説明

衛星管制システム

【課題】無駄な電力消費を抑えて、低消費電力化を図ることができる衛星管制システムを得ることを目的とする。
【解決手段】衛星1,2の軌道を示す軌道予測情報を参照して、アンテナ装置13から衛星1,2までの距離dを特定し、その距離dに対応する電波伝搬損失Lairからコマンド信号の送信電力Phpaを算出する送信電力算出部16と、電力増幅器12の飽和電力を制御して、電力増幅器12による増幅後のコマンド信号の電力を送信電力算出部16により算出された送信電力Phpaに近づける電力制御部17とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、衛星に対する指令の内容を示すコマンド信号を衛星に向けて送信する衛星管制システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
管制対象の衛星の中には、地球局から距離が近い衛星と、地球局から距離が遠い衛星が混在している。
例えば、衛星管制用の地球局に設置される衛星管制システムから送信されるコマンド信号は伝搬損失により減衰し、その伝搬損失は、地球局から衛星までの距離に比例する。
したがって、地球局から距離が遠い衛星ほど、コマンド信号の伝搬損失が大きくなるため、全ての衛星がコマンド信号を受信できるようにするには、地球局から最も距離が遠い衛星に合わせて、コマンド信号の送信電力を大きくする必要がある。
このため、従来の衛星管制システムでは、地球局から最も距離が遠い衛星がコマンド信号を受信できるように、コマンド信号の電力を増幅する電力増幅装置の飽和電力を定めている。
【0003】
以下の特許文献1には、増幅器の出力側に可変減衰器を設けて、送信電力を制御する技術が開示されている。
なお、電力増幅装置の飽和電力は、図19に示すように、電力増幅装置の出力電力が飽和する電力レベルであり、従来の衛星管制システムにより制御される送信電力Xは、「0<<X≦飽和電力から若干低い値」の範囲で設定されるものである。
従来の衛星管制システムでは、飽和電力が一定で、送信電力Xの値だけを衛星との距離に応じて変動させているため、消費電力のロスが大きくなることがある。
【0004】
ここで、図20は増幅器の入出力消費電力特性を示す説明図であり、図21は増幅器のドレイン電圧Vdを制御したときの入出力消費電力特性の一例を示す説明図である。
図20及び図21より、増幅器の出力(Pout)が同一である場合、出来るだけ飽和電力を下げた方が、消費電力が小さくなることが分かる。
具体的には、増幅器の出力(Pout)として、例えば、34dBm必要な場合、Vd=8.5Vであれば、飽和電力が36.5dBmで、消費電力が5.8Wとなり、Vd=6.5Vであれば、飽和電力が35.0dBmで、消費電力が4.2Wとなる。
このため、飽和電力を抑えた方が、消費電力が小さくなることが分かる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−249226号公報(段落番号[0005]、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の衛星管制システムは以上のように構成されているので、地球局から最も距離が遠い衛星がコマンド信号を受信できるように、コマンド信号の電力を増幅する電力増幅装置の飽和電力を定めている。これにより、管制対象の全ての衛星がコマンド信号を受信することができるが、地球局から距離が近い衛星に対してコマンド信号を送信する際には、電力増幅装置の飽和電力に余裕が有り過ぎて、無駄な電力を消費してしまっているという課題があった。
【0007】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、無駄な電力消費を抑えて、低消費電力化を図ることができる衛星管制システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る衛星管制システムは、電力増幅手段の飽和電力を制御して、電力増幅手段による増幅後のコマンド信号の電力を所望の送信電力に近づける電力制御手段を設けるようにしたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、電力増幅手段の飽和電力を制御して、電力増幅手段による増幅後のコマンド信号の電力を所望の送信電力に近づける電力制御手段を設けるように構成したので、距離が近い衛星にコマンド信号を送信する際には電力増幅手段の飽和電力を抑えることができるようになり、その結果、電力増幅手段での無駄な電力消費を抑えて、低消費電力化を図ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1による衛星管制システムを示す構成図である。
【図2】地球上の衛星管制システムにおけるアンテナ装置13と衛星の位置関係を示す説明図である。
【図3】衛星高度が250km、1000km及び35786km(静止軌道の高度)の衛星について、地球中心から見たアンテナ装置13と衛星の角度θと、アンテナ装置13と衛星間の距離dとの対応関係を示すグラフ図である。
