説明

衝撃試験機

【課題】衝撃試験機と供試体との位置調整を容易且つ正確に行う。
【解決手段】衝撃試験機10が備えるXYテーブル手段40は、ベース部材と、ベース部材に対してX軸方向で移動自在に支持させた第1可動部材と、第1可動部材に対してY軸方向で移動自在に支持させた第2可動部材とを備えており、ベース部材に対する第1可動部材のX軸方向での移動が、ベース部材に対してX軸方向に平行となるように軸支される第1ねじ軸と、第1可動部材に固定されるとともに第1ねじ軸に螺合する第1ナットと、第1ねじ軸を回転駆動する第1駆動源とで実現され、第1可動部材に対する第2可動部材のY軸方向での移動が、第1可動部材に対してY軸方向に平行となるように軸支される第2ねじ軸と、第2可動部材に固定されるとともに第2ねじ軸に螺合する第2ナットと、第2ねじ軸を回転駆動する第2駆動源とで実現される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衝撃試験機に係り、特に、供試体に対して移動制御自在に構成された衝撃試験機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車などの車両の分野では、様々な安全基準が設けられており、この安全基準を満足することで初めて車両の使用が認められ、もって車両の安全確保が図られている。例えば、米国の場合、FMVSS(Federal Motor Vehicle Safety Standards(米国連邦自動車安全基準))と呼ばれる自動車を対象とした安全基準が制定されており、種々のクリアすべき基準が設けられている。
【0003】
そして産業界では、従来から、FMVSSにおいて制定される安全基準を試験するための様々な試験機が製造されている。例えば、「側面衝突保護(FMVSS 214)」および「ルーフの衝撃耐性(FMVSS 216)」という2つの特性を試験することができる衝撃試験機では、供試体である自動車の側面であるドア側、および上面であるルーフ側から衝撃荷重を加えることで、当該自動車の衝撃耐性を試験することが可能となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の衝撃試験機では、自動車に対して大きな衝撃荷重を加える必要性から、試験機本体は設置床面に対して強固に固定されており、衝撃試験機自体はその設置位置を調整することが不可能であった。そのために、従来の衝撃試験機では、試験の開始にあたって供試体である自動車を動かし、自動車位置の調整を完了して初めて試験が実施できるという状態であった。したがって、従来の衝撃試験機には、試験の実施までに多くの調整時間を要してしまうという問題が存在していた。また、自動車の側を動かして自動車位置の調整を行う方法では、試験の正確性を欠いてしまう虞があり、また、試験結果の再現性にも影響を与えるものであった。
【0005】
本発明は、上述した課題の存在に鑑みて成されたものであって、その目的は、衝撃試験機と供試体との位置調整を容易且つ正確に行うことのできる新たな衝撃試験機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る衝撃試験機は、供試体に衝撃荷重を加えることで当該供試体の衝撃耐性を試験する衝撃試験手段と、前記衝撃試験手段をX軸とY軸の直交2軸方向に移動制御するXYテーブル手段と、を備える衝撃試験機であって、前記XYテーブル手段は、ベース部材と、前記ベース部材に対してX軸方向で移動自在に支持させた第1可動部材と、前記第1可動部材に対してY軸方向で移動自在に支持させた第2可動部材と、を備えて構成され、前記ベース部材に対する前記第1可動部材のX軸方向での移動が、前記ベース部材に対してX軸方向に平行となるように軸支される第1ねじ軸と、前記第1可動部材に固定されるとともに前記第1ねじ軸に螺合する第1ナットと、前記第1ねじ軸を回転駆動する第1駆動源と、で実現され、前記第1可動部材に対する前記第2可動部材のY軸方向での移動が、前記第1可動部材に対してY軸方向に平行となるように軸支される第2ねじ軸と、前記第2可動部材に固定されるとともに前記第2ねじ軸に螺合する第2ナットと、前記第2ねじ軸を回転駆動する第2駆動源と、で実現されることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る衝撃試験機において、前記ベース部材と前記第1可動部材は、X軸方向と平行方向になるように形成された2つの側面をそれぞれ有し、前記ベース部材と前記第1可動部材との重畳する前記側面が面一となるように形成され、前記第1可動部材と前記第2可動部材は、Y軸方向と平行方向になるように形成された2つの側面をそれぞれ有し、前記第1可動部材と前記第2可動部材との重畳する前記側面が面一となるように形成され、さらに、前記ベース部材と前記第1可動部材、前記第1可動部材と前記第2可動部材とで面一となるようにそれぞれ形成された前記側面を水平方向に押圧することで、前記XYテーブル手段の動作を規制するようにした複数のロック機構を備えることとすることができる。
