説明

衝撃モニタリングシステム、装置及び方法

【課題】特に隣接する大きな騒音に囲まれた中で機械の衝撃事象を判定する上での問題を解決し、大量のデータ記憶域を必要とする問題を解決し、且つ高周波成分と付随する機械の衝撃事象の消失を生じる信号処理上の問題を解決する装置及び方法。
【解決手段】変換器を用いて機械をモニタリングする段階と、前記電気信号をサンプリングしてデジタル化信号にする段階と、取得された前記デジタル化信号の最大値及び最小値を、前記電気信号がサンプリングされた回転要素の相関付けられた所定の回転角度によって定められる位置を有する複数のデジタルパケットの各々に対して求めることによって、複数のデジタルパケットに変換し、最大及び最大デジタルパケットとこれらの回転角度のみを格納する段階と、前記複数の最大及び最小デジタルパケットの値及びこれらの回転角度と、既知の値とを比較する段階と、前記比較段階に基づき衝撃事象を判定する段階と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に、資産モニタリングの信号処理システムに関し、具体的には、回転機械及び往復機械などの資産の衝撃事象をモニタリングする衝撃モニタリングシステム、方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
機械の運転は、機械運動、軸受表面上に作用する力、並びに流体及びガスが流れるプロセスの結果として生じる特有の音を引き起こす。これらの音は、機械内でのエネルギー消費の結果である。従って、衝撃事象という用語は、部品の緩み、過大間隙、部品固着、不慮の金属間接触、及び他の事象が、機械内で生じ得る多数の破壊的事象を引き起こすことに由来して使用される。これらの事象は、機械的な問題を示す打音、衝撃音、金属音をもたらす。従ってこれらの音は、機械がハンマーで打撃されものと同様の衝撃特性がある。
【0003】
これまでは、これらの音が正常か異常であるかの判定は、人間の耳での聴き取り、及び現在の音と過去の記憶された音との比較によって行われた。人間の耳は、広い周波数領域の音を検出し、相対的な大きさを検出し、音のパターン又は音のパターンの異常を識別することが極めて得意である。しかしながら、耳は、隣接する大きな騒音に囲まれた中で、特に低レベルの音を識別するのがとりわけ困難である。
【0004】
技術により、例えば機械の機械ケーシングの加速度又は速度を検出する慣性センサの使用により、又は機械に近接して音圧を検出するマイクロフォンの使用によって機械の運転音を検出して、人間の耳の不整合を排除することが可能となった。システムは、これらのセンサを使用して、人間の耳では検知できない音、特に隣接する大きな騒音に囲まれた中で低レベルの音を検知し且つ記録することができる。
【0005】
しかしながら、音を連続的にサンプリングして放射される完全な周波数領域を検出し、これらを機械の完全な周期にわたり比較して、比較のための履歴を保持するには、膨大な量のデータ記憶域を必要とするという問題がある。履歴データと比較を行うのに十分なデータを有する周期的な音のサンプルを採取するだけでも大量の記憶域を必要とする。
【0006】
正常時に騒音的な運転を示す機械の1つの具体的な実施例は往復式圧縮機であり、これは典型的には、圧縮機で問題が生じていることを示す大きな衝撃事象を検知するために、クロスヘッド上の加速度計とクランクケース上の速度センサの設置を含む。これらの事象を検出するには、検出レベルは圧縮機の正常運転レベルより上に設定すべきである。正常運転レベルより上に設定された検出レベルを用いると、新たに生起している問題の識別は、動的な波形データを観察してより低レベルの衝撃事象を識別し、これを圧縮機運転に相関付けて推定原因を判定しようとすることによって行われる。
【0007】
しかしながら、加速度波形は有意な高周波成分を有し、その結果、全周期の波形が波形のエリアジングを発生させるのに十分な低いサンプリングレートで観測された場合には、高周波部分及びこれに付随する衝撃事象が消失する可能性があるので、この方法には問題がある。一方、高周波成分を見るためにサンプリングレートが増大した場合には、全周期を見ることはできなくなり、周期の極めて最初の部分だけを見ることができる。これらの双方の場合において、波形を観察する際に衝撃事象を見逃す可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭60-18729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、特に隣接する大きな騒音に囲まれた中で機械の衝撃事象を判定する上での問題を解決し、大量のデータ記憶域を必要とする問題を解決し、且つ高周波成分と付随する機械の衝撃事象の消失を生じる信号処理上の問題を解決する装置及び方法に対するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、公知の先行技術より優れた複数の方法で特徴付けられる。1つは、本発明の1つの実施形態は、資産の衝撃事象の位置を求めることによって特に隣接する大きな騒音に囲まれた機械の衝撃事象を判定し、他の機械事象(吸入弁及び排気弁の作動、ロッド逆転等のような)に対する事象相関付けを可能とする事象タイミングを求め、事象の相対的大きさが過去の記録と履歴的に比較可能となるように該事象の相対的大きさを求めるためのシステム、装置及び方法を提供する。加えて本発明の1つの実施形態は、大量のデータ記憶域を必要とする問題を解決するためのデータ圧縮の装置及び方法を提供する。更に、本発明の1つの実施形態は、信号処理中の機械の衝撃事象を保持するための装置及び方法を提供する。