【図4】アンテナ装置13と衛星間の距離dに対応する伝搬損失Lairの算出結果を示すグラフ図である。
【図5】この発明の実施の形態1による他の衛星管制システムを示す構成図である。
【図6】この発明の実施の形態2による衛星管制システムを示す構成図である。
【図7】この発明の実施の形態3による衛星管制システムの一部を示す構成図である。
【図8】増幅素子23におけるドレイン電圧と飽和電力の関係を示す説明図である。
【図9】増幅素子23におけるドレイン電圧と消費電力の関係を示す説明図である。
【図10】この発明の実施の形態4による衛星管制システムの一部を示す構成図である。
【図11】n台の増幅器24−1〜24−nの飽和電力を示す説明図である。
【図12】n台の増幅器24−1〜24−nの消費電力を示す説明図である。
【図13】この発明の実施の形態5による衛星管制システムの一部を示す構成図である。
【図14】増幅器26の合成数と飽和電力の関係を示す説明図である。
【図15】増幅器26の合成数と消費電力の関係を示す説明図である。
【図16】この発明の実施の形態6による衛星管制システムを示す構成図である。
【図17】この発明の実施の形態6による衛星管制システムを示す構成図である。
【図18】この発明の実施の形態6による衛星管制システムを示す構成図である。
【図19】電力増幅装置の飽和電力を示す説明図である。
【図20】増幅器の入出力消費電力特性を示す説明図である。
【図21】増幅器のドレイン電圧Vdを制御したときの入出力消費電力特性の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
この実施の形態1では、電力増幅装置の低消費電力化を図るため、衛星管制システムが、従来例のように送信電力だけを制御するのではなく、飽和電力を制御することにより、衛星との距離に応じて設定した送信電力を得るために必要な最低限の飽和電力が得られるようにしている。
【0012】
図1はこの発明の実施の形態1による衛星管制システムを示す構成図である。
図1において、衛星1,2は地球を周回している管制対象の衛星であり、衛星1,2は
地球局からの距離が異なっている。
図1の例では、説明の簡単化のため、管制対象の衛星の数が2台だけであるが、3台以上の衛星が管制対象であってもよい。
衛星管制システム3は例えば地球局に設置され、衛星1,2に対する指令の内容を示すコマンド信号を衛星1,2に向けて送信する装置である。
【0013】
コマンド信号発生装置11は衛星1又は衛星2に対する指令の内容を示すコマンド信号を発生する装置である。なお、コマンド信号発生装置11はコマンド信号発生手段を構成している。
電力増幅器12は制御回路15の制御の下で、コマンド信号発生装置11から発生されたコマンド信号の電力を増幅する装置である。なお、電力増幅器12は電力増幅手段を構成している。
アンテナ装置13は電力増幅器12により電力が増幅されたコマンド信号を衛星1又は衛星2に向けて送信する装置である。なお、アンテナ装置13はコマンド信号送信手段を構成している。
【0014】
標準時刻装置14は正確な時刻を示す時刻情報を出力する装置である。
制御回路15は送信電力算出部16及び電力制御部17から構成されており、電力増幅器12の飽和電力を制御することで、コマンド信号の送信電力を適正な電力に制御する装置である。
【0015】
制御回路15の送信電力算出部16は標準時刻装置14から出力された時刻情報が示す現時刻と、衛星1,2の軌道を示す軌道予測情報とを参照して、アンテナ装置13から衛星1,2までの現時刻における距離を特定し、その距離に対応する電波伝搬損失からコマンド信号の送信電力を算出する処理を実施する。なお、送信電力算出部16は送信電力算出手段を構成している。
制御回路15の電力制御部17は電力増幅器12の飽和電力を制御して、電力増幅器12による増幅後のコマンド信号の電力を送信電力算出部16により算出された送信電力に近づける処理を実施する。
即ち、電力制御部17は電力増幅器12による増幅後のコマンド信号の電力が送信電力算出部16により算出された送信電力と一致するように、電力増幅器12の飽和電力を制御する処理を実施する。なお、電力制御部17は電力制御手段を構成している。
【0016】
次に動作について説明する。
コマンド信号発生装置11は、衛星1又は衛星2を制御する際、指令の内容を示すコマンド信号を発生する。ここでは、説明の便宜上、衛星1に送信するコマンド信号を発生するものとする。
電力増幅器12は、コマンド信号発生装置11がコマンド信号を発生すると、制御回路15の制御の下で、そのコマンド信号の電力を増幅し、電力増幅後のコマンド信号をアンテナ装置13に出力する。
アンテナ装置13は、電力増幅器12から電力増幅後のコマンド信号を受けると、そのコマンド信号を衛星1に向けて送信する。
【0017】
アンテナ装置13から送信されたコマンド信号は、衛星1に到達するまでに伝搬損失Lairによって減衰する。
そのため、コマンド信号の送信電力が、衛星1の受信可能な電力レベルP以上になるように、電力増幅器12がコマンド信号の電力を増幅する必要がある。
