説明

血液処理装置用ストロボLED光源

【課題】血液などの流体、血液成分、および血液から取り出される流体の処理を改良する装置において使用する、ストロボLED光源を提供する。
【解決手段】血液を血液成分に分離する装置、特に遠心分離機用のストロボLED光源の構成要素。ストロボ装置は、中心照射軸回りに間隔を空けた反射面を備えた第1光源と、反射面から半径方向外側に軸から離れて間隔を空けた発光ダイオードとを備える。別の光源が、発光ダイオードを取り囲む、改良されたパラボラ反射器を備える。パラボラ反射器は対称軸から外側に間隔が空いた壁部を有し、これにより焦点がLEDの中心から半径方向外側に形成されて、円形の焦点領域を形成する。選択された期間ダイオードを発光させるコントローラは、直列接続された1対のスイッチを備え、LEDがスイッチ間に接続されている。スイッチのうちの一方は、グラウンドに接続され、照射期間の最後に閉じられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許法第120条に基づいて、2004年7月1日に出願された米国特許出願第10/884,877号の優先権を主張し、本明細書での開示と矛盾しない限りにおいて、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
血液採取および血液処理は、世界中の健康管理システムにおいて重要な役割を果たしている。従来の血液採取では、血液がドナーまたは患者から採取され、遠心分離、濾過および/または溶出によって種々の血液成分に分離され、将来、治療用途で患者に注入するために滅菌容器に保存される。分離後の血液成分は、一般に、赤血球、白血球、血小板および血漿に対応する画分を含んでいる。血液の血液成分への分離は血液採取の間に絶えず実行でき、または、特に血液サンプル全体の処理に関しては、血液採取した後に、一括処理で分離することができる。高度な滅菌状態の下で血液を種々の成分に分離することが、大部分の治療用途では極めて重要である。
【0003】
近年、アフェレーシス血液採取技術が、多くの血液採取センターで採用されており、アフェレーシス血液採取技術では、血液の選択された成分が採取され、残りの血液は採取の間にドナーに戻される。アフェレーシスでは、血液がドナーから取り出され、オンラインの血液処理方法によって即座に血液成分に分離される。一般に、オンライン血液処理は、密度勾配遠心分離技術、濾過技術および/または拡散方式分離技術によって実現される。分離された血液成分の1種以上が採取され、滅菌容器に保存されるが、残りの血液成分は、ドナーに直接再循環される。この方法の利点は、選択された血液成分のみが採取され、浄化されるため、各ドナーからのより頻繁な提供が可能であることである。例えば、血小板フェレーシスを受けているドナーは、血小板が採取され、血小板以外の血液成分はこのドナーに戻されるのであるが、14日に1回血液を提供することができる。
【0004】
アフェレーシス血液処理はまた、多数の治療処置において重要な役割を果たしている。これらの処理では、治療を受けている患者から血液が取り出され、分離され、選択された画分が採取され、一方で、残りは患者に戻される。例えば、患者は放射線治療の前に白血球アフェレーシスを受けることができる。これによって、放射線に被爆しないよう、患者の血液の白血球成分が分離、採取、保存される。あるいは、鎌状赤血球貧血や鎌状赤血球サラセミアといった血液疾患の患者が赤血球を交換するために、アフェレーシス技術が用いられてもよく、これによって、患者の赤血球成分が取り出され、提供パックの赤血球が、患者の残りの血液成分と共に患者に戻される。さらに、アフェレーシスは、血小板増加症を有する患者に血小板低減治療を行うためや、自己免疫疾患の患者に血漿交換の治療を行うために用いることもできる。
【0005】
従来の血液採取およびアフェレーシスシステムは両方とも、一般に、血液を種々の血液成分に分離するために分画遠心分離法を採用している。分画遠心分離法では、中心回転軸回りを高回転速度で回転する滅菌分離チャンバを通って、血液が循環する。分離チャンバが回転することによって、遠心分離機の中心回転軸に垂直に向いた分離の回転軸に沿った方向の遠心力を生成する。回転時に生じた遠心力によって、血液サンプル中の懸濁粒子が、密度が異なる別個の画分に分離される。詳細には、血液サンプルは、赤血球を備えた高密度の画分と、血漿を備えた低密度の画分とに相当する別個の相に分離する。さらに、血小板および白血球を備えた中間密度の画分が、赤血球と血漿との間に界面層を形成する。血液の遠心分離装置については、米国特許第5,653,887号および米国特許出願第10/413,890号に記載されている。
【0006】
連続的な高処理能力の血液分離を達成するために、大部分の分離チャンバ内に抽出または採取ポートが設けられている。抽出ポートは、分離チャンバから調節可能な流速で物質を抜き取ることができ、典型的には、個々の血液成分に応じて、分離軸に沿った選択位置に配置されている。しかし、抽出流体が選択された抽出ポートから出るのを保証することは、実質的に単一相に限定されるが、分離された血液成分間の相境界を分離軸に沿っては位置することにより、抽出ポートが単一相に接するようにしなければならない。例えば、白血球を含む画分が、富血小板血漿に対応する抽出ポートの極めて近くに存在している場合、白血球は、分離チャンバから出た富血小板血漿流に入り、この結果血液処理中に達成される分離の程度が損なわれ可能性がある。密度勾配遠心分離による従来の血液処理は、各血液成分を効率よく分離できるが、この方法を用いて得られた個々の成分の純度は、多くの治療用途で使用するのに最適ではないことが多い。例えば、血液サンプルの遠心分離では、採取された3×1011個の血小板毎に1×10個未満の白血球を有する分離血小板成分を、安定的に(99%の時間)作り出すことができない。血小板生成物中に白血球が存在すると、患者に注入した際に、ウィルスの暴露や免疫学的合併症の危険性が高まる。
【0007】
密度勾配遠心分離を用いて抽出された血液成分の純度は、現在のところ、従来の遠心分離デバイスや方法によって提供される分離された成分の間にある相境界層の位置を制御することによって制限されている。分離軸に沿った相境界の位置は、多くの変動要素に依存する。第1に、相境界の位置は、分離チャンバを出る個々の血液成分の相対的な流速に依存する。第2に、相境界の位置は、中心回転軸回りの分離チャンバの回転速度と、分離される血液の温度とに依存する。第3に、相境界の位置は、処理される血液の組成により変化する。血液サンプルの組成は、ドナー毎に、および/または患者毎に著しく異なる可能性がある。さらに、血液成分は、特に、血液は分離チャンバを通って複数回再循環されるため、所定のドナーまたは患者にとっては、時間の関数として著しく変化することもある。処理の間に人から人へと変化する多くの変動要素に対して相境界位置の感度を考慮すると、血液処理の間に相境界の位置を監視して、最適な分離条件が維持され、選択された血液成分の所望の純度を達成するのを保証することが重要である。さらに、相境界の位置を正確に特徴付けることによって、分離条件を、処理中の血液組成の変化に対して、調節および最適化できる。
【0008】
以上から、全血液サンプルおよび血液成分サンプルの処理を監視し、制御するための方法および装置が必要であることが理解されよう。特に、光的監視方法および装置が必要であり、光監視方法および装置は、密度勾配遠心分離によって処理された血液成分の分離、抽出および採取を正確に特徴付けることが可能であり、安定した照射継続時間と照度を有する制御されたストロボ光源を提供することを含む。
【特許文献1】米国特許出願第10/884,877号
【特許文献2】米国特許第5,653,887号
【特許文献3】米国特許出願第10/413890号
【発明の概要】
【0009】
本発明は、血液などの流体、血液成分、および血液から取り出される流体の処理を改良する装置において使用する、ストロボLED光源を提供する。
【0010】
一態様では、本発明は、密度勾配遠心法によって、選択された分離血液成分の採取の後、血液全体の分離を改良する方法、装置および装置の構成要素を提供する。詳細には、本発明は、回転分離チャンバ、詳細には、1つまたは複数の抽出ポートを備えた光セルを有する分離チャンバ内で、分離された血液成分によって透過および/または散乱される光のストロボ光源についての光学的方法、装置および装置の構成要素に関する。
【0011】
本発明は、血液処理を制御して血液成分に分離する装置、詳細には、遠心分離機用のストロボLED光源用の構成要素に関する。ストロボ装置は、中心照射軸回りに間隔を空けた反射面を備えた第1光源と、この反射面から半径方向外側に軸から離れている発光ダイオードとを備える。別の光源は、発光ダイオードの周りを囲む、変更されたパラボラ反射器を備える。パラボラ反射器は、焦点がLEDの中心から半径方向外側に位置し、円形の焦点領域を形成するように、対称軸から外側に間隔を空けた壁部を有する。選択された期間ダイオードを点灯させるコントローラは、直列に接続された1対のスイッチを備え、LEDがスイッチ間に接続されている。スイッチのうちの一方は、グラウンドに接続され、照射時間の最後に閉じられる。
【0012】
中心回転軸回りを回転する分離チャンバを有する密度勾配遠心分離機用の例示的な光監視システムは、少なくとも1つの光源と、集光素子および検出器を備える。分離チャンバが中心回転軸回りに回転すると、遠心分離機の中心回転軸に垂直に向いた回転分離軸に沿って、分離チャンバ内の血液成分が密度に応じて分離される。光源と集光素子の両方は、密度勾配遠心分離機上に位置する観察領域と周期的に光結合するように構成されている。一実施形態においては、光源と検出器は、分離チャンバの光セルが回転して周期的に観察領域に出入りするように構成されている。光源は、密度勾配遠心分離機の少なくとも一部、好ましくは、回転している分離チャンバの光セルに照射する入射光ビームを生成し、それによって分離される血液成分により、透過、散乱、またはこの両方がなされる光を生成することができる。好ましい光源は、これらに限定されないが、可視光、赤外線および/または紫外線を含む、選択された波長帯を有する入射光ビームを生成することができる。一実施形態においては、分離チャンバの光セルの複数の側面を照射可能な複数の光源が設けられている。
【0013】
集光素子は、観察領域からの光を集光することができる。一実施形態では、観察領域から集光される光は、分離中の血液成分によって透過および/または散乱した光、分離チャンバなどの遠心分離機の構成要素によって透過および/または散乱した光、またはこれらの両方に相当する。集光素子は、集光された光を検出器に導く。検出器はまた、観察領域から透過および/または散乱した光強度の分布に対応する1つまたは複数の出力信号を生成することができる。出力信号は、例えばコンピュータなどの機器に転送され、強度分布を表示、強度分布を記憶、および/または強度分布を処理することができる。
【0014】
