説明

衛星による測位の支援

衛星信号受信器40は、受信衛星信号の測定を行うようになっている測定コンポーネント43を備える。測定の操作性を向上させることができるように、受信器は、更に第1の処理ユニット44を備え、これは、受信した制御パラメータに基づいて測定コンポーネント43を制御するソフトウェア45を実行するようになっている。加えて受信器は、第1のインタフェースコンポーネント46を備え、これはもう1つのインタフェースコンポーネント34を介してもう1つの処理ユニット35から制御パラメータを受信し、第1の処理ユニット44に制御パラメータを供給し、更に測定コンポーネント43から得た測定結果を、もう1つのインタフェースコンポーネント34を介して、もう1つの処理ユニット35に送信するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛星信号受信器に関し、衛星による測位を支援する移動体装置に関する。本発明は、同じく、衛星による測位を支援する方法に関する。本発明は、更に、衛星による測位を支援する移動体装置用のインタフェース及びソフトウェアコードに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、稼働している衛星による測位システムには、アメリカのシステムであるGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)及びロシアのシステムであるGLONASS(Global Orbiting Navigation Satellite System:全地球周回軌道航法衛星システム)の2つがある。将来的には、更にGALILEOと称されるヨーロッパのシステムが出てくるだろう。これらのシステムの総称は、GNSS(Global Navigation Satellite System:全地球航法衛星システム)である。
【0003】
例えばGPS用には、20を超える衛星が地球の周回軌道に乗っている。各衛星は、2つの搬送波信号L1及びL2を送信する。これらの搬送波信号のうちの1つであるL1は、標準測位サービス(SPS:standard positioning service)の航法メッセージ及びコード信号を搬送するのに採用されている。L1搬送波の位相は、各衛星によって、別々のC/A(Coarse Acquisition:低精度)符号を用いて変調されている。したがって、異なる衛星からの送信用に、異なる通信路が獲得される。C/A符号は、擬似ランダム雑音(PRN:pseudo random noise)符号であり、20.46MHzの公称帯域幅にわたってスペクトラムを拡散している。C/A符号は、1023ビットごとに繰り返され、この符号のエポックは1ミリ秒である。C/A符号のビットは、チップとも称される。更に、L1信号の搬送周波数は、ビットレートが毎秒50ビットの航法情報を用いて変調されている。航法情報は、具体的には、送信時刻を示すタイムスタンプ及び軌道暦パラメータを含んでいる。軌道暦パラメータは、それぞれの衛星の周回軌道の小区間について記述している。上記の軌道暦パラメータに基づきアルゴリズムを用いて、記述された各区間内に衛星がある間は、任意の時刻における衛星の位置を、推定することができる。
【0004】
位置算定の対象となるGPS受信器が、現在利用可能な衛星から送信された信号を受信し、信号に含まれているそれぞれのC/A符号に基づいてそれぞれの衛星が使用している通信路を探知し、追跡する。衛星信号の捕捉及び追跡のために、GPS受信器の無線周波(RF:radio frequency)部分で受信された信号が、まずベースバンドに変換される。ベースバンド部分では、例えばドップラ効果などによって生じる周波数誤差が、混合器によって取り除かれる。次に、信号は、各衛星について得られるレプリカ符号と相関させられる。相関は、例えばマッチドフィルタを使用して取ることができる。更に、相関値をコヒーレント及び/又はインコヒーレントに積算して、捕捉の感度を向上させることもできる。相関値がしきい値を上回れば、C/A符号とその符号位相とがあることがわかり、これらが信号の拡散、ひいては航法情報の復元のために必要となる。
【0005】
次に、受信器は一般に、符号化された航法メッセージのデータならびにC/A符号のエポック及びチップの数に基づいて、各衛星から送信された符号の送信時刻を算定する。送信時刻、及び信号の受信器への測定到着時刻によって、信号が衛星から受信器へ伝播するのに要した伝播時間を算定することができる。この伝播時間に光の速度を乗じると、受信器とそれぞれの衛星との間の距離又はレンジに換算することができる。
【0006】
受信器は、一組の衛星群からのレンジの交点に位置するので、算出された距離及び推定される衛星の位置によって、受信器の現在位置を計算することができる。
【0007】
同様に、GNSS測位の一般概念となっているのは、測位の対象となる受信器で衛星信号を受信して、推定される衛星の位置から受信器まで信号が伝播するのにかかった時間を測定し、それにより受信器と各衛星との間の距離、更には受信器の現在位置を、更に衛星の推定位置を活用しつつ計算することである。
【0008】
GPS測位は、異なる3つの測位モードで実行することができる。第1のモードは、自立型GPSを利用した測位である。これは、GPS受信器がGPS衛星から信号を受信すると、別のソースからの補足的な情報を一切得ずに、これらの信号から位置を計算することを意味する。第2のモードは、ネットワーク支援の移動機を利用したGPS(AGPS)測位である。このモードでは、GPS受信器が移動体通信デバイスに関連付けられているとよい。GPS受信器は、移動体通信デバイスの中に組み込まれていてもよいし、又は移動体通信デバイスの付属品であってもよい。移動体通信ネットワークが供給する支援データは、移動体通信デバイスによって受信され、GPS受信器へ送信されてその性能を向上させる。このような支援データとしては、少なくとも、軌道暦、位置及び時刻の情報などが挙げられる。この場合も、測位の計算はGPS受信器の中で行われる。第3のモードは、ネットワーク利用の移動機に支援されたGPS測位である。このモードでも同様に、GPS受信器は、移動体通信デバイスに関連付けられている。このモードでは、移動体通信ネットワークは、測定を支援するために、少なくとも捕捉支援及び時刻の情報を移動体通信デバイスを介してGPS受信器に供給する。次に、測定結果が、移動体通信デバイスを介して移動体通信ネットワークへ供給され、移動体通信ネットワークが位置を計算する。第2及び第3の方法は、共通してアシストGPS(AGPS:assisted−GPS)とも称される。
