説明

血糖測定装置

【課題】血糖測定装置において、被検者の操作性を維持しつつ、測定時の消費電力の削減を図る。
【解決手段】血液検体に対して光を照射し、反射光の強度を検出する検出処理を行う検出部112を有し、検出部112における検出結果に基づいて血糖値を算出する血糖測定装置100であって、検出部112に着脱可能に装着されチップと、検出部112を保護するために、検出部112に着脱可能に装着される保護キャップ130と、チップ及び保護キャップ130の取り外しが可能なイジェクタ117と、イジェクタ117の操作を検知するセンサ216と、センサ216による検知結果に応じて、血糖測定装置100の動作を制御する制御部200とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血糖測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、着脱可能なチップを装着し、穿刺した指先の血液を吸引することで、血糖値の測定を行う血糖測定装置が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。一般に、このような血糖測定装置では、測定に際して、被検者自らが操作を行うことを前提としている。このため、被検者によって誤った操作が行われることがないよう、簡単な操作手順により測定ができる構成となっている。
【0003】
具体的には、被検者は、保護キャップを取り外し、電源ボタンを押すことで装置を起動させ、検出部の自己点検を実行させた後、チップを装着し、穿刺した指先に、所定時間、チップの先端を押し付けることで測定を行う。そして、測定が完了し測定結果が出力された後は、チップを取り外し、保護キャップを装着することで後片付けを行い、電源ボタンを長押しすることで電源の切断を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−237089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような簡単な操作手順のみでの測定を実現するためには、血糖測定装置自体が、被検者による電源ボタンの押圧により電源が投入されて以降、電源が遮断されるまでの間、検出部による検出処理(光の照射及び反射光の受光)を継続して行う構成となっている必要がある。
【0006】
一方で、被検者によっては、検出部により検出処理が開始されてから、実際に血液を吸引するまでの間に、多少の時間を要することもある。また、測定が完了し、測定結果を確認した後に、しばらくチップを装着したまま保持していることもある。このため、従来の血糖測定装置の場合、不必要な検出処理が継続されることに伴って、無駄に電力が消費されていた。
【0007】
更に、被検者によっては、電源ボタンを押して電源を投入する前に、保護キャップを取り外して、チップの装着を行う場合もあり、この場合、従来の血糖測定装置では、検出部の自己点検が不十分なまま測定が開始されてしまっていた。
【0008】
このように、操作手順を簡便化するために、従来の血糖測定装置では、検出処理を行う必要のない状況下においても、検出処理が継続して実行されており(つまり、被検者の操作を契機として検出処理を行う構成となっておらず)、電力が無駄に消費されていたうえに、被検者の操作手順によっては、検出部の自己点検が不十分のまま測定が開始されていた。
【0009】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、血糖測定装置において、被検者の操作性を維持しつつ、測定の信頼性の向上と動作時の消費電力の削減を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明に係る血糖測定装置は以下のような構成を備える。即ち、
血液検体に対して光を照射し、反射光の強度を検出する検出処理を行う検出部を有し、該検出部における検出結果に基づいて血糖値を算出する血糖測定装置であって、
前記検出部に着脱可能に装着され、血液検体を吸引するチップと、
前記チップが前記検出部から取り外された状態において、前記検出部を保護するために、前記検出部に着脱可能に装着される保護キャップと、
前記チップ及び前記保護キャップの取り外しが可能なイジェクタと、
前記イジェクタの操作を検知する検知部と、
前記検知部における検知結果に応じて、前記血糖測定装置の動作を制御する制御部とを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、血糖測定装置において、被検者の操作性を維持しつつ、測定の信頼性の向上と動作時の消費電力の削減を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係る血糖測定装置100の外観構成を示す図である。
【図2A】血糖測定装置100の機能構成を示す図である。
【図2B】血糖測定装置100の機能構成を示す図である。
【図3】被検者による血糖測定時の操作内容と、血糖測定装置100における測定制御処理の内容との関係を示す図である。
