説明

血流量推定装置、方法及びコンピュータプログラム

【課題】H15Oとは異なる薬剤を用いて撮影したRI画像データからH15Oを用いて測定した測定結果を推定する。
【解決手段】H15Oを用いて測定した、複数の第1の被験者の所定部位の血流量を示す測定値を記憶する記憶部13と、複数の第1の被験者及び第2の被験者の所定部位のRI画像を記憶する記憶部11と、各RI画像をそれぞれ代表する代表値を算出する算出部35と、複数の第1の被験者の血流量を示す測定値及び代表値を用いて、第2の被験者の代表値から第2の被験者の所定部位の血流量を示す測定値を推定するための関数を導出する変換関数導出部41と、導出された関数及び第2の被験者の代表値を用いて、第2の被験者の所定部位の血流量を示す測定値を推定する推定部45と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、15Oで識別した水(H15O)を被験者に投与することなく、H15Oを用いて測定した所定部位の血流量を推定するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、脳などの所定部位の血流量を定量するために、123I−IMPなどのRI(Radio Isotope)を含む薬剤を用いて測定を行うマイクロスフェア法が知られている(例えば、非特許文献1)。そして、このマイクロスフェア法を採血せずに行う手法が出願人によって提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、123I−IMPよりも高精度で所定部位の血流量を定量するために、15Oで識別した水(H15O)によって測定する手法もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−185499号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「SPECT機能画像 −定量化の基礎と臨床−」86−93ページ、1998年4月6日第1刷発行、編集者:西村恒彦、発行所:株式会社メジカルビュー社、発売所:株式会社グロービュー社
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、15Oで識別した水(H15O)を用いる手法は、血流値を高精度に定量することができる反面、15Oの半減期が2分と非常に短いため、検査を行う直前に検査を行う施設内で15Oを作り出さなければならない。そのため、この方法を導入するためには、各施設が15Oを作り出すための装置を保有していなければならないので、必然的に大病院等の一部の限られた施設以外には導入が進んでいないのが現状である。
【0007】
一方、123I−IMP等の適度な半減期を有するRIを用いて検査を行う検査体制が整っている施設は多い。従って、適度な半減期を有するRIを用いた検査において収集できるRI画像データから15Oで識別した水(H15O)を用いて測定した測定結果を推測できれば、臨床における貢献は大きい。
【0008】
そこで、本発明の目的は、H15Oとは異なるRI薬剤を用いて撮影したRI画像データからH15Oを用いて測定した測定結果を推定することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一つの実施態様に従う血流量推定装置は、H15Oを用いて測定した測定値であって、複数の第1の被験者の所定部位の血流量を示す、前記測定値を記憶する手段と、前記複数の第1の被験者にRI(Radio Isotope)薬剤を投与して前記所定部位を撮影した、複数の第1のRI画像を記憶する手段と、第2の被験者に前記RI薬剤を投与して前記所定部位を撮影した、複数の第2のRI画像を記憶する手段と、前記複数の第1のRI画像に含まれる各RI画像をそれぞれ代表する複数の第1の代表値を算出する手段と、前記複数の第2のRI画像に含まれる各RI画像をそれぞれ代表する複数の第2の代表値を算出する手段と、前記複数の第1の被験者の前記測定値及び前記複数の第1の代表値を用いて、前記複数の第2の代表値から前記第2の被験者の前記測定値を推定するための関数を導出する手段と、前記導出された関数及び前記複数の第2の代表値を用いて、前記第2の被験者の前記測定値を推定する手段と、を備える。
