説明

衛星放送受信装置、および衛星放送受信方法、並びにプログラム

【課題】衛星放送の2つの番組を受信可能とした装置および方法を提供する。
【解決手段】制御部が複数の異なる衛星放送信号を時系列に切り替える制御信号をアンテナに出力し、選局部が、アンテナから入力する複数の放送信号の各々から特定番組を含むトランスポンダをそれぞれ選択し、デマルチプレクサが、選局部の選局した複数のトランスポンダの各々から、特定の番組データを抽出する。例えば、第1衛星の出力する垂直偏波信号に含まれる1つの番組と、第2衛星の出力する水平偏波信号に含まれる第2の番組を時分割で受信して、1つはテレビに出力し、1つは録画するといった処理が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、衛星放送受信装置、および衛星放送受信方法、並びにプログラムに関する。特に、複数番組の受信を行うことを可能とした衛星放送受信装置、および衛星放送受信方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、テレビ番組の放送の一部は衛星を介して行われている。
衛星の送信信号は、例えば各家庭に備えられたアンテナ(パラボラアンテナ)によって受信された後、チューナにおいて選局がなされて、テレビなどに出力される。
【0003】
現在、例えば、日本の衛星放送システムでは、複数の衛星が利用され、複数の衛星から垂直偏波信号や、水平偏波信号等の異なる信号形式を用いて多数のチャンネルに対応する多数のコンテンツ(番組)が放送されている。
各家庭のアンテナでは、例えば、ユーザがチューナに入力した番組選択情報に応じてチューナから入力される制御信号に応じて、選択番組を送信中の衛星および信号形式の放送波を受信可能な設定に制御し、ユーザの選択した番組を含む放送波を選択受信して受信信号をアンテナからチューナに出力する。
【0004】
このようにして、複数の衛星から送信される複数の番組から1つの番組を選択してテレビに表示する等の処理を行っている。
なお、衛星放送システムを開示した従来技術としては、例えば特許文献1(特開2000−68952号公報)や、特許文献2(特開2000−13762号公報)がある。
【0005】
しかしながら、上述したように、アンテナは、複数の衛星から送信される垂直偏波信号や、水平偏波信号等の異なる信号を受信可能であるが、アンテナからチューナに出力される信号はその中の1つの信号のみとなる。
【0006】
例えば、2つの衛星として、第1衛星、第2衛星が利用され、それぞれにおいて垂直偏波信号、水平偏波信号を利用した構成では、アンテナは以下の4つの信号を受信可能となる。
(1)第1衛星の垂直偏波信号(1V)
(2)第1衛星の水平偏波信号(1H)
(3)第2衛星の垂直偏波信号(2V)
(4)第2衛星の水平偏波信号(2H)
【0007】
各家庭に備えられた、アンテナではこれらの4つの信号を受信することができる。しかし、アンテナからチューナに出力可能な信号は、ユーザによって選択された番組が含まれる1つの信号のみとなる。
【0008】
チューナは、ユーザによって選択された番組を含む信号のみをアンテナによって受信させるための制御信号をアンテナに出力して、アンテナの受信設定を変更して1つの信号のみを受信させる。
例えば具体的には、DCレベルや変調信号の重畳の有無等によって、上記4つの信号を識別して1つの信号のみを選択受信して、チューナに出力する。
このような設定であるため、チューナ側では、同時に2つの異なるコンテンツ(番組)の受信ができず、例えば、1つの番組をテレビで視聴し、別の裏番組を録画するといったことができないといった問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−68952号公報
【特許文献2】特開2000−13762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本開示は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、複数の衛星放送信号を受信可能とする衛星放送受信装置、および衛星放送受信方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の第1の側面は、
複数の異なる衛星放送信号を時系列に切り替える制御信号をアンテナに出力する制御部と、
前記アンテナから入力する複数の放送信号の各々から特定番組を含むトランスポンダをそれぞれ選択する選局部と、
前記選局部の選局した複数のトランスポンダの各々から、特定の番組データを抽出するデマルチプレクサを有する衛星放送受信装置にある。
【0012】
さらに、本開示の一実施態様において、前記制御部は、入力部を介して入力される複数番組の選択情報に応じて、選択された複数番組を受信可能とした制御信号をアンテナに出力する。
【0013】
さらに、本開示の一実施態様において、前記制御部は、複数の異なる衛星からの衛星放送信号の切り替え制御信号、または同一の衛星からの垂直偏波信号と水平偏波信号の切り替え制御信号の少なくともいずれかの制御信号をアンテナに出力する。
【0014】
さらに、本開示の一実施態様において、前記選局部は、前記アンテナから入力する複数の放送信号の各々の受信期間単位で、特定番組を含むトランスポンダをそれぞれ選択し、第1の放送信号の受信期間の信号から特定の第1番組を含む第1のトランスポンダの選択を行い、第2の放送信号の受信期間の信号から特定の第2番組を含む第2のトランスポンダの選択を行う。