【図4】被検者による血糖測定時の操作内容と、血糖測定装置100における測定制御処理の内容との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0014】
[第1の実施形態]
<1.血糖測定装置の外観構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る血糖測定装置100の外観構成を示す図である。図1に示すように、血糖測定装置100は、測定装置本体部110と、測定装置本体部110に装着されるチップ(試験片)120及び保護キャップ130とを備える。
【0015】
チップ120は、血液検体を保持し、血液中の糖と反応して呈色を起こす試薬層を含むものであり、保護キャップ130が取り外されている状態で、測定装置本体部110の先端に着脱可能に装着される。チップ120には、細管部121が配されたホルダ122が備えられ、ホルダ122内部には試薬を含有する試薬層が固定されている。
【0016】
細管部121は、毛細管現象により先端開口部から血液検体をホルダ122内部へと導く。細管部121を介して導かれる血液検体は、ホルダ122内部の試験紙によって吸収される。この試験紙を形成する試薬層には、血液中の糖と反応して呈色反応を起こすのに必要な試薬、例えばグルコースオキシダーゼ(GOD)、ペルオキシダーゼ(POD)、4−アミノアンチピリン、N−エチル−N(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−トルイジン・ナトリウム(TOOS)等が含浸されている。
【0017】
なお、試薬層を形成する膜の孔径は血球が通過する孔径程度、例えば5〜15μm程度が望ましい。このような孔径にすることで、試薬層への血液の展開が速くなり、それによって血液と試薬との反応も速くすることができるからである。膜材質としてはニトルセルロース等、従来知られているものが使用されうる。血球濾過層は血球を濾過する孔径、例えば、0.45μmの孔径を有する膜で構成される。膜材質はポリエーテルスルホン等、従来知られているものが使用されうる。
【0018】
保護キャップ130は、チップ120が取り外された状態(装着されていない状態)で、検出部112を保護するためのものであり、チップ120が、測定装置本体部110の先端に装着されていない場合にのみ、着脱可能に装着される。
【0019】
測定装置本体部110は、チップ120に保持された血液検体の血糖値を算出する。具体的には、波長の異なる2つの光を血液検体に照射して反射光の強度を測定することで血糖値を算出する。
【0020】
測定装置本体部110のハウジング111の先端(チップ120が装着される部分)には、波長の異なる2つの光を血液検体に照射して反射光の強度を測定する検出部112が配されている。また、ハウジング111の内部には、検出部112を制御するとともに検出部112より取得された測光値データ(検出結果)に対して種々の演算を実行する制御部(不図示)が配されている。
【0021】
また、ハウジング111の表面には、制御部において算出された血糖値や制御部において認識された内部状態を表示するための表示画面114と、制御部において算出され記憶された過去の血糖値を呼び出し、表示画面114に表示させるための呼び出しボタン115と、音声出力された内容を再出力させるための再生ボタン116とが配されている。
【0022】
更に、ハウジング111の側面には、装着された保護キャップ130及びチップ120を取り外すための、イジェクタ117が配されており、矢印118方向に摺動させることで、保護キャップ130及びチップ120を簡単に取り外すことができるよう構成されている。
【0023】
なお、図1において不図示であるが、ハウジング111の裏面には、制御部からの指示に基づいて選択された音声メッセージを出力するためのスピーカと、該スピーカからの音声出力における音量レベルを設定するための音量設定スイッチとが配されているものとする。
【0024】
<2.血糖測定装置の機能構成>
次に、血糖測定装置100の機能構成について説明する。図2A、図2Bは、血糖測定装置100の機能構成を示す図であり、図2Aは、保護キャップ130が装着された状態を、図2Bは、チップ120が装着された状態をそれぞれ示している。
【0025】
図2A、図2Bに示すように、検出部112は、発光素子221と受光素子222とを備える。発光素子221では、制御部200からの発光指示に基づいて発光を行い、受光素子222では、レンズ正面の物体の光の反射強度を感知する。制御部200では、受光素子222にて感知された反射強度をA/D変換器211を介して測光値データとして読み取る。制御部200ではその測光値データから、保護キャップ130が装着されていること、保護キャップ130またはチップ120が装着されていないこと、血液検体が試験紙に点着されていないチップ120が装着されていること、血液検体が試験紙に点着されたチップが装着されていること、をそれぞれ認識する。更に、保護キャップ130またはチップ120が装着されていないと認識した場合にあっては、検出部の自己点検も行う。
【0026】