即ち、電力増幅器12は、アンテナ装置3の利得がGant、電力増幅器12の出力電力がPhpa、伝搬損失がLairである場合、下記の式(1)が成立するように、コマンド信号の電力を増幅する必要がある。
Phpa+Gant−Lair>P (1)
【0018】
ただし、アンテナ装置3の利得Gantと、衛星1の受信可能な電力レベルPは、固定値であるため、電力増幅器12の出力電力Phpaは、下記の式(2)のように表すことができる。
Phpa>P−Gant+Lair (2)
また、伝搬損失Lairは、アンテナ装置13から衛星1まで距離dと波長λから、下記の式(3)のように表すことができる。
Lair[dB]=10・log(4πd/λ) (3)
【0019】
したがって、電力増幅器12の出力電力Phpaが、式(2)を満足すれば、アンテナ装置13から送信されたコマンド信号が伝搬損失Lairによって減衰しても、衛星1がコマンド信号を受信することができる。
しかし、電力増幅器12の出力電力Phpaが必要以上に大きくなると、電力増幅器12で無駄な電力を消費することになるので、式(2)を満足する範囲内で、出来る限り、電力増幅器12の出力電力Phpaを小さくすることが望ましい。
ただし、実際には、降雨等の他の要因による減衰量の増大もあるため、他の要因も考慮して、電力増幅器12の出力電力Phpaを決定する必要がある。
【0020】
ここで、図2は地球上の衛星管制システムにおけるアンテナ装置13と衛星の位置関係を示す説明図である。
また、図3は衛星高度が250km、1000km及び35786km(静止軌道の高度)の衛星について、地球中心から見たアンテナ装置13と衛星の角度θと、アンテナ装置13と衛星間の距離dとの対応関係を示すグラフ図である。
また、図4はアンテナ装置13と衛星間の距離dに対応する伝搬損失Lairの算出結果を示すグラフ図である。ただし、周波数は2.2GHzであるとしている。
【0021】
図3及び図4から、衛星の高度によって、伝搬損失Lairに大きな差があることが分かる。
図4の例では、衛星高度が35786kmである場合には、伝搬損失Lairが最大約192dB、衛星高度が1000kmである場合には、伝搬損失Lairが最大約172dBとなり、20dB程度の伝搬損失差があることがわかる(20dBは100倍に相当する)。
このため、衛星高度が35786kmの衛星を管制する場合と比較して、衛星高度が1000kmの衛星を管制する場合、コマンド信号の送信電力が1/100でよいことになる。
【0022】
また、図3及び図4から、アンテナ装置13と衛星の角度差によっても、アンテナ装置13と衛星間の距離dや、伝搬損失Lairが変化することがわかる。
例えば、衛星高度が250kmである場合、アンテナ装置13と衛星間の距離dは、250kmから1800kmの間で変化する。これは、衛星が周回する間に距離dが変化することを示している。
このとき、伝搬損失Lairは、147dBから164dBの間で変化している。
【0023】
制御回路15の送信電力算出部16は、衛星1の各時刻における予測位置(緯度、経度、高度)を示す軌道予測情報を収集する。
そして、送信電力算出部16は、その軌道予測情報を参照して、標準時刻装置14から出力された時刻情報が示す現時刻における衛星1の位置(緯度、経度、高度)を特定することで、アンテナ装置13から衛星1までの現時刻における距離dを算出する。なお、アンテナ装置13が設置されている位置は既知である。
送信電力算出部16は、アンテナ装置13から衛星1までの現時刻における距離dを算出すると、その距離dに対応する電波伝搬損失Lairからコマンド信号の必要な送信電力Phpaを算出する。
【0024】
例えば、衛星1の衛星高度が35786kmである場合、距離dが35400kmであれば、アンテナ装置13と衛星の角度θが−30degであるため(図3を参照)、その距離dに対応する電波伝搬損失Lairが191dBとなる(図4を参照)。
コマンド信号の必要な送信電力である電力増幅器12の出力電力Phpaは、上記の式(2)より算出する。
Phpa>P−Gant+Lair
=P−Gant+191
ただし、Gant、Pは既知の固定値である。
上述したように、電力増幅器12の出力電力Phpaが必要以上に大きいと、電力増幅器12で無駄な電力を消費するので、式(2)を満足する範囲内で、出来る限り小さな値とする。即ち、コマンド信号の必要な送信電力である電力増幅器12の出力電力Phpaを式(2)の右辺に近い値とする。
【0025】
制御回路15の電力制御部17は、送信電力算出部16が電波伝搬損失Lairからコマンド信号の必要な送信電力Phpaを算出すると、電力増幅器12の出力電力が、送信電力算出部16により算出された送信電力Phpaと一致するように、電力増幅器12の飽和電力を制御する。