【0010】
好適な実施形態では、前記複数の第1のRI画像には、前記複数の第1の被験者の肺のRI画像を含み、前記複数の第2のRI画像には、前記第2の被験者の肺のRI画像を含んでもよい。
【0011】
好適な実施形態では、前記RI薬剤は123I−IMPであってもよい。
【0012】
好適な実施形態では、前記所定部位は脳であってもよい。
【0013】
好適な実施形態では、前記複数の第1の被験者及び前記第2の被験者の肺のRI画像の代表値は、各被験者のRI薬剤の体内循環量の推定値であってもよい。
【0014】
好適な実施形態では、前記複数の第1のRI画像に含まれる前記所定部位のRI画像には、前記複数の第1の被験者の脳のプラナ画像及び脳のSPECT画像が含まれてもよい。そして、前記血流量推定装置は、前記複数の第1の被験者の脳のプラナ画像において脳領域を選択する手段をさらに備え、各脳のプラナ画像の代表値は、それぞれのプラナ画像において選択された脳領域のカウント値に基づいて定まる値であり、各脳のSPECT画像の代表値は、それぞれのSPECT画像の脳領域のカウント値に基づいて定まる値であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る血流量推定システムの構成図である。
【図2】撮影プロトコール及び対応する画像データを示す図である。
【図3】表示装置4に表示される肺のROI入力画面の例を示す図である。
【図4】表示装置4に表示される脳のROI入力画面の例を示す図である。
【図5】タイムアクティビティカーブの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係る血流量推定システムについて、図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本実施形態に係る血流量推定システムの構成図である。
【0018】
血流量推定システムは、血流量推定装置1と、撮影装置2とを含む。そして、血流量推定装置1が、撮影装置2で撮影された画像データを処理して、非採血で脳などの所定部位の血流量を推定する。
【0019】
撮影装置2は、例えば、ガンマカメラ型のSPECT画像撮影装置である。撮影装置2では、RIを含む薬剤(例えば123I−IMP)が投与された被験者の2次元画像(プラナ画像)、及び3次元画像(SPECT画像)を撮影することができる。
【0020】
血流量推定装置1は、例えば汎用的なコンピュータシステムにより構成され、以下に説明する血流量推定装置1内の個々の構成要素または機能は、例えば、コンピュータプログラムを実行することにより実現される。このコンピュータプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納可能である。
【0021】
血流量推定装置1は、撮影装置2で撮影した画像データを記憶する画像データ記憶部11と、測定血流値記憶部13と、ROI決定部21と、ΔL算出部23と、ROI決定部31と、代表値算出部35と、変換関数導出部41と、関数補正処理部43と、脳血流推定部45とを備える。
【0022】
画像データ記憶部11には、第1グループの被験者の画像データと第2グループの被験者の画像データとが記憶されている。一方、測定血流値記憶部13には、第1グループの被験者のH15Oを用いて測定された脳血流量(CBF:Cerebral Blood Flow)の測定値F1が保存されている。
【0023】
血流量推定装置1は、画像データ記憶部11に記憶されている第1グループの被験者の画像データと、測定血流値記憶部13に記憶されている第1グループの被験者の脳血流値F1を用いて、画像データから算出された代表値と脳血流値F1との間の変換関数Fkを導出する。つまり、第1グループの被験者の画像データは、変換関数Fkの導出に用いられる。一方、導出された変換関数Fkと画像データ記憶部11に記憶されている第2グループの被験者の画像データとを用いて、第2グループの被験者の、H15Oを用いた測定値である脳血流量の測定値F2を推定する。つまり、本実施形態の血流量推定装置1は、第2グループの被験者について、H15Oを用いて測定される脳血流値を実測することなく、画像データのみからこれを推定することができる。以下、これらの処理を詳細に説明する。
