説明

血圧測定用カフ

【課題】長時間において間歇的に使用するような場合にも安全に適切に測定を行う。
【解決手段】膨張伸縮する材料により構成された空気袋10と、空気袋10に取り付けられ、送気及び排気を行うためのチューブ12と、前記空気袋10を収納する外装袋20と、前記外装袋20を腕に巻き付ける際の前記空気袋10における腕側に一体に設けられ、少なくとも一層以上であり、腕に巻き付けた際に皺が発生せずにR形状を保持すると共に、折れた後にも皺が残存することなく折れ癖が生じ難い素材により構成されたシート13とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被験者などの腕(上腕部)に巻き付けて膨張により圧迫を加えて血圧測定を行うための血圧測定用カフに関し、特に有効には長時間の使用に好適な血圧測定用カフに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の血圧測定用カフは、伸縮性を有さない布などにより作成された外装袋に、ゴム製などの空気袋を収納した構成を有するものである。この血圧測定用カフにおいては、外装袋の一方の面の一部に面ファスナーのループ植毛面を有するシートが貼り付けられ、外装袋の他方の面の一部に面ファスナーのフック植毛面を有するシートが貼り付けられ、腕に巻き付けて上記ループとフックを噛み合わせて固定するようになされている。
【0003】
上記のように血圧測定用カフを腕に巻き付けた後に、空気袋に結合されたチューブから空気を圧入して空気袋を膨張させて血流を阻害するようにして、その後にチューブから空気を排気させて徐々に減圧することにより血圧測定を行うものである。
【0004】
このような従来の血圧測定用カフでは、腕に巻き付けられた状態において腕に接触する側に皺が生じ、外装袋の布が硬いことも加わって、空気袋を膨張させると、上記の皺が腕の皮膚を挟むことがあり、場合によっては皮下出血が生じることがあった。
【0005】
上記に鑑み、本願発明者らは、生体の所定部位に巻き付けて使用する際に、外装袋において弊害となる皺の発生を防止し、しかも生体の皮膚面に対する細かい皺の伝達を防止して、生体の皮膚に対する局部的な強い摩擦による皮下出血の発生を確実に防止し、生体の所定部位に対する適正な密着固定を容易に達成することができる血圧測定用カフを提案した(特願2006−285981号)。
【0006】
この提案に係る血圧測定用カフは、外装袋の内部に膨張袋を収納してなる血圧測定用カフにおいて、前記膨張袋を収納する外装袋の内周面側の内面と前記膨張袋の内周面側との間に、第1の滑りシートを可動自在に配置すると共に、前記外装袋の内周側面の外側に第2の滑りシートを、その長手方向の両端部において前記外装袋に結合した構成を採用している。
【0007】
また、従来から用いられていたシート材料よりも薄いシート材料を用いて流体袋(流体袋を構成するシート材料はその厚みが0.15m以下)を構成することにより、血圧計用カフを生体に巻き付けた状態における、外周側シートの周長と、内周側シートの周長との差を小さくし、内周側シートに発生する皺の影響を軽減するものが提案されている(特許文献1参照)。
【0008】
しかしながら、上記の血圧測定用カフによる皮下出血防止の効果は限定的なものであり、特に長時間にわたり断続的に使用するような場合には十分なものとは言えなかった。
【0009】
また、従来の血圧測定用カフでは、空気袋に結合されたチューブが柔らかく、測定の際に折曲がったり被験者等の身体の下になるなどして、測定ができなくなったり、空気袋が膨張したままで腕を圧迫し続ける等の問題があった。
【0010】
これに対し、圧迫帯に接続された弾性材料製のチューブの肉厚が、1周方向において周期的に変化し且つ軸心に対する対称位置において増減が相反するように構成されているものが提案されている(特許文献2参照)。この構成により、軸心に対する対称位置において増減が一致するように肉厚が形成されているチューブに比較して、血圧測定のための取扱中においてチューブが折れ曲げられ難くなる効果を得ている。また、たとえチューブが折れ曲げられたとしても、圧力気体の流通断面が確保されるものである。
【0011】
しかしながら、上記のチューブの構成では、チューブ断面の穴形状が円形ではなく、従来より使用されている断面の穴形状が円形のコネクタとの結合が適切に行われ難い問題点がある。
【特許文献1】特開2006−218178号公報
