説明

衛生管理方法

【課題】製薬および医療関係の固体、液体の製品、中間品などに関する従来の微生物の培養法による検査では、死菌の存在について全く検知あるいは計量することができないという課題があり、生菌だけでなく、死菌についても検知あるいは計量することで、人体に直接投与する製薬関連製品についてのより高度な衛生管理を実現する衛生管理方法を提供することを目的としている。
【解決手段】人体に直接投与する製品および中間品の衛生管理方法において、生菌および死菌の菌数を測定する総菌数測定工程と、前記総菌数測定工程において測定された総菌数の値で衛生状態を判断する衛生状態判断工程を含むことで、より高度な衛生管理を実現する衛生管理方法を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製薬および医療関係の固体、液体の製品、中間品などに関する衛生管理方法に関する。また、製薬および医療関係だけでなく、食品分野、化粧品・化成品分野、半導体製造分野などで製品の原料あるいは洗浄などで使用する製造用水に関する衛生管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製薬および医療関係の固体、液体の製品、中間品などに関する衛生管理方法の中で微生物(細菌、真菌、酵母など)の検査は、日本薬局法に掲載されている培養法で行われており、基準も設けられている。しかし、この培養法における培養条件(培地、温度、培養時間など)はできるだけ多くの種類の微生物が増殖し、コロニーを形成するようになっているが、自然界には培養しにくい微生物が多くあり、この培養条件では微生物が検出されないことが多い。
【0003】
製薬および医療関係の固体、液体の製品、中間品の一例として、透析液に関して説明する。透析液は、透析を行う病院内で透析用に精製した水と透析A原液と透析B原液を混合して調製する。その透析液を各種医療器械を用いて、患者に投与する。この透析液は、患者の人体に注射や点滴を用いたときと同様に直接入るものである。透析液の衛生管理は、通常、培養法による微生物検査とエンドトキシンを測定して、それぞれの値が設定された基準よりも以下であることの確認で行っている。培養法による微生物検査は、その培養条件でコロニーを形成する微生物しか検出、計量できない。特に透析液のように水に生息する微生物は通常の培養条件ではコロニーを形成しにくい種類が多い。また、できるだけ多くの微生物を検出するように、培地をR2Aなどの貧栄養培地にし、低温度(10℃〜室温程度)で長時間(3〜10日間)培養することも試みされているが、それでも全体の微生物数からは一部に微生物しか検出できないことが多い。また、透析液を精製する段階で洗浄や殺菌を行うため、微生物が損傷したり、あるいは透析液に含まれる抗菌成分によって、培養してもコロニーを形成せず、検出できないこともある。その培養法を補完する方法として、エンドトキシンを測定する方法も併用されている。エンドトキシンは、グラム陰性菌の細胞壁成分であるリボ多糖(LPS)である。エンドトキシンを測定することにより、グラム陰性菌が存在した、あるいは存在している痕跡を測定するものであり、菌数を直接測定できるものはないが、透析液の汚染レベルを評価、確認することができるものである。しかし、エンドトシキンがないグラム陽性菌については、その存在の痕跡を測定、評価することはできない。また、殺菌された菌のエンドトシキンの量はどのように変化するかなどについては、十分に評価・検討されていないため、殺菌された菌の存在がどの程度なのかを知ることは困難である。製薬および医療関係の固体、液体の製品、中間品などの中で特に透析液、注射用蒸留水、生理食塩水や点滴薬などは、口からの投薬ではなくて、血管などから直接体内に投与するため、生きた微生物だけでなく、死んだ菌(損傷した菌など培養できない菌も含む)も問題である。死んだ菌であっても、菌数によっては、アレルギーや発熱などの原因になるため、死んだ菌を含めた衛生管理方法が要望されている。生きた菌の測定は、基本的に殺菌状態を知る目安であり、製造工程の中で十分に殺菌されているかを確認することである。しかし、死んだ菌に関しては測定されていないのが実情である。透析液を病院内で精製する場合、水道水からRO膜を用いてイオン交換して、洗浄・殺菌などを行い、水を精製する。その水に透析A原液と透析B原液を混合して透析液を調製し、病院内の配管を通して、患者のいる所まで供給する。この水道水は、培養法では100cfu/ml以下であるが、実際の微生物数は、数千〜数万個以上存在すると言われている。また、洗浄・殺菌するときに空気中の微生物が水に混入し、その一部が増殖して、水およびその配管などにバイオフィルムをつくり、汚染する恐れがある。その場合、殺菌などをすれば、生菌として検出できないため、汚染された状態を知ることができないという問題があった。また、製薬および医療関連だけでなく、食品分野、化粧品・化成品分野、半導体製造分野などで製品や中間品を製造する過程で、水を製品の原料および洗浄用として用いることが多い。通常、この水は、水道水、河川、井戸水などを用いており、その水をイオン交換、蒸留、熱殺菌、ろ過滅菌などを行い精製して使用する。