また、チップ120が装着されていると認識した場合、制御部200では、血液検体が試験紙に点着されているか否かを認識するために、約100ms以下の周期で発光を行い、読み取った測光値データに基づいて判断を行う。更に、血液検体が試験紙に点着されたチップ120が装着されていると判断した場合、その測光値データから血糖値を算出する。
【0027】
測定装置本体部110は、制御部200と、A/D変換器211と、表示部213と、入力部214と、音声出力部215と、イジェクタ117と、センサ(検知部)216とを備える。
【0028】
A/D変換器211は、受光素子222において感知された反射強度を、A/D変換し、測光値データとして制御部200に入力する。
【0029】
制御部200は、マイクロコンピュータなどのCPU201と、CPU201により実行される装置全体の制御プログラムや各種データを記憶するROMやワークエリアとして測定データや各種データを一時的に記憶するRAMなどを含む記憶部202とを備え、各工程での処理、認識、判定(判断)を行う。なお、血糖測定装置100としての機能を実現するための各種プログラム及びデータ(A/D変換器211を介して入力された測光値データに基づいて、血糖値を算出するための測定制御プログラム及びデータも含む)は記憶部202に格納されており、適宜CPU201において実行されることで、血糖測定装置としての機能を実現する。
【0030】
表示部213は、制御部200からの表示指示に基づき、表示画面114上に所定の画面(算出された血糖値や制御部200の内部状態を示す画面)を表示する。入力部214には、図1の呼び出しボタン115や再生ボタン116が含まれ、入力部214を介してユーザより入力された指示を、制御部200に送信する。
【0031】
音声出力部215は、制御部200より出力される音声出力指示に基づいて、音声メッセージを出力する(図1のハウジング111の裏面に配されたスピーカに対応する)。
【0032】
センサ216は、イジェクタ117による保護キャップ130の取り外し操作、またはチップ120の取り外し操作を検知する検知部である。センサ216による検知結果は制御部200に送信され、これにより、制御部200では、保護キャップ130の取り外し操作、またはチップ120の取り外し操作を検知する。
【0033】
制御部200では、センサ216を介してイジェクタ117の操作を検知すると、約500ms周期で発光素子221を発光させ、受光素子222からの反射強度をA/D変換することで得られた測光値データを読み取る。制御部200で、更に、当該読み取ったは測光値データから保護キャップ130、またはチップ120が装着されているか否かの認識を行う。
【0034】
このように、本実施形態に係る血糖測定装置100では、従来の血糖測定装置の認識機能に加え、保護キャップ130の取り外し操作及びチップ120の取り外し操作を検知する検知機能を付加する構成とした。これにより、血糖測定装置100では、測定時の被検者の操作状況を適確に把握することが可能となり、当該操作状況に応じて、測定制御処理における各種動作を制御することが可能となった。以下、被検者の操作内容と、血糖測定装置100における測定制御処理の内容について詳説する。
【0035】
<3.被検者の操作内容と血糖測定装置における測定制御処理の内容との関係>
図3、図4は、血糖測定装置100における被検者の各種操作内容(血糖値測定のための各種操作内容)と、当該操作内容に対応する血糖測定装置100における測定制御処理の内容(制御部200における測定制御処理の内容および当該処理に伴う画面表示、音声出力の内容)との関係を示した図である。
【0036】
図3に示すように、被検者が保護キャップ130を取り外すためにイジェクタ117を操作することで(ステップS301)、センサ216ではこれを検知し、血糖測定装置100では、電源が投入される(ステップS310、S311)。このように、血糖測定装置100では、保護キャップ130の取り外しを契機として、電源が投入されるため、電源ON/OFFスイッチが設けられていない。この結果、血糖測定装置100では部品点数を削減することが可能になるとともに、被検者の操作性を向上させることが可能となった。
【0037】
ステップS311で電源が投入されると、制御部200では、発光素子221を駆動し、受光素子222からの反射強度をA/D変換することで得られた測光値データを処理する検出処理を開始する。はじめに、制御部200では、保護キャップ130またはチップ120の装着の有無を認識し、保護キャップ130またはチップ120が装着されていないと認識した場合には、更に、検出部112のセルフチェック(自己点検)を行う。なお、これらの検出処理は、約500ms周期で1〜2秒間繰り返される。
【0038】
ステップS312の時点で、チップ120はまだ装着されていないため、制御部200では、表示画面114上に画面321を表示するとともに、スピーカを介して音声331(「チップがついていません」)を出力する。
【0039】
その後、被検者によりチップ120が装着されると(ステップS302)、検出部112の検出処理により、制御部200では、チップ120が装着されたことを認識する(ステップS313)。
【0040】
