説明

血液の除水方法と血液の除水装置

【課題】 ECUM治療前の準備作業を簡略化する。
【解決手段】 先ず、電磁開閉弁24〜26を閉鎖した状態において血液回路7に容器21内の生理食塩水を流通させて、先ず該血液回路7と透析器2を洗浄する。
次に、電磁開閉弁24,25を開放させてから血液ポンプ6と給排ポンプ18、18’およびポンプ16を作動させるとともに、三方電磁弁15,15’によって回収室8c、8c’と透析液回収管12を連通させる。これにより、血液回路7と透析器2内及びそれに接続した透析液供給通路11の少なくとも先端部分が生理食塩水によって洗浄される。
上述したECUM治療前の準備作業において透析液回路17内に透析液を流通させる必要がないので、ECUM治療前の準備作業を簡略化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は血液の除水方法と血液の除水装置に関し、より詳しくは透析器を用いた血液の除水方法と血液の除水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、人工透析を行うための透析装置は知られており、この透析装置によって、透析液を流さず患者の血液から除水のみを行う「ECUM治療」を行う技術も知られている(例えば特許文献1、特許文献2)。
【特許文献1】特公昭64−9025号公報
【特許文献2】実公昭62−38667号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般的に「ECUM治療」は、透析装置によって患者に対して人工透析を行っている途中あるいは、人工透析の終盤に行われることが多いが、最近ではうっ血性心不全等の緊急治療としてECUM治療単独で行われる場合がある。
ところで、透析装置の使い始めの状態では、透析装置内部の透析液の流通するチューブ内が洗浄後のすすぎ水で満たされた状態となっているので、透析装置の使い始めにECUM治療を行おうとする場合には、通常の透析治療を行う場合と同様にチューブ内のすすぎ水を透析液に置換してから治療を行うようにしている。
しかしながら、病院が休診日などで透析液を準備していない場合には、治療自体には透析液を用いないにもかかわらず、すすぎ水の置換のために給水設備や透析液供給装置を作動させて透析液を準備する必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した事情に鑑み、請求項1に記載した第1の本発明は、人工透析を行う透析器と、透析器に血液を供給する血液供給管と透析器から血液を回収する血液回収管からなる血液回路と、上記透析器に透析液を供給する透析液供給管と透析器から透析液を回収する透析液回収管からなる透析液回路とを備え、上記血液回路の血液供給管に血液ポンプを設けるとともに上記透析液回路の透析液回収管に除水手段を設けて、上記血液ポンプを作動させて血液回路と上記透析器に血液を流通させるとともに、上記除水手段を作動させて透析器及び透析液回収管を介して血液から除水を行うようにした血液の除水方法において、
上記血液ポンプよりも上流側の血液供給管に生理食塩水を収容した容器を接続し、血液回収管を閉鎖した状態で上記血液ポンプを作動させて、透析器を介してそれに接続された透析液供給管に生理食塩水を供給し、透析器および透析液供給管の少なくとも先端部分が生理食塩水で満たされたら、血液回収管を開放させて上記血液ポンプを作動させ血液回路に血液を流通させるとともに、透析液供給管から透析器への生理食塩水の流入を阻止した状態で上記除水手段を作動させて透析器および透析液回収管を介して血液から除水を行うようにしたものである。
また、請求項2に記載した第2の本発明は、人工透析を行う透析器と、この透析器に血液を供給する血液供給管と透析器から血液を回収する血液回収管からなる血液回路と、透析器に透析液を供給する透析液供給管と透析器から透析液を回収する透析液回収管からなる透析液回路とを備え、上記血液回路の血液供給管に血液ポンプを設けるとともに、透析液回路の透析液回収管に除水手段を設けて、上記血液ポンプを作動させて血液回路と上記透析器に血液を流通させるとともに、上記除水手段を作動させて透析器及び透析液回収管を介して血液から除水を行うようにした血液の除水装置において、