【0026】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、衛星1,2の軌道を示す軌道予測情報を参照して、アンテナ装置13から衛星1,2までの距離dを特定し、その距離dに対応する電波伝搬損失Lairからコマンド信号の送信電力Phpaを算出する送信電力算出部16と、電力増幅器12の飽和電力を制御して、電力増幅器12による増幅後のコマンド信号の電力を送信電力算出部16により算出された送信電力Phpaに近づける電力制御部17とを設けるように構成したので、距離dが近い衛星にコマンド信号を送信する際には電力増幅器12の飽和電力を抑えることができるようになり、その結果、電力増幅器12での無駄な電力消費を抑えて、低消費電力化を図ることができる効果を奏する。
【0027】
なお、この実施の形態1では、衛星1,2の軌道を示す軌道予測情報を参照して、アンテナ装置13から衛星1,2までの距離dを特定し、その距離dに対応する電波伝搬損失Lairからコマンド信号の送信電力Phpaを算出する送信電力算出部16が制御回路15に搭載されているものを示したが、図5に示すように、制御回路15が送信電力算出部16を搭載しないようにしてもよい。
この場合、制御回路15の電力制御部17は、所望の送信電力を示す送信電力情報を入力し、電力増幅器12の飽和電力を制御して、電力増幅器12による増幅後のコマンド信号の電力を当該送信電力情報が示す送信電力に近づける処理を行う。
【0028】
実施の形態2.
図6はこの発明の実施の形態2による衛星管制システムを示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
制御回路15の送信電力算出部18は衛星1,2の軌道を示す軌道予測情報を参照して、アンテナ装置13から衛星1,2までの各時刻tにおける距離dを特定し、各時刻ごとに、距離dに対応する電波伝搬損失Lairからコマンド信号の送信電力Phpaを算出する処理を実施する。
また、送信電力算出部18は算出結果である各時刻tの送信電力Phpaを記憶装置20に記録する処理を実施する。
なお、送信電力算出部18は送信電力算出手段を構成している。
【0029】
制御回路15の電力制御部19は記憶装置20から現時刻(標準時刻装置14から出力された時刻情報が示す時刻)に対応する送信電力Phpaを読み込み、電力増幅器12の飽和電力を制御して、電力増幅器12による増幅後のコマンド信号の電力を送信電力Phpaに近づける処理を実施する。
即ち、電力制御部19は記憶装置20から現時刻に対応する送信電力Phpaを読み込み、電力増幅器12による増幅後のコマンド信号の電力が、その送信電力Phpaと一致するように、電力増幅器12の飽和電力を制御する処理を実施する。なお、電力制御部19は電力制御手段を構成している。
記憶装置20は各時刻の送信電力Phpaを記憶するRAMやハードディスクなどの記録装置である。
【0030】
上記実施の形態1では、制御回路15の電力制御部17が電力増幅器12の飽和電力を制御する際に、送信電力算出部16がコマンド信号の送信電力Phpaを算出するものを示したが、送信電力算出部18が事前に各時刻tの送信電力Phpaを算出して記憶装置20に記録し、電力制御部19が電力増幅器12の飽和電力を制御する際に、記憶装置20から現時刻に対応する送信電力Phpaを読み込むようにしてもよい。
以下、送信電力算出部18及び電力制御部19の処理内容を具体的に説明する。
【0031】
制御回路15の送信電力算出部18は、衛星1の各時刻tにおける衛星1の位置(緯度、経度、高度)を示す軌道予測情報を収集する。
そして、送信電力算出部18は、その軌道予測情報を参照して、各時刻tにおける衛星1の位置(緯度、経度、高度)を特定することで、アンテナ装置13から衛星1までの各時刻tにおける距離dを算出する。なお、アンテナ装置13が設置されている位置は既知である。
送信電力算出部18は、アンテナ装置13から衛星1までの各時刻tにおける距離dを算出すると、各時刻tにおける距離dに対応する電波伝搬損失Lairからコマンド信号の送信電力Phpaを算出し、各時刻tにおけるコマンド信号の送信電力Phpaを記憶装置20に記録する。
【0032】
制御回路15の電力制御部19は、電力増幅器12の飽和電力を制御する際、標準時刻装置14から出力された時刻情報を参照して現時刻を認識し、記憶装置20に記録されている各時刻tにおける送信電力Phpaの中から、現時刻の送信電力Phpaの読み込みを行う。
電力制御部19は、現時刻の送信電力Phpaを読み込むと、電力増幅器12の出力電力が、その送信電力Phpaと一致するように、電力増幅器12の飽和電力を制御する。
【0033】
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、送信電力算出部18により算出された各時刻tの送信電力Phpaを記憶する記憶装置20を設け、電力制御部19が、記憶装置20から現時刻に対応する送信電力Phpaを読み込み、電力増幅器12の飽和電力を制御して、電力増幅器12による増幅後のコマンド信号の電力を送信電力Phpaに近づけるように構成したので、上記実施の形態1と同様の効果を奏する他に、電力増幅器12の飽和電力を制御する際に、送信電力Phpaを算出する処理を実施する必要がなくなり、処理負荷の軽減を図ることができる効果を奏する。
【0034】
実施の形態3.
