血漿交換廃液浄化循環透析方法
【課題】血漿交換療法において、貴重な血漿を廃棄せずに透析液として再利用し、且つ、従来の血漿交換装置に若干の修飾を加えるのみで実施することが可能であり、循環動態の不安定な患者、小児等の体の小さい患者に対しても安全に施行可能であるような方法を提供すること。
【解決手段】分離された血漿の少なくとも一部を浄化した後、透析液として循環させて患者血液を透析し血漿中に含まれる有害物を除去することを特徴とする、血漿交換療法に使用する方法、及び、該方法を用いる血漿交換方法。
【解決手段】分離された血漿の少なくとも一部を浄化した後、透析液として循環させて患者血液を透析し血漿中に含まれる有害物を除去することを特徴とする、血漿交換療法に使用する方法、及び、該方法を用いる血漿交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者血液から分離された血漿の一部を浄化し、それを透析液として使用して血漿透析を行うことを特徴とする、血漿交換廃液浄化循環透析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
血漿交換療法(血漿分離交換法)は、患者血漿を正常者より得られた新鮮凍結血漿などで置き換える療法であり、異常抗体や免疫複合体、又は正常な因子であるが過剰に生産されることが原因となる疾患において、他の治療法が効果を奏さないか不十分なときに行われる。対象疾患としては急性肝不全、グッドパスチャー症候群に代表される抗糸球体基底膜抗体病、重筋無力症、ギラン・バレー症候群、壊死性血管炎、血栓性血小板減少性紫斑病、家族性コレステロール血症がある。
【0003】
このような血漿交換療法として、従来行われている代表的な方法として以下のものを挙げることが出来る。
【0004】
[単純血漿交換療法]
生体においては始めに血漿成分をすべて除去した後に新しい血漿を注入すること(正しい意味での「交換」)は生体の機能維持の点で不可能である。このため、ヘモフィルター(血液フィルター)あるいは血漿分離器における遠心力などにより血球と血漿を分離し、分離された患者血漿を廃棄しながら同時に新鮮凍結血漿を注入する方法である。しかし、この方法では患者血漿は常に体内で注入された新鮮血漿と撹拌された後に分離、廃棄されることになるため、ある一定量の血漿交換終了時の患者血漿の組成と廃棄された血漿の組成はほぼ同一であることが推察される。すなわち、「血漿交換療法」とは言うものの、実際は一定量の新鮮血漿で患者血漿を希釈し、余剰分を廃棄していることに他ならない。
【0005】
[二重濾過血漿交換療法]
単純血漿交換療法に比しより選択的に血漿蛋白を除去し、一部の血漿を返し、補充液としてアルブミン溶液を用いる方法であるが、分子量分画による分離のため、必要蛋白も除去される可能性がある。
【0006】
更に、血漿中の病因物質及び毒性物質を除去するための代表的な方法としては、以下の血漿吸着療法及びMARSを挙げることができる。
【0007】
[血漿吸着療法]
使用する吸着材の殆どが血液凝固、血小板減少、溶血の観点から血漿での灌流を必要とするため、血球と血漿を分離した後、分離された血漿を吸着剤と接触させることによって、血漿中に含まれている病因物質を選択的に除去する方法である。また病態(急性肝不全等)によっては単純血漿交換療法と併施する必要が生じる場合もあり、装置の複雑化、手技の煩雑化の観点からより簡便に他療法と組み合わせる方法が必要とされる。
【0008】
[Molecular Adsorbent Recycling System(MARS(登録商標))]
急性肝不全において透析液としてアルブミン溶液を用い、蛋白結合性の毒性物質のみを選択的に除去する目的に開発された装置である。現在ドイツ、フランスを中心に他施設無作為抽出試験が行われている。しかし、除去効率が透析膜に依存する部分が大きく(アルブミンは透過せず、アルブミンに結合した毒性物質のみを透過する)また、その概念に対しての異論もあり、新しい技術として確立されるには時間を要するものと考えられる。
【非特許文献1】Umehara, et al., LIVERAID TM-A Novel Hybrid Bioartificial Liver- Hepatology 2002, 36(4) suppl.:681A
【非特許文献2】Watanbe et al., Clinical experience with a bioartificial liver in the treatment of severe liver failure-A phase I clinical trial- Annals of Surgery 1997: 225(5):484-494
【非特許文献3】Stange, et al., Molecular Adsorbent Recycling System (MARS): Clinical results of a new membrane based blood purification system for bioartificial liver support, Artif Organs 1999: 23(4):319-330
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