【0011】
本発明の1つの実施形態では、機械の状態に対して相関性のある機械の衝撃事象を判定する方法は、機械の状態に対して相関性のある電気的信号を出力する少なくとも1つの変換器を用いて機械をモニタリングする段階と、電気的信号をサンプリングしてデジタル化信号にする段階と、機械の回転要素の所定の回転角度に対して相関性のあるサンプリング範囲にわたり取得されたデジタル化信号の最大値及び最小値を、電気信号がサンプリングされた回転要素の相関付けられた所定の回転角度によって定められる位置を有する複数のデジタルパケットの各々に対して求めることによって、デジタル化信号を複数のデジタルパケットに変換する段階と、複数のデジタルパケットの値と既知の値とを比較する段階と、比較段階に基づいて機械の衝撃事象を判定する段階とを含む。上記方法は、変換段階の前にデジタル化信号をフィルタ処理する段階を更に含むことができる。上記方法は、比較段階の基準によって保証されたものとして各衝撃事象に対して警報を出す段階を更に含む。
【0012】
本発明の他の実施形態では、機械をモニタリングする変換器によって出力された電気信号から機械の衝撃事象を判定する装置は、電気信号をサンプリングしてデジタル化しデジタル化電気信号にするために変換器に動作可能に接続されたアナログデジタル変換器と、デジタル化電気信号を受け取り、各々が機械の回転要素の所定の回転角度に対して相関付けられたサンプリング範囲わたり取得された最大値及び最小値を有し且つ各々が電気信号がサンプリングされた回転要素の相関付けられた所定の回転角度によって定められる位置を有する複数のデジタルパケットへデジタル化電気信号を変換する手段を含む、サンプリング装置に動作可能に接続されたプロセッサとから構成され、プロセッサは更に、複数のデジタルパケットの複数の最大値及び最小値とこれらのそれぞれの位置を既知の値と比較する手段と、比較段階に基づき衝撃事象を判定する手段とを含む。上記方法は更に、デジタル化電気信号を前記複数のデジタルパケットに変換する前に、デジタル化電気信号をフィルタ処理するための、プロセッサに動作可能に接続されたフィルタを含むことができる。上記方法は更に、機械を保護するために保証されたものとして、各決定された各衝撃に対して警報を出すために前記プロセッサに動作可能に接続された警報装置を含むことができ、該警報装置は、機械を保護するために保証されたものとして、決定された各衝撃をプラント要員へ報知する手段を含むことができる。
【0013】
本発明の他の実施形態では、システムは、物理的資産パラメータを計測して資産状態に対して相関性のある電気信号を出力するために資産に動作可能に接続された少なくとも1つの変換器と、電気信号をサンプリングしてデジタル化しデジタル化電気信号にするために変換器に動作可能に接続されたサンプリング装置と、デジタル化電気信号を受け取り、各々が資産の運動要素の所定の移動の程度を有するサンプリング範囲にわたり取得された最大値及び最小値を有し且つ各々が電気信号がサンプリングされた運動要素の所定の移動の程度によって定められた位置を有する複数のデジタルパケットにデジタル化電気信号を変換するためにサンプリング装置に動作可能に接続された第1のプロセッサと、第1のプロセッサに動作可能に接続されて、複数のデジタルパケット及びこれらのそれぞれの位置を既知の値と比較するための手段と該比較段階に基づいて機械の衝撃事象を判定する手段とを含む第2のプロセッサとから構成される。
【0014】
更に、このように本発明を要約してきたが、上記及び本明細書の冒頭の請求項で述べる本特許の技術的範囲並びに公正に意図するものから逸脱することなく多数の変形及び適合を行使することができることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】衝撃モニタリングシステムの機能ブロック図。
【図2】衝撃モニタリング方法の一般的なフローチャート。
【図3】毎秒262,100サンプルのベースラインサンプリングレートでサンプリングされた2つの変換器からの2つの信号を電圧値対クランク角度(度)でプロットしたグラフ。
【図4】毎秒64,000サンプルでサンプリングされた2つの変換器からの2つの信号を電圧値対クランク角度(度)でプロットしたグラフ。
【図5】図4に示す回転当たり64,000サンプルの2つのプロットの各々から720サンプルを採取して得られた2つの720点サンプルのプロットのグラフ図。
【図6】図3に示す回転当たり262,100サンプルの2つのプロットの各々を変換する衝撃モニタリングシステムの結果から採取された720サンプルによって得られた2つの720点サンプルのプロットのグラフ図。
【図7】図4に示す64,000サンプルデータのプロット上に図5に示すサンプル採取データプロットを重ねた状態で回転角度270度から300度までのデータを抽出したグラフ。
【図8】図4に示す64,000サンプルデータのプロット上に図6に示す変換されたデータのプロットを重ねた状態で回転角度270度から300度までのデータを抽出したグラフ。
【図9】図4に示す64,000サンプルデータプロット無しで、図6に示す変換されたデータのプロットを回転角度270度から300度までのデータを抽出したグラフ。