図7はこの発明の実施の形態3による衛星管制システムの一部を示す構成図であり、図において、図1又は図6と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図7では、電力増幅器12が可変減衰器21、ドレイン電圧制御回路22及び増幅素子23から構成されている。
また、制御回路15は送信電力算出部31及び電力制御部32から構成されている。
【0035】
可変減衰器21は電力制御部32の制御の下で、コマンド信号発生装置11から発生されたコマンド信号を減衰させる機器である。
ドレイン電圧制御回路22は増幅素子23のドレイン電圧(バイアス電圧)を電力制御部32により指示された電圧に制御する回路である。
増幅素子23は例えばFETから構成されており、ドレイン電圧制御回路22によりドレイン電圧が制御されることで飽和電力が調整され、可変減衰器21から出力されたコマンド信号の電力を増幅する素子である。
【0036】
送信電力算出部31は図1の送信電力算出部16又は図6の送信電力算出部18に相当する機能を有し、コマンド信号の必要な送信電力Phpaを算出する処理を実施する。なお、送信電力算出部31は送信電力算出手段を構成している。
電力制御部32は送信電力算出部31により算出された送信電力Phpaに応じて、可変減衰器21の減衰量を制御するとともに、増幅素子23のドレイン電圧をドレイン電圧制御回路22に指示する処理を実施する。なお、電力制御部32は電力制御手段を構成している。
【0037】
次に動作について説明する。
電力制御部32は、送信電力算出部31が送信電力Phpaを算出すると、その送信電力Phpaに応じて、可変減衰器21の減衰量を制御するとともに、増幅素子23のドレイン電圧をドレイン電圧制御回路22に指示する。
ドレイン電圧制御回路22は、電力制御部32の指示の下、増幅素子23のドレイン電圧を制御することで、増幅素子23の飽和電力を調整する。
【0038】
ここで、図8は増幅素子23におけるドレイン電圧と飽和電力の関係を示す説明図である。また、図9は増幅素子23におけるドレイン電圧と消費電力の関係を示す説明図である。
図8及び図9から明らかなように、増幅素子23のドレイン電圧を高くすると、飽和電力及び消費電力が大きくなり、増幅素子23のドレイン電圧を低くすると、飽和電力及び消費電力が小さくなる。
したがって、増幅素子23のドレイン電圧を制御することで、増幅素子23の飽和電力を調整することができ、コマンド信号の必要な送信電力Phpaが得られる範囲内で、増幅素子23の飽和電力を抑えれば、結果的に、増幅素子23の消費電力を低減することができる。
【0039】
なお、電力制御部32が、増幅素子23のドレイン電圧だけでなく、可変減衰器21の減衰量を制御しているのは、例えば、地球局から最も距離が近い衛星に対してコマンド信号を送信する場合には、電波伝搬損失Lairが小さいため、増幅素子23の飽和電力を小さくしても、コマンド信号の送信電力が必要以上に大きいことがあるからである。
このため、電力制御部32は、地球局から距離が近い衛星に対してコマンド信号を送信する際には、可変減衰器21の減衰量を大きくし、地球局から距離が遠い衛星に対してコマンド信号を送信する際には、可変減衰器21の減衰量を小さくする。
【0040】
以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、電力制御部32が、送信電力算出部31により算出された送信電力Phpaに応じて、可変減衰器21の減衰量を制御するとともに、ドレイン電圧制御回路22を介して、増幅素子23のドレイン電圧を制御するように構成したので、地球局からの距離が異なる複数の衛星が混在していても、電力増幅器12での無駄な電力消費を抑えて、低消費電力化を図ることができる効果を奏する。
【0041】
なお、この実施の形態3では、増幅素子23がFETであるものを想定し、増幅素子23のバイアス電圧として、ドレイン電圧を制御するものを示したが、増幅素子23がFETであるものに限るものではなく、例えば、増幅素子23がバイポーラトランジスタ等である場合には、増幅素子23のバイアス電圧として、コレクタ電圧を制御することで、増幅素子23の飽和電力を調整することができる。
また、増幅素子23が半導体ではなく、例えば、TWTやクライストロンなどの管球である場合には、その管球に印加する高圧を制御することで、増幅素子23の飽和電力を調整することができる。
【0042】
実施の形態4.