血液ポンプよりも上流側の血液供給管に生理食塩水容器を接続するとともに、血液回収管を開閉する第1開閉手段を設け、また、透析液供給管を開閉する第2開閉手段を設けるとともに、上記血液ポンプ、除水手段、第1開閉手段および第2開閉手段の作動を制御する制御手段を備え、この制御手段は、第1開閉手段を閉鎖するとともに第2開閉手段を開放した状態で血液ポンプを作動させて、透析器を介してそれに接続された透析液供給管に生理食塩水を供給するようになっており、また、上記制御手段は、透析器及び透析液供給管の少なくとも先端部分が生理食塩水で満たされた後に、第1開閉手段を開放し血液ポンプを作動させて血液回路に血液を流通させるとともに、第2開閉手段を閉鎖した状態で除水手段を作動させて、透析器および透析液回収管を介して血液から除水を行うようにしたものである。
【発明の効果】
【0005】
上述した方法及び装置によれば、ECUM治療を行う場合に、透析器および透析液回路における透析液供給管に生理食塩水を供給するようにしているので、透析液を準備する必要はなく、ECUM治療のための準備作業が簡略化され短時間で行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下図示実施例について本発明を説明すると、図1において、1は透析装置であり、この透析装置1は人工透析を行なう従来公知の透析器2と、この透析器2に透析液を給排する透析液給排装置3とを備えている。透析器2は多数の中空糸を収容しており、中空糸の内側を血液の流路とし外側を透析液の流路としている。
透析器2の血液供給口2aに血液供給管4の一端を接続するとともに、透析器2の血液回収口2bに血液回収管5の一端を接続してあり、上記血液供給管4の途中に血液ポンプ6を設けている。患者に対して人工透析を行う際には、血液供給管4および血液回収管5の他端を患者に接続するようになっている。上記血液供給管4と血液回収管5とによって血液回路7を構成している。
血液ポンプ6は図示しない制御手段によって作動を制御されるようになっており、人工透析を行う際に血液供給管4と血液回収管5の他端を患者に接続してから制御手段によって血液ポンプ6が回転駆動されると、患者の血液が血液供給管4を介して透析器2へ供給される一方、透析器2内の血液は血液回収管5を介して患者に戻されるようになっている。その際には、後述する透析液給排装置3から透析器2に透析液が給排されるので、透析器2内で血液中の老廃物が透析液中に移行して人工透析が行われるようになっている。
【0007】
透析液給排装置3は、2つの透析液容器8,8’を備えるとともに、それら各透析液容器8、8’から透析液を透析器2に供給する透析液供給管11と透析器2から透析後の透析液を回収するための透析液回収管12とを備えている。
各透析液容器8、8’内は、2つのダイアフラムによって右側から順に供給室8a、8a’、可変容積室8b、8b’および回収室8c、8c’の3室とに区画されている。
上記供給室8a、8a’は、三方電磁弁13、13’と透析液供給管11とを介して上記透析器2の透析液供給口2Aと連通している。
また、 回収室8c、8c’は、三方電磁弁15、15’と透析液回収管12とを介して上記透析器2の透析液排出口2Bと連通している。この透析液回収管12における透析容器8,8’よりも上流側にはポンプ16を設けてあり、このポンプ16を作動させて透析器2から透析後の透析液を回収室8c、8c’へ送液するようにしている。さらに、供給室8a、8a’には、透析液を供給する給液管9が三方電磁弁13,13’を介して接続され、回収室8c、8c’には透析後の透析液を排出する排液管10が三方電磁弁15、15’を介して接続されており、給液管9にはポンプ14が設けられている。これら給液管9および透析液供給管11と透析液回収管12および排液管10とによって透析液回路17を構成している。
可変容積室8b、8b’内にはシリコーンオイルを貯溜してあり、両可変容積室8b、8b’内のシリコーンオイルの貯溜量は給排ポンプ18、18’によって吸引あるいは吐出することで変動させることができるようになっている。
上記両ポンプ14、16と三方電磁弁13、13’、15,15’および給排ポンプ18,18’の作動は図示しない制御手段によって制御されるようになっている。
【0008】