【図10】図4に示す64,000サンプルデータのプロットを1kHzローパスフィルタを介して通過させて得られた2つのプロットのグラフ。
【図11】1kHzローパスフィルタ通過した回転当たり64,000サンプルの2つのプロットの各々から720サンプルを採取することにより得られた2つの720点サンプルのプロットグラフ。
【図12】1kHzのローパスフィルタを通過させた回転当たり262,100サンプルの2つの各々を変換する衝撃モニタリングシステムからの2つの結果の各々から720のサンプルを採取することによって得られた、50度付近のデータは、サンプル抽出法におけるよりも良好に保存されたものとなっている2つの720点サンプルのプロットのグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0016】
同じ参照番号が種々の図面の図全体を通じて同じ部品を示す各図面を考察すると、参照番号10は、例えば、回転機械及び/又は往復機械の形態の資産の衝撃事象を判定するための衝撃モニタリングシステム、装置、及び方法を示す。
【0017】
本質的には、各図面を参照すると、本発明の実施形態は、機械の状態に対して相関性のある変換器計測データを、受け取り、デジタル化し、変換し、圧縮し、保存し、送信し、且つ表示するシステム10、装置及び方法を提供し、ここでは計測データは、少なくとも1つの変換器20によって連続的に感知されて、モニタ30及びコンピュータモニタリングシステム100によってデジタル化され、変換され、圧縮され、且つ表示され、例えば、他の既知の大きさ又は他の機械の計測値に対する相対的大きさを比較、及び/又は自己履歴に対して(例えば、強度が向上したか又は低下したか)比較して新たに生起している問題を識別することにより機械の衝撃事象を判定し、これらを機械運転に相関付けて推定原因を求めて、ある事前対応措置を策定して問題を軽減する。システム10はまた、他の機械事象(吸入弁及び吐出弁の動作、ロッド逆転等などのような)に対する事象相関付けを可能とする事象タイミングを求め、事象の相対的大きさを求めて、該相対的大きさを過去の記録と履歴的に比較できるようにする。
【0018】
より具体的には、図1を参照すると、システム10の1つの実施形態は、サンプリング/デジタル化装置又はアナログデジタル(A/D)変換器40を含むモニタ30と、処理装置50と、関連メモリ60とから構成される。アナログデジタル変換器40は、接続部22を介して少なくとも1つの変換器20に動作可能に接続されており、同様に接続部42を介して処理装置50に動作可能に接続されている。次に、処理装置50は、以下に説明する関連メモリ60に動作可能に接続され、且つ最大最小(MAX/MIN)変換手段70及びフィルタ手段72を含む。
各変換器20、24は、サイズモ型又は慣性型変換器の形態を取ることが可能であり、該変換器は、例えば、機械からの軸受ハウジング、ケーシング、又は構造物の振動計測値を測定して各々が機械の状態を示すアナログ変換器計測値又はアナログ電気信号を出力する機械Mのような資産に動作可能に接続されている。サイズモ型変換器は当該技術分野では良く知られており、速度変換器及び加速度変換器などの広範な種類のサイズモ型変換器は、1631BentlyParkway South,Minden,Nevada,USA89423に所在のBentlyNevada,LLCによって製造されている。
【0019】
少なくとも1つの変換器20は、接続部22を介してアナログデジタル変換器40に動作可能に接続されており、該変換器40は、少なくとも1つの変換器20からの資産又は機械の状態を示すアナログ信号を受け取り、サンプリングし、デジタル化して、該デジタル化信号を接続部42を介して処理装置50へ送信する。処理装置50は、アナログ信号を例えば既知のサンプリングレートでサンプリングするためにアナログデジタル変換器40に制御信号を供給することができる。加えて、処理装置50は、1つ又はそれ以上のデジタル信号処理プロセッサ(DSP)50及び関連メモリ60などの各々が関連メモリを有する、1つ又はそれ以上のプロセッサから構成することができる。
【0020】
処理装置50は、接続部42を介してアナログデジタル変換器40から出力されたデジタル化信号を受け取り、次いで、好ましくはフィルタ72を用いてサンプリングされた波形を、例えばバターワースフィルタなどのローパスフィルタによりフィルタ処理し、次いで、処理手段は、最大/最小変換手段70を使用して複数の最大及び最小サンプル又はデジタルパケットを求め、資産の回転要素が所定の回転角度を回転する間に取得されたフィルタ処理済みデジタル信号の複数のサンプルからの最大値及び最小値を各々が含み、複数のデジタルパケットの各々に対する位置と最大値及び最小値を定め、各デジタルパケットの位置は回転要素の所定の各回転角度によって定められ、これにより、少なくとも1つの変換器20によって出力されたアナログ信号を、各々が固有の識別位置を有する複数の最大及び最小サンプル又はデジタルパケットに変換する。
【0021】
次いで更に、システム10は、各デジタルパケット及びその関連する位置の各最大値及び最小値を好ましくは連続的にメモリ60内に単に格納する(例えば、各所定の回転角度当たりの最大値を最初に格納し次いで最小値を格納する)ことによって、変換器20によって出力されたアナログ信号を圧縮し、固有の位置又は所定の回転角度と関連する最大値及び最小値の波形を定める。モニタ30を用いて、過去の既知の値に対する最大値及び最小値と位置を比較して、例えば、特定の位置において過去の既知の値に基づく所定の基準に一致するか又は上回る最大値及び/又は最小値を有するなどの比較段階に基づいて衝撃事象を判定することができる。