【0024】
画像データ記憶部11には、第1グループの被験者及び第2グループの被験者にRI薬剤を投与した後、以下に説明する撮影プロトコールに従って撮影することによって得た各被験者の画像データが記憶される。本実施形態では、例えば、肺ダイナミック画像111と、脳スタティック画像113、115、116と、SPECT画像117とが画像データ記憶部11に記憶される。
【0025】
図2は、撮影プロトコール及び対応する画像データを示す。
【0026】
撮影プロトコールとは、薬剤を投与した時刻を基準とし、この時刻からの経過時間ごとの撮影箇所及び撮影方法を規定するものである。
【0027】
本実施形態の撮影プロトコールは、まず、RIを含む薬剤投与から所定の計測時間(例えば3分間)の間、被験者の体内における放射能の分布状態を把握するためのRI情報を取得する。すなわち、このプロセスが、例えば図2の(1)及び(2)に相当する。
(1)薬剤投与からの1分間(0分00秒から1分00秒)は、撮影装置2が肺のプラナ画像をダイナミック収集する。このときの各画像の収集時間は1秒である。これにより、60枚の肺ダイナミック画像111が得られる。
(2)薬剤投与から1分00秒から3分00秒までの間も、肺のプラナ画像をダイナミック収集する。このときの各画像の収集時間は10秒である。これにより、12枚の肺ダイナミック画像111が得られる。
【0028】
次に、所定の測定時刻(例えば、薬剤投与から5分後)における、測定対象の所定部位の2次元画像を取得する。すなわち、このプロセスが、例えば図2の(3)に相当する。
(3)薬剤投与から4分30秒から5分30秒までの間は、脳のプラナ画像をスタティック収集する。これにより、脳スタティック画像113が得られる。
【0029】
次に、測定対象部位の3次元画像を撮影する。ここで、SPECT収集をして3次元画像を得るためには20分程度の時間を要するので、体内の薬剤の分布が安定している時間帯に撮影することが好ましい(図2の(5)に相当)。なお、このSPECT画像の撮影の前後には、2次元画像の撮影(図2の(4)(6)に相当)が行われる。
(4)薬剤投与から12分30秒から13分30秒までの間は、脳のプラナ画像をスタティック収集する。これにより、脳スタティック画像115が得られる。
(5)薬剤投与から15分00秒から35分00秒までの間は、脳を3次元的にSPECT収集する。撮影装置2は、このSPECT収集したデータに基づいてSPECT画像117を合成する。SPECT画像117は3次元画像であるから、SPECT画像のデータはボクセル値により構成されている。このSPECT画像117は標準脳に正規化されている。
(6)薬剤投与から36分30秒から37分30秒までの間は、脳のプラナ画像をスタティック収集する。これにより、脳スタティック画像116が得られる。
【0030】
改めて図1を参照すると、測定血流値記憶部13は、H15Oを用いて測定した、複数の第1グループの被験者(第1の被験者)の脳血流量を示す測定値F1を記憶する。
【0031】
ROI決定部21は、肺ダイナミック画像111における肺領域のROIを定める。例えば、ROI決定部21は、以下に示すような手法で肺ダイナミック画像111における肺のROIを決定する。
【0032】
図3は、表示装置4に表示される肺のROI入力画面の例を示す。
【0033】
例えば、ROI決定部21は、同図に示すように、肺ダイナミック画像111のうちの一枚を表示装置4に表示させる。そして、ユーザが入力装置3を用いて肺領域を囲むと、ROI決定部21は、この囲まれた領域を肺のROI151として決定する。ROI決定部21は、ROI151を自動的に決定しても良い。例えば、ROI決定部21は、予めROIのテンプレートデータを保持していて、このテンプレートデータを用いて肺ダイナミック画像111のROI151を決定する。
【0034】