現在日本においては、新鮮凍結血漿はすべてボランティアからの献血によりまかなわれており、従って、血漿交換療法においても、このような貴重な生体由来の資源をさらに有効に活用する方法が求められている。
【0010】
そこで、本発明者は、このような従来技術における問題点上記課題を解決することを目的として研究を重ねた結果、血漿交換廃液を二次的な治療法に応用すること、より具体的には、血漿交換廃液を浄化し透析液として用いる方法を見出し、本発明を完成した。
【課題を解決するための手段】
【0011】
即ち、本発明は、分離された血漿(Separated plasma:血漿交換廃液)の少なくとも一部を浄化した後、透析液として循環させて患者血液を透析し血漿中に含まれる有害物を除去することを特徴とする、血漿交換廃液浄化循環透析装置に係る。既に記載したように、血漿交換療法の代表的な例としては、単純血漿交換療法及び二重濾過血漿交換療法を挙げることが出来るが、本発明装置はこれら方法に限定されず、広く血漿交換療法一般に使用することが出来るものである。
【0012】
上記の本発明装置の一具体例では、浄化装置及び透析器が構成要素として含まれる。この透析器における循環される分離血漿による患者血液の透析は、当業者に公知の任意の手段・方法で行うことが出来る。かかる透析器(透析装置)は、血漿交換に使用する血漿分離器(プラズマセパレーター:Plasmaseparator)又はヘモフィルターのような血漿分離装置とは別に設けることも出来るし、或いは、より簡便には、このような血漿分離装置を透析器としても機能させることも可能である。
【0013】
浄化装置(バイオリアクター)において、分離された血漿の浄化は当業者に公知の任意の手段・方法で行うことが出来る。このような装置において、分離された血漿中の各種有害物質(病因物質、毒性物質)が血漿中から除去される。例えば、浄化装置が吸着分離装置から構成されるような場合には、該装置に装備された、各種イオン交換樹脂、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、スチレン等から合成された各種多孔性共重合体、活性炭、及び、アルミナなどの任意の吸着剤の作用によって、血漿蛋白質に吸着していた各種有害物質が吸着剤に吸着することによって血漿中から除去される。
【0014】
更に、本発明装置の好適例では、分離された血漿が透析液のリザーバーとして機能するような構成とすることが出来る。本発明装置には、その他、ポンプ、ライン、三方活栓等の当業者に公知の要素を含むことが出来る。本発明装置の一具体例として、図1に示される、ヘモフィルター、浄化装置、三方活栓A、ポンプ4、ライン4、ライン5から構成される装置を挙げることが出来る。
【0015】
本発明の血漿交換廃液浄化循環透析装置は、当該技術分野で使用されている任意のタイプの血漿交換装置に簡単に付加して、一部として使用することが出来る。従って、本発明は、本発明の血漿交換廃液浄化循環透析装置が組み込まれた、血漿交換装置にも係る。
【0016】
現在、急性肝不全に対する治療または肝移植までの橋渡しとして肝細胞または肝組織を用いた人工肝臓の開発が進められている。このうち多くのものは血漿を分離し酸素化、バイオリアクターに誘導した後に血球成分と混和し患者体内に戻すシステムを採用している。急性肝不全患者血漿中には用いられた肝細胞または肝組織の機能を低下させる成分が含まれていることが報告されており、バイオリアクターを用いた治療の前に血漿交換療法により有害物質の濃度を下げ、その後に細胞または組織を用いた治療を行うことは非常に有効であると考えられる。
【0017】
従って、本発明は以上の本発明の血漿交換廃液浄化循環透析装置を備えた人工肝臓(ハイブリッド型を含む)にも係るものである。このような人工肝臓は、上記の人工肝臓開発において、種々のタイプのバイオリアクターのプラットフォームとなり得るものと考えられる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の装置を使用することにより、貴重な血漿を廃棄せずに透析液として再利用することにより、血漿中に含まれる有害物を効率的に除去することができる。更に、本発明装置は従来の血漿交換装置に若干の修飾を加えるのみで実施することが可能であるので、単純血漿交換療法終了後に直ちに血漿吸着療法等の他の療法に移行することができる。また、血液浄化療法施行時には装置のプライミングボリュームがしばしば問題になるが、この装置では血漿交換廃液をリザーバー、プライミング液として用いることができるため、循環動態の不安定な患者、小児等の体の小さい患者に対しても安全に施行可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図1に則して、本発明の一具体例を説明する。各番号は図1中に示した番号と一致する。尚、当業者であれば、当該技術分野における技術常識及び本明細書の記載に基づき、本発明の技術的特徴を有するその他の各種態様を容易に想到することが可能であり、それらの各種態様も本発明の技術的範囲に属することは明白である。
【0020】