【0022】
更に、本発明の1つの実施形態において、図1は、モニタ30がまた、処理装置50及び関連メモリ60が接続部82(データバス)、接続部84(アドレスバス)、及び接続部86(制御配線)を介して互いに且つ制御装置80に接続されるように処理装置50に動作可能に接続されたコントローラ又はマイクロコントローラ80を含むことができることが示されている。モニタリングシステム30、従ってMAX/MIN変換手段70とフィルタ72を含むプロセッサ50は、マイクロコントローラ80又は他の外部コンピュータを介してプログラムすることができる。
【0023】
加えて、本発明の1つの実施形態では、システム10は更に、モニタリングシステム30に接続部102を介して動作可能に接続されたコンピュータ制御状態モニタ100から構成される。コンピュータ制御状態モニタ100は、ラップトップ型、ノートブック型、デスクトップ型、ネットワーク型、及び/又は分散型コンピュータ又は同様のものとすることができる。コンピュータ制御状態モニタ100は一般に、プロセッサ、メモリ及び記憶媒体から構成される処理及び記憶手段又は装置上で動作するソフトウエアから構成される。処理装置及び記憶装置104は、選択又はマウス装置106及び/又はキーボード108などの少なくとも1つの入力装置と、ディスプレイ112を含むグラフィカルユーザインターフェイス110に動作可能に接続される。ユーザと、処理及び記憶装置104と、モニタ30との間の通信は、グラフィカルユーザインターフェイス110を介して行われ、その結果、コンピュータ制御状態モニタ100は、定められた最大値及び最小値波形を既知の波形及び/又は基準値と共に表示し且つ比較して、コンピュータ制御状態モニタ100によって視覚的又は計算的に行うことができる比較段階に基づいて任意の衝撃事象を判定するために使用することができる。
【0024】
コンピュータ制御状態モニタ100及びモニタ30は、接続部102を介して双方向通信を提供し、従って、とりわけ変換器20から発生し、モニタ30によって変換され、且つコンピュータ制御状態モニタ100へ表示するために送信されたデジタル化アナログ電気信号を通信するための手段と、定められた最大値及び最小値波形を既知の波形と比較する目的で表示する手段と、既知の波形上の同一位置に対する所定の基準に一致するか又は上回るある位置での最大値及び/又は最小値を有することによるなどの比較段階に基づいて衝撃事象を判定する手段を提供するようにプログラムすることが可能である。このようにして、衝撃事象はシステム10によって視覚的又は計算的に求めることができる。
【0025】
モニタ30は更に、接続部91を介してコントローラ80に、接続部92を介して処理装置50に、及び/又は接続部102を介してコンピュータ制御状態モニタ100に動作可能に接続されたデジタルアナログ変換器90を含むことができ、例えば、リレー出力、−20mA出力のような電流出力、プロセッサ又はモニタと他の外部プラットフォームとの間の通信リンクなどの物理的出力装置94との接続部93を介した情報の送受を行う手段と、とりわけ、求められた衝撃事象に基づく警報96を発生し、該警報を使用して少なくとも1つの変換器20によってモニタリングされている機械Mを自動的に停止させ、及び/又は機械的問題をオペレータ及び他のプラント要員へ自動的に報知する手段を提供する。
【0026】
1つ又はそれ以上の電源98は、変換器20、24、モニタ30、物理的出力装置94、及び/又はコンピュータ制御状態モニタ100に任意の必要な電力を供給するように動作可能に接続されている。
【0027】
図1と組み合わせて図2を参照し、且つ上記に説明した観点から見ると、機械の状態に対して相関性のある機械の衝撃事象を判定するための本発明の1つの方法の実施形態は、1)少なくとも1つの変換器を用いて機械をモニタリングして機械の状態に対して相関性のある電気信号を出力する段階と、2)電気信号をサンプリングしてデジタル信号にする段階と、3)機械の回転要素の所定の回転角度と相関するサンプリング範囲にわたり取得されたデジタル信号の最大値と最小値を、電気信号がサンプリングされた回転要素の相関付けられた所定の回転角度によって定められた位置を有する複数のデジタルパケットの各々に対して求めることによりデジタル化信号を複数のデジタルパケットへ変換して、アナログ変換器測定値を各々が固有の位置を有する複数のデジタルパケットに変換して圧縮する段階と、4)複数のデジタルパケットの値を既知の値と比較する段階と、5)機械保護のために比較段階に基づき衝撃事象を判定する段階とを含む。
【0028】