しかし、自然界に存在する水中の微生物は、簡単に培養法で検知されることが少ない。また、通常の殺菌では完全に殺菌することは難しい。たとえば、水道水の基準では、培養法で100cfu/ml以下であるが、この試験方法は、標準寒天培地で36℃で48時間培養したときの基準である。しかし、R2A培地などを使用した場合、数百〜数千倍の菌数が確認されることもある。さらに自然界に存在する微生物は、次亜塩素酸の殺菌方法では完全に殺菌されることが少なく、一部生き残った微生物が微生物汚染を引き起こす可能性があった。特に半導体の製造分野では、一般的な衛生問題としての微生物汚染という考え方よりも、微生物を粒子としてとらえ、つまり微生物が生菌、死菌として関係なく、水の中に多くの粒子(微生物)が存在することで、半導体の不良発生に起因することがあり、粒子数が少ない水が必要である。
【0004】
食品の分野では、生乳中の菌検査の方法として、ブリード法が用いられている。このブリード法は、生乳中の微生物をニューマン試薬で染色したあと、顕微鏡で染色した微生物を目視で計量するものである。この染色は、生きた菌、死んだ菌を区別なく染色するために総菌数(生菌+死菌)を計測するものである。生乳の場合は絞ってから、冷蔵するだけで殺菌工程がないまま、乳業工業へ運搬され、乳業工場で受入れ検査として実施される。つまり、生乳の保管状態や取扱いなどで不衛生な状態になった経歴があるかどうかを確認するための検査になっている。食品で殺菌工程を持たない場合、冷蔵保管することが一般的である。冷蔵保管を行うと、検体中の低温菌、中温菌の割合が変化して、培養法の測定では中温菌しか測定できないため、途中で不衛生な取扱いが起こり、低温菌が増加したにもかかわらず、それを検出できない。また、中温菌が増加しても、冷蔵保管時に中温菌が死滅して、やはり検出できなくなることがあるため、総菌数(生菌+死菌)で検査することによって、その経歴を含めて生乳の衛生状態を把握することができる。このような食品分野で総菌数検査を行うことがあるが、基本的には殺菌工程を持たない検体について実施する。殺菌を実施している場合には、培養法による生菌数(コロニー検出)を行っている。
【0005】
死菌を検出する方法としては、微生物を染色試薬で染色し、その染色された微生物を顕微鏡によって目視でカウントする方法および自動的に測定する微生物計量装置を用いて測定することができる(例えば、特許文献1参照)が、製薬および医療関係の固体、液体の製品、中間品などに関する衛生管理方法において、総菌数(生菌数+死菌数)あるいは死菌数で衛生状態を管理することは行っていない。
【特許文献1】特開2001−340072号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、製薬および医療関係の固体、液体の製品、中間品など(以下製薬関連製品という)に関する従来の微生物(細菌、真菌、酵母など)の培養法による検査では、死菌の存在について全く検知あるいは計量することができないため、原料段階あるいは製造工程でどの程度微生物が混入しているか全くわからないという課題がある。
【0007】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、生菌だけでなく、死菌についても検知あるいは計量することで、人体に直接投与する製薬関連製品についてのより高度な衛生管理を実現する衛生管理方法を提供することを目的としている。
【0008】
また、製薬関連製品は、直接人体に投与するものであるため、強力な殺菌を行っていることが多く、培養法などの検査ではほとんど無菌という結果が得られることが多い。しかし、無菌とは微生物がいないということを意味しているのではなく、培養法によるコロニーを形成する微生物がいないということを実際には示しており、また、微生物が殺菌によって完全に死滅することが前提ではあるが、可能性としては殺菌工程でかなりの損傷を受けて、コロニーを形成する能力が著しく低下はしているが、完全に死菌にはなっておらず、長期間経過後、回復しまた増殖する微生物も存在する。このような微生物は、死菌の数が多ければ多いほど、存在する確率も高くなるが、従来の培養法ではこのような恐れを検知することができないという課題がある。
【0009】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、製薬関連製品では生菌が検出されることはほとんどないため、むしろ死菌数のみを検出することで製薬関連製品における高度な衛生管理を実現する衛生管理方法を提供することを目的としている。
【0010】
また、死菌の定義が明確でないために死菌の測定が困難であったという課題がある。
【0011】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、染色法で死菌数を測定することで、死菌の定義を明確にし、再現性のある数値で衛生管理ができる衛生管理方法を提供することを目的としている。
【0012】
また、総菌の定義として、具体的に核酸結合性と細胞膜を透過する特性を有した染色試薬で染色された微生物とすることで、簡単に測定ができ、DNA、RNAを有し、微生物としての形状を保持したものの個数を衛生管理の指標と用いた衛生管理方法を提供することを目的としている。
