的に低蛋白食(腎不全:0.6g/kg体重/日;肝不全:1.2〜1.5g/kg体重/日)で腎不全および肝不全の悪化を遅らせる効果がある。長期にわたる治療のため、栄養学的にも適切でなければならず、必須アミノ酸のバランスを整えられるように蛋白価(Protein Score)の高い食材を選ぶ必要がある(日本腎臓学会編「腎疾患の生活指導、食事指導ガイドライン」(東京:東京医学社;1998)及び渡辺明治、沖田美佐子「肝疾患の栄養診断学.肝臓病と栄養治療」(第一出版、p.53−68,1992))。
(2)エネルギーを十分に与える:
エネルギーは1日35kcal/kgが適当で、1,800〜2,000kcalが必要と考えられている(日本腎臓学会編「腎疾患の生活指導、食事指導ガイドライン」(東京:東京医学社;1998)及び渡辺明治、沖田美佐子「肝疾患の栄養診断学.肝臓病と栄養治療」(第一出版、p.53−68、1992))。
(3)食塩(NaCl)は、浮腫、高血圧が合併した場合、制限する。
(4)高カリウム血症が出現した場合、カリウムの制限をする。
(5)水分摂取量は、浮腫傾向が生じたら食塩とともに制限するが、一般的には脱水に注意する。
一般に、低蛋白食で必要な必須アミノ酸の量とバランスを充足することが重要である。
従来の技術にあっては、腎不全に対しては、摂取する蛋白質の量を減らすか、良質の蛋白質の比率を増やして摂取蛋白質の質を改善して総窒素量を減らすか、または、アミノ酸、殊に良好な組成比に組み合わせた必須アミノ酸混合物を用いて、総窒素量の少ない高生物価の食品を調製して投与している。それでも尚、血中の低分子量含窒素化合物の濃度が腎臓の濾過能力をこえた場合には血液透析療法に移行しなくてはならない。
血液透析は通常3〜4回/週の通院を必要とし、3〜5時間/回の治療を受ける。この治療による患者の時間的、経済的、精神的負担は大きく、社会的にも、私的にも大きな損失となる。
血中の低分子量含窒素化合物を血液透析によって排泄するという医療は、患者に対して時間的、経済的、肉体的、精神的に大きな負担になるのみならず透析医療費は健康保険による医療費負担を通じて社会に大きな負担となり、今後ますます増大する傾向にある。
肝不全における昏睡は、肝臓の尿素サイクルの活性低下に起因するものであるが、肝不全のため血液中に増量してくるアンモニアもまた腸管・血液循環のサイクルにある。このアンモニアを体外に安全に排泄させる手段として、活性炭や陽イオン交換樹脂などの服用によって、これら化学物質に吸着させて糞便に排泄させるという医薬品を用いる方法が知られている。しかしながら、副作用のおそれのある吸着剤の大量の服薬は患者の大きな負担となっており、このような負担を軽減することができる解決策が求められている。
かくして、本発明は、腎不全や肝不全疾患に伴う上述の問題点の優れた解決方法を提供することを目的とする。
【発明の開示】
本発明者は、前項記載の目的を達成すべく鋭意研究の結果、血液透析のような経済的、時間的負担の大きい治療方法を軽減し、また副作用の恐れがある医薬品を服用するということなしに、腸内に排出され、再吸収されて循環する低分子量含窒素化合物を腸内細菌の菌体蛋白合成の素材として利用させて固定する目的で、菌体による蛋白合成に必要なエネルギーを消化酵素によっては殆ど消化されないが、腸内細菌によっては資化できるような難消化性多糖類を食品として投与することによって上記課題を解決することができることを見出し、このような知見に基いて本発明を完成した。
すなわち、本発明に係る病態改善用食品は、難消化性多糖類を主成分とし、かつ蛋白質成分の添加を制限し、必要によっては微量金属、ビタミン、脂質などを添加したことを特徴とするものである。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、難消化性多糖類について述べる。一般に、多糖類のうち澱粉やグリコーゲン等は、唾液中のアミラーゼや膵液中のアミラーゼといった消化酵素により小腸内でブドウ糖にまで消化され吸収される。一方、消化酵素によって加水分離されないセルローズに代表される多糖類が食物繊維(Dietary Fiber,Mipsley 1953)と称されている。しかしながら大腸における腸内常在菌の一部である乳酸菌やビフィズス菌等は一定の食物繊維を資化することができ、殊に水溶性の食物繊維(ペクチンやゴム質、オリゴ糖、アルギン酸、キトサン等)は資化され易い。このような、大腸内の常在菌によって資化される食物繊維のことを難消化性多糖と呼んでいる。本発明で用いられるポリデキストロースもオリゴ糖であり水溶性食物繊維に属する難消化性多糖類である。