人工透析を行う際には、制御手段によって両ポンプ14、16を作動させた状態において、制御手段による三方電磁弁13、13’の流路の切り換え作動が行われるとともに、三方電磁弁15、15’の流路の切り換え作動が行われる。これにより、給液管9を介して図示しない透析液供給装置から新鮮な透析液が供給室8a、8a’いずれか一方に導入されるとともに、すでに透析液が収容されている他方の供給室8a、8a’から透析液供給管11を介して透析器2に透析液が供給される。これとともに、透析器2へ透析液を供給した他方の供給室8a、8a’と同じ透析容器8,8’の回収室8c、8c’へ透析器2内の透析後の透析液が透析液回収管12を介して回収されて、さらにこれとは異なる回収室8c、8c’から排液管10を介して透析液が機外へ排出されるようになっている。
このようにして、透析液給排装置3から透析器2に透析液が給排される間に、透析器2から透析液を回収中の回収室8c、8c’と同じ透析容器8の可変容積室8b、8b’の給排ポンプ18、18’を作動させて、可変容積室8b、8b’内のシリコーンオイルを所定量だけ吸引することにより可変容積室8b、8b’の容積を減少させ、その容積減少量に応じて患者の血液から除水を行うことができるようになっている。本実施例では、このような透析液容器8、8および給排ポンプ18、18’およびポンプ16により除水手段が構成されている。
上述した透析装置1の構成と作動は、例えば特公平3−54590号等により従来公知である。
【0009】
加えて、本発明の透析装置1においては、血液供給管4における血液ポンプ6よりも上流側となる位置に、生理食塩水を収容した容器21を導管19を介して接続している。
また、血液回収管5の途中にはクランプ22(第1開閉手段)を設けてあり、このクランプ22の開閉作動は制御手段によって制御されるようになっている。
さらに、透析液供給管11と透析液回収管12は、ポンプ16よりも上流側の透析器2に近い位置でバイパス通路23によって連通させてあり、このバイパス通路23に電磁開閉弁24を設けている。
また、透析液供給管11には、上記バイパス通路23への分岐位置と透析液供給口2Aとの接続端部11Aとの間に電磁開閉弁25(第2開閉手段)を設けてあり、さらに透析液回収管12にはバイパス通路23との合流位置と透析液排出口2Bとの接続端部12Aとの間に電磁開閉弁26を設けている。上記電磁開閉弁24〜26の作動は制御手段によって制御されるようになっている。
さらに、透析液回収管12におけるポンプ16の下流側に脱気槽27を設けてあり、透析液回収管12内を流通する液体中に含まれる空気を透析液回収管12の外部へ排出できるようになっている。
【0010】
以上の構成からなる透析装置1によって「ECUM治療」を行う場合について説明する。
まず始めに、透析器2に透析液供給管11、透析液回収管12を接続させる前に、次のようにして血液回路7を容器21の生理食塩水で満たす。
つまり、クランプ22を開放させた状態で血液ポンプ6を作動させ、容器21内の生理食塩水を血液ポンプ6よりも下流側の血液供給管4に流通させて透析器2の血液流通側を満たし、さらに血液回収管5を流通させて端部から流出させた後、端部を鉗子等で閉塞させる。次に血液ポンプ6の作動を停止させることで、容器21内の生理食塩水を血液ポンプ6よりも上流側の血液供給管4内を流下させてから端部を鉗子等で閉塞させる。これにより、血液回路7および透析器2が生理食塩水によって満たされた状態となる。
【0011】
次に、電磁開閉弁24、25、26は閉じた状態で、透析液供給管11、透析液回収管12をそれぞれ透析器2に接続させる。
接続が完了したら、クランプ22を閉じるとともに電磁開閉弁24、25を開放させた状態において、血液ポンプ6の送液と給排ポンプ18、18’の吸引動作およびポンプ16の送液を同時に開始させる。この際、三方電磁弁15、15’ はともに、透析液回収管12を両方の回収室8c、8c’に連通させる切換状態としてあり、給排ポンプ18、18’の引き出し流量は、両方の可変容積室8b、8b’の容積減少に応じた回収室8c、8c’の容積増加量が、血液ポンプ6の送液流量に見合うように設定されている。なお、この場合、供給室8a、8a’に対しては液の流出入がないので容積の変動はない。