【0008】
本発明に係る衝撃試験機において、前記ベース部材と前記第1可動部材、前記第1可動部材と前記第2可動部材とで面一となるようにそれぞれ形成された前記側面は、外方側に向けて厚みが小さくなるようにテーパ形状にて形成されており、前記ロック機構は、前記テーパ形状に対応する斜面を有して形成されていることとすることができる。
【0009】
また、本発明に係る衝撃試験機において、前記ロック機構は、前記ベース部材と前記第1可動部材とで面一となるように形成された2つの前記側面に対してそれぞれ2ヶ所ずつ、合計4ヶ所設置され、前記第1可動部材と前記第2可動部材とで面一となるように形成された2つの前記側面に対してそれぞれ2ヶ所ずつ、合計4ヶ所設置されていることとすることができる。
【0010】
さらに、本発明に係る衝撃試験機において、前記複数のロック機構は、前記側面への水平方向の押圧動作を複数同時に実行するよう構成されていることとすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、衝撃試験機と供試体との位置調整を容易且つ正確に行うことのできる新たな衝撃試験機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0013】
図1は、本実施形態に係る衝撃試験機の全体構成を示した外観斜視図である。本実施形態に係る衝撃試験機10は、供試体である不図示の自動車に衝撃荷重を加えることでこの自動車の衝撃耐性を試験する衝撃試験手段20と、衝撃試験手段20をX軸とY軸の直交2軸方向に移動制御するXYテーブル手段40と、を備えて構成されている。
【0014】
衝撃試験手段20は、FMVSSにおいて制定される「ルーフの衝撃耐性(FMVSS 216)」という安全基準に関する試験項目を試験するために自動車のルーフ側から衝撃荷重を加えるための216試験装置21と、「側面衝突保護(FMVSS 214)」という安全基準に関する試験項目を試験するために自動車のドア側から衝撃荷重を加えるための214試験装置31と、を備えて構成されている。
【0015】
216試験装置21の具体的な機構について、図2を用いて説明すると、216試験装置21の駆動機構は、回転駆動力を発生させるモータ22と、このモータ22の回転軸にベルトを介して回転自在に設置されたねじ軸23と、このねじ軸23に螺合するナット24とによって構成されている。モータ22を動作させてモータ22の回転軸を回転駆動させると、回転軸にベルトを介して接続するねじ軸23は、ねじ軸23の軸線を回転中心として回転運動を行うこととなる。ねじ軸23が回転すると、このねじ軸23に螺合するナット24は、ねじ軸23の軸線方向に沿って直線的に運動することとなる。もちろん、ねじ軸23の回転方向を変更することによって、ナット24はねじ軸23の上下方向に往復運動を行うことが可能となっている。そして、ナット24には、216試験装置21の本体部分が設置されているので、上述した216試験装置21の駆動機構によって上下方向での位置制御が可能となっている。なお、ナット24の上下方向でのストローク端にはリミッタスイッチ25が設置されており、ナット24の上下方向での可動範囲を規制することで装置の安全性が確保されている。
【0016】
ナット24に設置される216試験装置21の本体部分は、詳細な図示を略した傾斜装置を備えており、自動車のルーフ部分に衝撃荷重を加えるための加圧部26が有する加圧面26aを±5°の角度範囲で傾斜させることができるようになっている。
【0017】
また、加圧部26を加圧方向に押し出す機構には、2本の油圧シリンダ27,27が採用されており、これら2本の油圧シリンダ27,27に供給される作動油の制御を行うことによって、所望の条件での衝撃試験が実施可能となっている。
【0018】