上記難消化性多糖類の具体例としては、りんご、イチゴ、柑橘類などの果実に含まれるペクチン類、海藻由来のアルギン酸、フコイダン類、甲殻類由来のキチン、キトサン、アカシヤゴム等のゴム類、蒟蒻由来のマンナン類、寒天、グルコースの重合体であるポリデキストロース、もしくはトウモロコシ、大豆、サイリウムなどの穀物種皮由来の水溶性食物繊維(ヘミセルローズ)、または糖アルコール及びその重合体等を挙げることができる。
なお、これらの中でも、少なくともポリデキストロースとペクチンとを含む組み合わせは好適に用いられる。その際の配合比は、重量にしてポリデキストロース100に対しペクチンを0.05〜100とすることが好ましい。本発明者は、この組み合わせを採用することにより、摂取しても下痢等を起こすことなくBUNを低下させる効果が最も大きくなることを知見している。この理由は定かではないが、乳酸菌等の腸内細菌によるポリデキストロースおよびペクチンの利用効率が異なり、その結果として両者の代謝速度が異なるので、乳酸菌等がより活発に活動し易くなるためと考えられる。
上述の物質のうち、特にペクチン類はりんご、柑橘類の果実から容易に製造できるし、またりんごジュース、柑橘類ジュースを製造する際の副生物としても容易に供給できる。また、アルギン酸、フコイダン類は海藻から、またキチン、キトサンは甲殻類の殻から簡単な操作によって製造できる。また、ポリデキストロースはブドウ糖のような天然物を原料としてクエン酸存在下で重合させて製造できるものである。さらに、多くの種皮由来の水溶性食物繊維は市販品が利用できる。
本発明の病態改善用食品に関して難消化性多糖類を主成分とするとは、この食品の固形分に占める難消化性多糖類の割合が乾物換算で好ましくは5重量%以上、就中、約40〜70重量%であることを言う。70重量%を超える場合には、粘性が高くなり食品としての加工が困難になる恐れがある。
また、蛋白質成分を制限するとは、難消化性多糖類と合わせて摂取した場合に血中尿素窒素を上昇させない範囲での添加をいい、蛋白質の含量を同種食品の50%以下にすることをいう。具体的には、蛋白質成分(すなわち、蛋白質およびその部分加水分解物(ペプチド))の固形分に占める割合が同じく乾物換算で好ましくは8重量%以下、就中、約2重量%以下にすることを言う。
本発明によれば、上記の難消化性多糖類を単独に、または数種類を適当な比率で配合したものに、蔗糖、果糖、ブドウ糖、糖アルコールなどの甘味料・羅漢果エキスのような天然甘味料およびクエン酸などで甘味、酸味を調整したもの、さらに、要すればこれにナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩の外に、栄養上必要な各種の微量金属、例えばZn、Fe、Cu、Co、Mn、Cr、Se等を食品添加物として承認された形で、必要量を加えて強化したもの、さらに、またビタミンA、ビタミンB類(B、B、B、B12、ニコチン酸等)、ビタミンC、ビタミンE、葉酸等のビタミン類、あるいは必須脂肪酸またはDHAのようなω−3系脂質を適当量加えて強化したものを原体として用いて、液状(飲料)、ゼリー状、クリーム状などの形態のあるいはビスケット類、クッキー類、パン、麺類、ケーキ類、アイスクリーム、シャーベットなどの形態の、本発明による病態改善用食品を製造してこれらを単独にまた複合して腎不全、あるいは肝不全の患者に供与するのである。
フレーバー、味(甘味、酸味)は使用目的に応じてりんご、レモン、イチゴ、ブルーベリー、みかん、オレンジ、ざくろ、ライチ、パイン、パパイヤ、バナナなどの果物のジュース、香料を加えることによって、摂取者に飽きさせないよう多様に製造でき、食品としてのバラエティをもたせることができる。