【0015】
さらに、本開示の一実施態様において、前記デマルチプレクサは、前記選局部が第1の放送信号の受信期間の信号から選択した第1のトランスポンダから、特定の第1番組を含むデータを抽出し、前記選局部が第2の放送信号の受信期間の信号から選択した第2のトランスポンダから、特定の第2番組を含むデータを抽出する処理を実行する。
【0016】
さらに、本開示の一実施態様において、前記衛星放送受信装置は、さらに、前記デマルチプレクサの抽出した番組データに対する信号処理を実行する信号処理部を有する。
【0017】
さらに、本開示の一実施態様において、前記制御部は、放送信号に設定された同期信号に基づいて、各放送信号の受信期間を設定した制御信号を生成して前記アンテナに出力する。
【0018】
さらに、本開示の第2の側面は、
衛星放送受信装置において実行する衛星放送受信方法であり、
制御部が、複数の異なる衛星放送信号を時系列に切り替える制御信号をアンテナに出力するステップと、
選局部が、前記アンテナから入力する複数の放送信号の各々から特定番組を含むトランスポンダをそれぞれ選択する選局ステップと、
デマルチプレクサが、前記選局部の選局した複数のトランスポンダの各々から、特定の番組データを抽出するステップを実行する衛星放送受信方法にある。
【0019】
さらに、本開示の第3の側面は、
衛星放送受信装置において衛星放送受信処理を実行させるプログラムであり、
制御部に、複数の異なる衛星放送信号を時系列に切り替える制御信号をアンテナに出力させるステップと、
選局部に、前記アンテナから入力する複数の放送信号の各々から特定番組を含むトランスポンダをそれぞれ選択させる選局ステップと、
デマルチプレクサに、前記選局部の選局した複数のトランスポンダの各々から、特定の番組データを抽出させるステップを実行させるプログラムにある。
【0020】
なお、本開示のプログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な情報処理装置やコンピュータ・システムに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体によって提供可能なプログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、情報処理装置やコンピュータ・システム上でプログラムに応じた処理が実現される。
【0021】
本開示のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本開示の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【発明の効果】
【0022】
本開示の一実施例の構成によれば、衛星放送の2つの番組を受信可能とした装置および方法が実現される。
具体的には、例えば制御部が複数の異なる衛星放送信号を時系列に切り替える制御信号をアンテナに出力し、選局部が、アンテナから入力する複数の放送信号の各々から特定番組を含むトランスポンダをそれぞれ選択し、デマルチプレクサが、選局部の選局した複数のトランスポンダの各々から、特定の番組データを抽出する。例えば、第1衛星の出力する垂直偏波信号に含まれる1つの番組と、第2衛星の出力する水平偏波信号に含まれる第2の番組を時分割で受信して、1つはテレビに出力し、1つは録画するといった処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】衛星放送の受信システムの全体構成について説明する図である。
【図2】衛星放送の放送信号の構成例について説明する図である。
【図3】衛星放送の受信装置の構成例について説明する図である。
【図4】衛星放送を受信するアンテナの構成例について説明する図である。
【図5】衛星放送を受信するチューナの構成と処理例について説明する図である。
【図6】本開示に従った衛星放送の受信装置の構成例について説明する図である。
【図7】衛星放送の受信処理例について説明する図である。
【図8】衛星放送の受信処理例について説明する図である。
【図9】衛星放送の受信処理例について説明する図である。
【図10】衛星放送の受信処理例について説明する図である。
【図11】衛星放送の受信装置の構成例について説明する図である。
【図12】同期信号を持つ放送信号の構成例について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら本開示の衛星放送受信装置、および衛星放送受信方法、並びにプログラムの詳細について説明する。なお、説明は以下の項目に従って行う。
1.衛星放送システムの概要について
2.複数番組を受信可能とした衛星放送の受信処理構成について
3.衛星放送受信装置の構成例について
4.同期信号を持つ放送信号の例について
5.本開示の構成のまとめ
【0025】
[1.衛星放送システムの概要について]
まず、図1以下を参照して一般的な衛星放送システムの概要について説明する。
図1には、TV放送用の信号を出力する2つの衛星と、例えば家庭に備えられた受信用のアンテナ21とアンテナの受信信号を入力してテレビなどに出力するための出力信号を生成するチューナ22を示している。
【0026】
図1に示す2つの衛星、第1衛星11、第2衛星12の各々は、図に示すように、2つの異なる信号、すなわち、垂直偏波信号と、水平偏波信号を並列に出力している。