図10はこの発明の実施の形態4による衛星管制システムの一部を示す構成図であり、図において、図7と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図10では、電力増幅器12が1台の可変減衰器21、n台の増幅器24−1〜24−n及び2台の切替スイッチ25−1,25−2から構成されている。
増幅器24−1〜24−nは相互に飽和電力が異なる増幅素子で構成されている。
切替スイッチ25−1はn台の増幅器24−1〜24−nの中で、電力制御部33が指定する増幅器24を可変減衰器21と接続するスイッチである。
切替スイッチ25−2はn台の増幅器24−1〜24−nの中で、電力制御部33が指定する増幅器24をアンテナ装置13と接続するスイッチである。
【0043】
電力制御部33は送信電力算出部31により算出された送信電力Phpaに応じて、可変減衰器21の減衰量を制御するとともに、n台の増幅器24−1〜24−nの中で、コマンド信号の電力を増幅する増幅器24を選択して、その増幅器24の接続を切替スイッチ25−1,25−2に指示する処理を実施する。なお、電力制御部33は電力制御手段を構成している。
【0044】
次に動作について説明する。
図11はn台の増幅器24−1〜24−nの飽和電力を示す説明図であり、図12はn台の増幅器24−1〜24−nの消費電力を示す説明図である。
図11及び図12から明らかなように、電力増幅器12に搭載されているn台の増幅器24−1〜24−nの飽和電力及び消費電力は相互に異なっている。
【0045】
電力制御部33は、送信電力算出部31がコマンド信号の送信電力Phpaを算出すると、その送信電力Phpaに応じて、可変減衰器21の減衰量を制御するとともに、n台の増幅器24−1〜24−nの中で、コマンド信号の電力を増幅する増幅器24を選択する。
即ち、電力制御部33は、n台の増幅器24−1〜24−nの中で、コマンド信号の必要な送信電力Phpaが得られる飽和電力を有する増幅器24を特定する。
また、電力制御部33は、コマンド信号の必要な送信電力Phpaが得られる飽和電力を有する増幅器24の中で、最も消費電力が小さい増幅器24を選択する。
例えば、n台の増幅器24−1〜24−nの中で、コマンド信号の必要な送信電力Phpaが得られる飽和電力を有する増幅器24が、増幅器24−(n−2),24−(n−1),24−nである場合、増幅器24−(n−2),24−(n−1),24−nの中で、最も消費電力が小さい増幅器24−(n−2)を選択する。
【0046】
電力制御部33は、コマンド信号の必要な送信電力Phpaが得られる飽和電力を有する増幅器24の中で、最も消費電力が小さい増幅器24を選択すると、その増幅器24の接続を切替スイッチ25−1,25−2に指示する。
切替スイッチ25−1は、電力制御部33が接続を指示している増幅器24を可変減衰器21と接続し、切替スイッチ25−2は、電力制御部33が接続を指示している増幅器24をアンテナ装置13と接続する。
【0047】
以上で明らかなように、この実施の形態4によれば、電力制御部33が、送信電力算出部31により算出された送信電力Phpaに応じて、可変減衰器21の減衰量を制御するとともに、n台の増幅器24−1〜24−nの中で、コマンド信号の電力を増幅する増幅器24を選択して、その増幅器24の接続を切替スイッチ25−1,25−2に指示するように構成したので、地球局からの距離が異なる複数の衛星が混在していても、電力増幅器12での無駄な電力消費を抑えて、低消費電力化を図ることができる効果を奏する。
【0048】
実施の形態5.