一方、214試験装置31の具体的な機構について、図3を用いて説明すると、214試験装置31についても、その駆動機構は、回転駆動力を発生させるモータ32と、このモータ32の回転軸にベルトを介して回転自在に設置されたねじ軸33と、このねじ軸33に螺合するナット34とによって構成されている。モータ32を動作させてモータ32の回転軸を回転駆動させると、回転軸にベルトを介して接続するねじ軸33は、ねじ軸33の軸線を回転中心として回転運動を行うこととなる。ねじ軸33が回転すると、このねじ軸33に螺合するナット34は、ねじ軸33の回転方向に応じて軸線方向に沿った往復直線運動を行うことが可能となっている。そして、ナット34には、214試験装置31の本体部分が設置されているので、上述した214試験装置31の駆動機構によって上下方向での位置制御が可能となっている。なお、ナット34の上下方向でのストローク端にはリミッタスイッチ35が設置されており、ナット34の上下方向での可動範囲を規制することで装置の安全性が確保されている。
【0019】
ナット34に設置される214試験装置31の本体部分は、自動車のドア部分に衝撃荷重を加えるための加圧部36を備えて構成されている。この加圧部36を加圧方向に押し出す機構についても、詳細な図示を略した2本の油圧シリンダ37が採用されており、油圧シリンダ37に供給される作動油の制御を行うことによって、所望の条件での衝撃試験が実施可能となっている。
【0020】
次に、衝撃試験手段20をX軸とY軸の直交2軸方向に移動制御するXYテーブル手段40について説明する。図4は、本実施形態に係るXYテーブル手段40の概略構成を示す図である。なお、図4では、紙面の左右方向をX軸方向、紙面の手前から奥に向かう方向をY軸方向と定義して説明を行う。
【0021】
本実施形態に係るXYテーブル手段40は、ベース部材41と、ベース部材41に対してX軸方向で移動自在に支持させた第1可動部材42と、この第1可動部材42に対してY軸方向で移動自在に支持させた第2可動部材43と、を備えて構成されている。
【0022】
ベース部材41は、本実施形態に係る衝撃試験機10の設置基準となる部材であり、設置床面に対してアンカーボルト等の固定手段を利用することによって強固な固定が成されている。
【0023】
一方、第1可動部材42は、ベース部材41の上方にレールや直動案内装置等を介して設置される部材であり、ベース部材41に対してX軸方向での移動が行われる部材である。このベース部材41に対する第1可動部材42の移動は、ベース部材41に対してX軸方向に平行となるように軸支される第1ねじ軸44と、第1可動部材42に固定されるとともに第1ねじ軸44に螺合する第1ナット45と、第1ねじ軸44を回転駆動する第1駆動源としてのモータ46という3つの主要な部材によって実現が成されている。すなわち、モータ46の回転駆動力が伝達されて第1ねじ軸44が回転すると、この第1ねじ軸44はX軸方向と平行になるように設置されているので、第1ナット45はX軸方向に沿った往復直線運動を行うことになる。そうすると、第1可動部材42は、このX軸方向に沿った往復直線運動を行う第1ナット45に固定されているので、第1ナット45と同様にベース部材41に対するX軸方向での移動を行うことが可能となるのである。
【0024】
さらに、第1可動部材42の上方にレールや直動案内装置等を介して設置される第2可動部材43は、第1可動部材42に対してY軸方向での移動が行われる部材である。この第1可動部材42に対する第2可動部材43の移動は、第1可動部材42に対してY軸方向に平行となるように軸支される第2ねじ軸47と、第2可動部材43に固定されるとともに第2ねじ軸47に螺合する第2ナット48と、第2ねじ軸47を回転駆動する第2駆動源としてのモータ49という3つの主要な部材によって実現が成されている。すなわち、モータ49の回転駆動力が伝達されて第2ねじ軸47が回転すると、この第2ねじ軸47はY軸方向と平行になるように設置されているので、第2ナット48はY軸方向に沿った往復直線運動を行うことになる。そうすると、第2可動部材43は、このY軸方向に沿った往復直線運動を行う第2ナット48に固定されているので、第2ナット48と同様に第1可動部材42に対するY軸方向での移動を行うことが可能となるのである。
【0025】
なお、第2可動部材43の上方には、先に説明した衝撃試験手段20が設置されている。したがって、本実施形態に係る衝撃試験機10では、XYテーブル手段40の作用によって衝撃試験手段20の位置調整を容易に行うことができるので、従来技術では不可能であった衝撃試験機と供試体との位置調整を容易且つ正確に行うことのできる新たな衝撃試験機10を提供することが可能となっている。
【0026】