はじめに患者血液はライン1よりポンプ1を用いてヘモフィルター(透析器としても機能する)に導入される(100 ml/min)。ポンプ2により血漿が分離され、この血漿交換廃液が廃液バックへ送られる(5-10 ml/min)。同時に患者にはライン3より新鮮凍結血漿(Fresh frozen plasma: FFP)をポンプ3を用い同速で注入する。この間はポンプ4は停止している。ライン4、5は三方活栓Aにより閉鎖されている。定められた量の血漿交換が終了後、ポンプ2、3を停止、三方活栓Aでライン4、5を開放した後ポンプ4用い廃液バック中の血漿交換廃液を定められた量ライン5より廃棄する(たとえば2リットルの血漿交換をした場合、1リットルを廃棄し、残りの1リットルを廃液バック中に残す(ライン4および浄化装置の血漿交換廃液によるプライミング)。三方活栓Aにてライン5を閉鎖する。ポンプ2および4を同速度で回転(例えば400 ml/min)し、血漿交換廃液の浄化および血漿透析を行う。
【0021】
上記装置に使用される、血漿分離装置(ヘモフィルター、又はプラズマセパレーター)、ポンプ、ライン等の各構成要素は当業者に公知の任意のものを使用することが出来る。また当業者であれば本明細書の記載に基づいて図1に示された装置を容易に使用することができる。
【実施例】
【0022】
次に、実際にブタ高ビリルビン血漿モデルを用いた動物実験により、本発明の装置を用いる血漿交換及び血漿交換廃液浄化循環透析の具体例を示す。尚、以下の実施例は本発明の技術的範囲を何等限定するものではない。
【0023】
方法:
[実験動物]
雌性肥育ブタ(体重25〜30 kg)を金属飼育ケージにて飼育し実験に用いた。飼育動物は日照8〜20 時、恒温恒湿(22+2℃、55+10%)とし、水道水を自由摂取とした。実験はすべて「弘前大学動物実験に関する指針」に従って行われた。すべての手術および体外循環は以下の方法による全身麻酔下に行われた。実験動物は前日夜より絶食、水のみ自由摂取とし、麻酔の導入はケタミン(15 mg/kg)及びアトロピン(0.01 mg/kg)の筋肉内注射により行われた。入眠後耳介静脈より血管確保し、チオペンタールナトリウム100mg を投与後気管内挿管を行った。麻酔の維持はベンチレーターによる人工呼吸下にミダゾラム(0.3 mg/kg/h)、ペンタゾシン(0.3mg/kg/h)、パンクロニウムブロミド(0.04 mg/kg/h)にて行った。
【0024】
[ブタ高ビリルビン血漿モデル]
全身麻酔下に上腹部正中で開腹し、胆嚢摘出、総胆管結紮切離により作製した。術後は飼育ケージにて経過観察を行った。7日後再度全身麻酔を行い、右内頸静脈に体外循環用ダブルルーメンカテーテル(GamCath, Gambro, Stockholm)、右大腿動脈に血圧測定および採血用カテーテルを挿入した。
【0025】
[血漿交換(Plasma Exchange, PE)]
血漿交換および血漿交換排液浄化循環透析には血液濾過装置(Plasma separator: ACH-07S, Asahi Medical, Tokyo)を用いた。抗凝固剤はヘパリンナトリウムを体外循環開始前に6000 単位静注、開始後は2000 単位/時間で投与した。血流量は100 ml/分とし、血漿交換は膜型血漿分離器(OP-05W, Asahi Medical, Tokyo)を用い補充液にブタ新鮮凍結血漿を用いて体重(kg) x 1/13 x (1- Ht/100)で算出された量(リットル)を2時間で施行した(10-14ml/分) (図2)。
【0026】
[浄化装置の血漿交換排液によるプライミング]
血漿交換終了後、濾過ポンプを停止し三方活栓を用いて流路変更を行った。その後補充液ポンプを用い血漿交換排液 (50 ml/分, 300 ml)による浄化装置のプライミングを行った(図3)。
【0027】
[血漿交換排液浄化循環透析 (Plasma Recycling Dialysis, PRD)]
プライミング終了後、三方活栓を用いて流路変更を行い、PE 時に血漿分離に用いていたプラズマセパレーターを透析器として用いることによるPRD を6 時間施行した(図4)。浄化装置にはアニオン交換樹脂 (Plasorba BRS- 350, Asahi Medical, Tokyo)を用いた。血流量は100 ml/分とし、血流に対向で血漿交換排液を50 ml/分で中空糸外腔を循環させた。終了後体外循環を停止し返血を施行した。
【0028】
測定項目:
大腿動脈に挿入されたカテーテルより動脈圧測定を持続的に行った。採血はPE前、PE開始0.5、1、2 時間後、PRD 開始2、4、6(PRD 終了時)、8 時間後に行い、血液検査、総蛋白、アルブミン、ナトリウム、クロール、カリウム、尿素窒素、総胆汁酸、総ビリルビン、クレアチニン、LDH, AST, ALT について測定した (n=4)。また血漿交換排液をPE 開始0.5、1、2 時間後に採取し、総胆汁酸、総ビリルビン濃度の測定を行った(n=4)。
【0029】
結果:
PE開始0.5、1、2 時間後の血漿中および血漿交換排液中の総胆汁酸(TBA)値、及び総ビリルビン(T-Bil)値の比較では、血漿中と血漿交換排液中の値がほぼ同一であることが実験的に確認された(図5、図6)。循環動態は体外循環終了時まで安定しており、PE からPRD への移行前後で血圧(収縮期圧)変化を認めなかった(図7)。PE及びPRD を通して溶血は認めなかった。血液検査では白血球数、赤血球数、ヘモグロビン値、ヘマトクリット値に血漿交換終了後軽度の上昇を認めた(図8〜図11)。血小板数はPE で低下を認めたがPRD 移行後は安定していた(図12)。生化学検査では総胆汁酸値、総ビリルビン値がPE からPRD 移行後も持続的に低下した(図13、図14)。その他の値についてはPE からPRD を通して大きな変化を認めなかった(表1)。
【0030】
【表1】
【0031】
考察:
今回の検討でPE+PRD の安全性が示され、またPE から短時間でPRD に移行可能であることが示された。本発明装置を用いた本法は血漿交換排液をリザーバーとし血漿透析を介して浄化装置の機能を付加する方法であるが、血漿中の有害物である総胆汁酸及び総ビリルビン値の推移から十分な除去効率が得られることが確認された。今回の検討では浄化装置にアニオン交換樹脂のみを用いたが、本発明においては浄化装置のスケールアップは容易であり、種々の吸着剤や血液透析(Hemodialysis)を組み合わせて施行することや治療途中で浄化装置を交換することも可能であると考えられた。PE から低侵襲かつ速やかに二次的治療に移行を可能にするものであり人工肝臓サポート(artificial liver support)として有用であると考えられた。
【産業上の利用可能性】
【0032】
国内における急性肝不全の治療においては血漿交換療法は依然として重要な位置を占めている。同治療は歴史が長く、安全性が高く、比較的躊躇せずに施行される治療法の一つであろうと考えられ、実際に多くの施設において施行されている。本発明装置は、この血漿交換療法において軽微に修飾する形でバイオリアクターを付加することによって簡便に構成することができ、血漿交換に習熟した医師にとっては非常に導入しやすいシステムとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明装置の一具体例を示す。
【図2】実施例における血漿交換時の回路を示す。
【図3】実施例における浄化装置の血漿交換排液によるプライミング時の回路を示す。
【図4】実施例における血漿交換排液浄化循環透析時の回路を示す。
【図5】PE開始0.5、1、2 時間後の血漿中および血漿交換排液中の総胆汁酸(TBA)値の変化を示すグラフである。PE前の血漿中の値を100として以後の値を%で表示した。
【図6】PE開始0.5、1、2 時間後の血漿中および血漿交換排液中の総ビリルビン(T-Bil)値の変化を示すグラフである。PE前の血漿中の値を100として以後の値を%で表示した。
【図7】PE からPRD への移行前後で血圧(収縮期圧:Systolic pressure)の推移を示すグラフである。
【図8】PE及びPRD を通しての白血球(WBC)数の推移を示すグラフである。
【図9】PE及びPRD を通しての赤血球(RBC)数の推移を示すグラフである。
【図10】PE及びPRD を通してのヘモグロビン(Hb)値の推移を示すグラフである。
【図11】PE及びPRD を通してのヘマトクリット(Ht)値の推移を示すグラフである。
【図12】PE及びPRD を通しての血小板(Platelet)数の推移を示すグラフである。
【図13】PE及びPRD を通しての総胆汁酸(TBA)値の推移を示すグラフである。
【図14】PE及びPRD を通しての総ビリルビン(T-Bil)値の推移を示すグラフである。
【符号の説明】
【0034】
1:ポンプ、ライン
2:ポンプ、ライン
3:ポンプ、ライン
4:ポンプ、ライン
5:ライン
6:血漿分離器(Plasmaseparator)
7:浄化装置(アニオン交換樹脂)
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者血液から分離された血漿の一部を浄化し、それを透析液として使用して血漿透析を行うことを特徴とする、血漿交換廃液浄化循環透析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
血漿交換療法(血漿分離交換法)は、患者血漿を正常者より得られた新鮮凍結血漿などで置き換える療法であり、異常抗体や免疫複合体、又は正常な因子であるが過剰に生産されることが原因となる疾患において、他の治療法が効果を奏さないか不十分なときに行われる。対象疾患としては急性肝不全、グッドパスチャー症候群に代表される抗糸球体基底膜抗体病、重筋無力症、ギラン・バレー症候群、壊死性血管炎、血栓性血小板減少性紫斑病、家族性コレステロール血症がある。
【0003】
このような血漿交換療法として、従来行われている代表的な方法として以下のものを挙げることが出来る。
【0004】
[単純血漿交換療法]
生体においては始めに血漿成分をすべて除去した後に新しい血漿を注入すること(正しい意味での「交換」)は生体の機能維持の点で不可能である。このため、ヘモフィルター(血液フィルター)あるいは血漿分離器における遠心力などにより血球と血漿を分離し、分離された患者血漿を廃棄しながら同時に新鮮凍結血漿を注入する方法である。しかし、この方法では患者血漿は常に体内で注入された新鮮血漿と撹拌された後に分離、廃棄されることになるため、ある一定量の血漿交換終了時の患者血漿の組成と廃棄された血漿の組成はほぼ同一であることが推察される。すなわち、「血漿交換療法」とは言うものの、実際は一定量の新鮮血漿で患者血漿を希釈し、余剰分を廃棄していることに他ならない。