従って、アンテナ21は以下の4つの信号を受信可能となる。
(1)第1衛星の垂直偏波信号(1V)
(2)第1衛星の水平偏波信号(1H)
(3)第2衛星の垂直偏波信号(2V)
(4)第2衛星の水平偏波信号(2H)
各家庭に備えられた、アンテナ21ではこれらの4つの信号を受信することができる。
【0027】
これらの4つの信号には、様々なチャンネルに対応したコンテンツ(番組)が含まれる。具体例について、図2を参照して説明する。
図2には、上記の4つの信号、すなわち、
(1)第1衛星の垂直偏波信号(1V)
(2)第1衛星の水平偏波信号(1H)
(3)第2衛星の垂直偏波信号(2V)
(4)第2衛星の水平偏波信号(2H)
これらの信号の具体的な設定例を示している。
【0028】
例えば、図2に示す(1V)は、第1衛星の垂直偏波信号(1V)の構成を示している。
第1衛星の垂直偏波信号(1V)は複数のトランスポンダ(Tr#n)によって構成されている。
1つのトランスポンダには複数の番組コンテンツが含まれる。図2示すA,B,C・・・、ア、イ、ウ、・・・がそれぞれ、ユーザの選択可能な番組(チャンネル)に対応する。ユーザはこれらの番組単位での番組選択が可能となる。
【0029】
第1衛星の垂直偏波信号(1V)には、以下の複数のトランスポンダが含まれる。
番組A〜Cを含むトランスポンダ(Tr#1)
番組D〜Fを含むトランスポンダ(Tr#2)
番組G〜Iを含むトランスポンダ(Tr#3)

【0030】
同様に、第1衛星の水平偏波信号(1H)にも、以下の複数のトランスポンダが含まれる。
番組ア〜ウを含むトランスポンダ(Tr#1)
番組エ〜カを含むトランスポンダ(Tr#2)
番組キ〜ケを含むトランスポンダ(Tr#3)

【0031】
その他の各信号にも、複数の番組を含む複数のトランスポンダが設定されている。
ユーザはトランスポンダに含まれる番組単位での番組選択が可能となる。
具体的には、ユーザがチューナ22の入力部を介して「番組A」の視聴を選択した場合の処理について図3を参照して説明する。
【0032】
ユーザがチューナ22の入力部を介して「番組A」の視聴を選択した場合、チューナ22は、図3に示すように、アンテナ21に対して、第1衛星の垂直偏波信号(1V)を受信可能とするための制御信号を出力する。
【0033】
アンテナ21は、この制御信号に従って、受信設定を制御して、第1衛星の垂直偏波信号(1V)のみを受信する設定に調整される。
この結果、アンテナ21は、第1衛星の垂直偏波信号(1V)のみを受信してチューナ22に出力する。
【0034】
アンテナ21は、例えば図4に示すように、
(1)第1衛星の垂直偏波信号(1V)
(2)第1衛星の水平偏波信号(1H)
(3)第2衛星の垂直偏波信号(2V)
(4)第2衛星の水平偏波信号(2H)
これらの各信号を受信する受信部31と、これらの信号を通過させるRFアンプ部32と、ローカル発振器33と、IFアンプ34、出力部35を有する。
【0035】
RFアンプ部32は、チューナ22から入力する選択番組に応じた制御信号に応じて、1つの信号のみを通過させるように選択的に動作する。この選択動作によって、上記(1)〜(4)のいずれか1つの信号のみが出力部35を介してチューナ22に入力される。
【0036】
図5を参照して、チューナ22におけるその後の処理について説明する。
図5は、ユーザがチューナ22の入力部を介して「番組A」の視聴を選択し、チューナ22が、図3に示すように、アンテナ21に対して、第1衛星の垂直偏波信号(1V)を受信可能とするための制御信号を出力し、アンテナ21が第1衛星の垂直偏波信号(1V)のみを受信してチューナ22に出力した場合の処理を示している。
【0037】
チューナ22には、アンテナから第1衛星の垂直偏波信号(1V)が入力される。この信号(1V)は、図2を参照して説明したように、
番組A〜Cを含むトランスポンダ(Tr#1)
番組D〜Fを含むトランスポンダ(Tr#2)
番組G〜Iを含むトランスポンダ(Tr#3)

これらの複数のトランスポンダによって構成されている。
【0038】
チューナの選局部51では、
これらのトランスポンダから、ユーザの選択した番組を含むトランスポンダを選択する。例えば、各トランスポンダは異なる周波数の信号によって構成され、ユーザの選択した「番組A」を含むトランスポンダを周波数に基づいて選択する。
【0039】
図に示す例では、
ユーザの選択した「番組A」を含むトランスポンダは、トランスポンダ(Tr#1)であり、トランスポンダ(Tr#1)が選択される。
選択したトランスポンダ(Tr#1)には、番組A〜Cが含まれる。
この選択トランスポンダ(Tr#1)は、チューナ22のデマルチプレクサ(DMUX)52に入力され、ユーザの選択した「番組A」の構成パケットのみを選択する処理を実行する。
【0040】
1つのトランスポンダには複数の番組(コンテンツ)のパケットが混在するが、各パケットには、パケットID(PID)が設定され、デマルチプレクサ(DMUX)52は、各パケットに設定されたPIDに基づいて、ユーザの選択した「番組A」のパケットのみを選択する。
【0041】
このように選択された番組Aのパケットは、次に、チューナ22の信号処理部53に入力される。
信号処理部53では、例えばスクランブル解除処理としてのデスクランブル処理や、デコード処理等の信号処理を実行し、表示装置に出力可能な「番組A」の映像データと音声データを生成して出力する。出力データは例えばテレビ等の表示装置やスピーカを介して出力される。