本発明は、以下の説明、実施例、図面および特許請求の範囲によって詳細に示される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の光監視制御システムを示した概略図である。
【図2】密度勾配遠心法による血液処理に適する、本発明の光監視制御システムの上面図である。
【図3】図2で示された切断線3−3に対応する断面図である。
【図4】図2および図3で示された光監視制御システムの側面斜視図である。
【図5】光監視制御システム内で用いられるパラボラ反射器の側面図である。
【図6】60度回転させた、図5のパラボラ反射器の別の側部図である。
【図7】図6のパラボラ反射器の断面図である。
【図8】下部パルスLED光源の分解組立側面図である。
【図9】6つのLED素子を有する下部パルスLED光源の平面図である。
【図10】図9の下部パルスLED光源の側面図である。
【図11】図10の線11−11に沿って切断された、図10の下部パルスLED光源の断面である。
【図12】3つのLED素子を有する下部パルスLED光源の平面図である。
【図13】図12の線13−13に沿って切断された、図12の下部パルスLED光源の断面である。
【図14】制御回路の機能ブロック図である。
【図15】図14の制御回路の回路図である図15A、15B、15Cの関係を示している。
【図15A】図15の制御回路15Aの細部。
【図15B】図15の制御回路15Bの細部。
【図15C】図15の制御回路15Cの細部。
【図16】上部および下部パルスLED光源のトリガとトリガ遅延設定部によって生成された光パルスを同期化する方法を表した機能フロー図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を参照すると、同様の参照符号は、同様の要素を示し、2つ以上の図面に表れている同一の番号は、同一の要素を意味する。さらに、以後、以下の定義が適用される。
【0017】
用語の「光」および「電磁放射」は、同意語として用いられ、粒子的な挙動も示す電界および磁界の波を意味する。本発明の方法に有用な光には、γ線、X線、紫外線、可視光線、赤外線、マイクロ波、電波またはこれらの任意の組み合わせが含まれる。
【0018】
「集光素子」とは、光を集め、集めた光を所望の方法で分配するデバイスまたはデバイスの構成要素を意味する。本発明で使用可能な集光素子は、血液処理装置の観察領域を照射して生成される透過光、散乱光、または両方の少なくとも一部を集めることができる。本発明の例示的な集光素子は、検出器上で観察領域の画像を生成するように、光を集めることができる。本発明の集光素子には、これらに限定されないが、固定焦点レンズ、球面レンズ、円柱レンズ、非球面レンズ、広角レンズ、ズームレンズ、凹レンズ、凸レンズ、両凹レンズ、両凸レンズ、複数のレンズを備えたレンズシステム、導波管、光ファイバー結合器、反射器、球面鏡、非球面鏡、プリズム、開口、レンズまたはこれらの組み合わせもしくは同等物が含まれる。本発明の集光素子は、検出器など別の光学デバイスまたはデバイスの構成要素上へ集光された光を導くことができる。集光素子は、選択的に調節可能な視野および/または焦点距離を有する少なくとも1つのレンズシステムを含む。集光素子は、中心回転軸に垂直な検出軸に沿って平行移動可能である。
【0019】
「視野」とは、検出器と光結合する集光素子などの光検出システムによって集光、検出された光線の角度分布を意味する。本発明の光検出システムは、選択的に調節可能な固定視野または視野を有することができる。
【0020】
「血液処理」とは、血液サンプルまたはこの成分を操作することにより、組成の変化を認識することを意味する。血液処理には、血液またはこの成分を成分または副成分に分離、白血球除去、病原体不活化、血液濾過、血液および血液成分の酸化、透析法、血液浄化もしくは清浄、病原菌除去、血液および血液成分の加温、血液成分の洗浄および赤血球のグリセリン除去の方法が含まれる。本発明によって、血液処理の改良された方法が提供される。これらの方法では、血液サンプルまたはこの成分が、密度、大きさ、拡散速度、沈降速度、表面の化学的性質またはこれらの特徴の組み合わせに基づいて、成分またはサブ成分に分離される。
【0021】
「観察領域」とは、対象物または複数の対象物の照射される部分を意味する。観察領域からの透過光、散乱光またはこの両方の少なくとも一部が、集光素子によって集光され、検出器によって検出される。本発明の好ましい実施形態においては、観察領域は、血液処理装置、光セルなどの血液処理装置の構成要素、または血液サンプル容器上に位置している。観察領域の大きさおよび位置は、集光素子の視野、血液処理装置からの集光素子の位置、検出器の面積および集光素子に対する検出器の位置によって決定される。一実施形態においては、観察領域の大きさ、形状および位置は、血液処理装置に対する集光素子の位置や集光素子の視野を制御することによって、選択的に調節可能である。本発明の一実施形態においては、光学的に識別可能な成分間の1つまたは複数の相境界は、観察領域で見ることができる。別の好ましい実施形態では、少なくとも1つの分離成分を観察領域で見ることができる。別の好ましい実施形態では、少なくとも1つの抽出ポートを観察領域で見ることができる。
【0022】
「血液サンプル」および「血液」は、同義語として用いられ、血液全体、1つまたは複数の血液成分、1つまたは複数の血液製剤、またはこれらの任意の組み合わせを指す。本明細書で用いられるとおり、「血液成分」および「血液製剤」には、血液の細胞成分、非細胞成分および血液の細胞成分と非細胞成分との組み合わせが含まれる。細胞成分の例として、これらに限定されないが、赤血球、白血球、血小板およびこれらの物質の組み合わせが挙げられる。白血球は、単核細胞、顆粒球、無顆粒球、リンパ球を備える。非細胞成分の例として、これらに限定されないが、血漿、溶解塩およびミネラル、並びに血漿蛋白が挙げられる。血液成分は血液の副成分にさらに分画することができる。
【0023】
「落射照射」とは、対象物の照射と散乱光の生成を意味する。落射照射では、光が、光軸とは異なる照射軸に沿って対象物に導かれ、これによって散乱光が集光、検出される。
【0024】
「平行」とは、物理的で非電気的な意味において、2つの面が、全点で相互に等距離であり、同一方向または同一曲率を有する幾何形状を意味する。略平行は、絶対平行からの角度ずれが、10度未満、用途によっては、好ましくは0.5度未満である幾何形状を意味する。
【0025】
以下の記述においては、本発明の正確な本質を完全に説明するために、本発明の装置、装置の構成要素および方法の多くの具体的な詳細が述べられている。しかし、当業者には、これらの詳細がなくても本発明を実施できることは明らかであろう。本明細書における「好ましい実施形態」、「より好ましい実施形態」または「例示的な実施形態」という表現は、実施形態に関して記載または説明された特定の特徴、構造または特性が、本発明の少なくとも一実施形態に含まれることを意味している。本明細書の各所にある「好ましい実施形態」、「より好ましい実施形態」または「例示的な実施形態」の表現は、必ずしも同一の実施形態を意味するとは限らない。
【0026】
図1は、本発明の光監視システムの例示的な実施形態を概略的に示している。この光監視システムは、分離チャンバ上の観察領域から発生した光パターンに対応した散乱および/または透過光の強度分布を測定することができる。図示された監視システム100は、光源110と集光素子120と検出器130とを備える。光源110は、分離チャンバ150を備えた密度勾配遠心分離機140と光結合し、分離チャンバ150は、中心回転軸160回りを回転している。中心回転軸160回りを回転すると、分離チャンバ内の血液サンプルが、中心回転軸160に直角の向きの複数の回転分離軸に沿って、別個の血液成分に分離される。好ましい実施形態においては、分離チャンバ150は、円形フィラー(図1には示されない)内に保持され、これも中心回転軸160回りに回転することができる。フィラーは、内側が円形の溝を有したディスクを備えていてもよく、溝には分離チャンバが位置合わせされ、固定される。密度勾配遠心分離機の作動中、フィラーは、フィラーと分離チャンバの両方が中心回転軸160回りに回転するように、機能的に回転手段に接続されている。図1に示した概略図では、血液サンプルは、赤血球成分170に対応する外側の高密度相と、白血球と血小板含有成分(例えばバッフィコート)180に対応する中間の密度層と、富血小板血漿成分190に対応する低密度の内側層とに分離される。
【0027】
光源110は、入射光ビーム200を発生する。入射光ビーム200は、好ましくは、分離中の血液サンプルから散乱および/または透過光を生成するように、分離チャンバ150上の観察領域220を照射する。一実施形態では、光源110は、入射光ビームを生成することができ、入射ビームの一部が、分離チャンバ150内で分離中の少なくとも1つの血液成分を透過する。観察領域220からの散乱および/または透過光210の少なくとも一部が集光素子120によって集光される。集光素子120は、集光された光210の少なくとも一部を検出器130に導くことができる。検出器130は、観察領域からの散乱および/または透過光210のパターンを検出して、散乱および/または透過光の強度分布を測定する。例示的な一実施形態においては、散乱および/または透過光の強度分布は、観察領域220から発生する光パターンに対応した画像を含む。一実施形態では、本発明の画像はモノクロ画像であり、このモノクロ画像は、分離軸に沿って分離された血液成分の輝度の測定値を提供する。あるいは、本発明の画像はカラー画像であり、カラー画像は、分離軸に沿って分離された血液成分の色の測定値を提供する。
【0028】
観察領域220は、密度勾配遠心分離機140の一部の上、好ましくは分離チャンバ150上に位置している。図1に示される例示的な実施形態においては、分離された血液成分と、光学的に識別可能な血液成分の間の相境界とを、観察領域220内で見ることができる。一実施形態においては、観察領域は、分離チャンバの光セル上に位置している。分離チャンバは、処理される血液サンプルを通して入射ビームを伝達するための窓を有する。好ましい代替実施形態では、1つまたは複数の抽出ポート(図1では図示せず)を観察領域220内で見ることができる。別の実施形態では、観察領域220は分離チャンバ150の上部に位置しているため、血液サンプルの漏れおよび/または分離チャンバもしくはフィラーの不適切な位置合わせを見ることができる。別の代替実施形態では、観察領域220は分離チャンバの一部の上に位置しているため、分離した血液成分の組成を直接監視することができる。例えば、本発明の監視システムによって、採取した細胞成分の種類を特徴付け、分離チャンバから抽出したセルの量を時間の関数として数える方法が提供される。あるいは、監視システムは、血液の血漿蛋白などの非細胞の血液成分が直接測定されるように構成される。一実施形態においては、観察領域220は、散乱および/または透過光の強度分布を測定するたびに複数の測定値が得られるように、配置される。
【0029】