難消化性多糖類の食事投与が、含窒素低分子物質の尿中排泄を減少させ、投与窒素の殆ど全部を糞便中に排泄させることができるという事実は、豚において実証された(山本ら、第76回日本養豚学会大会講演要旨.日養会誌,38(4),227.2001)。山本らは、健康豚に対し低蛋白質飼料(窒素摂取量平均35.5g/日)にりんごジュース粕(乾物)30重量%添加して7日間給飼したとき、尿中尿素排泄量は約10分の1に減少し、相当する窒素は糞に回収されたという。
豚における結果は、腎不全患者に難消化性多糖類を含む食事を供給することによって、血中の含窒素低分子物質の濃度を低下させて、血液透析への移行を遅らせ、または、血液透析の回数を減らすこと、また肝不全患者においては、血中アンモニア濃度を減らして肝昏睡を回避させる手段を供給する可能性を支持している。しかしながら、豚での実験の目的、難消化性多糖類の投与量からみて本発明の病態改善用食品が腎不全患者や肝不全患者の病態改善に有効であるとは示唆されるものではない。
換言し付言すると、難消化性多糖類を主要成分とする本発明の病態改善用食品は、飲料、クリーム状食品、ゼリー状食品、ビスケット、パン、ケーキ状あるいはクリーム状菓子など、食品の含水量や難消化性多糖類の種類や添加量によって種々の形態と種々の食感の食品に製造することができる。また、成分を混合した粉体で提供することもできるので、利用者は、これを材料として、上述の食品を自家製造することができるし、料理の材料としても用いることもできる。
難消化性多糖類として代表的なものは、ペクチンである。ペクチンは、りんごや柑橘類の果実に多量に存在し、それらの果実のジュース搾り粕の中に、高濃度に存在しているのであるから、これから抽出して作り、酸又はアルカリによる脱エステル、精製、乾燥して作ることができる。りんごまたは柑橘類の果皮、あるいは野菜から抽出し酸で脱エステル化した後に濾過し、濃縮した後、アルコールで沈澱させて洗浄、乾燥、粉砕して製造することもできる。本発明に用いるペクチンは、精製したペクチンの外に、りんごジュース搾り粕や柑橘類(みかん、オレンジ、グレープフルーツなど)ジュースの搾り粕もペクチン含有量が高いので、精製ペクチンと同じ目的に使用することができる。すなわち、本発明でいうペクチンには、りんごや柑橘類の搾り粕も含まれるのである。海藻類を原料として同様にして製造したアルギン酸類、フコイダン類、またクエン酸存在下で、ブドウ糖を原料として造られるポリデキストロースなどが難消化性多糖類として使用することができる。これらの難消化性多糖類も、本発明の効果の奏される限りは精製品である必要のないことは言うまでもない。
このような多糖類は、水に溶かすとき、大量の水を高分子構造の中に取り込んで高い粘性を示すので、飲料とするときには、各難消化性多糖類の濃度は0.5〜30重量%とすることが望ましく、クリーム状食品とするときには、2〜30重量%、ゼリー状では2〜30重量%、ケーキ類では5〜60重量%、ビスケット類の乾燥食品類では5〜60重量%になるように加えて使用することができる。
腎不全、または肝不全の患者では、身体機能維持に必須とされるMg、Zn、Fe、Cu、Co、Mn、Cr、Seなどの微量金属が摂食量の低下、食物の偏りによって、不足することが多く、また血液透析治療を行なっている患者では透析によって体外に失われて欠乏することが多く、腎性貧血の原因となることも多い。
本発明の病態改善用食品には、これらの微量金属を遊離形、もしくは金属含有酵母(例えば、オリエンタル酵母工業株式会社製「ミネラル酵母」)などとして添加することによって、安全に、且つ、金属特有の異臭、異味なく、0.01〜5.0重量%添加することができる。これら微量金属を食品として投与することによって患者の欠乏を補うとともに、腸内細菌を活性化することによって、難消化性多糖類を主成分とする本発明の病態改善用食品の有用性をさらに高めることができる。すなわち、難消化性多糖類の摂取により、血中尿素並びにアンモニアといった低分子窒素化合物レベルが下がることで食欲抑制、代謝活性の低下要因が除かれ、そこに上記微量金属などの必須栄養素が補給されるので、身体条件の改善において相乗的な効果を発揮することができる。