【0042】
ここまで、一般的な衛星放送の受信処理、出力処理について説明した。
上記の説明から明らかなように、
アンテナは、複数の信号、例えば、図1に示す例では、
(1)第1衛星の垂直偏波信号(1V)
(2)第1衛星の水平偏波信号(1H)
(3)第2衛星の垂直偏波信号(2V)
(4)第2衛星の水平偏波信号(2H)
これらの4つの信号を受信することができる。
【0043】
しかし、アンテナからチューナに出力可能な信号は、ユーザによって選択された番組が含まれる1つの信号のみとなり、例えば、1つの番組をテレビで見て、同時に放送されている別の裏番組を録画するといったことができない。
以下では、このような問題を解決する構成例について説明する。
【0044】
[2.複数番組を受信可能とした衛星放送の受信処理構成について]
次に、複数番組を受信可能とした衛星放送の受信処理構成について説明する。
図6以下を参照して、複数番組を受信可能とした衛星放送受信装置の構成例について説明する。
【0045】
図6に示す構成は、先に図1、図2を参照して説明した一般的な衛星放送の受信システムと同様、アンテナ100と、チューナ200からなる構成を示している。
以下、説明する例は、アンテナ100は、先に図1、図2を参照して説明したと同様、2つの衛星から以下の4つの信号を受信できる構成を持つものとする。
(1)第1衛星の垂直偏波信号(1V)
(2)第1衛星の水平偏波信号(1H)
(3)第2衛星の垂直偏波信号(2V)
(4)第2衛星の水平偏波信号(2H)
【0046】
図3を参照して説明した構成との違いは、チューナ200が、アンテナ100に対して出力する制御信号である。
図6に示すチューナ200は、アンテナ100に対して、上記4つの信号((1V),(1H),(2V),(2H))から複数の信号を順次切り替えて受信することを可能とする制御信号を出力する。
【0047】
例えば、図6に示すように、
(1)第1衛星の垂直偏波信号(1V)
(2)第1衛星の水平偏波信号(1H)
これらの2つの異なる信号を交互に受信可能とするための制御信号を時系列に変更して出力する。
【0048】
具体的な制御信号の例を図7に示す。
図7には、チューナ200がアンテナ100に出力する2つの制御信号の例(a),(b)を示している。すなわち、
(a)第1衛星−垂直偏波信号(1V)と、第1衛星−水平偏波信号(1H)の交互受信を実行させる制御信号
(b)第1衛星−垂直偏波信号(1V)と、第2衛星−水平偏波信号(2H)の交互受信を実行させる制御信号、
これらの2つの例である。
【0049】
例えば、(a)に示す例では、
時間t1〜t2:第1衛星−垂直偏波信号(1V)の受信設定、
時間t2〜t3:第1衛星−水平偏波信号(1H)の受信設定、
時間t3〜t4:第1衛星−垂直偏波信号(1V)の受信設定、
時間t4〜t5:第1衛星−水平偏波信号(1H)の受信設定、

以下、同様に交互に受信設定を切り替えるための制御信号がチューナ200からアンテナ100に出力される。
【0050】
この設定の制御信号を入力したアンテナ100は、以下のような時分割の信号受信を行うことになる。
時間t1〜t2:第1衛星−垂直偏波信号(1V)の受信、
時間t2〜t3:第1衛星−水平偏波信号(1H)の受信、
時間t3〜t4:第1衛星−垂直偏波信号(1V)の受信、
時間t4〜t5:第1衛星−水平偏波信号(1H)の受信、

以下、同様に交互に異なる放送信号を受信する。
【0051】
また、図7(b)に示す例では、
時間t1〜t2:第1衛星−垂直偏波信号(1V)の受信設定、
時間t2〜t3:第2衛星−水平偏波信号(2H)の受信設定、
時間t3〜t4:第1衛星−垂直偏波信号(1V)の受信設定、
時間t4〜t5:第2衛星−水平偏波信号(2H)の受信設定、

以下、同様に交互に受信設定を切り替えるための制御信号がチューナ200からアンテナ100に出力される。
【0052】
この設定の制御信号を入力したアンテナ100は、以下のような時分割の信号受信を行うことになる。
時間t1〜t2:第1衛星−垂直偏波信号(1V)の受信、
時間t2〜t3:第2衛星−水平偏波信号(2H)の受信、
時間t3〜t4:第1衛星−垂直偏波信号(1V)の受信、
時間t4〜t5:第2衛星−水平偏波信号(2H)の受信、

以下、同様に交互に異なる放送信号を受信する。
【0053】
このようにアンテナ100は、チューナ200から入力する制御信号に基づいて受信する放送波を順次、切り替えて、チューナ200に提供する。
【0054】
なお、図6に示す例では、チューナ200側で、複数の設定変更用の制御信号を交互に出力する設定としているが、例えば、アンテナ100側にコマンド解釈機能等が備わっている場合には、チューナは予め既定した制御信号識別情報のみを出力し、アンテナ100側のデータ処理部において、識別情報をら解釈して受信設定の交互切り替えを実行する構成としてもよい。
【0055】
ここでは、図6に示すように、チューナ200が、複数の異なる信号の受信設定を実行させる制御信号を順次切り替えて出力するものとして説明する。
アンテナ100は、チューナ200からの制御信号に応じて、複数の異なる信号の受信設定を順次切り替える。
以下では、図6、図7(a)に示すように、
(1)第1衛星の垂直偏波信号(1V)、
(2)第1衛星の水平偏波信号(1H)、
これら2つの放送波の受信切り替え情報からなる制御信号を利用した場合の処理例について説明する。
【0056】
上記の制御により、チューナ200には、