場合によって、観察領域220は、集光素子および検出器と同じ側の分離チャンバの上に位置する、落射光源230によって照射することもできる。落射光源230は、落射光源230が入射ビーム240を生成するように位置し、入射ビーム240は、血液サンプルおよび/または遠心分離機によって散乱される。落射光源230からの光の一部は、分離チャンバによって散乱し、集光素子120によって集光され、検出器130によって検出される。これによって、散乱および/または透過光の強度分布が測定される。
【0030】
一実施形態では、検出器130はまた、散乱および/もしくは透過光の強度並びに/または画像の測定分布に対応する出力信号を生成することができる。図1に示した例示的な実施形態では、検出器130は、出力信号を受信可能な遠心分離機コントローラ225に機能的に接続されている。一実施形態においては、遠心分離機コントローラ225は、測定された強度分布を表示し、測定された強度分布を記憶し、測定された強度分布を実時間で処理し、監視システムや遠心分離機の種々の光学および機械的構成要素、またはこれらの任意の組み合わせに制御信号を送る。好ましい実施形態においては、遠心分離機コントローラ225は、遠心分離機140に機能的に接続され、密度勾配遠心分離機の選択された作動条件を調節することができる。例えば、分離チャンバから出た細胞および非細胞成分の流速、分離軸に沿った1つまたは複数の相境界の位置、中心回転軸160回りの分離チャンバの回転速度、血液サンプルへの抗凝血剤または他の血液処理剤の注入、またはこれらの任意の組み合わせなどである。
【0031】
図1に示されているように、遠心分離機コントローラ225は、光源110および/または落射光源230にも機能的に接続されている。この実施形態では、遠心分離機コントローラ225および/または検出器130は、照射条件を制御するための出力信号を生成できる。例えば、検出器からの出力信号は、照射パルスのタイミング、照射強度、照射波長の分布並びに/または、光源110および/もしくは落射光源230の位置を制御するために用いることができる。図1で示された実施形態でも見られるとおり、遠心分離機のコントローラと検出器とは双方向通信している。この実施形態では、遠心分離機のコントローラが、検出器の露光時間、検出器の利得を選択的に調節し、モノクロ画像とカラー画像間を切り替えるために、制御信号を検出器130へ送る。
【0032】
再び、図1で示された実施形態を参照すると、集光素子120、検出器130またはこの両方は、例えば、遠心分離機の中心回転軸に直交している第1検出軸250に沿って移動可能に配置することができる。集光素子120を検出軸250に沿った方向に移動させることによって、密度勾配遠心分離機上の観察領域220の位置が調節される。別の実施形態においては、集光素子120は、第1検出軸250と直交した第2検出軸(図示せず)に沿った方向に移動することもできる。本発明はまた、光源110、落射光源230またはこの両方が、選択的に調節可能な観察領域からの透過および/または散乱光の照射と、これに続く検出とを最適化するように、移動可能な一実施形態も含んでいる。
【0033】
本発明の光源は、密度勾配遠心分離機の観察領域を照射するための1つまたは複数の入射ビームを生成することが可能な発光ダイオード源を備える。密度勾配遠心分離機の単一側面または複数の側面を照射するために、複数のランプが配置されてもよい。本発明で使用可能な光源は、発光ダイオードと、発光ダイオード光源のアレイとを含む。用途によっては、発光ダイオードの光源を用いることが好ましい。この理由は、発光ダイオードの光源は、正確にタイミングが制御された照射パルスを生成できるからである。好ましい光源は、強度がほぼ均一な入射光ビームを生成する。一実施形態においては、本発明の光源は、選択された波長帯と選択された強度とを有する入射ビームを生成する。
【0034】
好ましい実施形態においては、本発明の光監視システムは、複数の光源を備え、各光源は、波長帯が異なる入射光ビームを生成することができる。一実施形態においては、例えば、本発明の光監視システムは、白色光源、赤色光源、緑色光源、青色光源および赤外線光源のいずれかの組み合わせを備える。種々の波長帯を有した光源を組み合わせて用いることは、血液の細胞および非細胞成分の吸光係数および散乱係数が波長により変化するため、分離した血液画分を識別し、特徴付けるのに有効である。例えば、赤血球含有成分は、約500nm〜約600nmの範囲で選択される波長を有する光を照射することによって、富血小板血漿含有成分と容易に識別される。この理由は、赤血球成分は、富血小板血漿含有成分よりもはるかに強力にこの波長の光を吸収するからである。さらに、照射用に多数の着色光源を用いることによって、抽出された血液成分で白血球の種類を特徴付ける手段が提供される。異なる種類の白血球は、異なる波長で、異なる吸収と散乱断面積を有しているため、白血球を含有する血液成分からの透過および/または散乱光を監視することによって、血液成分中の種々の種類の白血球を識別し、各細胞の種類の存在量を数値化する手段が提供される。
【0035】
本発明の光源は、連続入射光ビームまたはパルス入射光ビームを発生する。パルス光源を、センサ、スイッチまたは他の種類の既知の協働要素を用いて、分離チャンバの回転と同期してオン/オフ切換することにより、位置がほぼ固定された観察領域に対応した透過および/または散乱光の強度分布を実現できる。あるいは、本発明のパルス光源を、分離チャンバの回転と非同期的にオン/オフ切換するようにして、各パルス光源が全回転すると、種々の観察領域に対応する透過および/または散乱光の強度分布を実現できる。この代替実施形態は、観察領域の位置を選択的に調節する方法を提供し、これによって分離チャンバの種々の領域を検査できる。一実施形態においては、照射パルスのトリガは、遠心分離機の回転速度に基づくか、または当分野で公知の光学的または電子的方法によって検出される、分離チャンバの角度位置に基づく。好ましい実施形態においては、トリガは遠心分離装置のコントローラおよび/または検出器によって生成されるトリガパルスによってなされる。
【0036】
本発明の照射システムはまた、血液処理装置またはこれの構成要素上に選択された照射領域を提供する、1つまたは複数の開口プレートも含む。好ましい実施形態では、開口プレートは、光源と、分離される血液サンプルとの間に位置する。この実施形態では、開口プレートは、露光によって不要な散乱光が生じる分離チャンバの領域を覆っている。いくつかの例では、検出器によって検出される不要な散乱光を低減することによって、ノイズを減らし、これにより信号対雑音比と画像の質が改良される。開口プレートは、典型的には、回転中に分離チャンバを所定位置に保持するフィラーと一体化されている。この実施形態では、開口プレートは分離チャンバと共に回転する。光学フィルタと偏光子とがまた本発明の照射システムに組み込まれて、強度、パワー、波長帯および偏光状態などの選択された光学特性を有する照射ビームを生成できる。拡散器がまた本発明の照射システムに組み込まれて、当分野で公知のとおり、空間で均一な照射ビームを生成できる。
【0037】
光監視および制御システムは、図1および図2で示されているように構成された、光源、近焦点レンズシステムおよびデジタルカメラを備える。照射は分離チャンバの下に位置する光源によってなされる。光源は、光を光セルの白血球抽出ポートを通るように導くことができる。光セルの上部も照射される。光セルによって透過および散乱した光は、近焦点レンズシステムによって集光され、デジタルカメラで検出される。透過および散乱光の分布は、分離チャンバの1つおきの全回転毎に取得される。
【0038】
画像データ分析アルゴリズムと処理制御アルゴリズムの演算から生成された測定結果は、取得および分析された画像の質を最適化するために、カメラおよび集光素子120、並びに光源およびカメラトリガハードウェア110、230に送られる出力信号の基準として役立てることができる。例えば、出力信号は、照射ビームの強度を調節し、照射ビームの色を変え、またはカメラの利得や露光時間を調節することができる。
【0039】
本発明は、密度勾配遠心法によって血液処理を監視、制御するためのシステムを含む。このシステムは、校正マーカおよび分離抽出された血液成分の組成および/または溶剤に関する、光学的に識別可能な血液成分間の相境界の位置を、同時にリアルタイムで測定することができる。優れた感度、機械的耐久性および信頼性を示す本発明のシステムは、固定焦点レンズと上部パルスLED(発光ダイオード)光源と下部パルスLED光源とを装着した、定位CCDカメラを備える。固定焦点レンズシステムを装着した定位CCDカメラを用いることによって、光学的な配列の維持に対して高度な機械的安定性を示すシステムが提供される。このシステムによって、光路長の照射および検出ビームを周期的に調節する必要がなくなる。さらに、上部および下部パルスLED光源を用いることによって、血液処理システムに導かれ、次に検出される照射光ビームの波長分布と強度にかなりの自由度が与えられる。さらに、上部および下部パルスLED光源を使用することによって、分離チャンバの回転光セルの光学的に高品質の画像を生成するのに有用な照射パルスの正確且つ再現可能な時間特性が得られる。
【0040】
図2は、密度勾配遠心分離による血液処理に最適な、本発明の光監視および制御システムの平面図である。図3は、図2で示された切断線3−3に対応する断面図である。図4は、図2および図3で示された光監視および制御システムの側面斜視図である。図示された光監視制御システム1205は、固定焦点レンズシステム1210と光セル1220と上部パルスLED光源1215と下部パルスLED光源1225とが装着されたCCDカメラを備える。図3に示されるとおり、固定焦点レンズシステム1210付きCCDカメラは、光セル1220と光結合し、光軸1230と交差するように位置付けられている。上部パルスLED光源1215は、光セル1220と光通信し、光軸1230と交差する伝搬軸に沿って伝搬する複数のコリメートされた上部照射光ビーム1235を、光セル1220の上面1239へと向けることができるように位置合わせされている。下部パルスLED光源1225も光セル1220と光結合し、光軸1230と平行な伝搬軸に沿って伝搬する複数の平行化された下部照射光ビーム1240を光セル1220の底面1250に導くことができるように位置合わせされている。
【0041】
例示的な一実施形態においては、上部パルスLED光源1215は、光セル1220の上面1239から約4.26インチに位置し、下部パルスLED光源1225は、光セル1220の上面1239から約7.47インチに位置している。図3に示された例示的な実施形態では、固定焦点レンズシステム1210付きCCDカメラは、固定焦点レンズシステムの焦点面が、光セル1220の選択された光学面(例えば、界面観察領域、較正マーカ、1つまたは複数の抽出ポート、および1つまたは複数の入口などに対応した光学面)とほぼ同一平面となるように位置合わせされている。この実施形態では、CCDカメラはまた、光軸1230に沿って、固定焦点レンズシステムの中心から少し離れているため、光セル1220の選択された光学面に対応する画像が、CCDカメラの感知面上に生成される。この光学的構成の利点は、回転光セル1220の上部1239の画像を含む光強度の分布を、実時間で測定、分析できる点にある。