図13はこの発明の実施の形態5による衛星管制システムの一部を示す構成図であり、図において、図7と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図13では、電力増幅器12が1台の可変減衰器21、n台の増幅器26−1〜26−n、1台の分配器27及び1台の合成器28から構成されている。
図13の例では、増幅器26−1〜26−nの飽和電力が同一であるものを想定しているが、増幅器26−1〜26−nの飽和電力が相互に異なっていてもよい。
【0049】
分配器27はn台の増幅器26−1〜26−nの中で、電力制御部34から出力された選択信号が示す増幅器26に対して、可変減衰器21から出力されたコマンド信号を与える処理を実施する。
合成器28はn台の増幅器26−1〜26−nの中で、電力制御部34から出力された選択信号が示す増幅器26により電力が増幅されたコマンド信号を合成して、合成後のコマンド信号をアンテナ装置13に出力する処理を実施する。
【0050】
電力制御部34は送信電力算出部31により算出された送信電力Phpaに応じて、可変減衰器21の減衰量を制御するとともに、n台の増幅器26−1〜26−nの中から、コマンド信号の電力を増幅する1台以上の増幅器26を選択し、その増幅器26を示す選択信号を分配器27及び合成器28に出力する処理を実施する。
【0051】
次に動作について説明する。
図14は増幅器26の合成数と飽和電力の関係を示す説明図であり、図15は増幅器26の合成数と消費電力の関係を示す説明図である。
図14及び図15から明らかなように、増幅器26の合成数によって、電力増幅器12全体の飽和電力及び消費電力が異なる。
【0052】
電力制御部34は、送信電力算出部31がコマンド信号の送信電力Phpaを算出すると、その送信電力Phpaに応じて、可変減衰器21の減衰量を制御するとともに、n台の増幅器26−1〜26−nの中から、コマンド信号の電力を増幅する1台以上の増幅器26を選択する。
即ち、電力制御部34は、n台の増幅器26−1〜26−nのうち、最低限何台の増幅器26を使用すれば、送信電力算出部31により算出された送信電力Phpaを得るために必要な飽和電力を確保することができるかを決定することで、コマンド信号の電力を増幅する1台以上の増幅器26を選択する。
【0053】
例えば、最低限2台の増幅器26を使用すれば、送信電力算出部31により算出された送信電力Phpaが得られる場合、増幅器26−1と増幅器26−2を選択する。
また、最低限n−3台の増幅器26を使用すれば、送信電力算出部31により算出された送信電力Phpaが得られる場合、増幅器26−1,26−2,・・・,26−(n−3)を選択する。
【0054】
電力制御部34は、n台の増幅器26−1〜26−nの中から、コマンド信号の電力を増幅する1台以上の増幅器26を選択すると、その選択した増幅器26を示す選択信号を分配器27及び合成器28に出力する。
分配器27は、電力制御部34から選択信号を受けると、n台の増幅器26−1〜26−nの中で、その選択信号が示す増幅器26に対して、可変減衰器21から出力されたコマンド信号を与える。
合成器28は、電力制御部34から選択信号を受けると、n台の増幅器26−1〜26−nの中で、その選択信号が示す増幅器26により電力が増幅されたコマンド信号を合成して、合成後のコマンド信号をアンテナ装置13に出力する。
【0055】
以上で明らかなように、この実施の形態5によれば、電力制御部34が、送信電力算出部31により算出された送信電力Phpaに応じて、可変減衰器21の減衰量を制御するとともに、n台の増幅器26−1〜26−nの中から、コマンド信号の電力を増幅する1台以上の増幅器26を選択し、その選択した増幅器26を示す選択信号を分配器27及び合成器28に出力するように構成したので、地球局からの距離が異なる複数の衛星が混在していても、電力増幅器12での無駄な電力消費を抑えて、低消費電力化を図ることができる効果を奏する。
【0056】
実施の形態6.
上記実施の形態1では、送信電力算出部16が、アンテナ装置13から衛星1までの距離dに対応する電波伝搬損失Lairからコマンド信号の必要な送信電力Phpaを算出する際、降雨等の他の要因を考慮して、コマンド信号の必要な送信電力Phpaを算出する必要がある旨を示している。
具体的には、図16に示すように、アンテナ装置13の近くに設置されている雨量計31により計測される雨量を考慮して、コマンド信号の必要な送信電力Phpaを算出するようにする。
【0057】
即ち、送信電力算出部16は、雨量計31により計測される雨量が零である場合、上記実施の形態1と同様に、アンテナ装置13から衛星1までの距離dに対応する電波伝搬損失Lairからコマンド信号の必要な送信電力Phpaを算出する。
一方、雨量が零でない場合、コマンド信号を乗せた電波が雨量によって減衰することを考慮し、アンテナ装置13から衛星1までの距離dに対応する電波伝搬損失Lairから算出した送信電力Phpaに対して、雨量に比例等する値を加算等することで、その送信電力Phpaを補正するようにする。
【0058】