なお、腸内細菌、ことに乳酸菌類の増殖を補助するために、上記食品に、乳酸菌の胞子、例えばラクリス(登録商標)(三井ライフテック株式会社製)などを加えても良い。
本発明は、血中(血管)から腸管内に排泄される、尿素などの低分子量含窒素化合物を腸内細菌の蛋白質の合成に利用させその菌体を糞便として排出させるという機作を利用して、腸管から血中に再吸収される窒素量を減少させ、その結果、血液中の低分子量含窒素化合物の濃度の上昇を抑制し低下させることを手段とする。この目的を達成するためには、消化酵素によっては容易には消化されないが、腸内細菌には容易に資化され、そのエネルギーが菌体蛋白質の合成に利用されるような難消化性多糖類を処方した食品を投与するのである。
もともと、血中の低分子量含窒素化合物、例えば尿素、アンモニアなどは腸管内に体液と共に分泌され、再吸収されることによって、腸内液と血液との間で還流しているのであるから、腸内に分泌される含窒素低分子物質を腸内細菌の蛋白合成のための窒素源として利用させ、菌体を増殖させ、これを糞便として体外に排泄させるならば、含窒素化合物の腸管・血液循環を断ち、血中濃度を低下させ、通常ならばこの化合物の排泄のために腎臓にかかる負荷が軽減される。
このような腎臓への負荷の軽減によって、腎臓の糸毬体の変性が遅延させられるので、一つには、血液透析療法への移行が遅らせられ、一つには、血液透析の回数を減らすことができると期待できる。
本発明による病態改善用食品を腎不全患者が例えば、毎食後または/および食間に定期的に摂取するならば、血中低分子量含窒素化合物の一部は腸内細菌蛋白に転換して糞便として排泄され、血中濃度を低減させ、これによって血液透析療法への移行に抵抗し、あるいは透析回数を減らすなどが可能となり、血液透析療法に関わる諸課題を解決し、且つ、患者のQOLを高めることができる。
また、肝不全患者が本発明のような、腸内に分泌されるアンモニアを腸内細菌の菌体蛋白合成に利用させて、糞便に排泄させる生物学的な機作を利用した病態改善用食品を例えば、毎食後または/および食間に摂取するならば、副作用がなく、且つ、大量の吸着剤の服薬という負担を軽減することができる解決策を提供することとなる。
尿中の含窒素化合物、特にアンモニアは尿臭の成分であるので、したがって、寝たきりの患者または老人における不感排尿による尿臭を減らすことができる。
以下、本発明の病態改善用食品の組成例を示しつつ、本発明を実施例により更に詳細に説明する。但し、本発明の範囲はこれらの実施例に拘束されることはない。
(実施例1)飲料
下記第1表に原料の組成例及びこれに水を加えて飲料としたときの、飲料100g当たりの固形分量を示す。水の添加によって100gの飲料(製品)とする。

第1表の飲料は、1日の摂取量を例示しており、これを毎食後、または透析治療中、または随時一時にまた数回に分けて飲用してもよい。また、実施例2および実施例3に述べるような食品と組合せて摂取してもよい。また、この1日量は例示であって、これを超えて摂取してもよい。ただし、本発明に係る食品のカロリー量はなるべく抑制し、具体的には1日の摂取量を300kcal以下とすることが好ましい。特に、糖尿病が原因で透析治療に至った場合には、あくまで補食に過ぎない本発明の食品のカロリー量はできるかぎり制限し、主食のカロリー計算への影響を少なくすることが重要である。
ペクチンは、りんごジュース搾り粕で代用することができる。また、りんご果汁、イチゴ、柑橘類、その他の果実に由来するペクチンまたはペクチン含有の食品成分で代替することも可能である。さらに、ペクチン以外であっても難消化性多糖に分類される例えばアカシアゴム、種皮由来のヘミセルローズや海藻由来のアルギン酸類、蒟蒻由来のマンナン類でも代替することもできる。さらに、ペクチンの一部を置換することも可能である。
