説明

衣料用洗浄剤組成物

【課題】 水溶性汚れ及び油性汚れに対する洗浄性能に優れ、かつ衣料の収縮防止効果に優れた、ドライクリーニング用として好適な衣料用洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】 (A)20℃における水の溶解度が10g以上/溶剤100gである溶剤の一種以上及び(B)水10〜50重量%を含有する衣料用洗浄剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣料用洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の衣料のクリーニング方法としては、大別して、非水系洗浄媒体(溶剤)を用いるドライクリーニングと水系洗浄媒体を用いる水洗(ウェットクリーニング)とが挙げられる。このうち、ドライクリーニング用の洗浄剤には、洗浄性、取扱い性、安全性などの種々の観点を考慮して優れた適性を有することが要求される。
【0003】
すなわち、皮脂、油脂、油煙などの油溶性の汚れ、汗、水溶性食品などの水溶性の汚れ、汚泥、ほこりなどの塵あいなどの各種の汚れに対して優れた洗浄力を有すること、衣料から洗い落された汚れがクリーニング液から再び衣料に移行する逆汚染性が低いこと、洗浄剤が衣料内及び汚れ間に侵入する表面張力が小さいことなどが要求される。また、取り扱い性の観点から、被洗物の乾燥が容易であり、溶剤の寿命が長く、蒸留・回収が容易であること、金属を腐食することがなく、機械に適すること、臭いが低く作業・管理が容易で、被洗物に残臭がないことなどが、また、安全性の観点から、被洗物の型くずれがなく、被洗物が黄変させるなどの変質がないこと、染料を脱落せず、ボタンなどの衣料付属品を溶解しないこと、発火点・引火点が高いこと、毒性が低いことなどが考慮される。
【0004】
ドライクリーニング用の洗浄剤や溶剤においては、従来から、上記特性を加味して、種々の改良が提案されている。特許文献1には、プロピレングリコールモノメチルエーテルからなるドライクリーニング用洗浄剤が開示されている。また、特許文献2、3には、プロピレングリコール系の特定エーテルと水と織物柔軟剤を含むドライクリーニング用組成物が開示されている。また、特許文献4には、水溶性有機溶剤を含有し水分含有率がそれぞれ特定範囲にある2種類のドライクリーニング溶液を用いたドライクリーニング方法が開示されている。また、特許文献5には、特定の水性汚れ洗浄化合物及び親水性を有する水系溶媒を特定比率で含むドライクリーニング用水性汚れ洗浄剤が開示されている。また、特許文献6には、特定のポリオキシアルキレン・ジアルキル(又はアルケニル)エーテルを主成分としてなるドライクリーニング溶剤が開示されている。また、特許文献7には、水酸基数1〜3の炭素数6〜10のアルコールと水と高級アルコール酸化エチレン縮合物を含有する溶剤を用いるドライクリーニング方法が開示されている。
【特許文献1】特開平4−143298号公報
【特許文献2】特表2004−503663号公報
【特許文献3】特表2001−518993号公報
【特許文献4】特開平8−113869号公報
【特許文献5】特開2003−41292号公報
【特許文献6】特開平5−51598号公報
【特許文献7】特開平7−324279号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の通り、ドライクリーニングにおいても、油溶性汚れ、水溶性汚れ、その他の汚れに対して優れた洗浄力を示すことが重要であるが、水溶性汚れは、非水系洗浄媒体(溶剤)を用いたドライクリーニングでは十分な除去は困難である。しかし、羊毛のような動物性繊維を含む衣料は、水性媒体による洗浄を行うと著しい収縮が生じるため、ウェットクリーニングは適用しづらい。水溶性汚れに対する洗浄力と収縮防止効果を両立できるドライクリーニング技術は有用であり、1回の洗浄により処理を行うことができる等の利点があるが、上記特許文献においても、これらの効果を満足できるものは見いだされていない。
【0006】
本発明の課題は、水溶性汚れ及び油性汚れに対する洗浄性能に優れ、かつ衣料の収縮防止効果に優れた衣料用洗浄剤組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、(A)20℃における水の溶解度が10g以上/溶剤100gである溶剤〔以下、(A)成分という〕の一種以上及び(B)水〔以下、(B)成分という〕10〜50重量%を含有する衣料用洗浄剤組成物に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、水溶性汚れ及び油性汚れに対する洗浄性能に優れ、かつ衣料の収縮防止効果に優れた、ドライクリーニング用に好適な衣料用洗浄剤組成物が得られる。このため、1回の洗浄処理により、水溶性汚れ、油性汚れを十分に洗浄することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