【0009】
受信器では種々のモードで種々の情報を処理しなければならないので、従来型の受信器は、上記のモードのうちのいずれか1つのみに対応しているか、又はこれらのモード間の切り替えに対応している。
【0010】
自立型GPSを利用した測位又は支援自立型GPSを利用した測位のための従来型GPS受信器は、測定の実行、測定の制御、及び測位計算の実施をするために単一の機能的エンティティを備えている。測定の実行の少なくとも一部はハードウェアを利用して行われ、同時に、測定の制御及び測位計算の少なくとも一部はソフトウェアにおいて実現される。この状況は、衛星による測位システムの概略ブロック図である図1に示されている。
【0011】
システムは携帯電話機10、GPS衛星11、及びGSMネットワーク又は他の任意のセルラネットワークの基地局12を備えている。携帯電話機10は、GPS受信器13を含んでいる。GPS受信器13は、RFコンポーネント14、ならびに測定及び測位コンポーネント15を備えている。RFコンポーネント14ならびに測定及び測位コンポーネント15は、例えば、別々のチップ上又は単一のチップ上に実装することができる。携帯電話機10は、更にセルラエンジン16を備え、すなわち、携帯電話機10と移動体通信ネットワークとの間における従来型の移動体通信に必要なすべてのコンポーネントを備えたモジュールを備えている。更に、セルラエンジン16は、基地局12によって供給される支援データをGPS受信器13による使用に向けて変換するようになっている変換ソフトウェア17を実行する。
【0012】
セルラエンジン16と様々な種類の通信ネットワークとの間の支援データプロトコルは規格化が進んでおり、すでに使用されている。具体的には、無線リソース位置サービスプロトコル(RRLP:Radio Resource Location services Protocol)が世界移動体通信システム(GSM:Global System for Mobile communications)を利用したネットワークに使用されており、無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)プロトコルが広帯域符号分割多元接続(WCDMA:Wideband Code Division Multiple Access)を利用したネットワークに使用されており、IS−801プロトコルが符号分割多元接続(CDMA:Code Division Multiple Access)を利用したネットワークに使用されている。これらのプロトコルは、通常、セルラエンジン16とGPS受信器13との間の独自のインタフェースには対応していない。その代わり、セルラエンジン16は、ネットワークプロトコルで供給されるデータを適切な形式に変換するソフトウェア17を有していなければならない。
【0013】
更に具体的には、各GPSハードウェアの供給業者が、GPS受信器13とセルラエンジン16との間のインタフェース用として、これまで各自に固有のインタフェースを規定してきた。概して、これらのインタフェースは、自立型GPSの機能のために標準規格の米国海洋電子機器協会(NMEA:National Marine Electronics Association)のプロトコルを使用し、及び/又はGPS受信器に関するより詳細な情報にアクセスするために供給業者に固有のメッセージを使用し、及び/又はAGPSの機能のためにネットワークからGPS受信器へ支援データを供給するのに特定のメッセージを使用している。こうした供給業者に固有の形式としては、例えば、テキサスインスツルメンツ(登録商標)のセルラモデムインタフェース、及びモトローラ(登録商標)のGPSインタフェースなどが挙げられる。
【0014】
米国特許第6542823(B2)号明細書は、呼処理部とGPSクライアントとの間を往復させてデータを伝送するサーバについて記述している。
【0015】
国際公開第2004/107092(A1)号パンフレットは、移動体デバイスの呼処理部と移動体デバイスのGPSモジュールとの間のインタフェースにおいて変換機構を使用することを記述している。変換機構は、移動体デバイスに対して支援データを供給するのに用いられるプロトコルを、GPSモジュールによって使用される独自のプロトコルへ変換する。
【0016】
従来型のGPS受信器では、GPS測定ハードウェアの正確な性能を評価することは難しい。同様に、ソフトウェアにおいて広範な作業を伴うことなく1つのGPS測定ハードウェアから別のものに交換することは難しい。更に、セルラネットワーク測定データ又はモーションセンサデータなどを用いてハイブリッド測位のソリューションを実装することは困難である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、衛星信号測定の操作を容易化する。
【0018】
衛星による測位を支援する衛星信号受信器が提案される。衛星信号受信器は、受信した衛星信号の測定を実行するようになっている測定コンポーネントと、受信した制御パラメータに基づいて測定コンポーネントを制御するソフトウェアを実行するようになっている第1の処理ユニットとを備えている。衛星信号受信器は、更に第1のインタフェースコンポーネントを備え、これは、もう1つのインタフェースコンポーネントを介してもう1つの処理ユニットから制御パラメータを受信し、この制御パラメータを第1の処理ユニットへ供給し、測定コンポーネントから得た測定結果をもう1つのインタフェースコンポーネントを介してもう1つの処理ユニットへ送信するようになっている。
【0019】