上記方法の上記段階は更に、以下の任意の1つ又はそれ以上の段階から構成することが可能であり、段階1は、機械の状態に対して相関性のある電気信号を出力する少なくとも1つの変換器を備える往復又は回転機械の振動をモニタリングする段階を更に含むことができ、段階2は、電気信号を既知のサンプリングレートでサンプリングし且つデジタル化してデジタル化振動信号とする段階を更に含むことができ、段階3は、デジタル信号プロセッサと関連メモリを使用して、デジタル化振動信号をフィルタ処理して、次いで機械の回転要素の所定の回転角度と相関するサンプリング範囲にわたり取得されたフィルタ処理済みデジタル化振動信号の最大値と最小値とを電気信号がサンプリングされた回転要素の相関付けられた所定の回転角度によって定められた位置を有する複数のデジタルパケットの各々に対して求めることにより、デジタル化振動信号を複数のデジタルパケットに変換して、アナログ変換器測定値又は出力を比較段階に基づいて衝撃事象を識別する際に使用するための固有の位置を各々が有する複数のデジタルパケットに変換し圧縮する段階を更に含むことができ、段階3は更に、各固有の所定回転角度に対する最大値/最小値の波形を定めるために、複数のデジタルパケットの各々とその関連位置、例えば各所定の回転角度当たりの最大値を最初に格納し次いで最小値を連続的に格納する段階を含み、段階4は、視覚的又は計算的に衝撃事象を判定するために、比較用に定められた波形を既知の波形と共に表示し、既知の波形に基づく所定基準に一致するか又は上回る最大値及び最小値を有することによるなどの比較段階に基づいて任意の衝撃事象を判定する段階を更に含み、段階5は、特定の位置における最大値及び最小値を過去の既知の値と比較する比較段階に基づき決定された衝撃事象に基づいて警報を発生し、該警報を使用して変換器によってモニタリングされている機械を自動的に停止させ、及び/又は機械的問題をオペレータ及び他のプラント要員へ自動的に報知する段階を更に含むことができる。
【0029】
システム10(装置及び方法)と上記に説明した問題点のシステム10による解決法を更に説明するために具体的な実施例を以下に述べる。
【0030】
例証を用いて解決方法を説明するために、水素圧縮機のクロスヘッド及びバルブカバーから、水素圧縮機資産Mに接続された変換器20、22のような加速度計を使用してデータが取られた。データは、これらの場所から毎秒262.1kサンプルのサンプリングレートで集積された。機械は276rpmで運転したので、1回転では、
(262.1ksamples/sec)/276rpm=262100*60samples/276rev=56980samples/rev
となる。
【0031】
このデータは絶対的に真と考えられ、指導原理又はシステムのベースラインとして使用された。図3は、スロー数2の1回転に対するベースラインデータのグラフ図を示す。グラフ上の2つのプロットは、クロスヘッド上と吸入弁上の加速度計のデータを表わす。具体的には、図3は、毎秒262,100サンプルのベースラインサンプリングレート又は1回転当たり56,980サンプルでサンプリングされ、電圧値とクランク角度(度)でプロットされたそれぞれの変換器20、24からの2つの信号の2つのプロット120、122を示している。図3のグラフ上の2つのプロット120,122は、夫々水素圧縮機Mのクロスヘッド上と吸入バルブ上の加速度計データを表わす。
【0032】
一般的に使用されるモニタリングシステムのデータサンプリングレートは毎秒64,000サンプルであり、ベースラインデータは毎秒64,000サンプルより高速度でサンプリングされていることを認識すると、未処理のアナログサンプルをこの一般的なモニタが処理し得るであろうデジタルサンプルで示すには、入力データを大量に破棄しなければならない結果となる。このデータは図4に示すプロットになる。
【0033】
具体的には、図4は、2つのそれぞれの変換器20、24からの2つの信号の2つのプロット124、126のグラフ表示であり、毎秒64,000サンプルでサンプリングされ、電圧値とクランク角度(度)でプロットされている。図3との比較において図4から、このサンプリングレートでさえも、−7.5ボルトと−9.5ボルト近辺の大きさが大きいデータの幾つかは、毎秒64,000サンプルのデータでは示されていないことが分かる。
【0034】
クランクシャフトの各回転に対して全てのサンプルをプロット可能である場合には、図4のプロットは得ようとしているものであり、モニタがクランクシャフトの1回転に対して各A/Dサンプルを保存可能である場合に、この一般的モニタが実施可能な最良のものを表わしている。しかしながら、これを実施するには、モニタには13,913点の波形に対応することが必要となる。
【0035】
対照的に、往復式圧縮機適用における他の計測点から一般的に得られたデータは、回転当たり360点又は720点で設定される。720点の設定では、波形は、全体の720点に対してクランクシャフトの回転角度の1/2毎にサンプルを採取することによって集積される。従って、上記サイクルに対して720点が戻ることだけを認める場合には、回転当たり64,000サンプルから720点のサンプルを採取することによって、これをシミュレートすることができ、図5に示す波形が得られることになる。
【0036】
図5は、図4に示す回転当たり64,000サンプルの2つのプロット124、126の各々から720サンプルを採取することによりそれぞれ得られた、2つの720点サンプルのプロット128,130のグラフ図である。理解されるように、データサンプリングレートは、データにエリアジングを生じる結果、原波形と成分が、極度に変化している。衝撃事象を圧縮機における運転事象へ相関付ける機能を有することが要求される。2つのプロットを比較することによって、ピークの大きさが変化し且つ波形の大半の形が消失していることが分かる。これは、主としてサンプリングのエリアジング作用に起因する。このプロットからでは、実際の衝撃事象であるもの及びエリアジングが事象の影響を与えている時点を判断するのは困難である。このプロットは、データの形状を適切に記述するには1回転でのアナログの全てをデジタルベースラインサンプルにするほど十分なサンプルを考慮しなければならないといった発明者らの結論を強調している。