<(A)成分>
(A)成分としては、アルコール、グリコール、グリコールエーテル、グリセリン、ジアルキルグリコールエーテル及びグリセリルエーテルから選ばれる一種以上が好ましく、特にグリコール、グリコールエーテル、グリセリン及びジアルキルグリコールエーテルから選ばれる一種以上が好ましい。
【0010】
アルコールとしては、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、2−ブチルアルコール等の1価アルコールが挙げられる。好ましくはイソブチルアルコール及び2−ブチルアルコールである。
【0011】
グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール等が挙げられる。好ましくはエチレングリコール、プロピレングリコール及びジプロピレングリコールであり、特に好ましくはプロピレングリコール及びジプロピレングリコールである。
【0012】
グリコールエーテルとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。好ましくはプロピレングリコールモノメチルエーテル及びプロピレングリコールモノプロピルエーテルである。
【0013】
ジアルキルグリコールエーテルとしては、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。好ましくはジエチレングリコールジメチルエーテルである。
【0014】
グリセリルエーテルとしては、RO−CH2−CH(OH)−CH2−OH〔式中、Rは炭素数3〜11のアルキル基又はアルケニル基である。〕で表される化合物が挙げられる。好ましくはRが炭素数3〜6のアルキル基又はアルケニル基の化合物である。
【0015】
(A)成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールモノプロピルエーテル及びジエチレングリコールジメチルエーテルから選ばれる一種以上が好ましい。なお、これらのうち、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール及びグリセリンから選ばれる一種以上〔便宜的に(A’)成分とする〕を用いる場合は、その他の(A)成分と併用することが好ましく、(A’)成分/その他の(A)成分=50/50〜5/95(重量比)とすることがより好ましい。
【0016】
また、(A)成分としてプロピレングリコールモノメチルエーテルも好適であるが、これを用いる場合は、(B)成分の組成物中の含有量は10重量%以上25重量%未満とすることが好ましい。
【0017】
(A)成分は、20℃における水の溶解度が10g以上/溶剤100g、すなわち、20℃において、当該溶剤100gあたり10g以上の水を溶解できるものであり、好ましくは20g以上、より好ましくは50g以上の水を溶解できるものである。
【0018】
<衣料用洗浄剤組成物>
本発明の衣料用洗浄剤組成物は、(A)成分の含有量が10〜89重量%、更に30〜89重量%、特に50〜89重量%であることが好ましい。
【0019】
本発明の衣料用洗浄剤組成物は、更に(C)界面活性剤〔以下、(C)成分という〕を含有することが好ましい。(C)成分としては、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤が挙げられ、非イオン性界面活性剤が好ましい。
【0020】
非イオン性界面活性剤としては、非イオン界面活性剤としては、アルキルポリグリコシド、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられる。これらのうち、オキシアルキレン基を含むものは、オキシエチレン基、オキシプロピレン基を含むことが好ましく、平均付加モル数は1〜12が好ましい。
【0021】
非イオン性界面活性剤としては、下記一般式(C1)で表されるものが好ましい。なかでも、一般式(C1)において、R1の平均炭素数は10〜14が好ましい。また、pは2〜10、rは2〜10、qは1〜5が好ましく、p+q+rは5〜20が好ましい。
1−O−(EO)p−(PO)q−(EO)r−H (C1)
〔但し、式中のR1は平均炭素数8〜18のアルキル基又はアルケニル基を示し、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を示す。p、q、rはそれぞれ平均付加モル数を表し、p>0、r>0、q=1〜4.5であり、p+r=4〜20である。〕
【0022】
陽イオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩が挙げられ、特に、下記一般式(C2)で示される化合物、下記一般式(C3)で示される化合物及び下記一般式(C4)で示される化合物から選ばれる一種以上の化合物が好ましい。なかでも、一般式(C2)で示される化合物が好ましい。
【0023】
【化1】