(1)第1衛星の垂直偏波信号(1V)、
(2)第1衛星の水平偏波信号(1H)、
これらの2つの信号が交互に入力される。
この2つの信号が交互に入力されるチューナ200における処理について、図8以下を参照して説明する。
【0057】
図8は、チューナ200内の選局部201の処理を示している。
チューナ200には、アンテナ100から、
(1)第1衛星の垂直偏波信号(1V)、
(2)第1衛星の水平偏波信号(1H)、
これらの2つの信号が交互に入力される。
図8に示す入力データ301はチューナ200に対する入力データである。
ただし、図8に示す入力データ301には、
(1)第1衛星の垂直偏波信号(1V)、
(2)第1衛星の水平偏波信号(1H)、
これらの全体を示しているが、これらの全てがチューナ200に入力されるのではなく、上記(1V),(1H)の各信号が時分割で交互に入力される。
【0058】
選局部201は、時分割で交互に入力される(1V),(1H)の各信号から特定の2つの番組(チャンネル)を含むトランスポンダの選択を行う。
【0059】
(1)第1衛星の垂直偏波信号(1V)は、図2を参照して説明したように、
番組A〜Cを含むトランスポンダ(Tr#1)
番組D〜Fを含むトランスポンダ(Tr#2)
番組G〜Iを含むトランスポンダ(Tr#3)

これらの複数のトランスポンダによって構成されている。
【0060】
また、
(2)第1衛星の水平偏波信号(1H)は、
番組ア〜ウを含むトランスポンダ(Tr#1)
番組エ〜カを含むトランスポンダ(Tr#2)
番組キ〜ケを含むトランスポンダ(Tr#3)

これらの複数のトランスポンダによって構成されている。
【0061】
チューナ200の選局部201では、
これらのトランスポンダから、ユーザの選択した番組を含むトランスポンダを選択する。
ここでは、ユーザが、
テレビ表示用の番組として「番組A」を選択し、
録画用の番組として「番組ク」を選択、
これらの2つの番組を選択したものとして説明する。
【0062】
選局部201は、これらの2つの番組「番組A」と「番組ク」の選択情報に従って、各受信信号の各トランスポンダから、2つの番組の選択処理を実行する。
前述したように、例えば、各トランスポンダは異なる周波数の信号によって構成され、選局部201では、ユーザの選択した「番組A」と「番組ク」を含むトランスポンダの周波数に基づくトランスポンダ選択処理を実行する。
【0063】
ユーザの選択した「番組A」を含むトランスポンダは、
第1衛星の垂直偏波信号(1V)のトランスポンダ(1V−Tr#1)であり、第1衛星の垂直偏波信号(1V)の受信期間においては、第1衛星の垂直偏波信号(1V)のトランスポンダ(1V−Tr#1)が選択される。
また、ユーザの選択した「番組ク」を含むトランスポンダは、
第1衛星の水平偏波信号(1H)のトランスポンダ(1H−Tr#3)であり、第1衛星の水平偏波信号(1H)の受信期間においては、第1衛星の水平偏波信号(1H)のトランスポンダ(1H−Tr#3)が選択される。
【0064】
図8に示す選局データ302が、選局部201において実行される2つの放送信号の2つのトランスポンダ、すなわち、
(1)第1衛星の垂直偏波信号(1V)のトランスポンダ(Tr#1)、
(2)第1衛星の水平偏波信号(1H)のトランスポンダ(Tr#3)、
これらの2つのトランスポンダの選択処理例を示している。
【0065】
図8に示す選局データ302は、横軸が時間(t)であり、
各時間(t1〜t7)において、2つの放送波に含まれる2つのトランスポンダの受信期間と非受信期間を区別して示している。
【0066】
各トランスポンダの受信期間は、図7(a)に示す対応と同様であり、以下の設定となる。
t1〜t2:第1衛星の垂直偏波信号(1V)のトランスポンダ(Tr#1)の受信期間、
t2〜t3:第1衛星の水平偏波信号(1h)のトランスポンダ(Tr#3)の受信期間、
t3〜t4:第1衛星の垂直偏波信号(1V)のトランスポンダ(Tr#1)の受信期間、
t4〜t5:第1衛星の水平偏波信号(1h)のトランスポンダ(Tr#3)の受信期間、
以下、交互に受信信号が切り替えられる。
【0067】
図に示すように、
第1衛星の垂直偏波信号(1V)のトランスポンダ(Tr#1)は、番組A〜Cを含み、
第1衛星の水平偏波信号(1H)のトランスポンダ(Tr#3)は、番組キ〜ケを含む。
【0068】
ここで、各トランスポンダにおける番組の送信シーケンスは、
第1衛星の垂直偏波信号(1V)のトランスポンダ(Tr#1)では、
A,B,C,A,B,C,A,B・・・
このように、各番組を含むパケットをシーケンシャルに時分割送信している。
同様に、
第1衛星の水平偏波信号(1H)のトランスポンダ(Tr#3)では、
キ,ク,ケ,キ,ク,ケ,キ,ク・・・
このように、各番組を含むパケットをシーケンシャルに時分割送信している。
【0069】
従って、図8に示す選局データ302のように、
第1衛星の垂直偏波信号(1V)の受信期間に「番組A」、
第1衛星の水平偏波信号(1H)の受信期間に「番組ク」、
これら2つの番組対応のデータ(パケット)を受信することが可能となる。
【0070】
選局部201は、図8に示す選局データ302のように、
第1衛星の垂直偏波信号(1V)の受信期間に「番組A」を含むトランスポンダ(Tr#1)を選択し、
第1衛星の水平偏波信号(1H)の受信期間に「番組ク」を含むトランスポンダ(Tr#3)を選択する。
【0071】
すなわち、