【0042】
取付アセンブリ1260は、固定焦点レンズシステム1210付きCCDカメラを、定位置で、光軸1230に沿って光セル1220の上部1239から選択された距離に、保持する。図2〜4で示された取付アセンブリ1260は、固定焦点レンズシステム1210付きCCDカメラの定位置と向きとを維持することが可能なブラケットを備える。取付アセンブリ1260はまた、二軸保持の平行移動ステージを備えることもできる。二軸保持の平行移動ステージは、任意の二軸傾斜機構を有し、光セル1220に対して、カメラと固定焦点レンズシステムの相対的な向きと位置を選択的に調節できる。
【0043】
図2〜4に示されるとおり、光監視制御システム1205は、密度勾配遠心分離血液処理装置1265内に直接組み込まれている。光監視制御システム1205に良好な機械的安定性を与えるために、取付アセンブリ1260は、密度勾配遠心分離血液処理デバイス1265のハウジング1270を支持するフレーム部材(図2〜4には図示せず)に直接取り付けられている。一実施形態においては、下部パルスLED光源1225も、別の取付アセンブリ1261によって、密度遠心分離血液処理装置1265のハウジング1270を支持するフレーム部材(図2〜4には図示せず)に直接取り付けられている。上部パルスLED光源1215は、図2〜4に示されているとおり、固定焦点レンズシステム1210付きCCDカメラに固定されている。あるいは、上部パルスLED光源1215は、別の取付アセンブリによって、密度遠心分離血液処理装置1265のハウジング1270を支持するフレーム部材(図2〜4には図示せず)に直接取り付けられることもできる。本発明で有用な取付アセンブリは、例えば、締め具、ブラケット、接続部、カプラ、追加のハウジング要素、および全ての既知の同等物など、当分野で公知の任意の締結手段を備え、ボルト、締結具、締め具、ネジ、鋲、シール、ジョイント、カプラまたは、当分野で公知のこれらの任意の同等物の使用を含む、当分野で公知の任意の手段によって、ハウジング1270を支持するフレーム部材に直接取り付けることができる。
【0044】
図3で示された断面図を参照すると、第1透明板1275が、固定焦点レンズシステム1210付きCCDカメラと光セル1220との間に設けられ、第2透明板1280が下部パルスLED光源1225と光セル1220との間に設けられている。第1および第2の透明板1275、1280は、固定焦点レンズシステム1210付きCCDカメラと上部パルスLED光源1215と下部パルスLED光源1225とを、光セル1220から物理的に隔離し、この結果これらの成分は、分離チャンバからサンプルが漏洩した場合に処理中のサンプルと接触しないようになる。さらに、第1および第2の透明板1275、1280は、塵芥や他の汚染物が不要に堆積されることによる、固定焦点レンズシステム1210付きCCDカメラと上部パルスLED光源1215と下部パルスLED光源1225の劣化を最小限にする。塵芥や他の汚染物は、分離チャンバおよびフィラーが回転すると、システムに入る可能性がある。さらに、第1および第2の透明板1275、1280によって、ユーザは、固定焦点レンズシステム付きCCDカメラと上部パルスLED光源と下部パルスLED光源とを、分離チャンバ内の血液サンプルに晒すことなく、最適に位置合わせすることができる。第1および第2の透明板1275、1280は、上部および下部照射光ビーム1235、1240の少なくとも一部を透過する任意の材料を備えることができる。第1および第2の透明板1275、1280の例示的な材料には、これらに限定されないが、光学的品質の耐引掻性ガラスなどのガラス、透明プラスチックなどの透明なポリマー材料、石英、無機塩が含まれている。
【0045】
図2〜4に示された光監視制御システムにおける上部パルスLED光源1215と下部パルスLED光源1225は、それぞれ、LEDアレイ光源など、複数のLEDを備える。上部パルスLED光源1215は、12個のLED1000を備え、各LEDは、ビームを平行化するための放物状反射器1002を備える。例示的な放物状反射器1002が図5、図6および図7で示されている。反射器1002は、キャビティ1006を囲む略切頭円錐体1004を備える。キャビティは、(図7の一点鎖線で示された)LEDデバイス1000を受ける近位開口部1008と遠位端口1010とを有している。反射器の外面1016上の近位に延びる1対のフィン1012、1014がLED1000と係合する。3つの長手方向に延びるストラット1018が、反射器の外面1016周りで半径方向に対称的に間隔を空けている。ストラットは、切欠部1022を形成するために切除された直角頂点を有する直角三角形1020を備える。ストラットは、12個のLED1000を支持する板1023(図4参照)の穴(図示せず)にはめ込まれ、切欠部1022がこの板の上に置かれる。3つの長手方向に延びるラッチ1024は、ストラット1018間で等距離にあり、これらのラッチは、反射器の外面1016上に、半径方向に対称的に取り付けられている。各ラッチは、アームの自由端1030に突起部1028を備えた、近位に延びるアーム1026を備える。アーム1026の自由端1030は、板1023の穴(図示せず)にはめ込まれている。反射器1002が板の所定の位置にはめ込まれた後、LEDデバイス1000は、近位開口部1008に挿入できる。LEDからの光は、キャビティ1006内の放物状鏡面1032から反射される。公知のとおり、LEDデバイスは、数学的に正確な回転放物面の焦点となり得る単一点からではなく、通常は矩形の板から光を放射する。極めて薄い半径方向セグメントに分割されたような鏡面を考えると、鏡面1032は、このような数学的な回転面の位置から半径方向外側に配置されて、鏡面1032の任意の半径方向セグメントの焦点が、LED1002の中心から半径方向外側に配置されるようになる。焦点は、半径が、LEDの発光板の中心から板の端までの距離のおよそ半分である焦点領域または焦点円を形成し、この結果反射器によって集光される光を最大限にする。LEDデバイス1000近くの鏡面の焦点を外側に配置することによって、観察領域で集光される光の密度が高まる。
【0046】
下部パルスLED光源1225も、12個のLEDと平行光素子(例えば、1つまたは複数のレンズ、パラボラ反射器またはこれらの素子の組み合わせ)とを備える。図8は、本発明の方法および装置に有用な、下部パルスLED光源1225の分解組立側面図の概略図である。図示されたパルスLED光源は、LEDアレイの素子1314と光結合する平行光素子1310を備える。図8に示されるとおり、平行光素子1310は、複数の輪郭反射面1312を備えた多面体の放物状の反射および平行化素子であり、輪郭反射面はそれぞれLED光素子1314と光結合するように配置されている。輪郭反射面1312は、血液処理を監視制御するのに有用な本発明の一実施形態において、変更された放物状輪郭を有している。輪郭反射面1312に選択された輪郭に依存して、ほぼ平行な伝搬軸に沿って伝搬する複数の入射ビーム、または平行でない伝搬軸に沿って伝搬する複数の入射ビームを生成するように、平行光素子1310が構成されてもよい。図8で示された実施形態は、光セル1220の底部側1250表面に導かれる複数の入射ビームを生成するのに有用である。
【0047】
6つの輪郭反射面1312を有する下部パルスLED光源1225の一実施形態が図9、図10および図11に示されている。LED光源は、LED光素子1314をフレームの外面周りで対称的に支持する円筒形フレーム1316を備える。基底部1318が、ネジ、加圧嵌合(図11)、スペーサ1322(図8)または他の手段など任意の適切な手段によって、フレーム1316の近位端1320に固定される。輪郭反射面1312は、ネジシャフト1326に取り付けられた鏡組立体1324内に形成されている。ノブ1328がネジシャフト1326を回し、円筒形のフレーム1316内で、ばね1330の反発力に抗して、鏡組立体1324を上下に移動させる。鏡組立体1324上のピン1332がフレーム1316のスロット1334で上下に摺動し、鏡組立体がフレームとLED光素子1314に対して回転するのを防ぐ。LED光素子1314は、LEDデバイス1336の光生成部が、隣接面1312の焦点領域内またはこの近くにあるように、フレーム内に取り付けられている。小ネジ1338、1340は、LEDデバイスの基底部1342をフレーム1316に固定する。したがって、フレーム1316内の個々のLEDデバイスを傾けるよう、および鏡組立体1324をフレーム内で上下に移動させるよう、小ネジを調節することによって、下部光源1225は調節可能である。
【0048】
LED光素子1314と反射面1312の数は、図12および図13で示されているように3つまで減らしてもよい。LED素子1314と反射面1312の数は、放射光の特定の周波数に対して必要な照射と、LED素子から利用可能なパワーとに基づいて選択される。LED素子は、特定の周波数で利用可能な照射量が異なる。特定の周波数で、より多い照射が必要とされる場合、より多くの個々の素子1314が必要となる。同時に、反射面1312の数が増えると、これらの面の相対的な大きさが小さくなり、それによって、観察領域に効率よく反射される光量が減少する。さらに、同一の下部アレイを用いて種々のカラーを選択する能力が求められる場合、より多くの(例えば12個の)LEDデバイスを備えたアレイが選択されるべきである。
【0049】
上部および下部パルスLED光源1215、1225に有用なLEDは、赤色LED、緑色LED、白色LED、赤外線LED、紫外線LEDまたはこれらの任意の組み合わせであってもよい。例示的な一実施形態においては、上部パルスLED光源1215は、2つの赤色LEDと、6つの緑色LEDと、4つの白色LEDとを備える。本発明で有用なLEDは、光セル1220の画像を含む強度分布を測定するのに十分大きい強度を有する、平行ビームを生成する。本発明の一実施形態においては、LED駆動回路が、デバイス性能を最適化するために、上部および/または下部LED光源の近くに場合によって配置される。
【0050】
上部パルスLED光源1215および下部パルスLED光源1225は、正確に選択可能な時間特性を有する同期光パルスを生成できる。本発明で使用可能な光パルスのパルス幅は、密度勾配遠心分離機の回転速度に依存する。一般に、光パルスのパルス幅が小さいほど、取得される光強度の分布に対応する光学画像がぼやけにくくなる。しかし、パルス幅が大きいほど、カメラのCCDによってより多くの光子を取り込むことができ、したがって、高い信号対雑音比が得られる。回転速度が約3000RPMに等しい場合、約8マイクロ秒未満のパルス幅が、生成された光セルの画像のぼやけを最小限にするのに有用である。本発明のいくつかの用途に有用な例示的な光パルスは、約1マイクロ秒〜約50マイクロ秒の範囲で選択されたパルス幅を有する。
【0051】