ここでは、アンテナ装置13付近の雨量を考慮して、コマンド信号の必要な送信電力Phpaを算出するものを示したが、雨雲の存在が、コマンド信号を乗せた電波が減衰する要因となるため、図17に示すように、外部から与えられる雨雲の高度情報を参照して、電波の減衰量を特定し、送信電力算出部16が、アンテナ装置13から衛星1までの距離dに対応する電波伝搬損失Lairから算出した送信電力Phpaに対して、その減衰量に比例等する値を加算等することで、その送信電力Phpaを補正するようにしてもよい。
【0059】
以下の非特許文献1には、衛星を見た仰角、雨滴層の高度(気温より算出)及び降雨強度(雨量計)から減衰量を求めることが可能である旨が開示されている。特に、非特許文献1の2.2節,2.3節には、温度より雨滴層の高度を算出することで、より正確な減衰量を確認することが可能である旨が開示されている。
また、雨雲などの高度の観測は、レーダ装置により容易に観測できることが、例えば、特開平11−281741号公報に開示されている。
[非特許文献1]
昭和62年度電気通信技術審議会答申 諮問第6号「通信衛星3号等の中継器の効率的利用のための技術的条件及び地球局の標準化」
【0060】
また、図18に示すように、減衰の因子に関わらず、電波の減衰量を示す減衰量情報が外部から与えられる場合には、送信電力算出部16が、アンテナ装置13から衛星1までの距離dに対応する電波伝搬損失Lairから算出した送信電力Phpaに対して、その減衰量情報が示す減衰量に比例等する値を加算等することで、その送信電力Phpaを補正するようにしてもよい。
【0061】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0062】
1,2 衛星、3 衛星管制システム、11 コマンド信号発生装置(コマンド信号発生手段)、12 電力増幅器(電力増幅手段)、13 アンテナ装置(コマンド信号送信手段)、14 標準時刻装置、15 制御回路、16,18,31 送信電力算出部(送信電力算出手段)、17,19,32,33,34 電力制御部(電力制御手段)、20 記憶装置、21 可変減衰器、22 ドレイン電圧制御回路、23 増幅素子、24−1〜24−n 増幅器、25−1,25−2 切替スイッチ、26−1〜26−n 増幅器、27 分配器、28 合成器、31 雨量計。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛星に対する指令の内容を示すコマンド信号を発生するコマンド信号発生手段と、上記コマンド信号発生手段から発生されたコマンド信号の電力を増幅する電力増幅手段と、上記電力増幅手段により電力が増幅されたコマンド信号を上記衛星に向けて送信するコマンド信号送信手段とを備えた衛星管制システムにおいて、
上記電力増幅手段の飽和電力を制御して、上記電力増幅手段による増幅後のコマンド信号の電力を所望の送信電力に近づける電力制御手段を設けたことを特徴とする衛星管制システム。
【請求項2】
衛星に対する指令の内容を示すコマンド信号を発生するコマンド信号発生手段と、上記コマンド信号発生手段から発生されたコマンド信号の電力を増幅する電力増幅手段と、上記電力増幅手段により電力が増幅されたコマンド信号を上記衛星に向けて送信するコマンド信号送信手段とを備えた衛星管制システムにおいて、
上記衛星の軌道を示す軌道情報を参照して、上記コマンド信号送信手段から上記衛星までの距離を特定し、上記距離に対応する電波伝搬損失から上記コマンド信号の送信電力を算出する送信電力算出手段と、上記電力増幅手段の飽和電力を制御して、上記電力増幅手段による増幅後のコマンド信号の電力を上記送信電力算出手段により算出された送信電力に近づける電力制御手段とを設けたことを特徴とする衛星管制システム。
【請求項3】
送信電力算出手段により算出された送信電力とコマンド信号の送信時刻との対応関係を記憶する記憶手段を設け、
電力制御手段は、上記記憶手段から現時刻に対応する送信電力を読み込み、電力増幅手段の飽和電力を制御して、電力増幅手段による増幅後のコマンド信号の電力を上記送信電力に近づける
ことを特徴とする請求項2記載の衛星管制システム。
【請求項4】
電力制御手段は、送信電力算出手段により算出された送信電力に応じて、電力増幅手段を構成している増幅素子のバイアス電圧を制御する
ことを特徴とする請求項2または請求項3記載の衛星管制システム。
【請求項5】
電力制御手段は、送信電力算出手段により算出された送信電力に応じて、電力増幅手段を構成している複数の増幅器の中で、上記コマンド信号の電力を増幅する増幅器を切り替える
ことを特徴とする請求項2または請求項3記載の衛星管制システム。
【請求項6】
電力制御手段は、送信電力算出手段により算出された送信電力に応じて、電力増幅手段を構成している複数の増幅器の中から、上記コマンド信号の電力を増幅する少なくとも1以上の増幅器を選択し、その選択した増幅器により電力が増幅されたコマンド信号を合成させる
ことを特徴とする請求項2または請求項3記載の衛星管制システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2012−191572(P2012−191572A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−55438(P2011−55438)
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】