【0005】
[二重濾過血漿交換療法]
単純血漿交換療法に比しより選択的に血漿蛋白を除去し、一部の血漿を返し、補充液としてアルブミン溶液を用いる方法であるが、分子量分画による分離のため、必要蛋白も除去される可能性がある。
【0006】
更に、血漿中の病因物質及び毒性物質を除去するための代表的な方法としては、以下の血漿吸着療法及びMARSを挙げることができる。
【0007】
[血漿吸着療法]
使用する吸着材の殆どが血液凝固、血小板減少、溶血の観点から血漿での灌流を必要とするため、血球と血漿を分離した後、分離された血漿を吸着剤と接触させることによって、血漿中に含まれている病因物質を選択的に除去する方法である。また病態(急性肝不全等)によっては単純血漿交換療法と併施する必要が生じる場合もあり、装置の複雑化、手技の煩雑化の観点からより簡便に他療法と組み合わせる方法が必要とされる。
【0008】
[Molecular Adsorbent Recycling System(MARS(登録商標))]
急性肝不全において透析液としてアルブミン溶液を用い、蛋白結合性の毒性物質のみを選択的に除去する目的に開発された装置である。現在ドイツ、フランスを中心に他施設無作為抽出試験が行われている。しかし、除去効率が透析膜に依存する部分が大きく(アルブミンは透過せず、アルブミンに結合した毒性物質のみを透過する)また、その概念に対しての異論もあり、新しい技術として確立されるには時間を要するものと考えられる。
【非特許文献1】Umehara, et al., LIVERAID TM-A Novel Hybrid Bioartificial Liver- Hepatology 2002, 36(4) suppl.:681A
【非特許文献2】Watanbe et al., Clinical experience with a bioartificial liver in the treatment of severe liver failure-A phase I clinical trial- Annals of Surgery 1997: 225(5):484-494
【非特許文献3】Stange, et al., Molecular Adsorbent Recycling System (MARS): Clinical results of a new membrane based blood purification system for bioartificial liver support, Artif Organs 1999: 23(4):319-330
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
現在日本においては、新鮮凍結血漿はすべてボランティアからの献血によりまかなわれており、従って、血漿交換療法においても、このような貴重な生体由来の資源をさらに有効に活用する方法が求められている。
【0010】
そこで、本発明者は、このような従来技術における問題点上記課題を解決することを目的として研究を重ねた結果、血漿交換廃液を二次的な治療法に応用すること、より具体的には、血漿交換廃液を浄化し透析液として用いる方法を見出し、本発明を完成した。
【課題を解決するための手段】
【0011】
即ち、本発明は、分離された血漿(Separated plasma:血漿交換廃液)の少なくとも一部を浄化した後、透析液として循環させて患者血液を透析し血漿中に含まれる有害物を除去することを特徴とする、血漿交換廃液浄化循環透析装置に係る。既に記載したように、血漿交換療法の代表的な例としては、単純血漿交換療法及び二重濾過血漿交換療法を挙げることが出来るが、本発明装置はこれら方法に限定されず、広く血漿交換療法一般に使用することが出来るものである。
【0012】
上記の本発明装置の一具体例では、浄化装置及び透析器が構成要素として含まれる。この透析器における循環される分離血漿による患者血液の透析は、当業者に公知の任意の手段・方法で行うことが出来る。かかる透析器(透析装置)は、血漿交換に使用する血漿分離器(プラズマセパレーター:Plasmaseparator)又はヘモフィルターのような血漿分離装置とは別に設けることも出来るし、或いは、より簡便には、このような血漿分離装置を透析器としても機能させることも可能である。
【0013】
浄化装置(バイオリアクター)において、分離された血漿の浄化は当業者に公知の任意の手段・方法で行うことが出来る。このような装置において、分離された血漿中の各種有害物質(病因物質、毒性物質)が血漿中から除去される。例えば、浄化装置が吸着分離装置から構成されるような場合には、該装置に装備された、各種イオン交換樹脂、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、スチレン等から合成された各種多孔性共重合体、活性炭、及び、アルミナなどの任意の吸着剤の作用によって、血漿蛋白質に吸着していた各種有害物質が吸着剤に吸着することによって血漿中から除去される。
【0014】