更に、衛星による測位を支援する移動体装置が提案される。移動体装置は、上記に提案された衛星信号受信器を備えている。加えて、移動体装置は、もう1つの処理ユニットを備えている。このもう1つの処理ユニットは、測定コンポーネント用の制御パラメータを生成する制御ソフトウェアと、測定コンポーネントから供給される測定結果を処理する評価ソフトウェアとを実行するようになっている。移動体装置は、もう1つのインタフェースコンポーネントを更に備えている。このもう1つのインタフェースコンポーネントは、もう1つの処理ユニットによって生成される制御パラメータを第1のインタフェースコンポーネントへ転送し、第1のインタフェースコンポーネントから受信した測定結果をもう1つの処理ユニットに送信するようになっている。
【0020】
更に、衛星による測位支援する移動体装置用のインタフェースが提案される。移動体装置は、測定コンポーネント及び第1の処理ユニットを有する衛星信号受信器を備えていると想定する。移動体装置は、もう1つの処理ユニットを更に備えていると想定する。上記に提案されたインタフェースは、衛星信号受信器ともう1つの処理ユニットとの間の通信を可能にするように構成されている。インタフェースは、衛星信号受信器内の第1のインタフェースコンポーネントと、もう1つのインタフェースコンポーネントとを備えている。第1のインタフェースコンポーネントは、もう1つのインタフェースコンポーネントから制御パラメータを受信し、第1の処理ユニットへ制御パラメータを供給し、測定コンポーネントから得た測定結果をもう1つのインタフェースコンポーネントへ送信するようになっている。もう1つのインタフェースコンポーネントは、もう1つの処理ユニットによって生成された制御パラメータを第1のインタフェースコンポーネントへ転送し、第1のインタフェースコンポーネントから受信した測定結果をもう1つの処理ユニットへ送信するようになっている。
【0021】
更に、移動体装置において衛星による測位を支援する方法が提案される。この移動体装置は、上記に提案されたインタフェースの場合と同様の想定に基づいている。提案された方法は、衛星信号受信器用の制御パラメータをもう1つの処理ユニットで生成するステップと、この制御パラメータをインタフェースを介して衛星信号受信器へ転送するステップと、を含む。提案された方法は、更に、衛星信号受信器において、第1の処理ユニットを用い、転送された制御パラメータに基いて、測定コンポーネントによる受信衛星信号の測定を制御するステップを含む。提案された方法は、更に、測定コンポーネントの測定結果をインタフェースを介してもう1つの処理ユニットへ転送するステップを含む。提案された方法は、更に、もう1つの処理ユニットにおいて、転送された測定結果を処理するステップを含む。
【0022】
更に、衛星による測位を支援する移動体装置用の第1のソフトウェアコードが提案される。この移動体装置は、上記に提案されたインタフェースの場合と同様の想定に基づいている。もう1つの処理ユニットにおいて動作しているとき、第1のソフトウェアコードは、衛星信号受信器用の制御パラメータを生成し、この制御パラメータがインタフェースを介して衛星信号受信器へ転送されるようにする。更に、第1のソフトウェアコードは、インタフェースを介して衛星信号受信器から受信した測定結果を処理する。同様に、このようなソフトウェアコードを格納したソフトウェアプログラム製品が提案される。
【0023】
更に、衛星による測位を支援する移動体装置用の第2のソフトウェアコードが提案される。この移動体装置は、上記に提案されたインタフェースの場合と同様の想定に基づいている。第1の処理ユニットにおいて動作しているとき、第2のソフトウェアコードは、もう1つの処理ユニットからインタフェースを介して供給された制御パラメータに基づいて、測定コンポーネントによる受信衛星信号の測定を制御する。更に、第2のソフトウェアコードは、測定コンポーネントの測定結果がインタフェースを介してもう1つの処理ユニットへ転送されるようにする。同様に、このようなソフトウェアコードを格納したソフトウェアプログラム製品が提案される。
【0024】
本発明は、衛星信号受信器から制御パラメータ生成及び測位機能を取り除けば、衛星信号受信器の測定機能をより柔軟性な方法で活用できるとの構想に基づいている。したがって、独立した処理ユニットによって実行されるソフトウェア内に、制御パラメータの生成機能及び測定値の処理機能を代わりに実装することが提案される。衛星信号受信器と独立した処理ユニットとの間で必要な通信は、新規のインタフェースを介して行われる。このインタフェースは、受信衛星信号の測定に必要な制御パラメータの形で低レベルの情報を供給するようになっている。「低レベル」という用語は、測定コンポーネントによる衛星信号のリアルタイムの捕捉及び追跡に関わるあらゆる局面に関係する。
【0025】
本発明の利点として、衛星信号受信器の測定コンポーネントの性能評価及び検査が簡易になることがある。更に、外部に処理を委託することによって衛星信号受信器それ自体も簡易化され、それにより衛星信号受信器のコストが低減される。加えて、本発明は、衛星測位ソリューションの発展を支援し、こうしたソリューションに必要なソフトウェアの作業を軽減する。例えば、本発明による移動体装置においては、測定コンポーネントを採用しているインタフェースと互換性のある任意の測定コンポーネントに、自由に交換することが可能であるが、それに対して従来型の受信器では、ソフトウェアとベースバンド測定コンポーネントとが密接に統合されているため、ソフトウェアを調節せずに交換することは不可能である。
【0026】
衛星信号受信器は、様々な方法で実現することができる。例えば、それは無線周波(RF:radio frequency)部分とベースバンド部分とを同一のパッケージ内に備えたディスクリートチップであってもよい。更に、RF部分とベースバンド部分とを異なるパッケージに備えたチップセットであってもよい。更にそれは、移動体装置の別のコンポーネントと一体化されていてもよく、例えば移動体通信デバイスのセルラエンジンと一体になっていてもよい。同様に、それは一部が別のコンポーネントと一体化され、一部が独立したチップに実装されていてもよい。例えば、RF部分を一体化し、ベースバンド測定部分が独立したチップに実装することもできる。
【0027】