果糖は、蔗糖、糖アルコールその他の甘味料の単体と、また混合物と置換してもよい。甘味料として、羅漢果エキス、ステビア、甘草エキス等の天然系甘味料も利用できる。また、アステルパーム等の人工甘味料も利用できる。
ビタミン類については欠乏し易いビタミンCを添加すると共に、血液透析治療によって失われ易いビタミンB群を補強している。ミネラル、特に身体機能維持に必須とされる微量ミネラル(Fe、Zn、Cu、Mn及びCr、Seなど)は食品添加物として厚生労働省に認可されていないため、これらを含有する酵母を用いて、成人1日における必要量を満たす分量を添加し、栄養面にも配慮している。
食感改善のために、0.1〜3gの寒天粉またはこんにゃく粉を加えてゼリー飲料とすることもできる。
この飲料を1日、200〜300g(固形分換算)飲用するとき、当日において摂取する蛋白質のうち4〜8gは腸内細菌蛋白に固定されて、糞便として排泄される。即ち、菌体蛋白の窒素含有量に相当する量の尿素などの低分子量含窒素化合物の血中濃度が下がり、腎臓への負荷を改善することができる。
その時の計算式は、下記によって与えられる。
即ち、腸内細菌が、腸内に分泌される尿素など低分子量含窒素化合物を窒素源とし、難消化性多糖類を資化することによってエネルギーを得て、菌体蛋白を合成する際には、下記の関係が実験的に証明できる。
(a)難消化性多糖類の総エネルギー含量を一般的に3.6kcal/gとし、その50%が菌体に利用されるとするとき、難消化性多糖類(Ag)が菌体に利用されるエネルギーは、Ag×3.6kcal/g×0.5=1.8×Akcalである。
(b)他方、菌体蛋白の合成に要するエネルギーは、一般に5.66kcal/g蛋白とされ、腸内細菌によるエネルギーの利用効率を44%とするとき、Bgの菌体蛋白の合成には、Bg×5.66kcal×0.44=12.8×Bkcalが必要となる。したがって、Agの難消化性多糖を経口投与するとき合成される菌体蛋白(Bg)の概略の量は、1.8×A/12.8で与えられることになる。
(c)この実験式を適応すると、実施例(1)の飲料300g/日摂取するとき、難消化性多糖類の摂取量(A)は、30〜60gとなるので、そのときに合成される菌体蛋白量(B)は、4.2〜8.4gとなる。
腎症息者(体重50kg)において、蛋白摂取量を30g/日(0.6g/kg体重)とするとき、第1表に示す飲料を固形分換算で300g/日を摂取するときには、この患者に対して4〜17%の蛋白摂取量を減らしたと同じ効果を有することになる。
(実施例2)ゼリー状食品
下記第2表にゼリー状食品の原料の一部の組成例を示す。

果糖、クエン酸、クエン酸ナトリウム、ビタミンC、ビタミンB類(B、B、B、ニコチン酸アミド、B12)、微量金属及びミネラル酵母については、飲料の場合(前実施例)もゼリー状食品の場合(本実施例)も基本的には同じなので、ゼリー状食品の原料組成は、第2表に示す3種の原料に第1表に示す果糖以下の原料を加えることで完成する。これらの原料に水を加えて全量が60〜105gとなるように含水量を調節する。
このような原料組成によって、製造されるゼリー状食品は、適宜のサイズ、例えば20g、25g、35g入りの容器に密封され、滅菌されている。これらよりも大きい容器でも差し支えない。
このようなゼリー状食品(20g入り/個、25g入り/個、または35g入り/個)を毎食後または透析施行中、または随時食べることができる。もし、この食品を1回に1個づつ、1日に3回摂取したときには、難消化性多糖類の摂取量は大略25g/日(20g入り/個)〜40g/日(35g入り/個)となって、当日の食事中蛋白質のうち、3.5g/日(20g入り/個)〜6.3g/日(35g入り/個)が腸内細菌蛋白に固定されて、糞便中に排泄されることになる。
蛋白摂取量(または窒素量)が経日的に多少の変動するとしても、その量は体外に排泄される総窒素量に等しい。難消化性多糖類の食品摂取は、窒素排泄の主要なルート、即ち、腎臓を経由する排尿、及び大腸経由する糞便のルートのうち、糞便中への排泄の比率を高めることによって、腎臓への負担を軽減することを目的としており、併せて、腸内に分泌される尿素など含窒素化合物を効果よく解毒、除去しようとするものである。