更に、本発明装置の好適例では、分離された血漿が透析液のリザーバーとして機能するような構成とすることが出来る。本発明装置には、その他、ポンプ、ライン、三方活栓等の当業者に公知の要素を含むことが出来る。本発明装置の一具体例として、図1に示される、ヘモフィルター、浄化装置、三方活栓A、ポンプ4、ライン4、ライン5から構成される装置を挙げることが出来る。
【0015】
本発明の血漿交換廃液浄化循環透析装置は、当該技術分野で使用されている任意のタイプの血漿交換装置に簡単に付加して、一部として使用することが出来る。従って、本発明は、本発明の血漿交換廃液浄化循環透析装置が組み込まれた、血漿交換装置にも係る。
【0016】
現在、急性肝不全に対する治療または肝移植までの橋渡しとして肝細胞または肝組織を用いた人工肝臓の開発が進められている。このうち多くのものは血漿を分離し酸素化、バイオリアクターに誘導した後に血球成分と混和し患者体内に戻すシステムを採用している。急性肝不全患者血漿中には用いられた肝細胞または肝組織の機能を低下させる成分が含まれていることが報告されており、バイオリアクターを用いた治療の前に血漿交換療法により有害物質の濃度を下げ、その後に細胞または組織を用いた治療を行うことは非常に有効であると考えられる。
【0017】
従って、本発明は以上の本発明の血漿交換廃液浄化循環透析装置を備えた人工肝臓(ハイブリッド型を含む)にも係るものである。このような人工肝臓は、上記の人工肝臓開発において、種々のタイプのバイオリアクターのプラットフォームとなり得るものと考えられる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の装置を使用することにより、貴重な血漿を廃棄せずに透析液として再利用することにより、血漿中に含まれる有害物を効率的に除去することができる。更に、本発明装置は従来の血漿交換装置に若干の修飾を加えるのみで実施することが可能であるので、単純血漿交換療法終了後に直ちに血漿吸着療法等の他の療法に移行することができる。また、血液浄化療法施行時には装置のプライミングボリュームがしばしば問題になるが、この装置では血漿交換廃液をリザーバー、プライミング液として用いることができるため、循環動態の不安定な患者、小児等の体の小さい患者に対しても安全に施行可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図1に則して、本発明の一具体例を説明する。各番号は図1中に示した番号と一致する。尚、当業者であれば、当該技術分野における技術常識及び本明細書の記載に基づき、本発明の技術的特徴を有するその他の各種態様を容易に想到することが可能であり、それらの各種態様も本発明の技術的範囲に属することは明白である。
【0020】
はじめに患者血液はライン1よりポンプ1を用いてヘモフィルター(透析器としても機能する)に導入される(100 ml/min)。ポンプ2により血漿が分離され、この血漿交換廃液が廃液バックへ送られる(5-10 ml/min)。同時に患者にはライン3より新鮮凍結血漿(Fresh frozen plasma: FFP)をポンプ3を用い同速で注入する。この間はポンプ4は停止している。ライン4、5は三方活栓Aにより閉鎖されている。定められた量の血漿交換が終了後、ポンプ2、3を停止、三方活栓Aでライン4、5を開放した後ポンプ4用い廃液バック中の血漿交換廃液を定められた量ライン5より廃棄する(たとえば2リットルの血漿交換をした場合、1リットルを廃棄し、残りの1リットルを廃液バック中に残す(ライン4および浄化装置の血漿交換廃液によるプライミング)。三方活栓Aにてライン5を閉鎖する。ポンプ2および4を同速度で回転(例えば400 ml/min)し、血漿交換廃液の浄化および血漿透析を行う。
【0021】
上記装置に使用される、血漿分離装置(ヘモフィルター、又はプラズマセパレーター)、ポンプ、ライン等の各構成要素は当業者に公知の任意のものを使用することが出来る。また当業者であれば本明細書の記載に基づいて図1に示された装置を容易に使用することができる。
【実施例】
【0022】
次に、実際にブタ高ビリルビン血漿モデルを用いた動物実験により、本発明の装置を用いる血漿交換及び血漿交換廃液浄化循環透析の具体例を示す。尚、以下の実施例は本発明の技術的範囲を何等限定するものではない。
【0023】
方法:
[実験動物]
雌性肥育ブタ(体重25〜30 kg)を金属飼育ケージにて飼育し実験に用いた。飼育動物は日照8〜20 時、恒温恒湿(22+2℃、55+10%)とし、水道水を自由摂取とした。実験はすべて「弘前大学動物実験に関する指針」に従って行われた。すべての手術および体外循環は以下の方法による全身麻酔下に行われた。実験動物は前日夜より絶食、水のみ自由摂取とし、麻酔の導入はケタミン(15 mg/kg)及びアトロピン(0.01 mg/kg)の筋肉内注射により行われた。入眠後耳介静脈より血管確保し、チオペンタールナトリウム100mg を投与後気管内挿管を行った。麻酔の維持はベンチレーターによる人工呼吸下にミダゾラム(0.3 mg/kg/h)、ペンタゾシン(0.3mg/kg/h)、パンクロニウムブロミド(0.04 mg/kg/h)にて行った。
【0024】
[ブタ高ビリルビン血漿モデル]