【特許文献2】特開2004−223102号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記のような血圧測定用カフが有する問題点に鑑みなされたもので、その目的は、長時間において間歇的に使用するような場合にも安全に適切に測定を行うことが可能な血圧測定用カフを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る血圧測定用カフは、膨張伸縮する材料により構成された空気袋と、空気袋に取り付けられ、送気及び排気を行うためのチューブと、前記空気袋を収納する外装袋と、前記外装袋を腕に巻き付ける際の、腕側に位置する前記空気袋の面とこの空気袋の面と対向する前記外装袋の面の間に固定的に設けられ、少なくとも一層以上であり、腕に巻き付けた際に皺が発生せずにR形状を保持すると共に、折れた後にも皺が残存することなく折れ癖が生じ難い素材により構成されたシートとを具備することを特徴とする。
【0014】
本発明に係る血圧測定用カフにおいては、前記シートが、前記外装袋を腕に巻き付ける際の前記空気袋における腕側面に一体に設けられていることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る血圧測定用カフにおいては、前記シートが、前記外装袋を腕に巻き付ける際の前記空気袋における腕側面に対向する前記外装袋の面に一体に設けられていることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る血圧測定用カフは、シートと空気袋との間には、空気抜口に通じる空気通路が形成されていることを特徴とする。
【0017】
本発明に係る血圧測定用カフでは、チューブは、チューブの断面形状において、中央の円形の穴部によりなる内部通路と、チューブの断面形状において、前記内部通路に対し同心円状に外側へ広がるチューブ本体部と、チューブ本体部より外側へ張り出して、前記チューブ本体部が折れ曲がった状態において前記内部通路の閉塞を阻止する肉厚部とを有することを特徴とする。
【0018】
本発明に係る血圧測定用カフでは、シートは、面ファスナーにおけるループ植毛面により構成されることを特徴とする。
【0019】
本発明に係る血圧測定用カフでは、外装袋は、腕に巻き付けた際に皺が発生せず、折れた後にも皺が残存することなく折れ癖が生じ難い薄い布素材により構成されることを特徴とする。
【0020】
本発明に係る血圧測定用カフでは、外装袋には、当該カフの使用が好適な使用者の腕の太さを示すスケール表示が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る血圧測定用カフによれば、外装袋を腕に巻き付ける際の、腕側に位置する前記空気袋の面とこの空気袋の面と対向する前記外装袋の面の間に固定的に設けられているシートが、少なくとも一層以上であり、腕に巻き付けた際に皺が発生せずにR形状を保持すると共に、折れた後にも皺が残存することなく折れ癖が生じ難い素材により構成されているので、長時間の間歇的使用の場合にも皺発生により腕の皮膚が挟まれることなく、皮下出血を防止し安全に適切に測定を行うことが可能である。
【0022】
本発明に係る血圧測定用カフによれば、外装袋を腕に巻き付ける際の空気袋における腕側面に一体に設けられているシートが、前述の通りの構成であるため、長時間の間歇的使用の場合にも皺発生により腕の皮膚が挟まれることなく、皮下出血を防止し安全に適切に測定を行うことが可能である。
【0023】
本発明に係る血圧測定用カフによれば、外装袋を腕に巻き付ける際の空気袋における腕側面に対向する前記外装袋の面に一体に設けられているシートが、前述の通りの構成であるため、長時間の間歇的使用の場合にも皺発生により腕の皮膚が挟まれることなく、皮下出血を防止し安全に適切に測定を行うことが可能である。
【0024】
また、本発明に係る血圧測定用カフによれば、シートと空気袋との間には、空気抜口に通じる空気通路が形成されているので、シートと空気袋との間に入った空気が膨張してシートが空気袋から剥がれるなどの問題を防止することができる。
【0025】
また、本発明に係る血圧測定用カフによれば、チューブは、チューブの断面形状において、中央の円形の穴部によりなる内部通路と、チューブの断面形状において、前記内部通路に対し同心円状に外側へ広がるチューブ本体部と、このチューブ本体部より外側へ張り出して、前記チューブ本体部が折れ曲がった状態において前記内部通路の閉塞を阻止する肉厚部とを有する構造であるため、内部通路の閉塞をなくして、長時間の使用等の場合にも安全に適切に測定を行うことが可能である。
【0026】
また、本発明に係る血圧測定用カフによれば、外装袋は、腕に巻き付けた際に皺が発生せず、折れた後にも皺が残存することなく折れ癖が生じ難い薄い布素材により構成されるので、長時間の間歇的使用の場合にも外装袋の皺発生により腕の皮膚が挟まれることなく、皮下出血を防止し安全に適切に測定を行うことが可能である。
【0027】