【0013】
また、死菌の定義として、具体的に核酸結合性と細胞膜を透過しない特性を有した染色試薬で染色された微生物とすることで、簡単に測定ができ、DNA、RNAを有し、細胞膜が損傷しているものの、微生物としての形状を保持したものの個数を衛生管理の指標と用いた衛生管理方法を提供することを目的としている。
【0014】
また、半導体の製造工程などで使用する粒子が多く含むことで不良などの問題になる製造用の水について、微生物も粒子としてとらえ、粒子が増加することで製品や中間品の不良発生が増加するという課題がある。
【0015】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、製造水中の総菌数あるいは、死菌数を検出することで、多くの粒子を含むことで問題になる製品や中間品の不良を低減することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の衛生管理方法は上記目的を達成するために、請求項1記載のとおり、人体に直接投与する製品および中間品の衛生管理方法において、生菌および死菌の菌数を測定する総菌数測定工程と、前記総菌数測定工程において測定された総菌数の値で衛生状態を判断する衛生状態判断工程を含むことである。
【0017】
また、請求項2記載の衛生管理方法は、人体に直接投与する製品および中間品の衛生管理方法において、死菌の菌数を測定する死菌数測定工程と、前記死菌数測定工程において測定された死菌数の値で衛生状態を判断する衛生状態判断工程を含むことである。
【0018】
また、請求項3記載の衛生管理方法は、総菌数測定工程あるいは死菌数測定工程において、染色法で死菌を計量する死菌検出手段を設けたものである。
【0019】
また、請求項4記載の衛生管理方法は、前記総菌数測定工程において、核酸結合性と細胞膜を透過する特性を有した染色試薬を用いた染色法で死菌を計量する総菌検出手段を設けたものである。
【0020】
また、請求項5記載の衛生管理方法は、前記総菌数測定工程あるいは死菌数測定工程において、核酸結合性と細胞膜を透過しない特性を有した染色試薬を用いた染色法で死菌を計量する死菌検出手段を設けたものである。
【0021】
また、請求項6記載の衛生管理方法は、医薬品、食品、化粧品、化成品、半導体製品などの各種製品を製造する工程で製造に必要な水の衛生管理方法において、生菌および死菌の菌数を測定する総菌数測定工程と、前記総菌数測定工程において測定された総菌数の値で衛生状態を判断する衛生状態判断工程を含むことである。
【0022】
また、請求項7記載の衛生管理方法は、医薬品、食品、化粧品、化成品、半導体製品などの各種製品を製造する工程で製造に必要な水の衛生管理方法において、死菌の菌数を測定する死菌数測定工程と、前記死菌数測定工程において測定された死菌数の値で衛生状態を判断する衛生状態判断工程を含むことである。
【発明の効果】
【0023】
本発明の衛生管理方法によれば、総菌数を衛生管理の指標とすることで、従来把握できなかった微生物汚染を把握することができ、人体に直接投与される製薬関連製品の安全性が確保され、生菌だけでなく、死菌で汚染された製品の投与が防止できる。
【0024】
また、死菌数を衛生管理の指標とすることで、一般的には生菌数が検知されない製薬関連製品に対して、微生物汚染の実態あるいは予兆を迅速に発見できる。特に死んだ菌であっても、菌数によっては、アレルギーや発熱など人体に大きく影響する原因になる可能性がある。微生物(生菌あるいは死菌)が人体に直接投与された場合の人体への影響はまだ不明な点が多く、微生物もたんぱく質であるためアレルギー反応を引き起こす要因になり得る可能性があると考えられている。また、大腸菌などのグラム陰性菌が有しているエンドトシキンが発熱を引き起こす毒素であるとして知られている。また、黄色ブドウ球菌は、グラム陽性菌であり、エンドトキシンは有していないが、人体に非常に有害なエンテロトキシンを産生することは知られている。黄色ブドウ球菌で汚染されており、その後殺菌した場合は培養法で検出されることはない。しかし、エンテロトキシンは通常の殺菌方法では分解されることができないため、その毒素で汚染された製品を人体に直接投与される可能性がある。死菌を検出、計量することで、このような微生物に起因する毒素による中毒やアレルギーなどを未然に防止できる。
【0025】
また、染色法で総菌数あるいは死菌数を検知・計量することで、簡単に測定できるとともに、特に死菌の定義が困難であるが、その定義を明確にしやすいため、再現性が得られやすくなり、衛生管理の指標として用いることができる。
【0026】
また、核酸染色性と細胞膜を透過する特性を有する染色試薬を用いることで、微生物の形状が保持しているものを総菌(生菌+死菌)と判断でき、総菌の定義を明確にできる。
【0027】
また、核酸染色性と細胞膜を透過しない特性を有する染色試薬を用いることで、微生物の形状を保持しているが、細胞膜が損傷しているものを死菌と判断でき、死菌の定義を明確にできる。