測定コンポーネントは、ベースバンドで行われる全ての測定を含めた受信信号のベースバンド処理だけを特に実行させるようにすることもできるが、同様に、例えばRFドメインでの任意の処理を実行させるようにしてもよい。測定コンポーネントは、ハードウェア内で実現できる。あるいは、「スナップショット式GPS」受信器又は「ソフトウェアGPS」受信器の場合のように、一部分はハードウェア内で実現し、一部分はソフトウェア内で実現してもよい。ハードウェア及びソフトウェアを利用した測定コンポーネントは、例えば受信衛星信号のサンプルを保存するメモリ、及びサンプリングされ保存された衛星信号を処理するプロセッサなどを備えるとよい。信号の捕捉、信号の追跡、信号の検証及びデータの受信を行うための低レベルのソフトウェアならびにロジックによって、更に具体的に処理を実行することができる。
【0028】
本発明の一実施形態では、測定コンポーネントは、少なくとも2つの異なる衛星測位システムの衛星から送信された受信衛星信号の測定を実行するようになっており、それは第1の処理ユニットによって実行されるソフトウェアの制御に依存し、すなわちもう1つの処理ユニットの供給する制御パラメータに依っている。測定コンポーネントは、例えばGPS信号、GALILEO信号、GLONASS信号、又はこれらの任意の組み合わせを測定するようになっているとよい。
【0029】
第1の処理ユニットによって実行され、もう1つの処理ユニットから供給された制御パラメータに基づいて測定コンポーネントを制御するソフトウェアも、同様に低レベルのソフトウェアであってよい。このソフトウェアは、例えば、省電力設定、周波数較正、時刻較正、自動利得制御(AGC:automatic gain control)同調、秒毎のパルス(pps:pulse per second)生成、及び/又は測定間隔の設定などに関与する。上記のタスクは従来型の衛星信号受信器においても実行されているが、本発明によれば、従来型の衛星信号受信器とは異なり、制御の基盤となっている制御データが外部において生成される。
【0030】
本発明の一実施形態では更に、第1の処理ユニットがソフトウェアを実行し、測定コンポーネントの測定結果をもう1つの処理ユニットにおける位置情報計算に適した形式に変換するようになっている。
【0031】
本発明の一実施形態では、第1の処理ユニットを、少なくとも2つの測位モード用に柔軟に使用することが可能で、例えば、自立型測位、ネットワークアシスト型測位、及びネットワークベース型測位に使用することができる。いずれの場合も、第1の処理ユニットの機能は測位モードにかかわらず本質的に同じであってよく、すなわち、あらゆる測位モードに対して同じ方法を使用することができるので、この衛星信号受信器はモードレスであってもよい。これが可能となるのは、ネットワーク支援型モード及びネットワーク利用型モードにおいて、第1の処理ユニットが、受信した支援情報を評価して必要な制御パラメータを生成する必要がなく、どのようなモードでも直接実装できる制御パラメータを受信するからである。
【0032】
移動体装置においても、もう1つの処理ユニットによって実行される測定結果の処理が、対応している全ての測位モードに関して実質的に同じである。このことは、測位モードがネットワークに基づいたものであっても、測位に関連した情報は、移動体装置の中で計算可能であることを意味している。これには、単に測定結果を送信するよりも高い処理能力を要するが、同時に特定の状況において性能を向上することができる。例えば、ネットワークに基づいた追跡アプリケーション用の端末内で位置の計算を行う場合、ネットワークで測位計算を行うよりも、追跡の性能及び感度が優れ、消費電力も少なくなる。
【0033】
制御パラメータは、測定コンポーネントを制御するのに、追加の計算を一切伴わずに直接使用することのできるパラメータである。せいぜい、形式の変換が必要となるくらいである。もう1つの処理コンポーネントによって実行される制御ソフトウェアが、測定コンポーネント用の制御パラメータをもとから衛星信号受信器に適した形式で生成するようになっていると有利である。
【0034】
制御パラメータには様々な種類があってもよい。制御パラメータには、例えば、1シグマの不確実性を伴う特定の時刻における予測コード位相のような予測される信号特性、1シグマの不確実性を伴う特定の時刻における予測ドップラ周波数のような予測されるドップラ効果、その他の予測される不確実性、タイミング情報、基準周波数の品質などが含まれているとよい。制御パラメータには、更に、通信路のリセット要求、省電力モード、追跡モードなどの様々なモードパラメータが含まれてもよい。
【0035】
制御パラメータは、例えば完全に移動体装置の中で生成することができる。更に、例えば入手可能な支援データをプロトコルに依存しない形式に変換することで生成することもできる。
【0036】
したがって、提案されるアーキテクチャによって、支援データの供給される基となっている例えばセルラ規格などのプロトコル及び規格への全ての関連を、受信器のハードウェアから取り除くことができる。
【0037】
もう1つの処理ユニットによって実行される制御ソフトウェアは、支援データを供給するエンティティに対して必要な応答メッセージを、NMEA又はRRLPのような対応しているプロトコルにしたがって生成することにも関与していてよい。
【0038】
当然のことながら、もう1つの処理ユニットによって実行される評価ソフトウェアは、位置情報計算の目的で測定結果を処理する場合には、衛星信号測定値以外の情報も考慮に入れることがある。
【0039】
更に、このインタフェースは、GPSのメッセージ通信以外の、別のタイプのメッセージ通信にも同様に採用してもよい。本発明による一実施形態では、第1のインタフェースコンポーネントは、更に、衛星測位に関係のない測位結果を、測定コンポーネントからもう1つのインタフェースコンポーネントへ送信するようになっている。次に、もう1つのインタフェースコンポーネントが、第1のインタフェースコンポーネントから受信した上記の測定結果をもう1つの処理ユニットへ送信するようになっていてもよい。このような補足的な測定結果には、例えば、センサ測定、温度測定、気圧測定、加速度測定、コンパス方位測定の結果などが含まれる。
【0040】