全身麻酔下に上腹部正中で開腹し、胆嚢摘出、総胆管結紮切離により作製した。術後は飼育ケージにて経過観察を行った。7日後再度全身麻酔を行い、右内頸静脈に体外循環用ダブルルーメンカテーテル(GamCath, Gambro, Stockholm)、右大腿動脈に血圧測定および採血用カテーテルを挿入した。
【0025】
[血漿交換(Plasma Exchange, PE)]
血漿交換および血漿交換排液浄化循環透析には血液濾過装置(Plasma separator: ACH-07S, Asahi Medical, Tokyo)を用いた。抗凝固剤はヘパリンナトリウムを体外循環開始前に6000 単位静注、開始後は2000 単位/時間で投与した。血流量は100 ml/分とし、血漿交換は膜型血漿分離器(OP-05W, Asahi Medical, Tokyo)を用い補充液にブタ新鮮凍結血漿を用いて体重(kg) x 1/13 x (1- Ht/100)で算出された量(リットル)を2時間で施行した(10-14ml/分) (図2)。
【0026】
[浄化装置の血漿交換排液によるプライミング]
血漿交換終了後、濾過ポンプを停止し三方活栓を用いて流路変更を行った。その後補充液ポンプを用い血漿交換排液 (50 ml/分, 300 ml)による浄化装置のプライミングを行った(図3)。
【0027】
[血漿交換排液浄化循環透析 (Plasma Recycling Dialysis, PRD)]
プライミング終了後、三方活栓を用いて流路変更を行い、PE 時に血漿分離に用いていたプラズマセパレーターを透析器として用いることによるPRD を6 時間施行した(図4)。浄化装置にはアニオン交換樹脂 (Plasorba BRS- 350, Asahi Medical, Tokyo)を用いた。血流量は100 ml/分とし、血流に対向で血漿交換排液を50 ml/分で中空糸外腔を循環させた。終了後体外循環を停止し返血を施行した。
【0028】
測定項目:
大腿動脈に挿入されたカテーテルより動脈圧測定を持続的に行った。採血はPE前、PE開始0.5、1、2 時間後、PRD 開始2、4、6(PRD 終了時)、8 時間後に行い、血液検査、総蛋白、アルブミン、ナトリウム、クロール、カリウム、尿素窒素、総胆汁酸、総ビリルビン、クレアチニン、LDH, AST, ALT について測定した (n=4)。また血漿交換排液をPE 開始0.5、1、2 時間後に採取し、総胆汁酸、総ビリルビン濃度の測定を行った(n=4)。
【0029】
結果:
PE開始0.5、1、2 時間後の血漿中および血漿交換排液中の総胆汁酸(TBA)値、及び総ビリルビン(T-Bil)値の比較では、血漿中と血漿交換排液中の値がほぼ同一であることが実験的に確認された(図5、図6)。循環動態は体外循環終了時まで安定しており、PE からPRD への移行前後で血圧(収縮期圧)変化を認めなかった(図7)。PE及びPRD を通して溶血は認めなかった。血液検査では白血球数、赤血球数、ヘモグロビン値、ヘマトクリット値に血漿交換終了後軽度の上昇を認めた(図8〜図11)。血小板数はPE で低下を認めたがPRD 移行後は安定していた(図12)。生化学検査では総胆汁酸値、総ビリルビン値がPE からPRD 移行後も持続的に低下した(図13、図14)。その他の値についてはPE からPRD を通して大きな変化を認めなかった(表1)。
【0030】
【表1】
【0031】
考察:
今回の検討でPE+PRD の安全性が示され、またPE から短時間でPRD に移行可能であることが示された。本発明装置を用いた本法は血漿交換排液をリザーバーとし血漿透析を介して浄化装置の機能を付加する方法であるが、血漿中の有害物である総胆汁酸及び総ビリルビン値の推移から十分な除去効率が得られることが確認された。今回の検討では浄化装置にアニオン交換樹脂のみを用いたが、本発明においては浄化装置のスケールアップは容易であり、種々の吸着剤や血液透析(Hemodialysis)を組み合わせて施行することや治療途中で浄化装置を交換することも可能であると考えられた。PE から低侵襲かつ速やかに二次的治療に移行を可能にするものであり人工肝臓サポート(artificial liver support)として有用であると考えられた。
【産業上の利用可能性】
【0032】
国内における急性肝不全の治療においては血漿交換療法は依然として重要な位置を占めている。同治療は歴史が長く、安全性が高く、比較的躊躇せずに施行される治療法の一つであろうと考えられ、実際に多くの施設において施行されている。本発明装置は、この血漿交換療法において軽微に修飾する形でバイオリアクターを付加することによって簡便に構成することができ、血漿交換に習熟した医師にとっては非常に導入しやすいシステムとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明装置の一具体例を示す。
【図2】実施例における血漿交換時の回路を示す。
【図3】実施例における浄化装置の血漿交換排液によるプライミング時の回路を示す。
【図4】実施例における血漿交換排液浄化循環透析時の回路を示す。
【図5】PE開始0.5、1、2 時間後の血漿中および血漿交換排液中の総胆汁酸(TBA)値の変化を示すグラフである。PE前の血漿中の値を100として以後の値を%で表示した。