【0028】
また、製薬および医療関連だけでなく、食品分野、化粧品・化成品分野、半導体製造分野などで製品や中間品を製造する過程で、水を製品の原料および洗浄用に用いている分野において、特に通常の微生物汚染という観点ではなく、粒子状の物質を多く含むことで製品や中間品の性能や歩留まりなどに大きく影響を及ぼす場合はこれを未然に防止できる。一般的な無機物の粒子であれば、一旦ろ過などで除去すれば、新たな混入などがない限り粒子が増加することはない。しかし、微生物はたとえ1個存在していても、放置すれば増殖し、非常に多くの粒子(微生物)が製品や中間品に混入する可能性がある。たとえば半導体の製造過程で、水で製品や中間品を洗浄するとき、最近の半導体は精密につくられており、1μmはもちろんのこと、0.2μm程度の粒子であっても、その粒子を含んだ水で洗浄することで半導体の不良の要因になり得る。微生物は0.2〜1μmの大きさであるため、死菌として管理することで、このような不良の発生を未然に防止できる。化粧品や化成品の分野でも粒子状の物質が混入することで、同様の製品や中間品の不良につながる可能性があるものについては、総菌数あるいは死菌数を管理することで、未然に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の請求項1記載の発明は、生菌数と死菌数の合計である総菌数を測定する総菌数測定工程によって計数された総菌数の値で衛生管理を行うことで、単に増殖する微生物の存在の有無による微生物汚染や食中毒の可能性を検査するのではなく、原料や製造工程などでの微生物の混入、配管などでのバイオフィルムによる微生物汚染や不衛生な取扱いによる微生物汚染などを製薬関連製品の総菌数を指標として衛生管理ができるという作用を有する。
【0030】
また、損傷した菌など培養できない菌、あるいはコロニーを形成する能力が著しく低下はしているが完全に死菌にはなっておらず長期間経過後回復しまた増殖する菌などを含む死菌の死菌数管理、あるいは前記死菌数と生菌数の合計である総菌数管理を行うことにより、弱っている生菌およびまたは中毒やアレルギーなどの不具合を発生させる可能性のある死菌を管理することができ、生菌や死菌などの微生物に起因する中毒やアレルギーなどの不具合、あるいは食品、化粧品、半導体などの製品の不良の発生を未然に防止できるという作用を有する。
【0031】
また、請求項2記載の発明は、生菌と死菌を厳密に区別することが難しく、また、実際には強力な殺菌などでほとんど死菌になっているので、死菌数を測定する測定工程によって計数された死菌数の値で衛生管理を行うことで、死菌数だけの測定でより簡単に計数することができ、原料や製造工程などでの微生物の混入、配管などでのバイオフィルムによる微生物汚染や不衛生な取扱いによる微生物汚染などを製薬関連製品の死菌数を指標として衛生管理ができるという作用を有する。
【0032】
また、請求項3記載の発明は、死菌の検出を染色法で行うことで、迅速に計数できるという作用を有する。
【0033】
また、請求項4記載の発明は、核酸結合性と細胞膜を透過する特性を有する染色試薬を用いることで、総菌数は生菌と死菌数を別々に測定することなく、一度で総菌数を検出あるいは計量できるという作用を有する。
【0034】
また、請求項5記載の発明は、核酸結合性と細胞膜を透過しない特性を有する染色試薬を用いることで、通常定義が難しい死菌を明確に表すことができ、また、再現性が得られやすい衛生管理の指標として用いやすいという作用を有する。
【0035】
また、請求項6記載の発明は、医薬品、食品、化粧品、化成品、半導体製品などの各種製品を製造する工程で製造に必要な水の衛生管理方法において、特に粒子状の物質が多く含むことで不良などの問題が発生する製品や中間品に使用する水の総菌数を検知することで、水の製造工程の途中での微生物増殖による粒子状物質の増加を検知・計量できるという作用を有する。
【0036】
また、請求項7記載の発明は、医薬品、食品、化粧品、化成品、半導体製品などの各種製品を製造する工程で製造に必要な水の衛生管理方法において、特に粒子状の物質が多く含むことで不良などを問題が発生する製品や中間品に使用する水の死菌数を検知することで、水の製造工程の途中での微生物増殖による粒子状物質の増加を検知・計量できるという作用を有する。
【0037】
(実施の形態1)
本発明は、製薬および医療関係の固体、液体の製品、中間品などに関する衛生管理方法について述べたものである。この製薬および医療関係の固体、液体の製品、中間品などとは、主に点滴液、注射用の製薬、透析液や目薬など人体に直接投与するものを示しており、つまり人体に直接投与するために経口投与と比較して、増殖する微生物だけでなく、死菌あるいは通常の培養条件ではコロニーを形成しない微生物も人体に入るとすぐに問題になり得る可能性の微生物も混入しない方が良い製品や中間品などを示している。特に透析液は、病院内で水道水などから、RO膜や活性炭フィルタなどで水道水からイオンやその他有機物を除去した後、殺菌を行い、精製水を製造し、この精製水に透析A原液と透析B原液を混合して、透析液をつくり、病院内の配管によって透析室に送られ、専用の機器で患者へ投与する。