本発明による一実施形態では、提案された移動体装置が、例えば携帯電話機などの移動体通信デバイスから成る。この場合、制御ソフトウェア及び評価ソフトウェアは、移動体通信ネットワークを介して移動体通信デバイスの通信を支援するようになっているソフトウェア内に実装されているとよい。上記のソフトウェアには、例えば、ノキア(登録商標)による知的ソフトウェアアーキテクチャ(ISA:Intelligent software architecture)、Symbian(登録商標)アプリケーション、Java(登録商標)アプリケーションなどが挙げられる。
【0041】
移動体装置が移動体通信デバイスから成る場合は、移動体装置は、衛星信号受信器を組み込んだ移動体通信デバイスであってよい。あるいは、衛星信号受信器が、移動体通信デバイスの付属デバイスであってもよい。
【0042】
本発明による一実施形態では、第1のインタフェースコンポーネント及びもう1つのインタフェースコンポーネントは、制御パラメータ及び測定結果をやりとりするために専用のプロトコルを使用するようになっている。このプロトコルは、非リアルタイムのインタフェースを定義してもよく、すなわちセルラ規格に依存せず、衛星信号受信器のハードウェア、具体的には測定ハードウェアにも依存せず、更に、もう1つの測位ユニットがインタフェースに対応している任意の衛星信号受信器と連携することを可能にする。
【0043】
インタフェースは、特に、インタフェースコンポーネント間に低レベルのハードウェア接続を採用することができ、例えば、はん用非同期送受信器(UART:Universal Asynchronous Receiver and Transmitter)接続、直列周辺機器インタフェース(SPI:Serial Peripheral Interface)接続、集積回路間バス(I2C:Inter−Integrated Circuit bus)接続、Bluetooth(登録商標)接続、超広帯域(UWB:ultra wide band)接続、又は赤外線(IR:infra−red)接続などが挙げられる。
【0044】
本発明は、衛星信号の受信が可能となる任意の移動体装置に採用することができる。当然のことながら、本発明は、広域補強システム(WAAS:Wide Area Augmentation System)及び欧州静止衛星航法補強システム(EGNOS:European Geostationary Navigation Overlay System)のような衛星補強システムを伴っても同様に採用することができる。WAAS及びEGNOSは、大気圏及び電離層が原因となるGPS信号の遅延などを考慮に入れたGPSの補正データを算定する。静止衛星を介して送信された補正データは、適切なGPS受信器によって受信し、GPS利用測位の精度を向上するのに使用することができる。
【0045】
本発明のその他の目的及び特徴は、添付の図面と併せて以下の詳細な記載を考察することにより明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
図2は、衛星による測位システムの概略ブロック図であり、本発明にしたがって衛星信号受信器の機能が分割されている。
【0047】
システムは、携帯電話機20、衛星21及びネットワークエレメント22を備えている。
【0048】
携帯電話機20は、本発明による例示的な構成である。そこには、セルラエンジン30が含まれ、すなわち携帯電話機20と移動体通信ネットワークとの間の従来型移動体通信に必要なコンポーネントを全て備えるモジュールが含まれている。携帯電話機20は、更に衛星信号受信器40を備えている。衛星信号受信器40は、従来型のRFコンポーネント41を備える。しかし、従来型の衛星信号受信器とは異なり、測定及び測位コンポーネント15を併せて備えてはおらず、純粋に測定モジュール42のみを備えている。独立した測位モジュール31が、セルラエンジン30に実装されている。測定モジュール42及び測位モジュール31は、インタフェース(I/F)50によって相互に接続されている。衛星信号受信器40がチップの形で実現されて、その上にRFコンポーネント41及び測定モジュール42が実装されてもよい。
【0049】
衛星21は、地球の軌道に乗り、符号変調された信号を送信して衛星による測位を可能にしている、複数の衛星のうちの1つである。衛星21は、GPS衛星、GALILEO衛星、又はGLONASS衛星などとすることができる。
【0050】
ネットワーク要素22は、例えばGSMネットワークの基地局とすることができる。必要に応じて、ネットワーク要素22が、衛星による測位用の支援データを携帯電話機に供給することができるようになっている。
【0051】
セルラエンジン30及び衛星信号受信器40の詳細が、図3に図示されている。
【0052】
既に図2で示したように、衛星受信器40は、RFコンポーネント41及び測定モジュール42を備えている。測定モジュール42は、GPS衛星、GLONASS衛星、GALILEO衛星、及びこれらの組み合わせから送信された信号を測定するようになっている。
【0053】
測定モジュール42は、測定を実施するために、実際の測定コンポーネント43と、第1の処理ユニットとしてデジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)44とを備えている。DSP44は、測定コンポーネント43を制御する低レベルのソフトウェアである制御及びデータ交換コンポーネント45を実行するようになっている。
【0054】
測定モジュール42は、更に、第1のインタフェースコンポーネントとしてI/Fコンポーネント46を含み、これは制御及びデータ交換コンポーネント45と対話する。
【0055】
一例として、測定コンポーネント43が、ベースバンドで測定を実行する純粋なベースバンド測定コンポーネントでありながら、同時に、RF測定を追加的に実行するようになっていてもよく、あるいはRFコンポーネント41を完全に含むこともできる。このことが実現できるのは、制御及びデータ交換コンポーネント45によって制御されるハードウェア内に限られる。あるいは、測定コンポーネントが、衛星信号のサンプル用のメモリと、サンプリングされて保存された衛星信号を処理するためのプロセッサとを備えていてもよい。後者の場合、当然のことながら、このプロセッサは、適切な測定ソフトウェアを実行するDSP44に相当してもよい。いずれの場合も、測定コンポーネント43は、RFコンポーネント41が受信する衛星信号に基づいて、信号の捕捉、信号の追跡、符号及び搬送波位相の測定、信号の検証、及び航法データの受信の実行をつかさどる。