【0037】
発明者らの目的は、衝撃事象の大きさと位置を求めることであるが、それでもわずかに720点のデータのような縮小されたデータ点のセットでデータを表すことができる点に留意されたい。従って、1つの態様では、本発明は、情報を保存し、全ベースラインサンプルのような十分なサンプルを調べるプロセスを実行し、クランクシャフトの各回転角度(又はその一部)に対して最大値及び最小値を決定し、これを記録する方法を含む。これにより、変調の最高点及び最低点を1度の分解能(又はその分数)に対してまで得られ、従って1度以内(又はその分数)までの位置及び衝撃事象の大きさを正確に評価することができる。次いで、このデータは、モニタ30及び/又はコンピュータ100のメモリ内の波形ファイルに交互に格納(例えば、最初に最大値を格納し次に最小値を格納)され、結果として圧縮された720点データファイルが得られる。次に、この結果は、往復式圧縮機プロット群内で使用される他の回転当たり720点波形などと比較するために他の波形と同様の方法でプロットすることができる。図6に結果として得られたプロットを示す。
【0038】
具体的には、図6は、図3に示す回転当たり262,100サンプルの2つのプロットの各々を変換する衝撃モニタリングシステムの結果から採取された720のサンプルによって得られた2つの720点サンプルプロットのグラフ図を示す。即ち、システム10は、例えば全てのベースラインサンプルを使用して、各クランクシャフト回転角度(又はその分数)について複数の最大及び最小のサンプル又はデジタルパケットを取得するために最大値及び最小値を求め、次にこれらを記録して、図6に示すようなサイクル内の衝撃データ位置又は衝撃事象として保存される変調包絡線が得られる。従って、各最大及び最小サンプルパケットは、回転要素の各所定の回転角度によって定められた固有の位置を含み、これによりシステム10は、アナログ変換器測定値を各々が固有の位置を有する複数の最大及び最小サンプルパケットに変換し、次いで、最大及び最小サンプルパケットとこれらの関連位置だけを連続的に格納(例えば、最初に最大値を格納し次に最小値を格納)することにより、アナログ変換器測定値を継続的に圧縮して、各固有の所定の回転角度についての最大及び最小値の波形を定めて、この最大/最小値を過去の既知の値と比較するなど更に分析をして、例えば過去の既知の値に基づく所定の基準に一致するか又は上回る最大及び最小を有することによる比較段階に基づいて衝撃事象を判定する。加えて、本発明の1つの実施形態では、システム10は更に、比較用に定められた波形を既知の波形と共に表示して、既知の波形に基づく所定基準に一致するか又は上回る最大値及び最小値を有することによるなどの比較段階に基づいて任意の衝撃事象を判定するモニタリングシステム30に動作可能に接続されたコンピュータ制御状態モニタ100から構成される。従って、衝撃事象は、コンピュータ制御状態モニタ100及びモニタ30によって視覚的及び/又は計算的に判定することができる。
【0039】
図7は、図4に示す64,000サンプルデータのプロット124、126上に図5に示すサンプル採取データプロット128、130を重ねた状態で回転角度270度から300度までのデータを抽出して示すことによって本発明の1つの実施形態をより理解するためのグラフである。
【0040】
図8は、図4に示す64,000サンプルデータのプロット124、126上に図6に示す変換されたデータプロット132、134を重ねた状態で回転角度270度から300度までのデータを抽出して示すことによって本発明の1つの実施形態をより理解するためのグラフである。各回転角度に対する最大値及び最小値は、図9に示すプロット内に反映されている。
【0041】
具体的には、図9は、図6に示す変換されたデータプロット132、134を、図4に示す64,000サンプルデータのプロット124、126無しに回転角度270度から300度までのデータを抽出して示すグラフであり、これにより図4に示す64,000サンプルデータのプロット124、126を除外することによって、図8でプロットされた交互する最大値及び最小値がより明確に示されている。
【0042】
資産の衝撃事象を判定するための本発明の1つの方法実施形態は、機械管理の措置を取ることができるように衝撃の原因を識別することである。高周波信号の大半が、配管、バルブ及びシリンダー内を通過するプロセス流の音響雑音として発生する。高周波信号は、ケーシングを介して伝達され、バルブリーク、絞り、又は金属間摩擦に関する価値ある情報を提供することができる。自然共鳴を励起する衝撃事象は、低周波で発生し、高周波音響騒音によって隠される可能性がある。1つの方法は、フィルタ処理された波形内で衝撃事象を調べる方法である。共鳴周波数は数百ヘルツ領域で発生するので、データを1kHzの遮断周波数でフィルタ処理すると、音響信号はフィルタ除外されて、衝撃事象の位置を特定し易くなるはずである。
【0043】