この透析液に関して、微生物が混入する可能性がある箇所として、水道水中に混入、RO膜・活性炭フィルタ上で微生物が増殖、洗浄・殺菌時に空気中の微生物が水に混入、配管などで微生物が増殖、機器内で微生物が増殖などが挙げられる。もちろん定期的に洗浄、殺菌を行っているため、通常の培養法で微生物を検知することはほとんどない。しかし、メンテナンスが不十分な場合、培養法で微生物を検知することもある。培養法による試験は通常1週間程度かかるため、その結果、培養法で微生物が検知されたときには、その間微生物汚染が拡大し、その微生物汚染された透析液を患者に投与し続ける恐れが生じる。また、水中で増殖する水棲菌は、通常の培養条件ではコロニーを形成しにくい種類が多いため、培養法で計数された微生物数よりも、数百倍あるいは数千倍以上の微生物が実際に存在している可能性が高い。それらの微生物は、生菌、死菌が存在しており、殺菌などが十分に施されていれば、ほとんど死菌になっていると思われる。しかし、死菌であっても、死菌数が多ければ、人体に投与されたときに発熱を引き起こしたり、さまざまなアレルギー反応を引き起こしたり、医療事故につながる可能性がある。
【0038】
本発明は、透析液のように殺菌工程を有しており、死菌が直接人体にはいることで問題を引き起こす可能性がある製薬関連製品の製品検査、中間品検査、工程検査、機器・施設検査などで、生菌数だけでなく、死菌数を衛生管理の指標として含むことで、より高度な衛生管理を行い、また、微生物汚染を予防することで、死菌を多く含むことによる問題を解決することを目的している。培養法による生菌の管理方法では、微生物が検知された場合には、たとえば配管中に検知されたときには配管内部にバイオフィルムなどが形成されて、非常に大きな微生物の塊がいくつも存在している可能性があり、こうなってしまうとこのバイオフィルムを洗浄・殺菌するのに非常に多くの労力が必要であるとともに、発見までの間に、患者に投与し続けることになる。死菌数を衛生管理の指標に加えることで、生菌検出よりも迅速に微生物汚染を発見でき、バイオフィルムが形成されるときは、まず死菌として検出されることが多いため、微生物汚染の予兆を早期に発見することもできる。本発明における死菌とは、微生物の形状がある程度保たれており(少なくとも顕微鏡で微生物と確認できるレベル)で、微生物内のDNAやRNAが全部あるいは一部が残存しているが、増殖能力がない、もしくは低下しているものとしている。したがって、死菌として検出されたものであっても、長期間放置していると、やがて回復し、再び増殖する可能性を有した微生物を含む。強力な殺菌剤や殺菌方法で微生物を殺菌した場合、たとえばオートクレーブなどで殺菌した場合、微生物の全部あるいは一部が、溶菌することで、微生物の形状をなしていない場合は、死菌として含んでいない。これら溶菌したものは、微生物の形状を保持したものと比較して、人体に対する影響は非常に少ないと考えられる。したがって、殺菌によって、細胞膜が大きく損傷しているが、一応微生物の形状を保持しているものを死菌と定義している。
【0039】
この死菌を検出する方法として、蛍光染色試薬で微生物を染色し、この蛍光染色試薬に対応した励起光を照射することで、染色された微生物が蛍光を発するため、蛍光顕微鏡で目視で観察することで、死菌を検出および計量することができる。死菌染色試薬としては、例えばアクリジン2量体、チアゾールオレンジ2量体、オキサゾールイエロー2量体などのモノメチン架橋非対称シアニン色素2量体や、SYTOX Green、TO−PRO−1などのモノメチン架橋非対称シアニン色素系化合物、PI(ヨウ化プロピジウム)、臭化ヘキシジウム、臭化エチジウム、LDS−751、SYTOX Orangeなどのポリメチン架橋非対称シアニン色素などが挙げられる。これらの試薬は、DNAやRNAと結合するが、細胞膜を透過する性質を有していない。殺菌工程で細胞膜が損傷を受けたときに細胞膜を透過して、DNAやRNAと結合する。試薬に対応した励起光を照射すると微生物全体が蛍光を発し、蛍光顕微鏡で観察すると微生物と認識できる大きさ、形状で蛍光を発する。つまり、これらの試薬を用いることで、本発明の死菌として認識している、微生物の形状を保持し、DNA・RNAを保持している微生物を検知・計量できる。しかし、増殖能力がどの程度低下しているかは不明であるが、少なくとも細胞膜が損傷を受けている微生物として検知・計量できる。製薬関連製品は、殺菌工程を有しており、その場合、微生物は、何らかの損傷を受けるため、死菌の検出で衛生管理に対応できる。また、ろ過滅菌などが施されている場合でも、微生物の形状が保持されていれば、フィルタに捕捉されるので、基本的にはろ過滅菌後の検体には死菌すら検出されないはずであり、死菌が検出されれば、フィルタが汚染あるいは機能していない、あるいはろ過滅菌後に微生物汚染がされたなどの衛生管理としての指標だけでなく、汚染の状況や原因などを把握することが容易である。ここでは、細胞膜が損傷している微生物を死菌と定義しているが、その他にも試薬の作用として死菌と定義できる試薬などを用いても良い。
【0040】