一実施形態においては、固定焦点レンズシステム1210付きCCDカメラは、固定焦点レンズシステムから固定の選択された距離に配置されたモノクロまたはカラーCCDカメラを備える。CCDカメラと固定焦点レンズシステムとはハウジング1285内に収容できる。ハウジング1285は、これらの構成要素間に、選択された分離距離を維持することができ、不要な散乱光の検出を最小限にすることもできる。ハウジング1285は、CCDカメラと固定焦点レンズシステムとの間で、選択された距離を確立、維持するために、1つまたは複数の固定スペーサまたは選択的に調節可能なスペーサを備えることができる。1つの例示的な固定焦点レンズシステムは、複数の球面レンズ、円柱レンズ、スペーサまたはこれらの要素の任意の組み合わせを備える。1つの例示的なCCDカメラは、Point Grey Research社(Point Grey Research Inc.)が製造する「Flea」であり、約1024画素×768画素に等しい画素面積を有している。1つの例示的なレンズは、Schneider Optics社(Schneider Optics, Inc.)が製造する、焦点距離が28ミリメートルのF2.8の固定焦点距離レンズシステムを備える。例示的な光学構成部品をこのように組み合わせることによって、視野が、約3/8インチ×1/2インチに等しくなり、選択された焦点深度は、約1/16インチから約1/2インチの範囲になる。この視野と焦点深度によって、界面領域内の相境界の位置と、1つまたは複数の抽出ポートを出た細胞物質の組成とを監視および制御するのに有用な光セル1220の画像を含む、光強度の分布を測定することができる。固定焦点レンズシステムを装着しCCDカメラを用いることによって、システムの機械的安定性が高まり、CCDカメラと固定焦点レンズシステムと光セルの選択された相対的方向と位置とを維持するのに役立つ。本発明のこの態様は、システムに、界面領域内で光学的に識別可能な分離血液成分間の相境界の位置と、1つまたは複数の抽出ポートを通って光セルを出る分離血液成分の組成とを高度に再生可能に測定する能力を提供する。
【0052】
図3はまた、本発明の光学的幾何形状により与えられる光路長さを示す。上部パルスLED光源1215は、光軸1230と交差する伝搬軸に沿って伝搬する、複数の上部パルス平行照射光ビーム1235を生成する。上部照射光ビーム1235の少なくとも一部は透明板1275を通過して、光セル1220の上面1239に導かれる。上部平行光ビーム1235の一部は、光セル1220、光セル内の1つまたは複数の分離された血液成分および/またはフィルタ1255によって散乱される。下部パルスLED光源1225は、光軸1230のほぼ平行は伝搬軸に沿って伝搬する下部平行照射光ビーム1240を生成する。下部照射光ビーム1240の少なくとも一部は透明板1280を通過して、光セル1220の底面1250に導かれる。下部照射光ビーム1240の一部は、光セル1220とこのセル内の1つまたは複数の分離された血液成分とを透過する。光セル1220を透過した光は、界面観察領域、1つまたは複数の入口、1つまたは複数の抽出ポート、1つまたは複数の校正マーカまたはそれ他の任意の組み合わせに対応する。
【0053】
光セル1220により透過および/または散乱された光は、固定焦点レンズシステムによって集光され、CCDカメラの感知面上に画像生成される。この方法では、光強度の分布は、光セル1220の少なくとも一部(例えば、光セル1220の上面1239)の画像に反応するCCDカメラにより測定される。上部平行光ビーム1235に対応する散乱光の検出は、主として、システム校正、近接度の識別および移動センサ追跡のために使用される。下部照射光ビーム1240に対応する透過光の検出は、主として、光セル1220内の光学的に識別可能な分離された血液成分の1つまたは複数の相境界層の位置の測定と、光セル1220内1つまたは複数の抽出ポートを出る分離された血液成分の組成および溶剤の測定とのために使用される。上面および底面照射の両方から生じる透過および散乱光を検出することは、光強度の取得された分布から抽出される情報量を最大にし、本発明の光監視および制御システムの多機能能力を向上させる。
【0054】
場合によって、光監視および制御システム1205はさらに、上部および下部パルスLED光源1215および1225の光レベルを最適化するのに有用な1つまたは複数の追加の光検出器を備える。一実施形態においては、フォトダイオードを備える追加の光検出器を設けることにより、下部パルスLED光源1225からの散乱光を測定可能になる。下部パルスLED光源1225からの散乱光を測定可能な追加の光検出器は、本発明の問題解決およびエラー処理状況において有用である。
【0055】
CCDカメラは、光強度の測定された分布に対応する、1つまたは複数の出力信号を生成できる。出力信号は、コンピュータまたはプロセッサなどの1つまたは複数の遠心分離機コントローラに送られる。コントローラは、透過および/または散乱光強度の取得された分布を分析し、抽出された血液成分の分離状態および組成に影響を与える重要な作動条件を調節できる。選択的に調節可能な作動条件には、これらに限定されないが、遠心分離機の回転速度、1つまたは複数の吸入ポンプの流量、1つまたは複数の抽出ポンプの流量、またはこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0056】
光監視および制御システム1205はパルス光システムであって、これにより、光セルが密度勾配遠心分離機140の中心軸回りに回転するときに、光セル120に対応する強度分布が取得される。強度分布は光セル1220の全回転毎に取得するか、または、例えば1つおきの全回転毎などの、光セルの選択された回転について取得することもできる。光セル1220の1つおきの回転毎に強度分布を取得することは、用途によっては有益である。この理由は、このようにすることにより、1秒間当たり約30フレームより多いフレームを収集できる高価なCCDカメラの必要性をなくし、また分離チャンバの回転時に観測される反復性の測定器微小振動に関連する、空間的表示、校正および光画像問題を最小にすることができるためである。
【0057】
光セル1220の良好な画像に対応する強度分布を生成するには、回転上面および底面照射パルス、カメラシャッターおよびゲート設定、並びに密度勾配遠心分離機の分離チャンバの光セル1220の回転が、正確に同期化されていなければならない。これら要素の正確な同期化により、光セルの光学的に高品質な画像を含む透過および/または散乱光強度の画像が各全回転または選択された回転について測定可能になる。本発明では、例えば光セルまたは分離チャンバなどの、密度勾配遠心分離機および/または監視システムおよび制御システムの構成要素の回転位置は、当分野で公知の、コード化モータシステムを用いて正確に測定される。例示的な一実施形態では、密度勾配遠心分離機140は、密度勾配遠心分離機の回転要素上の複数のマーカを読み取りできる任意の光センサを備える。この構成により、光セルの回転位置の実時間測定、好ましくは、約0.09°の回転位置精度の測定が可能になる。この構成はまた、密度勾配遠心分離機の回転数上昇または低下などの回転速度が変化したときの、光セルの回転位置の実時間測定を可能にする。
【0058】
コード化モータシステムはまた、例えば光セルまたは分離チャンバなどの、密度勾配遠心分離機および/または監視システムおよび制御システムの構成要素の回転位置に対応する出力信号を実時間で生成できる。例示的な一実施形態では、これらの出力信号は、同期化およびタイミングコントローラの入力として提供される。このコントローラは、上部パルスLED光源、下部パルスLED光源、およびCCDカメラに1つまたは複数のトリガ信号を送ることができる。同期化およびタイミングコントローラよってこれらの装置の構成要素に提供されるトリガ信号には、トリガ位置(すなわち、光源を起動する時間または回転位置)、トリガ周波数(すなわち、回転が光パルスを生成する回数)、パルス幅設定(光パルスの継続時間)、および遅延設定(すなわち、トリガ信号が受信された時と光パスルが起動される時との間の時間)を含む。上部および下部パルスLED光源のLED素子およびカメラシャッターおよびゲート設定は、同期化およびタイミングコントローラにより生成されるトリガ信号を用いて、密度勾配遠心分離機の所望の回転位置に対応する時間に、正確にトリガできる。本発明では、トリガ信号に対応する回転位置を選択することにより、本発明において観察領域を選択的に調節できる。この方法では、光セルの複数の選択される領域、分離チャンバおよび密度勾配遠心分離機の他の構成要素は、光学的に検査される。
【0059】
例示的な一実施形態では、CCDカメラの露光時間は、CCDカメラのゲート設定またはシャッターでなく、上部および下部パルスLED光源により生成される光パルスのパルス幅によって決定される。一実施形態においては、CCDカメラのシャッターは、大きなバックグラウンドノイズ効果を有することなく、光パルス継続時間より長く開くことができる。LED光源により生成される光パルスのパルス幅は高精度で制御できるため、本発明のこの態様は、短い露光時間に対応する極めて正確なゲート時間を提供する高価なCCDカメラの必要性をなくす。
【0060】
好ましい一実施形態では、LED光源のそれぞれが、図14の機能ブロック図に示される制御回路1400などの制御回路により制御される。制御回路1400はLED光源の全てまたは任意の一部分を制御してもよい。しかし、好ましくは、単一制御回路が2つのLEDデバイスを制御し、この2つのLEDは、同一周波数特性を有し、且つ1つのLEDデバイスの故障が全体として装置の機能に大きな影響を与えないように配置される。制御回路1400はスイッチ制御ユニット1402を備え、このユニット1402は、マイクロプロセッサからの信号に応答して第1スイッチ回路1404および第2スイッチ回路1406を選択的に開閉し、電力キャパシタバンク1408に選択された充電を維持する。第1スイッチ回路1404は最初に閉じて、キャパシタバンク1408を充電し、この間、第2スイッチ回路1406は開いている。充電速度制御回路1410は、キャパシタンバンク1408に充電できる速度を制限する。これにより、システムが初期設定されるときの急激な電流需要を防止する。このような急激な電流需要は、システム他の電力需要に全体として妨害を与える可能性がある。充電速度は固定され、プログラム可能でないが、制御回路1400の他のパラメータはプログラム可能である。充電速度は、キャパシタバンク1408に蓄積される電圧を調節できるデジタルポテンショメータを使用することにより、プログラム可能にできる。次に、マイクロプロセッサは、プログラムされ、制御される速度の変更時にデジタルポテンショメータの設定を上下することにより、充電を制御できる。
【0061】