t1〜t2:第1衛星の垂直偏波信号(1V)から、「番組A」を含むトランスポンダ(Tr#1)を選択、
t2〜t3:第1衛星の水平偏波信号(1H)から、「番組ク」を含むトランスポンダ(Tr#3)を選択、
t3〜t4:第1衛星の垂直偏波信号(1V)から、「番組A」を含むトランスポンダ(Tr#1)を選択、
t4〜t5:第1衛星の水平偏波信号(1H)から、「番組ク」を含むトランスポンダ(Tr#3)を選択、
以下、同様の処理を繰り返す。
【0072】
選局部201は、これら、2つの放送波から交互に選択したトランスポンダをチューナ200のデマルチプレクサ(DMUX)202に提供する。
【0073】
チューナ200のデマルチプレクサ(DMUX)202の処理について、図9を参照して説明する。
デマルチプレクサ(DMUX)202は、選局部201が選択したトランスポンダである選局データ302を受領する。
【0074】
選局データ302は、先に図8を参照して説明したように、
第1衛星の垂直偏波信号(1V)の「番組A」を含むトランスポンダ(Tr#1)、
第1衛星の水平偏波信号(1H)の「番組ク」を含むトランスポンダ(Tr#3)、
これらのデータが交互に含まれるデータである。
【0075】
デマルチプレクサ(DMUX)202は、これらの各トランスポンダから、ユーザの選択した「番組A」と「番組ク」のデータ(パケット)のみを選択する処理を実行する。
【0076】
各受信期間に受信したトランスポンダには、ユーザの選択した「番組A」と「番組ク」以外の番組(コンテンツ)のパケットも混在するが、各パケットには、パケットID(PID)が設定され、デマルチプレクサ(DMUX)202は、各パケットに設定されたPIDに基づいて、ユーザの選択した番組のパケットのみを選択する。
【0077】
すなわち、以下のようなデータ選択処理を実行する。
t1〜t2:第1衛星の垂直偏波信号(1V)のトランスポンダ(Tr#1)から「番組A」のデータ(パケット)を選択、
t2〜t3:第1衛星の水平偏波信号(1H)のトランスポンダ(Tr#3)から「番組ク」のデータ(パケット)を選択、
t3〜t4:第1衛星の垂直偏波信号(1V)のトランスポンダ(Tr#1)から「番組A」のデータ(パケット)を選択、
t4〜t5:第1衛星の水平偏波信号(1H)のトランスポンダ(Tr#3)から「番組ク」のデータ(パケット)を選択、
以下、同様の処理を繰り返す。
【0078】
このように選択された結果が、図9に示す選択コンテンツ(選択番組)303である。
図9に示すように、選択コンテンツ303は、
番組A,303−1、
番組ク,303−2、
これらの2つの番組データとなる。
【0079】
これらの2つの番組のパケットは、次に、チューナ200の信号処理部203に入力される。
信号処理部203の処理例を図10に示す。
図10に示す信号処理部203では、例えばスクランブル解除処理としてのデスクランブル処理や、デコード処理等の信号処理を実行する。
本例では、2つの番組データ、すなわち、
番組A,303−1、
番組ク,303−2、
これらの2つの番組データに対して信号処理を実行する。
【0080】
信号処理装置203において信号処理のなされたコンテンツデータは、テレビなどの表示装置に出力され表示される。あるいはハードディスクなどの録画機器に出力され記録される。
図10に示す例では、
番組Aは、テレビ表示用のコンテンツとして出力し、
番組クは、録画用のコンテツとして記録部に出力した例を示している。
【0081】
このように、複数の異なる放送波をアンテナにおいて時分割受信し、チューナに出力し、チューナ側で受信期間の特定の番組データ抽出する処理を行うことで、2つの番組の受信を行うことが可能となる。
【0082】
[3.衛星放送受信装置の構成例について]
次に、上述した複数の番組受信を可能とした装置の構成例について図11を参照して説明する。
図11には、図6〜図10を参照して説明したアンテナ100とチューナ200の構成を示している。
【0083】
チューナ200は、選局部201、デマルチプレクサ(DMUX)202、信号処理部203、コントローラ(制御部)204、入力部205、メモリ206を有する。
【0084】
アンテナ100は、チューナ200のコントローラ(制御部)204の出力する制御信号に従って、複数の異なる放送波を時系列に切り替えて受信する。
コントローラ(制御部)204は、入力部205を介して入力されるユーザの複数の番組選択情報に応じて、複数の番組を受信するための制御信号をアンテナ100に出力する。
【0085】
選局部201は、先に図8を参照して説明した処理を実行する。
すなわち、選局部201は、時分割で交互に入力される複数の放送信号(例えば(1V),(1H),(2V),(2H)等の任意の組み合わせ)の各信号から、ユーザの選択した複数の番組(チャンネル)を含むトランスポンダの選択を行う。
【0086】
デマルチプレクサ(DMUX)202は、先に図9を参照して説明した処理を実行する。
すなわち、選局部201が選択したトランスポンダを受領し、さらに、トランスポンダから、ユーザの選択した番組対応のデータのみを選択する処理を行う。
例えば、図9を参照して説明した処理では、
各放送信号の受信期間に応じて、例えば以下の処理を行う。
t1〜t2:第1衛星の垂直偏波信号(1V)のトランスポンダ(Tr#1)から「番組A」のデータ(パケット)を選択、
t2〜t3:第1衛星の水平偏波信号(1H)のトランスポンダ(Tr#3)から「番組ク」のデータ(パケット)を選択、
このような処理によって、2つの番組データを選択する。