【図6】PE開始0.5、1、2 時間後の血漿中および血漿交換排液中の総ビリルビン(T-Bil)値の変化を示すグラフである。PE前の血漿中の値を100として以後の値を%で表示した。
【図7】PE からPRD への移行前後で血圧(収縮期圧:Systolic pressure)の推移を示すグラフである。
【図8】PE及びPRD を通しての白血球(WBC)数の推移を示すグラフである。
【図9】PE及びPRD を通しての赤血球(RBC)数の推移を示すグラフである。
【図10】PE及びPRD を通してのヘモグロビン(Hb)値の推移を示すグラフである。
【図11】PE及びPRD を通してのヘマトクリット(Ht)値の推移を示すグラフである。
【図12】PE及びPRD を通しての血小板(Platelet)数の推移を示すグラフである。
【図13】PE及びPRD を通しての総胆汁酸(TBA)値の推移を示すグラフである。
【図14】PE及びPRD を通しての総ビリルビン(T-Bil)値の推移を示すグラフである。
【符号の説明】
【0034】
1:ポンプ、ライン
2:ポンプ、ライン
3:ポンプ、ライン
4:ポンプ、ライン
5:ライン
6:血漿分離器(Plasmaseparator)
7:浄化装置(アニオン交換樹脂)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分離された血漿の少なくとも一部を浄化した後、透析液として循環させて患者血液を透析し血漿中に含まれる有害物を除去することを特徴とする、血漿交換廃液浄化循環透析方法。
【請求項2】
単純血漿交換療法で使用する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
二重濾過血漿交換療法で使用する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
浄化装置及び透析器を構成要素として含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
血漿交換に使用する血漿分離装置が透析器としても機能する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
浄化装置が吸着分離装置から構成される、請求項4又は5記載の方法。
【請求項7】
血漿交換療法において分離された血漿が透析液のリザーバーとして機能する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記請求項のいずれか一項に記載の血漿交換廃液浄化循環透析方法を用いる、血漿交換方法。
【請求項1】
分離された血漿の少なくとも一部を浄化した後、透析液として循環させて患者血液を透析し血漿中に含まれる有害物を除去することを特徴とする、血漿交換廃液浄化循環透析方法。
【請求項2】
単純血漿交換療法で使用する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
二重濾過血漿交換療法で使用する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
浄化装置及び透析器を構成要素として含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
血漿交換に使用する血漿分離装置が透析器としても機能する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
浄化装置が吸着分離装置から構成される、請求項4又は5記載の方法。
【請求項7】
血漿交換療法において分離された血漿が透析液のリザーバーとして機能する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記請求項のいずれか一項に記載の血漿交換廃液浄化循環透析方法を用いる、血漿交換方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−144228(P2007−144228A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−64292(P2007−64292)
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【分割の表示】特願2004−311027(P2004−311027)の分割
【原出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(503360115)独立行政法人科学技術振興機構 (1,734)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【分割の表示】特願2004−311027(P2004−311027)の分割
【原出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(503360115)独立行政法人科学技術振興機構 (1,734)
【Fターム(参考)】
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