また、本発明に係る血圧測定用カフによれば、外装袋には、当該カフの使用が好適な使用者の腕の太さを示すスケール表示が設けられているので、カフを使用する患者などの腕を上記スケール表示に当てて比較するだけで、当該カフが使用に適するか否か容易に判定でき、適切な測定を確保できる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下添付図面を参照して本発明に係る血圧測定用カフの実施例を説明する。各図において、同一の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を省略する。実施例の血圧測定用カフは、図1に示されるように、空気袋10と外装袋20とを主な構成要素としている。
【0029】
<実施例1>
空気袋10は、ゴムなどの膨張伸縮する材料により構成され、側部にコネクタ11が結合され、このコネクタ11がチューブ12に挿入されて結合されている。空気袋10の一方の面にはシート13が貼着され、空気袋10とシート13とは一体化されている。
【0030】
コネクタ11と結合されているチューブ12は、その断面形状が図2に示されるように、円筒の直径に対し対向する外壁部が肉厚にされた形状であり、チューブが屈曲した状態においても内部通路41が閉塞しない構造である。即ち、チューブ12の断面中心に開口された円形の穴部により構成される内部通路41と、この内部通路41の外側に同心円状に広がり、断面が円形二つの円に挟まれた形状のチューブ本体部42と、チューブ本体部42の直径に対し対向した位置に形成され、チューブ本体部42より外側へ突出した肉厚の外壁部である肉厚部43、43とを備える。
【0031】
シート13は、少なくとも一層以上であり、腕に巻き付けた際に皺が発生せずにR形状を保持すると共に、折れた後にも皺が残存することなく折れ癖が生じ難い素材により構成されている。このような素材として、ベルクロテープ(登録商標)などの面ファスナーにおけるループ植毛面を挙げることができる。
【0032】
シート13の厚さは0.5mm〜3mmが好適である。つまり、0.4mm以下であると僅かであるが皺の発生が見られ、3mmを超えた3.5mm以上では脈波を適切に検出できない場合が生じた。従って、0.5mm〜3mmの範囲において採用することが望まれる。
【0033】
シート13の裏面には、例えば熱溶着タイプの接着剤が塗膜されており、図1、図3(a)に示すように、長手方向に4条の部分において溶着固定することにより、4条の接着部14が生じる。シート13の長手方向における端部は溶着されておらず、開口することにより外気と通じる空気抜口15を構成している。シート13と空気袋10との間には、空気抜口15に通じる空気通路16が形成されている。このため、特に熱帯や亜熱帯地方において用いる場合には、シート13と空気袋10との間に入った空気が膨張しても空気通路16から空気抜口15を介して抜けるので、シート13の周囲を溶着固定した場合に生じる空気膨張のためにシート13が空気袋10から剥がれるなどの問題を防止することができる。なお、図3(b)に示すようにシート13を空気袋10の中に溶着固定してもよい。
【0034】
外装袋20は、空気袋10の長手方向における長さの2倍程度の長さを有し、腕に巻き付けた際に皺が発生せず、折れた後にも皺が残存することなく折れ癖が生じ難い薄い布素材により構成される。この布素材としては、ポリエステル、ナイロン、レーヨンなどを挙げることができる。
【0035】
外装袋20は、上記素材により構成される二枚の布を重ねて構成し、空気袋10を収納する収納室21を有する。外装袋20の長手方向の一方の端部には、収納室21に空気袋10を挿入し又は取り出すための大開口部22が形成されている。また、収納室21に空気袋10を収納した状態において、チューブ12に結合するコネクタ11が位置する外装袋20の部位には、チューブ12を外へ突出させる小開口部23が形成されている。
【0036】
外装袋20の中央線を挟んで収納室21とは逆側であって、外装袋20を腕に巻き付ける際の内側となる面には、外装袋20の長手方向の長さの4分の1程度の長さを有する面ファスナーのフック植毛面24が貼着されている。また、面ファスナーのフック植毛面24が貼着されている面とは裏の外装袋20の面であって、ほぼ収納室21の位置には、面ファスナーのループ植毛面25が貼着されている(図4)。
【0037】
以上の通りに構成された外装袋20の収納室21に対して、空気袋10を折り畳むなどして図1の矢印のように大開口部22から挿入し、チューブ12を小開口部23から外へ突出させ、収納室21内にて空気袋10を広げて大開口部22を縫い合わせるなどして閉成し、図5の通りの血圧測定用カフを完成する。
【0038】
図6の断面図に示す通り、外装袋20におけるフック植毛面24が貼着された側に、空気袋10のシート13が面しており、このシート13が面する巻付部26が腕に巻き付けられる。そして、血圧計測定用カフを腕に巻くとシート13が腕に巻き付けた際にR状をなし、皺が発生せずに空気袋10を膨張させてもR形状を保持するので、このシート13に接する巻付部26についても断面が円形を保持し、腕に巻き付いた状態において皺が発生せず、皮下出血の原因が生じない。