図10を参照すると、図4に示したのと同一の64,000サンプルデータのプロットを1kHzのローパスフィルタ(バターワース)を介して通過させて得られた2つのプロットのグラフを示す。図11を参照すると、1kHzのローパスフィルタを通過した回転当たり64,000のサンプルの2つの各々から720のサンプルを採取することによって得られた、2つの720点サンプルのプロットのグラフを示している。図10及び図11を参照すると、幾つかの事象はフィルタ処理後の波形内に保持されているように見えるが、モニタにおいて現在行われた720サンプル抽出をこのデータに対して適用する際には、プロットは回転角度50度付近でプロット間(クロスヘッド曲線)での差異を示すことが分かる。
【0044】
図12を参照すると、グラフ図は、1kHzのローパスフィルタを通過させた回転当たり262,100サンプルの2つの各々を変換する衝撃モニタリングシステムからの2つの結果の各々から720のサンプルを採取することによって得られた、2つの720点サンプルのプロットを示しており、結果として、50度付近のデータは、サンプル抽出法におけるよりも良好に保存されたものとなっている。
【0045】
周波数成分か低い故に、フィルタ処理していない信号を調べたときに比べてエリアジングはかなり少ない。
【0046】
従って、最大/最小変換は、既存の往復式圧縮機のデータ表現についての既存の波形データ形式の範囲内に適合し、良好な変調表示が得られ、これにより最大/最小プロットと往復式圧縮機プロット群内に含まれる他のプロットとの間の相関関係を与えるのに必要とされる分解能での事象検出が可能になる。
【0047】
上記の実施例で使用された典型的なモニタリングシステムは、米国ネバダ州Minden所在のBentlyNevada、LLCによって製造販売されている3500モニタリングシステムである。
【0048】
使用及び運転中において、図面を参照すると、本発明の1つの実施形態は、回転及び/又は往復式機械或いは機械システムをモニタリングする機械保護システムで具現化することができる衝撃モニタリングシステム10、装置及び方法を提供する。この実施形態では、システム10は、機械をモニタリングして機械状態を示すアナログ信号をシステム10へ出力するために回転又は往復式機械Mに動作可能に接続された少なくとも1つの変換器20に動作可能に接続される。システム10のモニタ30は、出力されたアナログ信号を受け取り、サンプリングしてデジタル化してデジタル信号にするために少なくとも1つの変換器20に動作可能に接続されたアナログデジタル変換器40を含む。次いで、A/D変換器40は、プロセッサ50に動作可能に接続され、該プロセッサ50は、デジタル化信号をフィルタ処理するためのフィルタ72を含み、且つ、フィルタ処理されたデジタル化信号を複数の最大及び最小サンプル又はデジタルパケットへ変換するためのMAX/MIN変換器70を更に含み、各デジタルパケットは、資産の回転要素の所定の回転角度を回転する間に取得されたフィルタ処理済みのデジタル化信号の複数のサンプルの値から取得された最大値及び最小値を有し、複数のデジタルパケットの各々に対して位置並びに最大値及び最小値を定め、各デジタルパケットの位置が各所定の回転要素の回転角度によって定められ、これにより少なくとも1つの変換器20によって出力されたアナログ信号を各々が固有の識別位置を有する複数の最大及び最小サンプル又はデジタルパケットへ変換する。次いで、処理装置50は、各サンプルパケット及び関連位置の各最大値及び最小値を好ましくは連続的に単に格納する(例えば、所定の各回転角度に当たりの最大値を最初に格納し次いで最小値を格納する)ことによって、変換器20によって出力されたアナログ信号を継続して圧縮し、固有の所定回転角度に関連する最大及び最小値の波形を定めることができる。モニタリングシステム30を用いて、特定の位置での最大値及び最小値を同じ位置での過去の既知の値と比較して、比較段階に基づいて衝撃事象を判定し、機械の保護を行うことができる。
【0049】
比較段階はまた、比較のために定められた波形を既知の波形と共に表示して、コンピュータ制御状態モニタ100により衝撃事象を視覚的又は計算的に判定する段階を含むことができる。加えて、判定された衝撃事象に基づき、例えば、変換器によってモニタリングされている機械を自動的に停止させる、及び/又は機械的問題をオペレータ及び他のプラント要員へ自動的に報知する形態で警報を発生せることができる。
【0050】
よって、1つの態様では、本発明は、衝撃事象が発生したときに、モニタ30及びコンピュータ制御状態モニタ100と共に慣性センサを使用することによって、機械上の衝撃事象を識別し、衝撃事象による高周波成分の大きさ、及び回転位置(回転機械における)或いはストロークのピストン位置(往復式機械における)を検出するシステム10、装置及び方法を提供する。加えて、往復式圧縮機の場合については、個々の警報の大きさの設定点限界は、異なるバンド付クランク角の増分に対して設定可能である。更に、バンド付クランク角の増分は、ロッド逆転、吸気バルブ開閉、吐出バルブ開閉等の「トラック」の他の機械事象に対して設定可能である。
【0051】
他の態様では、本発明は、機械の運転サイクルで発生する衝撃事象を判定し、他の機械事象に対する相対的大きさ及び/又は自己履歴に対して(例えば、それらが増大しつつあるのか、減少しつつあるのか)比較して、新たに生起している問題を識別し、推定原因と相関付けて、事前対応措置によって緩和されるようにするシステム10、装置及び方法を提供する。
【0052】
他の態様では、本発明は、資産データを処理して事象相関(吸入弁及び排気弁の作動、ロッド逆転等のような他の機械事象)付けを可能にする事象タイミングを保持し、並びに過去の記録と履歴的に比較して衝撃事象をモニタリング可能にするよう事象の相対的大きさを保持するシステム10、装置及び方法を提供する。