ちなみに、肝不全では、腸内に分泌されるアンモニアによって下痢などの消化管障碍が生じ易く、患者に苦痛を与えるが、この症状も改善することができる。
(実施例3)ビスケット、クッキー様食品
難消化性多糖類を主成分として、クッキー、ビスケット、パンまたは煎餅のような乾燥ないし半乾燥状の食品を製造することができる。下記第3表に、その原料の組成例を示す。

難消化性多糖類として、りんごジュース搾り粕の外にアカシヤゴムや、サイリウム、大豆、トウモロコシ等穀物種皮由来の水溶性難消化性多糖も利用できる。乳酸菌有胞子製剤(例えばラクロス(登録商標))を加えても良い。
セルロース・ファイバーは、例えばソルカフロック300FCC(ダニスコジャパン(株))のような微細粉セルローズを用いる。
澱粉は、蛋白含量の少ないポテト・スターチ、コーン・スターチ、葛澱粉、低グルテン小麦粉などが望ましい。薄力小麦粉を澱粉の添加量の範囲内で使用することも許される。なお、第3表に示すような組成物を焼成してビスケット、又はクッキーを製造するに当たっては、りんごジュース搾り粕は高いペクチン含量のために成形する際に粘性の高い泥状となり、これをポリデキストロース、ペクチンで強化されるときには焼成は一層困難となり、焼成品は硬くて食用には適さない。小麦粉を20%以上添加するのはこの物性改良のためであり、小麦粉由来の蛋白質グルテンの不可避的混入を防ぎ、蛋白質成分を所定量以下まで制限するために、上記の例では低グルテン小麦粉を使用している。
クッキーとビスケットの組成については、ビスケットの方がクッキーよりもバター(またはショートニング)の含量が少なく、15%以下となる。また、クッキー並びにビスケットの原料として重曹及びクエン酸、またはクエン酸ソーダを混入して製品の硬化を防ぎ、食感を向上することができる。さらに、クッキー並びにビスケットの焼成に際し、通常の焼成装置を使用することも可能だが、マイクロ波による加熱、焼成を実施すれば、水で練った組成物中の水分が内部からも気化し、小孔を作ったまま焼成されるので、製品に気泡が発生し食感の向上に役立つため好ましい。
なお、バター、ショートニングは食用油脂であり、多くは常温で固型の油脂である。バター、ショートニングには、オレイン酸、パルミチン酸、リノール酸、リノレイン酸、その他に炭素数12、14個の脂肪酸も含んでいても良い。また、これらに対してDHAのような多価不飽和脂肪酸を加え、腎障碍、肝障碍のために影響を受け易い中枢神経系の保護を図ることもできる。
このようにして製造されるクッキー、ビスケットによって、蛋白含量0.1〜4g/一日量を達成できる。また、この食品により患者に利用可能なカロリーは400kcal/日以下であるから、患者の食事療法のスケジュール(1,800〜2,000kcal/日)に大きな影響を与えることなしに、大量の難消化性多糖の摂取が可能となり、血中尿素、またはアンモニアのレベルを低減させ、腎症、肝不全の症状に対して相乗的に有効性を発揮することができる。
例えば、このような組成で製造された食品(例えばクッキー)10個のうち、毎日6個を摂取したときには、難消化性多糖類の摂取量は、ほぼ30〜50gとなり、これによって食事蛋白の4〜6gが糞便ルートでバイパスされることになる。
実施例1、2および3に示した飲料、ゼリー、クッキーなどの食品は単独でも組合せても摂取できるので、食事由来の窒素成分を尿以外に糞便の形で、相当量を排泄することができる。本発明の病態改善用食品を、病態食を含む通常の食事と併用し、摂取すれば、より容易により著しい相乗的効果をあげることができる。
例えば、飲料(固形分として)100g、ゼリー(25g入り)2個、そしてクッキー様食品6個を1日に何回かにわけて混合摂取するとき、それらによる菌体蛋白合成量は10〜15gに達し、それと等量の食事蛋白量相当の低分子量含窒素化合物が、排尿ルートではなく、排便ルートにより排泄される結果になる。
(実施例4)その他の食品形態