【0024】
(式中、R2は炭素数8〜22のアルキル基、R3は炭素数1〜22のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、R4、R5は炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、Yはエチレン基又はプロピレン基、nは0又は1、Z-はアニオン基を表す。)
【0025】
【化2】

【0026】
〔式中、R6、R7、R8、R9のうち少なくとも1つとR10は、炭素数8〜20のアルキル基又はアルケニル基であり、残余はベンジル基、炭素数1〜5のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基又は下記一般式(C5)
【0027】
【化3】

【0028】
で表される基であり、X-は、ハロゲンイオン又は下記一般式(C6)
【0029】
【化4】

【0030】
で表される陰イオン(R11、R12の少なくとも一方は炭素数6〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、他方は水素原子、メチル基、エチル基、又は炭素数8〜18のアルキルリン酸残基である)である。〕
【0031】
一般式(C2)中のZ-は、硝酸、硫酸、リン酸、パラトルエンスルホン酸、メチル硫酸、エチル硫酸、グリコール酸等に由来するアニオン基が好ましい。
【0032】
陽イオン性界面活性剤の好ましい具体例として、ステアリルジメチルエチルアンモニウム・モノエチル硫酸塩、ステアリルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム・グリコール酸塩、ステアリルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム・パラトルエンスルホン酸塩、ステアリルアミノエチルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム・パラトルエンスルホン酸塩等を挙げることができる。
【0033】
陰イオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、アルキルリン酸塩、N−アシルメチルタウリン塩、アシルグルタミン酸塩、アシロイル−β−アラニン塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルスルホコハク硫酸塩、脂肪酸塩等が挙げられる。これらのうち、オキシアルキレン基を含むものは、平均付加モル数0.5〜8、更に3〜8、特に6〜8が好ましく、オキシエチレン基、オキシプロピレン基を含むことが好ましい。また、疎水性基として、炭素数10〜20、更に10〜18、特に12〜16の炭化水素基、好ましくはアルキル基を有することが好ましい。
【0034】
両性界面活性剤としては、アルキルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミンオキサイド、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、及びアミドアミノ酸(イミダゾリン系ベタイン)等が挙げられる。
【0035】
本発明の衣料用洗浄剤組成物において、(C)成分の含有量は0.1〜10重量%、更に0.1〜5重量%、特に1〜3重量%が好ましい。
【0036】
本発明の衣料用洗浄剤組成物は、洗浄性及び収縮防止性の観点から、(B)成分の水を10〜50重量%、好ましくは20〜50重量%、より好ましくは20〜30重量%含有する。
【0037】
その他に本発明の衣料用洗浄剤組成物は、香料、色素、柔軟剤、蛍光染料、酵素、酸化防止剤、抗菌防腐剤、抗菌剤、防錆剤(ベンゾトリアゾール等)等を含有することができる。
【0038】
また、本発明の衣料用洗浄剤組成物は、防錆性を考慮して、20℃でのpHを6〜8の範囲に調整することが好ましく、pHの調整はアルカノールアミンで行うことが、溶解性、保存安定性の点で好ましい。
【0039】
本発明の衣料用洗浄剤組成物は、20℃における粘度が0.5〜2000mPa・sであることが好ましい。
【0040】
本発明の衣料用洗浄剤組成物は、使用の際に、本発明の特徴を損なわない限り、(A)成分以外の溶剤で任意の比率に希釈して用いることができる。すなわち、ドライクリーニングに際して、その他の溶剤に対して0.1〜50重量%の範囲で添加して使用することができる。必要に応じて水を添加することができる。
【0041】
本発明の衣料用洗浄剤組成物は、通常のドライクリーニング方法の洗浄剤ないし溶剤と同様に使用できるが、衣料(洗浄対象物)100重量部に対して100〜500重量部、更に150〜300重量部となるように用いられることが好ましい。なお、本発明の対象となる衣料としては、水洗いによる収縮、型くずれが問題となりやすいスーツ、コート、セーター等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0042】
本発明の衣料用洗浄剤組成物を用いる場合、洗浄温度は5〜40℃、更に10〜30℃が好ましい。その場合、(A)成分がエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールモノプロピルエーテル及びジエチレングリコールジメチルエーテルから選ばれる一種以上であることが好ましく、且つ(B)成分の量は10〜50重量%、更に20〜50重量%とすることが好ましい。また、(A)成分がプロピレングリコールモノメチルエーテルであり、(B)成分を10重量%以上25重量%未満含有する組成物を、上記温度で用いることも好ましい。
【0043】
通常、ドライ洗浄の系に水を添加していくと、繊維製品の収縮が顕著になっていくことが知られている。これは、水が羊毛繊維に作用すると、スケールといううろこ状部分が開き、その絡み合いの結果、収縮が起こるためであるとされている。一方、本発明の衣料用洗浄剤組成物では、水の添加量が10重量%以上であっても収縮発生を抑制できるが、その理由として以下のことが考えられる。
【0044】
本発明の(A)成分の溶剤は、水と強く相互作用し、水の分子運動を制限することにより、水本来の挙動を変えることができる。我々は、この分子運動を制限された水が主体の水添加量の範囲では、羊毛繊維のスケールの開き、収縮が殆ど起きないことを見い出した。この分子運動を制限された水と、されない水の区別は、NMR装置を用いて水の緩和時間を測定することにより可能である。このように、本発明の(A)成分は、特に水の分子運動を制限する効果が高いため、繊維の収縮を発生させずに、油溶性汚れのみならず親水性汚れをも除去することができるものと推察される。本発明では、(A)成分の種類及び水の含有量を限定することで、今まで困難とされていたドライ洗浄を実現することが可能となる。
【実施例】
【0045】
表1に示す液体洗浄剤組成物を調製し、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
【0046】
(1)組成物の状態
液体洗浄剤組成物の外観を目視にて観察した。
【0047】
(2)洗浄性能評価
(2−1)水溶性汚れ洗浄力
表1に示す洗浄剤組成物100mlを、200mlメジューム瓶に入れ、これに水溶性青色インクで着色した2枚の汚染布(6cm×6cm)を入れたものを、振とう器に入れ、20℃で10分間振とう洗浄を行った。洗浄後、水溶性汚染布をメジューム瓶から取り出し、20℃で自然乾燥した。洗浄前後の汚染布の反射率(測定波長は640nm)を測定し、以下の式を用いて洗浄率を算出した。
【0048】
【数1】