【0039】
また、収納等を目的として、空気袋10の任意部分を折ったとしても、シート13は、折れた後にも皺が残存することなく折れ癖が生じ難い特性を有することから、再度の測定のときに腕に巻き付いた状態においてR状を呈し皺が発生しない。また、外装袋20の巻付部26についても、折れた後にも皺が残存することなく折れ癖が生じ難い薄い布素材により作成されており、皮下出血の原因を生じることはない。
【0040】
また、チューブ12においては断面が図2のようであり、特に肉厚部43、43を結ぶ方向へ折れ曲がり難くし、穴である内部通路41の閉塞を阻止する。このため長時間の間歇測定などの場合に、被験者が腕を動かすなどしてチューブ12が曲がったとしても、折れてしまうことはなく、被験者に載られた状態でも内部通路41が閉塞しないので、安定的に適切に血圧測定を続けることができる。本実施例では、肉厚部43、43をチューブ12の断面における直径を結ぶ2位置に設けたが、肉厚部の数や形状に制限はなく、チューブ本体部の一部を肉厚にして内部通路41の閉塞を阻止するように構成されていれば良い。
【0041】
<実施例2>
第2の実施例に係る血圧測定用カフでは第1の実施例と同様に、図7及び図8に示されるように、シート13が、外装袋20を腕に巻き付ける際の、腕側に位置する空気袋10の面とこの空気袋10の面と対向する外装袋20の面の間に固定的に設けられている。
【0042】
具体的には、シート13は、外装袋20を腕に巻き付ける際の空気袋10における腕側面に対向する外装袋20の面に縫い付けられて一体に固定されている。シート13のフック植毛面とループ植毛面の向きは、特に問題にならない。つまり、シート13のフック植毛面とループ植毛面のいずれが空気袋10における腕側面に対向する状態とされていても構わない。
【0043】
51は、シート13を縫い付けた縫目を示しており、この例では、平面が四角のシート13の縁を一周するように縫われており、また、四角形の対角線に沿って縫われている。この縫い方は、シート13及びこれに接する巻付部26を腕に巻き付けた際に皺が発生せずにR形状を保持すると共に、折れた後にも皺が残存することなく折れ癖が生じないように、例えば四角形の対角線に沿って縫うのでなく、縦や横に数本の縫い目をいれるように外装袋20と一体化させるものであれば、図7の例に限らない。
【0044】
例えば図9は、別の縫い方を示すものである。この図9の例では、平面が四角のシート13の縁を一周するように縫われて縫目51が形成されており、四角形の長辺を二等分するように縫うことにより縫目51が二つの四角形を発生させ、更に二つの四角形におけるそれぞれの対角線に沿って縫った縫目51が形成されている。また、シート13を固定する手法は、必ずしも縫うことに限定されるものではなく、接着などを採用することが可能である。
【0045】
この第2の実施例に係る血圧測定用カフの構成は、上記以外の部分において第1の実施例に係る血圧測定用カフの構成と同一である。そして、実施例に係る血圧測定用カフにあっては、シート13が固定された外装袋20の収納室21に、空気袋10を挿入して収納し、図5の如き状態として使用することができる。これによっても、第1の実施例に係る血圧測定用カフと同様に、シート13及びこれに接する巻付部26については、断面が円形を保持し、腕に巻き付いた状態において皺が発生せず、皮下出血の原因が生じないという効果を得ることができる。
【0046】
また、第1の実施例及び第2の実施例に係る血圧測定用カフにおいては、外装袋20の面の内、例えば、面状ファスナーのループ状植毛面25が貼着されている面において、ループ状植毛面25が貼着されていない端部には、図10に示されるようなスケール表示61、62が設けられている。
【0047】
スケール表示61、62は、インクジェット法などにより印刷することができる。スケール表示61、62の印刷色は、外装袋20の色に応じて適宜なものが採用される。スケール表示61、62は、当該カフの使用が好適な使用者の腕の太さを示すマークであり、それぞれ、腕の幅に対応する幅バー61a、62aの部分を有すると共に、幅バー61a、62aの両側に設けられ、腕の側部に沿った方向を示す側部バー61b、62bの部分を有する。
【0048】
血圧測定用カフを使用する場合には、例えば肘側が外装袋20から突出し、手先側が外装袋20の中央側に位置するようにして、腕Dを上記のスケール表示61、62に対して図10の如く載置する。このとき、図10のように、腕Dがスケール表示61の側部バー61b、61bの中側にあり、腕Dによってスケール表示62が隠れるようになっていると、当該血圧測定用カフが使用に適することを表す。
【0049】