【0056】
測定モジュール42はモードレスであり、すなわちその機能は、自立型測位方式、ネットワークアシスト型測位方式、又はネットワークベース型測位方式など選択された測位方法に関わらず、全く同じである。
【0057】
セルラエンジン30は、いくつかのコンポーネントを備え、中でも特に、もう1つの処理ユニットとしてDSP35を備えている。DSP35は、セルラエンジンソフトウェア、すなわち移動体通信ネットワークとの通信を支援するソフトウェアを実行するようになっている。このソフトウェアは、例えばISAソフトウェア、又はSymbian(登録商標)ソフトウェアなどであってよい。測位モジュール31は、セルラエンジンソフトウェアに実装されるソフトウェア内で実現され、したがって、DSP35によって同様に実行することができる。測位モジュール31は、測位計算などを行うようになっている評価コンポーネント32を備えている。測位モジュール31は制御コンポーネント33を更に備え、それは、衛星信号受信器40が行う測定のための情報をまとめるようになっている。
【0058】
セルラエンジン30は更に、もう1つのインタフェースコンポーネントとしてI/Fコンポーネント34を備えており、これは、評価コンポーネント32及び制御コンポーネント33の両方と対話している。
【0059】
I/Fコンポーネント34、I/Fコンポーネント46、及びこれらのコンポーネント間の物理的な低レベル接続がインタフェースI/F50を形成し、それにより衛星信号受信器40と測位モジュール31との間のデータ交換が可能になる。上記の接続は、例えばUART接続であってよい。I/Fコンポーネント34及びI/Fコンポーネント46は、専用のプロトコルを用いて、選択された接続技術に対応する。
【0060】
ここで、図4のフローチャートを参照し、図2及び図3のシステムにおける動作をより詳しく説明する。
【0061】
携帯電話機20の測位が行われるとき、制御コンポーネント33が衛星信号受信器40用の制御パラメータを生成する。制御コンポーネント33は、GPS、GLONASS及び/又はGALILEO信号を測定モジュール42が捕捉すべきかどうかを示す低レベルのパラメータを生成する。ここに含まれるのは、例えば予測信号符号位相、予測ドップラ周波数、予測される符号及びドップラの不確実性、基準周波数の詳細、及び基準時刻の詳細などの指標である。制御コンポーネント33は、更に、低レベルの制御パラメータを生成して、測定モジュール42を特定の状態にする。例えば、省電力の状態、電源遮断の状態、電源投入の状態、セルフテストの状態などである。生成される制御パラメータは、制御及びデータ交換コンポーネント45によって使用できる既定の「衛星測位システム形式」になっている(ステップ411)。
【0062】
加えて、制御コンポーネント33が、入手可能な支援データを測定モジュール42に適した形式へ変換してもよい。支援データは、例えば移動体通信ネットワークのネットワークエレメント22によって、又は他のソース、例えば無線ローカルエリアネットワーク(WLAN:Wireless Local Area Network)によって、あるいはメモリから、制御コンポーネント33に供給されるとよい。支援データには、例えば基準位置に関する情報が含まれてもよく、それにより衛星信号の捕捉における検索を限定して行うことができるようになる。支援データを適切な形式に変換するために、制御コンポーネント33は、支援データプロトコルの依存性を取り除き、支援データを「衛星測位システム形式」に変換する。制御コンポーネント33は、更に、RRLPなど所要のプロトコルを使用して、支援データを供給しているエンティティに対する必要な応答メッセージも生成する(ステップ412)。
【0063】
I/Fコンポーネント34は、生成された制御及び支援データを、実装されている接続技術、ひいては生成された制御及び支援データ用に予め設定されているI/F形式を用いて、測定モジュール42のI/Fコンポーネント46へ転送する(ステップ413)。
【0064】
測定モジュール42のI/Fコンポーネント46は、制御及び支援データをI/F形式で受け取り、制御及び支援データを元の「衛星測位システム形式」に復元し、この制御及び支援データを、制御及びデータ交換コンポーネント45へ供給する(ステップ421)。
【0065】
制御及びデータ交換コンポーネント45は、制御コンポーネント33から供給される設定パラメータに従って、測定コンポーネント43のオペレーションを制御する。より具体的には、データ交換コンポーネント45は、対応する周波数較正、対応する時刻較正、対応するAGCチューニング、対応するpps生成、対応する信号捕捉、対応する信号追跡、対応する測定データ応答を生じさせ、各測定間隔を求めればよい。更に、それは、制御データに基づいて省電力を取り計らう。計測コンポーネント43は、制御及びデータ交換コンポーネント45に対して測定結果を供給する。測定結果には、例えば捕捉された信号の送信元の衛星の識別情報、捕捉された衛星信号の受信時刻、復号された航法情報などを含んでもよい(ステップ422)。
【0066】
制御及びデータ交換コンポーネント45は、測位モジュール31で測位計算を行うのに適した低レベルの「位置計算形式」へ測定結果を変換する(ステップ423)。
【0067】
I/Fコンポーネント46は、実装されている接続技術、ひいては変換された測定結果用に予め設定されているI/F形式を用いて、変換された測定結果をセルラエンジン30のI/Fコンポーネント34へ転送する(ステップ424)。
【0068】
セルラエンジン30のI/Fコンポーネント34は、変換された測定結果をI/F形式で受信し、変換された測定結果を元の「位置計算形式」に復元し、変換された測定結果を評価コンポーネント32に供給する(ステップ414)。
【0069】