また、死菌数だけでなく、生菌数も計量して、総菌数として測定し、総菌数を衛生管理の指標として用いることができる。総菌数の考え方としていくつかある。1つは、生菌を培養法で検知・計量したものとして、死菌数は上述した方法で検知・計量し、その数値を合計したものを総菌数とする。また、培養法だけでなく、染色法以外の方法で検知・計量したものを生菌数とするものも含む。また、単純な足し算ではなくて、たとえば、生菌数と死菌数の比を管理指標とすることもできる。2つめは、核酸結合性と細胞膜を透過する性質を有した染色試薬で微生物を染色し、その試薬に対応した励起光を照射して、染色された微生物が蛍光を発し、その蛍光を蛍光顕微鏡で目視で検知・計量したものを総菌数として衛生管理の指標として用いることである。この2つめの総菌数を検出する方法の総菌染色試薬として、たとえばDAPI(1,4−ジアミジノ―2−フェニルインドール)、アクリジンオレンジ、オキサゾールイエロー、チアゾールオレンジや、SYTO9、SYTO13、SYTO16、SYTO21、SYTO24、SYBR Green I、SYBR Green II、SYBR Goldなどのポリメチン架橋非対称シアニン色素系化合物が挙げられる。これらの試薬は、細胞膜を透過する性質を有しているために、殺菌工程で細胞膜の損傷があっても、なくても細胞内のDNA、RNAと結合する。そして、試薬に対応する励起光を照射することで、蛍光を発する。微生物の形状が保持されていれば、微生物全体として蛍光を発するため、蛍光顕微鏡で目視で検知・計量することができる。この総菌数は、生菌と死菌を同時に検出するが、生菌と死菌の区別はつかないが、この総菌数を衛生管理の指標として用いることは可能である。培養法で検知・計量された微生物数を生菌として定義して、総菌数から生菌数を差し引いて、死菌数を求め、この死菌数を指標として用いることでも良い。また、上述した死菌数を計量する方法で、死菌数を求め、総菌数から死菌数を差し引いたものを生菌数として求めることでも良い。微生物が生きているあるいは死んでいるという定義は非常に難しいため、たとえば本発明で示した染色試薬の作用、その他呼吸活性を有している、エステラーゼを有しているなどによって生菌、死菌を定義して指標として活用することが重要である。
【0041】
死菌のみの場合も同様であるが、指標として用いる場合の基準(数値)としては、経験的に求めることが必要である。たとえば、洗浄・殺菌やメンテナンスをきちんと行っており、特に問題が発生していないときの生菌数や死菌数あるいは総菌数を把握して、その数値を個別で基準値と設定することや比などをとって基準値として設けることや、問題が発生したときの数値から基準値を設けることができる。製薬関連製品の個別の指標、基準値は原料由来による微生物数や製薬の効用の観点から十分に殺菌できないものもあるので、全く無菌、即ち微生物(生菌あるいは死菌)が全く存在しないということは考えらないため、人体におよぼす影響度から決める必要がある。また、透析液の場合、病院で調製しているために、病院特有の殺菌方法や管理方法などがあるため、最終の透析液の基準値としてはたとえば死菌数100個/ml以下などと決めて、透析液全体の基準として決めることが可能であるが、途中の調製工程における測定ポイントを設け、そのポイント毎に指標、基準値を設けることが肝要である。なぜなら、患者に投与する直前の工程でメンブレンフィルタなどによるろ過滅菌が組み込まれていることが多く、そのろ過滅菌の工程の前ではどんなに微生物汚染が起こっていても、ろ過滅菌で患者に微生物汚染された透析を投与しないようになっている。しかし、微生物汚染を放置しておくと、メンブレンフィルタ上に微生物が堆積し、少しづつ微生物が漏れ出したり、なんらかの原因でいっきに微生物が透析液に混入したりする可能性があるため、RO膜の出口、精製水の貯留層、配管の途中・出口、ろ過滅菌の直前など殺菌・洗浄の工程や各調整工程に応じて、チェックポイントを設け、そのチェックポイントでの指標、基準値を設けて、衛生管理を行う必要がある。つまり、製薬関連製品の最終の製品検査だけではなく、調整工程あるいは製造工程の途中段階でチェックポイントを設け、そのポイントにおける死菌数、総菌数あるいはその比などで指標、基準値として設定し、衛生管理を行うことで、より高度で安全に衛生管理できる方法になる。また、微生物の分野では、微生物を検知・計量する原理・方法、さらに装置によって同じ検体を測定しても、異なる数値を得ることがしばしば見受けられる。したがって、ある装置で計量した死菌数や総菌数の数値が、全体の基準値として採用できない場合もある。数値そのものの絶対値が製薬関連製品全体の有効な指標になることもあるが、その装置固有の数値として、またその検体特有の指標として活用することも必要である。いずれにしても、製薬および医療関係の固体、液体の製品、中間品などの殺菌工程を有しているもので、人体に直接投与する製品および中間品および工程・機器・施設検査に総菌数あるいは死菌数を測定し、その数値によって衛生状態を判断することで、より高度で安全性に優れた衛生管理方法を提供できる。
【0042】