ROI決定部31は、脳スタティック画像113,115、116における脳のROIを決定する。例えば、ROI決定部31は、以下に示すような手法で脳スタティック画像113,115、116における脳のROIを決定する。
【0035】
図4は、表示装置4に表示される脳のROI入力画面の例を示す。
【0036】
例えば、ROI決定部31は、同図に示すように、脳スタティック画像113,115、116のいずれかを表示装置4に表示させる。そして、ユーザが入力装置3を用いて脳領域を囲むと、ROI決定部31は、この囲まれた領域を脳のROI153として決定する。スタティック画像ごとにROIを指定してもよいし、同一被験者の画像については、一つのスタティック画像で囲ったROIを他のスタティック画像に適用してもよい。ROI決定部31は、ROI153を自動的に決定しても良い。例えば、ROI決定部31は、予めROIのテンプレートデータを保持していて、このテンプレートデータを用いて脳スタティック画像113,115、116のROI153を決定する。
【0037】
ΔL算出部23は、肺から流出し、体内を循環している薬剤量(薬剤体内循環量)ΔLを算出する。
【0038】
ΔL算出部23は、全肺ダイナミック画像111における肺のROI151内の全画素の画素値(カウント値)に基づいて、薬剤体内循環量ΔLを算出する。例えば、ΔL算出部23は、各肺ダイナミック画像111のそれぞれについて、肺ROI151内の全画素の画素値の総和を算出する。これを、横軸を薬剤投与からの経過時間、縦軸を各ダイナミック画像111における肺ROI151内画素の画素値の総和としてグラフ化したタイムアクティビティカーブを生成する。
【0039】
図5にタイムアクティビティカーブの例を示す。本実施形態では、薬剤投与から3分間の肺ダイナミック画像111を取得したので、薬剤投与から3分間のタイムアクティビティカーブが得られる。
【0040】
ΔL算出部23は、図5に示すような、薬剤投与から3分間のタイムアクティビティカーブ(実線)に基づいて、所定の時刻までの間に肺から流出した薬剤量を推定する。例えば、所定の時刻を薬剤投与から5分とすると、まず、ΔL算出部23は、肺ROI内画素値の合計が最大(Lpeak)となる時刻(Tpeak)以降のタイムアクティビティカーブを指数関数で近似し、薬剤投与から3分以降の画素値の総和を予測する。そして、Lpeakと、この近似した指数関数に基づいて算出した5分後の画素値の総和(L5)との差を求めることにより、薬剤体内循環量ΔLを算出する。また所定の時刻を薬剤投与から3分とすると、ΔL算出部23は、上述の指数関数近似をせずに、薬剤投与から3分間のタイムアクティビティカーブ(実線)のみに基づいてΔLを算出する。つまり、ΔL算出部23は、実測したLpeakと、3分後の画素値の総和との差を求めることにより、薬剤体内循環量ΔLを算出しても良い。
【0041】
代表値算出部35は、ROI内の画素の画素値(カウント値)及びSPECT画像117内のボクセルのボクセル値(カウント値)に基づいて、各スタティック画像113,115,116の代表値Cb〜Cbと、SPECT画像117の代表値Cbとを算出する。例えば、代表値算出部35は、脳スタティック画像113のROI153内の画素の画素値の総和を算出して、代表値Cbとする。同様に、代表値算出部35は、脳スタティック画像115のROI153内の画素の画素値の総和を算出して、代表値Cbとし、脳スタティック画像116のROI153内の画素の画素値の総和を算出して、代表値Cbとする。ここで、各スタティック画像の代表値Cb、Cb、Cbは、必ずしも画素値の総和でなくてもよく、例えば画素値の平均値でも良い。
【0042】
また、代表値算出部35は、正規化されたSPECT画像117の脳領域のボクセル値の総和を算出して、代表値Cbとしてもよいし、脳領域のボクセル値の平均値を代表値Cbとしても良い。SPECT画像117の代表値Cbの算出方法は必ずしもこれに限定されず、これ以外の方法で定めても良い。例えば、脳領域を複数のセグメントに分割し、セグメント別に、ボクセル値の総和T1〜Tn(nはセグメント数)を算出する。さらに代表値算出部35は、算出されたセグメント別ボクセル値の総和T1〜Tnの平均値を算出し、これを代表値Cbとしてもよい。