評価コンポーネント32は、測定結果に基づいて、位置情報の計算を行うが、それには例えば携帯電話機20の現在位置の算出、携帯電話機20の現在の速度の算出、及び現在の時刻の算出などが含まれる。なお、評価コンポーネント32は、例えば移動体通信ネットワークのネットワークエレメント22と交換する信号に関する測定値、又はネットワークエレメント22から供給される軌道暦データなど、位置情報の計算を支援する補足情報を受信してもよい(ステップ415)。
【0070】
位置情報計算の結果は、次に、ユーザに提示してもよいし、又は、航法アプリケーションのような何らかのアプリケーションの入力データとして使用してもよい(ステップ416)。
【0071】
なお、記載した実施形態は、本発明の考えられる多様な実施形態のうちの1つに過ぎないものである。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】従来型のアシストGPSシステムの概略ブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による衛星による測位システムの概略ブロック図である。
【図3】図2のシステムの詳細を示す概略ブロック図である。
【図4】図2及び図3のシステムにおけるオペレーションを示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛星による測位を支援する衛星信号受信器(40)であって、
−受信した衛星信号の測定を実行するようになっている測定コンポーネント(43)と、
−受信した制御パラメータに基づき前記測定コンポーネント(43)を制御するソフトウェア(45)を実行するようになっている第1の処理ユニット(44)と、
−第1のインタフェースコンポーネント(46)であって、もう1つのインタフェースコンポーネント(34)を介してもう1つの処理ユニット(35)から制御パラメータを受信するようになっており、前記制御パラメータを前記第1の処理ユニット(44)へ供給するようになっており、前記測定コンポーネント(43)から得た測定結果を、前記もう1つのインタフェースコンポーネント(34)を介して前記もう1つの処理ユニット(35)へ送信するようになっている第1のインタフェースコンポーネント(46)と、
を備える衛星信号受信器。
【請求項2】
前記第1の処理ユニット(44)が、更に、前記測定コンポーネント(43)の測定結果を前記もう1つの処理ユニット(35)における位置情報計算に適した形式に変換するソフトウェア(45)を実行するようになっている請求項1に記載の衛星信号受信器。
【請求項3】
前記測定コンポーネント(43)が、前記もう1つの処理ユニット(35)によって供給された制御パラメータに応じて、少なくとも2つの異なる衛星測位システムの衛星(21)によって送信された受信衛星信号に関する測定を実行するようになっている請求項1に記載の衛星信号受信器。
【請求項4】
前記第1のインタフェースコンポーネント(46)が、制御データの受信及び測定結果の送信用に専用のプロトコルを採用するようになっている請求項1に記載の衛星信号受信器。
【請求項5】
前記第1の処理ユニット(44)が、自立型測位、ネットワークアシスト型測位、ネットワークベース型測位の測位モードのうちの少なくとも2つに関する測定結果を供給するために前記測定コンポーネント(43)を制御するようになっている請求項1に記載の衛星信号受信器。
【請求項6】
第1の処理ユニット(44)が、前記少なくとも2つの測位モードのそれぞれに関して本質的に同じ方法で前記測位コンポーネント(43)を制御するようになっている請求項5に記載の衛星信号受信器。
【請求項7】
衛星による測位を支援する移動体装置(20)であって、
−請求項1に記載の衛星信号受信器(40)と、
−前記もう1つの処理ユニット(35)であって、前記測定コンポーネント(43)用に制御パラメータを生成する制御ソフトウェア(33)及び前記測定コンポーネント(43)によって供給された測定結果を処理する評価ソフトウェア(32)を実行するようになっている前記もう1つの処理ユニット(35)と、
−前記もう1つのインタフェースコンポーネント(34)であって、前記もう1つの処理ユニット(35)によって生成された制御パラメータを前記第1のインタフェースコンポーネント(46)へ転送し、前記第1のインタフェースコンポーネント(46)から受信した測定結果を前記もう1つの処理ユニット(35)へ送信するようになっている前記もう1つインタフェースコンポーネント(34)と、
を備える移動体装置。
【請求項8】
前記制御ソフトウェア(33)が、前記測定コンポーネント(43)用の制御パラメータを、前記衛星信号受信器(40)に適した形式で生成するようになっている請求項7に記載の移動体装置。
【請求項9】
前記制御ソフトウェア(33)が、プロトコルに依存せず前記衛星信号受信器(40)に適する形式へ入手可能な支援データを変換することによって、前記測定コンポーネント(43)用の制御パラメータを生成するようになっている請求項8に記載の移動体装置。
【請求項10】
前記第1のインタフェースコンポーネント(46)が、更に、衛星測位に関係のない前記測定コンポーネント(43)からの測定結果を前記もう1つのインタフェースコンポーネント(34)へ送信するようになっており、前記もう1つのインタフェースコンポーネント(34)が、前記第1のインタフェースコンポーネント(46)から受信した前記測定結果を前記もう1つの処理ユニット(35)へ送信するようになっている請求項7に記載の移動体装置。
【請求項11】
前記第1の処理ユニット(44)及び前記第2の処理ユニット(35)が、自立型測位、ネットワークアシスト型測位、及びネットワークベース型測位の測位モードのうちの少なくとも2つに対応するようになっており、前記第1の処理ユニット(44)が、前記少なくとも2つの測位モードのそれぞれに関して本質的には同じ方法で前記測定コンポーネント(43)を制御するようになっており、前記第2の処理ユニット(35)が、前記少なくとも2つの測位モードのそれぞれに関して本質的には同じ方法で測定結果の前記処理を実行するようになっている請求項7に記載の移動体装置。
【請求項12】