【0087】
信号処理部203は、先に図10を参照して説明した処理を実行する。
すなわち、デマルチプレクサ(DMUX)202から入力する番組データに対して、例えばスクランブル解除処理としてのデスクランブル処理や、デコード処理等の信号処理を実行する。
【0088】
メモリ206は、コントローラ(制御部)204の実行するプログラム、データ処理に必要となるデータの記録領域、制御信号の設定情報の格納領域等に用いられる。
【0089】
[4.同期信号を持つ放送信号の例について]
次に、同期信号を持つ放送信号の例について図12を参照して説明する。
先に説明したように、複数の放送信号を切り替えて受信する場合、1つの放送信号には受信期間と非受信期間が発生する。
図8等を参照して説明した処理例では、受信期間にユーザの選択した番組である「番組A」および「番組ク」が設定されるように受信期間を設定している。
【0090】
しかし、放送局によって送信される放送信号内の番組配列が変更される場合もあり、この番組配列についての情報を持たずに受信期間内に必要とする番組を確実に受信する制御を行うことは困難な場合がある。
【0091】
このような場合、図12に示す同期信号501を持つ放送信号を利用する。
例えば同期信号501から、
期間ta〜tb=番組x、
期間tb〜tc=番組y、
期間tc〜td=番組z、
このような設定情報(番組配列情報)を予め放送局から受信し、チューナのメモリに格納する。
【0092】
チューナのコントローラ(制御部)は、この設定情報(番組配列情報)に基づいて、各放送信号の受信期間と非受信期間を設定した制御信号を生成してアンテナに出力する。
このような制御を行うことで、ユーザの選択番組の番組データを確実に受信期間に受信することが可能となる。
【0093】
なお、放送局は、放送局の送出する番組情報から並列受信可能な番組リストを生成してユーザ側の受信機に提供し、例えば番組表に併せて表示可能として、視聴者に対して、並列受信可能な番組と並列受信できない番組とを識別させる構成としてもよい。
例えば、図12に示す放送信号において、視聴番組がAである場合、番組Aと受信期間が重ならない番組ク、ケは番組Aとともに受信し、例えば録画可能であるが、番組キは、番組Aと受信期間が重なるため、並列受信ができない。
このような並列受信可能な番組の組み合わせ情報、あるいは並列受信不可能な番組の組み合わせ情報をユーザ(視聴者)に提供することで、視聴者は間違いなく、確実に受信可能な番組の組み合わせを選択することが可能となる。
【0094】
[5.本開示の構成のまとめ]
以上、特定の実施例を参照しながら、本開示の実施例について詳解してきた。しかしながら、本開示の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本開示の要旨を判断するためには、特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0095】
なお、本明細書において開示した技術は、以下のような構成をとることができる。
(1)複数の異なる衛星放送信号を時系列に切り替える制御信号をアンテナに出力する制御部と、
前記アンテナから入力する複数の放送信号の各々から特定番組を含むトランスポンダをそれぞれ選択する選局部と、
前記選局部の選局した複数のトランスポンダの各々から、特定の番組データを抽出するデマルチプレクサを有する衛星放送受信装置。
【0096】
(2)前記制御部は、入力部を介して入力される複数番組の選択情報に応じて、選択された複数番組を受信可能とした制御信号をアンテナに出力する前記(1)に記載の衛星放送受信装置。
(3)前記制御部は、複数の異なる衛星からの衛星放送信号の切り替え制御信号、または同一の衛星からの垂直偏波信号と水平偏波信号の切り替え制御信号の少なくともいずれかの制御信号をアンテナに出力する前記(1)または(2)に記載の衛星放送受信装置。
【0097】
(4)前記選局部は、前記アンテナから入力する複数の放送信号の各々の受信期間単位で、特定番組を含むトランスポンダをそれぞれ選択し、第1の放送信号の受信期間の信号から特定の第1番組を含む第1のトランスポンダの選択を行い、第2の放送信号の受信期間の信号から特定の第2番組を含む第2のトランスポンダの選択を行う前記(1)〜(3)いずれかに記載の衛星放送受信装置。
(5)前記デマルチプレクサは、前記選局部が第1の放送信号の受信期間の信号から選択した第1のトランスポンダから、特定の第1番組を含むデータを抽出し、前記選局部が第2の放送信号の受信期間の信号から選択した第2のトランスポンダから、特定の第2番組を含むデータを抽出する処理を実行する前記(1)〜(4)いずれかに記載の衛星放送受信装置。
【0098】
(6)前記衛星放送受信装置は、さらに、前記デマルチプレクサの抽出した番組データに対する信号処理を実行する信号処理部を有する前記(1)〜(5)いずれかに記載の衛星放送受信装置。
(7)前記制御部は、放送信号に設定された同期信号に基づいて、各放送信号の受信期間を設定した制御信号を生成して前記アンテナに出力する前記(1)〜(6)いずれかに記載の衛星放送受信装置。
【0099】
また、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。例えば、プログラムは記録媒体に予め記録しておくことができる。記録媒体からコンピュータにインストールする他、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介してプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