電圧制御回路1412はキャパシタバンク1408に蓄積されるピーク電圧を調節できる。マイクロプロセッサはキャパシタバンク1408に蓄積される電圧を選択し、好ましくは、電圧制御回路内のデジタル制御デバイスを調節する。キャパシタバンク1408が選択された電圧まで充電された後、第1スイッチ回路1404は閉じた状態を維持して、通常動作の間に充電を続行できる。第2スイッチ回路1406は閉じて、以下に説明されるとおり、他の回路構成要素を通してLEDデバイスに駆動電力を供給できる。スイッチ制御ユニット1402はタイミングおよび制御信号を供給して、第1スイッチ回路1404を閉じ、第2スイッチ回路1406を閉じる。両方のスイッチ回路1404および1406が閉じると、電力がキャパシタバンク内に蓄積される。
【0062】
第2スイッチ回路1406が閉じた状態では、電力はLEDデバイスまたは複数のLEDデバイス1414で使用可能になる。マイクロプロセッサからの信号に応答して、パルス駆動コントローラ1416は、LEDデバイス1414を共に駆動する第1高速応答スイッチ1418および第2高速応答スイッチ1420を制御する。高速応答スイッチ1418、1420のそれぞれは、LEDデバイス1414に正確な矩形電力波形を供給するように、オン/オフされる。第2高速応答スイッチが開いている状態では、第1高速応答スイッチは閉じて、キャパシタバンク1408からLEDデバイス1414を通りグラウンドまでの電流経路を提供する。以下にさらに詳細に説明されるとおり、波形の前縁は明確に形成され、急峻であり、電圧はキャパシタンスバンク1408内のキャパシタの容量が大きいため、比較的一定値を維持する。選択された照射継続時間後、パルス駆動コントローラ1416は、第1および第2スイッチ回路1404、1406に関して上に説明されたとおり、両方のスイッチ1418、1420を短時間オフにし、したがって、第2高速応答スイッチ1420とグラウンドとの間を開き、残留電力をLEDデバイス1414から排出し、これにより、LEDデバイス1414を急速に正確にオフにする。
【0063】
制御回路1400は正確に制御されたストロボ照射を生成する。LEDデバイス出力の継続時間および大きさ(電圧)はデジタル的に制御できる。これは、発光現象が主として放電現象であり、不確定な継続時間および不定強度を有するキセノンストロボ閃光ランプと対照的である。本発明のストロボ光の好ましい用途では、対象画像が光源および検出デバイス(ビデオカメラ)から比較的離れているが、検出される現象、すなわち流体層間の境界は極めて微細である。強力であるが均一な照射が必要とされる。カメラのシャッター速度は観察される現象より遅いため、ストロボ光は光学システムに対するシャッターとして役立ち、したがって、急峻な開始および終了の両方を有する必要がある。これらの特徴は、本明細書に記載されたLED光源および制御回路により提供される。
【0064】
さらに、本発明のストロボ光の好ましい用途では、制限パラメータがビデオカメラの回復速度となり、一般に約25〜30Hz(ロータの毎秒回転について1つの画像)に制限される結果になる。画像間のこの周期はLED光源による照射期間に比較して相対的に長いため、制御回路140は、電力が第1および第2高速応答スイッチ1418、1420を通して供給される前に、第1および第2スイッチ1404、1406を通してキャパシタバンク1408を完全に再充電するのに十分な時間を有する。
【0065】
制御回路1400は図15A、15Bおよび15Cにより詳細に示される。スイッチ制御ユニット1402はPで電源、好ましくは24Vに接続される。インダクタ1422は、LEDデバイス1414が高速でオン/オフに切り替えられるときに制御回路中で発生し、血液処理装置の他の部分に伝搬して戻る、高周波数の過渡電気信号を阻止する阻止フィルタを形成する。入力電圧は抵抗1424と、グラウンドに接続されたゼナーダイオード1426およびキャパシタ1428、1430の両端とにより調節される。キャパシタの一方1428は入力電力の変動分を平滑化するのに十分大きく、他方のキャパシタ1430は約1/2以下の大きさであり、インダクタ1422で阻止される高周波数過渡信号のグラウンドへの経路を提供する。調節された電圧は、集積スイッチング回路1432、例えばリニア・テクノロジ社(Linear Technilogy)から市販されているデュアルMOSFETドライバLTC1255CS8のVsピンであるピン6に接続される。ピン番号は例示のLTC1255CS8デバイスに対応している。集積スイッチング回路1432のグラウンドピンであるピン3は、システムグラウンドに接続される。例示のスイッチング回路1432は2つのMOSFETスイッチングチャネルを備える。このようなスイッチングチャネルは、別個の集積回路または別個の部品により提供できる。ドレイン検知ピンであるピン1およびピン8の両方は、リセット回路(図示なし)に接続される。リセット回路は、特定の状態(例えば、不適切な電圧、または作動遅延が初期過渡状態の安定化を引き起こすような初期状態)に応答してスイッチング回路1432をリセットする信号を出力しなければならない。このようなリセット回路の構造は当業者には公知であり、組み合わせたマイクロプロセッサとは独立であり、本明細書でより詳細に説明する必要はない。スイッチング回路1432では、ゲート駆動ピンであるピン2および7は、スイッチがオフになるとグラウンド電位に駆動され、あるいは、スイッチがオンになると高電位に駆動される。当業者であれば、逆極性を使用する回路も使用できることは、言うまでもなく認識されるであろう。ここでの例の入力ピンであるピン4および5は、アクティブ・ハイ(active high)であり、例示のLTC1255集積回路では、電力供給中はロー(low)に維持して、内部の入力ラッチを適正に設定しなければならない。入力ピン4は、抵抗144、1446、1448とキャパシタ1450とから構成される電圧駆動回路を通して接続される。接続Rでのリセット回路(図示なし)は、適正な電圧(例えば、24V)が適正な時間長さ(例えば、2秒より長い)の間に利用できないとき、入力ピンをロー(low)に維持し、組み合わせたMOSFETを閉に維持する。適正な電圧が検出されると、入力ピン4はゲート駆動ピン2を開いて、制御回路1400の充電を開始する。電流は充電速度制御回路1410に流れ込む。この制御回路410は、大きい抵抗1454およびキャパシタ1452によりMOSFETを制御して閉じて、キャパシタバンク1408に流れ込む電流を制限している。キャパシタバンクへのこの電流の流入を管理して、マイクロプロセッサなどの他の回路に悪影響を与え、また電源またはシステムをリセットさせる可能性のある、電流の急激な増加または瞬時的増加を防止することが望ましい。小さい抵抗1456(大きい抵抗1454の約1/10)は大きい抵抗1454に直列に接続され、キャパシタ1452は2つの抵抗1454、1456間に接続される。戻りの電流経路は、上述の大きい抵抗および小さい抵抗1454、1456とキャパシタ1452に並列に接続された、抵抗1458およびダイオード1460を通して形成されており、第1スイッチ回路1404内のMOSFET集積回路1462のゲートを放電するように順方向にバイアスされている。
【0066】
充電速度制御回路1410からの信号がスイッチ回路1404を閉じ、電圧制御回路1412からキャパシタバンク1408への電流の流れを可能にする。第1スイッチ回路1404は、例えばインターナショナル・レクティファイヤ社(International Rectifier)から市販されているIRFZ44N MOSFETなどの、パワーMOSFET集積回路1462を備える。MOSFET1462のゲートは、充電速度制御回路1410を通してスイッチ回路1462のゲート駆動ピン2に接続される。MOSFETのソースはキャパシタバンク1408および第2スイッチ回路1406に接続される。MOSFET1462のドレインは電圧制御回路1412に接続される。ゲートとソースの両端に接続されたゼナーダイオード1464は、ゲートの電圧を12Vにクランプする。
【0067】
電圧制御回路1412は、キャパシタバンク1408の電圧を回路1400により駆動されるLEDデバイスの電圧必要条件に一致するように設定する命令を受け取る。異なる波長または色を放射するLEDデバイスは一般に、異なる電圧レベルを必要とする。特定の制御回路1400用の電圧は、デジタルポテンショメータ1466に接続された接続Cを介して血液処理装置を制御するマイクロプロセッサによって選択される。ポテンショメータ1466は、レギュレータの出力ピンに接続された第1抵抗1480と、システムグラウンドに接続された第2抵抗1482に直列のポテンショメータ1466との間の位置の電圧を変化させることにより、調節可能電圧レギュレータ1468、例えばリニア・テクノロジ社(Linear Technilogy)から市販されているLT1085CTの調節ピンを制御する。電圧レギュレータ1468の入力ピンは24V電源Pに接続される。キャパシタ1470、1472、1474は電源Pおよびポテンショメータ1466の両方からのノイズおよび過渡変動を濾波し、性能の安定性を実現する。レギュレータ1468の出力ピンはMOSFET1462のドレインを通してキャパシタバンク1408に接続される。出力ピンにおける調節された電圧は、キャパシタバンクを充電できる最大電圧である。逆バイアスされたダイオード1476はレギュレータ1468の出力ピンとレギュレータの入力ピンとの間に接続され、キャパシタバンクは充電されるが、電源への接続Pが中断された場合にレギュレータを保護することができる。さらに1つまたは複数のキャパシタ1478をレギュレータの出力ピンに接続することにより、高周波数の過渡変動電圧をグラウンドに導くことができる。
【0068】
キャパシタバンク1408は、一方側を第1スイッチ回路1404と第2スイッチ回路1406との間に接続され、他方側をシステムグラウンドに接続された、1つまたは複数のキャパシタ1484、1486、1488を備える。双方向の過渡変動電圧抑制素子または「背中合わせ接続」ゼナーダイオード1490をキャパシタと並列に接続し、特にキャパシタの定格電圧が電源からの供給される最大電圧に近い場合に、キャパシタの過渡変動保護を実現できる。好ましい用途における空間に制約から、物理的に小さいキャパシタが望ましい。第1スイッチ回路1404が閉じると、キャパシタ1484、1486、1488は電圧制御回路1412により設定された電圧まで充電される。第2スイッチ回路1406が閉じると、以下に詳細に説明されるとおり、キャパシタ1484、1486、1488は別の回路素子に接続され、LEDデバイスに駆動電流を供給する準備が完了する。
【0069】
第2スイッチ回路1406は、例えばインターナショナル・レクティファイヤ社(International Rectifier)から市販されているIRFZ44N MOSFETなどの、スイッチとして作用するパワーMOSFET集積回路1492を備える。MOSFET1492のゲートは、スイッチ制御ユニット1402内のスイッチ回路1432のゲート駆動ピン7接続される。MOSFETのドレインはキャパシタバンク1408および第1スイッチ回路1404に接続される。MOSFET1492のソースは第1高速応答スイッチ1418を通してLEDデバイス1414に接続される。ゲートとソースの両端に接続されたゼナーダイオード1494は、ゲートの電圧を12Vにクランプする。