これにより、血液回収管5がクランプ22で閉塞されているので、血液ポンプ6の送液動作により、透析器2の中空糸を介してその内側から外側へ生理食塩水が押し出される。押し出された生理食塩水は透析器2内の透析液側に充満して、電磁開閉弁25が開放されている透析液供給管11へ流入する。透析液回路17は前回の透析治療後に洗浄されてすすぎ水が収容された状態にあり、生理食塩水が透析液供給管11へ流入することで、すすぎ水は電磁開閉弁24が開放されているバイパス通路23を通って透析液回収管12から両方の回収室8c、8c’ に収容される。
このようにして、血液回路7および透析器2の血液側、透析液側の両方ならびに透析液供給管11の内部が生理食塩水で満たされた状態となる。なお、透析液回路17での生理食塩水による置換は、透析器2へすすぎ水が流入することを防止するためであり、少なくとも流入の危険性のある透析液供給管11の先端部分、すなわち、電磁開閉弁25と接続端部11Aの間が置換されれば良く、概ねバイパス通路23との分岐位置までが生理食塩水で置換されるようにしている。
【0012】
このようにして、準備作業が終了したら、血液から除水のみを行うECUM治療に移行する。すなわち、容器21の隣接位置の導管19を鉗子等によって閉塞させてから血液回収管5の端部と血液供給管4の端部を患者に接続する。
血液回路7が患者に接続されたら、制御手段の制御によりECUM治療を開始する。
すなわち、血液回路7側では、クランプ22を開いてから血液ポンプ6を作動させて、連続的に血液を引き出して透析器2を経由させて体内へ戻す。また、透析液回路17側では、電礎開閉弁24は開放した状態で電磁開閉弁25を閉鎖し電磁開閉弁26を開放して、透析器2と回収室8c、8c’を透析液回収管12を介して接続可能な状態としてから、ポンプ16を作動させて透析器2から生理食塩水を引き出すとともに、三方電磁弁15、15’を切換動作させて、交互に回収室8c、8c’の何れか一方を透析液回収管12と連通させ他方を排液管10と連通させる。この際に給排ポンプ18、18’は、透析接回収管12と連通される透析液容器8、8’の可変容積室8b、8b’からシリコーンオイルを引き出して回収室8c、8c’の容積を増加させ、また、排液管10と連通される透析液容器8、8’の可変容積室8b、8b’にシリコーンオイルを押し込んで、回収室8c、8c’の容積を減少させて排液管10へ排液させる。なお、供給室8a、8a’内は最初に回収室8c、8c’へ液が流入した時に、収容されているすすぎ水が透析液供給管11へ押し出されて空になっている。
このような動作により所定量の除水が達成されたら、制御手段はECUM治療の動作を終了させる。
【0013】
上述したように、本実施例では、ECUM治療のための準備作業においては、透析液回路17内に透析液を流通させないようにしている。
これに対して、従来では、透析装置1によってECUM治療だけを行う場合においても、ECUM治療前の準備作業として本来ECUM治療には不必要な透析液を透析液回路に流通させていたものである。そのような従来のやり方では、本来ECUM治療のためには不必要な透析液を準備する必要があり、その準備作業が煩雑で時間が掛かっていたものである。
これに対して、本実施例においては、ECUM治療の前の準備作業においては、透析液回路17に透析液を流通させないので、透析液を準備する手間を省いて準備作業を簡略化することができる。しかも、透析液回路17側は透析器2の隣接位置の透析液供給管11の少なくとも先端部分だけを生理食塩水で満たしてやれば良いので、従来と比較してECUM治療を単独で行う場合の準備作業に要する時間を大幅に短縮して、医療現場の作業者の作業負担を軽減させる事ができる。
【0014】
次に、図2は本発明の第2実施例を示したものであり、この実施例は透析液回路17側の構成を上記第1実施例のものとは異ならせたものである。
上述した第1実施例においては、透析液容器8,8’を3つのチャンバーに区分し、可変容積室8b、8b’と給排ポンプ18、18’を用いて除水を行っていたが、この第2実施例においては、透析液を等量ずつ供給、回収する等量給排手段30と透析液回収管12に接続されて液を引き出す除水ポンプ31から構成される。
【0015】