即ち、スケール表示61は好適な腕の太さの内の最大の太さを示し、スケール表示62は好適な腕の太さの内の最小の太さを示す。このスケール表示61、62により当該血圧測定用カフが好適でないことが分かった場合には、長さや幅が異なる別途用意されている使用者に合った血圧測定用カフを用いることができ、適切な血圧測定を行うことができる。
【0050】
以上、本発明の好適な実施例について説明したが、本発明は前記実施例に限定されることなく、その他本発明の精神を逸脱しない範囲内において、多くの設計変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係る血圧測定用カフの第1の実施例において、空気袋と外装袋を分離した状態を示す平面図。
【図2】本発明に係る血圧測定用カフの実施例に用いられるチューブの断面図。
【図3】図3(a)は図1のA−A断面図、図3(b)は図3(a)においてシートの配置を換えた断面図。
【図4】図1に示した本発明に係る血圧測定用カフにおける外装袋の裏面を示す平面図。
【図5】本発明に係る血圧測定用カフの第1の実施例において、空気袋を外装袋に収納した状態を示す平面図。
【図6】図5のB−B断面図。
【図7】本発明に係る血圧測定用カフの第2の実施例において、空気袋を取り出した状態を示す平面図。
【図8】図7の第2の実施例において、空気袋を入れた状態のC−C断面図。
【図9】本発明に係る血圧測定用カフの第2の実施例に係る変形例の要部を示す平面図。
【図10】本発明に係る血圧測定用カフのカフ表面の図柄の実施例の要部を示す平面図。
【符号の説明】
【0052】
10 空気袋
11 コネクタ
12 チューブ
13 シート
14 接着部
15 空気抜口
16 空気通路
20 外装袋
21 収納室
22 大開口部
23 小開口部
24 フック植毛面
25 ループ植毛面
26 巻付部
41 内部通路
42 チューブ本体部
43 肉厚部
51 縫目
61、62 スケール表示
61a、62 a幅バー
61b、62b 側部バー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
膨張伸縮する材料により構成された空気袋と、
空気袋に取り付けられ、送気及び排気を行うためのチューブと、
前記空気袋を収納する外装袋と、
前記外装袋を腕に巻き付ける際の、腕側に位置する前記空気袋の面とこの空気袋の面と対向する前記外装袋の面の間に固定的に設けられ、少なくとも一層以上であり、腕に巻き付けた際に皺が発生せずにR形状を保持すると共に、折れた後にも皺が残存することなく折れ癖が生じ難い素材により構成されたシートと
を具備することを特徴とする血圧測定用カフ。
【請求項2】
前記シートは、前記外装袋を腕に巻き付ける際の前記空気袋における腕側面に一体に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の血圧測定用カフ。
【請求項3】
前記シートは、前記外装袋を腕に巻き付ける際の前記空気袋における腕側面に対向する前記外装袋の面に一体に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の血圧測定用カフ。
【請求項4】
シートと空気袋との間には、空気抜口に通じる空気通路が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の血圧測定用カフ。
【請求項5】
チューブは、
チューブの断面形状において、中央の円形の穴部によりなる内部通路と、
チューブの断面形状において、前記内部通路に対し同心円状に外側へ広がるチューブ本体部と、
このチューブ本体部より外側へ張り出して、前記チューブ本体部が折れ曲がった状態において前記内部通路の閉塞を阻止する肉厚部と
を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の血圧測定用カフ。
【請求項6】
シートは、面ファスナーにおけるループ植毛面により構成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の血圧測定用カフ。
【請求項7】
外装袋は、腕に巻き付けた際に皺が発生せず、折れた後にも皺が残存することなく折れ癖が生じ難い薄い布素材により構成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の血圧測定用カフ。
【請求項8】
外装袋には、当該カフの使用が好適な使用者の腕の太さを示すスケール表示が設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の血圧測定用カフ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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