以上のような好適な作用を発揮するXYテーブル手段40であるが、本実施形態に係るXYテーブル手段40は、さらなる有意な特徴を備えている。すなわち、図4において示されるように、本実施形態に係るXYテーブル手段40では、ベース部材41と第1可動部材42が、X軸方向と平行方向になるように形成された2つの側面41a,42aをそれぞれ有しており、ベース部材41と第1可動部材42との重畳する側面41a,42aが面一となるように形成されているという特徴を有している。また、本実施形態に係るXYテーブル手段40では、第1可動部材42と第2可動部材43とが、Y軸方向と平行方向になるように形成された2つの側面42b,43aをそれぞれ有しており、第1可動部材42と第2可動部材43との重畳する側面42b,43aが面一となるように形成されている。そしてさらに、本実施形態に係るXYテーブル手段40では、ベース部材41と第1可動部材42、第1可動部材42と第2可動部材43とで面一となるようにそれぞれ形成された側面41a,42a、42b,43aを水平方向に押圧することで、XYテーブル手段の動作を規制するようにした複数のロック機構50が設置されているのである。
【0027】
これら複数のロック機構50は、図5に示すごとき構成を有するものであり、面一となるように形成された2つの側面41a,42a(42b,43a)をクランプするクランプ部51と、このクランプ部51を水平方向に駆動するための駆動部52とから構成されている。かかる構成を有することから、本実施形態に係るロック機構50は、面一となるように形成された2つの側面41a,42a(42b,43a)をクランプ部51によって水平方向内側に向けて押圧することができる。しかも、本実施形態のロック機構50は、ベース部材41と第1可動部材42とで面一となるように形成された2つの側面(図4における符号41a,42aの箇所とその反対側)に対してそれぞれ2ヶ所ずつ、合計4ヶ所設置されており、さらに、第1可動部材42と第2可動部材43とで面一となるように形成された2つの側面42b,43aに対してそれぞれ2ヶ所ずつ、合計4ヶ所設置されているので、XYテーブル手段40を構成するベース部材41と第1可動部材42、および第1可動部材42と第2可動部材43を強固に固定することができる。したがって、所望の位置で停止したXYテーブル手段40は、衝撃試験手段20の動作に伴う衝撃を受けたとしてもその位置がずれてしまうということがないので、本実施形態に係る衝撃試験機10によれば、安定した試験を実施することが可能なのである。
【0028】
なお、複数のロック機構50は、側面41a,42a、42b,43aへの水平方向の押圧動作を複数のロック機構50で同時に実行することができるように構成されているので、XYテーブル手段40全体でバランスのとれた安定したクランプ作用を発揮することが可能となっている。
【0029】
また、本実施形態のXYテーブル手段40では、ベース部材41と第1可動部材42、第1可動部材42と第2可動部材43とで面一となるようにそれぞれ形成された側面41a,42a、42b,43aが、外方側に向けて厚みが小さくなるようにテーパ形状にて形成されており、一方のロック機構50では、クランプ部51の前記側面41a,42a、42b,43aと接触する面が側面側のテーパ形状に対応する斜面を有して形成されているので、これらテーパ形状と斜面との作用によって、非常に強固なクランプ力を発揮することができるという効果を発揮できるようになっている。
【0030】
なお、クランプ部51が有する斜面の形状については、図5に示す形状に限られるものではない。例えば、図6は、本発明に係るロック機構が採り得る多様な変形形態の一例を示す図であるが、図6において例示するように、側面41a,42a、42b,43aに対してテーパ形状が形成されていない場合であっても、クランプ部51の斜面の角度を1〜3°程度と低くすることにより、上述した図5の実施形態の場合と同程度のクランプ力を得ることができる。
【0031】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。例えば、上述した本実施形態に係る衝撃試験機10では、FMVSSにおいて制定される「ルーフの衝撃耐性(FMVSS 216)」という安全基準に関する試験項目を試験するために自動車のルーフ側から衝撃荷重を加えるための216試験装置21と、「側面衝突保護(FMVSS 214)」という安全基準に関する試験項目を試験するために自動車のドア側から衝撃荷重を加えるための214試験装置31と、を備えて構成される衝撃試験手段20を例示して説明を行った。しかしながら、本発明の適用範囲は上述したものには限られず、あらゆる試験に対応することが可能である。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本実施形態に係る衝撃試験機の全体構成を示した外観斜視図である。
【図2】本実施形態に係る衝撃試験機が有する216試験装置の具体的な機構について説明するための図である。
【図3】本実施形態に係る衝撃試験機が有する214試験装置の具体的な機構について説明するための図である。