【0043】
変換関数導出部41は、第1グループの複数の被験者の脳血流値F1(測定値)及び同じ第1グループの複数の被験者の代表値(複数の第1の代表値)を用いて、変換関数Fkを導出する。変換関数Fkは、多元1次式で定義される。以下に変換関数Fkを例示する。
【0044】
例えば、変換関数導出部41は、脳血流値F1を測定血流値記憶部13から取得する。変換関数導出部41は、ΔL算出部23によって算出された同じ被験者のΔL、及び代表値算出部35によって算出されたCb〜Cbを取得する。そして、変換関数導出部41は、脳血流値F1とΔL、Cb〜Cbとの間の関数を以下の式(1)に示す変換関数Fk1で近似する。
【数1】

【0045】
例えば、変換関数導出部41は、式(1)において、同一被験者の値をFk1=F1/Cb、x=ΔL、x=Cb、x=Cb、x=Cb、に代入して求めた複数の4元1次式を、第1グループの各被験者について生成し、これらを用いて重回帰分析を行い、a〜eを算出する。ここで、Fk1=F1/Cbと定義しているので、重回帰分析を行うときの説明変数に、SPECT画像117の代表値Cbは含まれない。
【0046】
あるいは、変換関数導出部41は、代表値としてΔLを用いない変換関数Fk2を導出してもよい。すなわち、脳血流値F1を測定血流値記憶部13から取得し、代表値算出部35によって算出されたCb〜Cbを取得する。そして、変換関数導出部41は、脳血流値F1とCb〜Cbとの間の関数を以下の式(2)で近似する。
【数2】

【0047】
変換関数導出部41は、式(2)において、同一被験者の値をFk2=F1/Cb、x=Cb、x=Cb、x=Cb、に代入して求めた複数の3元1次式を、第1グループの各被験者について生成し、これらを用いて重回帰分析を行い、b〜eを算出するようにしてもよい。式(2)においても、Fk2=F1/Cbと定義しているので、重回帰分析を行うときの説明変数に、SPECT画像117の代表値Cbは含まれないことは、式(1)と同様である。
【0048】
関数補正処理部43は、変換関数導出部41によって導出された変換関数Fkを補正する。例えば、123I−IMPの特性を考慮してa〜eの一部または全部を補正する。関数補正処理部43による変換関数Fkの補正は行わなくてもよい。
【0049】
脳血流推定部45は、脳の血流量CBFの測定値F2を推定する。変換関数Fkを用いることにより、第2グループの被験者の代表値(複数の第2の代表値)からその被験者の脳血流量の測定値F2(測定値)を推定することができる。
【0050】
ここでは、変換関数Fk1について説明する。変換関数Fk1のa〜eは既に定まっているので、F2は以下の式(3)により推定することができる。
【数3】

【0051】
なお、変換関数Fk2を用いた場合も同様に、F2を推定することができる。
【0052】
このように脳血流推定部45は、変換関数Fkと第2グループの被験者の代表値とからその被験者の脳血流の測定値F2を推定することができる。すなわち、この変換関数Fkを利用することにより、画像データのみからH15Oを用いて測定された脳血流値を推定することができる。
【0053】
上述した本発明の実施形態は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 血流量推定装置
2 撮影装置
11 画像データ記憶部
13 測定血流値記憶部
21 ROI決定部
23 ΔL算出部
31 ROI決定部
35 代表値算出部
41 変換関数導出部
43 関数補正処理部
45 脳血流推定部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
15Oを用いて測定した測定値であって、複数の第1の被験者の所定部位の血流量を示す、前記測定値を記憶する手段と、
前記複数の第1の被験者にRI(Radio Isotope)薬剤を投与して前記所定部位を撮影した、複数の第1のRI画像を記憶する手段と、
第2の被験者に前記RI薬剤を投与して前記所定部位を撮影した、複数の第2のRI画像を記憶する手段と、