ステップS313においてチップ120が装着されたことを認識すると、制御部200では、発光素子221を約100ms以下で発光させ、受光素子222からの反射強度をA/D変換することで得られた測光値データを処理する。そして、血糖測定装置100が血糖値の測定が可能な環境にあるか否かを判定し(ステップS314)、測定が可能な環境にないと判定された場合には、所定のエラー表示及び音声出力を行う。
【0041】
図3の例では、チップ120の先が向いている方向が明るすぎる場合を示しており、この場合には、表示画面114に画面322を表示するとともに、音声332(「周囲が明るすぎます」)を出力する。
【0042】
画面322の表示及び音声332の出力に応じて、被検者がチップ120の先が向いている方向を変更し、測定環境を改善されると(ステップS303)、血糖測定装置100では再び測定可能な環境にあるか否かを判定する(ステップS314)。
【0043】
ここで、測定可能な環境にあると判定されると、制御部200では、表示画面114上に、画面323を表示するとともに、ビープ音を出力した後、音声333(「測定できます」)を出力する。
【0044】
画面323の表示及び音声333の出力に応じて、被検者は指先を穿刺し、当該穿刺部分にチップ120を接触させる。これにより、チップ120では、血液を吸引し(ステップS304)、制御部200ではこれを検知する(ステップS315)。
【0045】
更に、制御部200では、タイマを起動させ(ステップS316)、表示画面114上に、画面324(タイマのカウントダウン値)を表示するとともに、カウントダウン値に応じて、ビープ音を出力する。
【0046】
タイマによるカウントダウンが終了し(ステップS317)、制御部200による血糖値の算出が終了すると(ステップS318)、血糖値測定が終了したことを示すビープ音を出力するとともに、表示画面114上に、測定結果である血糖値を示した画面325を表示する。更に、測定結果である血糖値を音声出力する(335)。
【0047】
血糖値測定が終了すると、図4に進む。そして、イジェクタ117による被検者のチップ120の取り外し操作をセンサ216が検知するまで、検出部112では検出処理を停止する(ステップS411)。被検者がイジェクタ117によるチップ120の取り外し操作を行い(ステップS401)、センサ216がこれを検知すると(ステップS412)、制御部200では、約500ms周期で、検出部112による検出処理を開始する(ステップS413)。
【0048】
これにより、制御部200では、検出部112からの測光値データに基づいてチップ120が装着されていないことを認識し、表示画面114上に画面431を表示するとともに、音声441(「チップがついていません」)を出力する。
【0049】
表示画面114上に画面431が表示されることにより、あるいは、音声441が出力されることにより、被検者が新たにチップ120を装着した場合には(ステップS414においてYES)、ステップS313に戻る。
【0050】
一方、被検者が新たにチップ120を装着せず、保護キャップ130を装着すると(ステップS402)、測光値データに基づいて、制御部200では、保護キャップ130が装着されたことを認識する(ステップS415)。これにより検出部112では検出処理を停止する(ステップS416)。
【0051】
更に、制御部200では、タイマを起動させ(ステップS417)、所定時間、被検者による血糖測定装置100に対する操作がないかを判定する(ステップS418)。
【0052】
ステップS418において、被検者による操作があったと判定された場合には、ステップS421に進み、タイマを停止させる。更に、ステップS422では、当該操作内容に対応する処理を実行する(例えば、測定履歴の表示等)。
【0053】
ステップS422における処理が実行されると、ステップS423に進み、保護キャップ130が取り外されたか否かを再び判定し、取り外されたと判定された場合には、図3のステップS312に戻る。
【0054】
一方、保護キャップ130が取り外されていないと判定された場合には、ステップS417に戻り、タイマを起動させ、所定時間、被検者による血糖測定装置100に対する操作の有無を判定する(ステップS418)。
【0055】
ステップS418において、被検者による操作がなかったと判定された場合には、ステップS419に進み、タイマによるカウントダウンが終了したか否かを判定する。ステップS419において、タイマによるカウントダウンが終了していないと判定された場合には、ステップS418に戻る。
【0056】
一方、タイマによるカウントダウンが終了したと判定された場合には、ステップS420に進み、電源を自動的に切断にする。このように、保護キャップ130が装着された状態で、所定時間、血糖測定装置100に対する被検者の操作がなかった場合には、自動的に電源を切断する構成とすることで、たとえ測定完了後に被検者が血糖測定装置100を放置していた場合であっても、自動的に電源が切断されることとなるため、血糖測定装置100では消費電力を削減することが可能となる。