パン、麺類に難消化性多糖類を5〜30重量%混入させ、それに相当する量の小麦粉など澱粉を減らした食品加工も可能である。この場合には、腎不全患者の体重における蛋白の1日あたりの摂取量を0.6g/kg以下または1.2〜1.5g/kgの範囲内に収められるよう原料である小麦粉、穀物澱粉中の蛋白含有量に基づき添加量を設計する。
アイスクリーム、シャーベットなどの冷菓や菓子類の原料として難消化性多糖類を用いることもできる。難消化性多糖類のポリデキストロースは5〜20重量%加えても良い。ポリデキストロースは淡い甘味を有するため菓子類には適している。また、りんごやイチゴ、柑橘類由来のペクチンを1〜5%添加することにより甘味を増強することができる。これら食品の主要部分を成す牛乳、鶏卵またはそれに由来する蛋白質成分の量は上記と同じく本発明の目的を達成するため制限することが求められる。これには食品中の蛋白質のうち20〜70重量%を、豆腐凝固時に生じる上澄みを濃縮して得られる乳化大豆に大豆または卵黄レシチンを5〜30重量%添加し均質化したもので代替することができる。また、牛乳または鶏卵由来の蛋白は、乳化大豆に大豆もしくは鶏卵由来のレシチンを加え、水との親和性を高めた素材でも代替することができる。このように、摂取蛋白質を制限することにより、難消化性多糖類との相乗効果が発揮され、本発明の目的達成に寄与することができる。
(実施例5)病態改善試験(その1)
ボランティアの健康人男4人および女4人の計8人に、実施例2によるゼリー状食品3個(各25g)、及び実施例3によるクッキー状食品6個/日を毎食後に混合摂取させた。難消化性多糖類の総量は平均して80g/日となった。1日蛋白摂取量を0.6g/kg体重とした。
被験者は、男女それぞれ2群にわけて、クロスオーバー法により実施した。即ち、対照食でスタートした男女各2人は、5日目には試験食期間に入り、4日間継続した。試験食からスタートした男女各2人は、5日目から4日間対照食を摂取させた。
被験者には本試験の目的を説明し、給与食品の組成、安全性を説明して文書により承諾を得た。
早朝空腹時に採血してBUNを測定し、毎日、全尿を採取して尿中窒素排泄量を測定した。結果を下記第4表に示す。

上記第4表の示す通り、尿への窒素排泄量は、34%減少し、BUNは、30%改善した。
(実施例6)病態改善試験(その2)
実施例2によるゼリー状食品25g/個を毎日3個、および実施例3のクッキー状食品6個を毎日2〜3回にわけて、混合摂取し、糞便中への窒素の排泄量、血中BUNおよび尿中尿素、アンモニア量への影響を検討した。
被験者は、血液透析治療には至らないが、BUNが高く、腎臓庇護食を常用している腎不全患者のうち、研究目的、給与食品、検討計画について文書で説明して、協力の意思を文章で確認できた5人を選んだ。患者からは、毎日一定時刻に採血してBUNを測定し、毎日全尿を採取して尿素、アンモニア量を測定した。糞便は、試験期間中7日、8日、9日目の全量を採取して、総窒素量を測定した。尚、7日、8日、9日の食事は、同じ献立を用意し、その全窒素量を測定し、摂取窒素量を算出した。結果を下記第5表に示す。

第5表に示した結果より、試験区においては、供試サンプルの投与により、投与9日目の糞便量および糞便への排泄窒素量が増加することが認められた。また、経日的にBUNは20%低下し、尿中排泄総窒素量は30〜60%改善された。
(実施例7)病態改善試験(その3)
被験者として、週3回透析している患者を選び、実施例6と同様に、研究目的、給与食品、検討計画について文書で説明して、協力の意思を文書で確認できた5人を選定して、実施例6で給与した食品を同量摂取し、糞便中への窒素の総排泄量およびBUNへの影響を検討した。結果を下記第6表に示す。

第6表に示した結果から、試験区においては、供試サンプルの投与により、投与9日目の糞便量および糞便への排泄窒素量が増加することが認められた。また、投与9日目のBUNは約30%低下し、改善が認められた。
【産業上の利用可能性】
以上、本発明による病態改善用食品は、摂取蛋白質の窒素を腸内細菌の菌体蛋白質合成の素材として利用させるという機構を通じて、腸内に排出され、血液・腸管循環する尿素などの含窒素低分子化合物の再吸収を減少させて糞便として排泄させるように作用する。このような機能をもっているので、以下に記載するような効果を奏する。