このような構成の第2実施例においてECUM治療を行う場合には、上記第1実施例ではその準備作業の際に、透析液回路17へ生理食塩水を供給するために血液ポンプ6を作動させるとともに、給排ポンプ18、18’を作動させて回収室8c、8c’の容積を増加させるようにしていたが、本第2実施例では除水ポンプ31を血液ポンプ6の送液流量に見合う流量で送液作動させて、すすぎ水を回路外へ直接排出するようにする。また、治療動作においては、上記第1実施例では給排ポンプ18、18’を作動させて回収室8c、8c’を介して排液を行っていたが、本第2実施例においては除水ポンプ31を作動させて回路外へ直接排液するようにする。これにより第1実施例と同様にECUM治療の準備をし治療を行うことができる。
このような第2実施例によっても、ECUM治療の前の準備作業においては、透析器2ならびに透析液供給管11の内部を生理食塩水で満たした状態とすることで、上述の第1実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施例を示す概略の構成図。
【図2】本発明の第2実施例を示す概略の構成図。
【符号の説明】
【0017】
1…透析装置 2…透析器
4…血液供給管 5…血液回収管
6…血液ポンプ 7…血液回路
11…透析液供給管 12…透析液回収管
17…透析液回路 18、18’…給排ポンプ
21…容器 22…クランプ
25…電磁開閉弁 31…除水ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工透析を行う透析器と、透析器に血液を供給する血液供給管と透析器から血液を回収する血液回収管からなる血液回路と、
上記透析器に透析液を供給する透析液供給管と透析器から透析液を回収する透析液回収管からなる透析液回路とを備え、
上記血液回路の血液供給管に血液ポンプを設けるとともに上記透析液回路の透析液回収管に除水手段を設けて、
上記血液ポンプを作動させて血液回路と上記透析器に血液を流通させるとともに、上記除水手段を作動させて透析器及び透析液回収管を介して血液から除水を行うようにした血液の除水方法において、
上記血液ポンプよりも上流側の血液供給管に生理食塩水を収容した容器を接続し、血液回収管を閉鎖した状態で上記血液ポンプを作動させて、透析器を介してそれに接続された透析液供給管に生理食塩水を供給し、
透析器および透析液供給管の少なくとも先端部分が生理食塩水で満たされたら、血液回収管を開放させて上記血液ポンプを作動させ血液回路に血液を流通させるとともに、透析液供給管から透析器への生理食塩水の流入を阻止した状態で上記除水手段を作動させて透析器および透析液回収管を介して血液から除水を行うようにしたことを特徴とする血液の除水方法。
【請求項2】
人工透析を行う透析器と、この透析器に血液を供給する血液供給管と透析器から血液を回収する血液回収管からなる血液回路と、
透析器に透析液を供給する透析液供給管と透析器から透析液を回収する透析液回収管からなる透析液回路とを備え、
上記血液回路の血液供給管に血液ポンプを設けるとともに、透析液回路の透析液回収管に除水手段を設けて、
上記血液ポンプを作動させて血液回路と上記透析器に血液を流通させるとともに、上記除水手段を作動させて透析器及び透析液回収管を介して血液から除水を行うようにした血液の除水装置において、
血液ポンプよりも上流側の血液供給管に生理食塩水容器を接続するとともに、血液回収管を開閉する第1開閉手段を設け、
また、透析液供給管を開閉する第2開閉手段を設けるとともに、上記血液ポンプ、除水手段、第1開閉手段および第2開閉手段の作動を制御する制御手段を備え、
この制御手段は、第1開閉手段を閉鎖するとともに第2開閉手段を開放した状態で血液ポンプを作動させて、透析器を介してそれに接続された透析液供給管に生理食塩水を供給するようになっており、
また、上記制御手段は、透析器及び透析液供給管の少なくとも先端部分が生理食塩水で満たされた後に、第1開閉手段を開放し血液ポンプを作動させて血液回路に血液を流通させるとともに、第2開閉手段を閉鎖した状態で除水手段を作動させて、透析器および透析液回収管を介して血液から除水を行うようにしたことを特徴とする血液の除水装置。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−6836(P2006−6836A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−191979(P2004−191979)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(000253019)澁谷工業株式会社 (503)
【Fターム(参考)】