【0049】
(2−2)油性汚れ洗浄力
汚染布として、菜種油汚染布(菜種油を油性赤色色素で染色したものを木綿布に付着させたもの)を使用した以外は(2−1)と同様にして洗浄を行い、洗浄率を求めた。なお、反射率の測定波長は520nmとした。
【0050】
(3)収縮防止性
標準環境(20℃、65%RH)で標準状態の寸法を正確に測定した2枚の羊毛布(10cm×10cm)を、200mlメジューム瓶に入れ、表1に示す洗浄剤組成物100mlを、振とう器に入れ、20℃で10分間振とう洗浄を行った。洗浄後、羊毛布をメジューム瓶から取り出し、20℃で自然乾燥した後、寸法を正確に測定して、線収縮率を求めた。この値が小さいほど、収縮防止性に優れることを意味する。
【0051】
【表1】

【0052】
表1中の成分は以下のものである。
・MFG:プロピレングリコールモノメチルエーテル(商品名 メチルプロピレングリコール、日本乳化剤株式会社)、20℃における水の溶解度100g以上/溶剤100g
・PFG:プロピレングリコールモノプロピルエーテル(商品名 プロピルプロピレングリコール、日本乳化剤株式会社)、20℃における水の溶解度100g以上/溶剤100g
・DMDG:ジエチレングリコールジメチルエーテル(商品名 ジメチルジグリコール、日本乳化剤株式会社)、20℃における水の溶解度100g以上/溶剤100g
・PG:プロピレングリコール、20℃における水の溶解度100g以上/溶剤100g
・石油溶剤:日鉱石油社製、ニッコーホワイトN−10、20℃における水の溶解度0.1g以下/溶剤100g
・非イオン性界面活性剤(1):花王(株)製、エマルゲンLS106
・非イオン性界面活性剤(2):(株)日本触媒製、ソフタノール70

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)20℃における水の溶解度が10g以上/溶剤100gである溶剤の一種以上及び(B)水10〜50重量%を含有する衣料用洗浄剤組成物。
【請求項2】
(A)がエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールモノプロピルエーテル及びジエチレングリコールジメチルエーテルから選ばれる一種以上である請求項1記載の衣料用洗浄剤組成物。
【請求項3】
(A)がプロピレングリコールモノメチルエーテルであり、(B)を10重量%以上25重量%未満含有する請求項1記載の衣料用洗浄剤組成物。
【請求項4】
更に、(C)界面活性剤を含有する請求項1〜3の何れか1項記載の衣料用洗浄剤組成物。
【請求項5】
(C)が非イオン性界面活性剤である請求項4記載の衣料用洗浄剤組成物。
【請求項6】
(A)を10〜89重量%含有する請求項1〜5の何れか1項記載の衣料用洗浄剤組成物。

【公開番号】特開2006−89621(P2006−89621A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−277328(P2004−277328)
【出願日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】