(1)BUN、アンモニアなど含窒素低分子化合物の血液中濃度を低下させる。(2)腎不全患者に毎日所定の量を摂食させるとき、腎臓への負荷を減らし、血液透祈治療への移行を遅らせることができる。(3)腎不全のため血液透析治療を行なっている患者に対しては、血液透析回数を減少させることによって精神的、時間的、経済的負担を軽減し、QOLを向上させ、医療費の削減に寄与する。(4)急性、または慢性肝不全においては、血中アンモニア濃度の低下を通じて肝昏睡に陥る危険を減らし、症状を改善する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
難消化性多糖類を主成分とし、蛋白質成分の添加を制限したことを特徴とする血中低分子量含窒素化合物の濃度を低減させる病態改善用食品。
【請求項2】
難消化性多糖類を乾物換算で5重量%以上含有し、蛋白質成分を8重量%以下まで制限したことを特徴とする血中低分子量含窒素化合物の濃度を低減させる病態改善用食品。
【請求項3】
請求の範囲1又は2記載の病態改善用食品において、難消化性多糖類が、ペクチン、ポリデキストロース、アルギン酸、フコイダン、キチン、キトサン、穀物種皮由来のヘミセルローズ、アカシヤゴム、蒟蒻由来のマンナン、寒天、又は糖アルコール及びその重合体から選ばれる一以上の物質であることを特徴とする血中低分子量含窒素化合物の濃度を低減させる病態改善用食品。
【請求項4】
請求の範囲2記載の病態改善用食品において、難消化性多糖類が、少なくともポリデキストロースおよびペクチンを含み、重量比がポリデキストロース100に対しペクチンが0.05〜100であることを特徴とする血中低分子量窒素化合物の濃度を低減させる病態改善用食品。
【請求項5】
請求の範囲1、2、又は4記載の病態改善用食品において、難消化性多糖類に加えて、さらに微量金属、ビタミン、脂質から選ばれる一以上の物質を含有したことを特徴とする血中低分子量含窒素化合物の濃度を低減させる病態改善用食品。
【請求項6】
請求の範囲3記載の病態改善用食品において、難消化性多糖類に加えて、さらに微量金属、ビタミン、脂質から選ばれる一以上の物質を含有したことを特徴とする血中低分子量含窒素化合物の濃度を低減させる病態改善用食品。
【請求項7】
請求の範囲1、2又は4記載の病態改善用食品が、飲料、ビスケット、クッキー、ケーキ、アイスクリーム、シャーベット、パン、麺類、もしくはゼリーの形態であることを特徴とする血中低分子量含窒素化合物の濃度を低減させる病態改善用食品。
【請求項8】
請求の範囲3記載の病態改善用食品が、飲料、ビスケット、クッキー、ケーキ、アイスクリーム、シャーベット、パン、麺類、もしくはゼリーの形態であることを特徴とする血中低分子量含窒素化合物の濃度を低減させる病態改善用食品。
【請求項9】
請求の範囲5記載の病態改善用食品が、飲料、ビスケット、クッキー、ケーキ、アイスクリーム、シャーベット、パン、麺類、もしくはゼリーの形態であることを特徴とする血中低分子量含窒素化合物の濃度を低減させる病態改善用食品。
【請求項10】
請求の範囲6記載の病態改善用食品が、飲料、ビスケット、クッキー、ケーキ、アイスクリーム、シャーベット、パン、麺類、もしくはゼリーの形態であることを特徴とする血中低分子量含窒素化合物の濃度を低減させる病態改善用食品。

【国際公開番号】WO2004/084919
【国際公開日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【発行日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−504125(P2005−504125)
【国際出願番号】PCT/JP2004/004319
【国際出願日】平成16年3月26日(2004.3.26)
【出願人】(505131599)株式会社ケイロン・ジャパン (1)
【Fターム(参考)】