前記複数の第1のRI画像に含まれる各RI画像をそれぞれ代表する複数の第1の代表値を算出する手段と、
前記複数の第2のRI画像に含まれる各RI画像をそれぞれ代表する複数の第2の代表値を算出する手段と、
前記複数の第1の被験者の前記測定値及び前記複数の第1の代表値を用いて、前記複数の第2の代表値から前記第2の被験者の前記測定値を推定するための関数を導出する手段と、
前記導出された関数及び前記複数の第2の代表値を用いて、前記第2の被験者の前記測定値を推定する手段と、を備える血流量推定装置。
【請求項2】
前記複数の第1のRI画像には、前記複数の第1の被験者の肺のRI画像を含み、
前記複数の第2のRI画像には、前記第2の被験者の肺のRI画像を含む、請求項1記載の血流量推定装置。
【請求項3】
前記RI薬剤は123I−IMPである、請求項1または2に記載の血流量推定装置。
【請求項4】
前記所定部位は脳である、請求項1〜3のいずれかに記載の血流量推定装置。
【請求項5】
前記複数の第1の被験者及び前記第2の被験者の肺のRI画像の代表値は、各被験者のRI薬剤の体内循環量の推定値である、請求項2〜4のいずれかに記載の血流量推定装置。
【請求項6】
前記複数の第1のRI画像に含まれる前記所定部位のRI画像には、前記複数の第1の被験者の脳のプラナ画像及び脳のSPECT画像が含まれ、
前記血流量推定装置は、
前記複数の第1の被験者の脳のプラナ画像において脳領域を選択する手段をさらに備え、
各脳のプラナ画像の代表値は、それぞれのプラナ画像において選択された脳領域のカウント値に基づいて定まる値であり、
各脳のSPECT画像の代表値は、それぞれのSPECT画像の脳領域のカウント値に基づいて定まる値である、請求項1〜5のいずれかに記載の血流量推定装置。
【請求項7】
15Oを用いて測定した測定値であって、複数の第1の被験者の所定部位の血流量を示す、前記測定値と、
前記複数の第1の被験者にRI(Radio Isotope)薬剤を投与して前記所定部位を撮影した、複数の第1のRI画像と、
第2の被験者に前記RI薬剤を投与して前記所定部位を撮影した、複数の第2のRI画像と、を記憶した記憶手段を有するコンピュータが実行する方法であって、
前記複数の第1のRI画像に含まれる各RI画像をそれぞれ代表する複数の第1の代表値を算出するステップと、
前記複数の第2のRI画像に含まれる各RI画像をそれぞれ代表する複数の第2の代表値を算出するステップと、
前記複数の第1の被験者の前記測定値及び前記複数の第1の代表値を用いて、前記複数の第2の代表値から前記第2の被験者の前記測定値を推定するための関数を導出するステップと、
前記導出された関数及び前記複数の第2の代表値を用いて、前記第2の被験者の前記測定値を推定するステップと、を行う血流量の推定方法。
【請求項8】
15Oを用いて測定した測定値であって、複数の第1の被験者の所定部位の血流量を示す、前記測定値と、
前記複数の第1の被験者にRI(Radio Isotope)薬剤を投与して前記所定部位を撮影した、複数の第1のRI画像と、
第2の被験者に前記RI薬剤を投与して前記所定部位を撮影した、複数の第2のRI画像と、を記憶した記憶手段を有するコンピュータのためのコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータが実行すると、
前記複数の第1のRI画像に含まれる各RI画像をそれぞれ代表する複数の第1の代表値を算出するステップと、
前記複数の第2のRI画像に含まれる各RI画像をそれぞれ代表する複数の第2の代表値を算出するステップと、
前記複数の第1の被験者の前記測定値及び前記複数の第1の代表値を用いて、前記複数の第2の代表値から前記第2の被験者の前記測定値を推定するための関数を導出するステップと、
前記導出された関数及び前記複数の第2の代表値を用いて、前記第2の被験者の前記測定値を推定するステップと、が行われるコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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