【0070】
第1高速応答スイッチ1418を通して接続されるとき、第2スイッチ回路1406を通してキャパシタバンク1408からLEDデバイス1414に送られる電力は、第1高速応答スイッチ1418および第2高速応答スイッチ1420を選択的に開および閉にするパルス駆動コントローラ1416により制御され、LEDデバイス1414への電流の流入および流出を可能にする。パルス駆動コントローラ1416は、ナショナル・セミコンダクタ社(National Semiconductor)からのLM5104集積回路などの、半波ブリッジゲートドライバ1496を備える。ゲートドライバ1496は入力ピン6でマイクロコンピュータCからの信号を受け取る。コンピュータ入力および入力ピン6と直列の抵抗1498は、ピンにおける電流を制限する。コンピュータ入力とシステムグラウンドに接続された別の抵抗1500が、コンピュータからのパルスの存在しないときに、入力ピン6の電圧をロー(low)に保持する。ゲートドライバ1496のピン1のVDDまたは電圧は、電源Pとシステムグラウンドとの間に直列に接続された抵抗1502および12Vゼナーダイオード1504で構成される電圧レギュレータを通してゲートドライバの電力を受け取る。1つまたは複数のキャパシタ1506、1508をゼナーダイオードに並列に接続することにより、高周波数の過渡変動電圧をグラウンドに導くことができる。ゲートドライバはVssピン7を通してグラウンドに接続される。不動作プログラムピン5をシステムグラウンドに接続する抵抗1510は、ゲートドライバの高周波数および低周波数の過渡変動間の遅延を設定する。この遅延によって、ゲートドライバが第1高速応答スイッチ1418および第2高速応答スイッチを同時に閉じることにより、キャパシタバンクがグラウンドに短絡するのを防止する。コンピュータCからの信号に応答して、ゲートドライバ1496は出力ピン3にハイ(high)信号を発生する。この信号は抵抗1512を通過する。この抵抗1512は、第1高速応答スイッチ1418のターンオン特性を減衰させ、第1高速応答スイッチが閉じたときの電圧スパイクおよび放射電気干渉の発生を抑制する。MORFET1418のゲートは抵抗1512に並列のダイオード1514を通して放電する。コンピュータCからの信号が終了すると、ゲートドライバ1496は出力ピン8にロー(low)信号を発生する。この信号は抵抗1516を通過する。この抵抗1516は、第2高速応答スイッチ1420のターンオン特性を減衰させ、第2高速応答スイッチが閉じたときの電圧スパイクおよび放射電気干渉の発生を抑制する。MORFET1522のゲートは抵抗1516に並列のダイオード1518を通して放電する。第2高速応答スイッチ1420は、パルスが発生される時を除き、通常は「オン」または「閉」である。これに反して、第1高速応答スイッチ1418は、通常は「オフ」または「開」である。このように、例示的な実施形態では、Cを通るマイクロプロセッサからの信号がロー(low)のとき、スイッチ1418はオフ、スイッチ1420はオンであって、LEDデバイス1414は発光しない。Cを通るマイクロプロセッサからの信号がハイ(high)になると、両方のスイッチ1418、1420は瞬間的に開またはオフになる。Cにおける出力がハイ(high)を維持すると、スイッチ1418はオン(閉)に切り替わり、スイッチ1420は開またはオフ状態を維持し、LEDデバイスが発光する。マイクロプロセッサからの信号がロー(low)になると、両方のスイッチ1418、1420は再度、瞬間的に開またはオフになる。次に、スイッチ1420はオンまたは閉に切り替わり、LEDデバイスはグラウンドに放電する。当業者であれば、信号の極性、スイッチの状態、およびLEDデバイスを流れる電流の方向は、本発明の教示から逸脱することなく、逆にできることは認識されるであろう。
【0071】
第1高速応答スイッチ1418および第2高速応答スイッチ1420の両方は、例えばインターナショナル・レクティファイヤ社(International Rectifier)から市販されているIRFZ44N MOSFETなどのパワーMOSFET1520、1522から構成され、MOSFET1520、1522のそれぞれのゲートに対する電圧クランプとして、各パワーMOSFETのゲートとソースの両端に接続されたゼナーダイオード1524、1526を有する。第1高速応答スイッチ1418のMOSFET1520のドレインは、上述のとおり、第2スイッチ回路1406に接続される。キャパシタバンクが充電され、第2スイッチ回路1406が閉じられると、ゲートドライバ1496からMOSFET1520のゲートへの信号により、MOSFET1520は電力をMOSFETのソースからLEDデバイス1414を通してグラウンドに導く。MOSFETのソースはまた、ゲートドライバ1496のハイ(high)側のMOSFETソース接続ピン4に接続される。ブートストラップキャパシタ1528は、ゲートドライバ1496のソース接続ピン4をブートストラップレールピン2に接続する。コンピュータCからの信号が終了すると、ゲートドライバ1496は第1に高速応答スイッチ1418を開き、極めて短い時間(ゲートドライバ1496により制御適合される、ナノ秒のオーダー)第2高速応答スイッチ1420を開に維持し、これにより、キャパシタバンクからシステムグラウンドへの短絡回路形成を防止する。次に、ゲートドライバ1496は第2高速応答スイッチ1420のMOSFET1522のゲートに信号を送り、MOSFET1522をシステムグラウンドに導通させる。LEDデバイス1414を発光させる電力は、LEDデバイスからグラウンドに導かれる。これにより、明確な前縁および後縁を有する、急峻な正確に制御された矩形波電圧をLEDデバイスに生成し、この結果、LEDデバイスにより発生する照射の継続時間および大きさは、均一になる。
【0072】
好ましくは、各制御回路1400は、単一種類または出力周波数のLEDデバイスまたは複数のLEDデバイスを制御する。LEDデバイスは、所望の用途に適するように、赤、緑または赤外光または全スペクトルの白色光などの、可視または不可視のスペクトル領域の照射を生成する。好ましくは、2つのLEDデバイスを並列に接続して、コスト、サイズおよび駆動回路の複雑性を低減してもよい。さらに、LEDデバイスの一方の故障が特定の制御回路を完全に無効にしない。
【0073】
図16は機能フロー図を示し、上部、下部およびユーザ監視パルスLED光源により生成される光パルスと、カメラシャッターおよびゲート設定とを同期化する方法を表している。図16に示されるとおり、コード化モータシステム1350は、光セルの回転位置に対応する1つまたは複数の出力信号1355を発生する。出力信号1355は、同期化およびタイミングコントローラ1360への入力として受け取られる。同期化およびタイミングコントローラ1360はまた、デバイスコントローラから制御信号1365を受け取るように構成されている。制御信号1365および出力信号1355は、同期化およびタイミングコントローラ1360によって処理され、上部パルスLED光源、下部パルスLED光源およびCCDカメラに送られる、複数のトリガ信号1370の基準として役立つ。場合によって、1つまたは複数のトリガ信号を用いて、密度勾配遠心分離チャンバの照射を調節することにより、ユーザは処理中に密度勾配遠心分離状態を目視で検査可能になる。本発明のこの態様の利点は、光パルスおよびカメラ設定のタイミングおよび同期化が、同期化およびタイミングコントローラ1360により、デバイスコントローラの処理時間などの、他のシステムリソースを費やすことなく実行されることである。
【0074】
本発明においてLED光源を使用することは有益である。この理由は、LED光源は小型軽量であり、多くの従来の非LED光源に比較して相対的に低消費電力である点にある。LED光源はまた、長い動作寿命、高効率および均一光強度であって、発生熱がほとんどない。さらに、LED光源は、パルス幅および起動時間などの正確に選択可能な時間特性を有する、個別パルスを生成するパルス作動が可能である。パルスLED光源はまた、ほぼ均一な強度および波長分布を有するパルスを生成できる。LEDを使用することはまた、上部および/または下部照射ビームの波長分布の優れた制御を可能にする理由から、好ましい。本発明はさまざまな実施形態を含み、これらの実施形態では、上部および/または下部照射ビームの波長分布は、例えば、赤、緑および白色光LEDなどの異なる色を有するLED出力を混合し、異なる色または波長の照射継続時間を個別に制御することにより、選択的に調節可能である。これらの実施形態においては、上部および/または下部照射ビームの波長分布を、ショット毎に個別に選択して、光学的に識別可能な成分および/または抽出ポートを通過する抽出された血液成分の組成間の相境界の位置の測定などの、所望の光学測定を最適にできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液成分を分離し、および中心回転軸回りに回転する分離チャンバを有する、密度勾配遠心分離血液処理システム用の監視システムであって、
前記監視システムは、
前記密度勾配遠心分離血液処理システムと光結合する第1光源を備え、前記第1光源は前記密度勾配遠心分離血液処理システムの観察領域を照射する入射光ビームを生成することにより、前記観察領域から透過、散乱またはこの両方がなされる光を生成し、
前記光源は、
中心照射軸回りに間隔を空けた複数の反射面と、
複数の発光ダイオードと、
を備え、少なくとも1つの発光ダイオードは、前記反射面の少なくとも1つから半径方向外側に、前記中心照射軸から間隔を空けることにより、前記ダイオードからの光は前記反射面から前記中心軸にほぼ沿って反射し、
さらに、前記監視システムは、
前記観察領域から透過、散乱またはこの両方がなされる前記光の少なくとも一部を集光するための、前記密度勾配遠心分離血液処理システムと光結合する集光素子を備える、監視システム。
【請求項2】
前記光源は少なくとも3つの反射面をさらに備え、
各反射面はほぼ三角形であり、前記反射面は前記中心照射軸近傍の共通頂点で交わり、
少なくとも1つの発光ダイオードが各反射面から半径方向外側に間隔を空けており、
前記ダイオードは前記中心照射軸から半径方向のほぼ等距離にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記光源は、少なくとも6つの反射面と少なくとも6つの発光ダイオードとを備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記反射面はほぼ三角形の周辺を有する放物状部分であり、
前記発光ダイオードの少なくとも1つは、前記放物状部分のそれぞれの焦点近くに配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記分離チャンバの回転に同期して、選択された期間前記ダイオードを発光させるコントローラをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記コントローラは前記ダイオードを発光させるパルスを生成し、