【図4】本実施形態に係るXYテーブル手段を説明するための図である。
【図5】本実施形態に係るXYテーブル手段が有するロック機構を説明するための図である。
【図6】本発明に係るロック機構が採り得る多様な変形形態の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0033】
10 衝撃試験機、20 衝撃試験手段、21 216試験装置、22 モータ、23 ねじ軸、24 ナット、25 リミッタスイッチ、26 加圧部、26a 加圧面、27 油圧シリンダ、31 214試験装置、32 モータ、33 ねじ軸、34 ナット、35 リミッタスイッチ、36 加圧部、37 油圧シリンダ、40 XYテーブル手段、41 ベース部材、41a,42a,42b,43a 側面、42 第1可動部材、43 第2可動部材、44 第1ねじ軸、45 第1ナット、46 モータ、47 第2ねじ軸、48 第2ナット、49 モータ、50 ロック機構、51 クランプ部、52 駆動部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供試体に衝撃荷重を加えることで当該供試体の衝撃耐性を試験する衝撃試験手段と、
前記衝撃試験手段をX軸とY軸の直交2軸方向に移動制御するXYテーブル手段と、
を備える衝撃試験機であって、
前記XYテーブル手段は、
ベース部材と、
前記ベース部材に対してX軸方向で移動自在に支持させた第1可動部材と、
前記第1可動部材に対してY軸方向で移動自在に支持させた第2可動部材と、
を備えて構成され、
前記ベース部材に対する前記第1可動部材のX軸方向での移動が、
前記ベース部材に対してX軸方向に平行となるように軸支される第1ねじ軸と、
前記第1可動部材に固定されるとともに前記第1ねじ軸に螺合する第1ナットと、
前記第1ねじ軸を回転駆動する第1駆動源と、
で実現され、
前記第1可動部材に対する前記第2可動部材のY軸方向での移動が、
前記第1可動部材に対してY軸方向に平行となるように軸支される第2ねじ軸と、
前記第2可動部材に固定されるとともに前記第2ねじ軸に螺合する第2ナットと、
前記第2ねじ軸を回転駆動する第2駆動源と、
で実現されることを特徴とする衝撃試験機。
【請求項2】
請求項1に記載の衝撃試験機において、
前記ベース部材と前記第1可動部材は、X軸方向と平行方向になるように形成された2つの側面をそれぞれ有し、前記ベース部材と前記第1可動部材との重畳する前記側面が面一となるように形成され、
前記第1可動部材と前記第2可動部材は、Y軸方向と平行方向になるように形成された2つの側面をそれぞれ有し、前記第1可動部材と前記第2可動部材との重畳する前記側面が面一となるように形成され、さらに、
前記ベース部材と前記第1可動部材、前記第1可動部材と前記第2可動部材とで面一となるようにそれぞれ形成された前記側面を水平方向に押圧することで、前記XYテーブル手段の動作を規制するようにした複数のロック機構を備えることを特徴とする衝撃試験機。
【請求項3】
請求項2に記載の衝撃試験機において、
前記ベース部材と前記第1可動部材、前記第1可動部材と前記第2可動部材とで面一となるようにそれぞれ形成された前記側面は、外方側に向けて厚みが小さくなるようにテーパ形状にて形成されており、
前記ロック機構は、前記テーパ形状に対応する斜面を有して形成されていることを特徴とする衝撃試験機。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の衝撃試験機において、
前記ロック機構は、
前記ベース部材と前記第1可動部材とで面一となるように形成された2つの前記側面に対してそれぞれ2ヶ所ずつ、合計4ヶ所設置され、
前記第1可動部材と前記第2可動部材とで面一となるように形成された2つの前記側面に対してそれぞれ2ヶ所ずつ、合計4ヶ所設置されていることを特徴とする衝撃試験機。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか1項に記載の衝撃試験機において、
前記複数のロック機構は、前記側面への水平方向の押圧動作を複数同時に実行するよう構成されていることを特徴とする衝撃試験機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−281765(P2009−281765A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−131876(P2008−131876)
【出願日】平成20年5月20日(2008.5.20)
【出願人】(596112516)株式会社ジャスティ (4)
【Fターム(参考)】