また、製薬および医療関連だけでなく、食品分野、化粧品・化成品分野、半導体製造分野など医薬品、食品、化粧品、化成品、半導体製品などの中間品を含む各種製品を製造する工程で製造に必要な水の衛生管理方法において、過程で、水を製品の原料および洗浄用に用いる。一例として、半導体は集積度が年々高まり、空気中の粒子(塵埃など)が製造過程で半導体に付着すると、不良の原因になるためクリーンルーム内で製造されている。水についても、イオン交換、活性炭などによる有機物の除去、UV・熱などによる殺菌、フィルタによる粒子のろ過あるいは蒸留などにより超純水として精製して、製造用水として使用する。その製造用水は精製後、工場内の配管などによって供給される。しかし、その配管内でほんの一部の微生物が混入したときにやがてバイオフィルムなどが生成され、微生物が増殖し、製造用水の中に多くの微生物が混入して、結果的に製造用水に多くの粒子(微生物)が含まれ、その水で洗浄などを行うことで半導体の不良などを引き起こす原因になる。一度配管内にバイオフィルムが生成されると、発生している場所の特定やそのバイオフィルムの除去は容易ではなく、大きな労力が必要であり、場合によっては配管自体を交換する必要もある。このバイオフィルムは初期の段階では培養法でほとんど検出されることが少なく、培養法で検出されたときには、大きな塊に拡大していることが多い。しかし、バイオフィルムが初期の段階で検出されないのは、表面の死菌がはがれるためであって、これを死菌菌数として検出すれば、初期の段階で検出することができ、微生物汚染が拡大する前に発見できる。この死菌数を衛生管理の指標として管理することで、バイオフィルムのような微生物汚染を未然に防止できる。ここで、製品は中間品を含む。
【実施例】
【0043】
(実施例1)
本発明の実施例1について、透析液について微生物検査を実施した結果を以下に示す。
【0044】
透析液については、水道水からRO膜でイオン交換した水に透析A原液と透析B原液を混合して調整した透析液(調整透析液)と、その調整透析液をフィルタでろ過した透析液(透析液)とその透析液を最終フィルタでろ過した患者へ投与する直前の透析液(最終透析液)を検体して選定した。微生物検査は、従来の培養法(R2A培地を用いて28℃で7日間培養)と生化学工業製のエンドトシンを測定する装置でエンドトシン値を測定した。同じ検体に対して、本発明である蛍光染色法を用いて、総菌数と死菌数を測定した。総菌数については、染色試薬としてDAPIを用い、メンブレンフィルタで検体をろ過した後、そのフィルタにDAPI溶液を100μl滴下して、2分間染色した。DAPI溶液をろ過した後、メンブレンフィルタにUV光を照射して、青色に蛍光発光した点をCCDカメラで撮影し、その発光点をカウントして、総菌数を計量した。死菌数については、染色試薬としてPIを用い、メンブレンフィルタで検体をろ過した後、そのフィルタにPI溶液を100μl滴下して、2分間染色した。PI溶液をろ過した後、メンブレンフィルタに緑色光を照射して、赤色に蛍光発光した点をCCDカメラで撮影し、その発光点をカウントして、死菌数を計量した。その結果を図1に示す。フィルタでろ過をしている順番から考えて、調整透析液、透析液、最終透析液の順で微生物的により衛生になっており、従来法および本実施例の結果もそれを裏付けている。調整透析液はフィルタでろ過する前であるから、培養法、エンドトキシン値、総菌数および死菌数が高い数値を示している。フィルタろ過した後の透析液は、エンドトシン値はND(1EU/l以下は菌がほとんどいないと言われている数値)にもかかわらず、培養法では、6cfu/ml、本実施例である総菌数は90個/ml、死菌は60個/ml検出された。つまり、エンドトキシンでは衛生状態を十分に検査できない可能性を示している。これは、エンドトキシンが大腸菌などのグラム陰性菌しか測定できないためである。また、死菌が多い場合のエンドトキシンの量の関係がまだ十分解明できていないことや、エンドトシキンの量が少ない微生物が多く繁殖しても、検出できない可能性がある。培養法の値に比べて、総菌数は10倍以上、死菌数は5倍以上の値を示した。つまり、培養法で検知できない微生物の10倍以上(生菌か死菌の区別なしで)の存在を確認することができた。特に培養法は、培地および培養条件との相性によって、検出できなかったり、あるいは非常にばらつきの大きな値を得ることが多い。この結果からも、本発明の衛生管理方法を用いることでより高度な衛生管理を行うことができると判断できる。また、本実施例の総菌数および死菌数を測定するのに、20分間程度で結果を得ることができた。培養法は、7日間の培養が必要であるため、結果を得たときには、7日間経過しており、その間、微生物汚染がさらに拡大することが考えられ、総菌数、死菌数を衛生管理の指標として用いることで、高度な衛生管理だけでなく、微生物汚染などの問題が発生を早期に発見することができ、微生物汚染の拡大を未然に防止できる。この結果から、総菌数および死菌数を衛生管理の指標として用いる場合、まずこの数値がきちんとメンテンスされた状態で、通常であれば問題が発生しないという判断がされている状態であれば、数値の誤差などを考慮して、調整透析液の総菌数500個/ml以下、死菌数は、200個以下、透析液の200個/ml以下、死菌数は100個/ml以下、最終透析液の総菌数は、ND(10個/以下)、死菌数はND(10個/以下)が基準として考えられる。