前記パルスは可変継続時間および振幅を有し、前記ダイオードから均一な光強度出力を発生する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記継続時間は、前記分離チャンバの前記観察領域のストロボ画像を生成するために変えられる、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記コントローラはデジタルコントローラである、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記コントローラは、前記ダイオードの少なくとも1つと電気結合している電力キャパシタと、電源と電気結合している充電制御回路とを備え、
前記充電制御回路は前記電力キャパシタの充電速度を制御する、請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
前記コントローラは、直列接続された1対のスイッチを備え、
少なくとも1つの発光ダイオードが前記スイッチ間に接続されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項11】
前記対のスイッチの内の第2スイッチが開のときに、前記対のスイッチの第1スイッチを閉じ、前記第1スイッチが開のときに、前記第2スイッチを閉じる回路をさらに備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記発光ダイオードは、前記少なくとも1つのダイオードによる照射期間の終了時に、前記スイッチの少なくとも1つを通してグラウンドに接続される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
少なくとも1つの追加の光源をさらに備え、
前記追加の光源は、
発光プレートを有する少なくとも1つの発光ダイオードと、
前記発光ダイオードを囲む改良された放物状反射器と、
を備え、
前記放物状反射器は対称中心軸から半径方向外側に間隔を空けた壁面を有することにより、前記放物状反射器の半径方向の焦点が前記プレートの中心から半径方向外側に形成され、これにより全てのこのような焦点が前記プレートの円形焦点領域を形成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1光源は、前記集光素子から前記観察領域の反対側にあり、前記追加の光源は前記観察領域と同じ側で前記集光素子に近接している、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
血液成分を分離し、および中心回転軸回りに回転する分離チャンバを有する、密度勾配遠心分離血液処理システム用の監視システムであって、
前記監視システムは、
前記密度勾配遠心分離血液処理システムと光結合する光源を備え、前記光源は前記密度勾配遠心分離血液処理システムの観察領域を照射する入射光ビームを生成することにより、前記観察領域から透過、散乱またはこの両方がなされる光を生成し、
前記光源は、
少なくとも1つの発光ダイオードと、
前記分離チャンバの回転と同期して選択された期間前記ダイオードを発光させるコントローラと、
を備え、
さらに、前記監視システムは、
前記観察領域から透過、散乱またはこの両方がなされる前記光の少なくとも一部を集光するための、前記密度勾配遠心分離血液処理システムと光結合する集光素子を備える、監視システム。
【請求項16】
前記コントローラは前記ダイオードを発光させるパルスを生成し、
前記パルスは可変継続時間および振幅を有し、前記ダイオードから均一な光強度出力を発生する、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記継続時間は、前記分離チャンバの前記観察領域のストロボ画像を生成するために変えられる、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記コントローラはデジタルコントローラである、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記コントローラは、前記ダイオードの少なくとも1つと電気結合している電力キャパシタと、電源と電気結合している充電制御回路とを備え、
前記充電制御回路は前記電力キャパシタの充電速度を制御する、請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記コントローラは、直列接続された1対のスイッチを備え、
少なくとも1つの発光ダイオードが前記スイッチ間に接続されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項21】
前記対のスイッチの内の第2スイッチが開のときに、前記対のスイッチの第1スイッチを閉じ、前記第1スイッチが開のときに、前記第2スイッチを閉じる回路をさらに備える、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記発光ダイオードは、前記少なくとも1つのダイオードによる照射期間の終了時に、前記スイッチの少なくとも1つを通してグラウンドに接続される、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
ストロボ装置であって、
観察領域を照射する入射光ビームを生成する光源を備え、
前記光源は、
中心照射軸回りに間隔を空けた複数の反射面と、
複数の発光ダイオードと、
を備え、少なくとも1つの発光ダイオードは、前記反射面の少なくとも1つから半径方向外側に、前記中心照射軸から間隔を空けることにより、前記ダイオードからの光は前記反射面から前記中心軸にほぼ沿って反射し、
さらに、前記ストロボ装置は、
選択された期間前記ダイオードを発光させるコントローラであって、前記コントローラは前記ダイオードを発光させるパルスを生成し、前記パルスは可変継続時間および振幅を有し、前記ダイオードから均一な光強度出力を発生する、コントローラと、
前記観察領域から透過、散乱またはこの両方がなされる前記光の少なくとも一部を集光するための集光素子と、
を備える、ストロボ装置。
【請求項24】
前記光源は少なくとも3つの反射面をさらに備え、
各反射面はほぼ三角形であり、前記反射面は前記中心照射軸近傍の共通頂点で交わり、
少なくとも1つの発光ダイオードが各反射面から半径方向外側に間隔を空けており、
前記ダイオードは前記中心照射軸から半径方向のほぼ等距離にある、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記光源は、少なくとも6つの反射面と少なくとも6つの発光ダイオードとを備える、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記反射面はほぼ三角形の周辺を有する放物状部分であり、
前記発光ダイオードの少なくとも1つは、前記放物状部分のそれぞれの焦点近くに配置されている、請求項23に記載の装置。
【請求項27】
前記コントローラはデジタルコントローラである、請求項23に記載の装置。
【請求項28】
前記コントローラは、前記ダイオードの少なくとも1つと電気結合している電力キャパシタと、電源と電気結合している充電制御回路とを備え、
前記充電制御回路は前記電力キャパシタの充電速度を制御する、請求項23に記載の装置。
【請求項29】
前記コントローラは、直列接続された1対のスイッチを備え、
少なくとも1つの発光ダイオードが前記スイッチ間に接続されている、請求項23に記載の装置。
【請求項30】
前記対のスイッチの内の第2スイッチが開のときに、前記対のスイッチの第1スイッチを閉じ、前記第1スイッチが開のときに、前記第2スイッチを閉じる回路をさらに備える、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記発光ダイオードは、前記少なくとも1つのダイオードによる照射期間の終了時に、前記スイッチの少なくとも1つを通してグラウンドに接続される、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
少なくとも1つの追加の光源をさらに備え、
前記追加の光源は、
発光プレートを有する少なくとも1つの発光ダイオードと、
前記発光ダイオードを囲む改良された放物状反射器と、
を備え、
前記放物状反射器は対称中心軸から半径方向外側に間隔を空けた壁面を有することにより、前記放物状反射器の半径方向の焦点が前記プレートの中心から半径方向外側に形成され、これにより全てのこのような焦点が前記プレートの円形焦点領域を形成する、請求項23に記載の装置。
【請求項33】
ストロボ装置であって、
観察領域を照射する入射光ビームを生成するための、少なくとも1つの発光ダイオード備える光源と、
選択された期間前記ダイオードを発光させるコントローラと、
を備え、
前記コントローラは前記ダイオードを発光させるパルスを生成し、
前記パルスは可変継続時間および振幅を有し、前記ダイオードから均一な光強度出力を発生し、
前記コントローラは、直列接続された1対のスイッチを備え、
前記少なくとも1つの発光ダイオードは前記スイッチ間に接続されている、ストロボ装置。
【請求項34】
前記対のスイッチの内の第2スイッチが開のときに、前記対のスイッチの第1スイッチを閉じ、前記第1スイッチが開のときに、前記第2スイッチを閉じる回路をさらに備える、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記発光ダイオードは、前記少なくとも1つのダイオードによる照射期間の終了時に、前記スイッチの少なくとも1つを通してグラウンドに接続される、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記発光ダイオードは、前記少なくとも1つのダイオードによる照射期間の終了時に、前記スイッチの少なくとも1つを通してグラウンドに接続される、請求項33に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−147792(P2011−147792A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−38180(P2011−38180)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【分割の表示】特願2007−549354(P2007−549354)の分割
【原出願日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(507114521)カリディアンビーシーティー、インコーポレーテッド (39)
【氏名又は名称原語表記】CaridianBCT, Inc.
【住所又は居所原語表記】10811 West Collins Avenue, Lakewood, Colorado 80215, U.S.A.
【Fターム(参考)】