【0057】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る血糖測定装置100では、イジェクタ117に、イジェクタ117に対する操作(保護キャップ130の取り外し操作及びチップ120の取り外し操作)を検知するためのセンサ216を配する構成とした。
【0058】
これにより、保護キャップ130の取り外し操作が検知されたことを契機として、電源を投入する構成とすることが可能となり、従来のように、保護キャップ130を取り外す前に被検者が電源を投入すると、検出部の自己点検が不十分なまま測定が開始されてしまうといった事態を回避することが可能となった。また、従来のように、保護キャップ130が装着されているにも関わらず、検出部による検出処理が継続されてしまうといった事態を回避することが可能となった。
【0059】
更に、本実施形態に係る血糖測定装置100では、血糖値の算出が完了した後、チップ120が取り外されるまでの間、検出部による検出処理を停止させる構成とすることが可能となった。
【0060】
この結果、被検者の操作性を維持しつつ、測定の信頼性の向上と動作時の消費電力の削減を図ることが可能となった。
【0061】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、イジェクタ117に、保護キャップ130及びチップ120の取り外し操作を検知するためのセンサ216を配する構成とした。しかしながら、本発明はこれに限定されず、保護キャップ130の装着の有無及びチップ120の装着の有無を検知可能であれば、センサの配置及びセンサの種類は問わないものとする。
【0062】
また、上記第1の実施形態では、保護キャップ130の取り外し操作に応じて、電源を自動投入する構成としたが、本発明はこれに限定されず、他の処理を実行する構成としてもよい。同様に、上記第1の実施形態では、チップ120の装着有無に応じて、検出処理の開始/終了を制御する構成としたが、本発明はこれに限定されず、他の処理を実行する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0063】
100・・・血糖測定装置、110・・・測定装置本体部、111・・・ハウジング、112・・・検出部、114・・・表示画面、115・・・呼び出しボタン、116・・・再生ボタン、117・・・イジェクタ、120・・・チップ、121・・・細管部、122・・・ホルダ、130・・・保護キャップ、216・・・センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液検体に対して光を照射し、反射光の強度を検出する検出処理を行う検出部を有し、該検出部における検出結果に基づいて血糖値を算出する血糖測定装置であって、
前記検出部に着脱可能に装着され、血液検体を吸引するチップと、
前記チップが前記検出部から取り外された状態において、前記検出部を保護するために、前記検出部に着脱可能に装着される保護キャップと、
前記チップ及び前記保護キャップの取り外しが可能なイジェクタと、
前記イジェクタに対する操作を検知する検知部と、
前記検知部における検知結果に応じて、前記血糖測定装置の動作を制御する制御部と
を備えることを特徴とする血糖測定装置。
【請求項2】
前記検知部により前記イジェクタに対する操作が検知されることで、前記保護キャップが取り外されたと判断された場合に、電源が投入されることを特徴とする請求項1に記載の血糖測定装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記電源が投入されることで、前記検出部による検出処理を開始することを特徴とする請求項2に記載の血糖測定装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記検出部による検出結果に基づいて血糖値の算出が終了した後、前記検知部により前記イジェクタに対する操作が検知されることで、前記チップが取り外されたと判断されるまでの間、前記検出部による検出処理を停止することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の血糖測定装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記検知部により前記イジェクタに対する操作が検知されることで、前記チップが取り外されたと判断された場合、前記検出部による検出処理を開始することを特徴とする請求項4に記載の血糖測定装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記検出部による検出結果に基づいて、前記保護キャップが装着されたと認識した場合に、前記検出部による検出処理を停止し、更に、所定時間、前記血糖測定装置に対する被検者の操作がないと判定した場合に、電源を切断するよう制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の血糖測定装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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