前記移動体装置(20)は、移動体通信デバイス(20)を備え、前記制御ソフトウェア(33)及び前記評価ソフトウェア(32)が、移動体通信ネットワークを介した前記移動体通信デバイス(20)の通信を支援するようになっているソフトウェア内に実装される請求項7に記載の移動体装置。
【請求項13】
前記移動体装置(20)が移動体通信デバイス(20)である請求項7に記載の移動体装置。
【請求項14】
前記移動体装置は、前記もう1つの処理ユニット及び前記もう1つのインタフェースコンポーネントを含んだ移動体通信デバイスを備え、前記衛星信号受信器が、前記移動体通信デバイスの付属デバイスである請求項7に記載の移動体装置。
【請求項15】
衛星による測位を支援する移動体装置(20)用のインタフェース(50)であって、前記移動体装置(20)が、測定コンポーネント(43)及び第1の処理ユニット(44)を含む衛星信号受信器(40)を備え、更に前記移動体装置(20)がもう1つの処理ユニット(35)を備え、
−前記インタフェース(50)が、前記衛星信号受信器(40)と前記もう1つの処理ユニット(35)との間の通信を可能にするように構成されており、
−前記インタフェース(50)が、前記衛星信号受信器(40)の中の第1のインタフェースコンポーネント(46)と、もう1つのインタフェースコンポーネント(34)とを備え、
−前記第1のインタフェースコンポーネント(46)が、前記もう1つのインタフェースコンポーネント(34)から制御パラメータを受信し、前記制御パラメータを前記第1の処理ユニット(44)へ供給し、前記測定コンポーネント(43)から得た測定結果を前記もう1つのインタフェースコンポーネント(34)へ送信するようになっており、
−前記もう1つのインタフェースコンポーネント(34)が、前記もう1つの処理ユニット(35)によって生成された制御パラメータを前記第1のインタフェースコンポーネント(46)へ転送し、前記第1のインタフェースコンポーネント(46)から受信した測定結果を前記もう1つの処理ユニット(35)へ送信するようになっているインタフェース。
【請求項16】
前記第1のインタフェースコンポーネント(46)が、更に、衛星測位に関係のない前記測定コンポーネント(43)からの測定結果を前記もう1つのインタフェースコンポーネント(34)へ送信するようになっており、前記もう1つのインタフェースコンポーネント(34)が、前記第1のインタフェースコンポーネント(46)から受信した前記測定結果を前記もう1つの処理ユニット35へ送信するようになっている請求項15に記載のインタフェース。
【請求項17】
移動体装置(20)において衛星による測位を支援する方法であって、前記移動体装置(20)が、測定コンポーネント(43)及び第1の処理ユニット(44)を含む衛星信号受信器(40)を備え、前記移動体装置(20)がもう1つの処理ユニット(35)を備え、
−前記もう1つの処理ユニット(35)において前記衛星信号受信器(40)用の制御パラメータを生成するステップ、及び前記制御パラメータをインタフェース(50)を介して前記衛星信号受信器(40)へ転送するステップと、
−前記衛星信号受信器(40)において、前記第1の処理ユニット(44)を用い、前記の転送された制御パラメータに基づいて、前記測定コンポーネント(43)による受信衛星信号の測定を制御するステップと、
−前記測定コンポーネント(43)の測定結果を、前記インタフェース(50)を介して前記もう1つの処理ユニット(35)へ転送するステップと、
−前記もう1つの処理ユニットにおいて前記の転送された測定結果を処理するステップと、
を含む方法。
【請求項18】
衛星による測位を支援する移動体装置(20)用のソフトウェアコード(32、33)であって、前記移動体装置(20)が、測定コンポーネント(43)及び第1の処理ユニット(44)を含む衛星信号受信器(40)を備え、前記移動体装置(20)がもう1つの処理ユニット(35)を備え、前記ソフトウェアコード(32、33)が、前記もう1つの処理ユニット(35)の中で動作しているときに、以下の各ステップ、すなわち
−前記衛星信号受信器(40)用の制御パラメータを生成するステップ、及び前記制御パラメータをインタフェース(50)を介して前記衛星信号受信器(40)へ転送するようにするステップと、
−前記衛星信号受信器(40)から前記インタフェース(50)を介して受信した測定結果を処理するステップと、
を実現するソフトウェアコード。
【請求項19】
請求項18に記載のソフトウェアコード(32、33)が格納されたソフトウェアプログラム製品。
【請求項20】
衛星による測位を支援する移動体装置(20)用のソフトウェアコード(45)であって、前記移動体装置が、測定コンポーネント(43)及び第1の処理ユニット(44)を含む衛星信号受信器(40)を備え、前記移動体装置がもう1つの処理ユニット(35)を備え、前記ソフトウェアコード(45)が、前記第1の処理ユニット(44)の中で動作しているときに、以下の各ステップ、すなわち、
−インタフェース(50)を介して前記もう1つの処理ユニット(35)によって供給された制御パラメータに基づいて、前記測定コンポーネント(43)による受信衛星信号の測定を制御するステップと、
−前記測定コンポーネント(43)の測定結果を前記インタフェース(50)を介して前記もう1つの処理ユニット(35)へ転送するようにするステップと、
を実現するソフトウェアコード。
【請求項21】
請求項20に記載のソフトウェアコード(45)が格納されたソフトウェアプログラム製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−532008(P2008−532008A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−556667(P2007−556667)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【国際出願番号】PCT/IB2005/000505
【国際公開番号】WO2006/090200
【国際公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(398012616)ノキア コーポレイション (1,359)
【Fターム(参考)】