【0100】
なお、明細書に記載された各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。また、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【産業上の利用可能性】
【0101】
以上、説明したように、本開示の一実施例の構成によれば、衛星放送の2つの番組を受信可能とした装置および方法が実現される。
具体的には、例えば制御部が複数の異なる衛星放送信号を時系列に切り替える制御信号をアンテナに出力し、選局部が、アンテナから入力する複数の放送信号の各々から特定番組を含むトランスポンダをそれぞれ選択し、デマルチプレクサが、選局部の選局した複数のトランスポンダの各々から、特定の番組データを抽出する。例えば、第1衛星の出力する垂直偏波信号に含まれる1つの番組と、第2衛星の出力する水平偏波信号に含まれる第2の番組を時分割で受信して、1つはテレビに出力し、1つは録画するといった処理が可能となる。
【符号の説明】
【0102】
11 第1衛星
12 第2衛星
21 アンテナ
22 チューナ
31 信号受信部
32 RFアンプ
33 ローカル発振器
34 IFアンプ
35 出力部
51 選局部
52 デマルチプレクサ(DMUX)
53 信号処理部
100 アンテナ
200 チューナ
201 選局部
202 デマルチプレクサ(DMUX)
203 信号処理部
204 コントローラ(制御部)
205 メモリ
206 入力部
501 同期信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の異なる衛星放送信号を時系列に切り替える制御信号をアンテナに出力する制御部と、
前記アンテナから入力する複数の放送信号の各々から特定番組を含むトランスポンダをそれぞれ選択する選局部と、
前記選局部の選局した複数のトランスポンダの各々から、特定の番組データを抽出するデマルチプレクサを有する衛星放送受信装置。
【請求項2】
前記制御部は、
入力部を介して入力される複数番組の選択情報に応じて、選択された複数番組を受信可能とした制御信号をアンテナに出力する請求項1に記載の衛星放送受信装置。
【請求項3】
前記制御部は、
複数の異なる衛星からの衛星放送信号の切り替え制御信号、または同一の衛星からの垂直偏波信号と水平偏波信号の切り替え制御信号の少なくともいずれかの制御信号をアンテナに出力する請求項1に記載の衛星放送受信装置。
【請求項4】
前記選局部は、
前記アンテナから入力する複数の放送信号の各々の受信期間単位で、特定番組を含むトランスポンダをそれぞれ選択し、
第1の放送信号の受信期間の信号から特定の第1番組を含む第1のトランスポンダの選択を行い、
第2の放送信号の受信期間の信号から特定の第2番組を含む第2のトランスポンダの選択を行う請求項1に記載の衛星放送受信装置。
【請求項5】
前記デマルチプレクサは、
前記選局部が第1の放送信号の受信期間の信号から選択した第1のトランスポンダから、特定の第1番組を含むデータを抽出し、
前記選局部が第2の放送信号の受信期間の信号から選択した第2のトランスポンダから、特定の第2番組を含むデータを抽出する処理を実行する請求項1に記載の衛星放送受信装置。
【請求項6】
前記衛星放送受信装置は、さらに、
前記デマルチプレクサの抽出した番組データに対する信号処理を実行する信号処理部を有する請求項1に記載の衛星放送受信装置。
【請求項7】
前記制御部は、
放送信号に設定された同期信号に基づいて、各放送信号の受信期間を設定した制御信号を生成して前記アンテナに出力する請求項1に記載の衛星放送受信装置。
【請求項8】
衛星放送受信装置において実行する衛星放送受信方法であり、
制御部が、複数の異なる衛星放送信号を時系列に切り替える制御信号をアンテナに出力するステップと、
選局部が、前記アンテナから入力する複数の放送信号の各々から特定番組を含むトランスポンダをそれぞれ選択する選局ステップと、
デマルチプレクサが、前記選局部の選局した複数のトランスポンダの各々から、特定の番組データを抽出するステップを実行する衛星放送受信方法。
【請求項9】
衛星放送受信装置において衛星放送受信処理を実行させるプログラムであり、
制御部に、複数の異なる衛星放送信号を時系列に切り替える制御信号をアンテナに出力させるステップと、
選局部に、前記アンテナから入力する複数の放送信号の各々から特定番組を含むトランスポンダをそれぞれ選択させる選局ステップと、
デマルチプレクサに、前記選局部の選局した複数のトランスポンダの各々から、特定の番組データを抽出させるステップを実行させるプログラム。

【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図1】
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【図3】
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【図6】
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【図11】
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