【0053】
これらの態様は、とりわけ、本発明の産業的応用示すものである。
【0054】
加えて、本発明を説明してきたが、上記及び本明細書の冒頭の請求項で述べる本特許の技術的範囲並びに公正に意図するものから逸脱することなく多数の変形及び適合を行使することができることは明らかである。
【符号の説明】
【0055】
20、24 変換器
40 アナログデジタル変換器
50 処理装置
60 メモリ
70 最大/最小変換
72 フィルタ
74 波形ファイル
80 コントローラ
90 デジタルアナログ変換器
94 物理的装置
96 警報装置
98 電源



【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械の状態に対して相関性のある機械の衝撃事象を判定する方法であって、
機械の状態に対して相関性のある電気信号を出力する少なくとも1つの変換器(20)を用いて機械をモニタリングする段階と、
前記電気信号をサンプリングしてデジタル化信号にする段階と、
機械の回転要素の所定の回転角度に対して相関性のあるサンプリング範囲にわたり取得された前記デジタル化信号の最大値及び最小値を、前記電気信号がサンプリングされた回転要素の相関付けられた所定の回転角度によって定められる位置を有する複数のデジタルパケットの各々に対して求めることによって、前記デジタル化信号を前記複数のデジタルパケットに変換し、最大及び最大デジタルパケットとこれらの回転角度のみを格納する段階と、
格納された前記複数の最大及び最小デジタルパケットの値及びこれらの回転角度既知の値を比較する段階と、
前記比較段階に基づき衝撃事象を判定する段階と、
を含む方法。
【請求項2】
前記比較段階の基準によって保証されたものとして各判定された衝撃事象に対して警報を出す段階を更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
フィルタ処理されたデジタル化信号を定めるために、前記変換段階の前に前記デジタル化信号をフィルタ処理する段階を更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記フィルタ処理済みのデジタル化信号から変換された前記複数のデジタルパケットを保存してデジタル波形にし、コンピュータ上に前記デジタル波形を表示し、前記表示されたデジタル波形を少なくとも1つの既知の表示された波形と比較して、前記比較段階に基づき衝撃事象を判定する段階を更に含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
機械の保護に対して保証されたものとして各決定された衝撃事象に対し警報を出す段階を更に含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
機械の保護に対して保証されたものとして各決定された衝撃事象に対しプラント要員へ通報する手段を更に含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記モニタリングする段階が、回転機械の状態に対して相関性のある電気信号を出力する少なくとも1つの加速度変換器を用いて回転機械の振動をモニタリングする段階を含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記変換段階が、他の機械事象に対する事象相関付けを可能とする事象タイミングを求める際に使用するために、各々が回転機械の回転要素の回転位置である前記位置を有し、且つ事象の相対的大きさを維持して該相対的大きさを過去の記録と履歴的に比較可能となるようにするために、各々が前記最大値及び最小値を有する前記複数のデジタルパケットに前記デジタル化信号を変換する段階を含む
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
モニタリングする段階が、往復式機械の状態に対して相関性のある電気信号を出力する少なくとも1つの加速度変換器を用いて往復式機械の振動をモニタリングする段階を含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記変換段階が、他の機械事象に対する事象相関付けを可能とする事象タイミングの決定に使用するために、各々が往復式機械のストローク位置である前記位置を有し、且つ事象の相対的大きさを維持して該相対的大きさを過去の記録と履歴的に比較可能となるようにするために、各々が前記最大値と最小値を有する前記複数のデジタルパケットに前記デジタル化信号を変換する段階を含む請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−27744(P2011−27744A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−203412(P2010−203412)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【分割の表示】特願2004−336205(P2004−336205)の分割
【原出願日】平成16年11月19日(2004.11.19)
【出願人】(503230014)ベントリー・ネバダ・エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】