培養法やエンドトシキン法で微生物汚染が疑われる数値でなくても、総菌数や死菌数の値がこの基準値以上になったら、微生物汚染が考えられるため、原因の究明や洗浄・殺菌を行うことで、衛生管理を実施することができる。なお、この基準値はこの結果から考えられる指標として示したもので、検体の種類、サンプリングポイントや製造工程などによって、大きく異なる。したがって、通常問題などが発生しないと考えられる状態において、製造工程や途中の殺菌工程などを考慮して、途中にチェックポイントを儲け、そのチェックポイントにおける総菌数あるいは死菌数の数値を把握した上で、その数値の誤差やばらつきを加えた数値を基準値として、衛生管理を行うことで、より高度な衛生管理や微生物汚染を未然に防止できる。
【0045】
(実施例2)
本発明の実施例2について、化成品関連を製造するための原料として用いている製造用水について微生物検査を実施した結果を以下に示す。製造用水は、通常製品に大きな問題が起こっていないものを製造用水A、少し問題が起こっているものを製造用水Bの2種類を用いた。各製造用水の総菌数と死菌数の検出、計量方法は実施例と同様の方法で行った。その結果、培養法では製造用水Aと製造用水Bのいずれも検知できなかった。蛍光染色法では、製造用水Aは、検知限界以下で検出できなかった。しかし、製造用水Bは、総菌数および死菌数とも数100個〜数千個/mlの値が得られた。この製造用水Bの蛍光染色法で蛍光発光した点を顕微鏡で確認したところ、微生物と確認できた。つまり、製造用水Bの配管内にバイオフィルムなどが形成し、微生物汚染の予兆あるいは初期段階で発見することができた。この総菌数あるいは死菌数を衛生管理の指標として管理することで、微生物汚染により製品の不良などを未然に防止できる。なお、指標とする数値は、絶対値として決めることができない場合が多く、たとえば最終の製品の仕様における品質管理値に対して問題が生じないレベルのときの死菌数を把握し、あるいは問題が生じた場合の死菌数を把握し、その数値からバラツキ度合いなどを考慮して管理指標として用いると良い。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、製薬および医療関係の固体、液体の製品、中間品などに関する衛生管理方法であって、あるいは製薬および医療関係だけでなく、食品分野、化粧品・化成品分野、半導体製造分野などで製品の原料あるいは洗浄などで使用する製造用水に関する衛生管理方法であって、より高度に衛生管理を行うことができ、微生物汚染を未然に防止できる点において産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施例による微生物の測定結果を示す図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体に直接投与する製品および中間品の衛生管理方法において、生菌および死菌の菌数を測定する総菌数測定工程と、前記総菌数測定工程において測定された総菌数の値で衛生状態を判断する衛生状態判断工程を含んだ衛生管理方法。
【請求項2】
人体に直接投与する製品および中間品の衛生管理方法において、死菌の菌数を測定する死菌数測定工程と、前記死菌数測定工程において測定された死菌数の値で衛生状態を判断する衛生状態判断工程を含んだ衛生管理方法。
【請求項3】
前記総菌数測定工程あるいは死菌数測定工程において、染色法で死菌を計量する死菌検出手段を設けた請求項1または2記載の衛生管理方法。
【請求項4】
前記総菌数測定工程において、核酸結合性と細胞膜を透過する特性を有した染色試薬を用いた染色法で死菌を計量する総菌検出手段を設けた請求項1記載の衛生管理方法。
【請求項5】
前記総菌数測定工程あるいは死菌数測定工程において、核酸結合性と細胞膜を透過しない特性を有した染色試薬を用いた染色法で死菌を計量する死菌検出手段を設けた請求項1または2記載の衛生管理方法。
【請求項6】
各種製品を製造する工程で製造に必要な水の衛生管理方法において、生菌および死菌の菌数を測定する総菌数測定工程と、前記総菌数測定工程において測定された総菌数の値で衛生状態を判断する衛生状態判断工程を含んだ衛生管理方法。
【請求項7】
各種製品を製造する工程で製造に必要な水の衛生管理方法において、死菌の菌数を測定する死菌数測定工程と、前記死菌数測定工程において測定された死菌数の値で衛生状態を判断する衛生状態判断工程を含んだ衛生管理方法。

【図1】
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【公開番号】特開2007−300840(P2007−300840A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−131361(P2006−131361)
【出願日】平成18年5月10日(2006.5.10)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】